JPH11323306A - 虹彩箔粉およびそれを用いた物品 - Google Patents

虹彩箔粉およびそれを用いた物品

Info

Publication number
JPH11323306A
JPH11323306A JP13720498A JP13720498A JPH11323306A JP H11323306 A JPH11323306 A JP H11323306A JP 13720498 A JP13720498 A JP 13720498A JP 13720498 A JP13720498 A JP 13720498A JP H11323306 A JPH11323306 A JP H11323306A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal compound
refractive
index metal
foil powder
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP13720498A
Other languages
English (en)
Inventor
Kosuke Kizu
光右 木津
Masayuki Aida
正之 相田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Shindoh Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Shindoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Shindoh Co Ltd filed Critical Mitsubishi Shindoh Co Ltd
Priority to JP13720498A priority Critical patent/JPH11323306A/ja
Publication of JPH11323306A publication Critical patent/JPH11323306A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 色彩および光沢に優れ、高温でも使用可能な
虹彩箔粉およびそれを使用した物品を提供する。 【解決手段】 この虹彩箔粉は、低屈折率金属化合物か
らなる厚さ300〜3000オングストロームの低屈折
率金属化合物層2と、低屈折率金属化合物よりも高い屈
折率を有する高屈折率金属化合物からなる厚さ300〜
3000オングストロームの高屈折率金属化合物層4と
を交互に2層以上積層してなる層構造を具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、装飾性に優れた虹
彩箔粉およびそれを用いた物品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】虹彩箔粉は、例えば薄い樹脂層上に金属
酸化膜等を形成し、それを粉砕して得られるものであ
り、漆器等の装飾品の表面に塗布するなどして装飾性を
高めるために使用されている。この種の虹彩箔粉におい
ては、その光沢や色調を高めて装飾性を向上することが
重要な課題であり、現在まで様々な試みがなされてい
る。
【0003】特開昭61−16968号公報には、樹脂
層上に虹彩層を形成した虹彩箔粉が開示されており、前
記虹彩層は、光線反射膜の片面または両面に、酸化アル
ミニウム等の金属化合物透明薄膜およびアルミニウム等
の半透明金属蒸着膜を形成したものとされている。
【0004】実公平1−36891号公報には、少なく
とも顔料着色樹脂塗膜Aと金属薄膜Bとからなり、A/
Bの順に積層されている虹彩箔粉が記載されている。
【0005】さらに、特公平7−102645号公報に
は、透明または半透明の樹脂からなる保護層と、樹脂か
らなる着色層との間に、クロム等の金属蒸着薄膜、二酸
化珪素等の金属化合物蒸着薄膜、およびアルミニウム等
の金属蒸着薄膜を形成した虹彩箔粉が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来よ
り様々な虹彩箔粉が提案されてきたが、未だに色彩およ
び光沢の点で満足できるものは存在していない。また、
従来の虹彩箔粉はいずれも金属層の耐食性および色彩を
確保する目的で樹脂層を含むため、高温に曝される用途
には使用できず、この点で応用可能な分野が狭いという
問題を有していた。
【0007】本発明は上記事情を鑑みてなされたもの
で、色彩および光沢に優れ、高温でも使用可能な虹彩箔
粉およびそれを使用した物品を提供することを課題とし
ている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る虹彩箔粉
は、低屈折率金属化合物からなる厚さ300〜3000
オングストロームの低屈折率金属化合物層と、前記低屈
折率金属化合物よりも高い屈折率を有する高屈折率金属
化合物からなる厚さ300〜3000オングストローム
の高屈折率金属化合物層とを交互に2層以上積層してな
る層構造を具備することを特徴とする。また、本発明に
係る第1の物品は、本発明に係る虹彩箔粉を含む釉薬を
塗布されて焼結されたものであり、第2の物品は、虹彩
箔粉を含むプラスチックまたはガラスからなるものであ
る。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る虹彩箔粉の
第1実施形態を示す断面拡大図である。この虹彩箔粉
は、低屈折率金属化合物からなる透明または半透明の低
屈折率金属化合物層2と、前記低屈折率金属化合物より
も高い屈折率を有する高屈折率金属化合物からなる透明
または半透明の高屈折率金属化合物層4とを2層積層し
た薄膜を破砕したものであり、樹脂層を含まないもので
ある。
【0010】低屈折率金属化合物は本発明では限定され
ないが、フッ化マグネシウム/屈折率1.35、フッ化
カルシウム/屈折率1.23、一酸化ケイ素/屈折率
1.7、二酸化ケイ素/屈折率1.46、およびフッ化
リチウム/屈折率1.36から選択された物質が膜形成
の容易さおよび製造コストが比較的低いことから好適で
ある。
【0011】高屈折率金属化合物層も本発明では限定さ
れないが、酸化チタン/屈折率2.70、硫化亜鉛/屈
折率2.35、酸化タンタル/屈折率2.16、セレン
化亜鉛/屈折率2.58、および二酸化ジルコニウム/
屈折率2.10から選択された物質が膜形成の容易さお
よび製造コストが比較的低いことから好適である。
【0012】上述した中でも特に、工業的に好ましい材
質の組み合わせは、酸化ケイ素と酸化チタンである。こ
れらはいずれも膜厚のコントロールが容易で、干渉作用
を制御しやすいからである。
【0013】低屈折率金属化合物層2および高屈折率金
属化合物層4の厚さは、本発明では限定されないが、い
ずれも300〜3000オングストロームであることが
望ましい。300オングストローム未満では十分な色彩
および強度が得られにくく、3000オングストローム
より大きいと色彩が低下する上、製造コストがかかる。
【0014】また、低屈折率金属化合物層2の屈折率を
nL、厚さをdLオングストローム、高屈折率金属化合
物層4の屈折率をnH、厚さをdHオングストローム、
λは高反射率化すべき中心波長とした場合に、nL・d
L=1/4λ、かつ、nH・dH=1/4λの関係を満
たすことが好ましい。この関係を満たしたときに、中心
波長の光に対する反射率が最高となる。ただし、1/4
λを中心として±3%程度であれば無視できる。
【0015】第1実施形態では、低屈折率金属化合物層
2および高屈折率金属化合物層4は合計2層だけ形成さ
れていたが、本発明は2層構造に限定されず、3層以上
の層構造とされていてもよい。例えば、図2に示すよう
に、低屈折率金属化合物層2、高屈折率金属化合物層
4、低屈折率金属化合物層6、および高屈折率金属化合
物層8の順で4層形成されていてもよい。この場合、低
屈折率金属化合物層2と低屈折率金属化合物層6は同じ
材質であってもよいし、異なる材質であってもよい。厚
さも同じであっても異なっていてもよい。また、高屈折
率金属化合物層4と高屈折率金属化合物層8は同じ材質
であってもよいし、異なる材質であってもよい。厚さも
同じであっても異なっていてもよい。いずれの場合も、
前述した好ましい関係を満たすことが望ましい。
【0016】本発明ではさらに、6層、8層、10層と
いうように、6層以上の偶数層が積層されていてもよい
し、3,5,7層などの奇数層であってもよい。奇数層
である場合には、その最外層が低屈折率金属化合物層で
あっても高屈折率金属化合物層であってもよいが、最外
層は低屈折率金属化合物および高屈折率金属化合物のう
ち耐食性がより高い方の化合物で形成されていることが
好ましい。本発明において特に好ましい層数は2〜4層
である。
【0017】虹彩箔粉1の粒径は限定されないが、一般
には0.5〜6000μmの範囲が好ましい。0.5μ
m未満の粒子では光沢や干渉色を十分に発揮できない。
また6000μmより大きいと装飾面において均一に分
散しにくい。より好ましくは5〜700μmである。虹
彩箔粉1は粉砕によって得られるものであるから不定形
であると考えられる。よって、粒子形状は限定されな
い。
【0018】上記構成からなる虹彩箔粉1は、以下のよ
うにして製造することができる。まず、真空蒸着機内で
基体に低屈折率金属化合物層(または高屈折率金属化合
物層)を蒸着し、さらに蒸着された金属化合物層の上
に、高屈折率金属化合物層(または低屈折率金属化合物
層)を形成する。このとき使用する基体としては、剛体
を使用することもできるが、虹彩箔粉を連続的に基体か
ら剥離させる観点からすると、エンドレスベルトとされ
たプラスチックフィルム、またはロールに巻回されたプ
ラスチックフィルムであるとよい。フィルムの材質は金
属化合物がフィルムから剥がれやすいもの、例えば、ポ
リプロピレンまたはポリエチレンテレフタレートなどが
特に好適である。基体としてのプラスチックフィルムの
厚さは限定されないが、4〜25μm程度が好適であ
る。
【0019】このようなフィルムのエンドレスベルトを
利用するには、蒸着装置の内部でエンドレスベルトを回
転させながら、その表面に低屈折率金属化合物層2およ
び高屈折率金属化合物層4を順次、蒸着形成していき、
所望の層構造となったら、エンドレスベルトの一部分に
対して高い張力を加え、延び性に乏しい虹彩箔をエンド
レスベルトから剥離させる。あるいは、エンドレスベル
トの表面に形成された虹彩箔を、掻き取りブレードなど
で擦り、虹彩箔を破砕してエンドレスベルトから落とし
てもよい。落ちた虹彩箔を回収して原料とする。
【0020】回収した原料は、適当な粘性を有する液体
中に分散し、この液体を攪拌することにより虹彩箔を所
望の粒度まで破砕する。液体の種類は限定されないが、
ポリビニルアルコール水溶液などが好適である。液体の
粘度は0.6〜50センチポアズ程度が好ましいがこの
範囲には限定されない。攪拌手段としては、一般的なミ
キサーなどが使用できる。攪拌条件は限定されない。攪
拌された液体を、所望粒径に対応したフィルタで濾過す
ることにより、箔粉が得られるから、これを洗浄および
乾燥して虹彩箔粉を得る。
【0021】図3および図4に示すように、本発明の虹
彩箔粉は、最外層として剥離剤層10を具備していても
よい。この剥離剤層10は、虹彩箔粉の製造時に基体
(例えばエンドレスベルト)から虹彩箔粉1を剥離しや
すくするためのものであって、具体的な材質としては、
ポリエステル、尿素樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹
脂、エポキシ樹脂、ニトロセルロース、ポリアミド、ア
セテート樹脂、アクリレート樹脂、マレイン樹脂、酢酸
ビニル樹脂、酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリル樹脂等
から選択される1種または2種以上の樹脂などが使用で
きるがこれらに限定はされない。
【0022】剥離剤層10に要求される物性は、基体と
の密着性が悪いにもかかわらず、その表面に低屈折率金
属化合物層2(または高屈折率金属化合物層4)を均一
に蒸着形成することが容易なことである。剥離剤層10
の厚さは限定されないが、一般には0.3〜1.5μm
が好ましく、より好ましくは0.5〜1.0μmであ
る。0.3μmより薄いと剥離効果が乏しくなる。ま
た、1.5μmを越えると虹彩箔粉1の光沢等の物性に
影響を与える。剥離層は、予め剥離層形成物質を溶媒に
溶解したものを基体表面に塗布した上、溶媒を揮発させ
るなどして形成することが可能である。
【0023】以上のような剥離層は、虹彩箔粉の最外層
に形成されているため、高熱に加熱されると分解してガ
ス化し、虹彩箔粉の本体には影響を与えない。もしも高
温に加熱する際に何らかの悪影響(例えば分解ガスの発
生によるコーティングの膨れなど)を与える可能性があ
れば、虹彩箔を破砕した後に溶媒等により溶解除去すれ
ばよい。剥離剤層10を残しておく場合のメリットとし
ては、虹彩箔粉1の摩擦抵抗が減って分散性がよくなる
ことなどが挙げられる。
【0024】上記構成からなる虹彩箔粉1によれば、低
屈折率金属化合物層2と高屈折率金属化合物層4とを交
互に積層した層構成を有するものであるから、光の干渉
作用により見る角度によって異なる干渉色を発生する
上、上記層構成により特定の波長を選択的に反射するた
め、層構成によって決まる特有の色彩を発し、この特有
の色彩と干渉色により高い装飾性を発揮する。また、本
発明の虹彩箔粉1は内部に金属層を有していないため、
金属層の耐食性向上のための樹脂保護層が不必要であ
り、樹脂層がない分、極めて薄いにもかかわらず、平面
度の高い粒子となっているから、個々の粒子毎に均一な
干渉色および光沢感を発揮し、装飾面にきらきらとした
質感を与えることができる。
【0025】さらに、樹脂層を有していないため、高温
に曝されても樹脂層が分解するなどの問題が無く、高温
に加熱される分野にも適用可能である上、長期使用して
いる間にも樹脂層の黄変などが生じないため、装飾性の
経時劣化が少ないという利点も有する。
【0026】なお、図5は、低屈折率金属化合物として
二酸化珪素(屈折率nL=1.46)と、高屈折率金属
化合物として二酸化チタン(nH=2.20)とを交互
に2層(n=1)、4層(n=2)、6層(n=3)、
および8層(n=4)に積層形成した場合の波長と反射
率の関係をコンピューターでシュミレーションしてグラ
フ化した結果である。n=0は金属化合物層を形成しな
い場合である。各低屈折率金属化合物層の厚さは950
オングストローム、各高屈折率金属化合物層の厚さは6
30オングストロームとした。図5に示すように、2〜
8へ積層数が大きくなるにつれ、550nmにおける反
射率が大きくなり、虹彩箔粉は緑色を呈する傾向を強め
ることがわかった。
【0027】図6および図7は、反射率がもっとも高く
なる波長(nm)とそれが呈する色彩との関係を示すグ
ラフである。反射率がもっとも高くなる波長(nm)と
それが呈する色彩との関係を示すグラフである(共立出
版社「光学薄膜」の160−161頁に記載)。グラフ
の横軸及び縦軸は、それぞれ三色係数x,yを示してい
る。
【0028】次に、虹彩箔粉1を使用した装飾品につい
て説明する。本発明の虹彩箔粉1は以下のような多彩な
用途に使用可能であるが、これら用途に限定されるもの
ではない。 a.陶磁器の釉薬への添加。釉薬中へ虹彩箔粉1を分散
させることにより、陶磁器の表面に、見る角度によって
異なる深みのある色彩を加え、高級感を高めることがで
きる。本発明の虹彩箔粉は、その内部に樹脂層を有しな
いので、焼成時の高温に堪えるし、ガス発生によって釉
薬層中に気泡が生じるなどの問題も生じない。この場
合、剥離層10を有する虹彩箔粉であれば予め剥離剤層
10を除去しておくことが望ましい。
【0029】b.様々な材質からなる製品表面に形成さ
れる透明または半透明のコーティング中に虹彩箔粉1を
分散する。各種塗料(ニス、ペンキ、合成塗料、漆な
ど)に虹彩箔粉1を添加してこれを製品へ塗布すること
により、装飾性に優れたコーティングを形成することが
できる。虹彩箔粉1を用いて螺鈿加工に類似した効果を
得ることも可能である。漆器、ふすま、仏壇、仏具など
の伝統工芸にも使用可能である。
【0030】c.印刷インク中に虹彩箔粉1を添加す
る。透明または半透明の印刷インクに虹彩箔粉1を添加
したものを使用して印刷を行えば、装飾性の高い印刷物
を得ることができる。印刷インクが不透明の場合には、
印刷後の乾いていないインク上に虹彩箔粉1を散布して
もよい。
【0031】d.プラスチック製品の原料に添加する。
透明または不透明プラスチック原料(熱可塑性、熱硬化
性いずれも可能)中に虹彩箔粉1を添加して、これを用
いて周知のプラスチック成形を行うと、塗装を行わなく
ても装飾性の高いプラスチック製品が得られる。
【0032】e.ガラス原料に添加する。透明または不
透明ガラス原料中に虹彩箔粉1を添加して、これを用い
て周知のガラス成形を行うと、内部にきらきら光る虹彩
箔粉1を含んだ装飾性の高いガラス製品が得られる。
【0033】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明の効果を実証す
る。 [実施例]厚さ12μmのポリエステルフィルムに剥離
処理を施して、950オングストローム厚の二酸化ケイ
素層と、630オングストロームの二酸化チタン層を交
互に計4層蒸着形成した。次に、前記ポリエステルフィ
ルムを長さ方向に伸ばしたうえ、掻き取りブレードおよ
びブラシでフィルム上面を擦り、掻き落とした箔粉をさ
らに粉砕および分級して150μm程度の虹彩箔粉を得
た。
【0034】[比較例]厚さ12μmのポリエステルフ
ィルムにアンダーコート用塗料(酢酸ビニル系塗料を染
料にて透明黄色に着色したもの)を塗布して、約0.8
μmのアンダーコート層を形成した。次に、アンダーコ
ート層上にアルミニウムを膜厚600オングストローム
になるように真空蒸着し、さらに前記アンダーコート用
塗料を塗布して約0.8μmのアンダーコート層を形成
した。次に、前記ポリエステルフィルムを長さ方向に伸
ばしたうえ、掻き取りブレードおよびブラシでフィルム
上面を擦り、掻き落とした箔粉をさらに粉砕および分級
して150μm程度の箔粉を得た。
【0035】実施例および比較例の箔粉をそれぞれ陶器
用の釉薬に3%の濃度で添加し、陶器に塗布した上、7
00℃前後の炉内で焼き込んだ。比較例の箔粉は樹脂成
分が黒変して使用不可能だったが、実施例の箔粉を配合
したものは、見る角度に応じて箔粉の色が様々に変化
し、虹彩色を有する優雅な色彩を呈した。さらに、実施
例における二酸化ケイ素層と二酸化チタン層の肉厚を以
下の表1に示すように変えたものも作成したところ、色
調が変化した。さらにまた、釉薬への配合率を変えるこ
とによっても色調が変化することを確認した。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る虹彩
箔粉は、低屈折率金属化合物層と高屈折率金属化合物層
とを交互に積層した層構成を有するものであるから、光
の干渉作用により見る角度によって異なる干渉色を発生
する上、上記層構成により特定の波長を選択的に反射す
るため、層構成によって決まる特有の色彩を発し、この
特有の色彩と干渉色により高い装飾性を発揮する。ま
た、本発明の虹彩箔粉は内部に金属層を有していないた
め、金属層の保護のための樹脂保護層が不必要であり、
樹脂層がない分、極めて薄いにもかかわらず、平面度の
高い粒子となっているから、個々の粒子毎に均一な干渉
色および光沢感を発揮し、装飾面にきらきらとした質感
を与えることができる。
【0038】さらに、樹脂層を有していないため、高温
に曝されても樹脂層が分解するなどの問題が無く、しか
も金属化合物層は化学的に安定で経時劣化が少ないた
め、高温に加熱される分野にも適用可能である上、装飾
性の経時劣化が少ないという利点も有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る虹彩箔粉の一実施形態の断面概
略図である。
【図2】 本発明に係る虹彩箔粉の他の実施形態の断面
概略図である。
【図3】 本発明に係る虹彩箔粉の他の実施形態の断面
概略図である。
【図4】 本発明に係る虹彩箔粉の他の実施形態の断面
概略図である。
【図5】 本発明の実施例における層数と反射波長との
関係を示すグラフである。
【図6】 反射波長と発色の関係を示すグラフである。
【図7】 反射波長と発色の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 虹彩箔粉 2,6 低屈折率金属化合物層 4,8 高屈折率金属化合物層 10 剥離剤層

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低屈折率金属化合物からなる厚さ300
    〜3000オングストロームの低屈折率金属化合物層
    と、前記低屈折率金属化合物よりも高い屈折率を有する
    高屈折率金属化合物からなる厚さ300〜3000オン
    グストロームの高屈折率金属化合物層とを交互に2層以
    上積層してなる層構造を具備することを特徴とする虹彩
    箔粉。
  2. 【請求項2】 前記低屈折率金属化合物は、フッ化マグ
    ネシウム、フッ化カルシウム、一酸化ケイ素、二酸化ケ
    イ素、およびフッ化リチウムから選択された物質であ
    り、前記高屈折率金属化合物層は、酸化チタン、硫化亜
    鉛、酸化タンタル、セレン化亜鉛、および二酸化ジルコ
    ニウムから選択された物質であることを特徴とする請求
    項1記載の虹彩箔粉。
  3. 【請求項3】 前記低屈折率金属化合物の屈折率をn
    L、前記低屈折率金属化合物の厚さをdLオングストロ
    ーム、前記高屈折率金属化合物の屈折率をnH、前記高
    屈折率金属化合物の厚さをdHオングストローム、λは
    高反射率化すべき中心波長とした場合に、nL・dL=
    1/4λ、かつ、nH・dH=1/4λの関係を満たす
    ことを特徴とする請求項1または2記載の虹彩箔粉。
  4. 【請求項4】 前記低屈折率金属化合物層および前記高
    屈折率金属化合物層は交互に偶数層形成されていること
    を特徴とする請求項1〜3記載のいずれかに記載の虹彩
    箔粉。
  5. 【請求項5】 前記低屈折率金属化合物層および前記高
    屈折率金属化合物層は交互に奇数層形成され、その最外
    層は、前記低屈折率金属化合物および前記高屈折率金属
    化合物のうち耐食性がより高い方の化合物で形成されて
    いることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
    虹彩箔粉。
  6. 【請求項6】 前記層構造の最外層上には剥離剤層がさ
    らに形成されていることを特徴とする請求項1〜5のい
    ずれかに記載の虹彩箔粉。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5のいずれかに記載の虹彩箔
    粉を含む釉薬を塗布されて焼結された物品。
  8. 【請求項8】 請求項1〜5のいずれかに記載の虹彩箔
    粉を含むプラスチックまたはガラスからなる物品。
JP13720498A 1998-05-19 1998-05-19 虹彩箔粉およびそれを用いた物品 Withdrawn JPH11323306A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13720498A JPH11323306A (ja) 1998-05-19 1998-05-19 虹彩箔粉およびそれを用いた物品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13720498A JPH11323306A (ja) 1998-05-19 1998-05-19 虹彩箔粉およびそれを用いた物品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11323306A true JPH11323306A (ja) 1999-11-26

Family

ID=15193231

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13720498A Withdrawn JPH11323306A (ja) 1998-05-19 1998-05-19 虹彩箔粉およびそれを用いた物品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11323306A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007059834A (ja) * 2005-08-26 2007-03-08 Sharp Corp 固体撮像装置およびその製造方法、電子情報機器

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007059834A (ja) * 2005-08-26 2007-03-08 Sharp Corp 固体撮像装置およびその製造方法、電子情報機器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100808276B1 (ko) 변색성을 가진 티탄 함유 간섭 안료 및 호일
US6686042B1 (en) Optically variable pigments and foils with enhanced color shifting properties
CN100514092C (zh) 色衍射颜料和箔片
US8916234B2 (en) Method of making thin film structures and compositions thereof
US5008143A (en) Decorative objects with multi-color effects
EP1230307B1 (en) Color shifting carbon-containing interference pigments
JP3430062B2 (ja) 発色構造体
JP3365760B2 (ja) 発色構造体
US5154765A (en) Decorative objects with multicolor effects
JP2004505158A (ja) 複合反射性薄片顔料、該薄片顔料の製造方法及び該薄片顔料を含む着色料
US20030104206A1 (en) Diffractive pigment flakes and compositions
JPH07246366A (ja) 光干渉材及びそれを含有する塗料
US20090081460A1 (en) Reinforced Glitter
JPH11323306A (ja) 虹彩箔粉およびそれを用いた物品
JPS6116968A (ja) 虹彩箔粉
JP2004268502A (ja) フリップフロップ性印刷物
EP0298604B1 (en) Decorative objects with multicolor effects
JPH11320748A (ja) 虹彩箔粉
JPWO2019230954A1 (ja) 金属調加飾用部材及びそれを用いた金属調加飾成形体
JP2961163B2 (ja) 虹彩転写材
EP2067825A2 (en) Reinforced glitter
JP2004124030A (ja) 多層干渉性顔料
JPH06182928A (ja) 虹彩粉
JPH01308699A (ja) 転写箔
JP2005119663A (ja) 合成樹脂製化粧料用容器

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20050802