JPH1133011A - 磁気共鳴イメージング装置による画像形成方法 - Google Patents

磁気共鳴イメージング装置による画像形成方法

Info

Publication number
JPH1133011A
JPH1133011A JP9189594A JP18959497A JPH1133011A JP H1133011 A JPH1133011 A JP H1133011A JP 9189594 A JP9189594 A JP 9189594A JP 18959497 A JP18959497 A JP 18959497A JP H1133011 A JPH1133011 A JP H1133011A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic field
tip
biopsy instrument
image
biopsy
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9189594A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Takiguchi
賢治 滝口
Hiromichi Shimizu
博道 清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Healthcare Manufacturing Ltd
Original Assignee
Hitachi Medical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Medical Corp filed Critical Hitachi Medical Corp
Priority to JP9189594A priority Critical patent/JPH1133011A/ja
Publication of JPH1133011A publication Critical patent/JPH1133011A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Magnetic Resonance Imaging Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】被検体の外部から診断部位へ挿入した生検器具
の先端部の位置を見失うことなく、目的の患部へ効率的
に生検器具を誘導できるように、生検器具の長手方向を
含む断面を撮像、表示する画像形成方法を提供する。 【解決手段】MRI装置を用いた画像形成方法において、
被検体の外部から診断部位に向かって挿入した生検器具
12を含む関心領域11について、この関心領域の体積の各
軸方向に沿って順次傾斜磁場を印加して発生した三つの
エコーをフーリエ変換によって投影信号に変換し、これ
ら投影信号の演算により、三つのエコーがそれぞれ発生
した時間における生検器具先端部の三点の通過座標のう
ち少なくとも二点の位置及び速度を算出し、生検器具の
進行方向ベクトルを求め、生検器具先端部を通り、進行
方向ベクトルと平行な方向の断面23を決定し、MRI画像
を撮影する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被検体の生体組織
に生起される核磁気共鳴現象を利用して診断像を得る磁
気共鳴イメージング装置(以下、MRI装置という)にお
いて、被検体の外部から診断部位に挿入した生検器具先
端部の位置と進行方向を算出し、生検器具の長手方向を
含む撮影断面の位置と方向を決定し、その断面を撮影
し、画像再構成し、表示する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年MRI装置においても、単に被検体の
診断部位の断層像を計測して画像診断を行うだけでな
く、生検針やカテーテルなどの生検器具を診断部位に直
接挿入して各種の治療をおこなうIVR(Interventional
Radiology)手技が行われるようになってきた。このよ
うなIVR手技では、撮影したMRI画像を用いて目的の患部
を見つけ、この目的の患部に対して早く生検器具を挿入
して処置を施す必要があるが、そのためには生検器具の
先端部の位置を検出して患部へと誘導する必要がある。
これに関し、先端に核磁気共鳴物質を内蔵する生検器具
を用いて、これをEPI(エコープレナーイメージング)
法などの高速撮影法により高時間分解能でモニタするこ
とが試みられるようになってきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな手法では、MRI画像は、生検器具の動きとは無関係
に、一定方向の断面を一定の時間間隔で撮影することし
かできない。したがって最初は視野内に見えていた生検
器具が次第に視野外にずれてしまい、生検器具を確実に
追跡することができないという問題があった。
【0004】また、本出願人は、移動する生検器具の先
端位置を実時間で検出する方法及びあらかじめ計測して
おいた断面画像に先端位置を点描写する方法を提案した
(特開平9-122096号)。
【0005】しかし、この方法においては、生検器具を
確実に追跡することはできるものの、撮影断面は、生検
器具の進行方向とは無関係であって、生検器具先端部の
位置を点表示する一断面であるから、生検器具の長手方
向を表示することができなかった。従って生検器具と目
的の患部との2次元的、3次元的な位置関係が十分に把握
できないという問題を生じた。
【0006】そこで本発明は、このような問題に対処
し、生検器具先端部の位置を見失うことなく、生検器具
の長手方向を撮影するための画像形成方法を提供するこ
とを目的とする。また本発明は、生検器具と目的の患部
との2次元的、3次元的な位置関係の把握が容易であり、
目的の患部へ効率的に生検器具を誘導できるようにする
画像形成方法を提供することを目的とする。
【0007】
【問題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明による画像形成方法は、被検体に静磁場を
与える静磁場発生手段と、被検体に傾斜磁場を与える傾
斜磁場発生手段と、被検体の診断部位に対して高周波信
号を照射すると共に被検体の生体組織の核磁気共鳴によ
り放出される高周波信号を受信するプローブと、プロー
ブを駆動して高周波信号の照射および受信を行う高周波
送受信部と、高周波送受信部の制御を撮像時のパルスシ
ーケンスに従って行うと共にプローブで受信した高周波
信号を用いて画像再構成演算を行う計算機と、計算機で
生成された画像信号を入力して断層像として表示する表
示器とを備えたMRI装置において、1)被検体の外部か
ら診断部位へ挿入した生検器具を含む関心領域につい
て、高周波信号の照射による関心領域の選択励起と、そ
れに続く一の傾斜磁場の印加と、それにより発生するエ
コー信号の計測とを直交する三軸について順次実行し、
2)発生した三つのエコーをフーリエ変換によって投影
信号に変換し、この投影信号の演算により、三つのエコ
ーがそれぞれ発生した時間における生検器具先端部の三
点の通過座標のうち少なくとも二点の位置及び速度を算
出し、生検器具の進行方向ベクトルを求め、3)生検器
具先端部を通り、前記進行方向ベクトルと平行な方向の
断面を決定し、この断面についてMRI画像を撮影し、表
示する。
【0008】また本発明の画像形成方法は、生検器具先
端部を通り、前記進行方向ベクトルと平行な方向の断面
と、この平面と任意の角度を有する他の平面(たとえ
ば、直交平面)を撮影する。生検器具の進行ベクトルか
らの断面の決定とこれらの撮影の過程を交互に繰り返す
ことにより、これら二つの撮影断面を表示器上に並べて
表示することが可能となり、患部における生検器具の位
置関係が、より一層把握しやすいものとなる。任意の角
度を有する他の平面の決め方によっては、ステレオ画像
等の形成も可能となる。
【0009】本発明の画像形成方法は、より具体的に
は、上記1)及び2)の工程で(a)被検体の外部から診
断部位へ挿入した生検器具を含む関心領域について、高
周波信号の照射と傾斜磁場の印加を同時に行って関心領
域を選択励起し、X軸方向に磁場強度が変化する傾斜磁
場を印加して、エコーを発生させ、受信したエコーをフ
ーリエ変換によって投影信号に変換し、この投影信号の
位相分布から、生検器具の先端部の時間tlにおけるX軸
方向位置及びX軸方向速度成分を求め、(b)関心領域に
ついて、高周波信号の照射と傾斜磁場の印加を同時に行
って関心領域を選択励起し、Y軸方向に磁場強度が変化
する傾斜磁場を印加して、エコーを発生させ、受信した
エコーをフーリエ変換によって投影信号に変換し、この
投影信号の位相分布から、生検器具の先端部の時間t2に
おけるY軸方向位置及びY軸方向速度成分を求め、(c)
関心領域について、高周波信号の照射と傾斜磁場の印加
を同時に行って関心領域を選択励起し、Z軸方向に磁場
強度が変化する傾斜磁場を印加して、エコーを発生さ
せ、受信したエコーをフーリエ変換によって投影信号に
変換し、この投影信号の位相分布から、生検器具の先端
部の時間t3におけるZ軸方向位置及びZ軸方向速度成分
を求める。ここで、(a)(b)(c)の順番は、任意に設定す
ることができ、たとえば、(c)(b)(a)の順で行ってもか
まわない。
【0010】(a)(b)(c)の各過程で得られた各軸方向の
位置及び速度成分から、時間tl、t2、t3における三つの
通過座標のうち少なくとも二点の位置座標及び生検器具
先端部の平均速度を算出して、生検器具の進行方向ベク
トルを求める。
【0011】尚、本発明において生検器具は非磁性物質
からなり、少なくとも生検器具先端部には磁場空間中で
高周波磁場によって核磁気共鳴を生じる物質が含有され
ていることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて詳細に説明する。
【0013】図1は本発明の実施に用いるMRI装置を示
すブロック図である。このMRI装置は、被検体の生体組
織に生起される核磁気共鳴現象を利用して診断部位の断
層像を得るもので、図1に示すように、静磁場発生手段
1と、傾斜磁場発生手段2と、傾斜磁場電源3と、プロー
ブ4と、高周波送受信部5と、計算機6と、表示器7とを有
している。
【0014】静磁場発生手段1は、テーブル8に寝載され
た被検体9の周りにその体軸方向と直交する方向に均一
な静磁場を発生させるもので、被検体9を寝載するテー
ブル8の周りのある広がりをもった空間に配置され、例
えば永久磁石又は磁界発生コイルからなる。
【0015】傾斜磁場発生手段2は被検体9にX、Y、Zの3
軸方向の傾斜磁場Gx、Gy、Gzを与えるもので、テーブル
8の周りのある広がりをもった空間に配置されている。
傾斜磁場電源3は、傾斜磁場発生手段2を駆動するもので
ある。
【0016】プローブ4は、被検体9の診断部位に対して
高周波磁場を照射すると共に、被検体9の生体組織のNMR
現象により放出される高周波信号を受信するもので、内
部に照射コイルと受信コイルを有している(照射コイル
と受信コイルとは物理的に隔離されていてもよい)。高
周波送受信部5は、前記プローブ4より被検体9に対して
高周波信号の照射および受信を行うものである。
【0017】計算機6は、傾斜磁場電源3および高周波送
受信部5の制御を撮像時のパルスシーケンスにしたがっ
て行うと共に、プローブ4で受信した信号の画像再構成
処理を行うものである。さらに表示器7は、計算機6で生
成された画像信号を入力して断層像として表示するもの
である。
【0018】次にこのようなMRI装置を使用して実施す
る本発明の画像形成方法について説明する。この方法で
はまず、被検体に挿入した生検器具の先端位置および進
行方向ベクトルを検出し、次に生検器具の進行方向ベク
トルから、生検器具の長手方向を視野に含むように撮影
断面方向を決定し、これにより、移動する生検器具に追
従して常に撮影視野内に生検器具が見える画像を得る。
【0019】図2において、被検体の外部から診断部位
へ向けて挿入した生検器具12を含む関心領域を11とし、
生検器具先端部が関心領域内を一定速度vで移動してい
るものとする。なお、生検器具12は非磁性物質から成
り、かつその先端部には磁場空間中で高周波磁場の照射
によってNMR現象を生じる物質、たとえば水素、炭素等
を含む物質を含有している。
【0020】このような状態で、図3の時刻toにおいて
高周波磁場31とZ軸方向に磁場強度が変化する傾斜磁場
Gz32とを同時に印加して関心領域11を選択励起する。こ
のとき生検器具12の先端部12aは図2の13の位置にあ
る。次にX軸方向に磁場強度が変化する傾斜磁場33を時
間Tだけ印加し、さらに傾斜磁場33の振幅の極性を反転
させて時間2Tだけ印加し、再度振幅の極性を反転させて
時間Tだけ印加する。このとき傾斜磁場33を印加してか
ら2T時間後の時刻tlにおいてこの傾斜磁場の振幅の時間
積分値が0となるので、エコー34が発生する。
【0021】このエコー34は図1に示すプローブ4により
検出され、高周波送受信機6を介して計算機6に格納され
る。ここで時刻toからtlの間に、生検器具12の先端部は
図2に示すように符号13の位置から14の位置に移動す
る。
【0022】続いて、時刻t2において高周波磁場35とZ
軸方向に磁場強度が変化する傾斜磁場Gz36とを同時に印
加して同じ関心領域を選択励起する。このとき生検器具
12の先端部は14の位置より更に進んで15の位置にある。
次にY軸方向に磁場強度が変化する傾斜磁場37を時間T
だけ印加し、さらに傾斜磁場37の振幅の極性を反転させ
て時間2Tだけ印加し、再度振幅の極性を反転させて時間
Tだけ印加する。このとき傾斜磁場37を印加してから 2T
時間後の時刻t3においてこの傾斜磁場の振幅の時間積分
値が0となるので、エコー38が発生する。このエコー38
は図1に示すプローブ4より検出され高周波送受信機5を
介して計算機 6に格納される。ここで時刻t2からt3の間
に、生検器具12の先端部が図2に示すように15の位置か
ら16の位置に移動する。
【0023】時刻t4において高周波磁場39とZ軸方向に
磁場強度が変化する傾斜磁場Gz40とを同時に印加して同
じ関心領域を選択励起する。このとき生検器具12の先端
部は16の位置より更に進んで17の位置にある。次にZ軸
方向に磁場強度が変化する傾斜磁場41を時間Tだけ印加
し、さらに傾斜磁場41の振幅の極性を反転させて時間2T
だけ印加し、再度振幅の極性を反転させて時間Tだけ印
加する。このとき傾斜磁場41を印加してから2T時間後の
時刻t5においてこの傾斜磁場の振幅の時間積分値が0と
なるので、エコー42が発生する。このエコー42も図1に
示すプローブ4より高周波送受信機5を介して計算機6に
格納される。ここで時刻t4からt5の間に、生検器具12の
先端部が図2に示すように17の位置から18の位置に移動
する。
【0024】次にこのように格納された3つのエコー3
4、38、42の演算により、生検器具12の先端部の位置座
標と速度を求める。
【0025】まず、時刻toからtlの間に、生検器具12の
先端部が13の位置から14の位置に移動する時、先端部に
格納された物質の磁気スピンの位相はX軸方向の傾斜磁
場を受けることによりX軸方向の速度に比例した大きさ
で回転する。そのX軸方向の速度vはγを磁気回転比と
し、Gを傾斜磁場の振幅とし、θを位相の大きさとする
と式(1)により表わされる。
【0026】
【数1】 この式によれば、生検器具12の先端部の移動は磁気スピ
ンの位相変化に置き換えることが可能であり、計算機に
格納されたエコー34、38、42の位相を調べることにより
先端部の位置、さらには先端部の移動速度を検出するこ
とができる。
【0027】このため、計算機に格納されたエコー34を
X軸方向に沿ってフーリエ変換し、その実部の値と虚部
の値を用いて位相分布を求める。ここで、位相の大きさ
θは、式(2)によって表される。
【0028】
【数2】 X軸方向に沿ったフーリエ変換の結果は、X軸方向への
投影を表わしており、図2の19に示すように位相が大き
く変化しているところが速度vで移動する先端部に対応
し、横軸がX軸方向の位置rxを表す。その位置におけ
る位相の大きさと式(1)から先端部のX軸方向速度v
xが求められる。
【0029】同様に時刻t2からt3の間に、生検器具の先
端部が15の位置から16の位置に移動する時、先端部に格
納された物質の磁気スピンの位相はY軸方向の傾斜磁場
を受けることによりY軸方向の速度に比例した大きさで
回転する。計算機に格納されたエコー38をY軸方向に沿
ってフーリエ変換し、その実部の値と虚部の値を用いて
式(2)により位相分布を求める。またY軸方向に沿っ
たフーリエ変換の結果(Y軸方向の投影)から、図2の
20に示すように先端部のY軸方向位置ryが求められ、
その位置における位相の大きさと式(1)から先端部の
Y軸方向速度vyが求められる。
【0030】同様に時刻t4からt5の間に、生検器具の先
端部が17の位置から18の位置に移動する時、先端部に格
納された物質の磁気スピンの位相はZ軸方向の傾斜磁場
を受けることによりZ軸方向の速度に比例した大きさで
回転する。計算機に格納されたエコー42をZ軸方向に沿
ってフーリエ変換し、その実部の値と虚部の値を用いて
位相分布を求める。またZ軸方向に沿ったフーリエ変換
の結果であるZ軸方向の投影から、図2の21に示すよう
に先端部のZ軸方向位置rzが求められる。その位置に
おける位相の大きさと式(1)から先端部のZ軸方向速
度vzが求められる。
【0031】以上述べたように、図3のシーケンスを実
行することによって得られた3つのエコーをそれぞれフ
ーリエ変換することにより、一定速度で移動する生検器
具先端部の時刻tlにおける位置と速度の各X軸方向成分
(rx、vx)、時刻t3における位置と速度の各Y軸方向
成分(ry、vy)、時刻t5における位置と速度の各Z軸
方向成分(rz、vz)を得ることができる。ここで生検
器具が一定速度で移動していると仮定すると、上述の時
刻、位置、速度の関係から、時刻tl、t3、t5における位
置の完全な情報、すなわちX、Y、Z軸方向全ての位置
成分からなる位置座標を求めることができる。なお実際
の適用において、t1とt3との間、t3とt5との間は数ms〜
数十msと非常に短時間なので、この間、生検器具先端部
は等速度直線運動で移動すると近似できる。
【0032】即ち、時刻tlにおいては x1=rx yl=ry−vy(t3−tl) zl=rz−vz(t5−tl) となり、時刻t3においては x3=rx+vx(t3−tl) y3=ry z3=rz−vz(t5−t3) となり、時刻t5においては x5=rx+vx(t5−tl) y5=ry+vy(t5−t3) z5=rz となる。以上の計算によって時刻tlにおける生検器具の
先端部の位置座標(xl、yl、zl)、時刻t3における
生検器具の先端部の位置座標(x3、y3、z3)、時刻t
5における生検器具の先端部の位置座標(x5、y5、z
5)が求められる。
【0033】これらの三点の座標のうち、いずれかの二
点の位置座標からベクトル22が決まる。このベクトル
22は生検器具12の進行方向を表すものであり、時刻
t5における生検器具の位置とこの進行方向から、生検
器具12先端を含み且つ時刻t5以降に生検器具が進行
すると予測される領域を含む撮影断面(図4(a))を
決定することができる。このような撮像断面は、ベクト
ル22を軸として360度の方向の断面が採り得るが、
目的の患部との関係で生検器具が最も把握しやすいよう
に適宜選択する。尚、生検器具が進行すると予測される
領域は、時間にして数m秒〜数100m秒の範囲であ
る。
【0034】撮影断面の位置と方向が決まると、公知の
撮像法によりその断面を撮影する。撮像方法としては、
SE法、GFE法等の従来の撮影方法、あるいはEPI法、FSE
法等の高速撮影方法が採用できるが、生検器具の移動を
実時間で追跡する場合には高速撮影方法を採用すること
が好ましい。撮像シーケンスの実行により計測した信号
を、計算機6に格納し、再像再構成処理し、得られた画
像を表示器7に表示する。この表示された画像は生検器
具の長手方向に沿った画像であるので、その2次元的な
把握が容易となり、且つ進行方向が表示されるので患部
との関係も把握しやすい。
【0035】この場合、生検器具先端部の位置及び速度
を決定するためのシーケンス(図3)は、100m秒程
度の極めて短い時間で実行することができ、その後の計
算機による演算時間を合せても数100m秒以内で断面
を決定することができる。従って、撮像方法として数1
00m秒で撮像可能な高速撮像方法を採用し、上記断面
決定と撮像及び表示とを交互に行うことにより、実時間
で生検器具の動きをモニタすることができる。図5
(a)は、このように生検器具先端部の位置と進行方向
を算出し、撮影断面の位置と方向を決定する過程51と、
断面を撮影し、画像再構成し、表示する過程52を交互に
繰り返す場合を示すもので、これにより生検器具先端部
の位置を確認しながら生検器具先端部を目標とする位置
に誘導することが可能となる。
【0036】尚、図3のシーケンスの実行によって得ら
れたデータは、生検器具を挿入しない状態で同様のシー
ケンスを実行して得られたデータとの差分をとって背景
雑音を除去してもよい。これによって傾斜磁場印加中の
生検器具先端部の移動によって引き起こされる位相変化
を強調することができる。このように差分をとる方法
は、撮影断面に血流などの磁気スピンの位相の回転を生
じさせる要素を含み、生検器具先端部の識別が困難な場
合に好適である。
【0037】次に本発明の第二の実施例を説明する。こ
の実施例では、第一の実施例で求めた生検器具器具の進
行方向を表す方向ベクトル以外に、それと直交する方向
ベクトルを求め、それによって決まる断面についても撮
影し画像再構成する。
【0038】即ち、この実施例でも、図3のパルスシー
ケンスを実行し、生検器具の進行方向を表す方向ベクト
ルを求めることは同じである。このように生検器具の進
行方向を表す方向ベクトル22(及びそれを含む撮像断
面23)を決定した後、図4(b)に示すように、生検
器具先端を通り、生検器具の進行方向と直交する方向の
ベクトル24を決定する。ベクトル24はベクトル22
との直交関係から求めることができる。この方向ベクト
ル24から、断面23と直交する撮像断面25を決定す
る。
【0039】ここで、断面25を決めるための生検器具
先端の座標としては、時刻t5における座標(x5、y
5、z5)を用いることもできるが、ベクトル22から決
定される撮像断面23の撮像時刻と、ベクトル24から
決定される撮像断面25の撮像時刻とのずれを考慮し、
この時間差の間に生検器具先端が進むと予測される点の
座標を用いることが好ましい。断面23と断面25の撮
影時刻のずれは撮影条件によりあらかじめ分かっている
ので、断面25を撮影する位置は、既に算出した生検器
具先端部の位置と速度から、断面25を計測する時刻に
先端部が通過する位置を予測して決定する。このように
予測した位置と24の方向ベクトルの情報を用いて断面
25を撮影することにより、断面23内に見い出される
生検器具12の先端位置を通り、断面23と同一時刻に撮
影した画像と等価の画像を得ることができる。
【0040】このようにして撮像された角度の異なる断
面25の画像は、図6に示すように、表示器7に同時に
表示することにより生検器具の位置関係がより立体的に
把握できるようになる。
【0041】この第二の実施例でも、第一の実施例と同
様に、図5(b)に示すように、生検器具先端部の位置
と進行方向を算出し、撮影断面の位置と方向(ベクト
ル)を決定する過程51と、決定された断面23を撮影
し、画像再構成し、表示する過程52と、断面23と直交
する断面25を撮影し、画像再構成し、表示する過程53
を交互に繰り返す。これにより、関心領域における生検
器具先端部の位置をより多角的視野から把握できるた
め、生検器具先端部を目標とする位置に効率的に誘導す
ることが可能となる。
【0042】尚、上述した第二の実施例では、生検器具
の進行方向のベクトルから決まる断面と直交する断面に
ついて撮像する場合を説明したが、第2の撮像断面とし
ては直交する断面のみならず、任意の角度を持った断面
としてもよい。例えば、生検器具の進行方向のベクトル
から互いに所定の角度を持つ断面を決定し、この2つの
断面について撮像し、表示するようにしてもよい。この
場合、2つの断面の角度をステレオ視可能な角度(例え
ば5〜7度程度)に設定することにより、ステレオ画像
を形成することが可能である。
【0043】また、生検器具先端部の通過座標を求める
方法としては、上述した方法の他、生検器具そのものと
被検体の生体組織との間の境界部分に生じる磁化率の差
異によって引き起こされる位相変化を利用する方法(Ra
diology(May, 1990)の561から565ページに掲載
の論文「Evaluation of the Susceptibility Effecton
the Phase Images of a Simple Gradient Echo」)を採
用することもできる。この場合、図3のシーケンスを実
施して発生したエコーの位相投影図において、位相段差
のある位置が生検器具先端部の位置を示すことになる。
【0044】
【発明の効果】本発明によるMRI装置による画像形成方
法によれば、傾斜磁場印加中の生検器具先端部の移動に
よって引き起こされる位相変化の位置及び位相の大きさ
から、移動する生検器具の先端部の少なくとも2点の通
過座標と速度を求めて、この二点を結ぶ進行方向ベクト
ルを求め、このベクトルから決定される少なくとも1の
断面を撮像することにより、生検器具先端部の位置を見
失うことなく、生検器具の長手方向を表示することがで
きる。特に撮像断面として複数の断面を決定し、撮像、
表示することにより、生検器具と目的の患部との2次元
的、3次元的な位置関係が十分に把握できるようにな
り、目的の患部へ効率的に生検器具を誘導できるように
なる。
【0045】更に生検器具の先端部を含む断面の決定過
程と撮像過程とを交互に繰り返すことにより、実時間で
先端部を追跡することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されるMRI装置の構成を表わすブ
ロック図。
【図2】本発明の実施例を説明するための関心領域と生
検器具の模式図。
【図3】本発明の実施例に用いられるパルスシーケンス
を示すタイミング図。
【図4】(a)及び(b)はそれぞれ本発明の実施例に
おいて決定される撮影断面と生検器具の模式図。
【図5】(a)及び(b)はそれぞれ本発明の実施例に
よる工程の流れを表わす模式図。
【図6】本発明の画像形成方法により表示される画像の
一例を示す模式図。
【符号の説明】
1・・・・・・静磁場コイル(静磁場発生手段) 2・・・・・・傾斜磁場コイル(傾斜磁場発生手段) 4・・・・・・プローブ 5・・・・・・高周波送受信部 6・・・・・・計算機 7・・・・・・表示器 9・・・・・・被検体 11・・・・・関心領域 12・・・・・生検器具

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被検体に静磁場を与える静磁場発生手段
    と、前記被検体に、直交する三軸方向の傾斜磁場をそれ
    ぞれ与える傾斜磁場発生手段と、前記被検体の診断部位
    に対して高周波信号を照射すると共に前記被検体の生体
    組織の核磁気共鳴により放出される高周波信号を受信す
    るプローブと、前記プローブを駆動して前記高周波信号
    の照射および受信を行う高周波送受信部と、高周波送受
    信部の制御を所定のパルスシーケンスに従って行うと共
    に前記プローブで受信した高周波信号を用いて画像再構
    成演算を行う計算機と、前記計算機で生成された画像信
    号を入力して断層像として表示する表示器とを備えた磁
    気共鳴イメージング装置において、前記被検体の外部か
    ら診断部位へ挿入した生検器具を含む関心領域につい
    て、画像を形成する方法であって、 1)前記パルスシーケンスとして、高周波信号の照射に
    よる前記関心領域の選択励起と、それに続く一の傾斜磁
    場の印加と、それにより発生するエコー信号の計測とを
    直交する三軸について順次実行し、 2)発生した三つのエコーをフーリエ変換によって投影
    信号に変換し、これら投影信号の演算により、前記三つ
    のエコーがそれぞれ発生した時間における前記生検器具
    先端部の三点の通過座標のうち少なくとも二点の位置及
    び速度を算出し、前記生検器具の進行方向ベクトルを求
    め、 3)前記生検器具先端部を通り、前記進行方向ベクトル
    と平行な方向の断面を決定し、該断面について磁気共鳴
    イメージング画像を撮影、表示することを特徴とする磁
    気共鳴イメージング装置による画像形成方法。
  2. 【請求項2】前記進行方向ベクトルから、前記生検器具
    先端部を通り、前記進行方向ベクトルと平行な方向の断
    面に対して任意の角度を有する方向の断面を決定し、複
    数の断面について磁気共鳴イメージング画像を撮影、表
    示することを特徴とする請求項1に記載の磁気共鳴イメ
    ージング装置による画像形成方法。
  3. 【請求項3】(a)前記被検体の外部から診断部位へ挿入
    した前記生検器具を含む関心領域について、高周波信号
    の照射と傾斜磁場の印加を同時に行って前記関心領域を
    選択励起し、X軸方向に磁場強度が変化する傾斜磁場を
    印加して、エコーを発生させ、受信したエコーをフーリ
    エ変換によって投影信号に変換し、この投影信号の位相
    分布から、前記生検器具の先端部の時間tlにおけるX軸
    方向位置及びX軸方向速度成分を求める過程と、 (b)前記関心領域について、高周波信号の照射と傾斜磁
    場の印加を同時に行って前記関心領域を選択励起し、Y
    軸方向に磁場強度が変化する傾斜磁場を印加して、エコ
    ーを発生させ、受信したエコーをフーリエ変換によって
    投影信号に変換し、この投影信号の位相分布から、前記
    生検器具の先端部の時間t2におけるY軸方向位置及びY
    軸方向速度成分を求める過程と、 (c)前記関心領域について、高周波信号の照射と傾斜磁
    場の印加を同時に行って前記関心領域を選択励起し、Z
    軸方向に磁場強度が変化する傾斜磁場を印加して、エコ
    ーを発生させ、受信したエコーをフーリエ変換によって
    投影信号に変換し、この投影信号の位相分布から、前記
    生検器具の先端部の時間t3におけるZ軸方向位置及びZ
    軸方向速度成分を求める過程、 の(a)乃至(c)の三つの過程を任意の順序で行い、続い
    て、 得られた各軸方向の位置及び速度成分から、時間tl、t
    2、t3における三つの通過座標のうち少なくとも二点の
    位置座標及び前記生検器具先端部の平均速度を算出し
    て、前記生検器具の進行方向ベクトルを求め、前記生検
    器具先端部を通り前記進行方向ベクトルに平行な断面を
    決定し、該断面について磁気共鳴イメージング画像を撮
    影、表示することを特徴とする請求項1に記載の磁気共
    鳴イメージング装置による画像形成方法。
  4. 【請求項4】前記生検器具先端部の少なくとも二点の通
    過座標と、このときの生検器具先端部の平均速度を算出
    して、進行方向ベクトルを算出する過程と、前記生検器
    具先端部を通り、前記進行方向ベクトルと平行な方向の
    断面を決定し、該断面の磁気共鳴イメージング画像を撮
    影する過程を交互に繰り返すこと特徴とする請求項1又
    は2に記載の磁気共鳴イメージング装置による画像形成
    方法。
JP9189594A 1997-07-15 1997-07-15 磁気共鳴イメージング装置による画像形成方法 Pending JPH1133011A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9189594A JPH1133011A (ja) 1997-07-15 1997-07-15 磁気共鳴イメージング装置による画像形成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9189594A JPH1133011A (ja) 1997-07-15 1997-07-15 磁気共鳴イメージング装置による画像形成方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1133011A true JPH1133011A (ja) 1999-02-09

Family

ID=16243937

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9189594A Pending JPH1133011A (ja) 1997-07-15 1997-07-15 磁気共鳴イメージング装置による画像形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1133011A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007325787A (ja) * 2006-06-08 2007-12-20 Hitachi Medical Corp マルチスライスx線ct装置
JP2010179024A (ja) * 2009-02-09 2010-08-19 Hitachi Medical Corp 磁気共鳴イメージング装置
JP2011131096A (ja) * 2000-06-05 2011-07-07 Toshiba Corp インターベンショナルmri用の磁気共鳴イメージング装置
WO2012147652A1 (ja) * 2011-04-27 2012-11-01 株式会社デージーエス・コンピュータ 穿刺治療支援方法および穿刺治療支援装置ならびに穿刺治療支援装置用プログラム

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011131096A (ja) * 2000-06-05 2011-07-07 Toshiba Corp インターベンショナルmri用の磁気共鳴イメージング装置
JP2007325787A (ja) * 2006-06-08 2007-12-20 Hitachi Medical Corp マルチスライスx線ct装置
JP2010179024A (ja) * 2009-02-09 2010-08-19 Hitachi Medical Corp 磁気共鳴イメージング装置
WO2012147652A1 (ja) * 2011-04-27 2012-11-01 株式会社デージーエス・コンピュータ 穿刺治療支援方法および穿刺治療支援装置ならびに穿刺治療支援装置用プログラム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7027854B2 (en) Magnetic resonance imaging utilizing a microcoil
JP2646663B2 (ja) 動体イメージング方法およびその装置
US5938599A (en) MR method and arrangement for carrying out the method
US7405565B2 (en) MRI apparatus and method for performing spatial selective saturation
JPH02140145A (ja) 磁気共鳴イメージング装置
JP2003506119A (ja) 可動rfコイルの位置によって制御される磁気共鳴イメージングのための装置、方法、及びコイル装置
JP4807833B2 (ja) 磁気共鳴イメージング装置及びこれを用いた造影アンジオグラフィー法
CN109901088A (zh) 用于磁共振成像的运动追踪方法、计算机程序、存储设备
JP4011340B2 (ja) 手術支援システム
JPH10201737A (ja) 物体変位を画像支援により監視するmr方法及びこの方法を実行するmr装置
JPH1133011A (ja) 磁気共鳴イメージング装置による画像形成方法
JP2008221020A (ja) 磁気共鳴により対象を画像化する方法及び装置
JP3514547B2 (ja) 磁気共鳴イメージング装置
JP3817383B2 (ja) Mri装置
JP3911602B2 (ja) 磁気共鳴撮像装置
JP3049607B1 (ja) 磁気共鳴撮影装置
JP2002253524A (ja) 磁気共鳴撮像装置
JP2000005142A (ja) 磁気共鳴イメージング方法及び装置
JPH09122096A (ja) Mri装置における被検体挿入器具先端検出方法及びその方法の実施に使用するmri装置
JP4118119B2 (ja) 磁気共鳴イメージング装置
JP4047457B2 (ja) 磁気共鳴イメージング装置
JP2000316830A (ja) 磁気共鳴イメージング方法及びそれを用いた磁気共鳴イメージング装置
JP2004248683A (ja) 磁気共鳴イメージング装置
JP3241743B2 (ja) 磁気共鳴イメージング装置
JPH01136648A (ja) 診断用核磁気共鳴装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 4

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071017

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 5

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081017

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees