JPH11334005A - 農業用多層フィルム - Google Patents

農業用多層フィルム

Info

Publication number
JPH11334005A
JPH11334005A JP10146763A JP14676398A JPH11334005A JP H11334005 A JPH11334005 A JP H11334005A JP 10146763 A JP10146763 A JP 10146763A JP 14676398 A JP14676398 A JP 14676398A JP H11334005 A JPH11334005 A JP H11334005A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
ethylene
vinyl acetate
layer
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10146763A
Other languages
English (en)
Inventor
Shunichi Onishi
俊一 大西
Kazuhiko Yokoyama
和彦 横山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical MKV Co
Original Assignee
Mitsubishi Chemical MKV Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical MKV Co filed Critical Mitsubishi Chemical MKV Co
Priority to JP10146763A priority Critical patent/JPH11334005A/ja
Publication of JPH11334005A publication Critical patent/JPH11334005A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/10Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in agriculture
    • Y02A40/25Greenhouse technology, e.g. cooling systems therefor

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Materials Applied To Surfaces To Minimize Adherence Of Mist Or Water (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Protection Of Plants (AREA)
  • Greenhouses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 初期透明性、防塵性に特に優れ、かつ耐候
性、保温性、防曇持続性などの諸性能において優れた農
業用被覆資材を提供する。 【解決手段】 メタロセン触媒で共重合して得られるエ
チレン−α−オレフィン共重合樹脂からなるフィルム外
層、酢酸ビニル含有量が10〜25重量%のエチレン−
酢酸ビニル共重合樹脂と、Mg、Ca、Al、Si、L
iの少なくとも1原子を含有する無機微粒子1〜20重
量部とを含む組成物からなるフィルム中間層、酢酸ビニ
ル含有量が1〜10重量%のエチレン−酢酸ビニル共重
合樹脂からなる内層で形成された内層表面に、熱可塑性
樹脂と無機質コロイドゾルを主成分とする防曇性塗膜を
設けた農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、農業用フィルムに
関するものである。更に詳しくは、初期透明性に優れ、
かつ防塵性に優れた農業用ポリオレフィン系樹脂フィル
ムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、農業用作物を半促成又は抑制栽培
して、その市場性、生産性を高めるため、農業用塩化ビ
ニルフィルムやポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、およびポリオレフィン系樹脂を主体とした特殊
フィルムなどの農業用被覆材による被覆下に有用植物を
栽培する、いわゆるハウス栽培やトンネル栽培が盛んに
行われている。なかでも、ポリオレフィン系樹脂を主体
とした特殊フィルムは、化学的な構造も安定しているた
め、長期の使用にも機械的物性は殆ど変化せず、また焼
却しても有毒ガスの発生が少なく、安価であることなど
から盛んに利用されるようになってきている。
【0003】さて、このような農業用作物ハウスは年々
大型化しており、ハウスをフィルムで覆うための展張作
業は多くの人手を要するようになってきている。一方、
農業従事者の数は年々減少しており、毎年展張作業の人
手を確保することは容易でない。このような状況に鑑
み、ハウスに張るフィルムの張り替え時期は極力張り替
えに要するまでの使用期間の長いフィルム、いいかえれ
ば、2年以上の長寿命を有する農業用ポリオレフィン系
樹脂フィルムの開発が求められている。この目的に対し
て、フィルムの具備すべき性能としては、透明性、保温
性、耐候性、防曇性及び防曇持続性などが挙げられる。
これら性能の中で、これまで最も困難とされてきた技術
は防曇性の持続性付与であり、過去多くの研究が行われ
てきた。従来農業用途において、ポリオレフィン系樹脂
フィルムに防曇性を付与する方法として、防曇剤をフィ
ルム中に練り込む方法、あるいは液状の防曇剤または防
曇剤を含有する溶液を塗布する方法などが提案されてお
り、実用化されている。防曇剤を練り込む方法は、練り
込まれた防曇剤がフィルム表面へブリードアウトするこ
とにより、防曇性を発現させるものであるが、この方法
ではフィルム中からの防曇剤のブリードアウトが速く、
該フィルムをハウスに展張後1年ほど経過すると防曇性
の効果が薄れ、防曇持続性が劣るため種々の改良検討が
行われている。これに対して、塗布する方法において、
本発明者らは例えば、特願平7−261836号、特開
平9−59603号各公報に示されるように、ポリオレ
フィン系樹脂フィルムなど疎水性樹脂フィルム表面にコ
ロイダルシリカなどの無機質防曇剤を塗布し、防曇塗膜
を形成させることで、防曇性の持続性に優れたものを開
発し提案してきた。
【0004】更に、上述したようなフィルムの長期展張
に伴い、他の重要な性能として、初期透明性及び防曇性
に優れたフィルムが要求されるようになってきた。一般
的には、農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムは農業用
塩化ビニルフィルムに比較し、やや初期透明性は劣るも
のの、防塵性はフィルム中に可塑剤などのブリード物を
多量に含まないので、良好であると言われている。しか
しながら、ポリオレフィン系樹脂フィルムといえど、フ
ィルム内部には種々の低分子物質が含まれているので、
経年におけるこれらの表面ブリード物への埃の付着や、
光熱による樹脂の劣化により、透明性は悪影響を受け、
防塵性は必ずしも良好とは言えず、更なる改良が切望さ
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記欠
点を克服し、初期透明性に優れ、かつ防塵性、耐候性、
保温性、防曇持続性の全てを満足するフィルムについ
て、鋭意検討した結果、メタロセン触媒で共重合して得
られる特定の構造を有するエチレン−α−オレフィン共
重合樹脂を3種3層ハウスフィルムの外層部分に使用
し、これに中間層部分として、無機微粒子を含有する特
定のエチレン−酢酸ビニル樹脂からなる組成物と、内層
部分として、特定のエチレン−酢酸ビニル樹脂からなる
樹脂を積層した3種3層構成フィルムの内層表面に、熱
可塑性樹脂と無機質コロイドゾルを主成分とする防曇性
塗膜を設けたフィルムにすることで本目的が達成し得る
ことを見出し本発明が完成した。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の要旨とす
るところは、積層フィルムの外層が、メタロセン触媒で
共重合して得られる下記(a)〜(c)の特性を有する
エチレン−α−オレフィン共重合樹脂を主成分とする層
と、
【0007】
【数2】 (a)メルトフローレート 0.1〜10g/10分 (b)密度 0.88〜0.930g/cm3 (c)分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量) 1.5〜3.5
【0008】積層フィルムの中間層が、酢酸ビニル含有
量が10〜25重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合樹
脂100重量部と、Mg、Ca、Al、Si、Liの少
なくとも1原子を含有する無機微粒子1〜20重量部と
を含む組成物を主成分とする層、およびハウスフィルム
の内層が、酢酸ビニル含有量が1〜10重量%のエチレ
ン−酢酸ビニル共重合樹脂を主成分とする層の3種3層
構成の積層フィルムの内層表面に、熱可塑性樹脂と無機
質コロイドゾルを主成分とする防曇性塗膜を設けたこと
を特徴とする農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムに存
する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の農業用ポリオレフィン系樹脂積層フィルムは、
外層、中間層および、内層からなっており、本発明のフ
ィルムを実際展張使用した場合に、ハウス、トンネルな
どの外側になる面を外層、内側になる面を内層、それら
の中間にある層を中間層という。
【0010】フィルム外層 本発明における外層を形成する樹脂は、通常、メタロセ
ンポリエチレンといわれているものであり、エチレンと
ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、
オクテンなどのα−オレフィンとの共重合体であり、こ
の共重合体は、(A法)特開昭58−19309号、特
開昭59−95292号、特開昭60−35005号、
特開昭60−35006号、特開昭60−35007
号、特開昭60−35008号、特開昭60−3500
9号、特開昭61−130314号、特開平3−163
088号の各公開公報、ヨーロッパ特許出願公開第42
0436号明細書、米国特許第5055438号明細書
及び国際公報WO91/04247号明細書などに記載
されている方法、即ちメタロセン触媒、特にメタロセン
・アルモキサン触媒、又は、例えば、国際公開公報WO
92/01723号明細書等に開示されているような、
メタロセン化合物と、メタロセン化合物と反応して安定
なイオンとなる化合物からなる触媒、又は、更には、特
開平5−295020号、特開平5−295022号な
どに記載されているような、メタロセン化合物を無機化
合物に担持させた触媒などを使用して、主成分のエチレ
ンと従成分の炭素数4〜20のα−オレフィンとを、得
られる共重合体の密度が0.880〜0.930g/c
3 となるように共重合させる方法である。この重合方
法としては、高圧イオン重合法、溶液法、スラリー法、
気相法などを挙げることができる。これらの中では高圧
イオン重合法で製造するのが好ましい。
【0011】なお、この高圧イオン重合法とは、特開昭
56−18607号、特開昭58−25106号の各公
報に記載されているが、圧力が100kg/cm2
上、好ましくは300〜1500kg/cm2 で、温度
が125℃以上、好ましくは150〜200℃の反応条
件下に高圧イオン重合法により製造されるものである。
他方、メタロセンポリエチレンといわれるエチレン−α
−オレフィン共重合体の製造方法として、例えば、(B
法)特開平6−9724号、特開平6−136195
号、特開平6−136196号、特開平6−20705
7号の各公開公報に記載されているメタロセン触媒成
分、有機アルミニウムオキシ化合物触媒成分、微粒子状
担体、および必要に応じて有機アルミニウム化合物触媒
成分、イオン化イオン性化合物触媒成分を含む、オレフ
ィン重合用触媒の存在下に、気相、またはスラリー状あ
るいは溶液状の液相で種々の条件でエチレンとα−オレ
フィン、具体的には炭素原子数3〜20のα−オレフィ
ンとを、得られる共重合体の密度が0.900〜0.9
30g/cm3 となるように共重合させることによって
も調製することができるが、本発明の主目的であるフィ
ルムでの良好な初期透明性及び透明持続性が得られる点
で上記(A)法によりメタロセンポリエチレンの製造が
より好ましい。
【0012】(A)法によりメタロセンポリエチレン
は、温度上昇溶離分別(TREF:Temperatu
re Rising Elution Fractio
nation)による測定によって得られる微分溶出曲
線で特定される。即ち、温度上昇溶離分別によって得ら
れる溶出曲線のピークが1つ存在するもので、そのピー
ク温度が20〜100℃、好ましくは40〜80℃の範
囲内にあるものである。また、該ピーク温度の溶出温度
以外の温度において溶出するものが実質的に該溶出曲線
に存在することがある。上記溶出曲線のピーク温度内の
ピークが2つ以上存在すると透明性が劣るものとなる。
また、存在していない場合にはフィルムがべたつくこと
になる。
【0013】温度上昇溶離分別(TREF)による溶出曲線の測定 上記温度上昇溶離分別(Temperature Ri
sing Elution Fractionatio
n:TREF)による溶出曲線の測定は、「Journ
al of Applied Polymer Sci
ence.Vol 126,4,217−4,231
(1981)」、「高分子討論会予稿集2P1C09
(昭和63年)」等の文献に記載されている原理に基づ
いて実施される。すなわち、先ず対象とするポリエチレ
ンを溶媒中で一度完全に溶解させる。その後、冷却し、
不活性担体表面に薄いポリマー層を生成させる。かかる
ポリマー層は結晶し易いものが内側(不活性担体表面に
近い側)に形成され、結晶し難いものが外側に形成され
てなるものである。次に、温度を連続又は段階的に昇温
することにより、先ず、低温度では対象ポリマー中の非
晶部分から、すなわち、ポリマーの持つ短鎖分岐の分岐
度の多いものから溶出する。溶出温度が上昇すると共
に、徐々に分岐度の少ないものが溶出し、ついには分岐
の無い直鎖状の部分が溶出して測定は終了する。この各
温度での溶出成分の濃度を連続的に検出して、その溶出
量と溶出温度によって描かれるグラフ(溶出曲線)のピ
ークによって、ポリマーの組成分布を測定することがで
きるものである。
【0014】本発明の積層フィルムの外層を構成するエ
チレン−α−オレフィン共重合体は、以下の物性を示す
ものである。メルトフローレート(MFR) JIS−K7210により測定されたMFRが0.01
〜10g/10分、好ましくは0.1〜5g/10分の
値を示すものである。該MFRがこの範囲より大きいと
成形時にフィルムが蛇行し安定しない。また、該MFR
がこの範囲より小さすぎると成形時の樹脂圧力が増大
し、成形機に負荷がかかるため、生産量を減少させて圧
力の増大を抑制しなければならず、実用性に乏しい。
【0015】密度 JIS−K7112により測定された密度が0.880
〜0.930g/cm 3 、好ましくは0.880〜0.
920g/cm3 の値を示すものである。該密度がこの
範囲より大きいと透明性が悪化する。また、密度がこの
範囲より小さいと、フィルム表面のべたつきによりブロ
ッキングが生じ実用性に乏しくなる。
【0016】分子量分布 ゲルパーミュレーションクロマトグラフィー(GPC)
によって求められる分子量分布(重量平均分子量/数平
均分子量)は1.5〜3.5、好ましくは1.5〜3.
0の値を示すものである。該分子量分布がこの範囲より
大きいと機械的強度が低下し好ましくない。該分子量分
布がこの範囲より小さいと成形時にフィルムが蛇行し安
定しない。
【0017】本発明の積層フィルムの外層の厚みとして
は、好ましくは5〜50μである。外層が5μ未満では
実質的に強度が不足するためフィルムとして不適当であ
る。外層を構成する上記樹脂は、外層が通常農業フィル
ムとして、ハウス、トンネル等の外側に使用されるた
め、耐候性および耐熱性保持の点から、耐候安定剤およ
び酸化防止剤等を添加したほうが好ましい。耐候安定剤
は、大別して光安定剤と紫外線吸収剤があり、光安定剤
としては、例えばヒンダードアミン系光安定剤が好まし
く用いられる。紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン
系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、
サリチル酸系紫外線吸収剤などが好ましく用いられる。
【0018】フィルム中間層 本発明の中間層に用いられる組成物は、エチレン−酢酸
ビニル共重合樹脂、無機微粒子、および必要に応じて耐
候安定剤、酸化防止剤等を含有するものである。本発明
で用いられるエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂は、酢酸
ビニル含有量が10〜25重量%の範囲であり、好まし
くは12〜20重量%の範囲である。この範囲の酢酸ビ
ニル含有量を有するエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂を
中間層として用いると、柔軟性、かつ保温性に優れた多
層フィルムを得ることができる。
【0019】本発明の中間層に添加される無機微粒子と
しては、保温剤として有効なMg、Ca、Al、Siお
よびLiの少なくとも1つの原子を含有する無機酸化
物、無機水酸化物、ハイドロタルサイト類などである。
具体的には、SiO2 、Al23 、MgO、CaOな
どの無機酸化物;Al(OH)3 、Mg(OH)2 、C
a(OH)2 などの無機水酸化物;式M2+ 1-X Al
x (OH)2 (An-x/n ・mH2 O〔式中、M2+は、
Mg、CaまたはZnの二価金属イオンであり、An-
Cl- 、Br- 、I- 、NO3 2- 、ClO4-、S
4 2- 、CO2 2- 、SiO3 2 - 、HPO4 2- 、HBO3
2- 、PO4 2- 等のアニオンであり、xは、0<x<
0.5の条件を満足する数値であり、mは、0≦m≦2
の条件を満足する数値である〕で表される無機複合化合
物、その焼成物等のハイドロタルサイト類などが挙げら
れる。
【0020】これらの中でも、ハイドロタルサイト類が
好ましく、特に上記式で表される無機複合化合物の焼成
物が好ましい。上記のような無機微粒子は、単独または
2種以上組み合わせて使用することができる。その平均
粒子径は、10μm以下、好ましくは5μm以下である
ことが好ましい。無機微粒子の平均粒子径が上記範囲内
であれば、透明性良好な積層フィルムを得ることができ
る。無機微粒子の含有量は樹脂100重量部当たり2〜
20重量部である。2重量部以下では、保温性の点で不
十分であり、また20重量部以上であると透明性が低下
する。又、かかる無機化合物は3層の積層フィルム中1
〜13重量%含有することが好ましいが、中間層以外に
含有させると、初期防塵性が不良となるため、フィルム
全体に含有させる無機化合物の内、80%以上を中間層
に含有させることが好ましい。
【0021】フィルム内層 本発明の内層に用いられる組成物は、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合樹脂である。本発明で用いられるエチレン−
酢酸ビニル共重合樹脂は、酢酸ビニル含有量が1〜10
重量%の範囲であり、好ましくは2〜8重量%の範囲で
ある。この範囲の酢酸ビニル含有量を有するエチレン−
酢酸ビニル共重合樹脂を内層として用いると、耐熱融着
性に優れた多層フィルムが得ることができる。内層を構
成する樹脂としては、1種類のみならず、最終的な平均
酢酸ビニル含有量が10重量%以下であれば、2種類以
上の樹脂を混合して使用することが可能である。
【0022】本発明の積層フィルムは、各層へ必要に応
じてワックス、酸化防止剤、帯電防止剤、光安定剤、紫
外線吸収剤、滑剤、アンチブロッキング剤、防霧剤等を
添加することができる。また、本発明の積層フィルムの
外観は、使用目的に応じ、透明、半梨地、梨地の形態を
とることができる。本発明の積層フィルムを成形加工す
るには、共押出インフレーション成形が主として用いら
れ、その全厚は強度、性能、生産コスト等を考慮して
0.04〜0.2mm厚みの範囲が好ましい。また各層
の厚み比率は、外層に対し、それに積層した層の全厚が
外層以上であれば任意に選択できる。
【0023】内層表面処理 本発明の積層フィルムは、防曇性塗膜を設ける前に、内
層表面を濡れが35dyn/cm以上になるように、予
め処理を施すことが好ましい。濡れが35dyn/cm
未満であると防曇剤組成物を塗布する場合に、溶液のハ
ジキが起こり、均一に塗布することができず、さらに、
塗膜との強固な密着が得られず、塗膜の界面剥離が生じ
長期に渡って防曇性を持続することができず好ましくな
い。
【0024】本発明の積層フィルムの内層表面に施す処
理の方法としては、コロナ放電処理、スパッタエッチン
グ処理、ナトリウム処理、サンドプラスト処理などの方
法が挙げられる。コロナ放電処理は、針状あるいはナイ
フエッジ電極と対極間で放電を行わせ、その間に試料を
入れて処理を行い、フィルム表面にアルデヒド、酸、ア
ルコールパーオキサイド、ケトン、エーテルなどの酸素
を含む官能基を生成させる処理である。スパッタエッチ
ング処理は、低気圧グロー放電を行っている電極間に試
料を入れ、グロー放電によって生じた正イオンの衝撃に
より、フィルム上に多数の微細な突起を形成するもので
ある。サンドプラスト処理は、フィルム面に微細な砂を
吹き付けて、表面上に多数の微細な凹凸を形成するもの
である。これら表面活性処理の中では、塗布層との密着
性、作業性、安全性、コストなどの点からみて、コロナ
放電処理を行うことが好適である。
【0025】防曇性塗膜 本発明の積層フィルムの内層表面に塗布し被膜形成する
防曇剤組成物は、無機質コロイドゾルと熱可塑性樹脂を
主成分としている。無機質コロイドゾルとしては、例え
ばシリカゾル粒子および/またはアルミナゾル粒子など
が挙げられる。シリカゾル及び/又はアルミナゾルは平
均粒子径が5〜100mμの範囲のものが好ましい。平
均粒子径が100mμを超えると塗膜が白く失透し易く
また、5mμに満たないときは防曇剤組成物の安定性に
欠けるので好ましくない。これらは、それぞれ単独で使
用してもよいし、両者を組合せて使用してもよい。ま
た、単独又は両者を組合せて使用する際に平均粒子径の
異なる2種以上のものを組合せて用いてもよい。両者を
組合せるときは、重量比でシリカゾル/アルミナゾルが
95〜5/5〜95(全体として100とする)の割合
にするのが好ましい。
【0026】アルミナゾルは、通常市販されている製品
そのもの、または通常市販されているアルミナ粉末を水
に分散させて水性ゾルとしたもの、いずれであってもよ
い。アルミナゾルは、高濃度で水に分散させようとする
と、分散液の粘度が急激に高まるといういわゆるチキソ
トロピー性を示し、均質な分散液が得にくいが、コロイ
ドミルの様な媒質剪断内部撹拌機を用いると、均質な分
散液を得ることができる。また、この分散液にシリカゾ
ルを混合すると、分散液の粘度を降下させることができ
る。
【0027】他方のシリカゾルは、多くの場合粒子表面
は陰電荷に帯電しているが、アルミナゾルと組合せて用
いるときは陰電荷に帯電しているものを用いるのは好ま
しくない。これは、シリカゾルとアルミナゾルとを混合
すると、混合分散液は急激に凝集し、ゲル化し、分散不
良を生起する。従って、コロイダルシリカは、粒子表面
に陽電荷に帯電したものとするのがよい。
【0028】バインダー成分として使用する熱可塑性樹
脂としては、アクリル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル
系樹脂、ポリエチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化
ビニリデン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネ
ート系樹脂、スチロール系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、不
飽和ポリエステル系樹脂等が挙げられるが、防曇持続性
の点で、アクリル系樹脂が好適である。
【0029】これらは1種、または、2種以上を組合せ
て使用してもよい。アクリル系樹脂としては、疎水性基
を共重合した疎水性アクリル系樹脂又は親水性アクリル
系樹脂が挙げられるが、例えば、少なくとも合計70重
量%のアクリル酸の或いはメタクリル酸のアルキルエス
テル類(以下これを(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ル類と記す。)、又は(メタ)アクリル酸アルキルエス
テル類とアルケニルベンゼン類との単量体からなる混合
物及び0〜30重量%の共重合しうるα,β−エチレン
性不飽和単量体とを通常の重合条件に従って、例えば界
面活性剤の存在下に、重合させて得られる重合体又は共
重合体が疎水性アクリル系樹脂の例として挙げられる。
【0030】防曇剤組成物の主成分であるシリカゾル及
び/又はアルミナゾルは、その配合量が固形分重量比
で、熱可塑性樹脂の0.5〜40倍の範囲にあるのが好
ましい。40倍を超えるときは、防曇効果が配合量に比
例して向上しないばかりでなく、塗布後に形成される塗
膜が白濁化し光線透過率を低下させる現象があらわれ
る。また塗膜が粗雑で脆弱になり易くなる傾向がある。
一方、0.5倍に満たないときは、充分な防曇効果を発
揮し難くなる。
【0031】防曇剤組成物には、熱可塑性樹脂を架橋さ
せる架橋性化合物を併用してもよい。こうすることによ
り防曇被膜の耐水性を向上させることができる。架橋性
化合物の使用量は、熱可塑性樹脂の固形分に対し0.1
〜30重量%の範囲、特に0.5〜10重量%の範囲が
好ましい。また、防曇剤組成物には、必要に応じ、消泡
剤、滑剤、帯電防止剤、その他の各種添加剤を混合する
ことができる。しかして、防曇剤組成物は、通常液状で
使用される。液状分散媒としては、水を含む親和性ない
し水混合性溶媒が含まれ、水:メチルアルコール、エチ
ルアルコール、イソプロピルアルコール等の一価アルコ
ール類:エチレングリコール、ジエチレングリコール、
グリセリン等の多価アルコール類:ベンジルアルコール
等の環式アルコール類:セロソルブアセテート類:ケト
ン類等が挙げられる。
【0032】これらは単独で用いても併用してもよい
が、用いる防曇剤組成物の分散安定性、フィルム表面に
塗布した後の濡れ性、液状分散媒除去の難易、経済性を
勘案して決めるのが好ましい。また、基体フィルムの表
面に形成される防曇剤組成物の被膜の厚さは、0.1〜
5μmの範囲であるのが好ましい。
【0033】基体フィルムの表面に防曇剤組成物の被膜
を形成するには、一般に各組成物の溶液または分散液を
ドクターブレードコート法、ロールコート法、ディップ
コート法、スプレーコート法、ロッドコート法、バーコ
ート法、ナイフコート法、ハケ塗り法等それ自体公知の
塗布方法を採用し、塗布後乾燥すればよい。塗布後の乾
燥方法は、自然乾燥及び強制乾燥のいずれの方法を採用
してもよく、強制乾燥方法を採用する場合、通常50〜
250℃、好ましくは70〜200℃の温度範囲で乾燥
すればよい。加熱乾燥には、熱風乾燥法、赤外線乾燥
法、遠赤外線乾燥法等適宜方法を採用すればよく、乾燥
速度、安定性を勘案すれば熱風乾燥法を採用するのが有
利である。本発明の農業用ポリオレフィンフィルムは、
初期透明性、防塵性に特に優れ、かつ耐候性、保温性、
防曇持続性などの諸性能において優れたものであり、農
業用被覆資材としての利用価値は極めて高いものであ
る。
【0034】
【実施例】以下、本発明を実施例、比較例にもとずいて
詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、
以下の例に限定されるものではない。 実施例1〜4、比較例1〜6(1)多層フィルムの調製 三層インフレーションフィルム成形装置として、三層ダ
イに口径100mmφのダイを用い、押出機は内外層を
口径30mmφのスクリューを用いたもの2台、中間層
を口径40mmφのスクリューを用いたものとして、外
層押出機温度180℃、中間層及び内層押出機温度16
0℃、ダイス温度180℃、ブロー比2.0、引取速度
5m/分、厚さ0.15mmにて表2〜表4に示した成
分からなる3種3層の積層フィルムを得た。
【0035】(2)内層表面処理 積層フィルムの内層表面上に、放電電圧120V、放電
電流4.7A、ラインスピード5〜15m/分でコロナ
処理を行い、JIS−K6768による「濡れ」を測定
し、その値を表2〜表4に示した。
【0036】(3)防曇性塗膜の形成 表−1に示した主成分(シリカゾルおよび/またはアル
ミナゾル)と熱可塑性樹脂と架橋剤および液状分散媒と
を配合して防曇剤組成物としてAおよびBを得た。
(2)で処理した基体フィルムの表面に、上記の防曇剤
組成物を#5バーコーターを用いて、各々塗布した。塗
布したフィルムを80℃のオーブン中に1分間保持して
液状分散媒を揮発させ防曇性塗膜を形成させた。得られ
た各フィルムの塗膜の厚みは約1μmであった。防曇性
塗膜を設けた各積層フィルムについて次のような物性測
定を行った。実施例および比較例における各測定法を以
下に示す。
【0037】(1)初期透明性 積層フィルムの波長555ミリミクロンにおける平行光
線透過率を分光光度計により測定し、その値を示した。 (2)防塵性 三重県一志郡の圃場に、高さ1m、間口2m、奥行き2
mのパイプハウスを構築し、積層フィルムが密閉状態に
なるように展張した。H7年12月〜H9年12月の2
年間に渡り展張した後のフィルムの波長555ミリミク
ロンにおける平行光線透過率を分光光度計によって測定
し、その値を示した。
【0038】(3)耐候性 同上の2年展張後のフィルムの縦方向および横方向の破
断点強伸度を引張試験(JIS K6783に準拠)に
より測定し、原点の破断点強伸度に対する保持残率を算
出した。 (4)保温性 同上圃場のフィルムを展張したパイプハウスで、地表か
ら15cmの高さのハウス内外の気温差を朝7時から翌
朝6時まで1時間毎に測定し、平均値を算出した。気温
差が大きい程、保温性は良好である。測定はH8年12
月19日から12月20日に渡って実施した。 (5)防曇持続性 同上圃場のフィルムを展張したパイプハウスで、防曇剤
塗膜の被覆された面がハウスの内側になるようにし、防
曇持続性を評価した。評価方法は、ハウスの内側にして
面に、水滴の付着する状況を経時的に肉眼で観察した。
評価基準は次の通りである。 (H7年12月1日試験開始)。 ◎・・・フィルム表面(ハウス内側に面した方、以下同
じ)に付着した水滴同士が合体して薄膜状に広がり、こ
の薄膜状部分の面積がフィルム表面の2/3以上にわた
るもの。 ○・・・フィルム表面に付着した水滴同士の合体は認め
られるが、この薄膜状部分の面積がフィルム表面の2/
3未満、1/2以上のもの。 △・・・フィルム表面に付着した水滴同士の合体は認め
られるが、薄膜状部分の形状が認められないもの。 ×・・・フィルム表面に付着した水滴同士の合体が認め
られないもの。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】
【表4】
【0043】
【表5】
【0044】
【表6】
【0045】
【表7】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09K 3/18 C09K 3/18 // C08K 3/36 C08K 3/36 C08L 23/08 C08L 23/08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィルム外層が、 メタロセン触媒で共重合して得られる下記(a)〜
    (c)の特性を有するエチレン−α−オレフィン共重合
    樹脂を主成分とする層、 【数1】 (a)メルトフローレート 0.1〜10g/10分 (b)密度 0.88〜0.930g/cm3 (c)分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量) 1.5〜3.5 フィルム中間層が、酢酸ビニル含有量が10〜25重量
    %のエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂100重量部と、
    Mg、Ca、Al、Si、Liの少なくとも1原子を含
    有する無機微粒子2〜20重量部とを含む組成物を主成
    分とする層、 フィルム内層が、酢酸ビニル含有量が1〜10重量%の
    エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂を主成分とする層、 で形成された3層構造の積層フィルムの内層表面に、熱
    可塑性樹脂と無機質コロイドゾルを主成分とする防曇性
    塗膜を設けたことを特徴とする農業用ポリオレフィン系
    樹脂フィルム。
  2. 【請求項2】 フィルム外層のエチレン−α−オレフィ
    ン共重合樹脂が、温度上昇溶離分別(TREF)による
    測定によって求めれる微分溶出曲線のピークが1個であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の農業用ポリオレフ
    ィン系樹脂フィルム。
  3. 【請求項3】 積層フィルムの内層表面に濡れが35d
    yn/cm以上になるように処理した後、この表面に熱
    可塑性樹脂と無機質コロイドゾルを主成分とする防曇性
    塗膜を設けたことを特徴とする請求項1または2のいず
    れかに記載の農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム。
JP10146763A 1998-05-28 1998-05-28 農業用多層フィルム Pending JPH11334005A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10146763A JPH11334005A (ja) 1998-05-28 1998-05-28 農業用多層フィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10146763A JPH11334005A (ja) 1998-05-28 1998-05-28 農業用多層フィルム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11334005A true JPH11334005A (ja) 1999-12-07

Family

ID=15415022

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10146763A Pending JPH11334005A (ja) 1998-05-28 1998-05-28 農業用多層フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11334005A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000025171A (ja) * 1998-07-07 2000-01-25 Nippon Unicar Co Ltd 農業用積層フィルムおよびその製造方法
JP2012187076A (ja) * 2011-03-14 2012-10-04 Sekisui Film Kk 農業用フィルム

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000025171A (ja) * 1998-07-07 2000-01-25 Nippon Unicar Co Ltd 農業用積層フィルムおよびその製造方法
JP2012187076A (ja) * 2011-03-14 2012-10-04 Sekisui Film Kk 農業用フィルム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPWO2014010625A1 (ja) 農業用多層フィルム
WO2014010626A1 (ja) 農業用多層フィルム
JP5080438B2 (ja) 農業用多層フィルム
JPH11334005A (ja) 農業用多層フィルム
JP3367190B2 (ja) 防曇性に優れた農業用フィルム及びその製造方法
JP4902266B2 (ja) 農業用フィルム
WO2016152249A1 (ja) 農業用フィルム
JP2001262132A (ja) 農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム
JP3898771B2 (ja) 農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム
JP2001095395A (ja) 農業用多層フィルム
JPH0351580B2 (ja)
JP2000324957A (ja) 農業用積層フィルム
JP2918140B2 (ja) 農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム
JP4319745B2 (ja) 農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム
JP4319744B2 (ja) 農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム
JP2005278560A (ja) 農業用防曇性フィルム
JP2002264280A (ja) 農業用フィルム
JP2004290143A (ja) 農業用積層フィルム
JP2018014980A (ja) 農業用ポリオレフィン系多層フィルム
JP2000280425A (ja) 農業用フィルム
JP2001016999A (ja) 農業用塩化ビニル系樹脂フィルム
JP2016144421A (ja) 農業用フィルム
JP2002240216A (ja) 農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム
JP2001017000A (ja) 農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム
JP2001169674A (ja) 農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050422

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050510

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050913