JPH11322649A - 光学活性アルコールの製造方法 - Google Patents

光学活性アルコールの製造方法

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JPH11322649A
JPH11322649A JP10303951A JP30395198A JPH11322649A JP H11322649 A JPH11322649 A JP H11322649A JP 10303951 A JP10303951 A JP 10303951A JP 30395198 A JP30395198 A JP 30395198A JP H11322649 A JPH11322649 A JP H11322649A
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JP
Japan
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group
reaction
formic acid
amine
optically active
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JP10303951A
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English (en)
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Kazuya Okano
一哉 岡野
Yoshikazu Miyagi
美和 宮城
Hiroshi Iwane
寛 岩根
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 工業的製造においてより少ない触媒量で高い
化学収率、高いeeが得られる光学活性アルコールの製
造方法の提供。 【解決手段】 一般式(I) 【化1】 (式中、R1 及びR2 は、互いに異なり、置換基を有し
ていてもよい芳香族炭化水素基、飽和若しくは不飽和の
脂肪族炭化水素基、環式脂肪族炭化水素基又は複素環基
を表す。また、R1 及びR2 が結合して環を形成しても
よい)で示されるケトン類を、遷移金属触媒及び第三級
アミン類の存在下、ギ酸を水素供与体とする水素移動型
不斉還元反応により還元する際、アミンに対する反応系
に存在するギ酸のモル比が2.2以下の範囲内で反応を
行うことを特徴とする一般式(II) 【化2】 (式中、R1 及びR2 は式(I)と同義である)で示さ
れる光学活性アルコールの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学活性アルコー
ルの製造方法に関する。詳しくは、ケトン類を、アミン
の存在下、ギ酸を水素供与体とする水素移動型不斉還元
反応により還元する方法の改良に関する。本発明の方法
は、医薬、農薬の合成中間体として有用な光学活性α−
メチルベンジルアルコール類の合成に好適である。
【0002】
【従来の技術】光学活性アルコールは医薬、農薬の中間
体として重要な化合物であり、その有効な合成法の一つ
として、ケトンを基質とする水素移動型不斉還元反応が
知られている。水素移動型不斉還元反応はイソプロパノ
ールやギ酸等の水素供与性化合物を水素源とする不斉還
元反応であり、水素ガス還元やボロヒドリド還元に比べ
安全性や経済性の面で優れた反応である。
【0003】NoyoriらはJ.Am.Chem.S
oc.,118,2521(1996)においてギ酸−
トリエチルアミン共沸混合物(ギ酸:トリエチルアミン
=5:2(モル比))を水素源とし、ルテニウム化合物
を触媒とするケトンの不斉還元方法を開示している。本
反応においてはギ酸から生ずる二酸化炭素が系外に除去
されるため、イソプロパノールを水素源に用いた場合に
比べると高い平衡転化率が達成され、また分子触媒によ
り高い不斉収率が達成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記方
法を含め水素移動型不斉還元反応は、本来反応速度が遅
く、触媒に対する基質のモル比(S/C)が200の条
件下でも室温では約20時間の反応時間を要するという
問題がある。本発明は、工業的製造の場合、より少ない
触媒量で高い化学収率、高いエナンチオマー過剰率(以
下、eeと略記する)が得られる光学活性アルコールの
製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討した結果、ケトン類をギ酸を水
素供与体とする水素移動型不斉還元反応により還元する
際、アミンに対するギ酸のモル比を共沸組成比から低下
させることにより反応速度が大幅に向上することを見い
出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明の要旨
は、一般式(I)
【0006】
【化3】
【0007】(式中、R1 及びR2 は、互いに異なり、
置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、飽和若し
くは不飽和の脂肪族炭化水素基、環式脂肪族炭化水素基
又は複素環基を表す。また、R1 及びR2 が結合して環
を形成してもよい)で示されるケトン類を、遷移金属触
媒及び第三級アミン類の存在下、ギ酸を水素供与体とす
る水素移動型不斉還元反応により還元する際、アミンに
対する反応系に存在するギ酸のモル比が2.2以下の範
囲内で反応を行うことを特徴とする一般式(II)
【0008】
【化4】
【0009】(式中、R1 及びR2 は式(I)と同義で
ある)で示される光学活性アルコールの製造方法にあ
る。また、本発明は反応終了後に得られる反応液よりア
ミンを蒸留により回収し、このアミンを反応にリサイク
ルすることを特徴とする光学活性アルコールの製造方法
にある。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明で用いられる原料のケトンは式(I)で示
されるものである。式(I)において、R1 及びR
2 は、具体的には、例えば単環又は多環の芳香族炭化水
素基、直鎖又は分岐のアルキル基、アルケニル基、シク
ロアルキル基等の脂肪族炭化水素基、窒素、酸素、硫黄
等の原子を含有する複素環基を表し、これらの基は更に
置換基を有していてもよい。但し、R1 とR2 は同一で
はない。
【0011】特に本発明方法の適用性が高いケトンは、
式(I)において、R1 及びR2 の何れか一方が、C1
〜C4 のアルキル基であり、他方が、XnAr−基(式
中、Arは芳香族炭化水素基又は複素環基を表し、X
は、水素原子、ハロゲン原子、C1 〜C4 のアルキル
基、C1 〜C4 のアルコキシ基、C1 〜C4 のハロアル
キル基、C1 〜C4 のハロアルコキシ基、C1 〜C4
アルキルチオ基、C2 〜C 6 のアルキニルオキシ基、シ
アノ基、ニトロ基又はアリール基を表し、nは1〜3の
整数を表す。但し、nが2又は3であるとき、Xは同一
でも異なっていても良く、また隣接する二つのXが合体
してArと縮合環を形成してもよい)で示されるケトン
である。
【0012】具体的にはArで示される芳香族炭化水素
基としては、フェニル基、ナフチル基が、また、複素環
基としては、ピリジル基、チエニル基、チアゾリル基等
が挙げられる。Xで示されるハロゲン原子としては、塩
素原子、臭素原子、フッ素原子等;C1 〜C4 のアルキ
ル基又はアルコキシ基としては、メチル基、エチル基、
n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−
ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等のアルキ
ル基及びこれに対応するアルコキシ基等;C1〜C4
ハロアルキル基、ハロアルコキシ基としては、クロロメ
チル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロエチル基、
ペンタフルオロエチル基等のハロアルキル基及びこれに
対応するアルコキシ基等;C1 〜C4 のアルキルチオ基
としては、前述のアルキル基に対応するアルキルチオ基
が例示される。また、アルキニルオキシ基としては、プ
ロパルギルオキシ基、ブチニルオキシ基等が例示され
る。
【0013】またXnAr−については、メチレンジオ
キシフェニル基、エチレンジオキシフェニル基等の隣接
する二個のXが合体してArと縮合環を形成する場合も
ある。本発明の原料として最も好ましい具体例として
は、アセトフェノン、m−クロロアセトフェノン、m−
フルオロアセトフェノン、m−トリフルオロメチルアセ
トフェノン、m−トリフルオロメトキシアセトフェノ
ン、フェニルエチルケトン、フェニルイソプロピルケト
ン、フェニル−n−プロピルケトン、フェニル−n−ブ
チルケトン、1−インダノン、α−テトラロン等が例示
される。
【0014】本発明においては、水素供与体としてギ酸
を用いる。工業的に得られるギ酸としては、種々の含水
量のものが入手可能であるが、本反応においてはなるべ
く水分量の少ないものが望ましく、具体的には99重量
%ギ酸が例示される。原料となるケトンに対するギ酸の
モル比としては1〜100モル倍、好ましくは1〜10
モル倍、更に好ましくは1〜1.2モル倍が例示され
る。
【0015】本反応においてはケトンと等モル量のギ酸
が反応において消費される。ギ酸の仕込方法としては、
等モル量ないし過剰量のギ酸を仕込時に混合させる方法
と、ギ酸を連続的又は間欠的に添加しながら反応を進行
させる方法とがある。ギ酸を添加しながら反応を進行さ
せることが、生産性の向上及び暴走反応の回避の点で有
用である。
【0016】本発明においてはアミンを共存させて反応
を行う。アミンとしてはアンモニア、メチルアミン、ベ
ンジルアミン等の第一級アミン、ジメチルアミン、ジエ
チルアミン等の第二級アミン、トリメチルアミン、トリ
エチルアミン、トリn−プロピルアミン、ピリジン等の
第三級アミンが用いられる。これらの中、第三級アミン
が好適であり、トリメチルアミン、トリエチルアミン、
トリn−プロピルアミン等の第三級脂肪族アミンが好ま
しく、特にトリエチルアミンが好ましい。
【0017】アミンの量は少なくとも触媒に対して過剰
量が必要で、アミンの最適な仕込量は原料ケトンや使用
アミンにより異なるが、通常は原料ケトンに対するアミ
ンのモル比として0.01〜100、好ましくは0.1
〜2の範囲で行われる。本発明はアミンに対するギ酸の
モル比(以下、「ギ酸/アミン比」とする)を2.2以
下の範囲内で行うことを特徴とする。アミンの存在量に
応じてギ酸の最大仕込量が決定される。好ましいギ酸/
アミン比は1以下である。ギ酸は反応の進行に伴い消費
されるので、ギ酸の仕込量がケトンに対して1以下であ
る場合には、反応の進行に伴いギ酸/アミン比は0にな
り反応が停止する。再びギ酸を添加することにより反応
は再開する。
【0018】また種々の第三級アミンはギ酸と共沸混合
物を生成することが知られており(有機合成化学協会
誌,34,No.2,67(1976))、本発明にお
いてギ酸とアミンの供給法としてギ酸−アミン共沸混合
物を使用することも可能である。共沸混合物中のアミン
のギ酸に対するモル比は通常2.3から2.5であり、
本発明においてはギ酸−アミン共沸混合物にアミンを添
加することにより、好適なギ酸/アミン比に調製するこ
とが望ましい。
【0019】本発明の触媒としては、一般的に知られて
いる水素移動型不斉還元触媒が用いられる。触媒の一般
的な形態としては光学活性な配位子を有する遷移金属化
合物であり、これらの例としては、米国特許第4,05
3,521号明細書、特開昭62−273989号公
報、Tetrahedron Lett.38,No.
2,215(1997)、WO97/20789号公報
等に記載された触媒が例示される。遷移金属としてはル
テニウム、ロジウム、イリジウム、サマリウム等が例示
できるが、好ましくはルテニウムである。
【0020】配位子としては光学活性ホスフィン誘導
体、光学活性アミン誘導体、光学活性アミノホスフィン
誘導体、光学活性アミノアルコール誘導体、光学活性ア
ミノ酸誘導体等が知られており、これらの中、光学活性
1,2−ジフェニルエチレンジアミン誘導体が優れてい
る。一般的にはルテニウム化合物と光学活性配位子を塩
基の存在下若しくは不存在下に溶媒中で反応させること
により光学活性触媒を調製する。原料となるルテニウム
化合物としては[RuCl2 (cymene)]2
[RuCl2 (mesitylene)]2 、[RuC
2 (benzene)]2 等のルテニウムアレン錯
体、RuCl2 (PPh3 )等のルテニウムホスフィン
錯体等が挙げられる。調製された光学活性触媒はそれを
含む調製粗液の濃縮物として還元反応に供してもよい
が、好ましくは更に再結晶等の精製操作を行い、純粋な
光学活性錯体として反応に用いる。光学活性1,2−ジ
フェニルエチレンジアミン誘導体を配位子として有する
ルテニウム錯体の典型的な例はWO97/20789号
公報に開示されている。典型的に用いられるルテニウム
アレン錯体、光学活性配位子及び光学活性ルテニウム錯
体を表−1、表−2及び表−3に示す。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】触媒量は基質により異なるが、基質/触媒
モル比(S/C)として100〜100000、通常は
200〜10000で実施される。反応温度は、触媒に
よりその最適温度範囲が異なるため、特に限定されるも
のではないが、好ましくは、−20〜100℃の範囲で
実施する。実用的な反応速度と高いeeを得るためには
10〜60℃の範囲で実施することが更に好ましい。一
般に反応温度を上げると反応時間は短縮され、光学純度
は低下するが、反応の進行に応じて、若しくは最終段階
において温度を上昇させることは光学純度を維持しつつ
化学収率を向上させる方法として有効である。
【0025】本発明において製造される式(II)で示さ
れる光学活性アルコールの具体例としては、光学活性1
−フェニルエタノール、光学活性1−(3−クロロフェ
ニル)エタノール、光学活性1−(3−フルオロフェニ
ル)エタノール、光学活性1−(3−トリフルオロメチ
ルフェニル)エタノール、光学活性1−フェニルイソプ
ロパノール、光学活性1−フェニル−n−プロパノー
ル、光学活性1−フェニル−n−ブタノール、光学活性
1−インダノール、光学活性α−テトラロノール等が例
示される。
【0026】本発明においては反応終了後、アミンは反
応液からの直接蒸留により回収される。回収されたアミ
ンは反応に再利用できる。過剰添加して使用した反応液
中に残留するギ酸はアミンとの共沸混合物として回収で
き、同様に反応に再利用できる。従って、再利用できる
アミンには、アミン自体とギ酸−アミン共沸混合物の両
方が含まれる。必要に応じ触媒と生成物とを分離するこ
ともできる。分離法としては生成物の蒸留や再結晶が一
般的に行われる。
【0027】反応終了後に水と有機溶媒を加え抽出を行
うことは従来知られており、抽出によっても生成物のア
ルコールと反応試剤を分離することができる。有機溶媒
としては分液操作が行えるものであればよく、ヘキサ
ン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素溶媒、トルエ
ン、ベンゼン等の芳香族炭化水素溶媒、エチルエーテ
ル、イソプロピルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル
等のエステル類、ジクロロメタン、クロロホルム等の含
ハロゲン炭化水素溶媒が例示される。抽出された生成物
は蒸留、カラムクロマトグラフィー、再結晶等の一般的
な精製法により精製される。
【0028】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて、更に詳細
に本発明について説明するが、本発明はその要旨を超え
ない限り、以下の実施例に制約されるものではない。な
お、実施例中、eeはエナンチオマー過剰率を示し、S
/Cは触媒に対する基質のモル比を示す。
【0029】参考例1 触媒調整方法 [RuCl2 (cymene)]2 (M−2)の合成 塩化ルテニウム水和物10gにエタノール200ml、
α−テルピネン45ml、水22mlを加え、4時間加
熱還流した後、エタノールの大部分を減圧蒸留で除いて
濃縮した。濾過により得られた結晶をエタノールとヘキ
サンの1:1混合液で洗浄し、減圧乾燥したところ、赤
色の[RuCl2 (cymene)]211.5g(収
率92%)を得た。
【0030】(S,S)−p−トルエンスルホニルジフ
ェニルエチレンジアミン(SS−TsDPEN、L−
2)の合成 (S,S)−ジフェニルエチレンジアミン10.6gを
ジクロロメタン100mlに溶解してトリエチルアミン
7mlを加え、p−トルエンスルホニルクロリド9.5
gを水冷しながら少量ずつ添加した。室温で2時間撹拌
した後濾過して不溶物を取り除き、濾液に水50mlを
加えて振り混ぜ有機層を分取した。更に洗浄の操作を繰
り返した後、硫酸マグネシウムを加えて脱水し濃縮し
た。析出した結晶を濾別し、ジクロロメタンとヘキサン
の1:1混合液で洗浄して減圧乾燥したところ、白色の
(S,S)−p−トルエンスルホニルジフェニルエチレ
ンジアミン16.6g(収率90%)を得た。
【0031】光学活性ルテニウム錯体(SS−TsDP
EN−Ru、C−1)の合成 [RuCl2 (cymene)]2 7.66gと(S
S)−p−トルエンスルホニルジフェニルエチレンジア
ミン9.16gに2−プロパノール150mlとトリエ
チルアミン7mlを加え、窒素下80℃で1時間撹拌し
た。氷冷して析出した結晶を濾過し、2−プロパノール
とヘキサンの1:1混合液で洗浄した。更に水で洗浄し
減圧乾燥してオレンジ色の結晶12.6g(収率79
%)を得た。結晶を除いた後の濾液を濃縮後ジクロロメ
タン30mlを加え、生成した白色の塩を更に濾過によ
り除き、得られた濾液を濃縮して得た褐色固体を水で洗
浄し減圧乾燥したところ、茶褐色の結晶5.3gを得
た。これに2−プロパノール50mlを加えて80℃で
10分窒素下で加熱撹拌し、冷却後析出した結晶を濾過
して2−プロパノールとヘキサンの1:1混合液で洗浄
し減圧乾燥したところ、オレンジ色の結晶1.9g(収
率12%、合計収率91%)を得た。
【0032】実施例1 ギ酸135g(2.93mM)とトリエチルアミン11
8g(1.17mM)を混合した溶液を減圧下に蒸留す
ることにより、45mmHgで沸点119℃の留分を共
沸混合物(以下、TEAFと略記する)137gを得
た。NMRにより分析したところ、TEAF中のギ酸と
トリエチルアミンのモル比はほぼ5:2であった。
【0033】[RuCl2 (cymene)]2 12.
4mg(0.02mM)とp−トルエンスルホニルジフ
ェニルエチレンジアミン14.7mg(0.008m
M)に、水素化カルシウムを加えて脱水蒸留した2−プ
ロパノール2mlとトリエチルアミン11.2μl
(0.08mM)を加え、80℃で1時間、窒素下で加
熱撹拌した(以下、触媒液と称する)。
【0034】触媒液0.3ml(0.006mM)を容
積10mlのフラスコに加え、室温で減圧して溶媒を除
去し赤色固体を得た。ここにTEAF1.0mlとトリ
エチルアミン0.5mlを加えた(ギ酸/トリエチルア
ミン=1.43)。更にm−トリフルオロメチルアセト
フェノン0.564g(3.0mM、S/C500)を
加えて室温で25時間撹拌し、反応液をHPLCで分析
したところ、化学収率97.8%、ee92.2%で目
的のS−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)エタ
ノールが得られた。
【0035】実施例2〜5及び比較例1 ギ酸とトリエチルアミンの比を以下の様に変えた他は実
施例1と同様に室温で25時間の反応を行ったところ、
表−4に示すような化学収率及びeeで目的の光学活性
アルコールが得られた。
【0036】
【表4】 Et3 N:トリエチルアミン
【0037】実施例6 容積300mlの四つ口フラスコにTEAF109g、
トリエチルアミン24.6g(ギ酸1.26mol、ト
リエチルアミン合計0.75mol、HCO2H/Et
3 N=1.69)、m−トリフルオロメチルアセトフェ
ノン105g(558mM)を加えた。SS−TsDP
EN−Ru494g(0.777mM)をDMF3ml
に溶かし、反応液に加えたところ、直ちに発泡が始まっ
た。温度を30℃に保ち、光学活性ガスクロマトグラフ
ィーで追跡しながら反応を行い、25時間で転化率99
%に達した。反応終了後、イソプロピルエーテル74
g、1規定塩酸66gを加え撹拌した後静置した。下水
層を分液し、油層を更に25重量%食塩水79gで洗浄
した。油層に無水硫酸マグネシウム13gを加え脱水し
た後、濾過により塩を除いた。濾液を濃縮し、更に減圧
蒸留を行い、17mmHg、100〜102℃で目的の
S−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)エタノー
ルを化学収率95%、ee93%で得た。
【0038】実施例7 TEAF2ml、トリエチルアミン2ml(ギ酸/トリ
エチルアミン0.98)、m−トリフルオロメチルアセ
トフェノン(以下、MTFAと略記する)3.77g
(20mM、ギ酸/MTFA=1.16)を混合し、こ
こにSS−TsDPEN−Ruの1モル濃度DMF溶液
0.1ml(S/C2000)を加え、50℃で5時間
撹拌した。反応液を光学活性ガスクロマトグラフィーで
分析したところ、化学収率96.2%、ee91.2%
で目的のS−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)
エタノール(以下S−BAと略記する)が得られた。
【0039】実施例8〜13 ギ酸とトリエチルアミンの比を以下の様に変えた他は実
施例7と同様に50℃で5時間の反応を行ったところ、
表−5に示すような化学収率及びeeでS−BAが得ら
れた。
【0040】
【表5】
【0041】実施例14 20mL二つ口フラスコにRu触媒SS−TsDPEN
−Ruを0.891g(1.40mmol)秤り取り、
窒素下でDMF7.0mLを加えて触媒溶液を調製し
た。1L三つ口フラスコにトリエチルアミン282.3
g(2.79mol)を入れ、窒素流通下でギ酸(99
%)133.9g(2.88mol)を冷却しながら少
量づつ加えた。室温に戻してMTFA500.0g
(2.66mol)と触媒溶液6.65ml(1.33
mmol)を加え、バス温50℃で窒素流通下24時間
撹拌したところ、化学収率99.6%、ee90.7%
でS−BAを得た。この反応溶液を減圧下で蒸留し、沸
点37〜40℃/30〜147mmHgでトリエチルア
ミン250gを回収し(回収率95%)、沸点94℃/
11mmHgでS−BA477g(回収率97%)をe
e89.8%で得た。
【0042】実施例15 実施例14にて回収したトリエチルアミン3.19g
(31.5mM)、ギ酸1.64g(35.5mM)、
MTFA5.64g(30mM)を混合し、SS−Ts
DPEN−Ru0.1モル濃度DMF溶液0.1ml
(S/C3000)を加えて50℃で24時間撹拌した
ところ、S−BAを化学収率99.9%、ee92.4
%で得た。
【0043】実施例16 10ml三つ口フラスコにSS−TsDPEN−Ru
1.7mg(2.67μM)、MTFA1.0g(5.
4mM)、トリエチルアミン0.19ml(1.3m
M)を混合した。反応液を50℃で撹拌しながら、ギ酸
0.05ml(1.3mM)を加えた。反応をガスクロ
マトグラフィーで追跡しながら、1時間おきに同量のギ
酸を四回追加し、合成0.25mlのギ酸を4時間で追
加した。5時間後、S−BAが化学収率98.3%、e
e89.5%で得られた。なお、この実施例におけるギ
酸投入量及び系内のギ酸/アミン比の推移を表−6に示
す。
【0044】
【表6】
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、光学活性アルコールを
より少ない触媒量で高い化学収率で且つ高いeeで製造
することができ、その工業的製造において有利である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 C07M 7:00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、R1 及びR2 は、互いに異なり、置換基を有し
    ていてもよい芳香族炭化水素基、飽和若しくは不飽和の
    脂肪族炭化水素基、環式脂肪族炭化水素基又は複素環基
    を表す。また、R1 及びR2 が結合して環を形成しても
    よい)で示されるケトン類を、遷移金属触媒及び第三級
    アミン類の存在下、ギ酸を水素供与体とする水素移動型
    不斉還元反応により還元する際、アミンに対する反応系
    に存在するギ酸のモル比が2.2以下の範囲内で反応を
    行うことを特徴とする一般式(II) 【化2】 (式中、R1 及びR2 は式(I)と同義である)で示さ
    れる光学活性アルコールの製造方法。
  2. 【請求項2】 一般式(I)において、R1 及びR2
    何れか一方が、炭素数1ないし4のアルキル基であり、
    他方が、XnAr−基(式中、Arは芳香族炭化水素基
    又は複素環基を表し、Xは、水素原子、ハロゲン原子、
    炭素数1ないし4のアルキル基、炭素数1ないし4のハ
    ロアルキル基、炭素数1ないし4のアルコキシ基、炭素
    数1ないし4のハロアルコキシ基、炭素数1ないし4の
    アルキルチオ基、炭素数2ないし6のアルキニルオキシ
    基、シアノ基、ニトロ基又はアリール基を表し、nは、
    1ないし3の整数を表す。但し、nが2又は3であると
    き、Xは同一でも異なっていてもよく、また隣接する二
    つのXが合体してArと縮合環を形成してもよい)であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の光学活性アルコー
    ルの製造方法。
  3. 【請求項3】 反応終了後に得られる反応液よりアミン
    を回収し、このアミンを反応系にリサイクルすることを
    特徴とする請求項1又は2に記載の光学活性アルコール
    の製造方法。
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