JPH11328740A - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

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Publication number
JPH11328740A
JPH11328740A JP10126523A JP12652398A JPH11328740A JP H11328740 A JPH11328740 A JP H11328740A JP 10126523 A JP10126523 A JP 10126523A JP 12652398 A JP12652398 A JP 12652398A JP H11328740 A JPH11328740 A JP H11328740A
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JP
Japan
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recording
recording layer
substrate
light beam
recording medium
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Pending
Application number
JP10126523A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Shiomi
浩之 塩見
Koichiro Suzuki
幸一郎 鈴木
Tomohiko Onda
智彦 恩田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Publication date
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  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ドライブ間での十分な再生互換性を得られる
高い反射率と、記録の前後における高い変調度とを併せ
持ち、且つ安価で製作の容易な光記録媒体を提供するこ
と。 【解決手段】 案内溝Gを有する基板2と、基板2上に
積層され且つInを主成分とする材料からなる第1の記
録層3と、第1の記録層3上に積層され且つ5B族また
は6B族に属する少なくとも1種類の元素を含む材料か
らなる第2の記録層4とを具備し、基板2側から照射さ
れた光ビームによる加熱で、両記録層で情報信号の記録
が可能になされており、更に、案内溝Gの深さd(n
m)が、光ビームの真空中の波長λ(nm)及び基板2
の屈折率の実部nに対して、下記関係式(1) を満たすよ
うになされていることを特徴とする光記録媒体。 0.03λ/n<d<0.11λ/n (1)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光記録媒体に関し、
特に、無機材料からなる記録層を具備し且つ一回のみ記
録が可能な光記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】1回の
み記録が可能な光記録媒体、いわゆる追記型ディスクの
記録層材料には大別して有機色素系と無機系との2種類
がある。これらのうち、有機色素系材料を記録層に用い
た追記型ディスク、通称CD−R又はDVD−Rは、再
生用光ビームに対して未記録時の反射率が高いという利
点を有している。しかし、有機色素系光ディスクは、日
常光でも長時間露光されると有機色素が光分解を起こ
し、記録データが劣化し易い。また、有機色素の光学的
性質(屈折率や吸収係数)は光の波長によって大きく変
化するため、波長に対する互換性がなく、異なる波長の
光源を有するドライブでの再生互換性がなかった。更
に、有機色素は一般に硬度が低く、光ディスクの機械的
強度を弱める一因となっていた。一方、無機系材料を記
録層に用いた追記型光ディスクは反射率が比較的低く、
高反射率の光ディスク用に設計されたドライブでは再生
が困難な場合があり、やはりドライブに対する十分な再
生互換性がなかった。
【0003】従って、本発明の目的は、異なる波長の光
源を有する光ディスク用ドライブで十分な再生互換性が
得られる高い反射率と、記録の前後における高い変調度
とを併せ持ち、且つ安価で製作の容易な光記録媒体を提
供することにある。先に本発明者らは、記録用光ビーム
および再生用光ビームに対して略透明な基板と、該基板
上に積層され、Inを主成分とする金属からなる第1の
記録膜と、該第1の記録膜上に積層され、元素周期表5
B族または6B族に属する少なくとも1種類の元素を含
む材料からなる第2の記録膜とを含む光記録媒体を発明
し、特許出願しており(特願平9−132369号、特
願平9−207895号、特願平9−332052
号)、本発明はこれらの発明を更に改良・発展させたも
のである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、案内溝を有し
且つ記録用光ビーム及び再生用光ビームに対して略透明
な基板と、該基板上に積層され且つInを主成分とする
材料からなる第1の記録層と、該第1の記録層上に積層
され且つ元素周期表5B族または6B族に属する少なく
とも1種類の元素を含む材料からなる第2の記録層とを
具備し、上記基板側から照射された光ビームによる加熱
で、上記第1の記録層と上記第2の記録層とで情報信号
の記録が可能になされており、更に、上記案内溝の深さ
d(nm)が、照射される光ビームの真空中の波長λ
(nm)及び上記基板の屈折率の実部nに対して、下記
関係式(1) を満たすようになされていることを特徴とす
る光記録媒体を提供するものである。 0.03λ/n<d<0.11λ/n (1)
【0005】また、本発明は、上記光記録媒体におい
て、上記案内溝の幅w(nm)が、隣接する二つの該案
内溝間の間隔P(nm)に対して、下記関係式(2) を満
たすようになされていることを特徴とする光記録媒体を
提供することにより、上記目的を達成したものである。 0.1P<w<0.5P (2)
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の光記録媒体の好ま
しい実施形態を、図面を参照して説明する。図1に示す
光記録媒体1は、基板2の上面に、第1の記録層3、第
2の記録層4及び保護層5が順次積層されて構成されて
いる。基板2は、記録用光ビーム及び再生用光ビームが
基板2を通過しても、記録及び再生可能である略透明な
材料、例えば、樹脂やガラス等から構成されていること
が好ましい。特に、取り扱いが容易で安価であることか
ら樹脂が好ましい。樹脂として具体的には例えば、ポリ
カーボネート樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、AB
S樹脂等を用いることができる。基板の形状および寸法
は特に限定されないが、通常、ディスク状であり、その
厚さは0.5〜0.3mm程度、直径は40〜360m
m程度である。上記材料を用いた場合、基板2の屈折率
の実部nの値は、通常1.3〜2.5である。
【0007】基板2の表面には、トラッキング用やアド
レス用のために特定の形状の案内溝Gが形成されてい
る。図2に示すように、案内溝Gの深さd(nm)は、
照射される光ビームの真空中の波長λ(nm)及び基板
2の屈折率の実部nに対して上記関係式(1) が満たされ
るようになされている。斯かる案内溝Gは、特定の材料
から構成される第1及び第2の記録層に対して最適な溝
形状を与えるものである。詳細には、案内溝Gの深さd
が上記上限値以上であると、案内溝Gと溝間部(以下、
ランドという)とからの反射光が逆位相になり、干渉が
生じて十分に大きな反射率が得られなくなる。更に、ト
ラッキング用のプッシュプル信号の符号が反転してしま
うこともある。一方、案内溝Gの深さdが上記下限値以
下であると、案内溝Gとランドとからの反射光の位相差
が小さくなり十分な干渉効果が生じないため、トラッキ
ングサーボ用のラジアルコントラスト信号が得られなく
なる。例えば、光源にλ=780(nm)の半導体レー
ザーを用い、基板2にn=1.55のポリカーボネート
樹脂を用いた場合、案内溝Gの深さdは15nm<d<
55nmであることが好ましく、25nm<d<40n
mであることが一層好ましい。また、光源にλ=650
(nm)の半導体レーザーを用い、基板2にn=1.5
5のポリカーボネート樹脂を用いた場合、案内溝Gの深
さdは13nm<d<46nmであることが好ましく、
21nm<d<34nmであることが一層好ましい。案
内溝Gの深さdは、光ビームの真空中の波長λ及び基板
2の屈折率の実部nに対して下記関係式(1)'を満たすこ
とが一層好ましい。
【0008】0.05λ/n<d<0.08λ/n
(1)'
【0009】記録用光ビーム及び再生用光ビームに使用
される光源の波長が複数ある場合には、案内溝Gの深さ
dを、使用される光ビームのうち少なくともより長い波
長の光ビームに対して上記関係式(1) が満たされるよう
になすことが好ましい。特に、案内溝Gの深さdを、使
用されるすべての光ビームの波長に対して上記関係式
(1) が満たされるようになすことが好ましい。
【0010】使用される光ビームの波長は、特に制限さ
れないが、例えば、約780nmの波長の半導体レーザ
ーや、630〜660nmの波長の赤色の半導体レーザ
ー、あるいは緑色(500〜540nm)、青色(40
0〜430nm)などの波長の光ビームを用いることが
できる。
【0011】図2に示すように、案内溝Gの幅w(n
m)は、隣接する二つの案内溝G,G間の間隔(即ちト
ラックピッチ)P(nm)に対して、下記関係式(2) 、
特に下記関係式(2)'が満たされるようになされているこ
とが好ましい。案内溝Gの幅wが、下記関係式(2) にお
ける下限値以下であると、トラッキングサーボ用のプッ
シュプル信号の振幅が小さくなり、トラッキングエラー
が生じることがある。一方、溝幅wの上限は、案内溝G
での反射率がランドでの反射率よりも小さくなること、
即ちラジアルコントラストが少なくとも正でなければな
らないことを要求する現行のCD−R規格(通称「オレ
ンジブックパートII」)に基づいて定められている。つ
まり、案内溝Gの幅wが下記関係式(2) における上限値
以上であると、トラッキングサーボ用のラジアルコント
ラスト信号の符号が負になり、現行CD−Rドライブで
はエラーが生じる。しかしながら、原理的にはラジアル
コントラスト信号の符号を負と定めて利用することも可
能であり、この場合の好ましい案内溝Gの幅wは0.5
P<w<0.9Pとなる。
【0012】0.1P<w<0.5P (2) 0.2P<w<0.4P (2)'
【0013】例えば、現行のコンパクトディスクのよう
にトラックピッチを1600nmとした場合には、案内
溝Gの幅wを160nm<w<800nm、特に320
nm<w<640nmとなすことが好ましい。本明細書
において、案内溝Gの幅wは図2に示すように、案内溝
Gの半分の深さ位置での幅として定義される。
【0014】図2に示すように、案内溝Gは、その側面
が傾斜しており第1の記録層3の側に向かって拡開した
構造となっている。その傾斜角θは、一層良好な信号特
性を得るために20度<θ<80度、特に30度<θ<
70度となされていることが好ましい。傾斜角θが20
度以下であると、案内溝Gとランドからの反射光量に差
が出難くなり、ラジアルコントラスト信号が得られなく
なる場合がある。一方、傾斜角θが80度を超える傾斜
面を有する案内溝を有する基板を作製しようとすると、
スタンパー製作や成形による転写が困難になるため、安
定な信号特性が得られない場合がある。
【0015】尚、案内溝Gは、光記録媒体1の回転速度
制御やアドレス情報のため、必要に応じて周期的に蛇行
させてもよい(この蛇行をウォブルいう)。
【0016】第1の記録層3はInを主成分とする材料
から形成されている。即ち、第1の記録層3は、Inか
ら構成されているか、In及び他の材料からなり且つI
nを主成分として構成されている。第1の記録層3がI
n及び他の材料から構成されている場合、該他の材料と
してはAu、Ag、Al、Be、Cu、Fe、Ge、P
b、Si、Sn、Ta、V、Zn等の金属が用いられ、
これらの金属はInと合金(In合金)を形成してい
る。これらの金属のうち、ジッター向上の観点から特に
Geが好ましい。更に、記録感度の一層の向上を目的と
して、In又はIn合金に各種化合物、例えばCrS、
Cr2 S、Cr2 3 、MoS2 、MnS、FeS、F
eS2 、CoS、Co2 3 、NiS、Ni2 S、Pd
S、Cu2S、Ag2 S、ZnS、In2 3 、In2
2 、GeS、GeS2 、SnS、SnS2 、PbS、
As2 3 、Sb2 3 、Bi2 3 などの金属硫化
物;MgF2 、CaF2 、RhF3 などの金属フッ化
物;MoO、InO、In2 O、In2 3 、GeO、
PbO、SiO、SiO2 などの金属酸化物を単体ある
いは2種以上混合して添加することもできる。特に好ま
しい化合物は、GeS、MnS、ZnS、SiO2 であ
る。
【0017】第1の記録層3が、1種以上の金属元素M
を含む合金から形成されている場合、全金属元素Mの比
率A〔A=ΣM/(In+ΣM)〕を0<A≦30原子
%の範囲となすことが好ましい。In以外の金属元素M
を30原子%を超えて含有させると、反射率の低下や融
点の上昇が起こる場合がある。また、第1の記録層3が
In又はIn合金に加えて化合物Cを含む場合、該化合
物Cの添加量の比率B〔B=ΣC/(In+ΣM+Σ
C)〕は、0<B≦20モル%の範囲となすことが好ま
しい。化合物Cは微量の添加でも効果があるが、20モ
ル%を超えて添加させると反射率が低下する場合があ
る。
【0018】第2の記録層4は、周期表の5B族または
6B族に属する少なくとも1種類の元素を含む材料から
構成されている。第2の記録層4は、該元素の単体から
形成されていてもよく、或いは該元素を1種以上含み且
つ他の元素を含む合金(アロイ)から構成されていても
よい。第2の記録層4が上記元素の単体から形成されて
いる場合、該元素としては、スパッタリング等により容
易に薄膜化でき且つ比較的安価なAs、Se、Sb、T
e、Biが好ましく用いられるが、Poも用い得、ジッ
ター向上の観点から特にTeが好ましい。第2の記録層
4が上記合金から構成されている場合、該合金としては
InSbTe、AgInSbTe、AuInSbTe、
GeSbTe、PbGeSbTe、TeOPbなどが例
示される。また、周期表の5B族または6B族に属する
元素のうち、単体での薄膜形成が困難なN、O、P、S
についても、それぞれ、窒化物、酸化物、リン化物、硫
化物の形態で第2の記録層4中に含ませることができ
る。
【0019】上述の第1の記録層3及び第2の記録層4
を具備する光記録媒体1においては、基板2側から所定
パワーの記録用光ビームが照射された部位では、第1の
記録層3と第2の記録層4との構成材料が混合して固溶
体、共融混合物または化合物等が形成されることによ
り、情報信号の記録が可能になされている。
【0020】記録用光ビームの照射時に第1の記録層3
と第2の記録層4とが混合する方式には2通りの場合が
考えられる。第1の場合は、第1の記録層3及び第2の
記録層4の構成材料が何れも光ビームの照射による加熱
によって融解し、融解した液体同士が混合する場合であ
る。第2の場合は、第2の記録層4は光ビームの照射に
よる加熱によって融解しないが、融解した第1の記録層
の融液に第2の記録層が溶解することによって、拡散・
混合する場合である。尚、第1及び第2の場合の何れに
おいても、このような加熱・混合の結果、基板2と第1
の記録層3との界面および/又は第2の記録層4と保護
層5との界面が熱によって変形することがある。
【0021】上記第1及び第2の場合の何れにおいて
も、第1の記録層3を構成する材料はInを主成分とし
ているので、融点が低く半導体レーザーなどによる光ビ
ームの照射によって容易に融解し、光ビームの照射によ
る記録を行うことができる。しかも、記録・再生用光ビ
ームが入射してくる基板側に、Inを主成分とする材料
から構成される反射率の高い第1の記録層3が配置され
ているので、未記録状態において高い反射率を実現する
ことができる。
【0022】第2の記録層4を構成する周期表5B族ま
たは6B族に属する元素を含む材料は、第1の記録層3
を構成する材料と混合および/又は反応することにより
金属間化合物または半導体等を形成し、第1の記録層3
に含まれるInの金属性を低下させる作用がある。その
結果、記録用光ビームが照射されて第1の記録層3中の
Inと第2の記録層4を構成する材料とが混合した部分
においては、金属Inと大きく屈折率の異なる記録マー
ク部が形成される。これにより、記録マーク部の反射率
は大きく低下し、変調度の大きな"High to Low" の記録
が行われる。尚、記録マーク部の反射率の低下には、加
熱に伴う基板2と第1の記録層3との界面の変形および
/又は第2の記録層4と保護層5との界面の変形が寄与
することもある。
【0023】未記録状態における高い反射率と、記録後
の高い変調度とを確実に得るためには、第1の記録層3
の膜厚は5〜50nm、特に10〜30nmの範囲が好
ましい。第1の記録層の膜厚が厚いほど記録前の反射率
は高くなるが、膜厚50nmを超えると反射率がほぼ飽
和し、逆に膜厚の増加に伴い記録用光ビームによる加熱
が不十分になり記録感度が低下するおそれがある。ま
た、第1の記録層3の膜厚が5nm未満になると記録前
の反射率および記録前後の反射率変化が共に小さくなる
場合がある。一方、第2の記録層4の膜厚は、第2の記
録層4に含まれる周期表5B族または6B族に属する元
素の量にも依存するが、5〜200nm、特に5〜50
nmの範囲が好ましい。第2の記録層4の膜厚が5nm
未満であると、記録後も反射率があまり低下せず、十分
な変調度が得られない場合がある。また、膜厚が200
nmを超えると、記録用光ビームによる加熱が不十分に
なり、記録感度が低下するおそれがある。
【0024】保護層5は、光記録媒体1の耐擦傷性や耐
腐食性の向上のために設けられる。保護層5は種々の有
機系の物質から構成されることが好ましく、特に放射線
硬化型化合物やその組成物を電子線または紫外線等の放
射線等により硬化させた物質から構成されることが好ま
しい。保護層5の厚さは、通常0.1〜100μm程度
である。保護層5はスピンコート、グラビア塗布、スプ
レーコートなど通常の方法により形成される。
【0025】図1に示す光記録媒体1では、記録及び再
生は基板2側から第1の記録層3及び第2の記録層4に
光ビームを照射することによって行われる。具体的な記
録方法としては、様々な方法が選択できるが、1つの好
ましい方法として、円板状の光記録媒体を回転させ、基
板2を通して記録用光ビームを案内溝G上の記録層に集
光する方法が挙げられる。図1に示す構成では案内溝G
上に信号を記録するグルーブ記録が好ましいが、ランド
上に信号を記録するランド記録を行うこともできる。上
記光記録媒体1では、上記光ビームに対する記録層の相
対速度は、使用する光ビームの波長に応じて、実験的に
決定することができる。
【0026】記録用光ビームは、記録すべき信号に応じ
てパワーの強弱またはオン・オフが制御される。また、
マーク長記録を行う際には、マルチパルスを用い記録マ
ークの幅の均一化を図ることも可能である。記録用光ビ
ームの記録パワーPw及びボトムパワーPbの具体的な
値は、使用する光ビームの波長に応じて実験的に決定す
ることができる。一方、再生用光ビームは、記録が行わ
れない程度の低パワーの光ビームであり具体的なパワー
は使用する光ビームの波長に応じて決定することができ
る。
【0027】次に、本発明の第2及び第3の実施形態に
ついて図3及び図4を参照してそれぞれ説明する。ここ
で、図3及び図4はそれぞれ本発明の第2及び第3の実
施形態の光記録媒体の構造を示す断面図であり、第1の
実施形態における図1に相当する図である。尚、第2及
び第3の実施形態については第1の実施形態と異なる点
についてのみ説明し、特に説明しない点については第1
の実施形態に関して詳述した説明が適宜適用される。ま
た、図3及び図4において図1及び図2と同じ部材には
同じ符号を付してある。
【0028】図3に示す光記録媒体1においては、基板
2上に、第1の記録層3、第2の記録層4及び保護層5
が順次積層され、更に保護層5上に接着層6を介して上
部基板7が積層されている。接着層6は、種々の有機系
の物質から構成されていることが望ましく、特に熱可塑
性物質、粘着性物質、放射線硬化型化合物やその組成物
を電子線や放射線により硬化させた物質から構成されて
いることが望ましい。上部基板7は、上述した基板2と
同様の樹脂あるいはガラスで構成することができる。本
実施形態の構成によれば、光記録媒体1の上面が上部基
板7で強固に保護されると共に、光記録媒体1全体の機
械的強度および耐久性が向上する。
【0029】図4に示す光記録媒体1は両面記録方式の
光記録媒体であり、基板2、第1の記録層3、第2の記
録層4及び保護層5が順次積層されて構成される片側記
録部を2組有し、各組の保護層5側(第2の記録層4
側)を対向させて接着層6を介して一体に形成されてい
る。本実施形態の構成によれば、高い機械的強度が得ら
れると共に、第1及び第2の実施形態の光記録媒体に比
して、1枚の光記録媒体に2倍の容量の情報が記録でき
る。
【0030】以上、本発明の光記録媒体をその好ましい
実施形態に基づき説明したが、本発明は上記実施形態に
制限されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種
々の変更が可能である。例えば、基板2と第1の記録層
3との間に、反射率の調節、熱伝導の調節、記録層の腐
食防止などの目的で透明な別の層を設けてもよい。ま
た、第1の記録層3と第2の記録層4との間に、両層の
構成材料の混合および固溶体、共融混合物または化合物
等の形成速度を調節する目的で薄い中間層を設けてもよ
い。更に、図3及び図4に示す実施形態においては、保
護層5を省いた構成となしてもよい。
【0031】
【実施例】以下に、実施例および比較例を示し、本発明
を更に詳細に説明する。しかし、本発明の範囲は斯かる
実施例に制限されるものではない。
【0032】〔実施例1〕深さd=35nm、幅w=6
35nm、トラックピッチP=1600nmの螺旋状の
案内溝を表面に有し、CD−Rに必要なアドレス情報等
が該案内溝の蛇行(ウォブル)として予め記録されてい
る透明なポリカーボネート基板(直径12cm、板厚
1.2mm)上に、Inからなる厚さ18nmの第1の
記録層、及びTeからなる厚さ20nmの第2の記録層
を、スパッタ法により順次形成した。第2の記録層上に
紫外線硬化型樹脂約10μmをスピンコート法により塗
布し、紫外線を照射して硬化させて保護層を形成し、図
1に示す構成を有する光ディスクを得た。尚、ポリカー
ボネート基板の屈折率の実部はn=1.55であった。
次に、光ディスク評価装置DDU−1000(パルステ
ック工業製、レーザー波長781nm、対物レンズのN
A=0.5)を用いて、記録前のグループ反射率(R
g)、ラジアルコントラスト信号(Rcb)、記録後の
プッシュプル信号(PP)、11T信号の変調度(I1
1/Itop)を測定した。なお記録には、光スポット
と媒体の相対速度を1.2m/sとして、基準クロック
4.32MHzのEFM信号を記録した。記録パワーは
4mWから13.5mWの範囲で適当な値を選択し、再
生パワーは0.6mWとした。このようにして得られた
測定結果を表1に示す。表中、○印は、CD−R規格を
満足し、×印は、CD−R規格を満足しないことを表わ
す。
【0033】〔実施例2〜10及び比較例1〜6〕ポリ
カーボネート基板上に形成される案内溝の深さd及び幅
w並びに第1及び第2の記録層の構成材料を表1に示す
通りとする以外は実施例1と同様にして光りディスクを
得た。得られた光ディスクについて実施例1と同様の評
価をした。その結果を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】表1に示す結果から明らかなように、第1
及び第2の記録層が特定の材料から構成され且つ特定の
形状の案内溝を有する実施例の光ディスク(本発明品)
は、比較例の光ディスクに比して、記録前のグルーブ反
射率、記録後のプッシュプル信号およびラジアルコント
ラスト信号の何れもがCD−R規格を満たし、高い反射
率と高い変調度とを併せ持つことが判る。
【0036】〔実施例11〕深さd=30nm、幅w=
250nm、トラックピッチP=800nmの螺旋状の
案内溝を表面に有し、DVD−Rに必要なアドレス情報
等が該案内溝の蛇行(ウォブル)として予め記録されて
いる透明なポリカーボネート基板(直径12cm、板厚
0.6mm)上に、Inからなる厚さ14nmの第1の
記録層、及びTeからなる厚さ16nmの第2の記録層
を、スパッタ法により順次形成した。第2の記録層上に
紫外線硬化型樹脂約10μmをスピンコート法により塗
布し、更に紫外線を照射し硬化させて保護層を形成し
た。その上に案内溝のない透明なポリカーボネート基板
(直径12cm、板厚0.6mm)を接着層を介して接
合し、図3に示す構成を有する光ディスクを得た。尚、
ポリカーボネート基板の屈折率の実部はn=1.55で
あった。次に、実施例1と同様の光ディスク評価装置
(レーザー波長635nm、対物レンズのNA=0.
6)を用いて、記録前のグループ反射率(Rg)、ラジ
アルコントラスト信号(Rcb)、記録前のプッシュプ
ル信号(PP)、14T信号の変調度(I14/Ito
p)を測定した。なお記録には、光スポットと媒体の相
対速度を3.84m/sとして、基準クロック26.1
6MHzのEFM信号を記録した。記録パワーは6mW
から12mWの範囲で適当な値を選択し、再生パワーは
0.6mWとした。このようにして得られた測定結果を
表2に示す。表2中、○印および×印は、表1と同じ意
味である。
【0037】〔実施例12及び13並びに比較例7及び
8〕ポリカーボネート基板上に形成される案内溝の深さ
d及び幅wを表2に示す通りとする以外は実施例11と
同様にして光りディスクを得た。得られた光ディスクに
ついて実施例11と同様の評価をした。その結果を表2
に示す。
【0038】
【表2】
【0039】表2に示す結果から明らかなように、実施
例11〜13の光ディスク(本発明品)は、記録前のグ
ルーブ反射率、記録後のプッシュプル信号およびラジア
ルコントラスト信号の何れもがDVD−R規格を満た
し、高い反射率と高い変調度とを併せ持つことが判る。
【0040】
【発明の効果】以上、詳述した通り、本発明によれば、
異なる波長の光源を有する光ディスク用ドライブで十分
な再生互換性が得られる高い反射率と、記録の前後にお
ける高い変調度とを併せ持ち、且つ安価で製作の容易な
光記録媒体が得られる。特に本発明によれば、光源に赤
外領域の波長を有する光ビームを用いるドライブのみな
らず、赤色、緑色および青色などのより短波長の光ビー
ムを用いるドライブにおいても、高い反射率および変調
度を示す光記録媒体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光記録媒体の一実施形態の構造を示す
断面図である。
【図2】基板に形成された案内溝を示す断面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態の光記録媒体の構造を
示す断面図である。
【図4】本発明の第3の実施形態の光記録媒体の構造を
示す断面図である。
【符号の説明】
1 光記録媒体 2 基板 3 第1の記録層 4 第2の記録層 5 保護層 6 接着層 7 上部基板

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 案内溝を有し且つ記録用光ビーム及び再
    生用光ビームに対して略透明な基板と、該基板上に積層
    され且つInを主成分とする材料からなる第1の記録層
    と、該第1の記録層上に積層され且つ元素周期表5B族
    または6B族に属する少なくとも1種類の元素を含む材
    料からなる第2の記録層とを具備し、上記基板側から照
    射された光ビームによる加熱で、上記第1の記録層と上
    記第2の記録層とで情報信号の記録が可能になされてお
    り、更に、上記案内溝の深さd(nm)が、照射される
    光ビームの真空中の波長λ(nm)及び上記基板の屈折
    率の実部nに対して、下記関係式(1) を満たすようにな
    されていることを特徴とする光記録媒体。 0.03λ/n<d<0.11λ/n (1)
  2. 【請求項2】 上記案内溝の幅w(nm)が、隣接する
    二つの該案内溝間の間隔P(nm)に対して、下記関係
    式(2) を満たすようになされていることを特徴とする請
    求項1記載の光記録媒体。 0.1P<w<0.5P (2)
  3. 【請求項3】 上記第2の記録層上に積層された保護層
    を更に具備することを特徴とする請求項1又は2記載の
    光記録媒体。
JP10126523A 1998-05-08 1998-05-08 光記録媒体 Pending JPH11328740A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003046901A1 (fr) * 2001-11-29 2003-06-05 Tdk Corporation Procede de regulation de facteur de reflexion de support d'enregistrement optique de type worm et support d'enregistrement optique worm

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WO2003046901A1 (fr) * 2001-11-29 2003-06-05 Tdk Corporation Procede de regulation de facteur de reflexion de support d'enregistrement optique de type worm et support d'enregistrement optique worm

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