JPH11310624A - ポリウレタンフォームの製造法 - Google Patents

ポリウレタンフォームの製造法

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JPH11310624A
JPH11310624A JP10175353A JP17535398A JPH11310624A JP H11310624 A JPH11310624 A JP H11310624A JP 10175353 A JP10175353 A JP 10175353A JP 17535398 A JP17535398 A JP 17535398A JP H11310624 A JPH11310624 A JP H11310624A
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urea
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polyurethane foam
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐加水分解性に優れたポリエーテル系ポリウレ
タンであって、安価原料を用いても発泡成形時に成形可
能な強度を有し、製品としての最終強度が十分なもの
で、更に、低密度にあっても十分な強度が保持されたポ
リウレタンフォームの製造法を提供すること。 【解決手段】ポリオール成分とポリイソシアネート化合
物とを触媒、水及びポリオール成分100重量部に対し
て0.1〜0.9重量部の尿素の存在下で反応させるポ
リウレタンフォームの製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリウレタンフォ
ームの製造法に関し、さらに詳しくは、靴底用ポリウレ
タンフォームの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエーテル系ポリウレタンは、ポリエ
ステル系ポリウレタンと比較して耐加水分解性に優れて
おり、長期間使用される紳士靴に好んで用いられるが、
耐摩耗性、常温屈曲性等の機械的特性に劣るため、その
両立が望まれている。
【0003】前記ポリエーテル系ポリウレタンの機械的
特性等を向上させるために、ポリオール成分としてポリ
オキシプロピレン系ポリオールの全部又は一部をポリオ
ールテトラメチレングリコールに代替することが提案さ
れている。しかし、一般に、ポリエーテル系ポリウレタ
ンは機械的特性に劣り、特に低密度ソールにおいて、発
泡成形時のみならず製品としての最終強度が不十分であ
り実用化が困難となっている。
【0004】特開昭61−268716号公報には、低
分子量ポリオールと高分子量ポリオールを併用し、ポリ
オール100重量部あたり1重量部以上の尿素と2重量
部以上の水を同時に用いて、通気性及び寸法安定性に優
れた非可撓性ポリウレタンフォームの製造方法を開示し
ている。しかしながら、特定量の尿素を用いることによ
りポリウレタンフォームの強度を向上させる方法につい
ては、何ら示唆されていない。
【0005】特開昭60−84355号公報には、通常
不相溶性である低分子量ポリオールと高分子量ポリオー
ルの混合物に、該混合物をゲル化させることなく25℃
で少なくとも5日間単一液体相に該組成物を保つに十分
な量の尿素又はその誘導体を併用して、その結果得られ
る相溶性混合物を用いたポリウレタンの製造法が開示さ
れている。しかしながら、得られるウレタンは発泡体で
はなく、又、尿素は単に相溶化剤として用いられている
のみで、特定量の尿素を用いることによりポリウレタン
フォームの強度を向上させる方法については、何ら示唆
されていない。
【0006】特表平4−502926号公報には、改善
された難燃性のポリウレタンフォームの製造にあたっ
て、ポリエーテルポリオールもしくはポリエステルポリ
オールと、スクロース又はラクトースのような糖との混
合物中に尿素を溶解させたものをアルキレンオキシドで
アルコキシル化して得られた、約5重量%ないし約15
重量%の尿素を含むアルコキシル化ポリオールが用いら
れることを開示している。しかしながら、用いられる尿
素の量は比較的多く、特定量の尿素を用いることにより
ポリウレタンフォームの強度を向上させる方法について
は、何ら示唆されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、低密度にあ
っても十分な強度が保持されたポリウレタンフォームの
製造法を提供することを目的とする。特に、本発明は靴
底用ポリウレタンフォームの製造法を好適に提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、ポ
リオール成分とポリイソシアネート化合物とを触媒、水
及びポリオール成分100重量部に対して0.1〜0.
9重量部の尿素の存在下で反応させることを特徴とする
ポリウレタンフォームの製造法に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】前記ポリオール成分としては、水
酸基を2個以上有するポリエーテルポリオール(以下ポ
リエーテルポリオールという)やポリエーテルポリオー
ルを基剤とするポリマーポリオール(以下ポリマーポリ
オールという)等が挙げられる。
【0010】前記ポリエーテルポリオールの代表例とし
ては、ポリオキシプロピレンポリオールの末端水酸基に
エチレンオキシドが付加された水酸基1個あたりの分子
量が1500以上であるポリオキシプロピレン系ポリオ
ール(以下PPGという)、テトラヒドロフランの開環
重合で得られる分子量1000以上のポリオキシテトラ
メチレングリコール(以下PTMGという)及びそれら
の混合物等が挙げられる。
【0011】前記PPGは、オキシプロピレン鎖の繰り
返しが長いため、得られるポリウレタンフォーム中でソ
フトセグメントとして有効に働き、伸び特性や屈曲特性
を良好にする役割を果たすので、本発明において好適に
使用しうるものである。該PPGにおいて、水酸基1個
あたりの分子量は、オキシプロピレン鎖のソフトセグメ
ントとしての役割を有効にさせる点から、好ましくは1
500以上、更に好ましくは1800以上である。分子
量の上限値は、取扱い時の粘度の点から、好ましくは2
0000以下、更に好ましくは10000以下である。
【0012】前記PPGは、2以上の活性水素を有する
化合物を出発原料とし、これに通常のアルキレンオキシ
ドの開環付加反応を行い、更にエチレンオキシドを分子
末端にブロック的に付加する方法などによって製造する
ことができる。
【0013】前記出発原料としては、多価アルコール、
多価フェノール、ポリアミン、アルカノールアミン等が
挙げられる。具体例としては、エチレングリコール、ジ
エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピ
レングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブ
タンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリ
ン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、
ジグリセリン、デキストロース、シュークロース、ビス
フェノールA、エチレンジアミン、それらの変性物等が
挙げられ、これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混
合して用いることができる。
【0014】前記出発原料に開環付加反応されるアルキ
レンオキシドとしては、例えば、エチレンオキシド、プ
ロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、2,3
−ブチレンオキシド、スチレンオキシド等が挙げられ
る。これらのなかでは、プロピレンオキシドを単独で使
用するか、又はプロピレンオキシドを主成分(50重量
%以上)とし、他のアルキレンオキシドとをランダム共
重合体またはブロック共重合体となるように併用するこ
とが好ましい。
【0015】前記出発原料とアルキレンオキシドとの反
応後には、ポリウレタンフォームを製造する際のウレタ
ン化の反応性を高めるため、末端水酸基が1級化するよ
うにエチレンオキシドのブロック的な付加反応を行なう
ことが好ましい。エチレンオキシドによる末端水酸基の
1級化率(1級水酸基数/全水酸基数)は、ポリウレタ
ンフォームを製造する際のウレタン化の反応性を高め、
脱型時間を短縮させ、樹脂化速度と泡化速度のバランス
を向上させてポリウレタンフォームに収縮が発生しない
ようにする観点から、50%以上であることが好まし
く、80%以上であることが更に好ましい。
【0016】ところで、PPGの内部および末端に存在
するオキシエチレン基の含有率が高くなると、親水性が
増加し、水分が引きつけられてしまい、ポリエーテル系
ポリウレタンフォームの特徴である耐加水分解性が低下
するので、前記PPG中オキシエチレン基の含有量は3
5%以下であることが好ましく、又、末端水酸基の1級
化率の観点から、PPG中のオキシエチレン基の含有量
は5%以上であることが好ましい。なお、前記PPG
は、ポリエーテルポリオール全体としての水酸基1個当
たりの分子量、オキシエチレン基の含有量および末端水
酸基の1級化率が前記範囲内にあれば数種のポリオキシ
アルキレンポリオールを混合して調製してもよい。
【0017】前記PTMGは、その分子構造から強度等
の機械的特性を向上させる性質を有する。該PTMGの
分子量は、オキシテトラメチレン鎖のソフトセグメント
としての有用性の点から、好ましくは1000以上、更
に好ましくは1400以上である。分子量の上限値は、
取扱い作業温度において液状性を維持する点から、好ま
しくは3000以下、更に好ましくは2300以下であ
る。
【0018】前記ポリマーポリオールの代表例として
は、重合性不飽和基含有モノマーを重合させて得られた
ポリマー微粒子がポリエーテルポリオール中に分散した
状態にあるもの等が挙げられる。このものは、例えば、
重合性不飽和含有モノマーを重合させて得られたポリマ
ー微粒子とポリエーテルポリオールとを混合し分散させ
る方法、前記ポリエーテルポリオール中で前記重合性不
飽和基含有モノマーを重合させることにより、前記重合
性不飽和基含有モノマーから得られたポリマー微粒子を
前記ポリエーテルポリオール中に分散させる方法などに
よって製造することができる。これらの方法の中では、
後者の方法が、ポリマー微粒子が該ポリエーテルポリオ
ール中に均一に分散されたポリマーポリオールを容易に
得ることができるので好ましい。
【0019】前記重合性不飽和基含有モノマーとして
は、スチレン;アクリロニトリル;メチルメタクリレー
ト、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート等の
アルキル基の炭素数が1〜4のアルキルメタクリレー
ト;グリシジルメタクリレート;メチルアクリレート、
エチルアクリレート、ブチルアクリレート等のアルキル
基の炭素数が1〜4のアルキルアクリレート;グリシジ
ルアクリレート等が挙げられ、これらのモノマーは、単
独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0020】又、ポリオール成分として、前記PTMG
と前記ポリマーポリオールとの併用により、強度等の機
械的特性が相乗的に向上し、0.15〜0.5g/cm
3程度の低密度ソール等の用途にも十分に使用しうる機
械的性質を有するポリウレタンフォームを得ることがで
きる。
【0021】本発明に用いられるポリイソシアネート化
合物としては、イソシアネート基を2個以上有する芳香
族系、脂環族系、脂肪族系のポリイソシアネート、それ
らの混合物、それらを変性して得られる変性ポリイソシ
アネート等が挙げられる。具体例としては、トリレンジ
イソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネー
ト、ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイシシ
アネート、ポリメチレンポリフェニレンイソシアネート
等の芳香族ポリイソシアネート、水添メチレンジフェニ
ルジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート、
イソホロンジイソシアネート等の脂環族ポリイソシアネ
ート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソ
シアネート等の脂肪族系ポリイソシアネート、それらの
混合物、それらの変性体等が挙げられる。前記変性体と
しては、例えば、ポリオールとの反応生成物であるプレ
ポリマー型変性体、ヌレート変性体、ウレア変性体、カ
ルボジイミド変性体、アロファネート変性体、ビュレッ
ト変性体等が挙げられる。これらの中では、芳香族ポリ
イソシアネートおよびその変性体が好ましい。
【0022】特にポリオキシアルキレングリコールとメ
チレンジフェニルジイソシアネートおよび/またはその
変性体からなるプレポリマー型変性体は、ポリオキシア
ルキレングリコールからなるソフトセグメントを含んだ
構造を有し、低密度ポリウレタンフォームの機械的特性
の向上に特に有効である。
【0023】前記ポリオキシアルキレングリコールは、
前記のPPGを調製する手法と同様の手法で製造するこ
とができる。ポリオキシアルキレングリコールのなかで
は、水酸基1個当たりの分子量が1000以上であるポ
リオキシプロピレン系グリコールは、好適に使用しうる
ものであり、オキシアルキレン鎖の繰り返しが長いた
め、ウレタンフォームでのソフトセグメントとしての役
割が有効に働き、伸びや屈曲特性が良好となる。前記ポ
リオキシアルキレングリコールは、あらかじめポリイソ
シアネートと反応させるため、必ずしも水酸基の1級化
が必要ではなく、末端にエチレンオキシドが付加されて
いてもよく、又、付加されていなくてもよい。又、前記
プレポリマー型変性体中には、メチレンジフェニルジイ
ソシアネート又はその変性物と架橋剤との反応生成物を
含有してもよい。
【0024】尚、本発明においては、反応速度の向上の
観点から、触媒を用いることが好ましい。触媒として
は、3級アミンが好適である。
【0025】前記触媒の具体例としては、例えば、TE
DA〔1,4−ジアザビシクロ−(2,2,2)−オク
タン〕、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチ
レンジアミン、 N,N,N’,N’−テトラメチルプ
ロピレンジアミン、 N,N,N’,N’,N”−ペン
タメチルジエチレントリアミン、トリメチルアミノエチ
ルピペラジン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミ
ン、 N,N−ジメチルベンジルアミン、N−メチルモ
ホリン、 N−エチルモホリン、トリエチルアミン、ト
リブチルアミン、ビス(ジメチルアミノアルキル)ピペ
ラジン、 N,N,N’,N’−テトラメチルエチレン
ジアミン、 N,N−ジエチルベンジルアミン、ビス
(N,N−ジエチルアミノエチル)アジペート、 N,
N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ブタンジアミ
ン、 N,N−ジメチル−β−フェニルエチルアミン、
1,2−ジメチルイミダゾール、2−メチルイミダゾー
ル等が挙げられ、これらの触媒は単独で用いてもよく、
又、2種以上を混合して用いてもよい。尚、本発明にお
いては、前記3級アミン以外の触媒として、ジブチルチ
ンジラウレート、オレイン酸第1錫、ナフテン酸コバル
ト、ナフテン酸鉛などの有機金属化合物を用いることも
できる。
【0026】本発明に用いられる発泡剤としては、水が
必須成分であり、炭化水素、クロロフルオロカーボン及
び水素化フルオロカーボン等が共存していてもかまわな
い。地球のオゾン層破壊の問題を回避する観点から、水
を単独で使用することが好ましい。発泡剤として水のみ
を用いた場合、ポリオール成分100重量部に対し0.
1〜1.8重量部が好ましく、特に0.3〜1.5重量
部が好ましい。
【0027】本発明では添加剤として、シリコーン系整
泡剤、架橋剤、顔料、酸化防止剤、黄変防止剤等を用い
ることができる。
【0028】前記架橋剤としては、水酸基、1級アミノ
基、2級アミノ基、その他イソシアネート基と反応可能
な活性水素含有基を2個以上有する低分子化合物が挙げ
られる。具体例としては、エチレングリコール、ジエチ
レングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレン
グリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ト
リメチロールプロパン、トリエタノールアミン、ビスフ
ェノールAのアルキレンオキシド付加物などの多価アル
コール、ジエチルトルエンジアミン、クロロジアミノベ
ンゼン、エチレンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン
等のポリアミンなどが挙げられるが、本発明はかかる例
示のみに限定されるものではない。本発明においては、
前記架橋剤は、単独で又は2種以上を混合して用いるこ
とができる。
【0029】本発明において、ポリオール成分とポリイ
ソシアネート化合物とを反応させるに際しては、両者の
割合は、イソシアネートインデックスが90〜110と
なるように調製することが好ましく、更に95〜10
5、特に99〜101が好ましい。
【0030】本発明において用いられる尿素は化学式N
H2CONH2で表されるものであって、尿素の使用量
は高い強度を得る観点からポリオール成分100重量部
に対して0.1〜0.9重量部配合し、0.2〜0.8
重量部配合するのが好ましく、特に0.4〜0.7重量
部が好ましい。0.1重量部未満ではその強度向上の効
果が認められず、0.9重量部を超えた場合には尿素が
強度向上に悪影響を及ぼし、発泡成形時に十分な強度が
得られなくなる。
【0031】本発明において、特にPPGを含有するシ
ステムにおいては、最適量の尿素を使用することは、同
じイソシアネートインデックスで比較した場合に、得ら
れるポリウレタンフォームの強度が向上し、安価なPP
Gを用いても十分な初期強度の向上が認められ、脱型時
間を短縮できるという利点があるため生産性の向上をも
たらすので重要である。
【0032】又、PPGを含有するシステムは生産性を
重視するため、イソシアネートインデックス90〜95
というポリオール過剰な系で発泡して実用化されている
が、尿素を入れることにより十分な初期強度を発現する
ことができ、最終物性が最も良いと言われているイソシ
アネートインデックス100での成形が可能となる。こ
のことは初期物性、最終物性共に改良されたポリウレタ
ンフォームが得られることを意味し、特に靴底用ポリウ
レタンフォームにとって好適である。
【0033】本発明においては、尿素の効果は、ポリオ
ール成分中におけるPPGの含量が20重量%以上で顕
著であり、特に50重量%以上でさらに顕著である。高
価なPTMGの含量を減少させて安価なPPGの含量を
増加させることが尿素添加によりもたらされることは、
安価なポリウレタンフォームの製造の点から経済的にも
重要である。
【0034】本発明において、尿素添加効果が顕著であ
るのはイソシアネートインデックス95〜105であ
る。
【0035】本発明のポリウレタンフォームを製造する
方法としては、例えば、触媒、発泡剤、尿素、その他の
添加剤をあらかじめ混合、撹拌したポリオール成分とポ
リイソシアネート化合物とを成形機により、混合、撹拌
し、成形型内に注入し、発泡させる方法等が挙げられ
る。より具体的には、例えば、前記ポリオール成分をタ
ンクなどを用いて、混合、撹拌し、通常、40℃程度に
調温したのち、自動混合注入型発泡機、自動混合型射出
発泡機などの発泡機を用いてポリイソシアネート化合物
と反応、発泡させる方法等が挙げられる。
【0036】
【実施例】
【0037】実施例1〜12及び比較例1〜13 ポリエーテルポリオール及びポリマーポリオールとし
て、表1〜3に示す化合物を用い、表1〜3に示す割合
となるように調整した。尚、各成分の配合量はポリオー
ル成分の合計(以下ポリオール成分と省略する)100
重量部に対する重量部で表した。
【0038】ポリオール成分100重量部あたり、架橋
剤として所定量のエチレングリコール、整泡剤として所
定量のポリアルキルシロキサン〔東レ・ダウコーニング
・シリコーン(株)製、商品名:SRX253〕、触媒
として所定量のTEDA〔1,4−ジアザビシクロ−
(2,2,2)−オクタン〕、所定量の水、及び所定量
の尿素を添加、撹拌して発泡機のポリオール成分を含有
するポリオール溶液を調製した。ポリオール溶液の外観
は25℃において、淡黄色不透明液体であり、時間の経
過と共に相分離した。
【0039】ポリイシシアネート化合物としてポリオー
ル変性ジフェニルメタンジイソシアネート〔花王(株)
製、商品名:エディフォームB−6106M、NCO
%:16%〕を用いた。
【0040】ポリオール溶液とポリイソシアネート化合
物との配合割合は、発泡反応でのフリーフォーム状態を
鑑みて決定し、〔(実際に使用されたイソシアネート
量)/(化学量論的にポリオールと当量とされるイソシ
アネート量)〕×100で表されるイソシアネートイン
デックスは90〜110程度であった。表1〜3に具体
的なポリイソシアネート化合物の量を100重量部のポ
リオール溶液に対する重量部で示した。
【0041】ポアリング型の低圧発泡機の一方のタンク
内に表1〜3に示す配合割合を有するポリオール溶液を
入れ、その液温を35〜45℃に調節し、他方のタンク
内にポリイソシアネート化合物を入れ、同様に液温を3
5〜45℃にした。前記発泡機を用いてポリオール溶液
とポリイソシアネート化合物とを混合撹拌して、モール
ド中に注入、発泡させ、100mm×300mm×10
mmのポリウレタンフォームを得た。
【0042】得られたポリウレタンフォームのフォーム
特性を以下の方法に従って調べた。その結果を表1〜3
に示す。
【0043】尚、各実施例及び比較例に用いられるポリ
オール成分の略号は、以下のことを意味する。 〔ポリエーテルポリオール〕 <PPG> ポリエーテルポリオール1:3官能アルコールにプロピ
レンオキシド及びエチレンオキシドを順次付加させた分
子量7000のポリオキシエチレン末端のポリオキシプ
ロピレントリオール〔旭オーリン(株)製、商品名:エ
クセノール850〕 <PTMG> ポリエーテルポリオール2:分子量2000のポリオキ
シテトラメチレングリコール〔保土谷化学工業(株)
製、商品名:PTG−2000SNW〕 〔ポリマーポリオール〕 ポリマーポリオール1 :3官能アルコールにプロピ
レンオキシド及びエチレンオキシドを順次付加させたポ
リオキシエチレン末端のポリオキシプロピレントリオー
ル中でアクリロニトリル・スチレンを重合して得られた
微粒子含有のポリオール〔旭オーリン(株)製、商品
名:エクセノール941〕
【0044】1.脱型試験 以下の方法に従って行なった。所定のアルミ製モールド
を50℃に加熱する。目標密度になるように原料をモー
ルド中へ注入後密閉する。一定時間(4.5分、又は、
6.5分)後モールドを開放し、成型品を脱型する。脱
型の際には、成型品の長軸方向の端に手を掛けて一気に
引き出す。成型品の長軸方向の中央付近にある切れ込み
部分の外観を観察する。外観に異常が無い場合を
「◎」、微少な割れ目が観察されるが実用上問題ない場
合を「○」、明らかな裂け目ができた場合を「×」とす
る。
【0045】2.フォーム特性 (成型密度)100mm×300mm×10mmのポリ
ウレタンフォームの重量を測定し、体積300cm3
で除して測定した。 (硬度)Asker C硬度計にて測定した。 (初期引張強度及び初期伸び)以下の方法に従って測定
した。原料を50℃のモールド中へ注入した後、5分後
に脱型する。所定のダンベルでサンプルを打ち抜いて原
料注入後から積算して7分後に初期引張強度及び初期伸
びをJIS K−6301に準じて測定する。 (引張強度)JIS K−6301に準ずる。 (伸び)JIS K−6301に準ずる。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】
【0049】表1〜3に示された結果から、実施例1〜
12で得られたポリウレタンフォームは脱型試験によ
り、ポリオール成分100重量部に対して0.1〜0.
9重量部の尿素を添加することによって、実用上成型品
の外観に問題のないものが得られ、尿素の量がポリオー
ル成分に対して0.1〜0.6重量部の時にその効果が
大きいことがわかる。
【0050】比較例2、3、5、6及び13で得られた
ポリウレタンフォームは実施例1〜7と異なり尿素の配
合量が本発明の範囲外であるため脱型できないという重
大な欠点を有する。又、実施例2〜6並びに比較例1〜
3及び比較例4〜6の比較から、本発明の尿素量を添加
することによる初期引張強度の向上が明らかに認められ
た。一方、実施例2〜6及び比較例4〜6の比較から、
尿素の添加量が本発明の範囲を越えて多くなると、逆に
引張強度の低下をもたらすことを示している。
【0051】比較例9に対して実施例8、又、比較例1
0に対して実施例9に示すように、PPGを含有する系
では、本発明の範囲内の尿素量を添加することによるポ
リウレタンフォームの強度の向上は顕著である。
【0052】実施例10と比較例11から明らかなよう
に、PTMG系では尿素をいれなくても強度が高いレベ
ルにあり、PPG系ほど顕著ではないが、本発明の範囲
内の尿素量を添加することによる強度の向上効果は認め
られた。
【0053】インデックス100に注目して説明する
と、実施例4と比較例2及び5から明らかなように、P
PG系では本発明の範囲内の尿素量添加により初期引張
強度の向上が認められ、脱型が可能であった。又、実施
例12と比較例13から明らかなようにポリマーポリオ
ール系では、尿素添加により初期強度が向上し、脱型が
可能であった。
【0054】インデックス90に注目して説明すると、
もともとこの系は初期強度が強く脱型が可能であるが、
実施例2と比較例1及び4並びに実施例11と比較例1
2から明らかなように、更に初期引張強度の向上が認め
られた。
【0055】又、PTMGを含まないPPG含有系にお
いて、イソシアネートインデックス100の場合、尿素
量を変化させて検討したところ実施例1、4及び7の比
較から尿素量0.6重量部で最も引張強度が高くなっ
た。
【0056】尚、比較例7及び8に示すように、水の添
加がない系においては本発明の範囲内の尿素量添加の効
果は全く認められないのに対し、実施例1、4及び7並
びに比較例2及び5に示すように水の添加のある系で
は、本発明の範囲内の尿素量添加の効果は、脱型が可能
となる点で顕著である。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、ポリオール成分100
重量部に対して0.1〜0.9重量部の尿素を添加する
ことにより、脱型が可能で、発泡成型時の初期強度及び
製品としての最終強度が十分な、ポリウレタンフォーム
を製造することができる。
【0058】PPGを含有するシステムにおいては、ポ
リオール成分100重量部に対して0.1〜0.9重量
部の尿素を添加することにより、初期強度を向上させる
ことができる。特に、同じイソシアネートインデックス
で比較すると初期強度の向上が明らかなので生産性向上
につながる。
【0059】又、PPGを含有するシステムは生産性を
重視するためイソシアネートインデックスが90〜95
のポリオール成分過剰系で発泡しているが、ポリオール
成分100重量部に対して0.1〜0.9重量部の尿素
を添加することにより、最終物性がイソシアネートイン
デックス100で良くなるため、十分な初期強度を発現
し、イソシアネートインデックス100での成型が可能
となる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオール成分とポリイソシアネート化
    合物とを触媒、水及びポリオール成分100重量部に対
    して0.1〜0.9重量部の尿素の存在下で反応させる
    ポリウレタンフォームの製造法。
  2. 【請求項2】 ポリオール成分及びポリイソシアネート
    化合物を構成するポリオール原料の内、少なくとも一成
    分としてポリオキシプロピレン系ポリオールを用いる請
    求項1記載のポリウレタンフォームの製造法。
  3. 【請求項3】 ポリイソシアネート化合物のイソシアネ
    ートインデックスが90〜110である請求項2記載の
    ポリウレタンフォームの製造法。
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