JPH11304994A - 放射線遮蔽材 - Google Patents

放射線遮蔽材

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JPH11304994A
JPH11304994A JP10113282A JP11328298A JPH11304994A JP H11304994 A JPH11304994 A JP H11304994A JP 10113282 A JP10113282 A JP 10113282A JP 11328298 A JP11328298 A JP 11328298A JP H11304994 A JPH11304994 A JP H11304994A
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JP
Japan
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lead
titanium hydride
shielding material
pressure
radiation shielding
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Application number
JP10113282A
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English (en)
Inventor
Koji Tsuzuki
浩二 続木
Hiroaki Yanai
広明 谷内
Hiroshi Akamatsu
博史 赤松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Kobe Steel Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1層構造でガンマ線と中性子線とを同時に効
率よく遮蔽できる放射線遮蔽材を提供する。 【解決手段】 鉛粉末と該鉛粉末に対して重量で30〜
50%の水素化チタン粉末とを混合し、300kgf/
cm2 以上で500kgf/cm2 以下の圧力および2
50〜300℃の温度で1〜3時間保持して加圧成形さ
れた放射線遮蔽材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放射性廃棄物を保
存したり、輸送したりするための容器材料に関し、具体
的には、放射性廃棄物などから放射されるガンマ線や中
性子線などを遮断しうる放射線遮蔽材に関する。
【0002】
【従来の技術】放射性廃棄物は、透過性の高いガンマ線
や、中性子線や、飛距離が短く、吸収断面積の大きなベ
ータ線や、アルファ線が放射されている。これらの放射
線の中で、保管上、輸送上問題となるのは、透過性の高
いガンマ線と中性子線である。
【0003】放射性廃棄物を保管したり輸送する容器で
は、ガンマ線や中性子線が容器外に漏洩することを防止
する必要がある。このため、容器をガンマ線遮蔽能力の
高い鉛と、中性子遮蔽能力の高い軽元素(特に水素)を
主成分とする有機物等とを組合わせて容器を組み立てて
いる。例えば、鉛の容器の外面にゴム、樹脂、エチレン
グリコール層などを設け、鉛をガンマ線遮蔽材とし、ゴ
ム層などを中性子線遮蔽材とする。
【0004】しかし、これらの容器では、収納物の発熱
および放射線吸収に伴う発熱により、中性子線遮蔽材が
劣化したり、燃焼したりする危険がある。加えて輸送等
に伴い破損するおそれも高い。また、これらの構造で
は、容器側壁が厚くなるので、容器の内容積に制約を受
けることになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上のことからわかる
ように、耐熱性が高い材料を用いてガンマ線と中性子線
とを共に遮蔽する能力を有する遮蔽材が開発できれば、
発熱に伴う中性子遮蔽材の損傷のおそれもなく、運搬等
に伴う破損のおそれも少なくなる。加えて、従来の2層
構造を1層構造とすることができるため、容器の内容積
を実質的に増加させることができる。
【0006】本発明はこの観点よりなされたものであ
り、1層構造でガンマ線と中性子線とを同時に効率よく
遮蔽できる放射線遮蔽材の提供を課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の放射線遮蔽材は、鉛と水素化チタンとが均
一に分散された1層構造加圧成形体で、100kgf/
cm2 以上の圧壊強度を有する。
【0008】また、別の態様では、本発明の放射線遮蔽
材は、鉛粉末に対して30〜50重量%の水素化チタン
粉末を該鉛粉末に混合し、鉛融点より未満であるが、2
50℃以上の温度に保ちながら加圧成形され、プレスの
変位曲線から推定される被成形体の密度が理論値の95
%より大きくなったものである。そして、好ましくは非
酸化雰囲気中で加圧成形したものである。
【0009】また、別の態様では、本発明の放射線遮蔽
材は、鉛粉末と該鉛粉末に対して30〜50重量%とな
る水素化チタン粉末との混合物が加圧成形されて充填密
度が95%より大きくなったものである。加圧成形時の
圧力を300kgf/cm2以上、500kgf/cm
2 以下とし、非酸化雰囲気中あるいは不活性雰囲気中で
温度250〜300℃に保持して加圧成形されたもので
ある。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明では、鉛はガンマ線を遮蔽
する目的で用い、水素化チタンは中性子線を遮蔽する目
的で用いる。水素化チタンに含まれる水素の中性子遮蔽
能力が大きいからである。
【0011】鉛に対する水素化チタンの量を重量で30
〜50%とすることにより、ガンマ線と中性子線とを効
率良く、同時に遮蔽できるが、この範囲内では、鉛と水
素化チタンの比を、収納する放射性廃棄物の質によって
変えられる。
【0012】なお、混合物と加圧成形体において、鉛と
水素化チタンの割合は本質的に変わらない。
【0013】本発明の放射線遮蔽材は、粉末冶金手法で
鉛中と水素化チタンが均一に分散されたものである。一
般的に、2種あるいはそれ以上の物質を混合して所望形
状の成形体を作る場合には、粉末冶金手法ではなく、そ
れぞれの物質を熔融状態で均質に混合して鋳造すること
も考えられる。しかし、本発明の遮蔽材の原料である鉛
と水素化チタンとは比重、濡れ性、熔融軟化点等の特性
が極めて異なるため、熔融状態での混合は極めて困難で
ある。
【0014】本発明のように、水素化チタンを鉛に対し
て重量で30〜50%とする場合、水素化チタンの比重
が小さいから、容量としては水素化チタンの方が多くな
るため、溶融状態における均一混合による成形が困難で
ある。
【0015】本発明の放射線遮蔽材は、粉末状態で、す
なわち、鉛粉末と水素化チタン粉末とを均一に混合した
後、好ましくは雰囲気調整可能な加熱容器内において、
加圧成形と熱処理とを行ったものである。しかし、粉末
冶金的な処理であっても、局部的に拡散を伴うなど焼結
作用が要求され、部分的に溶融状態になりうる。そし
て、本発明における鉛粉末と水素化チタンとでは軟化点
が違い過ぎ、一般的な粉末冶金手法では鉛と水素化チタ
ン相互間で強固な結合を得ることは難しい。
【0016】このために、本発明の放射線遮蔽材は、2
50〜300℃で加圧・保持したものである。これは、
融点の低い鉛を成形体内部で均一に分散させ、かつ一様
に連結させて鉛に成形体内部で骨材的な役割を持たせる
ようにするためである。
【0017】温度が250℃より低いと、鉛の均一分散
が得られず、したがって、成形体の強度が得られず、脆
くなり、300℃以上になると、鉛が融解して鉛と水素
化チタンとが比重差により分離し、均一分散の成形体が
得られなかったり、あるいは鉛が型枠から漏れ出したり
する。さらに、300℃以上の温度では、鉛の温度が鉛
の融点(327.3℃)近傍であるため、用いる装置に
よっては鉛が酸化してしまい、良好な成形体が得られな
い場合がある。このような場合には、非酸化雰囲気中、
あるいは不活性ガス雰囲気中で成形加工することが好ま
しい。
【0018】本発明の放射線遮蔽材を得るには、鉛の融
点直下という極めて熔融の危険性が高い温度が必要とな
る。すなわち、拡散を伴う焼結(加圧成形)の終点の判
定が早すぎると、成形体内部での鉛の結合が不十分とな
って脆いものとなり、逆に判定が遅れた場合には、圧縮
による発熱作用などにより温度が鉛の融点に達してしま
い、水素化チタンが比重分離を起こしたり、あるいは鉛
が型枠から漏れだし、均一に分散した成形体が得られな
くなる。
【0019】本発明の放射線遮蔽材は、従来行われてい
た鉛の融点より100〜200℃程度低い温度での加圧
ではなく、鉛融点(327℃)より僅かに(80℃ま
で)下の温度、言い換えると250℃以上の温度に保ち
ながらの加圧を受けている。これにより、融点の低い鉛
が成形体内部で均一に分布され、かつ、一様に連結し、
鉛が成形体内部で骨材的な役割を行っている。
【0020】また、加圧時の体積変位曲線から推定され
る被成形物の密度が理論値の95%以上となってから、
さらに10〜20分間、加圧を続けたものが好ましい。
これにより、鉛が上記骨材的役割を確実に果たすのであ
る。加圧成形の終了時の判定が早すぎると、成形体内部
での鉛の結合が不十分となり、脆い成形体しか得られ
ず、逆に判定が遅れると圧縮による発熱作用などにより
温度が上昇し、鉛が溶融して鉛と水素化チタンとが比重
差により分離し、相互が均一に分散した成形体が得られ
なくなったり、あるいは鉛が型枠から漏れだしたりす
る。
【0021】本発明の放射線遮蔽材では、加圧成形の温
度が鉛の融点近傍であるため、用いる装置によっては鉛
が酸化してしまい、良好な成形体が得られない場合があ
る。このため、成形加工を非酸化性雰囲気、あるいは不
活性雰囲気中で行ったものが好ましい。
【0022】本発明の放射線遮蔽材は、前述の温度範囲
内で1〜3時間保持したものが好ましいが、この保持時
間は、用いる鉛と水素化チタンの割合により影響され、
この保持時間は鉛と水素化チタンとの割合で適宜変更さ
れる。
【0023】また、本発明の放射線遮蔽材は300kg
f/cm2 以上の圧力で加圧成形したものである。30
0kgf/cm2 未満では、充填密度が95%以上に高
くならないからである。なお、500kgf/cm2
超えると、圧力の増大に対して充填密度の向上は実質的
に得られない。
【0024】以下、体積変位曲線を用いた加圧成形終了
の判定に関し、図を用いてさらに説明する。
【0025】図1、2は成形加工時の体積変位を示した
グラフであり、A点が加圧開始時点である。図1の体積
変位の履歴でわかるように、加圧開始後一旦急速に圧縮
が進み、その後徐々に圧縮が進み、1時間経過時点でほ
ぼ圧縮は限界となっている。すなわち、この条件下での
圧縮限界である。
【0026】図2は圧縮限界となった後も保持を継続し
た場合を示すグラフであり、B点で温度が鉛の融点に達
してしまい、鉛が型枠から漏れだしたものである。ここ
で、図1より延長した保持時間は20分程度である。
【0027】図1、2より、理論計算から推定される変
位変化幅に近づいた時、すなわち圧縮限界に近づいた
後、終点判定が遅れてしまうと成形失敗となることは明
らかである。
【0028】このようにして得た成形体の圧壊強度は、
図1の条件で得られたもので100kgf/cm2 以上
となった。
【0029】なお、圧壊強度の測定は、次のように行っ
た。
【0030】すなわち、得られた成形体を輪切りにした
直径30mm、厚さ10mmの試験片に、油圧プレスで
加重をかけ、破壊したときの加重から、そのときの単位
面積当たりの加重を求めて、圧壊強度値とした。
【0031】強度測定値決定に当たっては、50mmの
円筒型サンプルの上下端、および中央部の3点について
測定し、3点の平均値を代表値とした。
【0032】また、充填密度の測定は、理論密度との比
較により行った。
【0033】
【実施例】次に、実施例を用いて本発明をさらに説明す
る。
【0034】[実施例1]平均粒径70ミクロンの鉛粉
末と、該鉛粉末に対して重量で30%の平均粒径20ミ
クロンの水素化チタンとを混合し、内径30mm、厚さ
80mmの型枠に充填し、Ar雰囲気下で、290℃に
昇温し、290℃(鉛融点−37℃)に保持したまま3
00kgf/cm2 の圧力で加圧した。
【0035】加圧時に測定される被成形物の体積変位曲
線より圧縮限界に至ったことを確認し、冷却して成形体
(直径30mm、厚さ50mm)を得た。
【0036】本実施例では、圧縮限界に至るまでの加圧
時間は60分間であり、体積変位曲線より求めた成形体
の密度が理論値の95%に到達してから15分後に終了
させたことになる。図1に体積変位の履歴グラフを示し
た。
【0037】また、得られた成形体(Pb−TiH2
を切断し、その断面を表面分析して鉛とチタンとの分布
を調査した。得られた結果を図3に示した。図3より、
本発明の成形体では鉛と水素化チタンとが均一に分散さ
れていることがわかる。
【0038】こうして得た成形体の圧縮強度は、表1に
示すように100kgf/cm2 以上であり、さらに加
重を高めていくと成形体に曲がりが生じ、正確な強度測
定ができない状態となっていた。
【0039】[実施例2]加圧時間を55分間(体積変
位曲線から求めた被成形物の密度が理論値の95%以上
に到達してから10分後に終了)とした以外は実施例1
と同様にして成形体を得た。
【0040】得られた成形物を切断し、その断面を表面
分析して、鉛とチタンとの分布を調査したところ、鉛と
水素化チタンとが均一に分散されていることがわかっ
た。
【0041】次に、実施例1と同様にして成形体の圧壊
強度を求めた。得られた圧壊強度を表1に示した。得ら
れた圧壊強度は100kgf/cm2 以上であり、良好
であった。
【0042】[実施例3]加圧時間を65分間(体積変
位曲線から求めた被成形物の密度が理論値の95%以上
に到達してから20分後に終了)とした以外は実施例1
と同様にして成形体を得た。
【0043】得られた成形物を切断し、その断面を表面
分析して、鉛とチタンとの分布を調査したところ、鉛と
水素化チタンとが均一に分散されていることがわかっ
た。
【0044】次に、実施例1と同様にして成形体の圧壊
強度を求めた。得られた圧壊強度を表1に示した。得ら
れた圧壊強度は100kgf/cm2 以上であり、良好
であった。
【0045】[実施例4]加圧時の保持温度を280℃
(鉛融点−47℃)とした以外は実施例1と同様にして
成形体を得た。
【0046】得られた成形物を切断し、その断面を表面
分析して、鉛とチタンとの分布を調査したところ、鉛と
水素化チタンとが均一に分散されていることがわかっ
た。
【0047】次に、実施例1と同様にして成形体の圧壊
強度を求めた。得られた圧壊強度を表1に示した。得ら
れた圧壊強度は100kgf/cm2 以上であり、良好
であった。
【0048】[実施例5]加圧時の保持温度を270℃
(鉛融点−57℃)とした以外は実施例1と同様にして
成形体を得た。
【0049】得られた成形物を切断し、その断面を表面
分析して、鉛とチタンとの分布を調査したところ、鉛と
水素化チタンとが均一に分散されていることがわかっ
た。
【0050】次に、実施例1と同様にして成形体の圧壊
強度を求めた。得られた圧壊強度を表1に示した。得ら
れた圧壊強度は100kgf/cm2 以上であり、良好
であった。
【0051】[実施例6]加圧時の保持温度を260℃
(鉛融点−67℃)とした以外は実施例1と同様にして
成形体を得た。
【0052】得られた成形物を切断し、その断面を表面
分析して、鉛とチタンとの分布を調査したところ、鉛と
水素化チタンとが均一に分散されていることがわかっ
た。
【0053】次に、実施例1と同様にして成形体の圧壊
強度を求めた。得られた圧壊強度を表1に示した。得ら
れた圧壊強度は100kgf/cm2 以上であり、良好
であった。
【0054】[実施例7]加圧時の保持温度を250℃
(鉛融点−77℃)とした以外は実施例1と同様にして
成形体を得た。
【0055】得られた成形物を切断し、その断面を表面
分析して、鉛とチタンとの分布を調査したところ、鉛と
水素化チタンとが均一に分散されていることがわかっ
た。
【0056】次に、実施例1と同様にして成形体の圧壊
強度を求めた。得られた圧壊強度を表1に示した。得ら
れた圧壊強度は100kgf/cm2 以上であり、良好
であった。
【0057】[比較例1]加圧時間を75分間(体積変
位曲線から求めた被成形物の密度が理論値の95%に到
達してから30分後に終了)とした以外は実施例1と同
様にして成形体を得ようとした。しかし、70分経過し
たとき(被成形物の密度が理論値の95%以上に到達し
てから25分後)に融点に達してしまい、鉛が型枠から
流れ出し成形体を得ることはできなかった。
【0058】図2に体積変位の履歴グラフを示した。
【0059】[比較例2]加圧時間を50分間(体積変
位曲線から求めた被成形物の密度が理論値の95%以上
に到達してから5分後に終了)とした以外は実施例1と
同様にして成形体を得た。
【0060】得られた成形物を切断し、その断面を表面
分析して、鉛とチタンとの分布を調査したところ、鉛と
水素化チタンとが均一に分散されていることがわかっ
た。
【0061】また、成形体の圧壊強度を実施例と同様に
して求めた。得られた結果を表1に示した。この成形体
の圧壊強度は、70kgf/cm2 であり、加重により
曲がりを生じる前に破壊した。
【0062】[比較例3]平均粒径70ミクロンの鉛粉
末と、該鉛粉末に対して重量で30%の平均粒径20ミ
クロンの水素化チタンとを混合し、内径30mm、厚さ
80mmの型枠に充填し、Ar雰囲気下において常温
で、1000kgf/cm2 の成形圧力で手動プレスに
より加圧して成形体を得た。
【0063】得られた成形体を切断し、その断面を表面
分析して、鉛とチタンとの分布を調査したところ、鉛と
水素化チタンとが均一に分散されていることがわかっ
た。
【0064】また、成形体の圧壊強度を実施例と同様に
して求めた。得られた結果を表1に示した。この成形体
の圧壊強度は、20kgf/cm2 であり、加重により
曲がりを生じる前に破壊した。なお、充填密度を測定し
たところ、97.7%であった。
【0065】[比較例4]加圧時の保持温度を240℃
(鉛融点−87℃)とした以外は実施例1と同様にして
成形体を得た。
【0066】得られた成形物を切断し、その断面を表面
分析して、鉛とチタンとの分布を調査したところ、鉛と
水素化チタンとが均一に分散されていることがわかっ
た。
【0067】しかし、体積変位曲線から求めた被成形物
の密度が理論値の90.3%であった。
【0068】また、成形体の圧壊強度を前記実施例と同
様にして求めた。得られた結果を表1に示した。この成
形体の強度は、95kgf/cm2 であり、加重により
曲がりを生じる前に破壊した。
【0069】[比較例5]加圧時の温度を常温にした以
外は実施例1と同様に成形体を得ようとした。しかし、
被成形物が破壊され、成形体は得られなかった。
【0070】
【表1】
【0071】[実施例8]粒径70ミクロンの鉛粉末
と、該鉛粉末に対して重量で30%の粒径20ミクロン
の水素化チタン粉末とを混合し、内径30mm、厚さ8
0mmの型枠に装填し、Ar雰囲気下で、250℃の温
度に昇温し、300kgf/cm2 の成形圧力で150
分間、ホットプレスで加圧した後、冷却して成形物を得
た。得られた成形体の充填密度と圧壊強度とを表2に示
した。
【0072】得られた成形体の圧壊強度は100kgf
/cm2 以上であり、さらに荷重をかけていくと成形体
が曲がり、正確な圧壊強度の測定はできなかった。これ
らの結果より、本実施例で得られた成形体が高い強度と
粘りを持つことがわかる。
【0073】[実施例9〜22]表2に示す割合で、粒
径70ミクロンの鉛粉末と粒径20ミクロンの水素化チ
タン粉末とを混合し、内径30mm、厚さ80mmの型
枠に装填し、Ar雰囲気下で、表2に示す温度、成形圧
力および時間の条件で、ホットプレスで加圧した後、冷
却して成形物を得た。得られた成形体の充填密度と圧壊
強度とを表2に示した。
【0074】得られた成形体の圧壊強度はいずれも10
0kgf/cm2 以上であり、さらに荷重をかけていく
と成形体が曲がり、正確な圧壊強度の測定はできなかっ
た。これらの結果より、これらの実施例で得られた成形
体が高い強度と粘りを持つことがわかる。
【0075】
【表2】
【0076】[比較例6]温度を305℃として、実施
例8と同様にして成形体を得ようとしたが、鉛が融解し
て型枠より流れ出してしまい成形体を得ることはできな
かった。
【0077】[比較例7]温度を310℃として、実施
例8と同様にして成形体を得ようとしたが、鉛が融解し
て型枠より流れ出してしまい成形体を得ることはできな
かった。
【0078】[比較例8〜11]表3の条件に従った以
外は実施例8と同様にして成形体を得た。得られた成形
体の充填率と圧壊強度とを表3に示した。
【0079】表3より、200℃で24時間保持した比
較例3および240℃で24時間保持した比較例9は、
圧壊強度の試験では、曲がりを生ずる前に破壊され、高
い強度を持つ成形体は得られなかった。
【0080】以上の結果より、加圧時の保持温度は、鉛
の融点未満で、かつ、鉛融点から80℃までには下がら
ない温度、言い換えると250℃以上とすればよいこと
がわかる。
【0081】
【表3】
【0082】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されているの
で、鉛中に均一に水素化チタンを分散させた、圧壊強度
が高く加工性の高い1層構造の遮蔽材を得ることが可能
となった。本発明の遮蔽材を用いれば、放射線廃棄物か
らガンマ線・中性子線などの放射線を1層で遮蔽するこ
とができる。この遮蔽材で放射性廃棄物の貯蔵・輸送用
容器を製造し、多くの使用済み燃料を貯蔵・輸送でき、
またゴム・樹脂に比べて材料劣化がないほか、有機物を
高温雰囲気で使用することに起因する火災の心配がなく
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1での成形時の変異曲線を示
したグラフである。
【図2】 本発明の比較例1での成形時の変異曲線を示
したグラフである。
【図3】 本発明の実施例1で得られたPb−TiH2
成形体を切断し、その断面を表面分析して鉛とチタンと
の分布を調査した結果を示した図である。
フロントページの続き (72)発明者 赤松 博史 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目3−1 株 式会社神戸製鋼所高砂事業所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉛中に該鉛に対して30〜50重量%の
    水素化チタンを均一に分散させた1層構造に加圧成形さ
    れ、100kgf/cm2 以上の圧壊強度を有する放射
    線遮蔽材。
  2. 【請求項2】 鉛粉末と該鉛粉末に対して30〜50重
    量%の水素化チタン粉末との混合物が鉛融点より低く且
    つ250℃以上の温度で且つ300kgf/cm2 以上
    の圧力で加圧成形され、加圧成形時の体積変位曲線から
    推定される被成形物の密度が理論値の95%より大きく
    なっている放射線遮蔽材。
  3. 【請求項3】 500kgf/cm2 以下の圧力で加圧
    成形された請求項2に記載の放射線遮蔽材。
  4. 【請求項4】 非酸化雰囲気中または不活性雰囲気中で
    加圧成形された請求項2または3に記載の放射線遮蔽
    材。
  5. 【請求項5】 加圧時の保持温度が300℃以下の温度
    範囲にあった請求項2に記載の放射線遮蔽材。
  6. 【請求項6】 鉛粉末と該鉛粉末に対して30〜50重
    量%の水素化チタン粉末との混合物が、300kgf/
    cm2 以上の圧力および250℃以上の温度で加圧成形
    された、充填密度が95%より大きくなっている放射線
    遮蔽材。
  7. 【請求項7】 圧力を500kgf/cm2 以下とし、
    温度を300℃以下とした請求項6に記載の放射線遮蔽
    材。
  8. 【請求項8】 非酸化雰囲気中でまたは不活性雰囲気中
    で加圧成形された請求項6または7に記載の放射線遮蔽
    材。
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