JPH1130693A - 原子炉の過渡緩和システム - Google Patents

原子炉の過渡緩和システム

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JPH1130693A
JPH1130693A JP9185258A JP18525897A JPH1130693A JP H1130693 A JPH1130693 A JP H1130693A JP 9185258 A JP9185258 A JP 9185258A JP 18525897 A JP18525897 A JP 18525897A JP H1130693 A JPH1130693 A JP H1130693A
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JP
Japan
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signal
deviation
reactor
nuclear reactor
pressure
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JP9185258A
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English (en)
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Hiroyuki Sato
博之 佐藤
Ryuji Kubota
龍治 久保田
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 原子炉に異常が発生してから原子炉スクラム
までの異常事象発生時に、その異常を判定し、判定後直
ちにランバックさせると共に、選択制御棒を挿入するこ
とによりスクラムを回避し、またはスクラムしてもその
後のパラメータの挙動を緩和することにある。 【解決手段】 格納容器圧力信号a1は判定回路20に
取り込まれる。判定回路20では入力した信号a1をタ
イマ31を通してt秒前の格納容器圧力信号a2を得
る。検出格納容器圧力信号a1とt秒前の格納容器圧力
信号a2との差の圧力高偏差を加減器32で演算する。
その圧力高偏差を判定器33で判定し、かつ偏差有りが
所定時間継続する場合、格納容器圧力高増加信号a3を
出力する。この圧力高増加信号a3を利用して再循環ポ
ンプ16をランバックさせると共に原子炉1内に選択制
御棒を挿入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発電プラント全般
のうち、特に、沸騰水型原子力発電プラントに適用する
ものであり、特に、異常発生からスクラムまでの過渡現
象の緩和に関するものであり、かつ、スクラム後の過渡
変化も緩和するシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】原子力発電所の主要系統を図3に示す。
【0003】定格出力運転時の原子力発電所では、原子
炉1内で発生した蒸気が主蒸気管2を経てタービン3を
通過し、タービン3に接続された発電機4により発電す
る仕組みとなっている。タービン3を通過した後の蒸気
は復水器5により水に戻され、低圧復水ポンプ14及び
高圧復水ポンプ15により昇圧され、給水ポンプ6によ
り原子炉に戻される。このループにより原子力発電所の
定格出力運転が維持される。
【0004】この通常運転中に異常が発生した場合に
は、図4に示す信号により、再循環ポンプランバック機
能を作動させ、異常を緩和する手段が設けられている。
図4に示す信号を以下に説明する。
【0005】再循環吐出弁開度90%以下の信号は、原
子炉の再循環ループのうち再循環ポンプ16の出口にあ
る弁が、閉止してきたことを検知するものであり、検知
により、再循環ポンプ16からの流量を低下させて、再
循環ポンプ16の破損を防止する。
【0006】パワーロードアンバランスリレー動作は、
原子炉1出力と発電機4の負荷の差を検知する信号であ
り、送電線等が切断された場合等に発生する信号であ
る。このパワーロードアンバランスリレーは主タービン
3のオーバースピードに達する危険があるため、原子炉
1をスクラムさせると共に、再循環ポンプ16をランバ
ックさせ、スクラム後の原子炉水位安定に維持させる。
【0007】同様に、スクラムの信号もスクラム後の原
子炉水位安定に維持させるためのインターロックであ
る。
【0008】復水器5水位が低下する場合には、主ター
ビン3がトリップするため、原子炉スクラムが生じる。
スクラム後の原子炉水位安定に維持させるために再循環
ポンプ16をランバックさせる。
【0009】給水流量低、原子炉水位L4以下の信号
は、原子炉水位の低下による原子炉スクラムを防止する
ためのインターロックであり、再循環ポンプランバック
によって原子炉水位を上昇させる。
【0010】以上のインターロックが既設発電所には設
けられており、これらを基にスクラム回避総合制御シス
テム(特開昭61−160088号公報)では、プロセ
ス値がある設定値に達したら、再循環ポンプをランバッ
クさせるとともに、選択制御棒を挿入させる機能を構築
している。
【0011】以上のインターロックを用いて以下の事象
時のプラント挙動を説明する。
【0012】(1)格納容器圧力が上昇する場合 格納容器7内へ蒸気が漏洩するような事象では、格納容
器圧力が徐々に上昇する。例えば、図3に示す主蒸気管
2から蒸気がx地点において漏洩した場合には、格納容
器7内の圧力が図5(点線)に示すように上昇し、やが
て格納容器圧力高の警報の設定値fに到達し、格納容器
圧力高の警報が出る。その際、運転員は警報の発生を確
認し、警報発生時点の直後の時点hにて、再循環ポンプ
16を手動でランバックさせて、原子炉出力を低下させ
る操作を実施する。その後も蒸気の漏洩が継続すると格
納容器7内の圧力はさらに上昇し、スクラム設定値gに
到達し、原子炉1はスクラムする。
【0013】この再循環ポンプ16の運転員による手動
でのランバック操作は、原子炉出力を40%程度まで低
下させて、スクラム後の原子炉水位や圧力の挙動を緩和
させる手段である。現状の再循環ポンプランバックのイ
ンターロックは図4に示すように、格納容器7の圧力が
上昇する場合には対応していないため、手動でランバッ
クさせて原子炉出力を低下し、発生蒸気を低減させ格納
容器7の圧力の上昇を抑制する。
【0014】しかし、再循環ポンプ16を運転員が手動
でランバックし始めたランバック開始時点hの格納容器
7の圧力は、スクラム設定値gに到達する直前の値であ
り、この時点でランバックを開始しても原子炉出力は定
格に近い状態であることから圧力低下が間に合わず、ス
クラム設定値gに達して原子炉スクラムiに至る。この
ように、格納容器7の圧力が上昇する場合、運転員の対
応が間に合わないため、結局スクラムするばかりではな
く、併せてECCS起動信号発生となるため、事故時の
復旧対応動作が必要となる。
【0015】(2)圧力抑制室のプール水温度が上昇す
る場合 逃がし安全弁が開いたまま固着する事象では、圧力抑制
室のプール水温度が上昇する。例えば、図3に示す逃が
し安全弁8が開いたまま固着した場合、原子炉からの蒸
気が圧力抑制室9に導かれ、圧力抑制室9のプール水温
が上昇する。このような事象の場合、図6に示すよう
に、圧力抑制室9のプール水温が水温高警報設定値mに
達すると警報が発生し、この警報によって圧力抑制室9
のプール水温が高くなっていることを運転員は検知す
る。その後、運転員はlの時点で再循環ポンプ16を手
動でランバックし、原子炉出力を低下させ、蒸気流量と
給水流量のミスマッチを低減させる。これによって、逃
がし安全弁8からの蒸気流出を低減させて、圧力抑制室
9のプール水温の上昇を緩和させる。
【0016】この操作を実施しない場合、或いは操作が
追いつかない場合には、100%出力に相当する蒸気流
量が逃がし安全弁8から圧力抑制室9に流れるので、給
水流量は100%出力に相当する流量を保持しようとす
る。また、図7に示すように、この給水流量の保持に伴
い、復水器5の水位が低下するので、図3に示す低圧復
水ポンプ14、高圧復水ポンプ15の順にトリップす
る。また、これらのトリップに伴い、給水ポンプ6もト
リップするため、全給水喪失に至る。この復水器5の水
位が低下した時点で図3に示す復水器水位低のインター
ロックにより再循環ポンプ16はランバックするが、原
子炉水位が急速に低下して原子炉水位低により自動スク
ラムに至るとともに、原子炉隔離時冷却系等による水位
確保操作が必要となる。
【0017】(3)復水器真空度が低下する場合 循環水ポンプ10がトリップすると、復水器真空度が低
下する。例えば、図3に示す循環水ポンプ10がトリッ
プし、復水器5の真空度が低下する場合には、図8に示
すように、復水器5の真空度低警報設定値pにて警報が
出力される。このような場合、運転員は、sの時点で再
循環ポンプをランバックさせる。しかし、復水器5の真
空度がタービン3のトリップの設定値に近いと、復水器
真空度低低設定値qに到達し、タービントリップuに至
る。さらに、タービントリップに至ったことにより、図
3に示す主蒸気止め弁12が閉鎖して、原子炉スクラム
に至る。さらにタービンバイパス弁が開かないため、復
水器5による除熱ができなくなる。この結果復水器5の
水位も低下し、全給水喪失に至る。
【0018】以上のように、逃がし安全弁8が開固着し
た場合と復水器真空度が低下したした場合には、スクラ
ムするとそれぞれ全給水喪失、タービントリップ事象に
事象が波及することになる。
【0019】これらの異常を検知し、事象を緩和させる
には、原子炉出力を下げておくことであるが、この原子
炉出力を下げる方法として、再循環流量を低下させる方
法の他に制御棒を挿入する手段がある。この制御棒を挿
入する手段は再循環ポンプのトリップ時に炉心が不安定
な領域にならないように、これを回避する観点で追設さ
れた機能であり、選択制御棒と呼ばれる。この機能の動
作ロジックを図4に示す。選択制御棒は原子炉出力が3
5%以上あり、かつ、再循環ポンプが1台以上トリップ
した場合に動作する。この選択制御棒のロジックは上記
の3つの事象が発生した場合には、再循環ポンプがトリ
ップしないので、動作せず、その支援が期待できない。
【0020】このような事象を解決するために、スクラ
ム回避総合制御システム(特開昭61−160088号
公報)では、プラントのプロセス量、例えばAPRM、
熱流束などが然るべき値になった場合、再循環ポンプラ
ンバック及び選択制御棒挿入を実施させている。そのた
め、上記事象時にもプロセス値、つまり格納容器圧力や
S/P水温度、及び復水器真空度を監視し、警報の設定
値に達する前に再循環ポンプランバック及び選択制御棒
挿入を実施させている。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】上記に説明したように
スクラム回避総合制御システムでは、プラントのプロセ
ス量、例えばAPRM、熱流束などが然るべき値になっ
た場合、再循環ポンプランバック及び選択制御棒挿入を
実施させている。
【0022】しかし、この設定値により再循環ポンプラ
ンバック及び選択制御棒挿入を実施させる場合には、異
常による変動を異常発生の初期に検出できず対応制御が
間に合わないことがある。
【0023】また、検出設定値による場合は、検出器の
誤信号による誤動作が考えられる。特に原子炉水位等の
プロセス量を検出した場合には、プラントの起動時や停
止時に原子炉水位の変動が大きくなるので、この場合に
誤動作するケースが考えられる。
【0024】また、外乱によるインパルス的な誤信号が
入力され、これが設定値に達した場合には、誤動作し、
これは不必要な場合に動作させることとなるため、プラ
ントを運用する上で誤動作による出力の低下となり、好
ましくない。
【0025】本発明の目的は、上記の課題を解決するた
めに、スクラムに至るまでの間の、その異常となったパ
ラメータを用いて事象の初期に異常を検出し、直ちに再
循環ポンプをランバックさせるとともに、選択制御棒を
挿入することによりスクラムを回避する。しかも、検出
器の誤信号などによる誤動作を起さないシステムの提供
にある。またスクラムしてもその後のパラメータの挙動
を緩和することのできるシステムの提供にある。
【0026】
【課題を解決するための手段】前記の目的は、異常によ
って変動するパラメータの定常値との偏差を判定し、か
つ偏差有りの継続により判定信号を出力する手段と、該
判定出力によって再循環ポンプをランバックさせる手段
と、選択制御棒を挿入させる手段を備えたことによって
達成される。
【0027】更に前記の目的は、再循環ポンプをランバ
ックさせる手段又は選択制御棒を挿入させる手段は、前
記判定出力に、原子炉が運転中であること、及び原子炉
のスクラム信号が入力されていないことの少なくとも1
つとのロジックを備えたことによって達成される。
【0028】前記手段によると、異常を示すパラメータ
の定常値との偏差を監視することによって異常による変
動を異常発生初期に検出できる。これにより、異常を示
すパラメータがスクラム設定値に到達する以前に、定常
値との偏差が出力された時点で再循環ポンプをランバッ
クさせ選択制御棒を挿入し、原子炉スクラムを回避す
る。
【0029】また異常を示すパラメータの定常値との偏
差が所定時間以上継続することを監視することによっ
て、異常を示すパラメータは、検出誤差や外乱等によっ
て一時的に急激に変動する場合があるが、この外乱等を
偏差の継続時間を見ることによって除外することがで
き、不必要な再循環ポンプのランバックや選択制御棒の
挿入の誤動作を防止できる。また偏差の継続時間によっ
てパラメータ変化の傾向も判定できる。
【0030】また再循環ポンプをランバックさせ、選択
制御棒を挿入する場合、プラントの起動停止時には定格
出力が出ていないため、再循環ポンプをランバックする
必要はなく、これを再循環ポンプのランバック、及び選
択制御棒の挿入を原子炉が運転中であること、またスク
ラム信号が入力されていない条件を付加することで防止
できる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
により説明する。
【0032】図1は、本発明の一実施形態のロジックを
示し、本発明は、従来のロジック(図4参照)に図1に
示す新たなロジックを追加して適用するものである。以
下原子力発電プラントにおいて、従来の技術にあげた3
つの事象について、本発明を用いた場合を説明する。
【0033】(1)格納容器圧力が上昇する場合 格納容器7内圧力信号が上昇する事象は、格納容器7内
の主蒸気管2からの漏洩が考えられる。例えば、図3に
おける主蒸気管のX地点での蒸気漏洩を想定する。図5
に示すように蒸気漏洩によって、格納容器7内の圧力が
徐々に上昇する。この場合には、図3に示す既存の信号
検出器aにて格納容器圧力信号a1を検出する。この検
出した格納容器圧力信号a1は判定回路20に取り込ま
れる。判定回路20では、入力した格納容器圧力信号a
1をタイマ31を通してt秒前の格納容器圧力信号a2
を得る。この検出した格納容器圧力信号a1とt秒前の
格納容器圧力信号a2の差の格納容器圧力高偏差を加減
器32で演算する。次にこの格納容器圧力高偏差を判定
器33で判定し、偏差がある場合に格納容器圧力高増加
信号a3を出力し、再循環ポンプランバックと選択制御
棒挿入の動作指令を出力する。
【0034】判定器33の詳細は図2に示すように、図
1の加減器32からの偏差が偏差判定器41で判定さ
れ、偏差が有るとクロックパルスをゲート42しカウン
タ43に蓄えられる。カウンタ43にはプリセットカウ
ンタが用いられ、初期にセットしたカウンタの値になっ
た場合、格納容器圧力高増加信号a3を出力する。また
カウンタ43の計数途中、偏差判定器41が偏差無しを
判定するとカウンタ43をリセットし信号を出力しな
い。格納容器圧力高増加信号a3が出力されると、再循
環ポンプランバックと選択制御棒挿入の動作指令が出力
する。この格納容器圧力高増加信号a3によると、誤信
号による誤動作を防止できる。
【0035】本発明では、原子炉がスクラムする前に再
循ポンプをランバックさせることが前提条件であるの
で、原子炉スクラム信号w1が入力されていないこと、
及び原子炉モードスイッチが「運転」位置の信号w2を
用いたロジックで判断し、上記の格納容器圧力高増加信
号a3が出力されれば、図5に示すように再循環ポンプ
16をランバックh1させるとともに、同様の条件で選
択制御棒を挿入する。
【0036】この再循ポンプのランバックと選択制御棒
の挿入によって格納容器の圧力高を抑えることができ
(実線)、スクラムを回避できる。また再循環ポンプの
ランバックと選択制御棒の挿入によって原子炉出力を低
下させることができる。原子炉出力を低下した状態とす
ることにより、たとえスクラムしてもその後のパラメー
タの挙動を緩和させることができる。
【0037】また、上記の格納容器内の蒸気漏洩が大き
く、急激にパラメータが変動し、スクラムに達する場合
にも、本発明により、変動するパラメータ、この場合
は、格納容器内圧力の偏差が出力された時点で、直ちに
上記の格納容器内圧力が時間をかけて上昇する場合と同
様に再循環ポンプをランバックさせると共に、選択制御
棒を挿入させる。これにより、スクラム前の原子炉出力
を低下させることができるので、急激なパラメータの変
動による原子炉スクラムが発生しても、事前に原子炉出
力が低下しているため、スクラム後の原子炉水位、圧力
の変化が緩和される。
【0038】(2)圧力抑制室のプール水温度が上昇す
る場合 圧力抑制室9のプール水温度が上昇する事象としては、
逃がし安全弁8が開いたまま固着する事象がある。この
事象では主蒸気流量が圧力抑制室9にも流出するので給
水流量を多く確保しなければならなくなる。この給水流
量として100%出力に相当する流量を保持しようとす
ると、図3に示す復水器5の水位が低下し、低圧復水ポ
ンプ14、高圧復水ポンプ15の順にトリップし、それ
に伴い、給水ポンプ6もトリップするので、全給水喪失
に至る。この復水器5の水位が低下した時点で図4に示
す復水器水位低の条件で再循環ポンプはランバックする
が間に合わず、原子炉水位の低下が早く原子炉水位低に
より自動スクラムに至るとともに、原子炉隔離時冷却系
等による水位確保操作が必要となる。
【0039】この自動スクラムを回避するため本発明で
は、図3に示す既存の信号検出器bにて圧力抑制室プー
ル水温度信号b1を検出する。この検出した圧力抑制室
プール水温度信号b1は図1に示す判定回路21に取り
込まれる。判定回路21では、入力した圧力抑制室プー
ル水温度信号b1をタイマ34を通してt秒前の圧力抑
制室プール水温度信号b2を得る。この検出圧力抑制室
プール水温度信号b1とt秒前の圧力抑制室プール水温
度信号b2の差の圧力抑制室水温度高偏差を加減器35
で演算する。次にこの圧力抑制室プール水温度高偏差を
判定器36で判定し、偏差がある場合に圧力抑制室水温
度高増加信号b3を出力し、再循環ポンプランバックと
選択制御棒挿入の動作指令を出力する。
【0040】判定器36には図2に示すものが用いら
れ、加減器35で演算した圧力抑制室プール水温度信号
b1とt秒前の圧力抑制室プール水温度信号b2の差
を、図2に示す偏差判定器41で判定した結果、偏差が
ある場合にはクロックパルスをゲート42し、カウンタ
43で計数することにより、偏差有りの継続をみて、そ
れが所定時間継続するとき圧力抑制室プール水温度高増
加信号b3を出力する。これにより動作指令を出力し、
再循環ポンプランバックと選択制御棒挿入を動作させ
る。
【0041】本発明では、原子炉がスクラム前に作動す
ることが前提条件であるので、原子炉スクラム信号w1
が入力されていないこと、及び原子炉モードスイッチが
「運転」位置の信号w2を用いたロジックで判断し、上
記の圧力抑制室水温度高増加信号b3が出力されると、
図6に示すように再循環ポンプ16をランバックl1さ
せるとともに、同様の条件で選択制御棒を挿入する。こ
れにより圧力抑制室プール水温度は通常運転状態を維持
する(実線)。また図7に示すように給、復水ポンプも
トリップしない(実線)で、原子炉出力を低下させるこ
とができる。
【0042】また、上記の逃がし弁開固着時の開口度が
大きい場合には、急激にS/P水温度が上昇するととも
に、原子炉出力の低下により、主蒸気圧力が低下するの
で、原子炉がスクラムに至る可能性が大きい。このた
め、S/P水温や原子炉圧力、或いは主蒸気管圧力が変
動し、スクラムに達する場合にも、本発明により、変動
するパラメータの偏差が出力された時点で、直ちに再循
環ポンプをランバックさせる共に、選択制御棒を挿入さ
せる。これにより、スクラム前の原子炉出力を低下させ
ることができるので、急激なパラメータの変動による原
子炉スクラムが発生しても、事前に原子炉出力が低下し
ているため、スクラム後の原子炉水位、圧力の変化が緩
和される。
【0043】(3)復水器の真空度が低下する場合 復水器5の真空度が低下する事象としては、循環水ポン
プ10のトリップが考えられる。この場合にも復水器5
の真空度信号を本ロジックに取り込むことによって、主
タービントリップを防止する。
【0044】この状態を発見するには、警報により復水
器5の真空度が低下していることを運転員に告知してい
るが、復水器5の真空度が低下する割合が、運転員が手
動で出力を低下させる対応操作よりも早いと、運転員が
対応操作中にタービントリップし、原子炉スクラムに至
る。さらにタービンバイパス弁が開かないため、復水器
5による除熱ができなくなる。この結果復水器の水位も
低下し、全給水喪失に至る。
【0045】この原子炉スクラムと全給水喪失を回避す
るため本発明では、図3に示す既存の信号検出器cにて
復水器真空度信号c1を検出する。この検出した復水器
真空度信号c1は図1に示す判定器22に取り込まれ
る。判定器22では、入力した復水器真空度信号c1を
タイマ37を通してt秒前の復水器真空度信号c2を得
る。この検出復水器真空度信号c1とt秒前の復水器真
空度信号c2の差を加減器38で演算する。この復水器
真空度低偏差を判定器39で判定し、偏差がある場合に
復水器真空度低低下信号c3を出力し、再循環ポンプラ
ンバックと選択制御棒挿入の動作指令を出力する。
【0046】判定器39には図2に示すものが用いら
れ、加減器38で演算した復水器真空度信号c1とt秒
前の復水器真空度信号c2の差を図2に示す偏差判定器
41で判定した結果、偏差がある場合にはクロックパル
スをゲート42し、カウンタ43で計数することにより
偏差有りの継続をみて、それが所定時間継続するとき復
水器真空度低低下信号c3を出力する。これにより動作
指令を出力し、再循環ポンプランバックと選択制御棒挿
入を動作させる。
【0047】本発明では、原子炉がスクラム前に作動さ
せることが前提条件であるので、原子炉スクラム信号w
1が入力されていないこと、及び原子炉モードスイッチ
が「運転」位置の信号w2を用いたロジックで判断し、
上記の復水器真空度低低下信号c3が出力されれば、図
8に示すように再循環ポンプ16をランバックs1させ
るとともに、同様の条件で選択制御棒を挿入する。
【0048】以上のように、本発明によって各事象にお
いて異常な事象が発生した初期の段階で対応できるの
で、運転員の対応が遅れて、事象が波及することを防止
できる。また、急激なパラメータの変動により、原子炉
がスクラムする場合でも、事前に原子炉出力を下げてお
くことが出来るので、スクラム後の過渡変化緩和するこ
とが出来る。
【0049】また、循環水ポンプが複数台停止した場合
には、急激に復水器真空度が低下しはじめ、タービント
リップに至る。これに伴い、原子炉がスクラムする。こ
のため、復水器真空度が急激に低下し、スクラムに達す
る場合にも、本発明により、変動するパラメータの偏差
が出力された時点で、再循環ポンプをランバックさせる
と共に、選択制御棒を挿入させる。これにより、スクラ
ム前の原子炉出力を低下させることができるので、急激
なパラメータの変動による原子炉スクラムが発生して
も、事前に原子炉出力が低下しているため、スクラム後
の原子炉水位、圧力の変化が緩和される。
【0050】なお、原子炉スクラムに至る事象は、前記
した以外にもあり、また複数の複合事象もあるが、いず
れの事象についても本発明を適用できる。
【0051】また、偏差判定器41は0を判定基準にし
たが、0以上の設定値を基準としてもよい。また、偏差
有りの継続を判定するのに他の回路を用いることができ
る。
【0052】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、異常事象
に対して発生初期の段階で対応でき、以下に示す効果が
期待できる。
【0053】格納容器の圧力が上昇する事象に対して
は、格納容器の圧力が上昇変化することを圧力高増加信
号により事象の初期に検出できる。これにより異常事象
発生の初期に再循環ポンプのランバックと選択制御棒の
挿入が達成でき、原子炉を低出力状態にし格納容器圧力
の上昇を緩和できる。またこれによりスクラムを回避で
き、スクラムした場合でも原子炉出力を低下させている
から運転員の負担が軽減され、誤操作が防止できる。
【0054】また前記格納容器圧力高偏差有りが継続す
る場合の格納容器圧力増加信号を再循ポンプのランバッ
ク及び選択制御棒の挿入信号とすることにより格納容器
圧力の外乱発生等の誤信号による再循環ポンプランバッ
ク及び選択制御棒の挿入の誤動作を防止できる。
【0055】また逃がし安全弁が開いたまま固着する事
象に対しては、圧力抑制室プール水温度の上昇変化を水
温度高増加信号により事象の初期に検出でき、また復水
器真空度の低下する事象では、復水器真空度低下信号に
より事象の初期に検出でき、それによる対応制御により
原子炉出力低状態にしスクラムを回避することができ
る。
【0056】また、誤信号による再循環ポンプランバッ
ク及び選択制御棒挿入の誤動作を防止できる。
【0057】更に、急激なパラメータの変動により自動
スクラムしても、再循環ポンプランバック及び選択制御
棒挿入により原子炉出力が低下しているので、定格出力
から自動スクラムした場合でもスクラム後のパラメータ
の挙動が緩やかになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のロジック図である。
【図2】図1の判定回路の一部構成図である。
【図3】原子力発電プラントの構成図である。
【図4】従来の原子力発電プラントの再循環ポンプラン
バック機能と選択制御棒挿入のロジック図である。
【図5】格納容器圧力が上昇する場合の従来の挙動と本
発明の場合のトレンドグラフである。
【図6】圧力抑制室の水温度が上昇する場合の従来の挙
動と本発明の場合のトレンドグラフである。
【図7】圧力抑制室の水温度が上昇する場合の給水流量
の従来の挙動と本発明の場合のトレンドグラフである。
【図8】復水器真空度が低下する場合の従来の挙動と本
発明の場合のトレンドグラフである。
【符号の説明】 1…原子炉、2…主蒸気管、3…タービン、4…発電
機、5…復水器、6…給水ポンプ、7…格納容器、8…
逃がし安全弁、9…圧力抑制室、10…循環水ポンプ、
11…主蒸気隔離弁、12…主蒸気止め弁、13…主蒸
気加減弁、14…低圧復水ポンプ、15…高圧復水ポン
プ、16…再循環ポンプ、20…格納容器圧力の判定回
路、21…圧力抑制室水温度の判定回路、22…復水器
真空度の判定回路、31、34、37…タイマ、32、
35、38…加減器、33、36、39…判定器、41
…偏差判定器、42…クロックパルスゲート、43…カ
ウンタ、a…格納容器圧力検出器、a1…格納容器圧力
信号、a2…t秒前の格納容器圧力信号、a3…格納容
器圧力高増加信号、b…圧力抑制室プール水温度検出
器、b1…圧力抑制室プール水温度信号、b2…t秒前
の圧力抑制室プール水温度信号、b3…圧力抑制室プー
ル水温度高増加信号、c…復水器真空度検出器、c1…
復水器真空度信号、c2…t秒前の復水器真空度信号、
c3…復水器真空度低下信号、d…原子炉定格運転状態
の格納容器圧力、e…蒸気漏洩発生時点、f…格納容器
圧力高の警報設定値、g…格納容器圧力高のスクラム設
定値、h…運転員の再循環ポンプランバック時点、h1
…システムの再循環ポンプランバックと選択制御棒挿入
時点、i…原子炉スクラム時点、j…原子炉定格運転状
態の圧力抑制室内水温度、k…逃がし安全弁の開固着発
生時点、l…運転員の再循環ポンプランバック時点、l
1…システムの再循環ポンプランバックと選択制御棒挿
入時点、m…圧力抑制室内の水温度高警報設定値、n…
圧力抑制室内の水温度高高設定値、o…原子炉定格運転
状態の復水器真空度、p…復水器真空度低警報設定値、
q…復水器真空度低低設定値、r…循環水ポンプトリッ
プ時点、s…運転員の再循環ポンプランバック時点、s
1…システムの再循環ポンプランバックと選択制御棒挿
入時点、u…タービントリップ時点。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原子炉に異常が発生してから原子炉スク
    ラムまでの過渡現象の緩和システムにおいて、前記異常
    によって変動するパラメータの定常値との偏差を判定
    し、かつ偏差有りの継続により判定信号を出力する手段
    と、該判定出力によって再循環ポンプをランバックさせ
    る手段と、選択制御棒を挿入させる手段とを備えたこと
    を特徴とする原子炉の過渡緩和システム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の原子炉の過渡緩和システ
    ムにおいて、前記パラメータの定常値との偏差を判定す
    る手段は、タイマーを付加し、定常値と前記タイマーの
    抽出時点におけるパラメータ値との偏差を判定するもの
    であることを特徴とする原子炉の過渡緩和システム。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の原子炉の過渡緩和
    システムにおいて、前記パラメータの定常値との偏差を
    判定する手段は、格納容器圧力信号をタイマを通してt
    秒前の格納容器圧力信号を得て、検出格納容器圧力信号
    とt秒前格納容器圧力信号とで格納容器圧力高偏差を演
    算し、該格納容器圧力高偏差を判定し、偏差有りが所定
    時間以上継続したとき格納容器圧力高増加信号を出力す
    るものであることを特徴とする原子炉の過渡緩和システ
    ム。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載の原子炉の過渡緩和
    システムにおいて、前記パラメータの定常値との偏差を
    判定する手段は、圧力抑制室プール水温度信号をタイマ
    を通してt秒前の圧力抑制室プール水温度信号を得て、
    検出圧力抑制室プール水温度信号とt秒前圧力抑制室プ
    ール水温度信号とで圧力抑制室プール水温度高偏差を演
    算し、該圧力抑制室プール水温度高偏差を判定し、偏差
    有りが所定時間以上継続したとき圧力抑制室プール水温
    度高増加信号を出力するものであることを特徴とする原
    子炉の過渡緩和システム。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2記載の原子炉の過渡緩和
    システムにおいて、前記パラメータの定常値との偏差を
    判定する手段は、復水器真空度信号をタイマを通してt
    秒前の復水器真空度信号を得て、検出復水器真空度信号
    とt秒前復水器真空度信号とで復水器真空度低偏差を演
    算し、該復水器真空度低偏差を判定し、偏差有りが所定
    時間以上継続したとき復水器真空度低下信号を出力する
    ものであることを特徴とする原子炉の過渡緩和システ
    ム。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の原子炉の過渡緩和システ
    ムにおいて、前記再循環ポンプをランバックさせる手段
    は、前記判定手段の判定出力に、原子炉のスクラム信号
    が入力されていない条件と原子炉モードスイッチが運転
    位置である条件の少なくとも1つとのロジックを備えた
    ことを特徴とする原子炉の過渡緩和システム。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の原子炉の過渡緩和システ
    ムにおいて、前記選択制御棒を挿入させる手段は、前記
    判定手段の判定出力に、原子炉のスクラム信号が入力さ
    れていない条件と原子炉モードスイッチが運転位置であ
    る条件の少なくとも1つとのロジックを備えたことを特
    徴とする原子炉の過渡緩和システム。
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