JPH11330484A - 半導体装置およびその作製方法 - Google Patents

半導体装置およびその作製方法

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JPH11330484A
JPH11330484A JP14661498A JP14661498A JPH11330484A JP H11330484 A JPH11330484 A JP H11330484A JP 14661498 A JP14661498 A JP 14661498A JP 14661498 A JP14661498 A JP 14661498A JP H11330484 A JPH11330484 A JP H11330484A
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wiring
film
wiring layer
aluminum
metal film
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JP14661498A
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Hiroki Adachi
広樹 安達
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Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
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Publication date
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2924/00Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
    • H01L2924/0001Technical content checked by a classifier
    • H01L2924/0002Not covered by any one of groups H01L24/00, H01L24/00 and H01L2224/00

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  • Thin Film Transistor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 陽極酸化用の電圧供給配線を形成せずに配線
を陽極酸化する。 【解決手段】 アルミニウムでなる第2の配線層103
は配線ごとに分離されて形成され、タンタルでなる金属
膜101によって電気的にショートされている。第1の
金属膜101に電圧を印加することによって、前記第2
の配線層103を陽極酸化して、その表面に配線層10
3の陽極酸化物膜(アルミナ膜)105を形成する。陽
極酸化物105をマスクにして、陽極酸化物104をエ
ッチングして第1の配線層106を形成し、配線層10
3と106が積層した配線110が完成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム材料
で形成された配線を有する絶縁ゲート型トランジスタ等
の半導体装置の構造及びその作製方法に関する。本発明
の半導体装置は、薄膜トランジスタやMOSトランジス
タなどの素子だけでなく、これら絶縁ゲート型トランジ
スタで構成された半導体回路を有する表示装置やイメー
ジセンサ等の電子機器をも含むものである。
【0002】
【従来の技術】近年、絶縁性を有する基板上に形成され
た薄膜トランジスタ(以下、TFTと略記する)により
画素マトリクス回路及び駆動回路を構成したアクティブ
マトリクス型液晶ディスプレイが注目を浴びている。液
晶ディスプレイは0.5〜2インチ程度のプロジェクタ
ー向けのものや、10〜20インチ程度のノートパソコ
ン向けのものまであり、主に小型から中型までの表示デ
ィスプレイとして利用されている。
【0003】近年、液晶ディスプレイの大面積化が求め
られているが、大面積化すると画像表示部となる画素マ
トリクス回路の面積も大きくなり、これに伴ってマトリ
クス状に配列されたソース配線及びゲート配線等が長く
なるため、配線抵抗が増大する。更に微細化の要求のた
めに配線を細くする必要があり、配線抵抗の増大がより
顕在化される。また、ソース配線及びゲート配線には、
画素ごとにTFTが接続され、画素数が増大するため寄
生容量の増大も問題となる。液晶ディスプレイでは、一
般的にゲート配線とゲート電極は一体的に形成されてお
り、パネルの大面積化に伴ってゲート信号の遅延が顕在
化してくる。
【0004】そのため、ゲート配線として比抵抗の低い
アルミニウムを主成分とする材料が用られている。アル
ミニウムを主成分とする材料でゲート配線、ゲート電極
を形成することで、ゲート遅延時間を低くすることがで
き、高速動作させることができる。
【0005】また、従来、薄膜トランジスタをオフセッ
ト構造またはLDD(Light dopeddrain )構造とする
ことによって、オフ電流を小さくすることが試みられて
いる。特許第2759415号公報において、本出願人
はLDD構造の薄膜トランジスタを得る技術を開示して
いる。上記特許掲載公報において、ゲート電極材料にア
ルミニウムを用い、ゲート電極を陽極酸化することによ
って、半導体層に自己整合的にLDD構造を形成する方
法が記載されている。17を用いて、この方法を説明す
る。
【0006】ガラス基板10に、酸化シリコン膜等の下
地膜11が形成されている。下地膜11上には多結晶シ
リコン膜からなる活性層13を形成し、活性層13上に
ゲート絶縁膜14を形成する。次に、アルミニウム膜を
形成しフォトレジストマスク16を用いてパターニング
して、アルミニウムでなるゲート電極15を計制する。
(図19(A))
【0007】ゲート電極15を陽極にして、電解溶液中
でパターンを陽極酸化して、多孔質のアルミナ膜17を
形成する。この状態では、マスク16によってゲート電
極15の表面は遮られているため、ゲート電極15の側
面だけにアルミナ膜17が形成される。(図19
(B))
【0008】フォトレジストマスク16を除去した後、
ゲート電極19を再び陽極酸化して、無孔質アルミナ膜
18を形成する。(図19(C))
【0009】次にアルミナ膜17、18をマスクにし
て、ゲート絶縁膜14' をパターニングする。(図19
(D))そして、多孔質アルミナ膜17を除去する。
【0010】この状態で、プラズマドープ法によって、
n型又はp型の導電型を付与する不純物を活性層13に
ドーピングする。ドーピングは2回に分けて実施する。
1回目はゲート絶縁膜14' がマスクとして機能するよ
うに低加速度とし、ドーズ量は大きくする。2回目はゲ
ート絶縁膜14' を不純物が通過するように、高加速度
とする。他方、ドーズ量は小さくする。この結果、活性
層13には、チャネル形成領域20、ソース領域21、
ドレイン領域22、低濃度不純物領域23、24が自己
整合的に形成される。ドレイン領域22側の低濃度不純
物領域24がLDD領域である。
【0011】しかしながら、陽極酸化処理を行うために
は、陽極酸化する電極・配線を陽極酸化用の電圧供給配
線に全て接続する必要がある。例えば上記特許掲載公報
の技術をアクティブマトリクス型液晶パネルに応用した
場合には、アクティブマトリクス回路や、ドライバ回路
を構成する薄膜トランジスタのゲート電極・配線を電圧
供給線に接続する必要がある。接続するためには、基板
に電圧供給配線を形成することとなる。そのため余分な
スペースが必要となる。
【0012】各ゲート電極・配線は電圧供給線によって
ショートされている構造となっている。陽極酸化処理後
は電圧供給線や、この供給線との不要な接続部をエッチ
ングによって除去して、各ゲート配線・電極を電気的に
分離する。よって、エッチングのプロセスマージンをも
考慮して、回路配置を設計しなくてはならない。
【0013】陽極酸化処理を用いてトランジスタを作製
するには、電圧供給線を形成するスペースと、エッチン
グマージン必要となり、回路の高集積化、基板面積の縮
小化の障害となっている。
【0014】また上記特許掲載公報では、ゲート電極1
5の材料にアルミニウムを用いるため、アルミナ膜18
はアルミナである。そのため、ゲート配線と取り出し配
線とを接続するためにアルミナ膜をエッチングする工程
が必要となる。本出願人は当初、アルミナ膜のエッチン
グに際してバッファードフッ酸と呼ばれるエッチャント
(フッ化アンモニウムとフッ化水素酸とを混合した溶
液)を使用していた。
【0015】ところが、バッファードフッ酸はアルミナ
(代表的にはAl2O3 )とアルミニウムとの間の選択比が
小さく、アルミナ膜だけでなくその下のゲート配線まで
もエッチングしてしまうという問題があった。その様子
を図20に示す。
【0016】図20において、31は絶縁表面を有する
基板、32は酸化シリコン膜でなる絶縁膜(活性層上で
はゲート絶縁膜として機能する)、33はアルミニウム
でなるゲート配線、34はゲート配線33を陽極酸化し
て得られたアルミナ(陽極酸化)膜である。
【0017】アルミナ膜34の上面の一部をバッファー
ドフッ酸でエッチングしていくと、まずゲート配線33
が露出する。通常は基板面内である程度の分布をもって
エッチングされるのでオーバーエッチングをしてアルミ
ナ膜34を完全に除去することが必要となる。
【0018】この時、オーバーエッチングが多すぎると
ゲート配線33がバッファードフッ酸にエッチングされ
てしまう。エッチング孔35がゲート配線33を貫通し
て絶縁膜32まで達する場合も危惧される。
【0019】この様な状態となると、36(太線)で示
される様なゲート配線33の断面のみで取り出し配線
(図示せず)と接触することになる。一般的なコンタク
トホールの径が数ミクロンであるのに対して、ゲート配
線の膜厚が数百nmであることを考えると、図20に示す
状態ではゲート配線と取り出し配線との接触面積が通常
の1/100程度にまで小さくなってしまう。
【0020】即ち、図20に示す様な状態となってしま
うと、極端に配線同士の接触面積が減り、殆ど電気的な
接続が不可能な状態となる。従って、TFTを動作させ
ることができなくなり、回路自体の誤動作を招いてしま
う。
【0021】また、もしも絶縁膜32の下にTFTの活
性層が存在する様な構造(TFT上でゲート電極と取り
出し配線とのコンタクトをとる場合など)であれば、取
り出し配線と活性層とがショートしてしまうこともあり
うる。
【0022】そこで、本出願人は上述のバッファードフ
ッ酸の代わりに特殊なエッチャントを用いるプロセスを
開発した。本出願人が使用したエッチャントはリン酸:
硝酸:酢酸:水=85:5:5:5の割合で混合した溶
液10リットルに対して、クロム酸溶液550グラム
(クロム酸300グラム、水250グラム)を混合した
エッチャントである。本出願人はこれをクロム混酸と名
付けている。
【0023】このクロム混酸溶液は陽極酸化物膜である
アルミナ膜はエッチングするが、アルミニウム膜はエッ
チングしないという選択性を有している。その性質を利
用してアルミナ膜のみを選択的にエッチングすることが
可能である。この様に、現状では特殊なエッチャントに
よってゲート電極と取り出し配線とを接続するためのコ
ンタクトホールを形成している。この方法は確かに歩留
りも高く、良好なオーミック接触を実現できる。
【0024】しかしながら、体に害を及ぼす可能性のあ
る重金属クロムを大量に用いる必要があるという点で、
クロム混酸を利用したプロセスは工業上、望ましいもの
ではない。その様な理由からクロム混酸に替わる代替エ
ッチャントの開発が急がれているが、現状ではその様な
エッチャントは見つかっていない。
【0025】また、配線としてアルミニウム材料使用し
たTFTでは、アルミニウム配線を形成した以降のプロ
セス温度が300〜450℃であっても、TFTの動作
不良が確認された。この動作不良の要因は様々に考えら
れる。特に、トップゲート型TFTの動作不良の多く
は、ゲート電極で生ずるヒロック、ウィスカー等の突起
物がゲート絶縁膜を突き抜けてチャネル形成領域へ到達
したり、アルミニウム原子がゲート絶縁膜中に拡散した
りしたことによって生じたゲート電極とチャネル間のシ
ョート(短絡)によるものである。
【0026】また、現在、TFTには高移動度が求めら
れており、活性層としては、非晶質シリコン膜よりも移
動度の高い結晶性シリコン膜を用いることが有力視され
ている。従来、加熱処理により結晶性シリコン膜を得る
には、高い歪点を有する石英基板を用いる必要があっ
た。石英基板は高価であるため、安価なガラス基板を使
用できる結晶化技術の開発が進められている。
【0027】結晶化温度を低温化するための技術が、本
出願人による特開平6−232059号公報、特開平7
−321339号公報等に開示されている。上記技術は
非晶質シリコン膜に微量の金属元素を導入し、しかる後
に加熱処理を行うことにより結晶化シリコン膜を得るも
のである。結晶化を助長する金属元素としては、Fe、
Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、C
u、Auから選ばれた一種または複数種類のものを用い
ている。この技術を用いることにより、ガラス基板が耐
えうるようなプロセス温度で結晶性シリコン膜を作製す
ることが可能となった。
【0028】しかし、この技術の問題点は、結晶化に利
用した金属元素が結晶性シリコン膜中に残留することで
あり、TFTの信頼性、特性均一性を劣化させる原因と
なる。そこで、さらに、本出願人らは、アルミニウム材
料を用いた配線を形成後、結晶性シリコン膜中の金属元
素をゲッタリングする技術(特開平8−330602号
公報)も開発した。この技術では、リンが添加されたソ
ース/ドレイン領域をゲッタリングシンクに利用して、
加熱処理をすることによって、チャネル形成領域内の金
属元素がソース/ドレイン領域にゲッタリングされる。
【0029】しかしながら、上記ゲッタリング技術で
は、耐熱性が低いアルミニウム材料を配線に用いている
ため、温度範囲(約300〜450℃)内での加熱処理
にとどまっていた。また、300〜450℃の加熱温度
では、結晶性シリコン膜中の金属元素を十分にゲッタリ
ングする温度としては低いため、長時間の処理時間を必
要とする。そのため、上述したようなゲート電極とチャ
ネルとのショートが起こりやすくなる。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、配線
抵抗の点から、配線にアルミニウム材料を用いることが
望まれるが、アルミニウム材料を用いることと、種々の
問題が生じてしまう。以下にその問題点を総括する。
【0031】第1に、陽極酸化技術を利用することによ
って、LDD構造の薄膜トランジスタを自己整合的に作
製することができる。しかしながら陽極酸化用の電圧供
給配線を形成する必要があるため、回路の高集積化、基
板面積の縮小化が阻まれている。
【0032】第2に、ゲート電極の取出し電極のための
コンタクトホール開口工程において、ゲート電極を覆う
アルミナを除去するのには、クロム混酸を使用しなけら
ばならなかった。
【0033】第3に、アルミニウムの低耐熱性のため、
ゲート配線とチャネルとがショートしてしまい、TFT
の動作不良が生じていた。
【0034】本発明は、ルミニウム材料でなる配線を有
する半導体装置であって、上記の問題点を一挙に解決し
た新規な絶縁ゲート型トランジスタ、およびその作製方
法に関する。
【0035】本発明では、陽極酸化用の電圧供給配線を
形成せずに、アルミニウム材料を陽極酸化することを可
能にする。更に、アルミナとアルミニウムとの積層構造
からなる配線と当該配線に電気的に接続する配線との良
好なオーミック接触を、クロム混酸を使用することなく
実現させ、更に、ゲート電極とチャネルとのショートを
防止することを課題とする。
【0036】
【課題を解決するための手段】上述した問題点を解消す
るために、本発明の半導体装置は、第1の配線層上に、
アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする材料で
なる第2の配線層を積層した積層構造を有する配線を備
え、前記第1の配線層はアルミニウムより高融点な金属
材料にて形成され、前記第2の配線層の側面全てが、陽
極酸化物で被覆されていることを特徴とする。
【0037】更に、他の発明は、上記積層構造を有する
第1の配線と、絶縁膜を挟んで前記第1の配線よりも上
層に形成された第2の配線と、前記第1の配線と前記第
2の配線とを電気的に接続するためのコンタクトホール
と、からなるコンタクト構造を構成に含む半導体装置で
あって、前記コンタクトホールは前記陽極酸化物及び前
記第1の陽極酸化物を貫通して形成され、前記コンタク
トホールにおいて、前記第2の配線は、前記第1の金属
層と接していることを特徴とする。
【0038】本発明の主旨は、従来アルミニウム材料の
みで構成されていた配線を、アルミニウムを主成分とす
る材料でなる第2 の配線層の下層にアルミニウムよりも
高融点な金属材料でなる第1 の配線層を形成した配線構
造とすることで、アルミニウム原子が絶縁膜中へと侵入
して他の配線とショートするのを防ぐことにある。即
ち、下層に設けられた第1 の配線層を耐熱性の低いアル
ミニウム原子のブロッキング層として利用する。このよ
うな構成とすることで配線形成後、300℃以上、好ま
しくは450℃以上の加熱処理を可能にする。
【0039】本発明の他の主旨は、上記積層構造を有す
る第1の配線を、上層の第2の配線と接続するコンタク
ト構造において、アルミニウムを主成分とする第2の配
線層のエッチングストッパーとして第1の配線層を機能
させることにある。また、第2の配線は第1の配線層
(アルミニウムよりも高融点な金属材料でなる膜)にお
いて電気的に接続されるため、第1の配線と第2の配線
間で良好なオーミック接触が取れ、第1の配線と第2の
配線との間でのコンタクト不良を防ぐことが可能であ
る。
【0040】本発明の他の主旨は、上記積層構造を有す
る配線を備えた半導体装置を作製方法において、陽極酸
化用の電圧供給配線を形成せずに、アルミニウムを主成
分とする第2の配線層を陽極酸化することにある。その
方法の構成は、絶縁表面上にアルミニウムよりも高融点
な材料でなる第1の金属膜を形成する工程と、前記第1
の金属膜上に接してアルミニウムまたはアルミニウムを
主成分とする材料でなる第2の金属膜を形成する工程
と、前記第2の金属膜をパターニングして、前記第2の
配線層を前記複数の配線ごとに分離して形成する工程
と、前記第1の金属膜に電圧を印加して前記第2の配線
層を陽極酸化する工程と、を有することを特徴とする。
【0041】即ち、上記方法では、第2の配線層は配線
ごとにパターニングされるが、第1の金属膜によって全
ての第2の配線層は電気的にショートされる。したがっ
て、第1の金属膜に電圧を印可することによって、全て
の第2の配線層に電圧を印可して陽極酸化することが可
能になる。
【0042】[ 本発明の構成に至る過程] 以下に、図
17、図18を用いて、本発明の構成に至る過程を説明
する。本発明者は、タンタル膜を電極にして、タンタル
膜上にアイランド状にパターニングした複数のアルミニ
ウムパターンが陽極酸化できるか否かを確認した。図1
4は実験手順ごとのアルミニウムパターンの断面図であ
る。
【0043】《実験手順》 コーニングス社製1737
ガラス基板(5インチ平方)40上に、スパッタ法に
て、厚さ20nmのタンタル( Ta) 膜41、厚さ400
nmのアルミニウム(Al)膜を積層した。そして、アル
ミニウム膜に電圧を印可して、アルミニウム膜表面をに
薄いアルミナ膜(図示せず)を形成した。この陽極酸化
工程はレジストマスク42の密着性を向上するためであ
る。
【0044】条件は、電解溶液に電解溶液に3%の酒石
酸を含むエチレングリコール溶液を用い、電解溶液温度
30℃、到達電圧10V、電圧印可時間15分、供給電
流10mA/1基板とした。そして、レジストマスク42
を形成して、上記アルミナ膜を上述したクロム混酸でエ
ッチングし、アルミニウム膜をエッチングしてアルミニ
ウムパターン43を複数形成した。エッチャントは、ア
ルミナ膜には従来例で説明したクロム混酸を用い、アル
ミニウム膜にはリン酸、酢酸、硝酸、水を体積%で8
5:5:5:5の比で混合した酸(以下、この酸をアル
ミ混酸と呼ぶこととする)を用いた。(図17(A))
【0045】次に、レジストマスク42を残したまま、
陽極酸化装置においてタンタル膜41に電圧を印可し、
陽極酸化を行った。条件は、電解溶液に3%シュウ酸水
溶液、到達電圧8V、電圧印可時間40分、供給電流2
0mA/1基板とした。従来の陽極酸化方法ではこの陽極
酸化条件では、通常アルミニウムパターン43の側面に
多孔質アルミナ膜44が形成される。よって、この陽極
酸化工程をサイド陽極酸化工程と呼ぶことにする。(図
17(B))
【0046】次に、レジストマスク42を除去した後、
再び陽極酸化装置においてタンタル膜41に電圧を印可
し、陽極酸化を行った。条件は、電解溶液に電解溶液に
3%の酒石酸を含むエチレングリコール溶液を用い、電
解溶液温度10℃、到達電圧80V、電圧印可時間30
分、供給電流30mA/1基板とした。従来では陽極酸化
条件では、多孔質アルミナ膜44を酒石酸が浸透して、
アルミニウムパターン43表面が陽極酸化されて、無孔
質アルミナ膜46が形成される。このことから、この陽
極酸化工程をマスク陽極酸化工程と呼ぶことにする。
(図17(C))
【0047】次に、上述したアルミ混酸によるウエット
エッチングによって、多孔質アルミナ膜44を除去し
た。(図17(D))
【0048】《実験結果と考察》 タンタル膜41が陽
極酸化用の電圧供給配線として機能するかを確認するた
め、工程ごとにタンタル膜41のシート抵抗を測定し
た。また、図17(D)のエッチング工程後に、SEM
により断面構造を観察した。図18にそのSEM写真を
示す。図18(A)はSEM写真であり、図18(B)
はSEM写真を説明した模式図であり、符号は図17の
構成要素に対応する。
【0049】タンタル膜41のシート抵抗は初期状態
(陽極酸化前)では100.1 Ω/ □cmであった。サイド陽
極酸化工程終了後は205.1 Ω/ □cmであり、マスク陽極
酸化工程終了後のシート抵抗は測定装置の測定レンジの
以上となった。装置の測定可能な最大値は5000k Ω/ □
cmあるので、マスク陽極酸化工程終了後のシート抵抗は
5000k Ω/ □cm以上でである。なお、シート抵抗値は5
つの測定点の平均値である。
【0050】サイド陽極酸化工程終了後、ガラス基板4
0を肉眼で観察してみると、タンタル膜41の透明度が
初期状態よりも増していた。このこととシート抵抗値か
ら、シュウ酸によってタンタル膜41が若干酸化されて
いると推測される。
【0051】また、マスク陽極酸化工程終了後、ガラス
基板40を肉眼で観察してみると、露出していたタンタ
ル膜41は殆ど透明となっていた。これは、マスク陽極
酸化工程で使用するシュウ酸はタンタルをも陽極酸化す
るためであり、この部分のタンタル膜41は陽極酸化さ
れてタンタルオキサイド膜45(図17(C)参照)に
変成されていると推測される。このことはシート抵抗値
が非常に大きいことからも予測できる。
【0052】タンタルオキサイドは絶縁物である。しか
し、マスク陽極酸化工程で、モニタしている電流値に大
きな変動は見られなかった。よって、タンタル膜41が
タンタルオキサイド膜45に変成されても、アルミニウ
ムパターン43に電圧が印加されていると考えられる。
タンタルオキサイド膜45はシート抵抗値はオーバーレ
ンジであるが、化学量論比であるTa25 (五酸化タ
ンタル)よりも酸素の組成比が小さいため、若干の導電
性(半絶縁性)を示していると推測され、化学量論比か
らのずれは陽極酸化による酸化処理であることが大きく
起因していると思われる。
【0053】そこで、マスク陽極酸化工程で、アルミニ
ウムパターン43を覆って無孔質アルミナ膜46が形成
されているかを、図17(D)のエッチング工程後に、
SEMにより断面構造を観察した(図15参照)。
【0054】図17(D)でのエッチング工程ではアル
ミ混酸を用いたが、従来例で述べたように、アルミ混酸
は多孔質アルミナとアルミニウム双方をエッチングして
しまう、他方無孔質アルミナは殆どエッチングされな
い。よって、マスク陽極酸化工程で無孔質アルミナ膜4
6が十分に形成されていないと、アルミニウムパターン
43も除去されてしまうこととなる。
【0055】図17(A)に示すSEM観察写真では、
アルミ混酸でエッチング処理してもアルミパターン42
が残存しているのが確認される。よってマスク陽極酸化
工程でアルミ混酸に耐えうる無孔質アルミナ膜46が形
成されていると結論できる。本実験結果の条件では、無
孔質アルミナ膜46の膜厚は100nm 程度である。
【0056】以上の実験によって、ガラス基板40全面
に形成したタンタル膜41によって、その上部に選択的
に形成されたアルミニウム膜42をショートし、タンタ
ル膜41に電圧を印可してアルミニウムパターンを陽極
酸化できることを発見した。特に、シュウ酸を用いた陽
極酸化用の電圧供給配線にタンタル膜41を用いても、
その上部に形成されたアルミニウムパターン42を陽極
酸化できることが分かった。
【0057】本発明の構成は以上の実験結果から得られ
た知見に基づくものである。本発明は、第1の金属膜上
に、アルミニウムを主成分とする第2の配線層を配線ご
とに電気的に分離して形成しても、第1の金属膜荷電圧
を印可することによって、第2の配線層を陽極酸化する
ものである。
【0058】上記構成において、第1の金属膜としてバ
ルブ金属を用いることができる。バルブ金属とは、アノ
ード的に生成したバリアー型陽極酸化膜がカソード電流
は流すがアノード電流は通さない、即ち弁作用を示す様
な金属を指す。(電気化学便覧 第4版;電気化学協会
編,p370 ,丸善,1985)。
【0059】バルブ金属膜であってアルミニウムよりも
高融点な材料にはタンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、
ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)、チタン
(Ti)、クロム(Cr)等が挙げられる。また第1の
金属膜として、これらバルブ金属元素を含有する合金、
例えばモリブデンタンタル(MoTa)を用いることが
できる。
【0060】また、第1の金属膜材料としてはアルミニ
ウムを主成分とする第2の配線層をエッチングに用いら
れるバッファードフッ酸によるエッチングレートが低
い、即ち耐フッ酸性を持っていることが望ましい。その
様な要件を備えた材料としては、代表的にはタンタル
(Ta)、ニオブ(Nb)、ハフニウム(Hf)、ジル
コニウム(Zr)などが挙げられる。
【0061】第1の金属膜の厚さは薄いほど好ましい
が、第2の配線層からアルミニウム原子が拡散するブロ
ッキング層として機能するための膜厚が必要である。第
1の金属膜の厚さは1nm厚以上、好ましくは5nm厚以上
とするのが好ましい。また半導体装置の分野では金属膜
は殆どスパッタ装置で形成しているので、スパッタ装置
の性能を考慮してこの下限を決定してもよい。
【0062】また、膜厚の上限としては50nm、好ましく
は30nm程度と考えている。第1 の金属膜として厚さ20n
m、50nmタンタル膜を用いた場合に、550℃で熱処理
してもタンタル膜下層にアルミニウムが拡散していない
ことが確認できた。
【0063】以上の事から第1 の金属膜の膜厚は1 〜50
nm(好ましくは1〜30nm 、さらに好ましくは5 〜20n
m )の範囲から選択することが好ましいと考える。
【0064】
【発明の実施の形態】 図1〜図3を用いて本発明の実
施形態を説明する。
【0065】〔実施形態1〕 図1は本実施形態の配線
の作製工程を示す断面図である。
【0066】先ず、絶縁物100表面上にアルミニウム
よりも高融点な材料でなる第1の金属膜101を形成す
る。次に、第1の金属膜101上に接して、アルミニウ
ムを主成分とする材料でなる第2の金属膜102を形成
する。(図1(A))
【0067】絶縁物100としては、ガラス基板や石英
基板などの絶縁性基板、これら基板上に形成された酸化
珪素膜等の下地膜、あるいは、半導体装置のゲート絶縁
膜や層間絶縁膜などが挙げられる。また、第2の金属膜
102としては、純アルミニウムだけでなく、Si、S
c等を数重量%添加したものや、Siなどの金属とのア
ルミニウム合金でもよい。
【0068】次に第2の金属膜102をパターニングし
て、第1の金属膜101上に、第2の配線層103を選
択的に形成する。第2の配線層103は複数の配線(図
中では2つだけ図示した)ごとに形成され、電気的に分
離されている。この状態では、配線層103は第1の金
属膜101によって電気的にショートされている。(図
1(B))
【0069】次に。3%の酒石酸を含むエチレングリコ
ール溶液中で第1の金属膜101に電圧を印加すること
によって、前記第2の配線層103を陽極酸化して、そ
の表面に配線層103の陽極酸化物膜(アルミナ膜)1
05を形成する。タンタル膜のように酒石酸中で陽極酸
化される材料で第1の金属膜101形成した場合には、
金属膜101の露出している部分は陽極酸化物104に
変成される。(図1(C))
【0070】次に、陽極酸化物105をマスクにして、
陽極酸化物104をエッチングして、第1の配線層10
6を形成し、配線110が完成する。エッチングにはア
ルミナ膜に対してエッチング選択比を有するCHF3
スを用いることができる。(図1(D))
【0071】なお、第1の配線層106は、陽極酸化さ
れずに残存した第1の金属膜101にほぼ対応対応する
ため、図1(C)の陽極酸化工程で、第1の配線層10
6が画定されたとみなすこともできる。
【0072】本実施形態では、第2の配線層102同士
をショートするために、陽極酸化用の電圧供給線が不要
であり、配線層102引き回す必要がない。従って、陽
極酸化工程後、エッチングによって電圧供給線から第2
の配線層103を配線ごとに分断する工程が不要にな
る。よって、配線110の端部111の側面には、図2
(C)に示すように陽極酸化物膜105及び104が存
在する。なお、111で示す端部以外であっても、配線
10の側面は端部111と同じである。
【0073】他方、図2(B)に示すように、従来のア
ルミナ(陽極酸化物)層55で被覆されるアルミニウム
配線50は陽極酸化用の電圧供給配線51に接続する必
要がある。よって、陽極酸化工程後は、配線50を配線
51から分断する必要があった。分断部分53の側面構
造は図2(D)示すように、アルミニウム層54が露出
される。この点で、本発明と従来の陽極酸化工程は区別
できる。
【0074】〔実施形態2〕 図3は本実施形態の配線
の作製工程を示す断面図である。実施形態1では、第1
の酒石酸で陽極酸化される材料で第1 の金属膜101を
形成した例を示した。本実施形態では、酒石酸で陽極酸
化されない材料で第1の金属膜を形成するようにしたも
のである。他の構成は実施形態1と同様である。
【0075】先ず、絶縁物120表面上にアルミニウム
よりも高融点な材料でなる第1の金属膜121を形成す
る。次に、第1の金属膜121上に接して、アルミニウ
ムを主成分とする材料でなる第2の金属膜122を形成
する。(図3(A))
【0076】次に第2の金属膜122をパターニングし
て、第1の金属膜121上に、第2の配線層123を選
択的に形成する。第2の配線層123は複数の配線(図
中では2つだけ図示した)ごとに分離されて形成され
る。また全ての配線層123は第1の金属膜121によ
って電気的にショートされている。(図3 (B))
【0077】次に。3%の酒石酸を含むエチレングリコ
ール溶液中で第1の金属膜121に電圧を印加すること
によって、前記第2の配線層123を陽極酸化して、そ
の表面に配線層123の陽極酸化物膜(アルミナ膜)1
25を形成する。(図3(C))
【0078】次に、陽極酸化物125をマスクにして、
第1の金属膜121をエッチングして第1の配線層12
6を形成し、配線130が完成する。エッチングにはア
ルミナ膜に対してエッチング選択比を有するCHF3
スを用いることができる。(図3(D))
【0079】本実施形態の配線130も実施形態1の配
線110と同様に、配線130の少なくとも側面全てに
陽極酸化物膜125が存在することとなる。図2
(A)、(C) において、図3と同じ符号は同じ構成要
素を示している。
【0080】
【実施例】 図を用いて本発明の実施例を詳細に説明す
る。
【0081】[実施例1]本実施例は本発明をTFTに
応用した例である。本発明の実施の形態について図4を
用いて説明する。図4はTFTの概略の上面図を示す。
【0082】図4において、201はTFTの活性層、
202、203は活性層101とソース電極又はドレイ
ン電極とのコンタクト部(ソース/ドレインコンタクト
部)、204はゲート配線である。なお、ゲート配線2
04が活性層201と重なる部分は特にゲート電極と呼
ぶこととする。また、205はゲート配線204と取り
出し配線(図示せず)とのコンタクト部(ゲートコンタ
クト部)である。
【0083】図4をA−A' で切断した断面図を図5
(A)に示す。図5(A)において、206は絶縁表面
を有する基板基板であり、207は酸化シリコンでなる
絶縁膜であり、その上に第1 の配線層であるタンタル層
208と、第2 の配線層であるアルミニウム層(アルミ
ニウムを主成分とする薄膜)209との積層構造でなる
ゲート配線204が設けられている。
【0084】また、図4のTFT部をB−B' で切断し
た断面図を図5(B)に示す。214、215はそれぞ
れ導電膜からなるソース配線、ドレイン配線であり、図
5(A)に示した取り出し配線213と同一材料で、同
一層に形成される。図5(B)において、タンタル層2
08はアルミニウム層209の成分物質がゲート絶縁膜
207を通って活性層201へと流出(拡散)すること
を防ぐブロッキング層としても機能する。この様なアル
ミニウムの拡散は熱処理や静電気による発熱によって、
アルミニウム合金が流動性をもつことによって引き起こ
される場合が考えられるが、アルミニウム膜の下地にバ
ルブ金属膜を設けることでその様な拡散を防ぐことが可
能である。
【0085】図6、図7を用いて、本実施例のTFTの
作製工程を説明する。まず、絶縁表面を有する基板20
0として絶縁膜を表面に設けたガラス基板を用意する。
他に熱酸化膜を形成したシリコン基板、石英基板、酸化
シリコン膜を設けたセラミックス基板などを用いること
ができる。
【0086】次に、基板200上にTFTの活性層20
1となる島状半導体層を形成する。活性層201を酸化
シリコンでなる絶縁膜207で覆う。(図6(A))
【0087】本実施例では特開平7−130652号公
報記載の技術によって形成されたポリシリコン膜で活性
層302を形成する。なお、ポリシリコン膜の形成方法
はレーザーアニールを用いた方法など公知のあらゆる手
段を用いることができる。また、Six Ge1-x (0<X<
1)で示されるシリコンゲルマニウム膜を用いても良
い。
【0088】次に、基板200上に厚さ20nmのタンタル
膜231と、厚さ40nmの2wt% のスカンジウムを含有し
たアルミニウム膜232とを積層した。そして、アルミ
ニウム膜232に電圧を印可して、アルミニウム膜表面
をに薄いアルミナ膜(図示せず)を形成した。この陽極
酸化工程はレジストマスク233の密着性を向上するた
めである。条件は、電解溶液に電解溶液に3%の酒石酸
を含むエチレングリコール溶液を用い、電解溶液温度3
0℃、到達電圧10V、電圧印可時間15分、供給電流
10mA/1基板とした。そして、レジストマスク233
を形成する。(図6(B))
【0089】図11に、陽極酸化装置250の概略図を
示す。陽極酸化装置は、電源251、電解溶液253を
入れるための電解溶液槽252をそなえ、陰極(白金)
254と陽極となる基板200が電源251に接続され
ている。基板200、陰極254とも電解溶液253に
浸される。基板200では装置250のプローブPがタ
ンタル膜231に接続される。
【0090】図示しないアルミナ膜をクロム混酸でエッ
チングし、次にアルミ混酸でアルミニウム膜をエッチン
グして、アルミニウム膜でなる配線層209を形成し
た。アルミニウム層209はゲート配線204の上層を
構成するものである。なお、図6では向かって左側のア
ルミニウム層209と右側のアルミニウム層209とが
分断してに記載されているが、実際には図4に示した様
に同一体である。そして、向かって左側のアルミニウム
層209は最終的には活性層201と重なってTFTの
ゲート電極として機能する。また、向かって右側のアル
ミニウム層209は後に外部端子と接続するためのコン
タクト部となる。
【0091】図8に図6(C)の状態のTFTの断面図
と平面図を示す。図8(A)はTFTのチャネル長方向
の断面図である。図8(B)は図8(A)のX−X' 平
面で切った平面図であり、図8(C)は図8(A)のY
−Y' 平面で切った断面図であり、チャネル幅方向のT
FTの断面図に対応する。なお、アルミニウム層209
の平面形状は実際には、図4のゲート配線204と相似
な形状であるが、矩形状に簡略化した。図9、図10に
おいても、アルミニウム層209に関しては同様であ
る。
【0092】次に、レジストマスク233を残したま
ま、陽極酸化装置において、プローブPをタンタル膜2
31に接続して電圧を印可し、陽極酸化を行った。条件
は、電解溶液に3%シュウ酸水溶液、到達電圧8V、電
圧印可時間40分、供給電流20mA/1基板とした。従
来の陽極酸化方法ではこの陽極酸化条件では、アルミニ
ウム層209の側面に多孔質アルミナ膜234が形成さ
れる。(図6(D ))
【0093】次に、レジストマスク233を除去した
後、再び陽極酸化装置に250おいてタンタル膜231
に電圧を印可し、陽極酸化を行った。条件は、電解溶液
に電解溶液に3%の酒石酸を含むエチレングリコール溶
液を用い、電解溶液温度10℃、到達電圧80V、電圧
印可時間30分、供給電流30mA/1基板とした。多孔
質アルミナ膜234を酒石酸が浸透して、アルミニウム
層209表面が陽極酸化されて、無孔質アルミナ膜21
1が形成される。また、タンタル膜231においては、
露出している部分および多孔質アルミナ膜234が存在
している部分も陽極酸化されて、タンタルオキサイド膜
210に変成される。(図6(E))
【0094】図9に図6(E)の状態のTFTの断面図
と平面図を示す。図9(A)はTFTのチャネル長方向
の断面図である。図9(B)は図9(A)のX−X' 平
面で切った平面図であり、図9(C)は図9(A)のY
−Y' 平面で切った断面図であり、チャネル幅方向のT
FTの断面図に対応する。図9に示すように、アルミナ
層221側面から突出している多孔質アルミナ膜234
の膜厚tp及び無孔質アルミナ膜211の膜厚tbはア
ルミニウム層209周囲で全て均一になる。
【0095】次に、アルミナ層211、234をマスク
として、タンタルオキサイド層210と絶縁膜207を
エッチングする。エッチングはCHF3 ガスを用いたド
ライエッチング法により行う。(図6(F))
【0096】次にアルミ混酸によって。多孔質アルミナ
膜235をエッチングによって除去する。この工程によ
って、タンタル層208とアルミニウム層209が積層
したゲート配線が204が完成する。(図7(A))
【0097】また、ゲート配線204の側面全ては図5
(C)で示すように、タンタルオキサイド210層、無
孔質アルミナ層209で被覆された構造となっている。
図5(C)は図4のC で示す端部の側面図である。
【0098】図10に図6(F)の状態のTFTの断面
図と平面図を示す。図10(A)はTFTのチャネル長
方向の断面図である。図10(B)は図10(A)のX
−X' 平面で切った平面図であり、図10(C)は図1
0(A)のY−Y' 平面で切った断面図であり、チャネ
ル幅方向のTFTの断面図に対応する。図10に示すよ
うに、アルミナ層221側面から突出している酸化タン
タル膜210長はの図9の膜厚tpに対応し、配線20
4周囲で均一である。。
【0099】次に、一導電性を付与する不純物イオンを
活性層201に添加する。Nチャネル型TFTを作製す
るにはリン又は砒素を添加し、Pチャネル型TFTを作
製するにはボロン又はガリウムを添加する。これら不純
物イオンの添加はイオンインプランテーション法、プラ
ズマドーピング法、レーザードーピング法のいずれかの
手段を用いれば良い。また、CMOS回路を構成する様
な場合にはレジストマスクを利用して不純物イオンを打
ち分ければ良い。
【0100】この工程は加速電圧を2度に分けて行う。
1度目は加速電圧を80keV程度と高めに設定し、2
度目は加速電圧を30keV程度と低めに設定する。こ
うすることで、1度目はタンタルオキサイド膜308と
絶縁膜207の下にも不純物イオンが添加され、2度目
はタンタルオキサイド膜210と絶縁膜207とがマス
クとなって、その下には不純物イオンが添加されない。
【0101】この様な不純物イオンの添加工程により、
TFTのチャネル形成領域221、ソース領域222、
ドレイン領域223、低濃度不純物領域(LDD領域)
224、225が自己整合的に形成される。なお、各不
純物領域に添加される不純物イオンの濃度は実施者が適
宜設定すれば良い。(図7(B))
【0102】2度目の添加工程では、タンタルオキサイ
ド膜210を通過させて不純物を添加するため、タンタ
ルオキサイド層210があまり厚いとスループットを低
下させてしまう。また、低濃度不純物領域(LDD領
域)224、225の不純物濃度が小さくなって所望の
抵抗値を得ることができない場合も生ずる。
【0103】そのため、絶縁膜207が50〜100nm 程度
の厚さであるため、タンタルオキサイド膜210は厚く
とも100nm が限度である。タンタル膜231は酸化され
ると約2 倍の厚さになることから、初期のタンタル膜2
31の膜厚は50nm以下とすることが好ましい。
【0104】不純物イオンの添加工程が終了したら、フ
ァーネスアニール、ランプアニール、レーザーアニール
又はそれらを併用して熱処理を行い、添加された不純物
イオンの活性化を行う。なお、アルミナ膜211の側面
から突出しているタンタルオキサイド210膜にタンタ
ル層が残存した場合には、低濃度不純物領域224、2
25にゲート配線によって電圧が印可されてしまうた
め、不都合である。そのため、添加工程終了後、400
〜600℃程度の温度で熱酸化して、残存したタンタル
層を酸化してしまうとよい。
【0105】次に、酸化シリコン膜でなる層間絶縁膜2
12を1μmの厚さに形成する。次いで、層間絶縁膜2
12をパターニングしてコンタクトホールを形成する。
これらコンタクトホール236〜238の形成は次の様
にして行う。
【0106】まず、橋本化成株式会社製のLAL500
と呼ばれるエッチャントを用いて層間絶縁膜212をエ
ッチングする。LAL500はフッ化アンモニウムとフ
ッ化水素酸と水とを混合したバッファードフッ酸に数%
の界面活性剤を添加したエッチャントである。勿論、他
のバッファードフッ酸でも良い。
【0107】ここで用いるバッファードフッ酸は酸化シ
リコン膜を比較的に速い速度でエッチングできることが
好ましい。層間絶縁膜212は1μmと厚いのでエッチ
ングレートの速い方がスループットの向上につながる。
【0108】こうして層間絶縁膜212をエッチングし
た時点では,TFT部ではソース領域222、ドレイン
領域223が露出して,コンタクトホール236、23
7が完成する。ゲートコンタクト部ではアルミナ膜21
1が露出している。次にフッ化アンモニウムとフッ化水
素酸と水とを2:3:150(体積%)で混合した薄い
バッファードフッ酸を用いてエッチングを進行させる。
【0109】このバッファードフッ酸ではシリコン膜、
即ちソース領域222及びドレイン領域223は殆どエ
ッチングされない。しかし、ゲートコンタクト部アルミ
ナ膜211はエッチングされ、その下のアルミニウム層
209もエッチングされる。最終的には、タンタル膜3
04aまでエッチングが到達した時点でエッチングが止
まり、コンタクトホール238が形成される。(図7
(C))
【0110】こうして図7(E)の状態が得られたら、
導電膜でなるソース配線214、ドレイン配線215を
形成し、同一材料でゲート配線204と電気的に接続さ
れる取り出し配線213を形成する。(図7(F))
【0111】本実施例では、ソース配線214、ドレイ
ン配線215及び取り出し配線213を構成する導電膜
として、チタン/アルミニウム合金/チタンからなる3
層構造の配線を利用する。こうすることで、反応性の高
いアルミニウム膜をチタンで保護しつつ、低抵抗な配線
を実現することができる。勿論、本実施例に適用しうる
導電膜はこれに限定されるものではない。
【0112】以上の様な工程を経て、図5(A)に示す
構造のTFTが完成する。また、本実施例の構成によれ
ば図5(B)に示す様な構造でゲート配線と取り出し配
線との電気的な接続が達成される。
【0113】本実施例の構成では、コンタクトホール2
38を形成する際にタンタル層208がエッチングスト
ッパーとして機能するのでプロセスの制御性及びマージ
ンが大幅に改善される。
【0114】即ち、従来問題となっていたオーバーエッ
チングの如きコンタクト不良を防ぐことができる。ま
た、従来例で述べたクロム混酸の様に工業上の取扱いが
困難なエッチャントを必要とせず、容易に管理できるバ
ッファードフッ酸を使えるので、経済的である。
【0115】[実施例2] 本発明の構成は、TFTに
限らずシリコン基板を利用して形成されたMOSFET
に対しても適用することが可能である。本発明をMOS
FETに適用した場合の例を図12に示す。
【0116】図12において、301はシリコン基板、
302はフィールド酸化膜、303はソース領域、30
4はドレイン領域、305は一対のLDD領域である。
なお、それ以外の構造については、実施例1で説明した
構造とほぼ同じであるので説明は省略する。また、MO
SFETをウェル構造の内部に作製する様な構造として
も良い。
【0117】この様に、本発明は配線同士のコンタクト
構造に関する技術であるため、TFTに対してもMOS
FETに対しても適用することができる。また、TFT
やMOSFETの様な半導体装置だけでなく、陽極酸化
膜で保護されたアルミニウム配線と異なる層に形成され
た導電膜とを電気的に接続する構造を必要とする場合に
対して本発明を適用することは有効である。
【0118】[ 実施例3] 本発明を利用したTFTの
作製工程について図13を用いて説明する。なお、本実
施例においては、Nチャネル型TFT450とPチャネ
ル型TFT550を同一基板上に形成し,CMOS回路
を作製した例を示した。また、本発明はゲート電極の形
成からソース領域及びドレイン領域の形成までは実施例
1とほぼ同様である。
【0119】まず、基板400としてガラス基板(コー
ニング1737;歪点=667℃)を用意し、その表面
に図示しない下地膜として酸化シリコン膜を200nm 厚に
形成した。そして特開平6−232059号公報に記載
の結晶化技術を用いて多結晶シリコン膜(ポリシリコン
膜)を形成する。先ず、厚さ膜厚45nmのアモルファスシ
リコン膜401を減圧CVDで成膜する。非晶質シリコ
ン膜401の膜厚は10〜100 nm(好ましくは15〜75nm、
さらに好ましくは20〜45nm)とする。次にNi酢酸溶液
を非晶質シリコン膜401表面に塗布した。(図13
(A))
【0120】この状態で550℃、6時間加熱すること
によって、Niを核にして非晶質シリコン膜401が結
晶化して、多結晶シリコン膜に変成される。この多結晶
シリコン膜をパターニングして、Nチャネル型TFT4
50とPチャネル型の活性層403、503を形成し
た。以下、実施例1で説明した工程に従って図07
(A)に示す構造を得る。
【0121】図13(B)は、図07(A)に示す構造
に対応する。407、507はゲート絶縁膜、408、
508はタンタル層であり、409、509はアルミニ
ウム層であり、410、510はタンタルオキサイド層
であり、411、511はアルミナ層である。(図13
(B))
【0122】こうして図13(B)の状態が得られた
ら、プラズマドーピング法によってリンイオンを活性層
403,503に添加する。ドーピングガスには水素で
5%に希釈されたフォスフィンを用いる。加速電圧を60
〜90keV と高くした。ドーズ量は1×1013〜8×10
15atoms /cm3 とする。この工程は加速電圧が高いため
タンタルオキサイド層410、510とゲート絶縁膜4
07、507端部を通過して不純物イオンが注入され
る。次に、5 〜10keV と低い加速電圧で2回目のリンイ
オン注入工程を行った。この工程では加速電圧が低いた
めゲート絶縁膜407、507が完全にマスクとして機
能する(タンタルオキサイド膜も存在するため特開平7-
135318号公報記載の技術よりもマスク効果が向上してい
る)。
【0123】本実施例では、422、423およびで5
22、523示されるN+ 型領域には、1×1020〜8
×1021atoms /cm3 の濃度でリンが添加される様に調
節した。424、425及び524、525示されるN
- 型領域のリン濃度は、1×1016〜1×1017atoms
/cm3 になるように調節する。なお、Nチャネル型TF
T450において、N+ 型領域422、423はソース
領域、ドレイン領域であり,N- 型領域424、425
は低濃度不純物である。(図13(C))
【0124】次に、Nチャネル型TFT450をレジス
トマスク430で覆って、活性層503にボロンを添加
して、P+ 型領域533、532、P- 型領域534、
535を形成する。ドーピングガスには水素で5%に希
釈されたジボランを用いる。ドーズ量はN+ 型領域52
2、523領域に添加されるボロンの濃度の最大値か
ら、この領域のリンイオンの濃度の最大値との差分をと
ったときに、ボロンイオンの濃度が3×1019〜3×1
21atoms /cm3 となるようにドーズ量を調節する。
(図13(D))
【0125】P+ 型領域533、532はソース領域、
ドレイン領域であり、P- 型領域534、535は低濃
度不純物領域である。リンイオンボロンイオンが注入さ
れなかった領域421、531が、後にキャリアの移動
経路となる真性または実質的に真性なチャネル形成領域
である。
【0126】なお、真性とは電子と正孔が完全に釣り合
って完全に中性な領域を指し、実質的に真性な領域と
は、しきい値制御が可能な濃度範囲(1×1015〜1×
1017atoms /cm3 )でN型またはP型を付与する不純
物を含む領域、または意図的に逆導電型不純物を添加す
ることにより導電型を相殺させた領域を指す。
【0127】以上の様にして、ソース及びドレイン領域
を形成した後、不活性ガス雰囲気中において加熱処理を
施す従来(アルミニウム材料の単層)では、アルミニウ
ム材料の耐熱性が低かったため短時間、且つ、450℃
程度の加熱処理しか施せなかった。加えて、従来の構成
では、450℃程度の加熱処理であってもアルミニウム
原子がゲート絶縁膜や活性層に拡散している可能性が大
きく、TFT特性の低下、バラツキを招いている可能性
が高かった。
【0128】それに対して、本実施例は、アルミニウム
層409、509の下層に設けられたタンタル層40
8、508をアルミニウム原子のブロッキング層として
利用したため、長時間、且つ、450℃以上、好ましく
は500〜650℃の加熱処理を施すことが可能となっ
た。本実施例においては、窒素雰囲気中において、55
0℃、2時間の加熱処理を施した。(図13(D))
【0129】上記加熱工程により、金属元素が図13
(E)の矢印で模式的に示すように、チャネル形成領域
421、531内に存在しているNiは、ソース/ドレ
イン領域422、423、532、533へ拡散する。
これはこれらの領域がリン元素を高濃度に含むためであ
り、これらソース/ドレイン領域に到達したNiはそこ
で捕獲される。その結果、チャネル形成領域522、5
32更には低濃度不純物領域424、425、534、
535内のNi濃度を低減することができる。
【0130】特に、Pチャネル型TFT550ソース/
ドレイン領域532、533のように、リンとボロン双
方添加した領域であって、ボロン濃度をリンの1.3〜
2倍程度とした領域は、リンだけを添加したNチャネル
型TFT450ソース/ドレイン領域422、423よ
りもゲッタリング能力が高い。
【0131】また、上記加熱処理の段階において、不純
物イオンの加速注入によって結晶性が破壊された領域2
15、216、217の結晶性の改善が進行する。これ
は、領域215、216、217にニッケル元素が集中
することに大きく関係する。即ち、ニッケル元素が集中
した領域219、220は、それだけニッケル元素の作
用による結晶化が強く促進され、リン元素のドーピング
時に生じた結晶構造の損傷が回復される。
【0132】加えて、上記加熱処理でゲッタリングと同
時に、ソース/ドレイン領域422、423、532、
533および低濃度不純物領域424、425、53
4、535内の不純物の活性化が行われる。従来では、
アルミニウム材料の耐熱性が低かったために450℃程
度の加熱処理しか施せなかったので、ドーパント(リ
ン)の活性化率は低いものであった。
【0133】従来では、イオン注入時に生じた結晶構造
のダメージを回復する工程や不純物の活性化工程とし
て、別の工程(レーザーアニール、強光アニール等)を
加えていた。なお、本実施例においても、加熱処理と同
時に、表面または裏面照射のレーザーアニール、強光ア
ニール等を行う構成としてもよい。または、別の工程と
して表面または裏面照射のレーザーアニール、強光アニ
ール等を加え、さらに良好な活性層を得る構成としても
よい。
【0134】即ち、本実施例におけるドーピング後の加
熱工程(図13(E)参照)では、 1)チャネル形成領域内の金属元素濃度を低減するゲッ
タリング処理 2)ソース及びドレイン領域における不純物の活性化処
理 3)イオン注入時に生じた結晶構造のダメージを回復す
るアニール処理 が同時に行われる。
【0135】次に、酸化シリコン膜でなる層間絶縁膜4
31を形成する。層間絶縁膜221にコンタクトホール
を形成した後、電極材料としてチタン/アルミ/チタン
からなる積層膜を形成し、パターニングして、配線43
2〜434を形成した。ここでは、配線433によって
Nチャネル型TFT450とPチャネル型TFT550
とを接続してCMOS回路を形成する。(図13
(F))
【0136】最後に水素雰囲気中において 350℃2時間
程度の水素化処理を行い、TFT全体の水素終端処理を
行う。こうして作製されたTFTは、アルミニウム層と
ゲート絶縁膜との間にタンタル層が存在するため、作製
途中の熱処理によってアルミニウム原子の拡散等を防ぐ
ことができる。
【0137】そのため、非常に高い歩留りでTFTを作
製することが可能となり、同一基板上に百万個以上もの
TFTを作製するAMLCDを作製においても高い良品
率を確保することができる。そして、それに伴って液晶
モジュールやそれを搭載した製品(電子機器)の製造コ
ストを低減することが可能である。。 [実施例4]実施例3で説明したように、公知のCMO
S技術を用いれば、NTFTとPTFTとを相補的に組
み合わせたCMOS回路を構成することも容易である。
本実施例では同一基板上にCMOS回路で構成された駆
動回路とNTFTで構成された画素マトリクス回路とを
形成したアクティブマトリクス基板を作製した例を図1
4に示す。
【0138】図14において、Nチャネル型TFT60
1、Pチャネル型TFT602はCMOS回路603を
構成している。前述の様に公知のCMOS技術を用いれ
ば実施例1とほぼ同様の工程で容易に実現できる。
【0139】また、画素マトリクス回路を構成する画素
TFT(本実施例ではNTFT)604は実施例1また
は実施例3で説明した作製工程に多少の工程を足せば実
現できる。
【0140】まず、実施例1または実施例3の工程に従
って、Nチャネル型TFT601、Pチャネル型TFT
602、画素TFT604を完成する。次に、図14に
示す様に第1の平坦化膜610を形成する。本実施例で
は窒化珪素(50nm)/酸化珪素(25nm)/アクリル(1
μm)の積層構造を第1の平坦化膜610として利用す
る。
【0141】なお、アクリルやポリイミドといった有機
性樹脂膜はスピンコート法で形成する溶液塗布型絶縁膜
なので厚い膜を容易に形成できる上、非常に平坦な面を
得ることが可能である。そのため、1μm程度の膜厚を
高いスループットで形成することが可能であり、良好な
平坦面が得られる。
【0142】次に、第1の平坦化膜610上に遮光性導
電膜でなるブラックマスク611を形成する。また、ブ
ラックマスク611の形成に先立って、第1の平坦化膜
610をエッチングして、最下層の窒化珪素膜のみを残
した凹部を形成しておく。
【0143】この様にしておくことで、凹部を形成した
部分ではドレイン電極とブラックマスクとが窒化珪素膜
のみを介して近接し、そこで補助容量612を形成す
る。窒化珪素は比誘電率が高く、しかも膜厚が薄いので
大容量を確保しやすい。
【0144】ブラックマスク611を形成すると同時に
補助容量612を形成したら、第2の平坦化膜613を
1.5μm厚のアクリルで形成する。補助容量612を形
成した部分は大きな段差を生じるが、その様な段差も十
分に平坦化できる。
【0145】最後に、第1の平坦化膜610及び第2の
平坦化膜613にコンタクトホールを形成し、透明導電
膜(代表的にはITO)からなる画素電極54を形成す
る。こうして図14に示すアクティブマトリクス基板が
完成する
【0146】なお、画素電極として反射性の高い導電
膜、代表的にはアルミニウムまたはアルミニウムを主成
分とする材料を用いれば、反射型AMLCD用のアクテ
ィブマトリクス基板を作製することもできる。
【0147】また、図14では画素TFT604のゲー
ト電極をダブルゲート構造としているが、シングルゲー
ト構造でも良いし、トリプルゲート構造等のマルチゲー
ト構造としても構わない。
【0148】また、図14のアクティブマトリクス基板
の構造は本実施例の構造に限定されるものではない。本
発明の特徴はゲート配線の構成にあるので、それ以外の
構成については実施者が適宜決定すれば良い。例えば、
TFT601、603、604を実施例4に示したボト
ムゲート型とするのは同業者であれば容易である。
【0149】[実施例5] 本実施例では本発明のTF
Tを用いてAMLCDを構成した例について説明する。
ここで本実施例のAMLCDの外観を図15に示す。
【0150】図15(A)において、701はアクティ
ブマトリクス基板であり、画素マトリクス回路702、
ソース側駆動回路703、ゲイト側駆動回路704が形
成されている。駆動回路はN型TFTとP型TFTとを
相補的に組み合わせたCMOS回路で構成することが好
ましい。また、705は対向基板である。
【0151】図15(A)に示すAMLCDはアクティ
ブマトリクス基板701と対向基板705とが端面を揃
えて貼り合わされている。ただし、ある一部だけは対向
基板705を取り除き、露出したアクティブマトリクス
基板に対してFPC(フレキシブル・プリント・サーキ
ット)706を接続してある。このFPC706によっ
て外部信号を回路内部へと伝達する。
【0152】また、FPC706を取り付ける面を利用
してICチップ707、708が取り付けられている。
これらのICチップはビデオ信号の処理回路、タイミン
グパルス発生回路、γ補正回路、メモリ回路、演算回路
など、様々な回路をシリコン基板上に形成して構成され
る。図15(A)では2個取り付けられているが、1個
でも良いし、さらに複数個であっても良い。
【0153】また、図15(B)の様な構成もとりう
る。図15(B)において図15(A)と同一の部分は
同じ符号を付してある。ここでは図15(A)でICチ
ップが行っていた信号処理を、同一基板上にTFTでも
って形成されたロジック回路709によって行う例を示
している。この場合、ロジック回路709も駆動回路7
03、704と同様にCMOS回路を基本として構成さ
れる。
【0154】また、本実施例のAMLCDはブラックマ
スクをアクティブマトリクス基板に設ける構成(BM o
n TFT)を採用するが、それに加えて対向側にブラッ
クマスクを設ける構成とすることも可能である。
【0155】また、カラーフィルターを用いてカラー表
示を行っても良いし、ECB(電界制御複屈折)モー
ド、GH(ゲストホスト)モードなどで液晶を駆動し、
カラーフィルターを用いない構成としても良い。
【0156】また、特開昭8-15686 号公報に記載された
技術の様に、マイクロレンズアレイを用いる構成にして
も良い。
【0157】[実施例6] 本発明の構成は、AMLC
D以外にも他の様々な電気光学装置や半導体回路に適用
することができる。
【0158】AMLCD以外の電気光学装置としてはE
L(エレクトロルミネッセンス)表示装置やイメージセ
ンサ等を挙げることができる。
【0159】また、半導体回路としては、ICチップで
構成されるマイクロプロセッサの様な演算処理回路、携
帯機器の入出力信号を扱う高周波モジュール(MMIC
など)が挙げられる。
【0160】この様に本発明は絶縁ゲイト型TFTで構
成される回路によって機能する全ての半導体装置に対し
て適用することが可能である。
【0161】[実施例7]実施例5や6に示したAML
CDは、様々な電子機器のディスプレイとして利用され
る。なお、本実施例に挙げる電子機器とは、アクティブ
マトリクス型液晶表示装置を搭載した製品と定義する。
【0162】その様な電子機器としては、ビデオカメ
ラ、スチルカメラ、プロジェクター、プロジェクション
TV、ヘッドマウントディスプレイ、カーナビゲーショ
ン、パーソナルコンピュータ(ノート型を含む)、携帯
情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話等)などが
挙げられる。それらの一例を図16に示す。
【0163】図16(A)は携帯電話であり、本体20
01、音声出力部2002、音声入力部2003、表示
装置2004、操作スイッチ2005、アンテナ200
6で構成される。本発明は音声出力部2002、音声入
力部2003、表示装置2004等に適用することがで
きる。
【0164】図16(B)はビデオカメラであり、本体
2101、表示装置2102、音声入力部2103、操
作スイッチ2104、バッテリー2105、受像部21
06で構成される。本発明は表示装置2102、音声入
力部2103、受像部2106に適用することができ
る。
【0165】図16(C)はモバイルコンピュータ(モ
ービルコンピュータ)であり、本体2201、カメラ部
2202、受像部2203、操作スイッチ2204、表
示装置2205で構成される。本発明は受像部220
3、表示装置2205等に適用できる。
【0166】図16(D)はヘッドマウントディスプレ
イであり、本体2301、表示装置2302、バンド部
2303で構成される。本発明は表示装置2302に適
用することができる。
【0167】図16(E)はリア型プロジェクターであ
り、本体2401、光源2402、表示装置2403、
偏光ビームスプリッタ2404、リフレクター240
5、2406、スクリーン2407で構成される。本発
明は表示装置2403に適用することができる。
【0168】図16(F)はフロント型プロジェクター
であり、本体2501、光源2502、表示装置250
3、光学系2504、スクリーン2505で構成され
る。本発明は表示装置2503に適用することができ
る。
【0169】以上の様に、本発明の適用範囲は極めて広
く、あらゆる分野の電子機器に適用することが可能であ
る。また、他にも電光掲示盤、宣伝公告用ディスプレイ
などにも活用することができる。
【0170】
【発明の効果】本発明では、配線をアルミニウムを主成
分とする配線層と、アルミニウムよりも高融点材料でな
る配線層との積層構造とすることによって、当該配線を
他の上層配線にオーミック接触良好に接続することがで
きる。更に、本発明の配線をトップゲート型トランジス
タのゲート配線に用いても、ゲート電極とチャネルとの
ショートを防止することができ、トランジスタの信頼性
向上することができる。また、陽極酸化用の電圧供給配
線を形成せずに、アルミニウムでなるを陽極酸化するこ
とが可能になるため、基板面積の縮小、回路の高集積化
が促進される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 配線の作製工程を示す断面図。(実施形態
1)
【図2】 配線の上面図と側面図。(実施形態1と従来
例)
【図3】 配線の作製工程を示す断面図。(実施形態
2)
【図4】 TFTの上面図。(実施例1)
【図5】 TFTの断面図およびゲート配線の側面図。
(実施例1)
【図6】 TFTの作製工程を示す断面図。(実施例
1)
【図7】 TFTの作製工程を示す断面図。(実施例
1)
【図8】 TFTの作製工程途中の平面図と、断面図
(実施例1)
【図9】 TFTの作製工程途中の平面図と、断面図
(実施例1)
【図10】 TFTの作製工程途中の平面図と、断面図
(実施例1)
【図11】 陽極酸化装置の模式図。
【図12】 MOS型トランジスタの断面図。(実施例
2)
【図13】 アクティブマトリクス基板の断面図。(実
施例3)
【図14】 AMLCD基板の斜視図。(実施例4)
【図15】 TFTの作製工程を示す断面図。(実施例
5)
【図16】 半導体装置用いた電子機器の構成図。(実
施例7)
【図17】 陽極酸化工程の実験手順を示すアルミニウ
ムパターンの断面図。(実験例)
【図18】 図17(D)の断面構造を観察したSEM
写真。(実験例)
【図19】 陽極酸化工程を用いたTFTの作製工程を
示す断面図。(従来例)
【図20】 アルミナ層で被覆されたゲート配線のコン
タクトホールの断面図。(従来例)
【符号の説明】
200 基板 201 活性層 202 ゲート配線 208 タンタル膜 209 アルミニウム膜 210 タンタルオキサイド 211 アルミナ膜

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の配線層上に、アルミニウムまたは
    アルミニウムを主成分とする材料でなる第2の配線層を
    積層した積層構造を有する配線を備えた半導体装置であ
    って、 前記第1の配線層はアルミニウムよりも高融点な金属材
    料で形成され、 前記第2の配線層の表面は、陽極酸化物で被覆されてい
    ることを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 第1の配線層上に、アルミニウムまたは
    アルミニウムを主成分とする材料でなる第2の配線層を
    積層した積層構造を有する配線を備えた半導体装置であ
    って、 前記第1の配線層はアルミニウムよりも高融点な金属材
    料で形成され、 前記第2の配線層の側面全ては、陽極酸化物で被覆され
    ていることを特徴とする半導体装置。
  3. 【請求項3】 第1の配線層上に、アルミニウムまたは
    アルミニウムを主成分とする材料でなる第2の配線層を
    積層した積層構造を有する第1の配線と、 絶縁膜を挟んで前記第1の配線よりも上層に形成された
    第2の配線と、 前記第1の配線と前記第2の配線とを電気的に接続する
    ためのコンタクトホールと、 からなるコンタクト構造を構成に含む半導体装置であっ
    て、 第1の配線において、前記第1の配線層はアルミニウム
    よりも高融点な金属材料で形成され、前記第2の配線層
    の側面全ては陽極酸化物で被覆され、 前記コンタクトホールは前記第2の配線層を貫通して形
    成され、 前記第2の配線は、前記コンタクトホールにおいて前記
    第1の金属層と接していることを特徴とする半導体装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれか1つに
    おいて、前記第1の配線層は、Ta、Nb、Hf、T
    i、Crのいずれか一種の金属元素を主成分とする材
    料、又はこれら金属元素を含有する合金で形成されるこ
    とを特徴とする半導体装置。
  5. 【請求項5】 第1の配線層上に、第2の配線層を積層
    した積層構造を有する配線を複数備えた半導体装置の作
    製方法であって、 絶縁表面上に第1の金属膜を形成する工程と、 前記第1の金属膜上に接して第2の金属膜を形成する工
    程と、 前記第2の金属膜をパターニングして、前記第1の金属
    膜上に前記第2の配線層を選択的に形成する工程と、 前記第1の金属膜に電圧を印加することによって前記第
    2の配線層を陽極酸化する工程と、 を有することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  6. 【請求項6】 第1の配線層上に、第2の配線層を積層
    した積層構造を有する配線を備えた半導体装置の作製方
    法であって、 絶縁表面上に第1の金属膜を形成する工程と、 前記第1の金属膜上に接して第2の金属膜を形成する工
    程と、 前記第2の金属膜をパターニングして、前記第1の金属
    膜上に前記第2の配線層を選択的に形成する工程と、 前記第1の金属膜に電圧を印加することによって、前記
    第2の配線層を陽極酸化すると共に、前記第1の金属膜
    を陽極酸化する工程と、 前記第1の金属膜の陽極酸化物膜を選択的に除去して、
    第1の配線層を形成する工程と、を有することを特徴と
    する半導体装置の作製方法。
  7. 【請求項7】 請求項5又は請求項6において、前記第
    1の金属膜をアルミニウムよりも高融点な金属材料で形
    成することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  8. 【請求項8】 請求項5乃至請求項7のいずれかにおい
    て、前記第2の金属膜をアルミニウムを主成分とする材
    料で形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  9. 【請求項9】 請求項5乃至請求項8のいずれかにおい
    て、前記第1の金属膜をTa、Nb、Hf、Ti、Cr
    のいずれか一種の金属元素を主成分とする材料、又はこ
    れら金属元素を含有する合金で形成することを特徴とす
    る半導体装置の作製方法。
  10. 【請求項10】 第1の配線層上に、第2の配線層を積
    層した積層構造を有するゲート配線を備えた半導体装置
    の作製方法であって、 活性層に密接して絶縁膜を形成する工程と、 前記絶縁膜上に第1の金属膜を形成する工程と、 前記第1の金属膜上に接して前記第2の金属膜を形成す
    る工程と、 前記第2の金属膜をパターニングして、前記絶縁膜を挟
    んで前記活性層と交差する前記第2の配線層を形成する
    工程と、 前記第1の金属膜に電圧を印加することによって前記第
    2の配線層を陽極酸化して、前記第2の配線層の側面を
    被覆する多孔質酸化アルミニウム層を形成する工程と、 前記第1の金属膜に電圧を印加することによって、前記
    第2の配線層を陽極酸化して前記第2の配線層の表面を
    被覆する無孔質酸化アルミニウム層を形成すると共に、
    前記第1の金属膜を選択的に陽極酸化して前記第1の配
    線層を画定する工程と、 多孔質酸化アルミニウム及び無孔質アルミナ層をマスク
    にして前記絶縁膜をパターニングし、ゲート絶縁膜を形
    成する工程と、 無孔質アルミナ層を除去する工程と、 多孔質アルミナ及び無孔質アルミナ層をマスクにして前
    記絶縁膜をパターニングして、ゲート絶縁膜を形成する
    工程と、 無孔質アルミナ層、前記第2の金属膜の陽極酸化物膜及
    びゲート絶縁膜をマスクにして、n型又はp型の導電型
    を活性層に添加する工程と、を有することを特徴とする
    半導体装置の作製方法。
  11. 【請求項11】 請求項10において、前記第1の金属
    膜は、Ta、Nb、Hf、Ti、Crのいずれか一種の
    金属元素を主成分とする材料、又はこれら金属元素を含
    有するの合金で形成されることを特徴とする半導体装置
    の作製方法。
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