JP2000185328A - 熱伝導性シリコーン成形体とその製造方法、及び用途 - Google Patents

熱伝導性シリコーン成形体とその製造方法、及び用途

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JP2000185328A JP36715998A JP36715998A JP2000185328A JP 2000185328 A JP2000185328 A JP 2000185328A JP 36715998 A JP36715998 A JP 36715998A JP 36715998 A JP36715998 A JP 36715998A JP 2000185328 A JP2000185328 A JP 2000185328A
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博昭 澤
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哲美 大塚
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康彦 板橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高柔軟性かつ高熱伝導性であり、電子機器の放
熱部材として好適なシリコーン成形体を提供する。 【解決手段】骨格部と、骨格部の一部又は全部と一体的
に形成された樹脂部とからなり、骨格部と樹脂部は、熱
伝導率の異なるシリコーン硬化物で構成されてなること
を特徴とする熱伝導性シリコーン成形体。この成形体で
構成された電子機器の放熱部材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱伝導性シリコー
ン成形体とその製造方法及び用途に関する。
【0002】
【従来の技術】電子機器においては、使用時に発生する
熱をどのように除去するかが重要な課題であり、それを
解決するため、従来よりトランジスタやサイリスタ等の
発熱電子部品は、熱伝導性シート等の放熱部材を介して
放熱フインや放熱板等のヒートシンクに取り付けられて
いる。熱伝導性シートとしては、樹脂に窒化ホウ素(B
N)等の熱伝導性フィラーを分散含有させたものが広く
賞用されており、また最近では、その柔軟性を例えばア
スカC硬度で50以下までに著しく柔らかくした高柔軟
性放熱スペーサーも使用されるようになってきている。
【0003】今日、このような放熱部材においては、更
なる熱伝導性の向上が要求されており、それをBNの充
填率を高めることによって対応しているが、その反面、
シートの機械的強度が低下するので充填率を高める方法
には限界がある。
【0004】BNは鱗片状粒子であり、その熱伝導率は
面方向では約110W/mK、面方向に対して垂直な方
向では約2W/mK程度であり、面方向の熱伝導性は数
十倍優れていることが知られている。したがって、BN
粒子の面方向を熱の伝達方向であるシートの厚み方向と
同じにする(すなわち、BN粒子をシート厚み方向に立
たせる)ことによって、シートの熱伝導性が飛躍的に向
上することが期待されるが、従来のカレンダーロール
法、ドクターブレード法、押し出し法等の成形方法で
は、シート成形時にBN粒子の配向が起こり、図3のよ
うに鱗片状粒子の面方向がシート面方向と同一となって
しまい、BN粒子の面方向の優れた熱伝導性を活かされ
ないままとなっていた。
【0005】このような問題を解決するため、特公平6
−12643号公報には、BN粒子をランダムに配向さ
せることが提案されているが、この場合であってもシー
ト面方向に配向したBN粒子も依然として多く存在して
いるので、十分であるとはいえない。
【0006】そこで、シート厚み方向に配向しているB
N粒子の割合を、シート面方向に配向している割合より
も多くさせるため、特公平6−38460号公報が提案
されている。この方法は、BN粒子の充填されたシリコ
ーン固化物を成型機でまずブロック化し、次いでそれを
垂直方向にスライスしてシート化するものであるので、
ブロック寸法が大きくなるとBN粒子がランダムに配向
し、これまた熱伝導性の十分な向上は望めない。
【0007】また、上記いずれの方法においても、BN
粒子を高充填すると、シートは硬くなり、発熱電子部品
が荷重に弱い場合には取り付け時の締め付け力によって
損傷する問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑み
てなされたものであり、その目的は、余分な締め付け力
を吸収できるような柔らかさを有し、しかも極めて高い
熱伝導性を有する放熱部材として好適な熱伝導性シリコ
ーン成形体を提供することである。また、直立に近い状
態で配向させたBN粒子を、放熱部材の面方向よりも厚
み方向に多く存在させることによって、更なる高熱伝導
性を付与した放熱部材を提供することを目的とするもの
である。本発明の別の目的は、上記高柔軟性かつ高熱伝
導性のシリコーン成形体を生産性良く製造することであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、以
下を要旨とするものである。
【0010】(請求項1)骨格部と、骨格部の一部又は
全部と一体的に形成された樹脂部とからなり、骨格部と
樹脂部は、熱伝導率の異なるシリコーン硬化物で構成さ
れてなることを特徴とする熱伝導性シリコーン成形体。 (請求項2)骨格部又は樹脂部の割合が断面積比で50
〜98%であることを特徴とする請求項1記載の熱伝導
性シリコーン成形体。 (請求項3)骨格部の熱伝導率が樹脂部のそれよりも小
さいか又は大きいことを特徴とする請求項2記載の熱伝
導性シリコーン成形体。
【0011】(請求項4)請求項3記載の熱伝導性シリ
コーン成形体からなることを特徴とする電子機器の放熱
部材。 (請求項5)熱抵抗が0.5℃/W・mm以下、アスカ
C硬度が50以下であることを特徴とする請求項4記載
の放熱部材。
【0012】(請求項6)熱伝導性フィラーを含有した
又は含有しないシリコーン硬化物を用いて骨格部と中空
部からなるコア材を作製し、その少なくとも一つの中空
部内の一部又は全部に、熱伝導性フィラーを含有した又
は含有しない未硬化シリコーン組成物を充填した後、硬
化させることを特徴とする請求項1記載の熱伝導性シリ
コーン成形体の製造方法。 (請求項7)熱伝導性フィラーを含有した又は含有しな
い未硬化の棒状シリコーン成型物を成形し、それらの複
数本を集結して連通した中空部を形成し、硬化後又は硬
化前に、その少なくとも一つの中空部の一部又は全部
に、熱伝導性フィラーを含有した又は含有しない未硬化
のシリコーン組成物を充填した後硬化させ、切断するこ
とを特徴とする請求項1記載の熱伝導性シリコーン成形
体の製造方法。 (請求項8)棒状シリコーン成型物の断面積が0.5〜
300mm2 、硬化物の切断幅が0.05〜5mmであ
ることを特徴とする請求項7記載の熱伝導性シリコーン
成形体の製造方法。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、更に詳しく本発明について
説明する。
【0014】本発明の熱伝導性シリコーン成形体は、骨
格部と、骨格部の一部又は全部と一体的に形成された樹
脂部とからなり、骨格部と樹脂部は熱伝導率の異なるシ
リコーン硬化物で構成されているものである。
【0015】シリコーン硬化物のシリコーン原料は、付
加反応型液状シリコーンゴム、過酸化物を加硫に用いる
熱加硫型ミラブルタイプのシリコーンゴム等が使用され
るが、電子機器の放熱部材では、発熱電子部品の発熱面
とヒートシンク面との密着性が要求されるため、付加反
応型液状シリコーンゴムが望ましい。その具体例として
は、一分子中にビニル基とH−Si基の両方を有する一
液性のシリコーンや、末端又は側鎖にビニル基を有する
オルガノポリシロキサンと末端又は側鎖に2個以上のH
−Si基を有するオルガノポリシロキサンとの二液性の
シリコーンなどがあり、市販品としては、東レダウコー
ニング社製、商品名「SE−1885」等がある。シリ
コーン硬化物の柔軟性は、シリコーンの架橋密度や熱伝
導性フィラーの充填量によって調整することができる。
【0016】本発明で使用される熱伝導性フィラーは、
BN粉末単独又はBN粉末と他の熱伝導性フィラーとの
混合粉末である。BNは、鱗片状粒子の面方向(a軸)
と垂直方向(c軸)とでは熱伝導性が数十倍程度異なっ
ているが、後述する方法によってその面方向の高熱伝導
性を都合よく利用することができる。
【0017】BN以外の熱伝導性フィラーとしては、絶
縁性が必要な場合には、窒化珪素、窒化アルミニウム、
アルミナ、マグネシア等のセラミックス粉末が用いら
れ、また絶縁性を問わない場合には、これらのセラミッ
クス粉末の他に、アルミニウム、銅、銀、金等の金属粉
末や、炭化珪素粉末、炭素粉末等が使用される。熱伝導
性フィラーの形状は、破砕形状、球状、繊維状、針状、
鱗片状などいずれでもよく、また粒度は、平均粒径1〜
100μm程度のものが使用される。
【0018】BN粒子の厚み(c軸方向)は、0.1μ
m以上であることが好ましく、0.1μmを未満では、
シリコーンに分散させる際に粒子が破壊する恐れがあ
る。また、BN粒子のアスペクト比(縦/横比)はでき
るだけ大きい方が熱伝導性を向上させる点で好ましく、
20以上が好ましい。
【0019】このようなBN粉末は、例えば粗製BN粉
末をアルカリ金属又はアルカリ土類金属のほう酸塩の存
在下、窒素雰囲気中、2000℃×3〜7時間加熱処理
してBN結晶を十分に発達させ、粉砕後、必要に応じて
硝酸等の強酸によって精製することによって製造するこ
とができる。
【0020】本発明の熱伝導性シリコーン成形体は、異
なる熱伝導率を有するシリコーン硬化物で骨格部と樹脂
部を構成したものであるが、その熱伝導率の調整は、B
Nの含有量ないしはその配向度によって行うことができ
る。本発明のように、骨格部と樹脂部を異なる熱伝導率
を有するシリコーン硬化物で構成する理由は、熱伝導率
の高い部分で高熱伝導性を、低い部分で高柔軟性を負担
させるためである。
【0021】本発明においては、(1)骨格部と樹脂部
の構成比率、(2)一つの中空部内部に形成される樹脂
部の割合、(3)骨格部と樹脂部の熱伝導率差の大き
さ、(4)骨格部ないしは樹脂部の断面形状等について
は、特に制限はない。以下、これらについて更に詳しく
説明する。
【0022】まず、骨格部又は樹脂部の構成比率は、断
面積比で50〜98%であることが好ましい。後述の製
造方法aによれば、骨格部の比率が50〜98%のもの
を容易に製造することができ、製造方法bによれば、樹
脂部の比率が50〜98%特に70〜95%であるもの
を容易に製造することができる。樹脂部の構成比率は、
その数、大きさ又はその両方で調整することができる。
【0023】一つの中空部内部に形成される樹脂部の割
合について説明すると、樹脂部の構成比率を大きくして
樹脂部を伝熱の主要部とする場合には、中空部内部の全
体に樹脂部を形成することが好ましい。逆に、骨格部の
構成比率を大きくして骨格部を伝熱の主要部とする場合
は、骨格部が柔軟性に富むものほど、全体に形成させる
よりも保形を維持できる程度に、表面及び/又は裏面の
近傍に部分的に形成させるのがよい。この場合の中空部
は、部分的に空隙状態となっているが、何ら問題はな
く、用途によってはこのような構造が好都合である。
【0024】本発明において、骨格部と樹脂部のどちら
の熱伝導率を大きくするかは、使用目的に応じて決定さ
れる。また、両者の熱伝導率の差についても特に制限は
なく、一例は2W/m・K以上である。
【0025】骨格部と樹脂部の間に熱伝導率の差を設け
る方法としては、BN粉末の充填量かその配向のさせ
方、又はその両方で行うことができる。BN粉末の充填
量によって行う場合は、BN含有量の異なるシリコーン
組成物を用いることによって容易に行うことができる。
この場合、伝熱の主要部(骨格部又は樹脂部)における
熱伝導性フィラーの含有量は、35〜70体積%特に4
0〜55体積%にすることが好ましい。35体積%未満
では、シリコーン成形体に十分な熱伝導性を付与するこ
とができず、70体積%をこえると機械的強度が低下す
る。伝熱の主要部でない部分の熱伝導性フィラーの含有
量は、0〜40体積%が適当である。一方、BN配向の
させ方で熱伝導率を違える場合は、後述の製造方法bが
適している。製造方法aであっても、中空部に塊状のB
N粉末を充填しておき、そこにシリコーン原料を浸漬・
硬化させることによって行うことができるが、製造方法
bよりも生産性がよくない。
【0026】次に、骨格部ないしは樹脂部の断面形状に
ついて説明する。骨格部の断面形状は、通常は網目であ
る。網目の網の部分が骨格部であり、その断面積占有率
が上記した骨格部の構成比率となる。これに対し、樹脂
部(すなわち網目の目の部分)の断面形状は、三角形、
四角形、六角形、格子状(図4参照)、菱形(図1参
照)、台形等の多角形、円形(図5参照)、楕円形、波
形、同心円形、放射形、渦巻形など種々の形状が可能で
ある。
【0027】本発明の熱伝導性シリコーン成形体の形状
については制約はなく、用途に応じて適切な形状が選択
される。シート状ないしは矩形状のものは、熱伝導性シ
ートや高柔軟性放熱スペーサー等の電子機器の放熱部材
として使用される。
【0028】本発明の放熱部材の熱抵抗が0.5℃/W
・mm以下、アスカC硬度が50以下であることが好ま
しい。また、放熱部材の厚み方向にX線を照射して得ら
れたX線回折図において、<100>面(a軸)に対す
る<002>面(c軸)のピーク比(<002>/<1
00>)が6以下であることが好ましい。
【0029】次に、本発明の熱伝導性シリコーン成形体
の製造方法について説明する。
【0030】本発明の製造方法aについて説明すると、
先ず熱伝導性フィラーを含有した又は含有しないシリコ
ーン硬化物を製造する。シリコーン硬化物の硬化程度
は、次工程の中空部形成に支障を来さなければ、十分に
硬化していなくてもよい。次に、このシリコーン硬化物
を打ち抜く等により中空部を形成し、骨格部と中空部か
らなるコア材を作製する。通常は、中空部を形成した残
部がコア材の骨格部となる。中空部の構成比率とその数
については、上記したとおり自由である。
【0031】次いで、その中空部の少なくとも一つの内
部の全部又は一部に、上記シリコーン硬化物(骨格部)
の熱伝導率と異なる樹脂部が形成されるように、熱伝導
性フィラーを含有した又は含有しないシリコーン組成物
を充填する。熱伝導率を違えるためには、熱伝導性フィ
ラーの充填量が骨格部と異なったシリコーン組成物を充
填するか、又は中空部内にあらかじめBN粉末を詰めて
おき、望ましくは放熱部材の厚み方向とBN粒子の面方
向がなるべく一致するように詰めておき、シリコーン組
成物を注入することによって行うことができる。
【0032】上記シリコーン硬化物原料ないしはシリコ
ーン組成物の調合は、ロールミル、ニーダー、バンバリ
ーミキサー等を用いて行うことができ、また硬化は、遠
赤外炉、熱風炉等を用いて行われる。
【0033】次に、本発明の製造方法bについて説明す
る。先ず、コア材の骨格部を成形するための原料を調製
する。骨格部は、熱伝導性フィラーを含有した又は含有
しないシリコーン硬化物で構成されるが、望ましくは液
状シリコーン30〜80体積%、熱伝導性フィラー70
〜20体積%の混合物の硬化物である。原料の混合は、
上記機器を用いて行う。
【0034】次いで、この混合物を複数穴を有するダイ
スより押し出して未硬化の棒状シリコーン成型物を成形
し、それらの複数本を集結してコア材の中空部を形成す
る。一本の棒状シリコーン成型物の断面積(ダイスの穴
径に相当)は、0.5〜300mm2 とすることが好ま
しく、これによって、熱伝導性フィラーがBN粉末であ
る場合、混合物がダイスの狭い流路を通過する際にBN
粒子を一定方向に配向させることができ、熱伝導性シリ
コーン成形体の厚み方向に配向しているBN粒子の割合
を多くすることが容易となる。
【0035】次に、上記集結体を硬化させてから又は硬
化させる前に、少なくとも一つの中空部内部の全部又は
一部に熱伝導性フィラーを含有した又は含有しないシリ
コーン組成物を充填する。充填に際しては、真空を利用
することができる。ここで形成されたコア材の中空部
は、棒状シリコーン成型物が円柱状である場合、その開
口部の面積が狭いものとなるので、通常は熱伝導性フィ
ラーを含有しない又は含有量の少ないシリコーン組成物
が用いられる。なお、ここでは、未硬化の棒状シリコー
ン成型物を集結する場合について説明したが、硬化させ
た棒状シリコーン成型物を集結して中空部を形成させて
もよい。
【0036】その後、中空部に充填されたシリコーン組
成物を硬化させ、所望長さに切断することによって、本
発明の熱伝導性シリコーン成形体又は放熱部材が製造さ
れる。硬化には上記した機器が使用される。
【0037】本発明の製造方法bにおいては、棒状シリ
コーン成型物の断面積が0.5〜300mm2 、硬化物
の切断幅が0.05〜5mm特に0.2〜2mmである
ことが好ましい。
【0038】
【実施例】以下、実施例と比較例をあげて更に具体的に
本発明を説明する。
【0039】実施例1 コア材を成形するため、ミラブル型シリコーンゴム(東
芝シリコーン社製、商品名「TSE2913U」)に、
平均粒子径15μm、平均粒子厚み1μmのBN粉末
(電気化学工業社製、商品名「デンカボロンナイトライ
ド」)を表1に示す割合で配合し、市販ミキサーで混合
し、更にシリコーンゴム用加硫剤(2、4−ジクロロパ
ーオキサイド)、シリコーンゴム用難燃付与剤(白金含
有イソプロピルアルコール)、フィラー分散剤(日本ユ
ニカー社製、商品名「A−173」)をそれぞれ少量添
加して熱伝導性コンパウンドを調製した。
【0040】次いで、直径3mmの穴が縦に17列、横
に17列設けられたダイスから、上記コンパウンドを押
し出して未硬化の棒状シリコーン成型物を成形し、それ
らの全てを自重と側面ロールによって集結(集結体の平
面形状は50×50mm程度である)しながら、150
℃の遠赤外乾燥炉を5分間通過させて加硫硬化させ、断
面積比が中空部約21%、骨格部約79%からなるコア
材を成形した。中空部の平面形状は各辺が湾曲した菱形
ないしは三角形であり、その数は約256であった。
【0041】次に、コア材をフッ素樹脂製の型枠に入
れ、全ての中空部の内部の全部に、A液(ビニル基を有
するオルガノポリシロキサン)とB液(H−Si基を有
するオルガノポリシロキサン)の二液性の付加反応型液
状シリコーン(東レダウコーニング社製、商品名「SE
−1885」)を1対1の混合比からなるスラリーを流
し込み、真空で5分間処理した後、熱風乾燥機で120
℃、5時間加硫硬化させた。その後、これを型枠から取
り出し、厚み1mmに切断して、図1に示すような本発
明の熱伝導性シリコーン成形体を製造した。
【0042】実施例2 ミラブル型シリコーンゴムのかわりに、A液(ビニル基
を有するオルガノポリシロキサン)対B液(H−Si基
を有するオルガノポリシロキサン)の混合比を表1に示
す割合とした二液性の付加反応型液状シリコーン(東レ
ダウコーニング社製、商品名「SE−1885」)を用
いてコア材の骨格部を形成したこと以外は、実施例1と
同様にして熱伝導性シリコーン成形体を製造した。
【0043】比較例1〜2 押し出し口が平面形状であるダイスを用い、平板形状の
未硬化シリコーン成形物を押し出し、それを硬化させた
こと以外は、実施例1又は実施例2と同様にしてシリコ
ーン成形体を製造した。
【0044】上記で得られたシリコーン成形体につい
て、厚み方向の熱抵抗と、樹脂部の構成比率を測定し
た。それらの結果を表1に示す。
【0045】(1)熱抵抗 シリコーン成形体をTO−3形状に切断し、これをTO
−3型の銅製ヒーターケースと銅板との間にはさみ、締
付けトルク5kgf−cmにてセットした後、銅製ヒー
ターケースに電力15Wをかけて4分間保持し、銅製ヒ
ーターケースと銅板との温度差を測定し、次式により算
出した。
【0046】熱抵抗(℃/W・mm)={温度差(℃)
/電力(W)}/シート厚(mm)
【0047】(2)樹脂部の構成比率 熱伝導性シリコーン成形体の断面積当たりの樹脂部の占
有面積率を顕微鏡で測定した。
【0048】
【表1】
【0049】表1より、実施例の熱伝導性シリコーン成
形体は、比較例に比べて、熱伝導性が大幅に向上してい
ることがわかる。
【0050】次に、実施例で製造された本発明の熱伝導
性シリコーン成形体を適宜形状に切断して放熱部材とな
し、ボールグッリドアレイ式のSRAMとヒートシンク
の間に荷重をかけて介在させたところ良く密着し、作動
時の温度上昇の少ない高信頼性の電子機器をつくること
ができた。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、高柔軟性かつ高熱伝導
性のシリコーン成形体が提供される。本発明の熱伝導性
シリコーン成形体は、熱伝導性シート、柔軟性放熱スペ
ーサー等の電子機器の放熱部材として好適なものであ
る。また、本発明の熱伝導性シリコーン成形体の製造方
法によれば、高柔軟性かつ高熱伝導性のシリコーン成形
体を生産性良く製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱伝導性シリコーン成形体の斜視図
【図2】図1のA−A断面図
【図3】従来の熱伝導性シートの厚み方向における断面
【図4】本発明で使用されるコア材の形状の一例を示す
平面図。
【図5】本発明で使用されるコア材の形状の一例を示す
平面図。
【符号の説明】
1 熱伝導性シリコーン成形体 2 骨格部 3 樹脂部 4 熱伝導性フィラー 5 コア材の中空部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F204 AA33 AB11 AB27 AD05 AD15 AD19 AE10 AG01 AH33 AR12 AR14 AR20 EA03 EB01 EF01 EF02 EF05 EF27 EK09 EK13 EK17 EK24 EW23 FA01 FB01 FB21 FF01 FF05 FG08 FN15 FN17 FW23 5F036 AA01 BB21 BD21

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 骨格部と、骨格部の一部又は全部と一体
    的に形成された樹脂部とからなり、骨格部と樹脂部は、
    熱伝導率の異なるシリコーン硬化物で構成されてなるこ
    とを特徴とする熱伝導性シリコーン成形体。
  2. 【請求項2】 骨格部又は樹脂部の割合が断面積比で5
    0〜98%であることを特徴とする請求項1記載の熱伝
    導性シリコーン成形体。
  3. 【請求項3】 骨格部の熱伝導率が樹脂部のそれよりも
    小さいか又は大きいことを特徴とする請求項2記載の熱
    伝導性シリコーン成形体。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の熱伝導性シリコーン成形
    体からなることを特徴とする電子機器の放熱部材。
  5. 【請求項5】 熱抵抗が0.5℃/W・mm以下、アス
    カC硬度が50以下であることを特徴とする請求項4記
    載の放熱部材。
  6. 【請求項6】 熱伝導性フィラーを含有した又は含有し
    ないシリコーン硬化物を用いて骨格部と中空部からなる
    コア材を作製し、その少なくとも一つの中空部内の一部
    又は全部に、熱伝導性フィラーを含有した又は含有しな
    い未硬化シリコーン組成物を充填した後、硬化させるこ
    とを特徴とする請求項1記載の熱伝導性シリコーン成形
    体の製造方法。
  7. 【請求項7】 熱伝導性フィラーを含有した又は含有し
    ない未硬化の棒状シリコーン成型物を成形し、それらの
    複数本を集結して連通した中空部を形成し、硬化後又は
    硬化前に、その少なくとも一つの中空部の一部又は全部
    に、熱伝導性フィラーを含有した又は含有しない未硬化
    のシリコーン組成物を充填した後硬化させ、切断するこ
    とを特徴とする請求項1記載の熱伝導性シリコーン成形
    体の製造方法。
  8. 【請求項8】 棒状シリコーン成型物の断面積が0.5
    〜300mm2 、硬化物の切断幅が0.05〜5mmで
    あることを特徴とする請求項7記載の熱伝導性シリコー
    ン成形体の製造方法。
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