JPH11320516A - 木質系ボ―ド - Google Patents

木質系ボ―ド

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JPH11320516A
JPH11320516A JP7087099A JP7087099A JPH11320516A JP H11320516 A JPH11320516 A JP H11320516A JP 7087099 A JP7087099 A JP 7087099A JP 7087099 A JP7087099 A JP 7087099A JP H11320516 A JPH11320516 A JP H11320516A
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JP
Japan
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resin
sheet
impregnated
board
wood
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JP7087099A
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English (en)
Inventor
Michitaka Takeshita
道孝 竹下
Takeichi Yoshida
竹一 吉田
Masanori Abe
正紀 阿部
Kenji Inaba
健司 稲葉
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 難燃性、耐火性、防蟻性、防腐性を向上させ
る。 【解決手段】 木質系芯材1の両面に表面材2を積層し
た木質系ボードにおいて、表面材2が樹脂の含浸を可能
とするシート基材21に熱硬化性樹脂を含浸させたシー
ト20からなり、熱硬化性樹脂としてプリプレグ状態に
おけるフロー率が2〜50%であるフェノール樹脂を用
いた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、床、壁、天井、
あるいは柱や家具及びキャビネットなどの下地材、自動
車の内装材さらには各種造作の下地材として好適に使用
される木質系ボードに関する。
【0002】
【従来の技術】防腐性、防蟻性を付与するために不燃性
無機物との複合、化学修飾法、薬剤含浸法が用いられて
いた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】いずれも、処理液中に
木材を浸漬して処理液を木材中に浸透させることにより
木材を改質させるものであるが、この時浸透していくの
は水などの溶媒のみとなってしまい十分な効果を得るに
は熟練した技術が必要となる。さらに価格も高く、作業
性、生産性が悪い。
【0004】そこで、この発明は、難燃性、耐火性、防
蟻性、防腐性、耐傷性に優れ、生産性もよく低コストな
木質系ボードを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、この発明は、木質系芯材の両面に表面材を積層した
木質系ボードにおいて、表面材が樹脂の含浸を可能とす
るシート基材に熱硬化性樹脂を含浸させたシートからな
り、熱硬化性樹脂としてプリプレグ状態におけるフロー
率が2〜50%であるフェノール樹脂を用いたものであ
る。
【0006】
【発明の実施の形態】以下にこの発明の好適な実施例を
図面を参照にしつつ説明する。
【0007】図1では、木質系芯材1の両面に表面材2
を貼着して積層した状態を示し、木質系芯材1として使
用できるものとしては、パーティクルボード、オリエン
テッドウエハーボード、ウエハーボード、木質系繊維ボ
ード(ハードボード、MDF、インシュレーションボー
ド)、木毛セメントボード、木片セメントボード等が挙
げられる。
【0008】表面材2は、樹脂の含浸を可能とするシー
ト基材21に熱硬化性樹脂を含浸させたシート20を使
用し、熱硬化性樹脂としてプリプレグ状態におけるフロ
ー率が2〜50%であるフェノール樹脂を用いた。
【0009】シート20は紙、織布、不織布等からなる
シート基材21(図2参照)に熱硬化性樹脂を含浸させ
たものである。シート基材21として熱硬化性樹脂が含
浸される紙としては、石膏ボード紙、クラフト紙、レー
ヨン紙等が好適に使用できる。織布としては、有機繊維
の織物、ガラス繊維、炭素繊維、無機ウィスカー、ロッ
クファイバー、ロックウール等の無機繊維の織物、アモ
ルファス金属繊維等の織物が好適に使用できる。不織布
としては、ガラス繊維、綿、レーヨン等の原料繊維を接
着もしくは絡み合わせ或いはその双方を用いて機械的・
化学的・加熱的もしくは溶媒を用いる方法、或いはそれ
らの組み合わせによって作られたシート状のものであ
る。繊維原料としては、3〜50mmにカットされた繊
維を湿式抄紙若しくは乾式不織布製造法によりマット化
したものをバインダー樹脂で結合したものが使用に好適
である。繊維原料としては、ガラス繊維単独、若しくは
ガラス繊維とアルミナ繊維、アルミナシリカ繊維、炭素
繊維、金属繊維等の無機系繊維や、アラミド繊維、レー
ヨン繊維、ビニロン繊維、ナイロン繊維、ポリエステル
繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維等の有機
系繊維を単独もしくは複数混合して用いることができ
る。シート基材21の強度を考慮するとともに、樹脂含
浸の容易さ等を考慮したとき、ガラス繊維を用いるのが
好適である。さらに、含浸性、脱泡性、シート基材強
度、ハンドリング、成形品の耐傷性の点から坪量は10
〜1000g/m2であることが好ましく、さらに好ま
しい坪量は50〜250g/m2である。10g/m2
り少ないと、耐傷性が発現しにくく、1000g/m2
より多いと含浸が困難となる。これらの繊維は3mm以
下の短繊維では補強効果が低く、一方50mmを越える
長繊維では均一シート化が困難であり、結果として優れ
た補強効果が得られない。また、3〜15mmの短繊維
が全繊維中20〜100%であることが、強度(補強
性)、不織布の均一性の観点からは好ましい。短繊維が
20%より少ないと均一な不織布とはならない。これら
繊維材料の他に短繊維のセルロースパルプ等を混合する
ことは差し支えない。また、ガラス繊維を用いる場合
は、繊維表面をシランカップリング剤でコートしておく
ことにより、補強効果を高めることができる。
【0010】シート基材21に含浸させる熱硬化性樹脂
としては、表面材としての必要な特性がある樹脂が選択
され、例えば、フェノール類とアルデヒド類との反応に
より得られるフェノール樹脂、末端に反応性のエポキシ
基を持つオリゴマーに硬化剤を添加して得られるエポキ
シ樹脂、熱硬化エチレン酢酸ビニル共重合体、ユリア樹
脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、DAP(ジアリール
フタレート)樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等が例示で
きる。これらの樹脂は単独もしくは複数混合されて主と
して含浸により繊維材料と複合化する。含浸する樹脂溶
液として、水溶液、溶剤ワニス、エマルジョン等いずれ
でもよく、固形樹脂粉末を散布するやり方でもよい。こ
の中でもコスト、安全性の点から水、アルコール等に溶
解もしくは分散させたものを用いることが好ましい。ア
ルコールを用いる場合、ふっ点が低く乾燥しやすいの
で、MeOHが好適である。
【0011】さらにこれらに各種の充填剤、例えばステ
アリン酸鉛、ジブチル錫ジラウレート、カーボンブラッ
ク、炭酸カルシウム、チタンホワイト、雲母、ガラス
球、水酸化アルミニウム、酸化アンチモン、トリ(2,
3ジプロモプロピル)ホスフェート、脂肪族スルフォン
酸塩、高級アルコール酸塩エステル等、熱安定剤、強化
剤、難燃剤、帯電防止剤等を配合して使用することもで
きる。
【0012】また、熱硬化性樹脂にフェノール樹脂を選
んだ場合、フェノール樹脂の製造に必要な触媒として
は、アルキルアミン、アンモニア、水酸化ナトリウム、
水酸化バリウム等が好ましい。特に、アルキルアミン、
アンモニアについては他の2つに比べ分子量も大きく、
分子構造上、水和性が低いので貼り合わせ後の耐水性が
飛躍的に向上する。この時、フェノール樹脂は、固形分
20〜80重量%となるように水又は有機溶媒などの溶
媒に溶解もしくは分散されていることが含浸の容易さの
点から好ましい。フェノール樹脂を溶解もしくは分解さ
せる有機溶媒としては、フェノール樹脂を溶解する能力
が高いことから、メタノール、エタノール等の低級アル
コール、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、
トルエン、キシレン等のうち1種若しくは2種以上混合
して用いられる。特に乾燥の容易さを考慮して、沸点の
低い低級アルコール類、特にメタノールが好適に用いら
れる。固形分が20重量%未満だと必要量含浸すること
が困難となり、80重量%より多いと粘度上昇により含
浸が困難となる。
【0013】熱硬化性樹脂は、プリプレグ状態における
フロー率が2〜50%、さらに好ましくは5〜20%で
あるフェノール樹脂である。フロー率が50%を超える
と、プレス時に脇から樹脂がはみ出してしまうため十分
な耐傷性を発現しない。フロー率が3%未満だと、基材
と樹脂の複合化が不十分となり、プレス時の化粧材3表
面への染み出しが少なくなるため十分な耐傷性を発現し
ない。プリプレグ状態におけるフェノール樹脂のフロー
率は、直径5cmのプリプレグシートを10枚重ね、所
定条件でプレスしたときのはみ出した樹脂の割合(はみ
出した樹脂/全樹脂×100)である。このフロー率と
傷深さの関係を図3のグラフに示す。
【0014】プリプレグシートに含まれるフェノール樹
脂の粘度は、25℃の温度下において0.1〜50ポイ
ズであり、粘度が0.1ポイズ未満であると、耐傷性発
現に十分な量を含浸させることができず、またプレス時
に脇から樹脂がはみ出してしまうために十分な耐傷性を
発現できない。粘度が50ポイズを超えると、樹脂の均
一な含浸が困難となり、またプレス時の一方の表面材2
上に積層する化粧材(図示せず)表面への染み出しが少
なくなるため十分な耐傷性を発現しない。
【0015】熱硬化性樹脂として使用するフェノール樹
脂は、シート基材21に、固形分50〜500g/
2、好ましくは150〜350g/m2になるように含
浸させる。50g/m2未満だと充分な耐傷性を発現し
にくく、500g/m2以下でなければ硬化時間がかか
り、端部からのはみだし等外観上も問題がある。含浸方
法は、例えば図2に示すようにシート基材21をローラ
でフェノール樹脂溶液10中へディッピングし、その後
一定条件下で乾燥させてプリプレグ状態のシート20を
得る。
【0016】シート20としては紙、織布、不織布のい
ずれか1つをシート基材21としてこれに熱硬化性樹脂
を含浸させたものを単独で用いず、例えばこれを複数枚
用いたり、これに紙を貼り合わせたものをシート20と
して用いることもできる。例えば、未硬化のフェノール
樹脂をガラス不織布に含浸させ、これに紙を貼り合わせ
たものを用いれば全体の強度や寸法安定性が飛躍的に向
上する。
【0017】シート基材21に含浸させる熱硬化性樹脂
は含浸後半硬化状態、すなわちプリプレグ状態であるこ
とが望ましく、このプリプレグ状態のシート20を木質
系芯材1上に重ね、このシート20上に化粧材を重ね合
わせ、これらを熱プレスすれば、互いに強固に接着され
る。プリプレグは、繊維補強材と熱硬化性樹脂、その他
必要に応じ熱可塑性樹脂、着色剤、硬化触媒等を混和し
てなる強化プラスチックの、接着性と成形性の能力を残
した硬化終了前の半硬化状態の成形素材であり、好まし
いゲルタイムは150℃の設定温度において30秒〜8
00秒である。
【0018】シート基材21に含浸させる熱硬化性樹脂
を、含浸後半硬化状態にするための乾燥条件として、シ
ート20のできあがり溶媒分率の下限を0重量%、好ま
しくは3重量%以上、さらに好ましくは5重量%以上、
上限を15重量%以下、より好ましくは10重量%以下
とする。15重量%以下でない場合は、シート同士ブロ
ッキングをおこす。また、乾燥時間と温度の関係を表1
に示す。表1で使用した熱硬化性樹脂は有機溶媒に溶解
又は分散させたフェノール樹脂であり、有機溶媒として
メタノールを使用した。表中○はでき上がりのプリプレ
グシートの状態が使用可能、△は使用するにあたりあま
り好ましくない、×は使用不可能を示す。
【0019】
【表1】
【0020】熱硬化性樹脂として水に溶解又は分散させ
たフェノール樹脂を使用したものについて、乾燥時間と
温度の関係を表2に示す。表中○はでき上がりのプリプ
レグシートの状態が使用可能、△は使用するにあたりあ
まり好ましくない、×は使用不可能を示す。
【0021】
【表2】
【0022】上記表1,2からもわかるように、水又は
有機溶媒に溶解又は分散させたフェノール樹脂を使用し
た場合、80〜120℃の温度で乾燥時間3〜30分で
好ましい半硬化状態のシートを得ることができる。
【0023】プリプレグシートの引張強度としては、充
分な耐傷性発現のためには、破断強度10kgf/cm
2以上であることが好ましい。10kgf/cm2未満で
は充分な耐傷性が発現しない。破断強度の測定は、プリ
プレグ状態のシート2を2枚の離型紙間に挟み、150
℃、5分、10kgf/cm2の条件下で熱プレスして
樹脂を硬化させた後のものについて行った。このような
測定は、JIS K7054に準じて行った。
【0024】シート20、木質系芯材1、シート20の
順で積層したもののプレス条件としては、温度130〜
180℃が好ましく、さらには140〜160℃が好ま
しい。130℃より低いと樹脂の硬化が充分でなく、防
蟻性、防腐性、耐傷性が発現できず、180℃より高い
と樹脂の硬化が速すぎて木質系芯材1との接着が不十分
となり、かつ木質系芯材1の反りも大きくなってしまう
ためである。また、圧力としては、1〜20kgf/c
2が好ましく、さらには5〜15kgf/cm2が好ま
しい。1kgf/cm2より低いと樹脂の化粧材へのし
み出しが充分でないために防蟻性、防腐性、耐傷性が低
くなり、20kgf/cm2より大きいと木質系芯材1
の反りが大きくなる等の不都合が生ずる。さらにまた、
プレス時間としては、2.5〜20分間が好ましくさら
に好ましくは3〜12.5分である。2.5分より短い
と樹脂の硬化が充分ではなく、防蟻性、防腐性、耐傷性
が低下し、20分より長いと樹脂の劣化が生じ、防蟻
性、防腐性、耐傷性も低下し、木質系芯材1の反りも大
きくなる。
【0025】これらの樹脂のうち木質系芯材1と自着性
のある樹脂例えばエポキシ樹脂やウレタン樹脂等にあっ
てはそのまま、当該芯材1と自着性の劣る樹脂を使用し
た場合には、この両者の間に適当な接着剤を介して、加
熱圧着して一体の木質系芯材1とするものである。
【0026】中でも、建築用のボードに採用されるもの
としては、木質系芯材1の少なくとも一方側の表面にさ
らに防湿層を積層したもの、さらには、木質系芯材1の
面の少なくとも一方側の表面或いはその内部に耐引張補
強材を配置したものがよい。そして、耐引張補強材は、
木質系芯材1の引張り破断時伸びより大きいものがよ
い。構造的に言えば、木質系芯材1の側面にも防湿層を
備えたものがよい。なお、耐引張補強材としては、ガラ
スマット、ガラスペーパー、ガラス不織布の他、セラミ
ック、ロックウール等の無機系のものや、ポリエステ
ル、アクリル、ビニロン、ポリプロピレン等の有機系の
織物、ネット、不織布等が挙げられる。
【0027】かかる構造の建築用のボードにあっては、
置床に用いられた場合には、置床の上から加わる荷重に
より木質系芯材1の断面内に発生する引張応力側に、そ
の応力に抗することができる耐引張補強材を前記芯材1
の内部或いはその表面に配置することになる。このよう
にすれば、超荷重に対処できるだけでなく、加湿繰返し
による材料の寸法変化量を小さくした、寸法安定性に優
れる例えば置床用木質系ボードを提供できる。
【0028】耐引張補強材として例えば合板を用いたも
のにあっては、木質系芯材1のヤング係数よりも大きい
ものが採用され、木質系芯材1のパーティクルボード単
体が約15000〜25000kg/cm2であるのに
対し、合板は約60000kg/cm2のものとなって
いる。
【0029】表面材2としての防湿層のうち、芯材1の
表面に塗布するものとしては、アクリル、ウレタン、エ
ポキシ、フェノール等の樹脂が挙げられ、また、高分子
材料からなる各種のフィルムも使用可能である。さら
に、シート状のものとしては紙、布、樹脂等が挙げられ
る。この防湿層は、芯材1の表裏面のみならず側面(木
口部)に施すのが望ましい。
【0030】木質系芯材1としてパーティクルボードを
用い、ガラス繊維の不織布をシート基材21とし、この
基材21にフェノール樹脂を含浸させたプリプレグ状態
のシート20を重ね、180℃、10kg/cm2の条
件で10分間プレスして木質系芯材1の両面に表面材2
を形成した厚さ12mmのこの発明の実施例と厚さ12
mmのパーティクルボード単体からなる比較例との耐火
性能を比較した。耐火性能の評価は、JIS A 13
04−1975の「建築構造部分の耐火試験方法」に準
じて行なった。上記実施例の試験体Aと比較例の試験体
Bとをプロパンガスを熱源とする加熱炉内に鉛直に保持
し、片面から加熱し、試験体の面密度(kg/cm2
の違いによる燃え抜け時間(分)を観察した。その結果
は、図4に示すグラフのようになった。図4からも明ら
かなように、この発明の実施例は耐火性能が向上してい
る。また、加熱は表3に示すように、時間とともに加熱
温度を上昇させていった。なお、図4中の「燃え抜け時
間」とは、試験体の加熱される面とは反対の面側から、
加熱炎が目視できる隙間または孔があくまでの時間とし
た。
【0031】
【表3】
【0032】次に、難燃性の性能評価を上述のこの発明
の実施例に係る試験体Aと、ガラス繊維不織布に20重
量%の炭酸カルシウムを分散させたフェノール樹脂を含
浸させた点を除いて試験体Aと同一条件で製造された試
験体Cとで行なった。その結果を表4に示す。
【0033】
【表4】
【0034】表4中の酸素指数(O.I.)は、JIS
K 7201に規定するように、所定の試験条件下に
おいて、材料が燃焼を持続するのに必要な酸素中の容量
パーセントで表される最低酸素濃度の数値をいう。難燃
試験は、JIS A 1321に準じて行ない、表4中
の「煙」は単位面積当たりの発煙係数(CA)をいい、
「残煙」は加熱終了後の煙が消えるまでの時間である。
発煙係数は、CA=240 log 10 I0/I、で求めら
れ、I0は加熱試験開始時の光の強さ(Ix)、Iは加
熱試験中の光の強さの最低値(Ix)である。
【0035】上記試験体Aの木口面をエポキシ樹脂でシ
ールした試験体Dと上記試験体Aとの耐蟻性の試験を行
なった。この試験は、試験体A,Dを夫々アカマツ木片
の上にのせ、この上に同じアカマツの木片を置いてはさ
み、これをイエシロアリ飼育巣に設置して、28℃の暗
室内でイエシロアリの食害を暴露し、3ヶ月放置した結
果を目視による形状変化で評価した。試験体Aについて
は側面から内部に侵入し食害したが、試験体Dにおいて
は全く食害は認められなかった。尚、試験体Aにおいて
も表面からの食害は認められなかった。
【0036】さらに、上記試験体A,Dで耐朽性試験を
行なった。試験方法は、日本木材保存協会(JWPA)
規格の第3号−1979の「木質材料の耐朽性試験方
法」にほぼ準拠して行なった。すなわち、供試菌として
褐色腐朽菌のオオウズラタケ(Tyromyces palustris )
と、白色腐朽菌のカワラタケ(Coriolus versicolor )
を用い、マヨネーズびんに石英砂と培養液(グルコー
ス、ペプトン、麦芽抽出液の組成)を入れて培地とし
た。振とう培養した菌糸粒を振り掛け、その菌そうが十
分広がったところで、試験体A,Dを培養びん中に設置
し、26℃の培養室内で3ヶ月間腐朽させた。試験体
A,Dは、腐朽操作の前後、60℃で乾燥させて恒量
(W1,W2)を求めた。試験体A,Dの減少率は、
〔(W1−W2)/W1〕×100で計算した。その結
果は、次の表5に示す通りであった。なお、試験体Aに
ついて、表面材2からの腐食は認められず、木口面から
の腐食のみであった。
【0037】
【表5】
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、木質系芯材の両面に表面材を積層した木質系ボード
において、表面材が樹脂の含浸を可能とするシート基材
に熱硬化性樹脂を含浸させたシートからなり、熱硬化性
樹脂としてプリプレグ状態におけるフロー率が2〜50
%であるフェノール樹脂を用いたので、シートの熱硬化
性樹脂が木質系芯材に含浸し、難燃性、耐火性、防蟻
性、防腐性を向上させ、表面材上に化粧材を積層すると
き、化粧材にも熱硬化性樹脂が含浸して硬化するので耐
傷性も向上する。また、木質系芯材に表面材や化粧材を
接着するための接着剤は不要となり、熱プレスするだけ
で木質系芯材上に表面材などを貼り合わせることがで
き、製造も容易である。さらに、温度や湿度の変化に対
してもシートの存在により寸法安定性に優れ、強度面で
も向上する。さらにまた、水又は有機溶媒に溶解又は分
散されるフェノール樹脂を用いれば、安価かつ容易に製
造でき、耐傷性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の好適な実施例を示す断面図。
【図2】シートの製造例を示す説明図。
【図3】フロー率と傷深さの関係を示すグラフ。
【図4】耐火試験の結果を示すグラフ。
【符号の説明】
1 木質系芯材 2 表面材 20 シート 21 シート基材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木質系芯材の両面に表面材を貼着した木
    質系ボードにおいて、 表面材が樹脂の含浸を可能とするシート基材に熱硬化性
    樹脂を含浸させたシートからなり、 熱硬化性樹脂としてプリプレグ状態におけるフロー率が
    2〜50%であるフェノール樹脂を用いたことを特徴と
    する木質系ボード。
  2. 【請求項2】 木質系芯材の両面に表面材を貼着した木
    質系ボードにおいて、 表面材が樹脂の含浸を可能とするシート基材に熱硬化性
    樹脂を含浸させたシートからなり、 前記シートは熱硬化性樹脂をシート基材に対し固形分5
    0〜500g/m2になるように含浸させた後に半硬化
    状態にしたものであることを特徴とする木質系ボード。
  3. 【請求項3】 木質系芯材の両面に表面材を貼着した木
    質系ボードにおいて、 表面材が樹脂の含浸を可能とするシート基材に熱硬化性
    樹脂を含浸させたシートからなり、 シートがガラス繊維単独もしくは他の繊維と混合された
    繊維から構成されたガラス不織布に熱硬化性樹脂を含浸
    させたものであることを特徴とする木質系ボード。
  4. 【請求項4】 木質系芯材の両面に表面材を貼着した木
    質系ボードにおいて、 表面材が樹脂の含浸を可能とするシート基材に熱硬化性
    樹脂を含浸させたシートからなり、 シートの引張り強度が、150℃のプレス温度かつ10
    kgf/cm2のプレス圧力で5分間熱プレスされた後
    において10kgf/cm2であることを特徴とする木
    質系ボード。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002361608A (ja) * 2001-06-05 2002-12-18 Earth Chem Corp Ltd 木質材料用表面材およびその表面材を使用した家具類、建材類または住宅部品類
JP2011218777A (ja) * 2010-02-10 2011-11-04 Hitachi Chem Co Ltd 木質系化粧板

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