JPH11325012A - リベット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 均質な接合を可能とし、かつプッシュナット
の弾性を有効に活用すること、更には従来にない効能を
付加したリベットを提供せんとする。 【解決手段】 リベット１の胴部２に差し込まれるプッ
シュナット８の爪９を係止する引掛部３を有することを
特徴とするものであり、又頭部６の裏面に胴部２に向か
って深くなる窪み７を形成してもよく、胴部２の先部が
先端面に開口した中空１３であってもよく、胴部２の先
端部をテーパー１４としてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はリベットに関するも
のであり、リベットの中でもプッシュナットを胴部に差
し込んで部材を接合固定するものに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のリベットは、丸棒の胴部に頭部の
裏面が胴部に対して直角の水平面と成ったものであり、
接合する板状部材の貫通孔に挿通したリベットの胴部の
先端からプッシュナットを差し込み、胴部の先部が挿通
している部材の外面にプッシュナットを当圧して二部材
を接合固定しているのである。

【０００３】プッシュナットに下設した爪が胴部に差し
込まれる時に押し開かれ、爪先端がリベットの胴部の周
囲を弾性によって挾圧することで胴部に固着すると共
に、ナット面で接合部材の一面を押圧するものである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記プッシュナットの
リベットの胴部への差し込みは、治具を用いて人手で行
う場合が多く、この場合、作業者の技術条件、疲労度、
接合場所等の条件或いは接着する板面の状態等によって
差し込まれるプッシュナットに作用する力に差異が生
じ、胴部の固着位置がばらつき、均質な接合を期待でき
ない。

【０００５】又、爪に充分な弾性力を持たせた状態で部
材外面を押圧して差し込んでも、爪先端の胴部周囲面と
の挾持力が不足して治具から解放された時点で戻ってし
まい、その結果、接合力が減圧されてプッシュナットの
弾性を充分に活用できない問題点もある。

【０００６】そこで、本発明は均質な接合を可能とし、
かつプッシュナットの弾性を有効に活用すること、更に
は従来にない効能を付加したリベットを提供せんとする
ものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明のリベットは、リ
ベットの胴部に差し込まれるプッシュナットの爪を係止
する引掛部を有することを特徴とするものであり、又頭
部の裏面に胴部に向かって深くなる窪みを形成してもよ
く、胴部の先部が先端面に開口した中空であってもよ
く、胴部の先端部をテーパーとしてもよい。

【０００８】そして、胴部の引掛部は凹溝又は凸条でも
よく、この凹溝又は凸条は胴部の周囲全面に形成しても
よく、又部分的に有するものであってもよい。更に、引
掛部は胴部の一特定位置の周囲のみであっても、複数の
上下位置の周囲に有するものであってもよい。

【０００９】本発明のリベットの胴部にプッシュナット
を差し込めば、プッシュナットの爪が胴部の引掛部に係
止し戻ることを阻止するものであり、接合部材の厚さに
対して引掛部を特定位置に形成しておけば、プッシュナ
ットの位置が特定し、常に均質な接合固定作用を奏する
ものである。

【００１０】又、リベットの頭部の裏面に窪みを設ける
ことで、頭部のスプリング作用或いはくい込み作用を期
待でき、加圧力を増大できるのである。更に、接合部材
間に接着剤やシール剤を塗布して締結する場合に、加圧
によってリベットの貫通孔から漏れた接着剤やシール剤
を窪み内に受け入れ溜める作用及び密閉作用を奏するの
である。

【００１１】そして、胴部の先部を中空とすることでプ
ッシュナット装着後の余分の先端部の切除を容易とし、
接着剤やシール剤を用いた場合には、貫通孔に漏れ出て
いる接着剤やシール剤を胴部挿通時に中空内へ収容する
作用を奏するものである。

【００１２】更に、胴部の先端部がテーパーであるた
め、貫通孔への挿入及びプッシュナットの差し込みを容
易にする作用を有するものである。

【００１３】

【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図１は、リベット１の胴部２に引
掛部３を設けた一実施の形態を示す正面図であり、引掛
部３が凹溝４で形成してある。凹溝４はプッシュナット
８の各爪９に合わせて同一高さの周囲に分けて形成して
あるが、図２のように周囲全面に凹溝４が形成してあっ
てもよい。

【００１４】図３は、引掛部３が凸条５である一実施の
形態を示す正面図であり、図１の凹溝４のように部分的
に周囲へ形成したものでもよい。更に、複数の位置に設
けたものであってもよく、図４は凸条５で、その一例を
示す正面図である。

【００１５】図５は、使用の状態を示す縦断正面図であ
り、接合部材１０、１０に設けた貫通孔１２へリベット
１の胴部２を挿通し、抜き出た胴部２の先端からプッシ
ュナット８を差し込み押圧し、プッシュナット８の爪９
が引掛部３に係止すると共に挾圧して確実な締結と成る
のである。

【００１６】図６は、リベット１の頭部６に胴部２を向
かって深くなる窪み７を有する一実施の形態を示す縦断
正面図であり、使用時（図７）には頭部６にスプリング
作用やくい込み作用で接合部材１０との加圧を確実と
し、接着剤・シール剤１１等を接合部材１０、１０間に
用いる時には、加圧によって貫通孔１２に漏れ出たもの
を窪み７内に収容でき、密閉性を一層高めるものであ
る。

【００１７】図８は、胴部２の先部に先端面に開口した
中空１３を有する一実施の形態を示す縦断正面図であ
り、先部が中空１３であるためプッシュナット８を差し
込んだ後の余分な先端部分の切除を容易に行えること、
及び貫通孔１２へ漏れ出た接着剤・シール剤１１等を挿
通時に中空１３内に収容することができる（図９）。

【００１８】図１０は、胴部２の先端部がテーパー１４
と成っている一実施の形態を示す正面図であり、貫通孔
１２への挿入及びプッシュナット８の差し込みを容易と
するものである。

【００１９】

【発明の効果】以上のように本発明は、差し込まれたプ
ッシュナットの爪をリベットの胴部に設けた引掛部に係
止することによって、プッシュナットの止める位置のば
らつきが無くなり、均質な接合が可能となる効果を有
し、同時に戻りが阻止されると共に、リベットを引き抜
く方向にかかる力に対しても強くなるものである。

【００２０】そして、頭部裏面の窪みはスプリング効果
により接合部材の加圧を増大させ、確実な締結をできる
こと、及び貫通孔から漏れた接着剤等を収容し、密閉性
を高める効果を発揮するのである。

【００２１】又、胴部の先方部を中空とすることで、プ
ッシュナットの締結後に余分の部分を切除するのに容易
であり、貫通孔に漏れた接着剤等を挿通と共に先端面開
口から収納できるため、プッシュナットに余分な接着剤
・シール剤が付着しない効果を得られる。

【００２２】更に、胴部の先端部をテーパーとすること
で、貫通孔への挿入及びプッシュナットの差し込みが容
易となる効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のリベットの一実施の形態を示す正面図
である。

【図２】本発明のリベットの他の実施の形態を示す正面
図である。

【図３】本発明のリベットの他の実施の形態を示す正面
図である。

【図４】本発明のリベットの他の実施の形態を示す正面
図である。

【図５】本発明のリベットの一使用の状態を示す断面図
である。

【図６】本発明のリベットの他の実施の形態を示す断面
図である。

【図７】図６のリベットの一使用の状態を示す断面図で
ある。

【図８】本発明のリベットの他の実施の形態を示す断面
図である。

【図９】図８のリベットの一使用の状態を示す断面図で
ある。

【図１０】本発明のリベットの他の実施の形態を示す正
面図である。

【符号の説明】

１ リベット ２ 胴部 ３ 引掛部 ４ 凹溝 ５ 凸条 ６ 頭部 ７ 窪み ８ プッシュナット ９ 爪 １０ 接合部材 １１ 接着剤・シール剤 １２ 貫通孔 １３ 中空 １４ テーパー

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 胴部に差し込まれるプッシュナットの爪
   を係止する引掛部を有するリベット。
2. 【請求項２】 引掛部が凹溝又は凸条である請求項１記
   載のリベット。
3. 【請求項３】 頭部の裏面に胴部に向かって深くなる窪
   みを有する請求項１又は２記載のリベット。
4. 【請求項４】 胴部の先部が先端面に開口した中空であ
   る請求項１、２又は３記載のリベット。
5. 【請求項５】 胴部の先端部がテーパーである請求項
   １、２、３又は４記載のリベット。