JPH1133485A - 2トーン仕上げ塗装方法 - Google Patents

2トーン仕上げ塗装方法

Info

Publication number
JPH1133485A
JPH1133485A JP19541297A JP19541297A JPH1133485A JP H1133485 A JPH1133485 A JP H1133485A JP 19541297 A JP19541297 A JP 19541297A JP 19541297 A JP19541297 A JP 19541297A JP H1133485 A JPH1133485 A JP H1133485A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating
paint
resin
coated
colored
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP19541297A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsuhiro Wakuta
充啓 涌田
Kiminori Nakamura
公紀 中村
Masao Yamaguchi
政雄 山口
Hiromitsu Ine
弘充 井根
Hitoshi Morimoto
等 森本
Naotami Kubota
直民 久保田
Takeshi Oi
健 大井
Hideaki Fujiwara
英昭 藤原
Masaru Minemoto
勝 峯本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
OUGI SHOKAI KK
Kansai Paint Co Ltd
Daihatsu Motor Co Ltd
Original Assignee
OUGI SHOKAI KK
Kansai Paint Co Ltd
Daihatsu Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by OUGI SHOKAI KK, Kansai Paint Co Ltd, Daihatsu Motor Co Ltd filed Critical OUGI SHOKAI KK
Priority to JP19541297A priority Critical patent/JPH1133485A/ja
Publication of JPH1133485A publication Critical patent/JPH1133485A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】自動車車体外板部に仕上り外観や耐チッピング
性等のすぐれた塗膜を形成できる2トーン仕上げ塗装方
法を提供すること。 【解決手段】色調が異なる2種の着色塗料を用いて2ト
ーンに仕上げる自動車車体外板部の塗装方法であって、
該外板部の全面に電着塗料を塗装し、加熱硬化した後、
砂利や小石があたり易い部分に、塩化ビニル樹脂系耐チ
ッピング性塗料及びポリウレタン樹脂系耐チッピング性
塗料を塗装し、ついで該外板部の全面に中塗塗料を塗装
してから、該外板部の下部に第一の着色塗料を塗装し、
加熱してこれらの4層塗膜を同時に硬化させた後、該外
板部の上部のみに第二の着色塗料及びクリヤ塗料を塗装
し、加熱して上部のこれら2層塗膜を同時に硬化させる
ことを特徴とする2トーン仕上げ塗装方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車車体外板部
を2トーン仕上げする新規な塗装方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車車体外板部の上部と下部を色調が
異なる2種の着色塗料を用いて塗り分けて、2トーンに
仕上げる塗装方法はすでに公知である。例えば、電着塗
料を塗装し、加熱硬化してなる自動車車体の外板におい
て、その下部は主として走行中に跳ね上げられた砂利や
小石等があたり易く、それによって塗膜が部分的に剥離
することがあるので、それを防止するために、その部分
に塩化ビニル樹脂系耐チッピング性塗料をあらかじめ塗
装してから、外板部の全面に中塗塗料を塗装し、さらに
外板部の下部に第一の着色塗料を塗装した後に、加熱し
て、これらの塩化ビニル樹脂系塗料、中塗塗料及び第一
の着色塗料からなる3層塗膜を同時に硬化せしめ、つい
で下部をマスキングしてから、上部に第二の着色塗料及
びクリヤ塗料を塗装した後に、加熱して、これらの第二
の着色塗料及びクリヤ塗料からなる2層塗膜を同時に硬
化せしめて、2トーンに仕上げることが行われている。
【0003】しかしながら、自動車車体の下部部分にお
いて、塩化ビニル樹脂系塗料、中塗塗料及び第一の着色
塗料をそれぞれ未硬化の状態で塗り重ねた後、加熱して
これらの3層塗膜を同時に硬化せしめると、該着色塗料
塗膜の光沢が低下し、しかも該塗膜中に含まれるメタリ
ック顔料の配向性が乱れて、仕上り外観が劣り、さら
に、該塩化ビニル樹脂系塗料の使用のため塗面の平滑性
が十分でなく、仕上り外観が低下する等の欠陥を有して
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、自動
車車体外板部に仕上り外観や耐チッピング性等のすぐれ
た塗膜を形成できる2トーン仕上げ塗装方法を提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、自動車車体
外板部の上部と下部を塗り分けて2トーンに仕上げる場
合における上記従来の塗装方法における種々の欠陥を解
消するべく鋭意研究した。その結果、該塗装方法におい
て、特に、下部に塩化ビニル樹脂系耐チッピング性塗料
を塗装してから、さらに該塗面にポリウレタン樹脂系耐
チッピング性塗料を塗装することにより、第一の着色塗
料塗膜の光沢の低下、メタリック顔料を含む場合におけ
るその配向性の乱れ、塩化ビニル系樹脂塗料による平滑
性の低下等を、いずれも効果的に防止でき、自動車車体
外板部に仕上り外観や耐チッピング性等のすぐれた塗膜
を形成でき、上記目的が達成できることを見出し、これ
に基づいて、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、色調が異なる2種の
着色塗料を用いて2トーンに仕上げる自動車車体外板部
の塗装方法であって、該外板部の全面に電着塗料を塗装
し、加熱硬化した後、砂利や小石があたり易い部分に、
塩化ビニル樹脂系耐チッピング性塗料及びポリウレタン
樹脂系耐チッピング性塗料を塗装し、ついで該外板部の
全面に中塗塗料を塗装してから、該外板部の下部に第一
の着色塗料を塗装し、加熱してこれらの4層塗膜を同時
に硬化させた後、該外板部の上部のみに第二の着色塗料
及びクリヤ塗料を塗装し、加熱して上部のこれら2層塗
膜を同時に硬化させることを特徴とする2トーン仕上げ
塗装方法に係る。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に、本発明塗装方法につい
て、さらに具体的に説明する。
【0008】本発明塗装法における被塗物は、自動車車
体であり、特に金属製の自動車車体が好適である。本発
明における自動車車体外板部は、車体の外側に位置して
いる部分であり、例えばロッカー、ドア、フェンダー、
エプロン、ボンネットフード、ルーフ、トランクリッド
等が挙げられる。また、走行中に跳ね上げられた砂利や
小石等が当たりやすい車体の部分は、例えばロッカー、
ドアの下部、フェンダーの下部、エプロン等があげられ
る。また、車体外板部の下部は、目的とする2トーン仕
上げの意匠性を考慮して決定されるが、例えばロッカ
ー、ドアの下部、フェンダーの下部、エプロン等が挙げ
られる。更に、車体外板部の上部は、下部より上の部分
であり、例えばドアの上部、フェンダーの上部、ボンネ
ットフード等が挙げられる。
【0009】上記被塗物に塗装する電着塗料は、防錆
性、付着性等を向上させるためのものであり、カチオン
電着塗料が好適である。
【0010】カチオン電着塗料としては、それ自体既知
のものを使用することができ、架橋性官能基を有するア
クリル樹脂又はエポキシ樹脂にアミノ基を導入したカチ
オン性高分子化合物があげられ、これを有機酸又は無機
酸等で中和することによって水溶化又は水分散化せし
め、さらに架橋剤としてのブロックポリイソシアネート
等を配合したものが好適である。
【0011】これらのカチオン電着塗料の浴中に、自動
車車体(被塗物)を陰極として浸漬し、電着塗装が行わ
れ、膜厚は硬化塗膜を基準にして通常10〜50μmの
範囲が好ましく、140〜220℃で、10〜40分加
熱して塗膜を架橋硬化することができる。
【0012】本発明塗装法において、塩化ビニル樹脂系
耐チッピング性塗料及びポリウレタン樹脂系耐チッピン
グ性塗料の塗装部位は、電着塗装し加熱硬化させてなる
自動車車体の外板部であって、走行中に跳ね上げられた
砂利や小石等が当たりやすい車体の部分である。また、
これらの耐チッピング性塗料の塗装部位と後記する第一
の着色塗料を塗装する部位とは一致させる必要はなく、
耐チッピング性塗料は上記のように小石等が当たりやす
い部分に塗装し、一方、第一着色塗料の塗装部位は目的
とする2トーン仕上げの意匠性を考慮して決定される。
【0013】塩化ビニル樹脂系塗料は、主として走行中
に跳ね上げられた小石等があたって塗膜が部分的に剥離
するのを防止するために塗装する塗料であり、耐チッピ
ング性にすぐれた塗膜を形成することが好ましく、具体
的には、塩化ビニル樹脂、充填剤及び可塑剤を含有し、
さらに必要に応じて有機溶剤、安定剤等を配合してなる
熱可塑性の液状塗料があげられる。
【0014】塩化ビニル樹脂は、塩化ビニルを主成分と
し、さらに必要に応じて酢酸ビニル、マレイン酸、(メ
タ)アクリル酸、アクリルエステル類、水酸基含有モノ
マー、カルボキシル基含有モノマー、スチレン、アクリ
ロニトリル等を(共)重合してなる樹脂である。
【0015】充填剤としては、例えばチタン白、硫酸バ
リウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、クレー、シリ
カ、ホワイトカーボン、タルク、炭酸マグネシウム、カ
ーボンブラック、マイカ、亜鉛華、カドミウムレッド等
の着色顔料、体質顔料等があげられる。
【0016】可塑剤としては、例えばフタル酸ジブチ
ル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジオクチル、リン
酸トリクレジル、リン酸トリフェニル、セバシン酸ジブ
チル等があげられる。
【0017】有機溶剤としては炭化水素系溶剤、エステ
ル系溶剤、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、ケトン
系溶剤等があげられる。
【0018】塩化ビニル樹脂系塗料におけるこれらの成
分の構成比率は目的に応じて任意に選べるが、例えば、
塩化ビニル樹脂100重量部あたり、充填剤は5〜15
0重量部、可塑剤は5〜100重量部が好ましい。
【0019】塩化ビニル樹脂系塗料は、電着塗装し加熱
硬化させてなる自動車の外板部の砂利や小石等が当たり
やすい部分の電着塗面に、硬化塗膜に基いて約200〜
400μmの膜厚で、エアレススプレー、エアスプレー
等の塗装法により塗装することが好ましい。
【0020】本発明塗装法は、未硬化の塩化ビニル樹脂
系塗料の塗膜面にポリウレタン樹脂系塗料を塗装する。
【0021】このポリウレタン樹脂系塗料は、ウレタン
変性ポリエステル樹脂、ブロックポリイソシアネート化
合物、メラミン樹脂、エポキシ樹脂及び充填剤を含有す
る液状熱硬化性塗料である。
【0022】ウレタン変性ポリエステル樹脂は、ポリエ
ステルポリオールとポリイソシアネート化合物とを水酸
基過剰のモル比でウレタン化反応させることにより得ら
れる樹脂で、1分子中に2個以上の水酸基を有してい
る。
【0023】ブロックポリイソシアネート化合物は、ポ
リイソシアネート化合物が有する遊離のイソシアネート
基のすべて又は殆どをブロック剤で封鎖してなる化合物
であって、解離温度以上に加熱すると遊離イソシアネー
ト基が再生して架橋剤として機能する。
【0024】ポリイソシアネート化合物は、1分子中に
2個以上のイソシアネート基を有する化合物であり、芳
香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環
族ジイソシアネート、ビユーレットタイプ付加物、イソ
シアヌル環タイプ付加物等があげられる。また、ブロッ
ク剤としては、フェノール類、オキシム類、ラクタム
類、活性メチレン系化合物、アルコール類、酸アミド系
化合物、イミド系化合物、アミン系化合物、イミダゾー
ル系化合物、尿素系化合物、カルバミン酸系化合物、イ
ミン系化合物、メルカプタン類等を使用することができ
る。
【0025】ポリエステルオールとポリイソシアネート
化合物とのウレタン化反応は通常の方法で行うことがで
き、かくして得られるウレタン変性ポリエステル樹脂の
数平均分子量は1,500〜350,000、水酸基価
は50〜200mgKOH/gの範囲内が適している。
【0026】メラミン樹脂としては、メチロール化メラ
ミン、及びこのメチロール化メラミンに炭素数1〜6の
1価アルコールを反応させてなるエーテル化メラミン樹
脂が使用できる。
【0027】エポキシ樹脂としては、1分子中に2個以
上のエポキシ基を有する樹脂であり、例えば、ポリフェ
ノールをエピクロリヒドリンと反応させることにより得
られるポリフェノールのグリシジルエーテルが好適であ
る。ここで使用できるポリフェノールとして、例えば、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,2−プロパン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−エタン、ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−イソブタン、
ビス(2−ヒドロキシナフチル)−メタン、ビス(2,
4−ジヒドロキシフェニル)−メタン、テトラ(4−ヒ
ドロキシフェニル)−1,1,2,2−エタン等があげ
られる。このうち、ビスフェノールタイプが好ましい。
【0028】充填剤としては、前記塩化ビニル樹脂系塗
料で充填剤として例示したものから選ばれる1種又は2
種以上が使用できる。
【0029】本発明塗装法で使用するポリウレタン樹脂
系塗料において、ウレタン変性ポリエステル樹脂は耐チ
ッピング性を向上せしめ、又ブロックポリイソシアネー
ト化合物及びメラミン樹脂は硬化剤として作用し、この
両成分を併用することにより塗膜の可撓性と硬化性との
バランスがすぐれ、140℃以下の温度でも十分に架橋
硬化し、耐チッピング性も良好である。また、エポキシ
樹脂は被塗面との付着性を向上させ、耐チッピング性も
向上させる。
【0030】ポリウレタン樹脂系塗料におけるこれらの
成分の構成比率は、これらの合計固形分重量を100重
量%として、ウレタン変性ポリエステル樹脂は50〜7
0重量%、ブロックポリイソシアネート化合物は5〜2
0重量%、メラミン樹脂は10〜30重量%、エポキシ
樹脂は1〜10重量%の範囲内が特に好ましい。充填剤
は、ウレタン変性ポリエステル樹脂、ブロックポリイソ
シアネート化合物、メラミン樹脂及びエポキシ樹脂の合
計固形分100重量部あたり、200〜300重量部の
範囲内であることが適しており、この範囲であると、耐
チッピング性、塗膜の耐タレ性、ワキ発生防止性等が向
上するので好ましい。
【0031】本発明塗装法で使用するポリウレタン樹脂
系塗料は上記の成分を有機溶剤に混合分散せしめて得ら
れる。有機溶剤としては、前記塩化ビニル樹脂系塗料で
有機溶剤として例示したものから選ばれる1種又は2種
以上が使用できる。
【0032】ポリウレタン樹脂系塗料は、前記の塩化ビ
ニル樹脂系塗料の未硬化塗膜面に、硬化塗膜に基いて5
0〜100μmの膜厚で、静電塗装、エアレススプレ
ー、エアスプレー等の塗装法により塗装することが好ま
しい。
【0033】本発明塗装法は、耐チッピング性の塩化ビ
ニル樹脂系塗料及びポリウレタン樹脂系塗料をウエット
オンウエットで所定部分に塗装したのち、ついで外板部
の全面に中塗塗料を塗装する。
【0034】中塗塗料は、基体樹脂、架橋剤及び顔料を
配合してなる液状熱硬化性塗料であり、基体樹脂として
は、例えば水酸基含有ポリエステル樹脂、水酸基含有ア
ルキド樹脂等が好ましく、架橋剤としては、例えばメラ
ミン樹脂、尿素樹脂等のようなアミノ樹脂等が好まし
い。顔料としては、通常の塗料用顔料が使用でき、前記
塩化ビニル樹脂系塗料で充填剤として例示したものから
選ばれる1種又は2種以上が使用できる。
【0035】中塗塗料は、基体樹脂、架橋剤、顔料等を
有機溶剤に混合し分散せしめることによって得られる。
有機溶剤としては、前記塩化ビニル樹脂系塗料で有機溶
剤として例示したものから選ばれる1種又は2種以上が
使用できる。
【0036】中塗塗料は、ポリウレタン樹脂系塗料の未
硬化塗膜面を含む外板部の全面に、硬化塗膜に基いて1
0〜20μmの膜厚で、静電塗装、エアレススプレー、
エアスプレー等の塗装法により塗装することが好まし
い。
【0037】本発明塗装法は、このように塩化ビニル樹
脂系塗料、ポリウレタン樹脂系塗料、中塗塗料を塗装
し、硬化させずに、未硬化の中塗塗面の一部に第一の着
色塗料を塗装する。
【0038】第一の着色塗料の塗装部位は、耐チッピン
グ性の塩化ビニル樹脂系塗料やポリウレタン樹脂系塗料
を塗装する部位と一致させる必要はなく、目的とする2
トーン仕上げの意匠性を考慮して決定されるが、通常、
車体外板部の下部に塗装することが好ましく、耐チッピ
ング性塗料の塗装部位と重複することが多い。
【0039】第一の着色塗料は、第二の着色塗料と異な
る色調を有しており、基体樹脂、架橋剤、着色顔料等を
含有し、これらを有機溶剤に混合せしめることにより得
られる熱硬化性塗料である。有機溶剤としては、前記塩
化ビニル樹脂系塗料で有機溶剤として例示したものから
選ばれる1種又は2種以上が使用できる。
【0040】基体樹脂としては、例えば、架橋性官能基
を有するアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹
脂、ウレタン樹脂等が挙げられ、架橋剤としては、例え
ばメラミン樹脂、尿素樹脂、ポリイソシアネート化合
物、ブロックポリイソシアネート化合物等が挙げられ
る。また、着色顔料としてはフレーク状のアルミニウ
ム、ステンレス、雲母粉等等のメタリック顔料が好適に
使用できる。
【0041】第一着色塗料は、上記の基体樹脂、架橋
剤、着色顔料を、必要に応じて塗料用添加剤等と共に、
有機溶剤に混合せしめることにより得られ、これを、車
体外板部の下部に、硬化塗膜に基いて一般に10〜50
μmの膜厚に、静電塗装、エアレススプレー、エアスプ
レー等の塗装法により塗装することが好ましい。
【0042】本発明塗装法では、第一着色塗料を塗装し
てから、約100〜170℃の温度で約10〜40分間
加熱して、上記の塩化ビニル樹脂系塗料、ポリウレタン
樹脂系塗料、中塗塗料及び第一着色塗料からなる4層塗
膜を同時に架橋硬化させる。
【0043】本発明塗装法では、第一着色塗料を塗装
し、加熱硬化させた後、車体外板部の上部のみに第二着
色塗料を塗装する。
【0044】第二着色塗料は、第一着色塗料と異なる色
調で、基体樹脂、架橋剤、着色顔料等を含有し、これら
を有機溶剤に混合せしめることにより得られる熱硬化性
塗料である。有機溶剤としては、前記塩化ビニル樹脂系
塗料で有機溶剤として例示したものから選ばれる1種又
は2種以上が使用できる。
【0045】基体樹脂としては、例えば、架橋性官能基
を有するアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹
脂、ウレタン樹脂等が挙げられ、架橋剤としては、例え
ば、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリイソシアネート化合
物、ブロックポリイソシアネート化合物等があげられ
る。着色顔料としては、フレーク状のアルミニウム、ス
テンレス、雲母粉等のメタリック顔料が好適に使用でき
る。
【0046】第二着色塗料は、上記の基体樹脂、架橋
剤、着色顔料を、必要に応じて塗料用添加剤等と共に、
有機溶剤に混合せしめることにより得られる。
【0047】本発明塗装法では、第一着色塗料を塗装し
加熱硬化してなる車体下部の該塗面をマスキングテープ
等でマスキングしてから、露出している車体上部のみに
第二着色塗料を硬化塗膜に基いて15〜25μmの膜厚
に、静電塗装、エアレススプレー、エアスプレー等の塗
装法により塗装し、硬化させることなく、さらにこの第
二着色塗料の塗面にクリヤ塗料を硬化塗膜に基いて10
〜100μmの膜厚に、静電塗装、エアレススプレー、
エアスプレー等の塗装法により塗装した後、加熱してこ
の両塗膜を硬化することにより、本発明塗装法による2
トーン仕上げが達成される。
【0048】その結果、車体外板部は色調が異なる通常
メタリック調の第一着色塗料と第二着色塗料によって2
色に塗り分けられており、しかも両塗料の塗膜は接触隣
接しているか、又はモール等を介在させて隣接している
ことが好ましい。
【0049】車体上部の第二着色塗面に塗装するクリヤ
塗料は、基体樹脂、架橋剤及び有機溶剤を主成分とし、
さらに必要に応じて該塗膜の透明感を損なわない程度で
着色顔料及びその他の塗料用添加剤等を配合してなる無
色又は有色の透明塗膜を形成する液状熱硬化性塗料であ
る。クリヤ塗料の基体樹脂としては、例えば架橋性官能
基を有するアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド
樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられ、架橋剤としては、例
えばメラミン樹脂、尿素樹脂、ポリイソシアネート化合
物、ブロックポリイソシアネート化合物等があげられ
る。有機溶剤としては、前記塩化ビニル樹脂系塗料で有
機溶剤として例示したものから選ばれる1種又は2種以
上が使用できる。
【0050】クリヤ塗料を塗装したのち、約100〜1
70℃の温度で10〜40分間加熱して、第二着色塗料
及びクリヤ塗料の両塗膜を同時に架橋硬化させる。
【0051】
【実施例】以下に、製造例、実施例及び比較例を挙げ
て、本発明を更に具体的に説明する。各例における部及
び%はいずれも重量に基く。
【0052】製造例1 被塗物の調製 自動車車体用鋼板に、「エレクロン9600」(関西ペ
イント社製、商品名、エポキシ樹脂系カチオン電着塗
料)を硬化塗膜で15μmになるように電着塗装し、1
60℃で30分加熱して硬化せしめたものを被塗物とし
た。
【0053】製造例2 塩化ビニル樹脂系塗料(a−
1)の調製 塩化ビニル樹脂100部、充填剤(チタン白、硫酸バリ
ウム、炭酸カルシウム)100部、可塑剤(フタル酸ジ
ブチル)50部、及び炭化水素系溶剤を配合して、塩化
ビニル樹脂系塗料(a−1)を調製した。
【0054】製造例3 ポリウレタン樹脂系塗料(b−
1)の調製 ヘキサメチレンジイソシアネート変性ポリエステル樹脂
(水酸基価90mgKOH/g、数平均分子量約2,7
00)60部、ε−カプロラクタムブロックヘキサメチ
レンジイソシアネート12部、「サイメル703」(三
井サイアナミド社製、商品名、メラミン樹脂)22部、
エポキシ樹脂(「エポン828」、シェル化学社製、商
品名、ビスフェノール型エポキシ樹脂)6部、顔料(チ
タン白、硫酸バリウム)260部、及び炭化水素系溶剤
を配合して、ポリウレタン樹脂系塗料(b−1)を調製
した。
【0055】実施例1 製造例1で得た被塗物の下部に製造例2で得た塩化ビニ
ル樹脂系塗料(a−1)をエアレススプレー塗装し(塗
装膜厚は硬化塗膜で250μm)、硬化させずに、該未
硬化塗面に製造例3で得たポリウレタン樹脂系塗料(b
−1)をエアレススプレーで塗り重ね(塗装膜厚は硬化
塗膜で75μm)、硬化させずに、「WSTPー65プ
ライマ」(関西ペイント社製、商品名、水酸基含有ポリ
エステル樹脂・メラミン樹脂系中塗塗料)を被塗物全面
にエアスプレー塗装したのち(塗装膜厚は硬化塗膜で1
5μm)、硬化させずに、上記のポリウレタン樹脂系塗
料(b−1)を塗装した部分に、第一着色塗料として
「WSTP−069シルバー」(関西ペイント社製、商
品名、水酸基含有ポリエステル樹脂・メラミン樹脂系シ
ルバーメタリック塗料)をエアスプレーで塗り重ねた
(塗装膜厚は硬化塗膜で20μm)後、140℃で30
分加熱して、これらの4層塗膜を同時に硬化させた。次
いで、この第一着色塗料の塗面をマスキングしたのち、
第二着色塗料として「NAD5500 B38M」(関
西ペイント社製、商品名、水酸基含有アクリル樹脂・メ
ラミン樹脂系ブルーメタリック塗料)を第一着色塗料の
塗膜に隣接するように被塗物上部にエアスプレー塗装し
(塗装膜厚は硬化塗膜で20μm)、硬化させずに、更
にクリヤ塗料として「DNC−K2クリヤ」(関西ペイ
ント社製、商品名、水酸基含有アクリル樹脂・メラミン
樹脂系クリヤ塗料)を第二着色塗料部分の全面にエアス
プレー塗装した(塗装膜厚は硬化塗膜で40μm)の
ち、140℃で30分加熱して、上部の2層塗膜を同時
に硬化させて、本発明塗装方法を実施した。
【0056】比較例1 実施例1においてポリウレタン樹脂系塗料(b−1)を
使用しない以外は、実施例1と同様にして、比較の塗装
方法を行った。
【0057】上記実施例1及び比較例1で得られた塗膜
の性能を、下記試験方法により、調べた。
【0058】層間付着性:カッターで、素地に達するよ
うに複層塗膜に1mm間隔で切り込み、大きさ1mm×
1mmのゴバン目を100個作り、その表面に粘着テー
プを貼着し、20℃でそれを急激に剥離した後の、残存
ゴバン目数により、各塗膜間の層間付着性を調べた。○
は100個残存、△は99〜90個残存、×は89個以
下残存を、それぞれ示す。
【0059】耐チッピング性:グラベロメータ(Qパネ
ル社製)を用い、7号砕石500gを塗面に対して45
°の角度で、20℃においてエアー圧0.3MPaで塗
面に吹き付けて、衝撃を与えた。ついで、その塗面に粘
着テープを貼着し剥離した後の、衝撃によるキズの周囲
の状態を調べた。○はキズ周辺部に塗膜剥離が殆ど認め
られない、△はキズ周辺部に塗膜剥離が明確に認められ
る、×はキズ周辺部に塗膜剥離が著しく認められるを、
それぞれ示す。
【0060】ツヤ:60°鏡面反射率(%)で評価し
た。
【0061】平滑性:塗面を目視で評価した。5は平滑
性良好、4は平滑性やや良好、3は平滑性やや劣るが実
用上問題なし、2は平滑性劣り実用的ではない、1は平
滑性非常に劣る、をそれぞれ示す。
【0062】色差:ミノルタ社製、色差計「CR−20
0型」を使用して、色標準板との色の差異(ΔE)を求
めた。数値が小さい方が色差が少なく、0.8以下であ
れば良好である。
【0063】塗膜性能の試験結果を、表1に示した。
【0064】
【表1】
【0065】表1における上部の性能の相違は、下部と
隣接する上部に、下部の4層塗膜やスプレーダストが存
在し、それによって上部の塗膜性能が変動するためであ
る。
【0066】
【発明の効果】自動車車体外板部を2トーンに仕上げ塗
装するにあたり、外板部の下部に塩化ビニル樹脂系耐チ
ッピング性塗料を塗装してから、さらに該塗面にポリウ
レタン樹脂系耐チッピング性塗料を塗装することによ
り、第一の着色塗料塗膜の光沢の低下、メタリック顔料
を含む場合におけるその配向性の乱れ、塩化ビニル系樹
脂塗料による平滑性の低下等を、いずれも効果的に防止
でき、自動車車体外板部に仕上り外観や耐チッピング性
等のすぐれた塗膜を形成できた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 公紀 大阪府池田市ダイハツ町1番1号 ダイハ ツ工業株式会社内 (72)発明者 山口 政雄 大阪府池田市桃園2丁目1番1号 ダイハ ツ工業株式会社内 (72)発明者 井根 弘充 大阪府池田市桃園2丁目1番1号 ダイハ ツ工業株式会社内 (72)発明者 森本 等 大阪府池田市桃園2丁目1番1号 ダイハ ツ工業株式会社内 (72)発明者 久保田 直民 大阪府大阪市北区西天満3丁目13番7号 株式会社扇商会内 (72)発明者 大井 健 大阪府大阪市北区西天満3丁目13番7号 株式会社扇商会内 (72)発明者 藤原 英昭 兵庫県尼崎市神崎町33番1号 関西ペイン ト株式会社内 (72)発明者 峯本 勝 兵庫県尼崎市神崎町33番1号 関西ペイン ト株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】色調が異なる2種の着色塗料を用いて2ト
    ーンに仕上げる自動車車体外板部の塗装方法であって、
    該外板部の全面に電着塗料を塗装し、加熱硬化した後、
    砂利や小石があたり易い部分に、塩化ビニル樹脂系耐チ
    ッピング性塗料及びポリウレタン樹脂系耐チッピング性
    塗料を塗装し、ついで該外板部の全面に中塗塗料を塗装
    してから、該外板部の下部に第一の着色塗料を塗装し、
    加熱してこれらの4層塗膜を同時に硬化させた後、該外
    板部の上部のみに第二の着色塗料及びクリヤ塗料を塗装
    し、加熱して上部のこれら2層塗膜を同時に硬化させる
    ことを特徴とする2トーン仕上げ塗装方法。
JP19541297A 1997-07-22 1997-07-22 2トーン仕上げ塗装方法 Pending JPH1133485A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19541297A JPH1133485A (ja) 1997-07-22 1997-07-22 2トーン仕上げ塗装方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19541297A JPH1133485A (ja) 1997-07-22 1997-07-22 2トーン仕上げ塗装方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1133485A true JPH1133485A (ja) 1999-02-09

Family

ID=16340671

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19541297A Pending JPH1133485A (ja) 1997-07-22 1997-07-22 2トーン仕上げ塗装方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1133485A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005037442A3 (en) * 2003-10-17 2005-06-02 Du Pont Improved method for achieving a two-tone finish on a vehicle

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005037442A3 (en) * 2003-10-17 2005-06-02 Du Pont Improved method for achieving a two-tone finish on a vehicle

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5976343A (en) Multi-coat painting process
US5869198A (en) Process for multi-layer coating
JP5489976B2 (ja) 複層塗膜形成方法
JP2858541B2 (ja) 塗膜形成法
KR100526729B1 (ko) 복층도막 형성방법
JPH1133485A (ja) 2トーン仕上げ塗装方法
CA2163496A1 (en) Paints for repairing lustrous agent-containing films and repairing process
US5747114A (en) Process for the effect coating of grained plastics parts
US20050158522A1 (en) Process for producing two-tone coated substrates
JPH06254482A (ja) 塗装方法
KR100435941B1 (ko) 복층도막의 형성방법
KR100526730B1 (ko) 복층도막형성방법
JPH09131567A (ja) アルミホイ−ルの塗装方法
JP4393752B2 (ja) 複層塗膜形成方法
US6238748B1 (en) Multilayer coating film formation process
JP4976962B2 (ja) 塗膜形成方法
JPS62243660A (ja) 塗料および複合塗膜形成法
JP3710843B2 (ja) 塗膜形成方法
KR100679444B1 (ko) 복수층 도막 형성방법
JP2000317394A (ja) 塗膜形成方法
JPS62171781A (ja) 自動車車体の塗装方法
JP2001046952A (ja) 塗膜形成法
JPH09316373A (ja) 自動車用塗料組成物及び塗装方法
JP2002079172A (ja) 塗膜形成方法
JPS6249973A (ja) 塗膜形成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20040513

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Effective date: 20060908

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20061025

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Effective date: 20070307

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02