JPH11313670A - 磁性担体、その製造方法及びこれを用いた核酸抽出方法 - Google Patents

磁性担体、その製造方法及びこれを用いた核酸抽出方法

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JPH11313670A JP36769198A JP36769198A JPH11313670A JP H11313670 A JPH11313670 A JP H11313670A JP 36769198 A JP36769198 A JP 36769198A JP 36769198 A JP36769198 A JP 36769198A JP H11313670 A JPH11313670 A JP H11313670A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】磁性体含有量や形状、粒径、細孔径を制御する
ことができ、強度、吸着効率に優れた磁性担体、このよ
うな磁性担体を簡便に製造できる方法、さらにこの磁性
担体を用いて簡便で自動化が可能な核酸の抽出方法を提
供する。 【解決の手段】磁性体を含むシリカ粒子の表面にポリア
クリルアミドをアクリルアミドモノマー換算量として
0.3〜5mmol/g有する磁性担体、この磁性担体
の表面をカップリング剤で処理した後にアクリルアミド
及び/又はポリアクリルアミドと反応させる製造方法、
及びこの磁性担体を用いた核酸抽出方法を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は吸着剤や抽出剤とし
て好適な、表面にポリアクリルアミドを有し、その磁性
体含有量や形状、粒径、細孔径が制御された磁性担体、
その製造方法、さらにこの磁性担体を用いた核酸の抽出
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より吸着剤や吸着剤を担持するため
の固相担体としてはシリカ粒子等が良く知られている
が、これらを用いる場合、その回収のためには遠心分離
法や、あるいはフィルターによる濾過等を行わなければ
ならなず、簡便な方法ではなかった。また、吸着、抽出
操作においては、目的とする吸着物や抽出物とそれ以外
の他の物質とを分離する必要があるが、従来の遠心分離
法やカラム分離法等の手法では分離のみでも長時間を要
し、また大規模な装置も必要とすることがあるなど簡便
な方法ではなかった。
【0003】そのため、目的の物質を分離する手段とし
て、例えば特開昭60−244251号公報に記載のよ
うに、粒子に強磁性体を付加し、磁場を与えることによ
り、目的の粒子を回収するという方法が用いられてい
た。しかしながら、この方法では、吸着、抽出、反応操
作等において、強磁性体自身が自己会合してしまうこと
があり、さらに磁場をかけるとさらに自己会合しやすく
なることがあるなど、粒子が均一に分散した状態にてそ
の操作を実施したい場合においても粒子の存在状態を自
由に制御できないという課題があった。
【0004】近年、強磁性体自身の自己会合をなくす方
法として、特開昭61−181967号公報には磁性体
として超常磁性体を用いた方法が、特表平4−5019
57号公報には検体を固定する固相として超常磁性体を
含んだ磁性粒子を用い、蛋白質、細胞、DNAの分離、
分析等に利用できることが開示されている。また、特許
第2554250号公報には、ゲルマトリックスに超常
磁性磁気反応性物質を捕捉させ運動性の高い試薬担体に
ついて開示している。これらに記載の超常磁性磁気粒子
は、酸化鉄等の磁性体を永久磁性を維持するのに必要な
磁区の大きさより小さい微粒子にして粒子中に含ませた
もので、外部磁場をかけず、凝集させる時に外部磁場を
かけて溶液中の粒子を凝集させる方法である。しかしな
がら、これらの方法においても、磁性粒子の物性を十分
に制御したものとはいえず、磁性粒子を種々の用途に応
じてその物性を十分に制御し、最適な磁性粒子を製造す
る方法が望まれていた。特に、磁性粒子の粒子径、細孔
径及びその容積、比表面積、磁性粒子中の磁性体の量や
表面のシリカなどの濃度、といった磁性粒子の特性を制
御することでその目的に応じ最適な粒子を得る方法が望
まれていた。
【0005】また、シリカ粒子を吸着剤または抽出剤と
して使用する場合、目的の吸着物や抽出物に応じて予め
シリカ粒子の表面に特定の官能基を導入したり、核酸な
どを吸着させて用いてきた。例えば、高速液体クロマト
グラフィー用のゲルのように、特定の官能基をゲルに導
入して用いられてきた。しかしながら、従来の方法では
導入した官能基が剥離して官能基の量が減少し、その結
果吸着剤として使用する際に性能の劣化が起こってしま
う、といった問題が生じることがあった。
【0006】磁性シリカ粒子へのポリアクリルアミドの
導入方法としては、磁性シリカ粒子とアクリルアミドを
混合し、重合反応を行い、ゲルにポリアクリルアミドを
担持する方法がある。しかしながら、この方法ではゲル
とポリアクリルアミドとの間には直接的な結合はなく、
単にポリアクリルアミドがゲルを覆っているだけである
ため、吸着や抽出操作中にゲルとポリアクリルアミドが
分離してしまうという問題があった。
【0007】また、ゲルのような担体とポリアクリルア
ミドとの間に結合を形成させるためには、ゲルとポリア
クリルアミドを反応させる必要がある。この場合、一定
量のポリアクリルアミドをゲル上の官能基と直接反応さ
せてゲルにポリアクリルアミドを一定量導入することは
困難であり、たとえできたとしてもその性能の再現性に
問題があるため、再現性よく担体に目的量のポリアクリ
ルアミドを導入することが望まれていた。
【0008】また、特開平9−19292号公報に記載
のように核酸を吸着する担体としてシリカ粒子を使用す
ることが知られており、核酸とシリカ粒子との吸着はシ
リカ表面の水酸基と核酸の塩基との間の水素結合が関与
していると言われている。シリカ粒子を核酸吸着用に用
いる場合、核酸分子がかさ高いために立体障害が生じ、
シリカ粒子の表面のみでは吸着が起こりにくくなったり
し、吸着量に再現性がないという問題があった。
【0009】さらに、特表平4−501959号公報に
は磁性粒子の表面にオリゴヌクレオチド分子を担持した
ものが開示されている。しかしながら、この場合には、
吸着あるいは抽出したい核酸の種類に応じて、磁性粒子
表面に吸着あるいは抽出する核酸と相補的な配列からな
るオリゴヌクレオチドを固定化する必要がある。そのた
め、対象となる核酸にあわせて、相補的な配列からなる
オリゴヌクレオチドを固定化した磁性粒子を準備する必
要が生じる。従って、臨床の現場においては、目的核酸
を吸着あるいは抽出するために、多種類のオリゴヌクレ
オチド固定化磁性粒子が必要になり、経済性など、新た
な問題を生じることとなる。
【0010】さらに、臨床検査の現場において扱われる
血清、血漿、体液等の生体試料には、感染性のウイルス
や細菌が含まれている可能性があり、これらの試料から
核酸を抽出する操作は、手動で行う場合、常に感染の危
険性がある。従って核酸抽出を手動で行う場合は、でき
る限り簡単な方法で、かつ、エアロゾル等が発生し難い
方法を使用することが好ましく、さらには操作の自動化
を図ることが必要である。しかしながら、現在実施され
ている核酸の抽出方法は、一般的に操作が複雑であるた
め、自動化が困難であるという課題があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
に記載の従来の課題等を解決する、すなわち、磁性体含
有量や形状、粒径、細孔径を制御することができ、強
度、吸着効率に優れた磁性担体、このような磁性担体を
簡便に製造できる方法、さらにこの磁性担体を用いて簡
便で自動化が可能な核酸の抽出方法を提供するものであ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討を重ねた結果、磁性体を含むシ
リカ粒子(以下、「磁性シリカ粒子」という)に所定量
のポリアクリルアミドを導入し、さらにこのポリアクリ
ルアミドが導入された磁性シリカ粒子(以下、「磁性担
体」という)の物性を制御することにより、その吸着容
量や吸着速度が大きくなって、種々の吸着剤、抽出剤と
して好適となること、また、このようなポリアクリルア
ミドが導入された磁性シリカ粒子の製造する方法として
磁性シリカ粒子とカップリング剤とを反応させ、その後
アクリルアミド及び/又はポリクリルアミドと反応させ
ることにより容易に製造できること、さらに、このよう
にして得られる粒子を用いることで生体試料中の核酸を
極めて簡便にかつ効率よく抽出できることを見出し、本
発明を完成させるに至った。
【0013】すなわち本発明はポリアクリルアミドが導
入された磁性シリカ粒子、その製造方法及びこれを用い
た核酸抽出方法に関するものである。
【0014】なお、本発明でいう核酸とは、DNA(デ
オキシリボ核酸)及び/又はRNA(リボ核酸)を意味
するが、それらは一本鎖であっても二本鎖であってもよ
く、またこれらの混合物であってもよい。
【0015】以下、本発明を詳細に説明する。
【0016】本発明の磁性担体は、磁性体とシリカ粒子
からなる磁性シリカ粒子の表面にポリアクリルアミドを
有するものであり、以下、磁性担体を構成する材料につ
いて順次説明する。
【0017】<磁性体>本発明の磁性担体において用い
られる磁性体とは、磁性を有するものであれば特に限定
されないが、磁場を与えられることで強い磁性を発生
し、磁場がなくなるとその磁性もなくなる、いわゆる超
常磁性を示すものが好ましく用いられる。このような性
質を示すものとしては、例えば、スピネル型、プランバ
イト型のフェライトや、鉄、ニッケル、コバルト等を主
成分とした合金などが挙げられる。さらに、これらの内
でも、磁性体をシリカ粒子により均一に導入するため
に、マグネタイトやフェライトの超微粒子を水や有機溶
媒に懸濁させて得られる磁性流体が好ましく用いられ
る。
【0018】<シリカ粒子>本発明の磁性担体に用いら
れるシリカ粒子はSi(シリコン)とO(酸素)との結
合から成る重合体であって、例えば、シリカゲル、シリ
カガラス、酸化ケイ素、ケイ酸塩などを意味し、これら
の内でも、比表面積が比較的大きくその細孔構造の制御
も容易であることからシリカゲルが好ましく用いられ
る。また、これらの材料は、核酸等の抽出、吸着操作に
おいて不純物の影響をより少なくするために合成品であ
ることが好ましいが、天然品を精製して用いることもで
きる。
【0019】シリカ粒子の平均粒径の範囲としては、1
〜200μmが好ましい。この範囲にあれば、シリカ粒
子への磁性体の導入量が多くなり、磁性担体を用いて分
離する際に短時間ですむし、また、実際の使用面におい
てもゲルが破壊されたりしにくく、形状を維持できる点
で好ましい。さらに、この効果に加え、試料を含む溶液
中での分散性がよく、実際の使用面でも沈降しにくいた
め撹拌などにより容易に分散性を確保することができる
ため、平均粒径が1〜20μmの範囲が好ましい。特
に、平均粒径が4〜20μmの範囲にあれば、粒子の大
きさが小さすぎず、実際の用途において試料を含む溶液
と本発明により最終的に得られる磁性担体とを分離する
際に容易に分離でき、磁石捕捉力、形状保持、溶液中で
の分散性、溶液との分離特性が優れたものとなり好まし
い。
【0020】シリカ粒子の平均細孔径の範囲としては、
粒子の形状保持性がよく、また、吸着、抽出の際の吸着
容量や吸着速度といった反応効率がよいために1〜20
0nmが好ましい。さらに、この効果に加え、実際の使
用に際して適度な強度を長期に渡って保つことができる
ために1〜100nmの範囲が好ましい。特に、1〜8
0nmの範囲にあればさらに粒子の強度を長期に渡って
保つことができるため好ましい。
【0021】シリカ粒子の細孔容積の範囲としては、粒
子の形状保持性がよく、また、吸着、抽出の際の吸着容
量や吸着速度といった反応効率がよいために、乾燥重量
換算で、0.1〜2.5ml/gが好ましい。さらに、
この効果に加え、実際の使用に際して適度な強度を長期
に渡って保つことができるために0.1〜1.5ml/
gの範囲が好ましい。特に、0.1〜1.2ml/gの
範囲にあればさらに粒子の強度を長期に渡って保つこと
ができるため好ましい。
【0022】シリカ粒子のBET比表面積の範囲として
は、粒子の形状保持性がよく、また、吸着、抽出の際の
吸着容量や吸着速度といった反応効率がよいために、乾
燥重量換算で、10〜800m2/gが好ましい。さら
に、この効果に加え、実際の使用に際して適度な強度を
長期に渡って保つことができるために10〜400m2
/gの範囲が好ましい。
【0023】<磁性シリカ粒子>本発明の磁性担体にお
いて用いられる磁性シリカ粒子は前記した磁性体及びシ
リカ粒子からなり、その製造方法については特に限定さ
れるものではない。例えば、SiアルコキシドよりSi
アルコキシドポリマーを生成させ、これに磁性体、アル
カリを加えてゲル化する方法、シリカゲル等のシリカ粒
子に磁性体を浸漬して付加する方法、磁性体にケイ酸ア
ルカリを加え、その後酸を加えてゲルを生成させる方
法、などが挙げられる。
【0024】また、磁性シリカ粒子中の磁性体の含有量
としては、磁性シリカ粒子全量の5〜50重量%の範囲
であることが好ましい。この範囲にあれば得られた磁性
シリカ粒子の磁性が十分となって用途面で優れた効果を
奏することができ、また、磁性体同士の凝集があまり強
くなく前記したシリカ粒子中に磁性体を均一に導入で
き、さらに、磁性シリカ粒子の球状化、多孔性の制御
や、粒子表面をポリアクリルアミドで修飾することが容
易となるため好ましい。さらに、磁性シリカ粒子中の磁
性体の含有量が5〜25重量%の範囲にあれば、この効
果に加え、実際の使用に際して磁性シリカ粒子の磁性が
十分であり、添加する磁性体量を減らすことで、よりシ
リカ分の濃度が増え、粒子形状、多孔性など、より形状
の制御が容易になるために好ましい。
【0025】<磁性担体>本発明の磁性担体は、上記記
載の磁性シリカ粒子の表面に少なくともポリアクリルア
ミドが結合しているものであり、さらに詳しくいえば、
磁性シリカ粒子にアクリルアミド及び/又はポリアクリ
ルアミドを重合させつつ、磁性シリカ粒子の表面にアク
リルアミドやポリアクリルアミドを結合させたり、磁性
シリカ粒子にポリアクリルアミドを結合させることで得
られるものである。従って、最終的に得られる磁性担体
の表面には少なくともポリアクリルアミドを有する構造
となったものである。尚、ここでいう表面とは粒子の最
外面を意味するが、粒子がその内部に細孔を有する場合
には細孔内の表面も含む。
【0026】本発明の磁性担体中のポリアクリルアミド
の含有量は、乾燥重量換算で、0.3〜5mmol/g
の範囲であることが好ましい。ここで、磁性担体中のポ
リアクリルアミドの含有量としては、磁性担体中のN
(窒素)を元素分析等により得、また、Nのモル量とモ
ノマーであるアクリルアミドのモル量が等しいことか
ら、磁性担体1g中のNのモル量として表されるもので
ある。従って、磁性担体中のポリアクリルアミドの含有
量とは、磁性担体に含まれるアクリルアミド及びポリア
クリルアミドの合計の量として示されるものである。こ
のポリアクリルアミドの含有量がこの範囲内にあれば、
導入量が適当であり、アクリルアミドやポリアクリルア
ミドのもつアミド基に由来する性質が十分に働き、かつ
アクリルアミドやポリアクリルアミドの量が多すぎず、
強度が使用に耐えることができ好ましい。さらに、この
効果に加え、実際の合成でのポリアクリルアミドの導入
量の再現性が高い、そのため吸着、抽出性能の再現性が
高いために0.5〜3.0mmol/gの範囲にあるこ
とが好ましい。特に、1.0〜3.0mmol/gの範
囲にあれば、さらに吸着、抽出性能の安定性が高くなる
ため好ましい。
【0027】本発明の磁性担体の平均粒径の範囲として
は、1〜200μmが好ましい。この範囲にあれば、磁
性担体中の磁性体の導入量が多くなり、磁性担体を用い
て分離する際に短時間ですむし、また、実際の使用面に
おいてもゲルが破壊されたりしにくく、形状を維持でき
る点で好ましい。さらに、この効果に加え、試料を含む
溶液中での分散性がよく、実際の使用面でも沈降しにく
いため撹拌などにより容易に分散性を確保することがで
きるため、平均粒径が1〜20μmの範囲が好ましい。
特に、平均粒径が4〜20μmの範囲にあれば、粒子の
大きさが小さすぎず、実際の用途において試料を含む溶
液と本発明により最終的に得られる磁性担体とを分離す
る際に容易に分離でき、磁石捕捉力、形状保持、溶液中
での分散性、溶液との分離特性が優れたものとなり好ま
しい。
【0028】本発明の磁性担体の平均細孔径の範囲とし
ては、粒子の形状保持性がよく、また、吸着、抽出の際
の吸着容量や吸着速度といった反応効率がよいために1
〜200nmが好ましい。さらに、この効果に加え、実
際の使用に際して適度な強度を長期に渡って保つことが
できるために1〜100nmの範囲が好ましい。特に、
1〜80nmの範囲にあればさらに粒子の強度を長期に
渡って保つことができるため好ましい。
【0029】本発明の磁性担体の細孔容積の範囲として
は、粒子の形状保持性がよく、また、吸着、抽出の際の
吸着容量や吸着速度といった反応効率がよいために、乾
燥重量換算で、0.1〜2.5ml/gが好ましい。さ
らに、この効果に加え、実際の使用に際して適度な強度
を長期に渡って保つことができるために0.1〜1.5
ml/gの範囲が好ましい。特に、0.1〜1.2ml
/gの範囲にあればさらに粒子の強度を長期に渡って保
つことができるため好ましい。
【0030】本発明の磁性担体のBET比表面積の範囲
としては、粒子の形状保持性がよく、また、吸着、抽出
の際の吸着容量や吸着速度といった反応効率がよいため
に、乾燥重量換算で、10〜800m2/gが好まし
い。さらに、この効果に加え、実際の使用に際して適度
な強度を長期に渡って保つことができるために10〜4
00m2/gの範囲が好ましい。
【0031】また、磁性担体中の磁性体の含有量として
は、磁性シリカ粒子中の磁性体含有量よりも導入された
ポリアクリルアミドの分だけ減少するものであり、通常
10〜20%程度減少する。
【0032】本発明の磁性担体は核酸を吸着分離または
抽出するために使用することができる。吸着分離とは核
酸を磁性担体に吸着させて、反応溶液から分離すること
をいい、また、抽出とは核酸を磁性担体に吸着させた
後、核酸の吸着した磁性担体から核酸を溶出させて目的
の核酸を得る操作をいう。
【0033】本発明の磁性担体を核酸を含む溶液中の核
酸の吸着分離又は抽出のために使用する際には、その平
均粒径の範囲としては、磁性担体の分散性が適度に生じ
て操作しやすくなり、また、分離性能にも優れることか
ら1〜20μmであることが好ましく、さらに1〜15
μmであることが好ましく、特に3〜10μmであるこ
とが好ましい。1μm未満の場合には、粒子が小さすぎ
るために分離の際に時間がかかり過ぎることがある。ま
た、20μmを超える場合には、核酸を含む溶液中での
分散安定性が低いために安定した性能を示さないことが
あり、さらに、200μmを超えるような大きな粒子で
は粒子がさらに沈降しやすくなって操作が煩雑となって
しまうことがある。
【0034】本発明の磁性担体を核酸吸着分離や抽出用
に使用し、高い性能と再現性を得るためには、ポリアク
リルアミドの含有量は、乾燥重量換算で、0.5〜5m
mol/gであることが好ましい。このポリアクリルア
ミドの含有量がこの範囲にあれば、アクリルアミドやポ
リアクリルアミドのもつアミド基に由来する性質が十分
に働き、かつアクリルアミドやポリアクリルアミドの量
が多すぎず、強度が使用に耐えることができるので好ま
しい。さらに、ポリアクリルアミドの含有量が0.5〜
3.0mmol/gの範囲にあれば、この効果に加え、
実際の合成でのポリアクリルアミドの導入量の再現性が
高い、そのため吸着、抽出性能の再現性が高いため好ま
しい。特に、1.0〜3.0mmol/gの範囲にあれ
ば、さらに吸着、抽出性能の安定性が高くなるため好ま
しい。
【0035】本発明の磁性担体を核酸吸着分離や抽出用
に使用し、高い性能と再現性を得るためには、磁性担体
の表面の窒素原子の量が5原子%以上であることが好ま
しい。窒素原子の量がこの範囲にあれば、磁性担体の表
面がポリアクリルアミドでおおむね被覆され、吸着容量
等の性能が安定するため好ましい。さらに、窒素原子の
量が5〜10原子%の範囲にあれば、この効果に加え、
核酸の吸着分離や抽出を実施する場合には分子が大きな
核酸に対しても磁性担体の表面が効果的に利用され、ま
た、ポリアクリルアミドが磁性担体の表面をおおむね被
覆しかつ余分に結合しすぎることもないため、ポリアク
リルアミドをより有効に使用できることとなるため好ま
しい。尚、磁性担体表面の窒素原子の量の測定は、例え
ば、X線光電子分光分析法等により測定することでよ
い。
【0036】<磁性担体の製造方法>次に、本発明の磁
性担体の製造方法について説明するが、その製造方法
は、シリカ又はシリカ原料を反応させ、さらに磁性体
を付与して磁性シリカ粒子を得る工程:a)と、この
得られた磁性シリカ粒子にポリアクリルアミドを導入し
て磁性担体を得る工程:b)〜e)からなっており、以
下にこれらの工程を順に説明する。
【0037】<磁性シリカ粒子を得る工程>本発明の
磁性担体に用いられる磁性シリカ粒子の製造方法は公知
の方法により実施できるが、以下の工程からなる製造方
法によりさらに容易に製造できる。
【0038】1)Siアルコキシドを酸で加水分解しS
iアルコキシドポリマーを生成する工程 2)アルコキシドポリマーに磁性体を加える工程 3)アルコキシドポリマーと磁性体の混合溶液を水に分
散させ球状化し、アルカリと接触させてゲル化する工程 4)ゲルを水洗後、溶媒置換し、乾燥させる工程 ここで、本発明の製造方法において使用されるSiアル
コキシドとしては、以下に示す製造方法において、加水
分解によりポリマーを生成するものであれば特に制限な
く用いることができ、例えば、Si(OCH34、Si
(OC254、Si(O−n−C374、Si(O−
i−C374、Si(O−n−C494、Si(O−
i−C494等を挙げることができる。また、本発明
の製造方法においては、Siアルコキシドにさらに他の
金属アルコキシドを添加してもよい。
【0039】これらの工程において、まずSiのアルコ
キシドを酸性溶液中でゲル化しない程度に部分的に加水
分解する。酸性溶液としては酸、水および有機溶媒の混
合溶液が好ましい。
【0040】Siアルコキシドの部分的加水分解後、次
に上記Siアルコキシド溶液を重合する。Siアルコキ
シドポリマーの重合度は水の量、重合温度、重合時間等
により制御することができる。Siアルコキシドポリマ
ーの重合度と粘度の間には相関があり、Siアルコキシ
ドポリマーの重合度が高くなるほど粘度は高くなる。S
iアルコキシドポリマーの重合度は室温における反応溶
液の粘度で10センチポイズ以上でゲル化が起こらない
程度であればよい。例えば、JIS−K−7117−1
987に準拠し、25℃における粘度を測定することで
確認できる。
【0041】得られたSiアルコキシドポリマー溶液は
そのままかあるいは有機溶媒で希釈する。有機溶媒で希
釈する場合のSiアルコキシドポリマーの濃度として
は、球状のゲルを得るために希釈された溶液全量に対し
て20重量%以上であることが好ましい。
【0042】なお、上記記載のように得られるSiアル
コキシドポリマーの代わりに市販のシリカ粒子をそのま
ま用いてもよい。
【0043】次にSiアルコキシドポリマーに磁性体を
加える。使用される磁性体は水又は有機溶媒に分散させ
て懸濁液状又は溶液状としたものを使用できる。磁性体
としては、Siアルコキシドポリマーへの分散性の面か
ら磁性流体が好ましく用いられ、この磁性流体として
は、市販品等をそのままあるいは溶媒置換等を実施して
用いることができる。
【0044】次に、Siアルコキシドポリマー又はこれ
に希釈溶媒を加えた混合溶液と磁性体との混合液又は混
合物を、撹拌下に水中に分散させ球状化する。ここで、
この混合物を分散させる水へ界面活性剤、ポリビニルア
ルコール等の分散剤を添加してもよい。
【0045】球状化後、上記記載の混合物へ塩基性物質
を添加してゲル化する。
【0046】生成したゲルは濾過、遠心分離等により分
離し、水洗後乾燥する。濾過、分離の方法としては公知
の方法を用いることができる。また、洗浄の際に使用す
る水としては、水、温水等の通常使用できる水であれば
良い。
【0047】さらに、乾燥条件としては、ゲル内部及び
ゲル表面の水分を直接蒸発させるとゲルが収縮し、凝集
するため有機溶媒により置換後、乾燥される。
【0048】以上の手法により、本発明の磁性担体に用
いられる磁性シリカゲルが得られる。
【0049】<磁性シリカ粒子にポリアクリルアミド
を導入して磁性担体を得る工程>磁性シリカ粒子より磁
性担体を得る工程としては、公知の方法により実施でき
るが、以下の工程からなる製造方法により、さらに容易
に製造できる。
【0050】b)磁性シリカ粒子とカップリング剤とを
反応させる工程 c)工程b)で得られたカップリング剤が導入された磁
性シリカ粒子を洗浄する工程 d)工程c)で得られた磁性シリカ粒子と、アクリルア
ミド及び/又はポリアクリルアミドとを反応させる工程 e)工程d)で得られた磁性シリカ粒子を洗浄し乾燥さ
せる工程 本発明において用いられる上記に記載したような磁性シ
リカ粒子は磁性体を含有したシリカ粒子であれば特に制
限されるものではない。
【0051】本発明の磁性担体は、磁性シリカ粒子の表
面にカップリング剤を反応させ、その後アクリルアミド
及び/又はポリアクリルアミドとを反応させて、磁性シ
リカ粒子にポリアクリルアミドを導入して得られるもの
である。
【0052】ここで、本発明において使用されるカップ
リング剤としては、磁性シリカ粒子の表面にある式
(1)に示されるシラノール基と結合性を有し、かつア
クリルアミド及び/又はポリアクリルアミドと結合でき
るものであればよく、1つの化合物を用いても、2以上
の化合物を用いてもよい。さらに、本発明において使用
されるカップリング剤としては、磁性シリカ粒子に式
(2)に示されるビニル基、式(3)に示されるメタク
リル基、又は式(4)に示されるエポキシ基を導入する
ものであることが好ましく、導入されたこれらの官能基
と、式(5)に示されるアクリルアミドあるいは式
(6)に示されるポリアクリルアミドとを反応させるこ
とで最終的に本発明の磁性担体が得られる。ここで、ア
クリルアミドがモノマーとして2分子以上重合した化合
物をポリアクリルアミドとして示した。
【0053】
【化1】
【0054】
【化2】
【0055】
【化3】
【0056】
【化4】
【0057】
【化5】
【0058】
【化6】
【0059】さらに具体的に本発明において用いられる
カップリング剤としては、カップリング剤が1つの化合
物の場合には、以下に示す製造方法において、アクリル
アミド及び/又はポリアクリルアミドと結合を形成する
ことができるものであれば特に制限なく用いることがで
き、例えば、ビニルトリクロロシラン、トリメトキシビ
ニルシラン、トリエトキシビニルシラン、トリス(2−
メトキシエトキシ)ビニルシラン、3−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン、ジエトキシ−3−グリシドキシ
プロピルメチルシラン等のビニル基、メタクリル基又は
エポキシ基を有したシランカップリング剤が好ましく用
いられる。これらのカップリング剤は単独で使用しても
2種以上を用いてもよい。
【0060】また、カップリング剤が2以上の型の化合
物の場合には、磁性シリカ粒子表面のシラノールを介し
て誘導化するカップリング剤(A)と、誘導化された磁
性シリカ粒子にビニル基、メタクリル基又はエポキシ基
を導入するためのカップリング剤(B)とを用い、これ
らを段階的に反応させる手法を用いてもよい。
【0061】これらのカップリング剤の内、本発明の磁
性担体をより容易に製造するためには、カップリング剤
として1つの化合物を用いることが好ましい。
【0062】製造にあたっては、まず、上記に記載した
磁性シリカ粒子を乾燥させ、吸着水を除去する。吸着水
はできるだけ除去することが好ましく、磁性シリカ粒子
中の水分量は5重量%以下まで乾燥させる。このシリカ
粒子とカップリング剤とを有機溶媒中にて混合し撹拌す
る。次いで、酸又は塩基を添加し、あるいは酸を添加後
引き続き塩基を添加し、磁性シリカ粒子とカップリング
剤の反応を行う。使用する有機溶媒としては、ベンゼ
ン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素
が好ましい。この反応の際に使用される酸としてはフェ
ノール、ギ酸、酢酸等の有機酸が挙げられる。また、使
用される塩基としては、アミン、尿素等の有機塩基性物
質が挙げられる。磁性シリカ粒子とカップリング剤を均
一に反応させるには、混合溶液を30〜90℃の範囲
で、30分〜6時間撹拌させることで良い。
【0063】次にカップリング剤が導入された磁性シリ
カ粒子を洗浄し、未反応のカップリング剤を除去する。
まず、カップリング剤が導入された磁性シリカ粒子は濾
過、遠心分離等により分離し、さらに、非水系の有機溶
媒を磁性シリカ粒子に添加し混合し、濾過、遠心分離等
により分離する操作を2〜5回行うことが好ましい。そ
して、工程c)で使用する溶媒に分散させ、濾過、遠心
分離等により分離する操作を1〜4回行うことが好まし
い。濾過、分離の方法は公知の方法を用いることができ
る。
【0064】次にカップリング剤で処理された磁性シリ
カ粒子とアクリルアミド及び/又はポリアクリルアミド
を反応させる。この場合、磁性シリカ粒子に直接アクリ
ルアミド及び/又はポリアクリルアミドを反応させるこ
ともできるが、以下に記載のように、アクリルアミド及
び/又はポリアクリルアミドを重合させつつ磁性シリカ
粒子と反応させることで、導入量を多くしたりポリアク
リルアミドの分子量を適切に制御することができるため
好ましい。さらにこの場合、製造がさらに容易となり、
また、磁性シリカ粒子にアクリルアミドが結合後、これ
より重合反応にて直鎖状のポリアクリルアミドが生成し
やすくなることが期待できるためにアクリルアミドを用
いて重合させることが好ましい。特に核酸を抽出する場
合には、核酸が直鎖状の分子であることからより好まし
くなることが期待できる。
【0065】アクリルアミドの磁性シリカ粒子への導入
反応はどのような重合反応であってもよいが、特にラジ
カル反応で行うことが好ましい。
【0066】ラジカル反応を行う場合、反応の際に用い
られる溶媒としては水又はアルコール、あるいは水とア
ルコールの混合溶液を使用することが好ましい。さらに
アルコールとしては水と溶解するものが好ましく、例え
ば、メタノール、エタノール、1−プロパノ−ル、2−
プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノールが挙げ
られる。また、反応雰囲気としては、脱酸素雰囲気、す
なわち溶存酸素濃度が低いことが好ましく、特に溶液中
の溶存酸素濃度が0〜1mg/リットルであることが好
ましい。
【0067】反応にあたっては、磁性シリカ粒子と、ア
クリルアミド及び/又はポリアクリルアミドに、重合開
始剤を混合して反応を行わせる。重合開始剤としては、
単一開始剤系ではアゾビスイソブチロニトリルといった
アゾ系開始剤や過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムと
いった無機系の過酸化物系開始剤や過酸化ベンゾイル、
過酸化ジ第三ブチルといった有機系の過酸化物系開始剤
等が挙げられる。また、2元開始剤系では過酸化水素と
第一鉄塩系の組み合わせなどが挙げられる。
【0068】また、磁性シリカ粒子にアクリルアミド及
び/又はポリアクリルアミドを均一に反応させるには、
カップリング剤で処理された磁性シリカ粒子とアクリル
アミド及び/又はポリアクリルアミドとラジカル開始剤
とを混合した溶液を30〜90℃の範囲で、30分〜2
4時間撹拌させることでよい。この時反応後の溶液中の
ポリアクリルアミドの数平均分子量が1000〜100
0000であることが好ましい。反応後の溶液中のポリ
アクリルアミドの数平均分子量が1000未満では、磁
性シリカ粒子に導入された官能基とアクリルアミド及び
/又はポリアクリルアミドとの反応が十分には起こって
いないことがあり、また、反応後の溶液中のポリアクリ
ルアミドの数平均分子量が1000000を越えると反
応中に溶液の粘性が高くなりすぎて、これらを均一に磁
性シリカ粒子に導入することが困難となることがある。
【0069】次に得られた磁性担体を洗浄し、非結合の
アクリルアミド、ポリアクリルアミドを除去する。この
磁性担体は濾過、遠心分離等により分離し、洗浄される
が、その方法としては公知の方法を用いることができ
る。また、洗浄の際に使用される溶媒としては、水、温
水等の通常使用できる水であればよいが、さらにメタノ
ール、エタノール、プロパノール等の親水性のアルコー
ルや、これらアルコールと水との混合溶液を用いること
もできる。この除去操作によって、非結合のアクリルア
ミド、ポリアクリルアミドを極力除去することで実際の
使用時に吸着対象物と非結合のアクリルアミド、ポリア
クリルアミドとの結合を避けることができ、さらに、磁
性シリカ粒子と結合しなかった非結合のアクリルアミ
ド、ポリアクリルアミドが磁性担体中に1ppm以下と
なるようにすることが好ましい。
【0070】この洗浄された磁性担体を公知の方法によ
り乾燥すれば本発明の磁性担体を乾燥品として得ること
ができる。
【0071】さらに、乾燥処理の前に、溶媒置換を行っ
た後に乾燥してもよい。この理由は、ゲルの内部及びゲ
ル表面の水分を直接蒸発させるとゲルが収縮し、凝集し
たり、ゲルの破壊が起きることがあるからである。
【0072】溶媒置換の方法としては、ゲル中の水分を
有機溶媒で置換後、有機溶媒を加熱除去する方法であ
る。ここで用いられる有機溶媒としては、水より低表面
張力の溶媒が好ましく、水と任意の割合で溶けあうもの
が好ましい。ここで、水より低表面張力の溶媒とは、水
のWilhelm法による25℃における空気に対する
表面張力が72dyn/cm(dyn/cm=10-3
-1)であることから、これより小さい表面張力を有す
る溶媒が選択できる。例えば、ホルムアミド、N,N−
ジメチルホルムアミド、エチレングリコール、プロピレ
ングリコール、メタノール、エタノール、1−プロパノ
ール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノ
ール、1−ペンタノール、2−ペンタノール等が挙げら
れる。水、溶媒の留去は通常、常圧で行うが減圧下で行
ってもよい。
【0073】また、上記記載の工程において、ポリアク
リルアミドが導入された磁性シリカ粒子を洗浄し、その
後これを乾燥せずに洗浄後溶媒と同等の組成の溶液中に
て保存してもよい。
【0074】このようにして得られる本発明の磁性担体
の表面のポリアクリルアミドの量を、前記したX線光電
子分光分析法等により窒素原子の量を指標とし、磁性シ
リカ粒子の一定量に対して導入するポリアクリルアミド
の量を増加させてもある磁性担体に導入されるポリアク
リルアミドの量は一定の量で飽和する。このことから、
本発明の磁性担体をにおいては、ある程度の量まではポ
リアクリルアミドが磁性シリカ粒子の表面に結合してい
くが、ある一定の到達すると磁性シリカ粒子の表面をほ
ぼ完全に覆ってしまうものと推察される。
【0075】以上により、本発明の磁性担体を得ること
ができる。
【0076】本発明の磁性担体は種々の糖類、疎水性を
有する低分子の有機化合物、核酸類などの吸着、抽出用
として使用することができると共に、核酸類、糖類の分
析等の各種の測定法やアフィニティークロマトグラフィ
ー等による種々の糖類、疎水性を有する低分子の有機化
合物、核酸類などの分離手段などに用いられる担体とし
て使用することもできる。
【0077】特に、核酸類の吸着や抽出用として使用す
る際には、本発明の磁性担体を用い、これと核酸類が含
まれる試料とを混合し、試料中の核酸を磁性担体に吸着
させた後、磁力を利用して磁性担体と試料とを分離する
ことで容易に核酸を抽出することができ、抽出処理され
た磁性担体に核酸を脱着させる溶液、例えば水を加えて
核酸を脱着させ、核酸を分離することができる。その後
分離された核酸は、直接、あるいはポリメレースチェー
ンリアクションにより核酸の量を増幅させてその量を測
定することができる。
【0078】このように、本発明の磁性担体は、核酸類
の吸着、抽出用として有用であるが、これはポリアクリ
ルアミドを担体の表面に有しているため、核酸類と相互
作用しうるアミド基等の極性を有する官能基が担体の表
面近傍のみに導入されているのではなく、高分子のポリ
アクリルアミドとして担体から離れた位置にも担体と結
合した状態にて存在し、その結果、高分子の核酸等との
相互作用する作用点が多くなり、また、一旦形成された
相互作用関係を高分子のポリアクリルアミドとの重なり
合いにより、より強く保持されることとなるからと推察
される。しかしながら、このような推察は本発明をなん
ら拘束するものではない。
【0079】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、これらに実施例により本発明はなんら限定さ
れるものでない。なお、各評価は以下に示した方法によ
って実施した。
【0080】実施例で使用した磁性シリカ粒子につい
て、その磁気ヒステリシスを振動試料型磁力計(VS
M)(理研電子製、型式:BHV−50)を用いて、そ
の磁気ヒステリシスを測定したところ、超常磁性を示す
ものであった。
【0081】〜磁性体の含有量〜 Siについては、磁性シリカ粒子を王水により分解後、
過塩素酸処理し、重量法により測定した。Fe(鉄)に
ついては、硝酸・フッ化水素酸により分解後、過塩素酸
処理し、ICP発光法により測定した。
【0082】〜平均粒径〜 サンプルを水に分散させたものを、粒度分布測定装置L
S−130(COULTER社製)で測定し、体積平均
粒径として示した。
【0083】〜平均細孔径及び細孔容積〜 ポアサイザ9320(MICROMERITICS社
製)を用い、水銀圧入法により0〜207MPaの圧力
範囲で測定した。
【0084】〜BET比表面積〜 MONOSORB(米国QUANTACHROME社
製)を用い、BET式1点法により測定した。
【0085】〜表面分析〜 X線光電子分光分析装置(Perkin−Elmer社
製、ESCA5400MC)により、サンプルの粒子の
表面のFe、Si、N、C、Oを分析した。表面の元素
の組成(原子%)はFe、Si、N、C、Oの総量を1
00原子%として計算した。
【0086】〜N量(ポリアクリルアミドの含有量)の
分析〜 元素分析装置を使用し、N量を測定した。
【0087】〜溶存酸素濃度〜 溶存酸素濃度計UC−12(セントラル科学社製)を使
用し、反応溶液中の溶存酸素濃度を測定した。
【0088】〜ポリアクリルアミドの重合度の分析〜 高速液体クロマトグラフィーの装置一式(AS−800
0、CCPM、CO−8010、RI−8010、SC
−8010(いずれも東ソー製))を用いて、ポリアク
リルアミドの重合度を測定し、数平均分子量として示し
た。分子量の決定のための標準試料としては、スタンダ
ードポリエチレンオキシドキット(東ソー製)を使用し
た。
【0089】〜核酸抽出性能の標準評価方法〜 核酸としてはpAW 109 DNA(PERKIN
ELMER)を使用し、試料濃度は2×107分子/m
lとした。
【0090】核酸試料溶液200μlに対して400μ
lの下記固相抽出液を加えて室温にて10分間撹拌した
後、磁石を用いて磁性担体を容器の端に集め、溶液部分
を吸引除去した。残ったゲルに0.4mlの洗浄液(4
0vol%イソプロパノール水溶液)を加えて再懸濁さ
せた。再び磁石を用いてゲルを容器の端に集め溶液部分
を吸引除去した後、磁性担体を200μlの溶出液
(水)に懸濁し、磁石を用いてゲルを容器の端に集めた
時の容器溶液を吸い出し、溶液を減圧乾燥して固形分を
得た。この固形分を200μlの水に再溶解させた。こ
の溶液50μlについて以下で示される手順によりポリ
メレースチェインリアクション(以下、「PCR」と略
して表す)を行った。
【0091】すなわち、固相抽出液として、磁性担体
2.5mg/mlと50vol%イソプロパノール水溶
液とを混合し、2種のプライマー(以下の、配列番号1
及び2であり、PCR反応液組成中、配列番号1の核酸
は0.2μM−FowardPrimer DM 15
1、配列番号2の核酸は0.2μM−ReverseP
rimer DM 152、他の組成は2.2mM−M
gCl2、0.29mM−dNTP、Taqポリメレー
ス(Ampli Taq Gold)2.25unit
/75μl)を使用し、95℃で10分45秒温置し、
その後95℃で15秒及び60℃で30秒のサイクルを
45サイクル繰り返す。その後、72℃で7分の条件で
PCRを実施した。PCR終了後、反応液の一部をアガ
ロース電気泳動に供し、目的サイズのバンドの有無につ
いて目視で判定した。
【0092】各サンプルに対し上記の抽出試験を10回
行った。核酸の抽出(目的サイズのバンド)を確認した
割合を以下に示す検出率として表し核酸抽出性能とし
た。
【0093】検出率(%)=((抽出試験で核酸の抽出
を確認した回数)/(抽出試験回数))×100 実施例1 Si(OC254 150.0gとエタノール 6
2.7gの混合溶液を40℃で30分撹拌した。この混
合溶液を40℃で撹拌しながら1/100N−塩酸水溶
液 14.9gを滴下した。この溶液を1時間撹拌した
後、90℃で4時間、さらに165℃で12時間撹拌し
て留出物を除去し、Siアルコキシドポリマーを得た。
この操作は窒素雰囲気中で行なった。得られたSiアル
コキシドポリマーの粘度を前記した方法により測定した
ところ、粘度は室温で50センチポイズであった。得ら
れたSiアルコキシドポリマーのうち70.0gを1−
ペンタノール70.0gに溶解した。この溶液に市販の
磁性流体((株)フェローテック製、:全量に対して、
磁性体量35重量%、界面活性剤量10重量%、1−ブ
タノール溶液含有) 20mlを添加し、均一溶液を得
た。この溶液を撹拌しながら80℃の5%ポリビニルア
ルコール水溶液 560.0gに投入した。30分撹拌
後、5重量%のNH4OH水溶液 12.5mlを加
え、80℃で3時間撹拌した。得られた懸濁液を70℃
の温水 1000mlに投入し、固体を濾取後、温水で
洗浄した。洗浄後、溶媒を2−プロパノールで3回置換
し、真空乾燥し、球状の磁性シリカ粒子を得た。
【0094】この磁性シリカ粒子10gを150℃で1
5時間乾燥させ、トルエン100ml中に加えて撹拌し
た。さらに、その溶液中に、3−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシランを4ml、ジメチルアミノエタノ
ール0.7ml、フェノール50μlを添加して撹拌し
た。この溶液を、85℃で3時間撹拌後、濾過し、3−
メタクリル基を有する磁性シリカ粒子を得た。これをト
ルエン50mlで洗浄し濾過を2回行い、その後、メタ
ノール50mlで洗浄し濾過を3回行い、さらに、40
体積%メタノール水溶液50mlで洗浄し濾過を2回行
った。この磁性シリカ粒子を40体積%メタノール水溶
液100mlに加え、撹拌した。さらに、その溶液にア
クリルアミドモノマーを9gと、過硫酸カリウム0.3
gを添加して撹拌して混合した。この溶液を50ml/
分のN2流通中で、60℃、15時間撹拌する。次に温
水200mlを加えて、反応溶液を遠心分離し、ポリア
クリルアミドで修飾した磁性担体を含む沈殿を得た。こ
れを温水100mlで洗浄し濾過を4回行い、さらに、
2−プロパノール50mlで置換し濾過を3回行い、真
空乾燥し、磁性担体を得た。
【0095】得られた磁性担体中のポリアクリルアミド
の含有量(アクリルアミドモノマーとしてのモル量)、
粒径、表面の窒素原子の量、水銀圧入法による平均細孔
径、細孔容積等および反応溶液中のポリアクリルアミド
の平均分子量、反応溶液中の溶存酸素濃度を前記の方法
により測定し、その結果を表1に示した。また、得られ
た磁性担体を使用し、核酸の抽出性能の評価を前記の方
法により行った。その結果を表2に示す。この磁性担体
では目的サイズのバンドが確認され、核酸抽出性能が確
認された。また、検出率も100%であり、再現性よ
く、核酸抽出が行われていることが確認された。
【0096】
【表1】
【0097】
【表2】
【0098】実施例2 3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランをトリ
エトキシビニルシランにした以外は実施例1と同様に
し、ポリアクリルアミドを結合させた磁性シリカ粒子
(磁性担体)を得た。得られた磁性担体中のポリアクリ
ルアミドのアクリルアミドモノマーとしてのモル量は乾
燥重量換算で1.4mmol/gであった。得られた磁
性担体を実施例1と同様の方法により測定し、その結果
を表1に示した。また、得られた磁性担体を使用し、核
酸の抽出性能の評価を実施例1と同様の方法により行っ
た。その結果を表2に示す。この磁性担体では性能評価
試験で目的サイズのバンドが確認され、核酸抽出性能が
確認された。また、検出率も100%であり、再現性よ
く、核酸抽出が行われていることが確認された。
【0099】実施例3 3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランをジメ
トキシ−3−グリシドキシプロピルメチルシランにした
以外は実施例1と同様にし、ポリアクリルアミドを結合
させた磁性シリカ粒子(磁性担体)を得た。得られた磁
性担体中のポリアクリルアミドのアクリルアミドモノマ
ーとしてのモル量は乾燥重量換算で3.5mmol/g
であった。得られた磁性担体を実施例1と同様の方法に
より測定し、その結果を表1に示した。また、得られた
磁性担体を使用し、核酸の抽出性能の評価を実施例1と
同様の方法により行った。その結果を表2に示す。この
磁性担体では性能評価試験で目的サイズのバンドが確認
され、核酸抽出性能が確認された。また、検出率も10
0%であり、再現性よく、核酸抽出が行われていること
が確認された。
【0100】比較例1 実施例1と同様にして得た、カップリング剤を導入して
いない磁性シリカ粒子をそのまま用い、核酸の抽出性能
の評価を実施例1と同様の方法により行った。その結果
を表1に示す。核酸の抽出は確認されたが、目的サイズ
のバンドの濃さが薄く、また、検出率が20%と再現性
が悪く、性能は不安定であった。
【0101】比較例2 比較例1の磁性シリカ粒子を実施例1と同様にして、カ
ップリング剤である3−メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシランを用いて3−メタクリル基を導入した磁性
シリカ粒子(表1にその特性を示す)をそのまま用い、
核酸の抽出性能の評価を実施例1と同様の方法により行
った。その結果を表2に示す。核酸の抽出は確認されず
検出率0%であった。
【0102】比較例1、2と実施例とを比較すると、ポ
リアクリルアミドが導入されていない磁性シリカ粒子で
は核酸の抽出効率が低く、さらに磁性シリカ粒子に3−
メタクリル基を導入することで核酸の抽出効率がいっそ
う低下すること、そして、この粒子にポリアクリルアミ
ドを導入することで核酸抽出性能を獲得できることが分
かる。
【0103】比較例3 3−メタクリル基を導入した磁性シリカ粒子(表1にそ
の特性を示す)とアクリルアミドの反応を大気中で行う
以外は実施例1と同様にし、ポリアクリルアミドを結合
させた磁性シリカ粒子を得た。得られた磁性担体を実施
例1と同様の方法により測定し、その結果を表1に示し
た。得られた磁性担体中のポリアクリルアミドのアクリ
ルアミドモノマーとしてのモル量は乾燥重量換算で0.
2mmol/gであり、ポリアクリルアミドの導入量は
少なかった。また、表面のNの濃度も1.3原子%であ
り、少なかった。また、得られた磁性担体を使用し、核
酸の抽出性能の評価を実施例1と同様の方法により行っ
た。その結果を表2に示す。この磁性担体では目的サイ
ズのバンドが確認され、核酸の抽出は確認されたが、検
出率が20%と再現性が悪く、性能は不安定であった。
【0104】比較例3と実施例とを比較すると、ポリア
クリルアミドの導入量が少ないと核酸抽出効率が低くな
ることが分かる。
【0105】実施例4 実施例1で得た磁性担体を用いて、核酸の実試料である
HCV感染者のプール血清を使用し、核酸抽出性能の評
価を行った。以下に評価方法を示す。
【0106】HCV感染者のプール血清150μlに対
して300μlの下記固相抽出液を加えて室温にて12
分間撹拌した後、磁石を用いて磁性担体を容器の端に集
め、溶液部分を吸引除去した。残った磁性担体に0.3
mlの洗浄液(40vol%のイソプロパノール:60
%の0.33M−KCl水溶液の混合液)を加えて再懸
濁させた。再び磁石を用いてゲルを容器の端に集め溶液
部分を吸引除去した後、磁性担体を100μlの溶出液
(注射用蒸留水)に懸濁し、磁石を用いてゲルを容器の
端に集めた時の容器底部溶液10μlについて逆転写反
応を行ってDNAに変換した後、ポリメレース溶液を加
えてPCRを行った。
【0107】尚、固相抽出液、逆転写反応液及びPCR
反応液の組成、PCRの温度条件は以下の通りである。
【0108】すなわち、固相抽出液として、6Mチオシ
アン酸グアニジン/37.5mMクエン酸ナトリウム/
磁性担体(1.2mg/ml)とイソプロパノールとを
1:1で混合したものを用いた。これを、配列番号3の
核酸プライマー(1.2μM−HCV Reverse
Primer)を用い、4.5mM−MgCl2
3.4mM−NaCl、1.4mM−dNTP、0.8
7mM−DTT及び、1.3unit/μl−RNas
e Inhibitor(宝酒造(株)製)、2.0u
nit/μl−MMLV RTase(BRL製)にて
逆転写した。その後、配列番号4の核酸プライマー(2
40nM−HCV Foward Primer)を用
い、2.2mM−MgCl2、0.29mM−dNT
P、Taqポリメレース(Ampli Taq Gol
d)2.25unit/75μlにて、95℃で20
秒、続いて60℃で30秒のサイクルを45サイクル繰
り返した後、72℃で60秒の条件でPCRを実施し
た。PCR終了後、反応液の一部をアガロース電気泳動
に供し、目的サイズのバンドの有無について目視で判定
した。
【0109】各サンプルに対し上記の抽出試験を10回
行った。核酸の抽出(目的サイズのバンド)を確認した
割合を以下に示す検出率として表し核酸抽出性能とし
た。
【0110】検出率(%)=((抽出試験で核酸の抽出
を確認した回数)/(抽出試験回数))×100 得られた結果を表2に示す。実試料においても目的サイ
ズのバンドが確認され、核酸抽出性能が確認された。ま
た、検出率は100%であり、実試料においても抽出の
再現性が確認された。
【0111】
【発明の効果】本発明の磁性担体はその表面にアクリル
アミドやポリアクリルアミドが均一に結合しているた
め、担体である磁性シリカ粒子にはない吸着や抽出性能
を持たせることでき、また、球状であり、その内部に十
分な量の磁性体を含有し、その強度も大きいことが明ら
かであることから核酸等の吸着剤や、抽出剤として有用
である。また、本発明の製造方法によれば、種々の用途
に応じた所望量のアクリルアミド及び/又はポリアクリ
ルアミド量を有する磁性シリカ粒子を容易に製造するこ
とが可能である。さらに、本発明の磁性担体を用いて核
酸を容易にかつ再現性よく抽出できる。
【0112】
【配列表】
【0113】
【配列番号:1】 配列の長さ:26 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列の特徴 存在の位置:1..26 (配列) GTCTCTGAAT CAGAAATCCT TCTATC 26
【0114】
【配列番号:2】 配列の長さ:25 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列の特徴 存在の位置:1..25 (配列) CATGTCAAAT TTCACTGCTT CATCC 25
【0115】
【配列番号:3】 配列の長さ:19 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列の特徴 存在の位置:1..19 (配列) ATCCGCAAGC ACCCTATCA 19
【0116】
【配列番号:4】 配列の長さ:21 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列の特徴 存在の位置:1..21 (配列) CACTCCACCA TAGATCACTC C 21

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁性体を含むシリカ粒子の表面にポリアク
    リルアミドをアクリルアミドモノマー換算量として0.
    3〜5mmol/g有することを特徴とする磁性担体。
  2. 【請求項2】核酸を吸着分離又は抽出するための磁性担
    体であって、ポリアクリルアミドをアクリルアミドモノ
    マー換算量として0.5〜5mmol/g有することを
    特徴とする請求項1に記載の磁性担体。
  3. 【請求項3】表面の窒素原子の量が5原子%以上である
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の磁性担
    体。
  4. 【請求項4】磁性担体を製造する以下の工程; a)シリカ又はシリカ原料を反応させ、さらに磁性体を
    付与して磁性シリカ粒子を得る工程、 b)工程a)で得られた磁性シリカ粒子とカップリング
    剤とを反応させる工程、 c)工程b)で得られた磁性シリカ粒子を洗浄する工
    程、 d)工程c)で得られた磁性シリカ粒子と、アクリルア
    ミド及び/又はポリアクリルアミドとを反応させる工
    程、 e)工程d)で得られた磁性シリカ粒子を洗浄し乾燥さ
    せる工程、 を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記
    載の磁性担体の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の磁性担体の製造方法の工
    程d)において、磁性シリカ粒子を洗浄した後溶媒置換
    し乾燥させることを特徴とした磁性担体の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項4又は請求項5に記載の磁性担体の
    製造方法の工程d)において、磁性シリカ粒子とアクリ
    ルアミド及び/又はポリアクリルアミドとを反応させる
    溶液中の溶存酸素濃度を1mg/リットル以下とするこ
    とを特徴とした磁性担体の製造方法。
  7. 【請求項7】請求項4〜6のいずれかに記載の磁性担体
    の製造方法の工程d)において、反応後の溶液中のポリ
    アクリルアミドの重合度が数平均分子量で1000〜1
    000000であることを特徴とする請求項5又は請求
    項6に記載の磁性担体の製造方法。
  8. 【請求項8】請求項1〜3のいずれかに記載の磁性担体
    と試料とを混合し、前記試料中の核酸を磁性担体に吸着
    させた後、磁力を利用して磁性担体と試料とを分離する
    ことを特徴とする核酸抽出方法。
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