JPH11315068A - 2,3,5,6―テトラフルオロピリジンの製造方法 - Google Patents

2,3,5,6―テトラフルオロピリジンの製造方法

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JPH11315068A
JPH11315068A JP4428199A JP4428199A JPH11315068A JP H11315068 A JPH11315068 A JP H11315068A JP 4428199 A JP4428199 A JP 4428199A JP 4428199 A JP4428199 A JP 4428199A JP H11315068 A JPH11315068 A JP H11315068A
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JP
Japan
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pentafluoropyridine
tetrafluoropyridine
borohydride
reaction
alkali metal
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JP4428199A
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Akira Yazaki
明 矢崎
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Wakunaga Pharmaceutical Co Ltd
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Wakunaga Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 ペンタフルオロピリジンにアルカリ金属
ボロハイドライドを反応させる2,3,5,6−テトラ
フルオロピリジンの製造方法。 【効果】 本発明によれば、ペンタフルオロピリジンか
ら一段階で収率良く2,3,5,6−テトラフルオロピ
リジンを合成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2,3,5,6−
テトラフルオロピリジンの効率的な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】2,3,5,6−テトラフルオロピリジ
ンは、WO97/11068号公報に記載の優れた抗菌
活性を有するピリドンカルボン系合成抗菌剤を合成する
ための出発原料となる汎用化学中間体であるが、その製
造方法については、米国特許第3,317,542号明
細書において、ペンタフルオロピリジンを原料として以
下のような方法が開示されている。第一は、ペンタフル
オロピリジンを2,3,5,6−テトラフルオロ−4−
プロペニルピリジンに導いた後、濃硝酸で処理して2,
3,5,6−テトラフルオロピリジン−4−カルボン酸
とし、さらにこれを高温に加熱して脱炭酸することによ
り2,3,5,6−テトラフルオロピリジンを得る方法
であり(総収率17%);第二は、ペンタフルオロピリ
ジンを2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ヒドラジ
ノピリジンに導いた後、硫酸銅で処理して2,3,5,
6−テトラフルオロピリジンを得る方法であり(総収率
41%);第三は、ペンタフルオロピリジンを窒素雰囲
気下、低温(−20℃)で直接リチウムアルミニウムハ
イドライドで還元することにより2,3,5,6−テト
ラフルオロピリジンを得る方法である(クロマトグラフ
データからの収率74%)。
【0003】上記の第一及び第二の方法は、いずれも多
段階反応であり総収率も不十分であり、第三の方法は、
一段階反応であるが、発火性や空気中水分との反応性が
あるリチウムアルミニウムハイドライドを還元剤として
用いるため、窒素などの不活性ガス下での低温の反応及
び後処理工程を要する上に、反応が完結しづらく低沸点
の原料ペンタフルオロピリジン(沸点、83〜85℃)
との精留による分離を必要とするなどの問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、従来技術が有していた多段階反応、低収率、取り扱
いに特殊な操作を要する還元剤の使用などの問題点を解
決し、工業的に安全で簡便かつ高収率な2,3,5,6
−テトラフルオロピリジンの合成法を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる実
情に鑑み、ペンタフルオロピリジンを水素化する方法に
より、工業的に安全で簡便に2,3,5,6−テトラフ
ルオロピリジンを製造する方法を得るべく種々検討した
結果、驚くべきことに、リチウムアルミニウムハイドラ
イドよりも反応性の低いとされているアルカリ金属ボロ
ハイドライドを用いた場合に反応が極めて速やかに進行
し、出発物質であるペンタフルオロピリジンを残存させ
ることなく、高収率で2,3,5,6−テトラフルオロ
ピリジンが得られることを見い出し、本発明を完成し
た。
【0006】即ち、本発明は、ペンタフルオロピリジン
にアルカリ金属ボロハイドライドを反応させることを特
徴とする2,3,5,6−テトラフルオロピリジンの製
造方法に係るものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明で用いられるアルカリ金属
ボロハイドライドとしては、ソジウムボロハイドライ
ド、ポッタシウムボロハイドライド、リチウムボロハイ
ドライドなどが挙げられる。これらは何れも工業的に容
易に入手でき、発火性や空気中水分との反応性が極めて
低く取り扱いが容易なものであるが、中でもソジウムボ
ロハイドライドが特に好ましい。
【0008】これらのアルカリ金属ボロハイドライドを
使用する場合、添加物を加えて反応性を制御する手法は
広く行われており、本発明においてもこうした添加物を
用いることが可能である。添加物の一例としては、塩化
亜鉛、塩化すずや塩化ニッケルなどの金属塩、ピリジ
ン、ブタンチオール、酢酸、イソプロピルアルコールな
どの有機化合物、テトラオクチルアンモニウム塩、トリ
ブチルヘキサデシルホスホニウム塩やクラウンエーテル
などの相間移動触媒、アルミナやアンバーライトなどの
担体などが挙げられるが、その他にも多様な添加物が知
られており、例えばリエージェントオブオーガニックシ
ンゼシス第1巻(ウィリーインターサイエンス社発行)
に記載されている添加物も反応に障害を与えない範囲で
使用可能である。これらの添加物の中には、添加により
アルカリ金属ボロハイドライドとは別の反応種と認識さ
れる反応種を生成するものが存在する。例えば、ソジウ
ムボロハイドライドへの塩化亜鉛の添加は、ジンクボロ
ハイドライドを生成し、また、トリフルオロ酢酸の添加
はソジウムトリフルオロアセトキシボロハイドライドを
生成するが、本発明はこれらの添加物との反応によって
生成した反応種の使用を当然ながら包含するものであ
る。
【0009】使用するアルカリ金属ボロハイドライドの
量としては、使用するペンタフルオロピリジン1モルに
対して、1当量〜4当量が好ましく、更に2〜3当量が
より好ましい。
【0010】本発明を行うには溶媒を用いるのが好まし
く、当該溶媒としては、原料であるペンタフルオロピリ
ジンおよびアルカリ金属ボロハイドライドとの間で不都
合な副反応を起こさないものであればいかなる溶媒を用
いてもよいが、エーテル系溶媒、例えば、ジエチルエー
テル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメ
トキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ジエチレン
グリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジ
エチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエー
テルなどが好ましい。
【0011】一般に反応温度は、0℃〜ペンタフルオロ
ピリジンの還流温度でよく、好ましくは、室温〜ペンタ
フルオロピリジンの還流温度である。
【0012】反応終了後、反応液から直接蒸留する、
不溶物を濾過などの方法で除去し、濾液を直接蒸留す
る、水を加えて分液した後蒸留する等、適当な方法で
目的物である2,3,5,6−テトラフルオロピリジン
を得ることができる。
【0013】また、本反応はきわめて選択性が高く不純
物の含有量も少ないため、場合によっては、反応終了後
の2,3,5,6−テトラフルオロピリジンを含有する
濾液を直接引き続き所望の反応に用いることも可能であ
る。
【0014】
【実施例】次に実施例及び参考例を挙げて本発明を更に
詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定さ
れるものではない。
【0015】実施例1 ペンタフルオロピリジン16.9g(0.1モル)を、
2.65g(0.07モル、2.8当量)のソジウムボ
ロハイドライドとともに水浴上で攪拌している中に、ジ
エチレングリコールジメチルエーテル4mlを少量ずつ
加えた。水浴上で18時間攪拌後、50〜60℃で20
時間攪拌した。反応液をそのまま蒸留し、102〜10
3℃(文献値102℃)の留分として、11.05g
(収率73%)の2,3,5,6−テトラフルオロピリ
ジンを無色の液体として得た。
【0016】実施例2 ペンタフルオロピリジン16.9g(0.1モル)を、
3.1g(0.084モル、3.4当量)のソジウムボ
ロハイドライドとともに水浴上で攪拌している中に、ジ
エチレングリコールジメチルエーテル3mlを少量ずつ
加えた。発熱がおさまった後、60℃で5時間攪拌し
た。冷却後不溶物を濾別、約5mlのジエチレングリコ
ールジメチルエーテルで濾過物を洗浄した。濾・洗液を
あわせて分留した。102〜104℃の留分として、
8.8g(収率58%)の2,3,5,6−テトラフル
オロピリジンを無色の液体として得た。
【0017】実施例3 ペンタフルオロピリジン55.5g(0.33モル)
を、9.0g(0.24モル、3.0当量)のソジウム
ボロハイドライド、0.7gのベンジルトリエチルアン
モニウムクロリドとともに100mlジエチルエーテル
と120mlのテトラヒドロフランの混液に加え、50
℃で30時間撹拌した。冷却後不溶物を濾別し、分留
し、42.8g(収率86%)の2,3,5,6−テト
ラフルオロピリジンを無色の液体として得た。
【0018】実施例4 ペンタフルオロピリジン34g(0.2モル)を、6.
0g(0.16モル、3.2当量)のソジウムボロハイ
ドライドとともに60mlのテトラヒドロフランに加
え、水浴上で20時間、ついで60℃で5時間撹拌し
た。冷却後、不溶物を濾別し、60mlのテトラヒドロ
フランで洗浄し目的とする2,3,5,6−テトラフル
オロピリジンを含有する濾液を得た。
【0019】この濾液に、26.8gのベンジルアミン
と24.0gのトリエチルアミンを加えて、室温で16
時間、ついで60℃で7時間撹拌した。減圧下に濃縮
し、残渣に50mlの酢酸エチル、50mlのn−ヘキ
サンを加え、200mlの蒸留水で1回、50mlの1
0%クエン酸水溶液で2回、50mlの10%炭酸ナト
リウム水溶液で1回、50mlの蒸留水で1回洗浄し
た。有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥ご減圧下に濃
縮した。結晶性残渣として、34.4g(収率72%)
の2−ベンジルアミノ−3,5,6−トリフルオロピリ
ジンを得た。
【0020】1H-NMR(CDCl3)δ;4.58(d,J=6Hz,2H),4.81
(brs,1H),7.23(m,1H),7.35(m,5H)
【0021】この工程において、最初の還元反応におい
て原料であるペンタフルオロピリジンが残留していれ
ば、このもののベンジルアミンに対する反応性は、目的
生成物の2,3,5,6−テトラフルオロピリジンのベ
ンジルアミンに対する反応性に比して格段に高いので、
最終生成物である2−ベンジルアミノ−3,5,6−ト
リフルオロピリジンに、4−ベンジルアミノ−2,3,
5,6−テトラフルオロピリジンが混入するが、TLC
(メルク社製、シリカゲル60F254ガラスプレー
ト、展開溶媒:クロロホルム・n−ヘキサンの等容量混
液、2−ベンジルアミノ−3,5,6−トリフルオロピ
リジンのRf値=0.6、4−ベンジルアミノ−2,
3,5,6−テトラフルオロピリジンのRf値=0.
5)での分析において、上記生成物中の2−ベンジルア
ミノ−3,5,6−トリフルオロピリジンは検出限界
(1%)以下であった。
【0022】実施例5 ソジウムボロハイドライド1.5g(40ミリモル)
を、6mlのジエチレングリコールジメチルエーテルに
攪拌しながら加えた。上部に8.5gのペンタフルオロ
ピリジンを入れた側管付き滴下ロートをセットした。こ
れから10滴を滴下すると直ちに反応し、発熱・発泡が
観測された。室温近くに戻し、ペンタフルオロピリジン
10滴を滴下し反応を確認するサイクルを繰り返した。
最終的な滴下においても反応はきわめて速やかに進行し
発熱がみられた。一晩室温で攪拌した後、10mlの蒸
留水を滴下した。2mlの濃塩酸を少量ずつ加え不溶物
を溶解した。分液し、有機層(下層)を分離し、無水硫
酸マグネシウムで乾燥後に蒸留し、6.1g(収率80
%)の2,3,5,6−テトラフルオロピリジンを無色
の液体として得た。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、ペンタフルオロピリジ
ンから一段階で収率良く2,3,5,6−テトラフルオ
ロピリジンを合成することができる。また、実施例4で
示したように、原料であるペンタフルオロピリジンを残
存させることなく2,3,5,6−テトラフルオロピリ
ジンを合成することができるため、リチウムアルミニウ
ムハイドライドを還元剤として用いた場合に必要であっ
た原料化合物との精留による分離操作が必要でなくな
る。更に、反応に際し、還元剤として反応性が極めて低
く取り扱いが容易なアルカリ金属ボロハイドライドを用
いるため、後処理工程が極めて簡便であるという特徴を
有する。従って、本発明の方法は、2,3,5,6−テ
トラフルオロピリジンの工業的製造に適し、合成抗菌剤
の安定的供給に役立つものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ペンタフルオロピリジンにアルカリ金属
    ボロハイドライドを反応させることを特徴とする2,
    3,5,6−テトラフルオロピリジンの製造方法。
  2. 【請求項2】 アルカリ金属ボロハイドライドが、ソジ
    ウムボロハイドライドである請求項1記載の製造方法。
JP4428199A 1998-03-04 1999-02-23 2,3,5,6―テトラフルオロピリジンの製造方法 Pending JPH11315068A (ja)

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JP4428199A JPH11315068A (ja) 1998-03-04 1999-02-23 2,3,5,6―テトラフルオロピリジンの製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5200898 1998-03-04
JP10-52008 1998-03-04
JP4428199A JPH11315068A (ja) 1998-03-04 1999-02-23 2,3,5,6―テトラフルオロピリジンの製造方法

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