JPH11310705A - 熱伝導性シリコーンゴム組成物 - Google Patents

熱伝導性シリコーンゴム組成物

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JPH11310705A
JPH11310705A JP14458698A JP14458698A JPH11310705A JP H11310705 A JPH11310705 A JP H11310705A JP 14458698 A JP14458698 A JP 14458698A JP 14458698 A JP14458698 A JP 14458698A JP H11310705 A JPH11310705 A JP H11310705A
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JP
Japan
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thermally conductive
heat
conductive filler
silicone rubber
filler
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Application number
JP14458698A
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English (en)
Inventor
Kyoko Shimada
恭子 嶋田
Susumu Kajita
進 梶田
Naohito Fukuya
直仁 福家
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱伝導性フィラーの含有率を高くしてもスラ
リー粘度の上昇及びゴム硬度の上昇が抑えられ、かつ、
高温環境下で使用した場合も、そのゴム硬度の変化が少
ない熱伝導性シリコーンゴム組成物を提供する。 【解決手段】 熱伝導性フィラーのみを300kg/c
2で圧縮成形して成形体とした際に圧縮前の熱伝導性
フィラーの平均粒径が圧縮成形後も保持され、かつ前記
成形体におけるフィラーの体積分率が78体積%以上と
なる、ナトリウムイオン含有量が重量割合で150pp
m以下の熱伝導性フィラーを含有する。シリコーンゴム
を含有する。熱伝導性フィラーが熱伝導性シリコーンゴ
ム組成物全量に対して56体積%以上含有する。熱伝導
性シリコーンゴム組成物の流動性が向上してスラリー粘
度を低減することができる。硬化成形品が加熱された際
のゴム硬度の上昇及び電気絶縁性の悪化を抑制すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トランジスター、
MPU、ドライバーIC、メモリー等の電子部品と放熱
器との間に設置され、電子部品から発生する熱を放熱器
に伝導する放熱シート、放熱器を兼ねたケースに入った
電子部品等の放熱に用いられる放熱用ポッティング材及
び電子部品と放熱器とを接着する放熱用接着剤を形成す
るために好適な熱伝導性シリコーンゴム組成物に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】トランジスター、MPU、ドライバーI
C、メモリー等の電子部品4等から発生する熱を効率良
く放熱するために電子部品4等に放熱器5を取り付ける
ことが行われており、放熱器5を電子部品4に取り付け
る際は、熱伝導性の高い放熱シート3、放熱用ポッティ
ング材、放熱用接着材等を介して放熱器5を電子部品4
に取り付け、電子部品4からの発熱が放熱器5に効率良
く伝導するようにしている。ここで放熱シート3を介し
て電子部品4に放熱器5を取り付ける際は、図1(a)
に示すように半田バンプ等の実装用電極8を介して基板
6に実装された電子部品4に放熱器5を設けることが一
般的に行なわれている。ここで電子部品4と放熱器5と
の間に図1(c)のように空隙7が生じた場合、この空
隙7が熱伝導の大きな抵抗となるため、放熱器5と電子
部品4との間に放熱シート3を配置し、図1(b)のよ
うに放熱器5と電子部品4の接合面の微妙な反りやうね
りに放熱シート3を沿わせることによって、空隙7が生
じることを防ぎ、電子部品4から発する熱を放熱器5に
効率良く伝導させるようにしている。
【0003】従来よりこのような電子部品4等の放熱に
用いられている放熱用ポッティング材及び放熱用接着剤
としては、シリコーンゴムをベースとし、これに熱伝導
性フィラーを含有させた液状の熱伝導性シリコーンゴム
組成物が、また放熱シート3としてはこのような熱伝導
性シリコーンゴム組成物を成形したものが、その耐熱性
や信頼性の高さのためによく用いられている。一方半導
体の高集積化、電子機器の軽薄短小化によって、これら
放熱部材の熱伝導特性に対するニーズは年々高まる一方
である。そこで従来より上記放熱部材の熱伝導性を上げ
るためには、高い熱伝導率を有するフィラーの選択、及
びフィラーの含有率を上げる方法が検討されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし単にフィラーの
充填率を上げると、熱伝導性シリコーンゴム組成物のス
ラリー粘度も同時に高くなってしまい、そのため放熱シ
ート3を成形する際の加工性が低下すると共に、スラリ
ーの脱泡も困難となり、そのためボイドレス成形が困難
となってしまう。また放熱用ポッティング材や接着剤と
して用いる場合はその流動性が悪くなってしまい、ディ
スペンサー等での吐出が困難になると共に、ポッティン
グあるいは接着したい箇所への材料の流れも悪くなって
しまう。ここでエポキシ樹脂の場合は無機充填剤の含有
率を高くし、体積分率75%以上の無機充填剤を含有さ
せてスラリーの低粘度化が図れることが、特開平5−1
70967号公報に開示されているが、シリコーンゴム
組成物については、そのような技術は提案されていな
い。
【0005】また熱伝導性シリコーン組成物にて放熱シ
ート3を形成した場合、その放熱シート3の硬度が高硬
度化してしまうという問題も生じる。放熱シート3が高
硬度化すると、電子部品4や放熱器5の接合面の微妙な
うねりや反りに対しての追随性が低下し、放熱器5と電
子部品4との間の空隙7を充分に埋めることができない
という問題が発生する。またこのような高硬度の放熱シ
ート3を微妙なうねりや反りに追随させようとすると、
電子部品4と放熱シート3の間にかなりの荷重を掛ける
必要があり、電子部品4に対して大きなダメージを与え
る恐れがある。
【0006】そこでこのような問題を考慮し、シリコー
ンゴムの中でも柔らかいシリコーンゲル樹脂を用いた放
熱シート3が使用されているが、いかにシリコーンゲル
樹脂を使おうともフィラーの含有率が高くなってしまう
と高硬度化は避けられない。従って通常熱伝導性フィラ
ーとしてアルミナを用いる場合、フィラー含有率は40
〜55体積%程度に抑えられており、JIS−K630
1A型に準拠したゴム硬度は5〜15位の柔軟性を達成
しているが、熱伝導性は0.8〜1.5W/mK程度に
しかなっていない。それに対して前述したように放熱部
材の熱伝導性に対するニーズは年々高まっているため、
従来の放熱シート3並の柔軟性を維持しながら、更に高
い熱伝導性を有した放熱シート3を形成するための熱伝
導性シリコーンゴム組成物が望まれている。
【0007】また、水分やアルカリ金属イオンなどの不
純物がシリコーンゴム中に含まれていると、シリコーン
ゴムは熱劣化現象を起こし、初めの柔らかいゴム状態か
ら変質し、高硬度化を起こしたり、弾力性を失うことに
より、放熱シート3が電子部品4や放熱器5との空隙7
を埋めていても、隙間ができてしまうという問題が発生
する。さらには、アルカリイオン不純物により、電気絶
縁性も下がり、電子部品の動作を不安定にさせる恐れが
ある。
【0008】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、熱伝導性フィラーの含有率を高くしてもスラリー
粘度の上昇及びゴム硬度の上昇が抑えられ、かつ、高温
環境下で使用した場合も、そのゴム硬度の変化が少ない
熱伝導性シリコーンゴム組成物を提供することを目的と
するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の熱伝導性シリコーンゴム組成物は、熱伝導性フィラー
のみを300kg/cm2で圧縮成形して成形体とした
際に圧縮前の熱伝導性フィラーの平均粒径が圧縮成形後
も保持され、かつ前記成形体におけるフィラーの体積分
率が78体積%以上となる、ナトリウムイオン含有量が
重量割合で150ppm以下の熱伝導性フィラー及びシ
リコーンゴムより成る熱伝導性シリコーンゴム組成物で
あって、熱伝導性フィラーが熱伝導性シリコーンゴム組
成物全量に対して56体積%以上含有することを特徴と
するものである。
【0010】また本発明の請求項2に記載の熱伝導性シ
リコーンゴム組成物は、請求項1の構成に加えて、上記
の熱伝導性フィラーとして、1μm以下の粒径を有する
フィラーを熱伝導性フィラー全量に対して8〜25体積
%含有し、かつ熱伝導性フィラー全体の単位体積当りの
表面積が12m2/cm3以下である熱伝導性フィラーを
用いることを特徴とするものである。
【0011】また本発明の請求項3に記載の熱伝導性シ
リコーンゴム組成物は、請求項1又は2の構成に加え
て、熱伝導性フィラーとして金属酸化物、金属窒化物及
び金属単体のうちから選択されたものを単独又は複数種
を組み合わせたものを用いることを特徴とするものであ
る。
【0012】また本発明の請求項4に記載の熱伝導性シ
リコーンゴム組成物は、請求項1乃至3のいずれかの構
成に加えて、熱伝導性フィラーとしてアルミナを用いる
ことを特徴とするものである。
【0013】また本発明の請求項5に記載の熱伝導性シ
リコーンゴム組成物は、請求項1乃至4のいずれかの構
成に加えて、熱伝導性フィラーとしてシリカを用いるこ
とを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0015】本発明の熱伝導性シリコーンゴム組成物は
シリコーンゴムに熱伝導性フィラーを含有させたもので
ある。
【0016】シリコーンゴムとしては、二液型や一液型
の液状タイプのシリコーンゲルやシリコーンゴムを使用
することができる。
【0017】また熱伝導性フィラーとしては、アルミ
ナ、シリカ、マグネシア、ベリリア、チタニア、ベンガ
ラ等の金属酸化物、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒
化ホウ素等の金属窒化物、銅、アルミニウム等の金属単
体、あるいは黒鉛、カーボンブラック等を用いることが
できる。ここでこれらの熱伝導性フィラーは単独で用い
てもよいし、複数種を混合して用いてもよい。
【0018】本発明の熱伝導性シリコーンゴム組成物中
の熱伝導性フィラーの配合割合は、熱伝導性シリコーン
ゴム組成物全量に対して56体積%以上とするものであ
り、56体積%に満たないと本発明の熱伝導性シリコー
ンゴム組成物に充分な熱伝導性を付与することが困難な
ものである。例えば熱伝導性フィラーとしてアルミナを
主成分とするものを用いた場合にその配合割合を56体
積%未満とすると、熱伝導性シリコーンゴム組成物の熱
伝導率は1.5W/mK未満となるものであって、これ
は従来から使用されている放熱シート3の熱伝導率と同
等なものであり、より高い熱伝導率、例えば2.0W/
mK以上の熱伝導率を達成することはできない。また熱
伝導性フィラーの配合割合の上限は75体積%とするの
が好ましく、75体積%を超えると本発明の熱伝導性シ
リコーンゴム組成物のスラリー粘度が実用上適さない程
大きくなり、また熱伝導性シリコーンゴム組成物の硬化
物のゴム硬度も高くなって好ましくない。
【0019】上記のように熱伝導性フィラーを熱伝導性
シリコーンゴム組成物中に熱伝導性シリコーンゴム組成
物全量に対して56体積%以上含有させながら本発明の
熱伝導性シリコーンゴム組成物のスラリー粘度及び熱伝
導性シリコーンゴム組成物にて形成される成形物のゴム
硬度を低減するためには、熱伝導性フィラーとして、熱
伝導性フィラーのみを300kg/cm2で圧縮成形し
て成形体とした際に圧縮前の熱伝導性フィラーの平均粒
径が圧縮成形後も保持され、かつこのようにして形成さ
れる熱伝導性フィラーの成形体におけるフィラーの体積
分率が78体積%以上となるものを用いることが好まし
い。またフィラーの体積分率は大きい程好ましいもので
あるが、実質上の上限は95体積%である。これは理論
上100体積%となることは不可能であり、また成形体
中の大きい粒子間の空隙を小さい粒子で埋め、更にその
空隙を更に小さい粒子で埋めるというふうにしていく
と、限りなく100%に近づいていくが、実際そのよう
な小さな粒径のフィラー粒子は存在せず、また存在した
としても表面エネルギーが極めて大きくなるため分散で
きないと思われるからである。
【0020】ここで上記の熱伝導性フィラーの成形体に
おけるフィラーの体積分率について説明する。まず熱伝
導性フィラー成形体中の熱伝導性フィラー全体の真比重
dが、下記の数式(A)を用いて算出される。
【0021】
【数1】 式(A)中のnは熱伝導性フィラー全体の中のフィラー
の種類の数、di(iは1〜nの整数)は各フィラーの
真比重、Wi(iは1〜nの整数)は各フィラーの配合
重量をそれぞれ示すものである。このようにして算出さ
れた熱伝導性フィラー全体の真比重dから、下記の数式
(B)を用いて熱伝導性フィラーの成形体における熱伝
導性フィラーの体積分率P(%)が算出される。
【0022】
【数2】 式(B)中のW(g)は熱伝導性フィラー全体の重量、
V(cc)は熱伝導性フィラー成形体の体積を示すもの
である。
【0023】上記のように熱伝導性フィラーを圧縮成形
して得られる熱伝導性フィラー成形体中におけるフィラ
ー粒子の密な充填状態は、熱伝導性シリコーンゴム組成
物中の熱伝導性フィラーの配合割合を高くさせて得られ
る高濃度スラリー中のフィラー粒子の充填状態に近似し
ているものである。ここで熱伝導性フィラー成形体を圧
縮成形にて形成する際は、その成形圧力を、圧縮成形前
の熱伝導性フィラーの平均粒径が圧縮成形後の熱伝導性
フィラー成形体中においても保持されるような圧力とす
ることが重要であり、この圧力が高過ぎると熱伝導性フ
ィラー成形体中のフィラー粒子が破壊され、圧縮成形後
の平均粒径は圧縮成形前の平均粒径とは異なるものとな
り、測定される体積分率Pは熱伝導性シリコーンゴム組
成物中の熱伝導性フィラーの性質を示さなくなるという
不都合が生じる。なお、圧縮成形前のフィラーの平均粒
径が圧縮成形後も保持される最高の圧力未満で成形した
熱伝導性フィラー成形体中の熱伝導性フィラーの体積分
率Pは、前記の最高の圧力で成形した場合の熱伝導性フ
ィラー成形体の熱伝導性フィラーの体積分率Pよりも小
さい値となる。本発明ではこの熱伝導性フィラー成形体
を形成する際の圧縮圧力を300kg/cm2とした。
種々の熱伝導性フィラーの圧縮成形を300kg/cm
2の圧力で単軸加圧により行って円筒状の成形体を得た
ところ、この成形体を解砕して得られる熱伝導性フィラ
ーの粒子の平均粒径の測定結果は、成形前の熱伝導性フ
ィラーの粒子の平均粒径の測定結果と同一であったもの
であり、300kg/cm2の圧力で熱伝導性フィラー
の圧縮成形を行ってもフィラー粒子の破壊は生じていな
いといえる。
【0024】上記のように熱伝導性フィラーを圧縮成形
して得られる熱伝導性フィラー成形体中の熱伝導性フィ
ラーの平均粒径が圧縮成形前の状態のまま保持されてお
り、その際の熱伝導性フィラー成形体中の熱伝導性フィ
ラーの体積分率が78体積%以上と大きいことは、熱伝
導性シリコーンゴム組成物中の熱伝導性フィラーの含有
率を高くして熱伝導性シリコーンゴム組成物の熱伝導性
を向上することができることを意味する。
【0025】また熱伝導性フィラー成形体におけるフィ
ラーの体積分率が大きいということは、成形体中のフィ
ラー粒子間に残っている空隙が少ないことを意味するも
のであり、この空隙部分を液状成分で埋めた複合材を考
えると、液状成分の体積が空隙部分の体積と等しいか又
は空隙部分の体積よりも少ない場合には複合材中のフィ
ラー粒子同士の接触により複合材全体の変形が妨げら
れ、この複合材は全く流動しないものとなり、一方液状
成分の体積が空隙部分の体積よりも大きい場合には、複
合材中のフィラー粒子同士は液状成分にて隔てられるこ
とになり、フィラー粒子はある程度自由に移動すること
が可能となって複合材全体として変形可能なもの、すな
わち流動可能なスラリー状となるものである。従って熱
伝導性フィラーの含有率が等しい熱伝導性シリコーンゴ
ム組成物では、上記のように熱伝導性フィラー成形体中
の熱伝導性フィラーの平均粒径が圧縮成形前の状態のま
ま保持されており、その際の熱伝導性フィラー成形体中
の熱伝導性フィラーの体積分率が78体積%以上となる
熱伝導性フィラーを使用するほうが、熱伝導性フィラー
の含有率を高くしても、熱伝導性フィラー間の空隙部分
の体積が小さいため、その空隙をシリコーンゴムにて充
分に埋めることができ、熱伝導性シリコーンゴム組成物
の流動性が向上してスラリー粘度を低減することができ
るものである。一方、熱伝導性フィラー成形体中の熱伝
導性フィラーの体積分率が78体積%に満たない熱伝導
性フィラーを用いると、熱伝導性フィラーの含有率を高
くした熱伝導性シリコーンゴム組成物のスラリー粘度が
実用上適さない程大きくなって好ましくないものであ
る。
【0026】また同様のことが、熱伝導性シリコーンゴ
ム組成物の硬化成形物のゴム硬度についてもいえる。す
なわち熱伝導性フィラー成形体中のフィラー粒子間の空
隙部分が熱伝導性フィラーよりもはるかに柔らかいシリ
コーンゴム硬化物によって埋まっている複合材を考えた
場合、シリコーンゴム硬化物の体積が空隙部分の体積と
等しいか又は小さい場合には、フィラー粒子同士の接触
により複合材全体の塑性変形が妨げられ、複合材は非常
に硬いものとなり、一方シリコーンゴム硬化物の体積が
空隙部分の体積よりも大きい場合には、フィラー粒子間
はシリコーンゴムの硬化物によって隔てられているの
で、粒子間の接触がなく、複合材は塑性変形しやすい状
態となる。従って熱伝導性フィラーの含有率が等しい熱
伝導性シリコーンゴム組成物の硬化成形物では、上記の
ように熱伝導性フィラー成形体中の熱伝導性フィラーの
平均粒径が圧縮成形前の状態のまま保持されており、そ
の際の熱伝導性フィラー成形体中の熱伝導性フィラーの
体積分率が78体積%以上となる熱伝導性フィラーを使
用するほうが、熱伝導性フィラーの含有率を高くしても
熱伝導性フィラー間の空隙をシリコーンゴムの硬化物に
て充分に埋めることができ、熱伝導性シリコーンゴム組
成物の硬化成形物が塑性変形しやすくなってゴム硬度を
低減することができるものである。一方、熱伝導性フィ
ラー成形体中の熱伝導性フィラーの体積分率が78体積
%に満たない熱伝導性フィラーを用いると、熱伝導性フ
ィラーの含有率を高くした熱伝導性シリコーンゴム組成
物の硬化成形物のゴム硬度が高くなって好ましくないも
のである。
【0027】上記のような熱伝導性フィラー、すなわち
熱伝導性フィラーのみを300kg/cm2で圧縮成形
して成形体とした際に圧縮前の熱伝導性フィラーの平均
粒径が圧縮成形後も保持され且つこのようにして形成さ
れる熱伝導性フィラーの成形体におけるフィラーの体積
分率が78体積%以上となるような熱伝導性フィラー
は、熱伝導性フィラー中に1μm以下の粒径を有するフ
ィラーを熱伝導性フィラー全量に対して8〜25体積%
含有させ、かつ熱伝導性フィラー全体の単位体積当りの
表面積を12m2/cm3以下とすることにより得ること
ができる。
【0028】熱伝導性フィラー中に1μm以下の粒径を
有するフィラーを熱伝導性フィラー全量に対して8〜2
5体積%含有させるようにすると、熱伝導性フィラー成
形体中の粒径の粗いフィラー粒子間の空隙を1μm以下
の粒径を有するフィラー粒子で埋めることができ、熱伝
導性フィラーの平均粒径が保持さた状態で熱伝導性フィ
ラー成形体におけるフィラーの体積分率を78体積%以
上とすることができるものである。ここで1μm以下の
粒径を有するフィラーの割合が熱伝導性フィラー全量に
対して8体積%に満たないと、粒径の粗いフィラー粒子
間の空隙を1μm以下の粒径を有するフィラー粒子で充
分に埋めることができず、空隙の割合が大きくなるもの
であり、また逆に1μm以下の粒径を有するフィラーの
割合が25体積%を超えると、粒径の粗いフィラー粒子
間の空隙を埋めるために必要とされる以上の1μm以下
の粒径を有するフィラーが存在することとなり、フィラ
ー粒子間の空隙が増大するものであって、いずれの場合
も熱伝導性フィラーの平均粒径が保持さた状態で熱伝導
性フィラー成形体におけるフィラーの体積分率を78体
積%以上とすることが困難なものである。ここで上記の
1μm以下の粒径を有するフィラーの粒径は小さい程よ
いものであるが、実質上の下限は0.1μmであり、
0.1μmに満たない粒子となると、表面エネルギーが
非常に大きくなり、粒子同士で凝集を起こしやすくなっ
て分散させることが困難となる。
【0029】またこの場合、更に熱伝導性フィラー全体
の単位体積当りの表面積12m2/cm3以下とすること
が必要なものである。ここで単位体積当りの表面積Sv
(m2/cm3)とは、下記の式(C)で示すように、通
常フィラーの性状を表すのによく使用されるフィラーの
比表面積Sw(m2/g)をフィラーの真密度d(g/
cm3)で除した値である。
【0030】
【数3】 熱伝導性フィラー中のフィラー粒子の形状が球形に近い
ものとすれば、フィラー粒子の粒径と比表面積及び単位
体積当りの表面積は反比例の関係となり、粒径が小さく
なる程比表面積が大きくなる。従って1μm以下の粒径
を有するフィラーを熱伝導性フィラー全量に対して8〜
25体積%含有させたとしても、熱伝導性フィラー全体
の単位体積当りの表面積が12m2/cm3を超えてしま
うような場合は、熱伝導性フィラー中の粒径が1μmを
超えるフィラー粒子の粒径が比較的小さくなり、このよ
うな場合は上記のように熱伝導性フィラー中の粒径が粗
いフィラー粒子間の空隙を1μm以下の粒径を有するフ
ィラー粒子で埋めるような状態にはならず、熱伝導性フ
ィラーの平均粒径が保持された状態で熱伝導性フィラー
の成形体におけるフィラーの体積分率を78体積%以上
とすることが困難となるものである。またこの熱伝導性
フィラー全体の単位面積当りの表面積の下限は、4m2
/cm3とすることが好ましいものであり、4m2/cm
3に満たないと熱伝導性フィラー中の粒径が1μmを超
えるフィラー粒子の粒径が比較的大きくなり、このよう
な場合は熱伝導性フィラー中の粒径の粗いフィラー粒子
間の空隙も同時に大きくなるため、この空隙を1μm以
下の粒径を有するフィラー粒子で埋めきれなくなり、熱
伝導性フィラーの平均粒径が保持された状態で熱伝導性
フィラー成形体におけるフィラーの体積分率を78体積
%以上とすることが困難となるものである。
【0031】以上の様な組成を有するシリコーンゴム組
成物中は、スラリー粘度を低減すると共にゴム硬度も低
減することができるものであるが、このシリコーンゴム
組成物中の熱伝導性フィラーに含まれるナトリウムイオ
ン含有量が多いと、シリコーンゴム組成物を硬化させて
成形される成形品は、加熱されると分解され、弾力性を
失い、硬く脆くなり、ゴム硬度が上昇してしまう。ま
た、電気絶縁性が悪化し、電子部品を安定に動作させる
ことが困難となる。
【0032】そこで本発明では熱伝導性フィラーに含ま
れるナトリウムイオン含有量を、熱伝導性フィラーに対
して重量割合で150ppm以下とすることにより、シ
リコーンゴム組成物を硬化させて成形される成形品が加
熱された際のゴム硬度の上昇及び電気絶縁性の悪化を抑
制するようにしたものである。この熱伝導性フィラー中
に含まれるにナトリウムイオンは、少なければ少ないほ
どよいが、熱伝導性フィラーとして用いられる市販のア
ルミナ等では、ナトリウムイオン含有量は、重量割合で
0.1ppmが下限であり、これ以下の濃度は現実的で
はない。また、150ppm以下であれば、熱による劣
化や電気絶縁性の悪化を充分に抑制することができる。
【0033】以下に本発明の熱伝導性シリコーンゴム組
成物を製造する方法を説明する。シリコーンゴムと熱伝
導性フィラーを混練する際、シリコーンゴムとして一液
型のものを用いる場合は、熱伝導性フィラーを混練機を
用いてシリコーンゴムと混練して熱伝導性シリコーンゴ
ム組成物を形成することができる。またシリコーンゴム
として二液型のものを用いる場合は、予め主剤と硬化剤
にそれぞれ目的量の熱伝導性フィラーを混合してスラリ
ーを形成しておき、その主剤スラリーと硬化剤スラリー
を混練して熱伝導性シリコーンゴム組成物を形成するこ
とができるものであり、また主剤と硬化剤を混合した
後、熱伝導性フィラーを添加してもよい。
【0034】上記のようにして形成される熱伝導性シリ
コーンゴム組成物は、スラリー状に形成されるものであ
り、この熱伝導性シリコーンゴム組成物を用いてトラン
ジスター、MPU、ドライバーIC、メモリー等の電子
部品と放熱器との間に設置され、電子部品から発生する
熱を放熱器に伝導する放熱シート3を形成することがで
き、あるいは放熱器を兼ねたケースに入った電子部品等
の放熱に用いられる放熱用ポッティング材及び電子部品
と放熱器とを接着する放熱用接着剤として用いることが
できる。
【0035】本発明の熱伝導性シリコーンゴム組成物に
て放熱シート3を形成する際は、熱伝導性シリコーンゴ
ム組成物をシート状にプレス成形、押出し成形、カレン
ダー成形等の方法で成形した後、加熱硬化させることに
よって放熱シート3を形成することができる。またこの
ようにコンパウンドの状態で成形する他、ガラス布等の
基材にシリコーンゴム組成物を含浸させた後成形したも
のを、加熱硬化させることもできる。この際、本発明の
熱伝導性シリコーンゴム組成物はスラリー粘度が低いた
め成形時の加工性が良好なものであり、またスラリーの
脱泡を容易に行うことができてボイドレス成形が容易な
ものである。
【0036】このようにして形成される放熱シート3
は、図1(a)に示すように基板6上に半田バンプ等か
らなる実装用電極8を介して実装されたトランジスタ
ー、MPU、ドライバーIC、メモリー等の電子部品4
と、ヒートシンク、ヒートパイプ、筺体等の放熱器5と
間に配置され、図1(b)のように放熱器5と電子部品
4の接合面の微妙な反りやうねりに放熱シート3を沿わ
せることによって、放熱器5と電子部品4の接合面に図
1(c)に示すような熱抵抗の大きい空隙7が生じるこ
とを防ぎ、電子部品4から発する熱を放熱器5に効率良
く伝導させることができるものである。
【0037】ここで本発明の熱伝導性シリコーンゴム組
成物は上記のように熱伝導性無機フィラーの熱伝導性シ
リコーンゴム組成物全量に対する配合割合を56体積%
以上と高くしてあるため熱伝導性が高いものであり、ま
た熱伝導性シリコーンゴム組成物のスラリー粘度が低
く、成形加工性が良好であると共に、スラリー状の熱伝
導性シリコーンゴム組成物の脱泡を容易に行うことがで
きてボイドレス成形が容易なものであり、また熱伝導性
シリコーンゴム組成物の硬化成形物のゴム硬度を低減す
ることができるものである。従って本発明の熱伝導性シ
リコーンゴム組成物で放熱シート3を形成する際の成形
性を向上することができるものであり、また形成された
放熱シート3はゴム硬度が低いため、放熱器5と電子部
品4との間に配置する際、電子部品4に強い荷重を掛け
なくても放熱器5と電子部品4の接合面の反りやうねり
を容易に埋めることができ、放熱器5と電子部品4の間
に熱抵抗が高い空隙7が形成されることがなく、かつこ
の放熱シート3は熱伝導性が高いので、電子部品4から
放熱器5への熱伝導効率を向上し、電子部品4からの発
熱を容易に放熱することができるものである。
【0038】また本発明の熱伝導性シリコーンゴム組成
物を放熱器5を兼ねたケースに入った電子部品4等の放
熱に用いられる放熱用ポッティング材や電子部品4と放
熱器5とを接着する放熱用接着剤として用いる場合、そ
の流動性が良好であるためディスペンサー等での吐出が
容易であり、またポッティングあるいは接着したい箇所
へ容易に流し込むことができるものであり、またこの放
熱用ポッティング材や放熱用接着剤は放熱シート3の場
合と同様に熱伝導性が高いので、電子部品4から放熱器
5への熱伝導効率を向上し、電子部品4等からの発熱を
容易に放熱することができるものである。
【0039】このように本発明の熱伝導性シリコーンゴ
ム組成物は、放熱シート3を形成し、あるいは放熱用ポ
ッティング材や放熱用接着剤として用いるために好適な
ものである。
【0040】
【実施例】以下、本発明を実施例によって詳述する。 (実施例1〜4、比較例1〜2)シリコーンゴムとし
て、A液とB液とからなる付加反応型シリコーンゲル
(東レダウコーニング社製、品番「SE1885」)を
用い、熱伝導性フィラーとしてアルミナを用いた。この
熱伝導性フィラーを前記シリコーンゲルのA液、B液に
それぞれ60体積%となるように配合、混練し、A、B
の二種類のスラリーを調製した。
【0041】次にこのA、B二種類のスラリーをそれぞ
れ重量比で1対1の比率で25℃にて1分間混合、混練
し、この混練物スラリーをテフロンフィルムで挟み込
み、プレス成形により2mm厚のシートに成形し、これ
を80℃、30分間の条件下で加熱硬化させて放熱シー
ト3を作製した。 (実施例5)熱伝導性フィラーとして窒化アルミニウム
を用いた以外は、実施例1〜4と同様に行った。 (実施例6)熱伝導性フィラーとしてシリカを用いた以
外は、実施例1〜4と同様に行った。 (熱伝導性フィラーの評価)ここで上記の各実施例及び
比較例に用いた熱伝導性フィラーについては、下記の点
に関して測定を行ったものを用いた。なお、(2)につ
いては、熱伝導性フィラーの比表面積を測定し、その値
と熱伝導性フィラーの真密度を用い、上記の数式(C)
により算出した。この測定結果は表1に示す。 (1) 熱伝導性フィラー全量に対する1μm以下の粒
径を有するフィラーの体積分率。
【0042】(2) 熱伝導性フィラー全体についての
単位体積当りの表面積。
【0043】(3) 熱伝導性フィラーのみを300k
g/cm2で圧縮成形して得られた成形体におけるフィ
ラーの体積分率。
【0044】(4) 熱伝導性フィラー中のナトリウム
イオンの含有量。
【0045】ここで(4)の熱伝導性フィラー中のナト
リウムイオンの含有量の測定は、熱伝導性フィラー10
gをビーカーに取り、95℃の熱水100mlを加えて
2時間抽出した後、その溶液をイオンクロマトアナライ
ザー(横河電機(株)製、品番「IC 7000」)に
注入し、市販の原子吸光用Na+標準液を使用して熱水
中に溶出したナトリウムイオンを定量し、この定量され
たナトリウムイオン量を重量に換算した後熱伝導フィラ
ーの重量で除して、熱伝導性フィラー中に含有されるナ
トリウムイオンの重量割合を算出したものである。 (スラリー粘度測定)各実施例及び比較例のA、B二種
類のスラリーを25℃にて1分間混合、混練した直後、
この混合物スラリーについて、レオメーター(HAAK
E社製、品番「CV20」)によりせん断速度5(1/
S)、25℃の条件で粘度を測定した。 (ゴム硬度)各実施例及び比較例の放熱シート3につい
て、JIS−K6301−A型に準拠したゴム硬度計
((株)TECLOCK社製、品番「GSD−70
6」)により、ゴム硬度を測定した。 (耐熱試験)各実施例及び比較例の放熱シート3につい
て、150℃に保持した乾燥機((株)東洋製作所製、
「FC―410型」)にて1000時間処理した場合の
ゴム硬度を上記のゴム硬度測定と同様の方法で測定し
た。 (プレッシャークッカー試験)各実施例及び比較例の放
熱シート3について、125℃、2気圧で飽和させたプ
レッシャークッカー試験機((株)平山製、「PC―3
05S」)で1000時間放置した場合のゴム硬度を上
記のゴム硬度測定と同様の方法で測定した。 (熱伝導率)各実施例及び比較例の放熱シート3につい
て、定常法平板比較法にて熱伝導率を測定した。
【0046】上記の評価結果を表1に示す。
【0047】
【表1】 表1から判るように、比較例1〜2のものでは、熱伝導
性が高い水準にあるものの熱伝導性シリコーンゴム組成
物のスラリー粘度が高く、また放熱シート3のゴム硬度
が高いのに対して、実施例1〜6のものでは、熱伝導性
が高い水準にありながら熱伝導性シリコーンゴム組成物
のスラリー粘度を低減することができ、かつ放熱シート
3のゴム硬度を低くすることができたことが確認され
た。さらに、比較例1〜2のものでは熱伝導性フィラー
に含まれるナトリウムイオンの重量割合が250〜36
0ppmと高く、耐熱試験後やプレッシャークッカー試
験後にゴム硬度が13〜15も上昇しているのに対し
て、熱伝導性フィラーに含まれるナトリウムイオンの重
量割合が150ppm以下である実施例1〜6のもので
は、耐熱試験後やプレッシャークッカー試験後のゴム硬
度上昇は0〜4に抑えられており、熱伝導性フィラーに
含まれるナトリウムイオンの含有量を下げることによ
り、耐熱試験後やプレッシャークッカー試験後のゴム硬
度の上昇が抑えられ、試験後も低いゴム硬度を保つこと
が確認できた。
【0048】
【発明の効果】上記のように本発明の請求項1に記載の
熱伝導性シリコーンゴム組成物は、熱伝導性フィラーの
みを300kg/cm2で圧縮成形して成形体とした際
に圧縮前の熱伝導性フィラーの平均粒径が圧縮成形後も
保持され、かつ前記成形体におけるフィラーの体積分率
が78体積%以上となる熱伝導性フィラー及びシリコー
ンゴムより成る熱伝導性シリコーンゴム組成物であっ
て、熱伝導性フィラーが熱伝導性シリコーンゴム組成物
全量に対して56体積%以上含有するため、このように
熱伝導性フィラーの配合量を高くして熱伝導性シリコー
ンゴム組成物の熱伝導率を向上させても、熱伝導性シリ
コーンゴム組成物中の熱伝導性フィラー間の空隙をシリ
コーンゴムにて充分に埋めることができ、熱伝導性シリ
コーンゴム組成物の流動性が向上してスラリー粘度を低
減することができるものであり、またこのような熱伝導
性シリコーンゴム組成物を硬化させて得られる硬化成形
物においては、この硬化成形物中の熱伝導性フィラー間
の空隙をシリコーンゴムの硬化物にて充分に埋めること
ができ、熱伝導性シリコーンゴム組成物の硬化成形物が
塑性変形しやすくなって成形物のゴム硬度を低減するこ
とができるものである。さらに、熱伝導性フィラーとし
てナトリウムイオン含有量が重量割合で150ppm以
下のものを用いているので、シリコーンゴム組成物中を
硬化させて成形される成形品が加熱された際のゴム硬度
の上昇及び電気絶縁性の悪化を抑制することができ、耐
熱試験後やプレッシャークッカー試験後も低いゴム硬度
を保つことができるものである。
【0049】また本発明の請求項2に記載の熱伝導性シ
リコーンゴム組成物は、上記の熱伝導性フィラーとし
て、1μm以下の粒径を有するフィラーを熱伝導性フィ
ラー全量に対して8〜25体積%含有し、かつ熱伝導性
フィラー全体の単位体積当りの表面積が12m2/cm3
以下である熱伝導性フィラーを用いるため、熱伝導性シ
リコーンゴム組成物中に配合される熱伝導性フィラー
を、熱伝導性フィラーのみを300kg/cm2で圧縮
成形して成形体とした際に圧縮前の熱伝導性フィラーの
平均粒径が圧縮成形後も保持され、かつ前記成形体にお
けるフィラーの体積分率が78体積%以上となるものに
することができるものである。
【0050】また本発明の請求項3に記載の熱伝導性シ
リコーンゴム組成物は、熱伝導性フィラーとして金属酸
化物、金属窒化物及び金属単体のうちから選択されたも
のを単独又は複数種を組み合わせたものを用いるため、
熱伝導性シリコーンゴム組成物の熱伝導性を効率良く向
上することができるものである。
【0051】また本発明の請求項4に記載の熱伝導性シ
リコーンゴム組成物は、熱伝導性フィラーとしてアルミ
ナを用いるため、熱伝導性フィラーのコストを安くする
ことができ、熱伝導性フィラーの含有量を多くできるも
のである。
【0052】また本発明の請求項5に記載の熱伝導性シ
リコーンゴム組成物は、熱伝導性フィラーとしてシリカ
を用いるため、熱伝導性フィラーのコストを安くするこ
とができ、熱伝導性フィラーの含有量を多くできるもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の熱伝導性シリコーンゴム組成
物から形成された放熱シートの使用形態の一例を示す断
面図、(b)は(a)の一部の拡大図、(c)は放熱シ
ートを使用しない場合の放熱器と電子部品との接合面を
示す一部の断面図である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱伝導性フィラーのみを300kg/c
    2で圧縮成形して成形体とした際に圧縮前の熱伝導性
    フィラーの平均粒径が圧縮成形後も保持され、かつ前記
    成形体におけるフィラーの体積分率が78体積%以上と
    なる、ナトリウムイオン含有量が重量割合で150pp
    m以下の熱伝導性フィラー及びシリコーンゴムより成る
    熱伝導性シリコーンゴム組成物であって、熱伝導性フィ
    ラーが熱伝導性シリコーンゴム組成物全量に対して56
    体積%以上含有することを特徴とする熱伝導性シリコー
    ンゴム組成物。
  2. 【請求項2】 上記の熱伝導性フィラーとして、1μm
    以下の粒径を有するフィラーを熱伝導性フィラー全量に
    対して8〜25体積%含有し、かつ熱伝導性フィラー全
    体の単位体積当りの表面積が12m2/cm3以下である
    熱伝導性フィラーを用いることを特徴とする請求項1に
    記載の熱伝導性シリコーンゴム組成物。
  3. 【請求項3】 熱伝導性フィラーとして金属酸化物、金
    属窒化物及び金属単体のうちから選択されたものを単独
    又は複数種を組み合わせたものを用いることを特徴とす
    る請求項1又は2に記載の熱伝導性シリコーンゴム組成
    物。
  4. 【請求項4】 熱伝導性フィラーとしてアルミナを用い
    ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の
    熱伝導性シリコーンゴム組成物。
  5. 【請求項5】 熱伝導性フィラーとしてシリカを用いる
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の熱
    伝導性シリコーンゴム組成物。
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