JPH11328486A - 金銭処理装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数枚の紙幣を一括して投入することが可能
であって入金時に識別不能な紙幣を返却する小型の金銭
処理装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 貨幣入出金機１の紙幣処理部３では、一
括紙幣挿入口５と、挿入された紙幣を一枚ずつ分離して
繰り出す入庫紙幣分離部１１と、繰り出された紙幣の真
偽および金種を識別する入庫紙幣識別部１２と、入庫搬
送ベルト１３と、入庫紙幣識別部１２で識別された正常
紙幣を金種混在で集積収納する循環式収納庫１４と、入
庫搬送ベルト１３の出口端に設けられて入庫紙幣識別部
１２での識別が不可の場合に動作するリジェクトゲート
２６と、このリジェクトゲート２６で搬送経路が切り替
えられた識別不可の紙幣を紙幣出金口６に搬送するリジ
ェクト搬送部２７とにより構成し、入庫動作を継続しな
がら、偽札または金種判別の不能な紙幣を返却できるよ
うにしている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は金銭処理装置に関
し、特にガソリンスタンドなどにおいて、ＰＯＳ（poin
t of sales）レジスタなどと接続して使用され、紙幣お
よび硬貨をそれぞれ入出金処理する紙幣処理部および硬
貨処理部を一体に構成した小型の金銭処理装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】店舗レジなどに使用される金銭処理装置
において、客との現金受け渡し業務の合理化が進んでお
り、ＰＯＳ端末と接続されたキャッシュレジスタが普及
している。

【０００３】また、最近では、ＰＯＳ端末の入力情報に
応じて、自動的に硬貨・紙幣を入出金処理する金銭処理
装置も開発されている。金銭処理装置は、一般に、硬貨
処理機と紙幣処理機があり、各々ＰＯＳ端末の近くに設
置されている。たとえば、硬貨処理機は、ＰＯＳ端末の
下に設置されるタイプであって、キャッシュドロアと同
等サイズの大きさを有するものが実用化されている。一
方、紙幣処理機は、縦長の構造を有するフロア設置型の
ものが実用化されている。このような紙幣処理機は、紙
幣の入出金口がオペレータの腰の辺りの高さになってい
るのが一般的であり、操作性がよいとはいえない。ま
た、紙幣処理機は各金種ごとに収納庫を備えているため
必然的に大型となっている。さらに、装置の大型化によ
り、紙幣の搬送距離が増えるので、入出金時間も増加す
る。しかも、装置全体として大型かつ高価である。した
がって、紙幣処理機の構造からこれをＰＯＳ端末および
硬貨処理機とともに机上に設置して使用することは不可
能である。

【０００４】このような金銭処理装置に対して、本出願
人により、硬貨処理部および紙幣処理部を一体化して机
上設置を可能とした小型の金銭処理装置を提案している
（特開平１０−４０４３７号公報）。この装置によれ
ば、入金硬貨を回転する円筒収納 庫に整列収納する硬
貨処理部と、入金紙幣を単一の収納庫に混在収納し、指
定金種のみ出金する紙幣処理部とを正面から見て左右に
並列配置して一体構造とすることにより、従来のキャッ
シュドロア並みのサイズで、小型・薄型化（特に、装置
幅の低減）を実現し、机上設置を可能にしている。

【０００５】ところで、このような金銭処理装置は、ス
ーパーマーケットなどのレジにおいては、お客から受け
取ったお金に対して釣銭を出し、最後に、受け取ったお
金を装置に入れるという、釣銭機としての用途である
が、たとえばガソリンスタンドでは、お客から受け取っ
たお金を係員が機械に入れることにより機械が鑑別して
入金額を機械が判断し、ガソリンの売り上げデータに応
じてお釣りを出すという入出金機としての用途である。

【０００６】このような入出金機としての金銭処理装置
は、入金した紙幣が汚れていたり、折れていたり、破れ
ていたりなどで、入金紙幣を正しく識別することができ
ない場合があるので、このような識別不能な紙幣は返却
するようにしている。

【０００７】識別不能な紙幣を返却する方法としては、
１枚ずつ入金するタイプでは入金搬送路を逆転させるこ
とにより入金口へ戻すようにしたり、複数枚の紙幣を一
括投入するタイプではリジェクト口へ返却するようにし
ている。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、入金口
へ返却する場合は、その際に入金動作が中断され、後続
する紙幣の入金が滞ったり、リジェクト口へ返却する場
合は、専用のリジェクト口を用意するため、その分のス
ペースを必要とし、金銭処理装置の小型化が難しいとい
う問題があった。

【０００９】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
のであり、複数枚の紙幣を一括して投入することが可能
であって小型化が可能な金銭処理装置を提供することを
目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明では上記問題を解
決するために、貨幣の入出金処理を行う金銭処理装置に
おいて、複数枚の紙幣を一括で投入可能な一括紙幣挿入
口と、前記一括紙幣挿入口に投入された紙幣を一枚ずつ
分離して繰り出す入庫紙幣分離部と、前記入庫紙幣分離
部より繰り出された紙幣を搬送する入庫搬送ベルトと、
前記入庫搬送ベルトによる紙幣搬送の途中で紙幣の真偽
および金種を識別する入庫紙幣識別部と、前記入庫紙幣
識別部で真札でかつ金種識別ができた紙幣を順次積み重
ねて収納する循環式収納庫と、前記入庫紙幣識別部で識
別不可の紙幣を返却する紙幣出金口と、前記入庫紙幣識
別部による識別結果に応じて前記入庫搬送ベルトにより
搬送された紙幣の搬送方向を前記循環式収納庫または前
記紙幣出金口のいずれかに切り替える第１の切り替えゲ
ートと、前記第１の切り替えゲートから前記紙幣出金口
へ紙幣を搬送するリジェクト搬送部と、を有する紙幣の
入金処理部を備えていることを特徴とする金銭処理装置
が提供される。

【００１１】このような金銭処理装置によれば、一括紙
幣挿入口に一括投入された紙幣は入庫紙幣分離部により
一枚ずつ分離して入庫搬送ベルトに繰り出される。繰り
出された紙幣は入庫紙幣識別部により真偽および金種の
判定が行われ、真札で金種が判別された紙幣は、入庫搬
送ベルトで搬送されて循環式収納庫に金種混在で集積収
納される。一方、入庫紙幣識別部により偽札と判定また
は金種判別不能と判定されると、第１の切り替えゲート
が動作して、入庫搬送ベルトにより搬送されてきた紙幣
の搬送方向を循環式収納庫からリジェクト搬送部の方へ
切り替える。これにより、判別不能の紙幣はリジェクト
搬送部により紙幣出金口へ搬送され、返却される。これ
により、一括投入された紙幣の中に偽札または金種の判
別が不能な紙幣が混入されていても、そのようなリジェ
クト紙幣は循環式収納庫の手前でリジェクト搬送部へ渡
して紙幣出金口に返却するようにしたことにより、入庫
動作を中断することなく続けることができ、リジェクト
口を紙幣出金口と兼用させたことで紙幣処理の部分を小
型化することができる。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、貨
幣入出金機に適用した場合を例に図面を参照して説明す
る。

【００１３】図１は貨幣入出金機の概観斜視図である。
図１に示した貨幣入出金機１はＰＯＳ端末２の下に設置
して使用することができるよう、ＰＯＳ端末２とほぼ同
等の設置面積を有している。貨幣入出金機１は、その右
半分に配置された紙幣処理部３と左半分に配置された硬
貨処理部４とを備えている。紙幣処理部３は、紙幣を短
手水平方向に複数枚一括投入することができる一括紙幣
挿入口５と、紙幣が釣り銭として払い出されるとともに
リジェクト紙幣の返却口としても機能する紙幣出金口６
と、壱万円札を収納しておく万円収納庫７とを有してい
る。一方、硬貨処理部４は、複数の硬貨を投入すること
ができる硬貨入金口８と、釣銭として放出された硬貨を
受け止めるための硬貨出金口９とを有している。

【００１４】紙幣処理部３において、一括紙幣挿入口５
に１枚以上の紙幣が挿入されると、その紙幣は中に搬送
され、金種の識別が行われた後、循環式収納庫に搬送さ
れ、金種に関係なく搬送された順に積み重ねられて整列
収納される。この入金時に金種の識別ができなかった紙
幣については、紙幣出金口６まで搬送される。紙幣を釣
銭として出金するときは、循環式収納庫から紙幣が一枚
ずつ取り出され、金種の識別が行われた後、出金に値す
る金種ならば、その紙幣は紙幣出金口６へ搬送される。
出金に値する金種でなければ、その紙幣は循環式収納庫
に戻されるようになっている。また、金種が壱万円であ
ると識別された場合は、この金種はお釣りとしてリサイ
クルされる金種ではないので、万円収納庫６へ搬送され
て収納されることになる。

【００１５】硬貨処理部４では、硬貨入金口８に複数の
硬貨が金種混在で投入されると、各硬貨は外径の違いに
よる金種の振り分けが行われ、対応する金種の硬貨収納
筒に投入される。硬貨収納筒は多少傾斜を持つ実質的に
横置きに配置された回転式のものであり、硬貨がどのよ
うな姿勢で入力されても硬貨収納筒の回転力と内壁面の
摩擦力とによって起立状態で出金側の端に集積されてい
き、整列収納されるものである。このように金種ごとに
収納された硬貨は、出金時には、所定の金種の硬貨収納
筒からそれぞれ一枚ずつ取り出され、金種混在で硬貨出
金口９に一括して放出される。

【００１６】次に、このような貨幣入出金機１における
紙幣処理部３の内部構成について説明する。図２は紙幣
処理部の内部構成を示す側面図である。紙幣処理部３
は、一括紙幣挿入口５に連絡され、投入された紙幣を一
枚ずつ分離して繰り出す入庫紙幣分離部１１と、繰り出
された紙幣の真偽および金種を識別する入庫紙幣識別部
１２と、入庫搬送ベルト１３と、金種混在で複数の紙幣
が集積収納される循環式収納庫１４と、この循環式収納
庫１４から紙幣を一枚ずつ分離して繰り出す出庫紙幣分
離繰り出し部１５と、繰り出された紙幣の金種を識別す
る出庫紙幣識別部１６と、繰り出し搬送部１７と、繰り
出し搬送部１７によって搬送された紙幣の搬送経路を切
り替える収納切り替えゲート１８と、この収納切り替え
ゲート１８で搬送経路が切り替えられた紙幣を万円収納
庫７に搬送する万円収納搬送部１９と、繰り出し搬送部
１７によって搬送された紙幣を入庫搬送ベルト１３に合
流させる紙幣帰還搬送路２０と、この紙幣帰還搬送路２
０によって搬送された紙幣の搬送経路を切り替える出金
切り替えゲート２１および保留切り替えゲート２２と、
出金切り替えゲート２１で搬送経路が切り替えられた紙
幣を紙幣出金口６に搬送する紙幣出金搬送部２３と、保
留切り替えゲート２２で搬送経路が切り替えられた紙幣
を一時保留し、保留した紙幣を紙幣出金搬送部２３に合
流させる出金保留搬送部２４と、この出金保留搬送部２
４における紙幣の保留状態を検出する紙幣検知センサ２
５と、入庫搬送ベルト１３の出口端に設けられてリジェ
クトゲートを構成するリジェクトゲート２６と、このリ
ジェクトゲート２６で搬送経路が切り替えられた入庫紙
幣を紙幣出金口６へ搬送するリジェクト搬送部２７とに
よって構成されている。ここで、リジェクト搬送部２７
は入庫搬送ベルト１３の反転面とローラとによって構成
されており、その出口は紙幣出金搬送部２３の出口と合
流するようにしている。

【００１７】このような紙幣処理部３の構成において、
一括紙幣挿入口５に一括で複数枚の紙幣が投入される
と、入庫紙幣分離部１１が紙幣を一枚ずつに分離して繰
り出す。ここで、一枚ずつに分離された紙幣は入庫紙幣
識別部１２にて紙幣の真偽および金種の識別が行われ、
次に、入庫搬送ベルト１３により搬送されて循環式収納
庫１４内に整列集積される。ただし、入庫紙幣識別部１
２で識別した結果、真札でかつ金種が識別できなかった
場合には、リジェクトゲート２６を動かして紙幣の搬送
経路を循環式収納庫１４の側からリジェクト搬送部２７
の側へ変更し、入庫紙幣をリジェクト搬送部２７へ送り
出す。リジェクトゲート２６によって搬送経路が切り替
えられた紙幣は、リジェクト搬送部２７を構成する入庫
搬送ベルト１３の反転面とローラとによって紙幣出金口
６まで搬送される。このように、入庫紙幣識別部１２に
て真偽および金種の識別ができた入庫紙幣は循環式収納
庫１４に収納され、識別できなかった入庫紙幣はリジェ
クトゲート２６およびリジェクト搬送部２７により紙幣
出金口６まで搬送されて返却される。

【００１８】出金動作においては、循環式収納庫１４に
収納された紙幣は出庫紙幣分離繰り出し部１５により一
枚ずつ分離されて繰り出され、繰り出し搬送部１７によ
り搬送され、出庫紙幣識別部１６にて出庫紙幣の金種が
識別される。出庫紙幣識別部１６で識別された紙幣が正
常な出金に値する紙幣、たとえば釣銭として出庫すべき
千円紙幣と鑑別されたならば、その紙幣は繰り出し搬送
部１７によりそのまま搬送され、次に紙幣帰還搬送路２
０に搬送が引き継がれ、その搬送途中で出金切り替えゲ
ート２１により紙幣出金搬送部２３の方に案内されて、
この紙幣出金搬送部２３により紙幣出金口６に導かれ
る。出庫紙幣識別部１６で鑑別した紙幣が出金不要な壱
万円と判別されたときには、その紙幣は繰り繰り出し搬
送部１７によりそのまま搬送され、収納切り替えゲート
１８で万円収納搬送部１９の方に案内されて、万円収納
庫７に集積される。また、出庫紙幣識別部１６で鑑別し
た紙幣が五千円と判別された場合、その紙幣は同様に繰
り出し搬送部１７および紙幣帰還搬送路２０によって搬
送される。ここで、紙幣検知センサ２５が出金保留搬送
部２４に保留された紙幣が存在するかどうかを判断し、
出金保留搬送部２４に紙幣が保留されている場合は、そ
の紙幣はそのまま紙幣帰還搬送路２０によって搬送さ
れ、リジェクトゲート２６の後流側の合流部に送られ、
そこから循環式収納庫１４へ戻される。一方、出金保留
搬送部２４に保留された紙幣が存在しない場合は、その
紙幣は紙幣帰還搬送路２０により搬送された紙幣は保留
切り替えゲート２２で出金保留搬送部２４の方に案内さ
れ、出金保留搬送部２４に保留される。また、出金動作
開始時に五千円が正常な出金に値する紙幣と鑑別された
場合は、その紙幣は直ちに出金保留搬送部２４から直接
搬出され、紙幣出金搬送部２３により紙幣出金口５に導
かれる。さらに、出庫紙幣識別部１６で識別に失敗した
紙幣は、紙幣帰還搬送路２０を経由して循環式収納庫１
４へ再投入される。

【００１９】次に、紙幣処理部３の入金処理および出金
処理の流れについて説明する。図３は紙幣処理部の入金
処理の流れを示すフローチャートである。入金処理で
は、紙幣が一括紙幣挿入口５に投入されたことによって
開始される。投入された紙幣は、まず、入庫紙幣分離部
１１および入庫搬送ベルト１３が動作を開始し、紙幣を
一枚繰り出す（ステップＳ１）。次に、その紙幣は入庫
紙幣識別部１２において真偽および金種の識別が行われ
る（ステップＳ２）。ここで、入庫紙幣識別部１２が紙
幣の真偽および金種を正しく識別できたかどうかが判定
され（ステップＳ３）、正しく識別できた場合には、そ
の紙幣を入庫搬送ベルト１３により搬送し、循環式収納
庫１４に収納する（ステップＳ４）。次に、一括紙幣挿
入口５に紙幣が残っているかどうかが判定され（ステッ
プＳ５）、残っていれば、ステップＳ１に戻って別の紙
幣について上記の処理を繰り返す。もし、一括紙幣挿入
口５に紙幣が残っていなければ、そこで、この入金処理
は終了する。

【００２０】ステップＳ３の判定において、紙幣が正常
に識別することができなかった場合には、リジェクトゲ
ート２６を動かして紙幣の搬送経路をリジェクト搬送部
２７の方に切り替える（ステップＳ６）。これにより、
入庫搬送ベルト１３を搬送してきた紙幣はリジェクトゲ
ート２６のところで入庫搬送ベルト１３から離れること
なく連続してリジェクト搬送部２７へ搬送され、このリ
ジェクト搬送部２７により紙幣出金口６まで搬送されて
返却される（ステップＳ７）。識別不能な紙幣が紙幣出
金口６に返却されると、リジェクトゲート２６は元に戻
され（ステップＳ８）、ステップＳ５へ進む。

【００２１】図４は紙幣処理部の出金処理の流れを示す
フローチャートである。出金処理を開始するとき、収納
切り替えゲート１８，出金切り替えゲート２１および保
留切り替えゲート２２はオフの状態にあり、そのときの
収納切り替えゲート１８および保留切り替えゲート２２
は搬送経路を紙幣帰還搬送路２０の搬送方向に、出金切
り替えゲート２１は搬送経路が紙幣帰還搬送路２０から
紙幣出金搬送部２３へ向かう方向にあるとする。

【００２２】出金処理のとき、まず、釣銭として出金す
べき金額が五千円以上かどうかが判定される（ステップ
Ｓ１１）。ここで、五千円以上の場合には、紙幣検知セ
ンサ２５によって出金保留搬送部２４に五千円が保留さ
れているかどうかが判定される（ステップＳ１２）。も
し、出金保留搬送部２４に五千円が保留されていれば、
出金保留搬送部２４および紙幣出金搬送部２３を駆動し
て保留されている五千円を紙幣出金口６に出金する（ス
テップＳ１３）。ステップＳ１１の判定で出金すべき金
額が五千円未満の場合およびステップＳ１２の判定で、
出金保留搬送部２４に五千円が保留されていない場合に
は、出庫紙幣分離繰り出し部１５および繰り出し搬送部
１７を駆動し、循環式収納庫１４から紙幣を一枚繰り出
す（ステップＳ１４）。繰り出された紙幣は出庫紙幣識
別部１６にて金種が識別される（ステップＳ１５）。次
に、出庫紙幣識別部１６による識別結果によって処理の
流れが四つに分岐される（ステップＳ１６）。

【００２３】まず、識別結果が出金すべき紙幣である場
合には、識別された紙幣は繰り出し搬送部１７、紙幣帰
還搬送路２０および紙幣出金搬送部２３により搬送され
て紙幣出金口６に出金される（ステップＳ１７）。識別
結果が五千円である場合には、まず、出金保留搬送部２
４に五千円が保留されているかどうかが判定される（ス
テップＳ１８）。もし、出金保留搬送部２４に五千円が
保留されていなければ、出金切り替えゲート２１および
保留切り替えゲート２２をオンにし、繰り出し搬送部１
７および紙幣帰還搬送路２０により搬送されてきた紙幣
を出金保留搬送部２４に導く（ステップＳ１９）。紙幣
が出金保留搬送部２４に到達したことが確認されると
（ステップＳ２０）、出金切り替えゲート２１および保
留切り替えゲート２２をオフにする（ステップＳ２
１）。また、ステップＳ１８の判定で出金保留搬送部２
４に五千円が保留されている場合またはステップＳ１６
にて出金紙幣の金種が識別できなかった場合には、出金
切り替えゲート２１をオンにし（ステップＳ２２）、繰
り出し搬送部１７および紙幣帰還搬送路２０により搬送
されてきた紙幣を循環式収納庫１４に戻し（ステップＳ
２３）、出金切り替えゲート２１をオフにする（ステッ
プＳ２４）。さらに、識別結果が壱万円である場合に
は、収納切り替えゲート１８をオンにし（ステップＳ２
５）、繰り出し搬送部１７により搬送されてきた紙幣を
万円収納搬送部１９により搬送して万円収納庫７に収納
し（ステップＳ２６）、収納切り替えゲート１８をオフ
にする（ステップＳ２７）。

【００２４】最後に、ステップＳ１３、ステップＳ１
７、ステップＳ２１、ステップＳ２４またはステップＳ
２７の処理が終わると、出金すべき紙幣の出金が完了し
たかどうかが判定され（ステップＳ２８）、まだ、出金
が完了していなければ、ステップＳ１４に戻り、次の紙
幣の繰り出しから処理が繰り返され、出金が完了してい
れば、この出金処理は終了する。

【００２５】図５は硬貨処理部の内部構成を示す側面図
である。硬貨処理部４は、硬貨入金口８に投入された硬
貨を一枚ずつ分離して繰り出す硬貨分離繰り出し部３１
と、繰り出された硬貨を下方に押さえ付けながら搬送す
る入金硬貨搬送部３２と、金種の外径に対応した幅の選
別穴を有する硬貨選別部３３と、各金種の選別穴より落
下してきた硬貨を受け入れて整列収納する金種別の硬貨
収納筒からなる回転式硬貨収納庫３４と、各回転式硬貨
収納筒から収納された硬貨をそれぞれ一枚ずつ繰り出す
図示しない硬貨繰り出し部と、この硬貨繰り出し部によ
り繰り出された硬貨を硬貨出金口９へ搬送する出金搬送
部３５とを備えている。

【００２６】この硬貨処理部３では、硬貨入金口８に複
数の硬貨が金種混在で投入されると、硬貨分離繰り出し
部３１が投入された硬貨を一枚ずつ分離して繰り出す。
繰り出された硬貨は入金硬貨搬送部３２により硬貨選別
部３３の上をスライド搬送され、硬貨が該当金種の選別
穴まで搬送されると、硬貨はその選別穴を貫通して落下
し、硬貨収納庫３４の該当金種の硬貨収納筒へ投入され
る。このとき硬貨収納筒は回転駆動されており、その回
転力と内壁面の摩擦力とによって硬貨は常に起立状態に
あるようにされ、その状態で出金側の端に集積されて整
列収納され、硬貨の入金動作が終了する。硬貨出金時
は、図示しない硬貨繰り出し部により所定の金種の硬貨
収納筒から硬貨が一枚ずつ繰り出される。繰り出された
硬貨は出金搬送部３５により硬貨出金口９まで搬送さ
れ、金種混在で硬貨出金口９に一括放出される。

【００２７】

【発明の効果】以上説明したように、本発明では、分離
繰り出し機構を設けた一括紙幣挿入口に、偽札または金
種の判別が不能な紙幣が混入された場合、入庫紙幣識別
部がそれを検出し、搬送途中でリジェクトゲートにより
搬送経路を切り替え、リジェクト搬送部を介して紙幣出
金口に返却するような構成にした。これにより、一括し
て投入された複数枚の紙幣の中に偽札または金種の判別
が不能な紙幣が混入されていたとしても、入庫搬送動作
を継続しながら、偽札または金種判別の不能な紙幣を返
却する処理を行うことができ、判別不能紙幣による入庫
動作の中断がない。また、判別不能紙幣を紙幣出金口に
返却するようにしたことにより、貨幣入出金機を操作す
る係員が判別不能紙幣を容易に確認でき、偽札などに対
して迅速な処置、たとえば再投入や紙幣の交換を行うこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】貨幣入出金機の概観斜視図である。

【図２】紙幣処理部の内部構成を示す側面図である。

【図３】紙幣処理部の入金処理の流れを示すフローチャ
ートである。

【図４】紙幣処理部の出金処理の流れを示すフローチャ
ートである。

【図５】硬貨処理部の内部構成を示す側面図である。

【符号の説明】

１ 貨幣入出金機 ２ ＰＯＳ端末 ３ 紙幣処理部 ４ 硬貨処理部 ５ 一括紙幣挿入口 ６ 紙幣出金口 ７ 万円収納庫 ８ 硬貨入金口 ９ 硬貨出金口 １１ 入庫紙幣分離部 １２ 入庫紙幣識別部 １３ 入庫搬送ベルト １４ 循環式収納庫 １５ 出庫紙幣分離繰り出し部 １６ 出庫紙幣識別部 １７ 繰り出し搬送部 １８ 収納切り替えゲート １９ 万円収納搬送部 ２０ 紙幣帰還搬送路 ２１ 出金切り替えゲート ２２ 保留切り替えゲート ２３ 紙幣出金搬送部 ２４ 出金保留搬送部 ２５ 紙幣検知センサ ２６ リジェクトゲート ２７ リジェクト搬送部

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 貨幣の入出金処理を行う金銭処理装置に
   おいて、 複数枚の紙幣を一括で投入可能な一括紙幣挿入口と、 前記一括紙幣挿入口に投入された紙幣を一枚ずつ分離し
   て繰り出す入庫紙幣分離部と、 前記入庫紙幣分離部より繰り出された紙幣を搬送する入
   庫搬送ベルトと、 前記入庫搬送ベルトによる紙幣搬送の途中で紙幣の真偽
   および金種を識別する入庫紙幣識別部と、 前記入庫紙幣識別部で真札でかつ金種識別ができた紙幣
   を順次積み重ねて収納する循環式収納庫と、 前記入庫紙幣識別部で識別不可の紙幣を返却する紙幣出
   金口と、 前記入庫紙幣識別部による識別結果に応じて前記入庫搬
   送ベルトにより搬送された紙幣の搬送方向を前記循環式
   収納庫または前記紙幣出金口のいずれかに切り替える第
   １の切り替えゲートと、 前記第１の切り替えゲートから前記紙幣出金口へ紙幣を
   搬送するリジェクト搬送部と、 を有する紙幣の入金処理部を備えていることを特徴とす
   る金銭処理装置。
2. 【請求項２】 前記第１の出金搬送部は、前記入庫搬送
   ベルトの反転面とローラとで構成されていることを特徴
   とする請求項１記載の金銭処理装置。
3. 【請求項３】 前記循環式収納庫に収納された紙幣を一
   枚ずつ分離して繰り出す出庫紙幣分離繰り出し部と、 前記出庫紙幣分離繰り出し部より繰り出された紙幣を搬
   送する繰り出し搬送部と、 前記繰り出し搬送部による紙幣搬送の途中で紙幣の金種
   を識別する出庫紙幣識別部と、 前記紙幣出金口へ出庫されることのない紙幣を積み重ね
   て収納する紙幣収納庫と、 前記出庫紙幣識別部による識別の結果に従って前記繰り
   出し搬送部により搬送された紙幣の搬送方向を前記紙幣
   収納庫または循環式収納庫のいずれかに切り替える第２
   の切り替えゲートと、 前記第２の切り替えゲートからの紙幣を前記紙幣収納庫
   へ搬送する収納搬送部と、 前記第２の切り替えゲートにて前記循環式収納庫の方向
   に切り替えられた紙幣を前記循環式収納庫へ搬送する紙
   幣循環搬送路と、 前記出庫紙幣識別部による識別の結果に従って前記紙幣
   循環搬送路によって搬送されている紙幣の搬送方向を前
   記紙幣出金口または循環式収納庫のいずれかの搬送方向
   に切り替える第３の切り替えゲートと、 前記第３の切り替えゲートから前記紙幣出金口へ紙幣を
   搬送する紙幣出金搬送部と、 紙幣を保留しかつ保留した紙幣を前記紙幣出金搬送部へ
   合流させる出金保留搬送部と、 前記出庫紙幣識別部による識別の結果に従って前記紙幣
   循環搬送路によって搬送されている紙幣の搬送方向を前
   記循環式収納庫または出金保留搬送部のいずれかに切り
   替える第４のゲートと、 を有する紙幣の出金処理部を備えていることを特徴とす
   る請求項１記載の金銭処理装置。
4. 【請求項４】 前記リジェクト搬送部は、その出口を前
   記紙幣出金搬送部へ合流させるようにしたことを特徴と
   する請求項３記載の金銭処理装置。
5. 【請求項５】 複数枚の硬貨を一括で投入可能な硬貨入
   金口と、 投入された硬貨を一枚ずつに分離して繰り出す硬貨分離
   繰り出し部と、 繰り出された硬貨を金種ごとに選別する硬貨選別部と、 選別された硬貨を金種別に収納する回転式硬貨収納部
   と、 出金時に指定硬貨を前記回転子機構か収納部から指定枚
   数繰り出す硬貨繰り出し部と、 繰り出された硬貨を硬貨出金口まで搬送する硬貨出金搬
   送部と、 を有する硬貨入出金処理機を、前記紙幣の入金処理部お
   よび出金処理部からなる紙幣入出金処理機と左右に並べ
   て一体構造にしたことを特徴とする請求項３記載の金銭
   処理装置。