JPH11326638A - 液晶性配向膜、液晶性配向膜の製造方法及びそれを用いた光学素子 - Google Patents

液晶性配向膜、液晶性配向膜の製造方法及びそれを用いた光学素子

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JPH11326638A
JPH11326638A JP10145100A JP14510098A JPH11326638A JP H11326638 A JPH11326638 A JP H11326638A JP 10145100 A JP10145100 A JP 10145100A JP 14510098 A JP14510098 A JP 14510098A JP H11326638 A JPH11326638 A JP H11326638A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光で分子配向させた状態を熱や光、さらには
電場に対して高度に安定にすること、均一な膜厚で大面
積化を図ること、製造方法が複雑化しないこと、光学素
子としての利用が限定されないこと、などを一挙に解決
し、配向方向が任意に制御可能な液晶性配向膜、及びそ
の製造方法、並びに該液晶性配向膜を用いた光学素子を
提供する。 【解決手段】 二色性光反応性構成単位を含む樹脂皮
膜、より好ましくは潜在的に液晶性又は結晶性の樹脂皮
膜に、直線偏光の光照射又は非偏光の光の斜め方向から
の照射を施し、さらに好ましくはそれに加熱処理を施し
たものの上に、非光反応性液晶性物質層を形成してなる
ことを特徴とする液晶性配向膜。二色性光反応性構成単
位を含む潜在的に液晶性又は結晶性の樹脂皮膜に、直線
偏光の光照射又は非偏光の光の斜め方向からの照射を行
った後、加熱処理を施し、さらに、その樹脂被膜上に、
非光反応性液晶性物質層を形成することからなる液晶性
配向膜の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、配向方向が任意に
制御された液晶性配向膜及びその製造方法、並びに該液
晶性配向膜を用いた光学素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】有機材料や高分子系材料の分子を配向さ
せる技術は、それらの材料の機械的強度の向上を図るた
めのみならず、光学的異方性に基づくさまざまな光学素
子、たとえば、偏光素子、光学補償フィルム、光導波
路、光情報記録体などを製造するための基本的な技術で
ある。有機・高分子系材料の分子配向を実現するもっと
も普遍的な方法は、高分子の繊維やフィルムを力学的に
延伸するものであり、これによって繊維やフィルムの強
度の増強が図られる。また、延伸フィルムによって位相
補償板が製造されるし、あるいは、延伸フィルムによっ
て色素分子を配向させて偏光素子が製造される。ところ
が、これらの機械的な方法では、繊維あるいはフィルム
全体にわたって均一に延伸力が働くために、任意の位置
に任意の配向方向を付与することはできない。また、延
伸方向への配向は可能であっても、その方向に対して垂
直な面内での配向を制御することはできない。また、有
機材料では機械的な強度がないために、このような延伸
処理を直接用いることはできない。
【0003】分子配向を行う別の手法として、光反応を
利用するものがある。アゾベンゼンに代表される光反応
性残基で置換された液晶性高分子膜に直線偏光を光を照
射すると、その偏光軸によって規定される方向にアゾベ
ンゼンが再配向し、その結果分子配向が実現される。し
たがって、任意の場所で任意の方向に分子配向した材料
を製造することができる。ところが、この方法では、配
向膜自体に含まれるアゾベンゼンの光吸収が強いため
に、製造される光学素子としての利用は限定される。
【0004】液晶配向を制御する他の方法として、基板
表面の光化学反応を利用する液晶配向制御法が知られて
いる。この方法は、基板表面に光の作用で異性化反応を
起こす分子を含む分子層あるいは高分子層を設け、その
層に光を照射させることにより配向制御を行うものであ
る(市村、表面、32,671(1994)参照)。上記の分子層あ
るいは高分子層に光を照射することにより、その分子構
造あるいは分子配向の変化が光化学的に誘起され、それ
が低分子液晶の配向を決める。光が直線偏光であれば、
その偏光軸によって規定される方向に液晶を配向させる
ことができ、容易にホモジニアス配向制御が実現される
(Kawanishiら、Polym. Mater. Sci. Eng., 66, p. 263
(1992))。また、ポリイミドに二色性色素を溶解分散し
て形成される皮膜に直線偏光を照射して、液晶配向膜と
する方法も提案されている(Gibbonsら、Nature, 351, p4
9)。
【0005】基板表面の光化学反応によってネマチック
低分子液晶の配向を制御する方法では、配向した液晶は
低分子量であるために自己支持性がなく、2枚の基板で
挟み込むことが採用される。このため、製造が複雑とな
るばかりでなく、膜厚が均一な大面積を持つ配向膜を製
造することはきわめて困難であった。さらには、低分子
液晶を固定化して配向状態を安定にするために液晶性モ
ノマーを用いる方法も提案されているが、特別のモノマ
ーを製造する必要があるうえに、ラジカル重合を用いる
ときには空気中の酸素を遮断した状態、すなわち、2枚
の基板で挟み込むことが不可欠であるという問題があっ
た。このように、基板表面に設けた光活性な分子層ある
いは高分子層を持続性ある配向膜とするためには、光で
配向させた状態を熱や光に対して高度に安定にするとと
もに、均一な膜厚で大面積化を図る、などが一挙に解決
されなければならなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、光で分子配
向させた状態を熱や光、さらには電場に対して高度に安
定にすること、均一な膜厚で大面積化を図ること、製造
方法が複雑化しないこと、光学素子としての利用が限定
されないこと、などを一挙に解決し、配向方向が任意に
制御可能な液晶性配向膜、及びその製造方法、並びに該
液晶性配向膜を用いた光学素子を提供することをその課
題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく、自己支持性液晶性物質を光反応性層の上に
設けて配向膜を形成することに着眼し、さらに鋭意研究
を重ねた結果、二色性光反応性構成単位を含む樹脂が潜
在的に液晶性あるいは結晶性を示す場合には、溶液から
形成させたこの種の高分子の皮膜に対し直線偏光の光照
射あるいは斜め方向からの光照射することによって生じ
る分子配向状態は、高分子膜を加熱処理することによっ
て著しく向上するのみならず、高度に安定化できること
を見いだし、これらの知見に基づいて本発明を完成する
に至った。
【0008】すなわち、本発明によれば、二色性光反応
性構成単位を含む樹脂皮膜、より好ましくは潜在的に液
晶性又は結晶性の樹脂皮膜に、直線偏光の光照射又は非
偏光の光の斜め方向からの照射を施し、さらに好ましく
はそれに加熱処理を施したものの上に、非光反応性液晶
性物質層を形成してなることを特徴とする液晶性配向膜
が提供される。また、本発明によれば、上記の液晶性配
向膜を用いてなることを特徴とする光学素子が提供され
る。さらに、本発明によれば、二色性光反応性構成単位
を含む潜在的に液晶性又は結晶性の樹脂皮膜に、直線偏
光の光照射又は非偏光の光の斜め方向からの照射を行っ
た後、加熱処理を施し、さらに、その樹脂被膜上に、非
光反応性液晶性物質層を形成することからなる液晶性配
向膜の製造方法が提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】以下本発明について詳細に説明す
る。本発明の液晶用配向膜は、二色性光反応性構成単位
を含む樹脂皮膜、より好ましくは潜在的に液晶性又は結
晶性の樹脂皮膜に、直線偏光の光照射又は非偏光の光の
斜め方向からの照射を施し、さらに好ましくはそれに加
熱処理を施したものの上に、非光反応性液晶性物質層を
形成してなることを特徴とする。すなわち、本発明の液
晶用配向膜は自己支持性配向膜であり、二色性光反応性
構成単位を含む樹脂皮膜に直線偏光の光照射又は非偏光
の光の斜め方向からの照射を行った後、その皮膜上に自
己支持性液晶性物質層を形成して得られるものである。
【0010】本発明において用いる樹脂皮膜は、二色性
光反応性構成単位を含むものであるが、ここで「二色性
光反応性構成単位」とは、互いに直交する分子軸におけ
る同一波長での吸収強度が異なり、かつ、光吸収によっ
て構造変化をもたらす分子性単位を言う。本発明で用い
る樹脂皮膜において含まれる二色性光反応性構成単位と
しては、分子間相互作用が効率よく起こる棒状構造を持
つことが好ましい。このようなもとのとしては、アゾベ
ンゼン、スチルベン、シンナモイル、シンナミリデンア
セテート、ベンジリデンフタルイミジン、スチルバゾー
ル、スチルバゾリウム、レチノイン酸、クマリン、ジフ
ェニルアセチレン等を挙げることができる。このような
ものとして特に好ましいものは、下記一般式(1)で表
されるアゾベンゼン誘導体で置換された液晶性又は結晶
性高分子である。
【化1】 (式中、Xは高分子主鎖に結合する二価の残基、Yは水
素原子、炭素数8までのアルキル基、シクロアルキル
基、シアノ基、ニトロ基、炭素数6までのアルコキシ
基、炭素数6までのアルコキシカルボニル基、ハロゲン
基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基
を示す)
【0011】上記樹脂皮膜を設けるために必要な本発明
に用いられる基板としては、これらの樹脂が塗布される
ものであればよく、透明、不透明を問わないが、例えば
液晶セルを構成する場合には2枚の基板のうち少なくと
も一方は透明であることが必要である。透明な基板とし
ては、シリカガラス、硬質ガラス、石英、各種プラスチ
ックなどのシートあるいはそれらの表面に、酸化珪素、
酸化スズ、酸化インジウム、酸化アルミニウム、酸化チ
タン、酸化クロム、酸化亜鉛などの金属酸化物や、窒化
珪素、炭化珪素などを被覆したものが用いられる。不透
明な基板としては、金属あるいはガラスやプラスチック
シートなどの表面に金属層や金属酸化物層を付着させた
ものが用いられる。
【0012】本発明で樹脂被膜に用いる高分子は前記二
色性光反応性構成単位を結合、または、混合してなるも
のである。二色性光反応性構成単位を結合した高分子の
うち、光照射で配向した状態が熱あるいは溶媒に対して
安定な液晶性又は結晶性高分子が好ましい。液晶性又は
結晶性高分子は、その膜を偏光顕微鏡によって複屈折に
基づく明視野として観察されるので容易に判別すること
ができる。また、該液晶性又は結晶性高分子は、熱分析
によって、液晶相・等方相転移温度や融点を測定するこ
とができる。
【0013】該樹脂被膜をアゾベンゼン誘導体で置換さ
れた液晶性又は結晶性高分子膜で構成する場合、アゾベ
ンゼンを結合した高分子が液晶性あるいは結晶性を発現
するためには、分子間相互作用が増強する効果を有する
アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シアノ
基、ニトロ基、アルコキシカルボニル基をアゾベンゼン
骨格に導入することが好ましい。また、非光反応性のメ
ソゲン基を一部導入することによっても液晶性を発現す
ることができる。
【0014】アゾベンゼンを有する液晶性高分子とし
て、主鎖がポリメタクリレート、ポリアクリレートの場
合であれば、下記表1に例示されているモノマー単位を
有する高分子が挙げられる。
【表1】
【0015】この場合、表2で表される非光反応性モノ
マー単位を共重合単位とすることが好ましい。
【表2】
【0016】アゾベンゼンを有する液晶性高分子におい
ては、主鎖がポリエステル、ポリイミド、ポリシロキサ
ン、ポリウレタン、ポリウレアなどである多くの例が知
られており(V. Shibaev編, Polymers as Electrooptica
l and Photooptical ActiveMedia、Springer社、1996年、p
37-110参照)、これらを本発明に用いることができる。
本発明に用いられる液晶性アゾベンゼン高分子の例を表
3に示すが、これに限定されるものではない。
【表3】
【0017】また、結晶性を示すアゾベンゼン高分子の
例を表4に示す。
【表4】
【0018】本発明で用いる結晶性を示すアゾベンゼン
高分子としては、次のようなものも使用可能である。ス
チレンと無水マレイン酸との交互共重合体にヒドロキシ
アルキル基を有するp−置換アゾベンゼンを反応させた
もの(R. H. Tredgoldら、J. Phys. D: Appl.Phys., 20,
1385 (1985))p−フェニレンジアクリル酸から製造され
るアゾベンゼン置換ポリエステル(A. Natansohnら、Macr
omolecules, 27, 2580 (1994))。また、シアノアゾベン
ゼンを側鎖に持つポリメタクリレート(表4の(1))
は融点が高い結晶性高分子である。さらに、前記二色性
光反応性構成単位のうち、シンナモイル、シンナミリデ
ンアセテート、ベンジリデンフタルイミジン、スチルバ
ゾール、スチルバゾリウム、クマリン、ジフェニルアセ
チレンは光照射によって二量化反応を起こすので、これ
らを結合した高分子は光照射後に架橋構造を形成する。
このため、光照射で配向した状態が熱あるいは溶媒に対
して安定化されるので、本発明に好適に用いることがで
きる。
【0019】次に、二色性光反応性構成単位を持つ樹脂
皮膜への光照射について、これらのアゾベンゼン誘導体
を有する高分子を例として以下に説明する。アゾベンゼ
ンを有する高分子の溶液を基板上に回転塗布、流延塗
布、スクリーン印刷などに供して薄膜とする。膜厚は5
nmから1000nmの範囲、特に、10nmから50
0nmの範囲が好ましい。この程度の膜厚であれば、ア
ゾベンゼンに由来する膜の色は無視することができ、実
質的に無色透明である。自己支持性液晶性物質の配向は
この光反応性高分子膜の表面層におけるアゾベンゼン残
基の配向によって規制されるので、上記範囲以上に膜厚
が大きくても液晶配向を制御するためには意味がなく、
さらには、アゾベンゼンあるいは置換アゾベンゼンの光
吸収に基づく着色を無視することができず、得られる液
晶素子の品質が低下してしまう。一方、上記範囲以下の
膜厚では均質は膜が得られにくい上に、基板表面が部分
的に露出するために、液晶性高分子の配向の均質性が損
なわれてしまう。
【0020】液晶性高分子の均一配向を得るための光照
射法としては、直線偏光照射と非偏光の光の斜め方向か
らの照射がある。前者の場合には、上記の方法によって
調製した高分子膜に光源からの光を偏光素子を通して照
射する。光源としては、超高圧水銀灯、キセノン灯、蛍
光灯、水銀・キセノン灯などを用いることができ、偏光
素子としては、ポリビニルアルコール系の偏光シートが
好適に用いられる。非偏光の光の斜め方向からの照射
は、上記の光源からの光を、高分子膜表面の垂線からあ
る角度をなす方向から入射させる。垂線と入射方向のな
す角度は5度から60度、より好ましくは10度から4
5度である。照射エネルギー量は高分子の特性、照射波
長などに大きく依存するが、10mJ/cm2から10
J/cm2程度、より好ましくは50mJ/cm2から2
J/cm2の範囲である。アゾベンゼンは、紫外線照射
によってシス体を主成分とする異性化反応が起こる一
方、可視光照射ではトランス体を主成分とする異性化反
応が起こる。このように光異性化反応には波長依存性が
あることがよく知られているが、意外なことに、本発明
における光照射では、紫外線、可視光のいずれも用いる
ことができることが判明した。したがって、本発明にお
ける光照射では、波長領域を分離する必要がない上に、
光源からの活性な波長光を最大限に利用することができ
る。特に、紫外線照射においては、配向をもたらすに必
要な露光エネルギー量は数10mJ/cm2程度と著し
く低くて良い。
【0021】本発明における液晶性又は結晶性高分子か
らなる樹脂被膜は、上記光照射の後に、加熱処理を施し
て形成される。その加熱温度は、結晶性高分子の場合で
あれば、融点以下、液晶性高分子であれば、液晶相・等
方相転移温度以下である。加熱処理を施すことによっ
て、光照射で発現した光反応性分子の配向度は著しく向
上する。しかも、加熱処理後に発現する高度に配向した
状態は効果的な分子間相互作用によって分子運動性が高
度に束縛されるために、高度に熱的に安定となる。さら
には、有機溶媒に対しても耐性を示す。例えば、ポリ
(1−メタクロイルオキシ−4’−シアノアゾベンゼ
ン)のスピン塗布薄膜に偏光照射した後に加熱すること
によって、アゾベンゼン基の配向度は著しく向上し、し
かも意外なことに、240度という高温にもかかわらず
配向は全く乱れることはなかった。また、トルエン中に
浸漬しても配向度が減じることがなかった。
【0022】加熱によって安定化された光配向膜は光を
照射しても配向が崩れることはない。言い換えると、加
熱処理を施さない状態では、直線偏光照射軸を変えるこ
とによって可逆的に配向方向を変えることが可能である
が、加熱処理を施すことによってアゾベンゼン残基の配
向状態が定着される。このことを利用して、以下のよう
な安定なパターン化された多軸配向膜を容易に形成する
ことができる。すなわち、製膜した高分子膜を必要な回
数だけ偏光軸の異なる光によってパターンに応じて照射
する。ついで、この照射膜を加熱することによって多軸
配向状態を定着させる。この高分子膜を液晶配向膜とす
ることによって、アゾベンゼンの配向に忠実に配向制御
された液晶配向状態を得ることができ、しかも、この状
態は高度に光や熱に安定となる。
【0023】本発明では、以上のようにして形成した樹
脂皮膜の上に、非光反応性液晶性物質層を自己支持性液
晶性物質層として設ける。ここで、「非光反応性」と
は、光照射によって化学的な変化を起こさない性質を意
味し、「自己支持性」とは、液状物質とは異なってそれ
自体で形態を保持する性質を持ち、かつ、液晶性を示す
ことを意味する。非光反応性液晶性物質層の形成は、次
のようにして行うことが好ましい。すなわち、非光反応
性液晶性物質の溶液を基板上に回転塗布、流延塗布、ス
クリーン印刷などに供して薄膜とする。次いで、非光反
応性液晶性物質の均一配向を誘起するために、その相転
移温度近傍に一定時間加熱保持する。この操作によっ
て、光反応性高分子膜における分子配向を転写した形
で、液晶性高分子の配向が決定される。非光反応性液晶
性物質層の膜厚は0.1μmから50μm、より好まし
くは0.5μmから5μmである。
【0024】本発明において用いる非光反応性液晶性物
質としては、ネマチック相を示す材料であれば化学的な
構造の選択は自由である。とくに、高分子液晶およびデ
ィスコティック液晶が好適に用いられる。高分子液晶の
場合には、高分子主鎖としてはポリアクリレート、ポリ
メタクリレート、ポリシロキサン、などが用いられる。
また、液晶性を発現する残基としては、シアノビフェニ
ル系、フェニルベンゾエート系、などが好適に用いられ
る。ディスコティック液晶としてはトリフェニレン系な
どが用いられる。また、液晶性高分子に二色性色素を溶
解分散したり、あるいは結合した材料を用いることがで
きる。これによって色素が配向した膜を簡便に製造する
ことができる。
【0025】本発明では、上記のようにして製造した配
向膜の上に、必要に応じて保護膜を設けることができ
る。
【0026】本発明の液晶性配向膜は、液晶素子、偏光
素子、光学補償フィルム等の様々な光学素子に利用可能
である。
【0027】
【発明の効果】本発明の液晶性配向膜は、二色性光反応
性構成単位を含む樹脂皮膜、より好ましくは潜在的に液
晶性又は結晶性の樹脂被膜の上に、非光反応性液晶性物
質からなる膜を自己支持性膜として形成したので、液晶
性物質からなる配向膜において液晶性あるいは結晶性に
基づく高度秩序性によって配向状態が安定化しており、
その配向方向が任意に制御可能である。また、該樹脂被
膜の形成において直線偏光の光照射又は非偏光の光の斜
め方向からの照射を行っているので、膜中での光反応性
残基、たとえば、アゾベンゼン誘導体が効率よく光吸収
をする上に、その配向は非晶性の状態で行われるので、
露光エネルギー量が少なくて済む。本発明の液晶性配向
膜は、非反応性液晶性物質層を塗布形成することができ
るので、均一な膜厚で大面積の配向膜を製造することが
可能となる。さらに、本発明の液晶性配向膜は、パター
ニングも任意であり、多軸配向膜も製造可能である。
【0028】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳細に説明
する。
【0029】実施例1 1−ヒドロキシ−4−シアノアゾベンゼンとメタクリル
酸クロリドを、トリエチルアミンの存在下で反応させ
て、1−メタクロイルオキシ−4’−シアノアゾベンゼ
ンを得た。このモノマーをテトラヒドロフラン中でアゾ
ビスイソブチロニトリルを重合開始剤として重合させ、
重量平均分子量3.8×104のポリ(1−メタクロイ
ルオロキシ−4−シアノアゾベンゼン)(表4の
(1))を得た。熱分析の結果、このホモポリマーの融
点は240℃であった。このホモポリマーをシクロヘキ
サノンに溶解し、その溶液をガラス板の上にスピン塗布
して薄膜を形成した。この薄膜を180℃まで加熱した
後に室温で偏光顕微鏡で観察したところ、結晶化に基づ
く複屈折性が発現していることが確認された。次に、ガ
ラス板に回転塗布して得た厚さ50nmの高分子膜に4
36nmの偏光を照射量100mJ/cm2で照射して
から240℃で2分加熱した。次いでこの高分子膜の上
に、液晶性高分子であるポリ{4−(3−アクリロイル
オキシプロポキシ)安息香酸4−メトキシフェニルエス
テル)(分子量:4200、ネマチック・等方相相転移
温度:76℃)の20重量%のトルエン溶液を1000
rpmで20秒回転塗布した後、これを75.5℃で3
0分間保持した。これを室温に戻してから偏光顕微鏡に
よって観察したところ、モノドメインに配向しているこ
とが分かった。また、複屈折測定によっても均一配向が
確認された。
【0030】比較例1 実施例1と全く同様にして、ポリ(1−メタクロイルオ
ロキシ−4−シアノアゾベンゼン)の薄膜に436nm
の直線偏光を照射量100mJ/cm2で照射した後、
加熱処理を行わずに直ちに同じ液晶性高分子のトルエン
溶液をスピン塗布し、75.5℃で30分間保持した。
これを室温に戻してから偏光顕微鏡によって観察したと
ころ、配向はランダムであった。
【0031】実施例2 実施例1で用いたポリ(1−メタクロイルオロキシ−4
−シアノアゾベンゼン)の高分子膜(膜厚:50nm)
に対し、500W超高圧水銀灯からの光をフィルターを
通さずに、基板表面から60°の入射角で1分間照射し
た。次に、実施例1と同様に、240℃で2分加熱して
から、ポリ{4−(3−アクリロイルオキシプロポキ
シ)安息香酸4−メトキシフェニルエステル)のトルエ
ン溶液を回転塗布した。これを75.5℃で30分間保
持してから、室温に戻してから偏光顕微鏡によって観察
したところ、モノドメインに配向していることが分かっ
た。
【0032】実施例3 実施例1で得た1−メタクロイルオキシ−4’−シアノ
アゾベンゼンとアクリロニトリルをテトラヒドロフラン
中でラジカル共重合することによって、1:0.6の共
重合比を持つ分子量2.8×104の高分子を得た。こ
の高分子のシクロヘキサノン溶液をガラス板にスピン塗
布して薄膜(膜厚:65nm)を調製し、実施例1と同
様にして、436nmの偏光を照射量100mJ/cm
2で照射してから240℃で2分加熱した。この薄膜の
上に、ポリ{4−(3−アクリロイルオキシプロポキ
シ)安息香酸4−メトキシフェニルエステル)のトルエ
ン溶液を1000rpmで20秒回転塗布した。これを
75.5℃で30分間保持して室温に戻してから偏光顕
微鏡によって観察したところ、モノドメインに配向して
いることが分かった。
【0033】実施例4 実施例1と同様にしてポリ(1−メタクロイルオロキシ
−4−シアノアゾベンゼン)の薄膜をガラス基板上に設
け、この全面を436nmの偏光を照射量500mJ/
cm2で照射した。次に、フォトマスクをこの膜の上の
置いてから、偏光軸を45°変えた436nmの偏光を
照射量100mJ/cm2で照射した。この膜を240
℃で2分加熱してから、ポリ{4−(3−アクリロイル
オキシプロポキシ)安息香酸4−メトキシフェニルエス
テル)のトルエン溶液を回転塗布し、75.5℃で30
分間保持した。室温に戻してから偏光顕微鏡によって観
察したところ、フォトマスクに忠実なパターンが観察さ
れ、2mmのラインが解像されていた。
【0034】実施例5 p−シアノアゾベンゼンおよびp−シアノビフェニル基
を側鎖に持つポリメタクリル系高分子液晶(液晶相・等
方相転移温度=128°)(表3の(3))のジオキサ
ン溶液をガラス板にスピン塗布して薄膜を得た。これに
超高圧水銀灯からの光を入射角60°で1分間照射して
から、80℃で10分間加熱した。この膜にポリ{4−
(3−アクリロイルオキシプロポキシ)安息香酸4−メ
トキシフェニルエステル)のトルエン溶液を1000r
pmで20秒回転塗布した。これを75.5℃で30分
間保持して室温に戻してから偏光顕微鏡によって観察し
たところ、モノドメインに配向していることが分かっ
た。
【0035】実施例6 実施例1と同様にして、436nmの偏光を照射量10
0mJ/cm2で照射してから240℃で2分間加熱し
た。この薄膜の上に、5重量%の二色性色素を溶解した
ポリ{4−(3−アクリロイルオキシプロポキシ)安息
香酸4−メトキシフェニルエステル)のトルエン溶液を
1000rpmで20秒回転塗布した。これを75.5
℃で30分間保持して室温に戻してから偏光シートを介
して観察したところ、色素が1軸配向していることが確
認された。
【0036】実施例7 ポリ{2−[4−(4−メトキシフェニルアゾ)フェニ
ルオキシ]エチルメタクリラート}(重量平均分子量=
2.26×105、液晶相・等方相転位温度=171
℃)を対応するモノマーをトルエン中でラジカル重合さ
せることによって得た。この高分子のジオキサン溶液を
調製し、これをガラス基板上にスピン塗布して膜厚50
nmの薄膜とした。これに436nmの直線偏光を照射
してから110℃に加熱したところ、二色性は0.44
と増大した。この膜の上に、実施例1で用いた高分子液
晶のトルエン溶液をスピン塗布して75.5℃に保持し
た結果、この高分子液晶膜が1軸配向していることが偏
光顕微鏡観察によって確認された。
【0037】実施例8 ポリ{2−[4−(4−メトキシフェニルアゾ)フェニ
ルオキシ]ヘキシルメタクリラート}(重量平均分子量
=1.25×105、スメクティック・ネマチック相転
位温度=95℃、ネマチック・等方相転位温度=137
℃)を対応するモノマーをトルエン中でラジカル重合さ
せることによって得た。この高分子のジオキサン溶液を
調製し、これをガラス基板上にスピン塗布して膜厚55
nmの薄膜とした。これに436nmの直線偏光を照射
してから110℃に加熱したところ、二色性は0.64
に達した。この膜の上に、実施例1で用いた高分子液晶
のトルエン溶液をスピン塗布して75.5℃に保持した
結果、この高分子液晶膜が1軸配向していることが偏光
顕微鏡観察によって確認された。
【0038】実施例9 実施例8で用いたポリ{2−[4−(4−メトキシフェ
ニルアゾ)フェニルオキシ]ヘキシルメタクリラート}
のジオキサン溶液をガラス基板上にスピン塗布して膜厚
55nmの薄膜とした。これに436nmの非偏光を基
板表面から60°方向から照射した。この照射した膜を
110℃に10分間加熱したところ、二色性は0.1に
達した。この膜の上に、実施例1で用いた高分子液晶の
トルエン溶液をスピン塗布して75.5℃に保持した結
果、この高分子液晶膜が1軸配向していることが偏光顕
微鏡観察によって確認された。
【0039】実施例10 実施例8で用いたポリ{2−[4−(4−メトキシフェ
ニルアゾ)フェニルオキシ]ヘキシルメタクリラート}
のジオキサン溶液をガラス基板上にスピン塗布して膜厚
55nmの薄膜とした。これに436nmの非偏光を基
板表面から80°方向から照射した。この膜の上にフォ
トマスクを置いてから、最初の照射における入射面を9
0度回転させてから基板表面から80°方向から照射し
た。これを110℃に10分間加熱し、この膜の上に、
実施例1で用いた高分子液晶のトルエン溶液をスピン塗
布して75.5℃に保持した。偏光顕微鏡観察によっ
て、複屈折による明瞭な画像がこの高分子液晶膜中に形
成されていることが確認された。
【0040】実施例11 実施例1で用いたポリ(1−メタクロイルオロキシ−4
−シアノアゾベンゼン)のシクロヘキサノン溶液をスピ
ン塗布によって60nmの薄膜をガラス基板上に形成さ
せた。これに436nmの直線偏光を照射してから24
0℃で10分間加熱した。この薄膜の上に、ヘキサ(4
−オクチルオキシベンゾイルオキシ)トリフェニレン
(ディスコティックネマチック・等方相転位温度=24
4℃)の10重量%ブタノン溶液をスピン塗布して液晶
層を形成し、これを200℃に加熱したところ、1軸配
向していることが偏光顕微鏡観察によって確認された。
【0041】実施例12 p−メタクロイルオキシ桂皮酸メチルの10重量%ベン
ゼン溶液に0.5重量%のアゾビスイソブチロニトリル
を重合開始剤として加え、これを脱気下で60〜65゜
で6時間重合させた。これをメタノールに再沈殿させて
ポリ(p−メタクロイルオキシ桂皮酸メチル)を単離し
た。Mw=3.6×104、Mw/Mn=2.1であ
り、Tg=82゜であった。これをジクロロメタンとク
ロロベンゼンの1:1混合溶媒に溶解し、スピン塗布に
よって膜厚約100nmの薄膜をガラス基板上に形成さ
せた。これに超高圧水銀灯から取り出した波長313n
mの直線偏光を3J/cm2の照射量で照射した。この
薄膜の上に、実施例1で用いた液晶性高分子であるポリ
{4−(3−アクリロイルオキシプロポキシ)安息香酸
4−メトキシフェニルエステル}の20重量%のトルエ
ン溶液を1000rpmで20秒回転塗布した。これを
75.5℃で30分間保持してから室温に戻した。偏光
顕微鏡によって観察したところ、モノドメインに配向し
ていることが分かった。
【0042】実施例13 7−メタクロイルオキシクマリンの10重量%ベンゼン
溶液に0.5重量%のアゾビスイソブチロニトリルを重
合開始剤として加え、これを脱気下で60〜65゜で6
時間重合させた。これをメタノールに再沈殿させてポリ
(7−メタクロイルオキシクマリン)を得た。Mw=
3.3×104、Mw/Mn=3.5であり、Tm=2
00゜であった。これをDMFに溶解し、スピン塗布に
よって膜厚約70nmの薄膜をガラス基板上に形成させ
た。これに超高圧水銀灯から取り出した波長313nm
の直線偏光を8J/cm2の照射量で照射した。この薄
膜の上に、実施例1で用いた液晶性高分子であるポリ
{4−(3−アクリロイルオキシプロポキシ)安息香酸
4−メトキシフェニルエステル}の20重量%のトルエ
ン溶液を1000rpmで20秒回転塗布した。これを
75.5℃で30分間保持してから室温に戻した。偏光
顕微鏡によって観察したところ、モノドメインに配向し
ていることが分かった。
【0043】実施例14 酢酸p−ブロモフェニルエステルとフェニルアセチレン
から合成した4−フェニルエチニルフェノールから、メ
タクリル酸クロリドによって(4−メタクロイルオキシ
フェニルエチニル)ベンゼンを得た。アゾビスイソブチ
ロニトリルを重合開始剤に用い、このモノマーの10重
量%トルエン溶液を重合反応に供した。w=1.43×
105、Mw/Mn=3.2、Tg=142℃であっ
た。この高分子のトルエン溶液をガラス基板上にスピン
塗布し、膜厚約70nmの薄膜をガラス基板上に形成さ
せた。これに超高圧水銀灯から取り出した波長313n
mの直線偏光を8J/cm2の照射量で照射した。この
薄膜の上に、実施例13と同様にして液晶性高分子であ
るポリ{4−(3−アクリロイルオキシプロポキシ)安
息香酸4−メトキシフェニルエステル}の20重量%の
トルエン溶液を1000rpmで20秒回転塗布した。
これを75.5℃で30分間保持してから室温に戻し
た。偏光顕微鏡によって観察したところ、モノドメイン
に配向していることが分かった。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年5月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【請求項】 二色性光反応性構成単位が、下記一般式
(1)で表されるアゾベンゼン誘導体で置換された潜在
的に液晶性又は結晶性の構成単位である請求項1〜
いずれかに記載の液晶性配向膜。
【化1】 (式中、Xは高分子主鎖に結合する二価の残基、Yは水
素原子、炭素数8までのアルキル基、シクロアルキル
基、シアノ基、ニトロ基、炭素数6までのアルコキシ
基、炭素数6までのアルコキシカルボニル基、ハロゲン
基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基
を示す)
【請求項】 請求項1〜のいずれかに記載の液晶性
配向膜を用いてなることを特徴とする光学素子。
【請求項】 二色性光反応性構成単位を含む潜在的に
液晶性又は結晶性の樹脂皮膜に、直線偏光の光照射又は
非偏光の光の斜め方向からの照射を行った後、加熱処理
を施し、さらに、その樹脂被膜上に、ディスコティック
液晶又は高分子液晶からなる非光反応性液晶性物質層を
形成することからなる液晶性配向膜の製造方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】すなわち、本発明によれば、二色性光反応
性構成単位を含む樹脂皮膜、より好ましくは潜在的に液
晶性又は結晶性の樹脂皮膜に、直線偏光の光照射又は非
偏光の光の斜め方向からの照射を施し、さらに好ましく
はそれに加熱処理を施したものの上に、ディスコティッ
ク液晶又は高分子液晶からなる非光反応性液晶性物質層
を形成してなることを特徴とする液晶性配向膜が提供さ
れる。また、本発明によれば、上記の液晶性配向膜を用
いてなることを特徴とする光学素子が提供される。さら
に、本発明によれば、二色性光反応性構成単位を含む潜
在的に液晶性又は結晶性の樹脂皮膜に、直線偏光の光照
射又は非偏光の光の斜め方向からの照射を行った後、加
熱処理を施し、さらに、その樹脂被膜上に、ディスコテ
ィック液晶又は高分子液晶からなる非光反応性液晶性物
質層を形成することからなる液晶性配向膜の製造方法が
提供される。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二色性光反応性構成単位を含む樹脂皮膜
    に、直線偏光の光照射又は非偏光の光の斜め方向からの
    照射を施したものの上に、非光反応性液晶性物質層を形
    成してなることを特徴とする液晶性配向膜。
  2. 【請求項2】 二色性光反応性構成単位を含む潜在的に
    液晶性又は結晶性の樹脂皮膜に、直線偏光の光照射又は
    非偏光の光の斜め方向からの照射を施したものの上に、
    非光反応性液晶性物質層を形成してなることを特徴とす
    る液晶性配向膜。
  3. 【請求項3】 該樹脂皮膜は、直線偏光の光照射又は非
    偏光の光の斜め方向からの照射及び加熱処理を施したも
    のである請求項1又は2に記載の液晶性配向膜。
  4. 【請求項4】 該光反応性液晶性物質層がディスコティ
    ック液晶からなる請求項1〜3のいずれかに記載の液晶
    性配向膜。
  5. 【請求項5】 該光反応性液晶性物質層が高分子液晶か
    らなる請求項1〜3のいずれかに記載の液晶性配向膜。
  6. 【請求項6】 二色性光反応性構成単位が、下記一般式
    (1)で表されるアゾベンゼン誘導体で置換された潜在
    的に液晶性又は結晶性の構成単位である請求項1〜5の
    いずれかに記載の液晶性配向膜。 【化1】 (式中、Xは高分子主鎖に結合する二価の残基、Yは水
    素原子、炭素数8までのアルキル基、シクロアルキル
    基、シアノ基、ニトロ基、炭素数6までのアルコキシ
    基、炭素数6までのアルコキシカルボニル基、ハロゲン
    基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基
    を示す)
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の液晶性
    配向膜を用いてなることを特徴とする光学素子。
  8. 【請求項8】 二色性光反応性構成単位を含む潜在的に
    液晶性又は結晶性の樹脂皮膜に、直線偏光の光照射又は
    非偏光の光の斜め方向からの照射を行った後、加熱処理
    を施し、さらに、その樹脂被膜上に、非光反応性液晶性
    物質層を形成することからなる液晶性配向膜の製造方
    法。
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