JPH11304677A - 接合品強度の解析方法および解析装置 - Google Patents

接合品強度の解析方法および解析装置

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JPH11304677A
JPH11304677A JP11516598A JP11516598A JPH11304677A JP H11304677 A JPH11304677 A JP H11304677A JP 11516598 A JP11516598 A JP 11516598A JP 11516598 A JP11516598 A JP 11516598A JP H11304677 A JPH11304677 A JP H11304677A
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JP
Japan
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strength
welding
joint
joined
product
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Application number
JP11516598A
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English (en)
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Akira Nakano
亮 中野
Miki Terada
幹 寺田
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Publication of JPH11304677A publication Critical patent/JPH11304677A/ja
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P90/00Enabling technologies with a potential contribution to greenhouse gas [GHG] emissions mitigation
    • Y02P90/30Computing systems specially adapted for manufacturing

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  • Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 個々の製品に対して最適な形状や材料、成形
加工条件を設定することにより製品開発期間短縮、コス
ト低減、接合強度の向上を実現するため、製品形状や材
料、成形加工条件など個々の製品に応じた接合強度の予
測を可能とする方法および装置を提供すること。 【解決手段】複数の部材が溶着により接合されてなる接
合品の強度解析に際し、まず、これら複数の部材の接合
部位の少なくとも一部に印加される溶着エネルギーを計
算によりもとめる。得られた溶着エネルギーを接合部位
の接合強度に変換し、接合品の強度を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は部品の接合加工にお
いて、限定的ではないがさらに好適には樹脂部品の振動
溶着加工において、接合強度の解析装置、解析方法、解
析方法を用いて接合部品の形状、材料、接合条件を決定
する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】樹脂製品の成形法としては射出成形法や
ブロー成形法、押し出し成形法、圧縮成形法などが活用
されているが、一般的に金型構造などの制約から一度の
加工工程で成形できる形状には制約がある。例えば射出
成形法では金型構造の制約から屈曲したパイプやタンク
などの中空製品を作ることが困難である。このような場
合に予め複数の部品を通常の成形法により成形し、それ
らを組み合わせて接合することにより、中空部品などの
複雑な形状を成形することができる。接合の方法とし
て、例えば振動溶着法は製品形状を予め複数の部品に分
割して射出成形やブロー成形法、押し出し成形法、圧縮
成形法などにより成形した後に、各部品を組み合わせて
加圧しながら振動させ、摩擦熱により溶融接合させるこ
とで中空製品などの複雑形状を成形することができる加
工方法などがある。
【0003】振動溶着部分の形状設計や溶着条件の設定
において、製品の形状や使用する樹脂に応じた設定手法
は知られておらず、一般的な溶着部形状や溶着条件で実
行し、製品の強度試験を行って破壊した場合には条件変
更を行うといった試行錯誤で決定しているため製品開発
期間が長期に及ぶことがある。例えば特開平7−809
38号公報にて樹脂製パイプの製造方法として、分割体
を圧縮方向に対して傾けることにより、分割ラインの傾
斜部の長さを短くして振動溶着時の傾斜部の面圧を確保
し、溶着強度を高めることなどが知られているが、複雑
な製品形状に対して何度傾けることが必要かといった指
針を得ることは困難である。
【0004】また製品設計の段階では、例えば製品使用
時に中空部分に内圧が負荷された場合の破壊の有無を予
測して肉厚や補強構造などを決定するが、振動溶着品で
は振動溶着部分の強度が正確に予想できないため、実際
に試作を行った後の強度試験により再度の設計変更を要
し、手間やコスト、製品開発期間の増大を招くことにな
る。
【0005】また振動溶着前の各部品は射出成形で得ら
れることが多いが、射出成形品ではしばしばそり変形が
発生し、振動溶着部分の形状が当初の設計通りに一致し
ないことになる。一方、そり変形に関しては射出成形の
過程をコンピュータシミュレーションにより予測し、成
形不良を防止する手法として、射出成形CAEが活用さ
れている。ここでは射出成形品形状を微小要素に分割
し、射出成形条件および樹脂材料部性を入力することに
より、差分法、境界要素法、有限要素法、有限体積法な
どの数値解析手法により、樹脂圧力や温度、そり変形状
態などを求める。射出成形CAEによれば金型内を流動
する溶融樹脂の圧力、温度、せん断応力などがコンピュ
ータ上で計算され、最終的に成形品の収縮・そり変形形
状を求めることができ、製品形状や射出成形条件、樹脂
物性などを変更しそり変形の少ない条件を予めコンピュ
ータ上で検討することができる。しかし従来の射出成形
CAEでは各部品のそり変形を予測することができるが、
そり変形した複数の形状を組み合わせた場合に発生する
残留応力の製品強度への影響を予測することはできな
い。このためそり変形に影響する射出成形時の金型設計
や生産時の成形条件設定などへ溶着強度への影響を考慮
することができず、成形条件設定に際して試行錯誤を繰
り返すことになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した問
題点に鑑みてなされたもので、その目的は個々の製品に
対して最適な形状や材料、成形加工条件を設定すること
により製品開発期間短縮、コスト低減、接合強度の向上
を実現するため、製品形状や材料、成形加工条件など個
々の製品に応じた接合強度の予測を可能とする方法およ
び装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
めに、本発明によれば、複数の部材が溶着により接合さ
れてなる接合品の強度解析方法であって、前記複数の部
材の接合部位の少なくとも一部に印加される溶着エネル
ギーを計算によりもとめ、得られた溶着エネルギーを前
記接合部位の接合強度に変換し、前記接合品の強度を求
めることを特徴とする接合品強度の解析方法が提供され
る。
【0008】また本発明の別の態様によれば、複数の部
材が溶着により接合されてなる接合品の強度解析方法で
あって、前記複数の部材の接合部位の少なくとも一部の
接合強度を求め、前記接合品の負荷時における発生応力
を計算により求め、得られた前記接合部位の接合強度と
負荷応力とに基づいて前記接合部位の強度安全度を求め
ることを特徴とする接合品強度の解析方法が提供され
る。
【0009】また本発明の別の態様によれば、複数の部
材が溶着により接合されてなる接合品の強度解析方法で
あって、前記接合部位の少なくとも一部の接合強度を求
め、前記複数の部材の成形時のそり変形形状を計算によ
り求め、前記そり変形を受けた前記複数の部材を強制的
に接合した際の残留応力を計算により求め、前記接合品
の負荷時における発生応力を計算により求め、得られた
前記接合部位の接合強度と残留応力と負荷応力とに基づ
いて前記接合部位の強度安全度を求めることを特徴とす
る接合品強度の解析方法が提供される。
【0010】また本発明の別の態様によれば、複数の部
材が溶着により接合されてなる接合品の強度解析装置で
あって、前記複数の部材の接合部位の少なくとも一部に
印加される溶着エネルギーを計算により求める手段と、
得られた溶着エネルギーを前記接合部位の接合強度に変
換し、前記接合品の強度を求める手段を有することを特
徴とする接合品強度の解析装置が提供される。
【0011】また本発明の別の態様によれば、複数の部
材が溶着により接合されてなる接合品の強度解析装置で
あって、前記複数の部材の接合部位の少なくとも一部の
接合強度を求める手段と、前記接合品の負荷時における
発生応力を計算により求める手段と、得られた前記接合
部位の接合強度と負荷応力とに基づいて前記接合部位の
強度安全度を求める手段を有することを特徴とする接合
品強度の解析装置が提供される。
【0012】また本発明の別の態様によれば、複数の部
材が溶着により接合されてなる接合品の強度解析装置で
あって、前記接合部位の少なくとも一部の接合強度を求
める手段と、前記複数の部材の成形時のそり変形形状を
計算により求める手段と、前記そり変形を受けた前記複
数の部材を強制的に接合した際の残留応力を計算により
求める手段と、前記接合品の負荷時における発生応力を
計算により求める手段と、得られた前記接合部位の接合
強度と残留応力と負荷応力とに基づいて前記接合部位の
強度安全度を求める手段を有することを特徴とする接合
品強度の解析装置が提供される。
【0013】また、本発明の別の態様によれば、前記接
合強度の解析方法により接合部分の強度を予測し、強度
仕様を満足する接合条件を決定し、該条件にもとづいて
接合加工を行うことを特徴とする、接合品の製造方法が
提供される。
【0014】また、本発明の記憶媒体によれば、上記の
接合強度の解析方法の各手順をコンピュータを用いて実
施できるようにコンピュータを動作させるソフトウェア
を記憶した記憶媒体が提供される。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を屈曲パイプの振動
溶着に適用した例について説明する。図1は本発明の解
析装置の実施態様例の装置構成を説明するブロック図で
ある。(101)は条件入力装置、(102)は微小要
素分割装置、(103)はデータ保存装置1、(10
4)はそり変形解析装置、(105)は残留応力解析装
置、(106)は負荷応力解析装置、(107)は溶着
強度解析装置、(108)はデータ保存装置2、(10
9)は安全度解析装置、(110)はデータ保存装置
3、(111)は出力装置である。(103)、(10
8)、(110)は例えば同一のハードディスク内の別
メモリ領域とすることも可能である。また、(101)
(102)(103)(105)(106)(107)
(109)は同一または別体のコンピュータのメモリ上
の機能として実現されてもよい。
【0016】次に、本実施態様例の動作の概要を図2の
フローチャートを用いて説明する。
【0017】ステップ1にて各射出成形部品形状を4角
形や3角形、6面体、4面体、5面体、はり要素などの
微小要素に分割した2次元または3次元の解析モデルデ
ータを作成する。解析モデルデータの作成は有限要素法
のプリプロセッサと呼ばれるソフトウェアを用い、デー
タは微小要素の頂点座標値および要素を構成する頂点番
号より構成される。図3は屈曲中空成形品を四角形の微
小要素へ分割した様子を示している。図4は図3の微小
要素を上下パーツに分けて表示したものである。
【0018】( ステップ2ではステップ1で作成した
微小要素データに加えて、射出成形時のゲート位置や樹
脂温度や射出圧力、金型温度などの成形条件と、使用す
る樹脂の粘度や比熱等の物性値を入力し、射出成形CA
Eソフトウェアにより、各振動溶着部品のそり変形状態
を図5のように求める。図5はそり変形量を10倍に拡
大して表示している。例えば特開平8−99341号公
報に記載の3次元モデルを用いたCAEソフトウェアな
どの射出成形CAEによれば、入力された製品形状に対
して射出成形時の材料圧力や温度の履歴が算出され、最
終的に成形後の微小要素頂点位置の変位量が出力され
る。
【0019】ステップ3では有限要素法などを用いた構
造解析ソフトウェアを用い、そり変形した各振動溶着部
品の対応する溶着部分を強制的に接合した際に、各微小
要素に発生する応力を求める。この解析は例えば振動溶
着部品間の対応する微小要素の頂点間に高剛性の棒要素
を仮想的に生成し、該棒要素に対して長さが零となるよ
うに収縮荷重を与えることにより実現できる。図5中符
号503は上下パーツ(501および502)の溶着部
分間に生成した棒要素の一部を表しており、実際には溶
着部分のすべての微小要素間に生成されるものの一部を
表示したものである。
【0020】ステップ4ではステップ3にて強制的に接
合された製品に対し、有限要素法などを用いた構造解析
ソフトウェアを用い、使用時に想定される内圧などの荷
重を加えた場合の各微小要素に発生する応力を求める。
なお設計の初期段階で各振動溶着部品の射出成形条件な
どが不明の場合や解析に十分な時間的余裕がない場合な
ど、簡略化のためステップ2の射出成形CAEを省略し
てそり変形形状を強制接合したことによる応力を零と仮
定し、溶着後の製品形状を微小要素に分割して、有限要
素法などを用いた構造解析ソフトウェアを用い、使用時
に想定される内圧などの荷重を加えた場合の各微小要素
に発生する応力を簡便に求めることも、本発明の態様の
一つとして有効である。
【0021】ステップ5では図6に示すように溶着部分
のみを微小要素に分割し、振動溶着条件を入力し、有限
要素法などの数値解析手法により振動溶着の進行ととも
に発生する溶着エネルギーを求める。溶着エネルギーの
算出手法を以下に示す。
【0022】(1) 振動溶着条件として、加圧荷重F
(N)、振幅X(mm)、溶着深さD*(mm)を設定する。
【0023】(2)図6に示す微小要素に分割された溶
着部分601の形状に加圧荷重fを付加した際の、微小
要素部分i(i=1,2, N)(Nは本ステップで用いる
全微小要素数)について溶着面に対し垂直に印加される
圧力Ps(MPa)を求める。Psの算出方法としては、有限要
素法などによる数値解析手法を用いて算出する方法や、
あるいは簡易的に式1を用いて算出する方法が考えられ
る。
【0024】Ps=f×sin(θi)/S 式1 ここで、S(mm2)は溶着部分の面積、θiは微小要素
部分iの溶着面が加圧荷重fの方向となす角度(ラジア
ン)である。この様子を図7に示す。
【0025】(3) 振動溶着時に微小要素部分iに発
生する熱量Qi(J)を式2より求める。
【0026】Qi=F(Ps,X,Si) 式2 ここで、Fは実験より定められる関数であり、Si(m
m2)は微小要素部分iの溶着面積である。Fの関数形は
例えば図8に示すような単純形状の試験片について振動
溶着実験を行うことで決定でき、本発明者は実験により
Fの好ましい形態として式3を見いだした。
【0027】Qi=(A×Ps+B/Si)×Xn×h 式3 ここで、h(J/mm3)は単位体積あたりの融解エネルギ
ーであり、A,B,nは実験より求められる係数であり、例
えばナイロン6ガラス繊維強化樹脂の1例では、h=3.8
×10-9、 A=2×10-5〜3×10-5、B=25.0〜30.0、n=1.6を
用いることが好ましい。A,Bおよび,nの決定方法は、ま
ず例えば図8に示すような溶着部分802が30mm×
10mmの試験片を付き当て溶着する実験を行い、80
1の方向への加圧による溶着圧力を3点以上の点、例え
ば5、10、15MPaと変更し、振幅を3点以上の
点、例えば1mm、1.2mm、1.5mmに変更した
場合に、各条件について一定溶着深さまで溶融するのに
要する溶着時間を求める。次に上記A,B,nを仮定して
(4)(5)に述べる温度分布と溶出の解析を各溶着条
件に対して行い、溶着時間が実測と一致するよう最小自
乗法等のフィッティングを行うことによりA,B,nを決定
することができる。
【0028】(4)次に有限要素法、差分法、境界要素
法などの数値解析手法を用い、Qiを発熱量とした場合
の微小要素i内部で時間dt(sec)間に変化する温度分布
をコンピュータで解析する。このとき、微小要素i内部
のうち、材料の融点Tm以上に達した部分は溶出するもの
とし、微小要素寸法を小さくし、あるいは削除すること
により微小要素の形状を変化させ、溶出による微小要素
の形状変化に伴い、(2)で求める圧力値Psを時間と
共に変更する。
【0029】(5) (4)の解析と同時に次式に示す
溶着エネルギーEiを各微小要素ごとに算出し、振動溶着
終了まで積算する。
【0030】 Ei=Σ{0.13×Psm1×(0.4X×frc)m2・dt} 式4 式4にて定義される溶着エネルギーEiとは、溶着部分に
付与されるエネルギー[J]に一対一に対応する量(エネ
ルギーそのものであってもよいし、これに比例する量で
あってもよいし、本実施態様例のようにエネルギーに比
例しない関数のようなものであってもよい)であり、後
述する溶着強度に変換するための指標として算出するも
のである。
【0031】ここでfrcは振動数(Hz)である。Ps、X、
dtの単位としては、それぞれ[Mpa]、[mm]、[sec]を用い
る。またm1,m2は実験より定まるパラメータであり、発
明者によればナイロン6ガラス繊維強化樹脂の1例では
m1=0.1、m2=1.6とすることが望ましい。m1,m2の決定方
法としては、例えば図8の802に示す溶着部分の寸法
30mm×10mmの試験片にて溶着実験を行い、例えば
1.5mm程度の溶着深さに対して801の方向への加
圧による圧力Pを、例えば5MPa、10MPa、15
MPaに変更し、さらに振幅Xを3点以上の点、例えば
1mm、1.2mm、1.5mmに変更した際の溶着時
間tを求め、Xを一定としてln(P)に対するln(1/t)の
傾きよりm1を、Pを一定としてln(X)に対するln(1/t)
の傾きよりm2を定める。
【0032】(6)すべての溶着部分微小要素について
溶出により微小要素寸法が減少した長さを溶着深さDi(m
m)として算出し、その平均値あるいは最小値が設定値D
*に達した時点をもって振動溶着が終了したものとし、
解析を終了する。
【0033】ステップ6では式5を用いて溶着エネルギ
ーEiを溶着強度Sw(Mpa)に変換し、溶着部分の各微小
要素iにおける溶着強度を求める。
【0034】Sw = α×Ei2+β×Ei+γ 式5 α、β、γは実験より求めたパラメータであり、使用す
る樹脂材料により変化する。α、β、γは例えば図8に
示す802の溶着部分寸法30mm×10mmの試験片の
振動溶着実験を、801の方向への加圧による加圧力
を、3点以上の点、例えば5MPa、10MPa、15
MPaに変更し、さらに振幅を、3点以上の点、例えば
1mm、1.2mm、1.5mmに変更して行い、式4
で求めた溶着エネルギーと測定された強度との相関曲線
を求めることにより決定される。例えばナイロン6ガラ
ス繊維強化樹脂材料の場合、A=-5×10-5〜-1×10-4、B=
0.07〜0.09、C=20〜25程度となる。
【0035】ステップ7ではステップ6で求めた溶着強
度とステップ4で求めた発生応力より各微小要素におけ
る安全度を求める。安全度としては、例えば溶着強度を
発生応力にて除すことにより得られる強度安全率を用い
ることができる。あるいは安全度として、溶着強度と発
生応力より定まる別の指標を用いることも可能である。
ここでは強度安全率が例えば2.0などの規定値以下の
場合、溶着条件変更で対応する場合はステップ5、設計
変更で対応する場合はステップ1へ戻り、以降のステッ
プを繰り返して安全度が既定値以上となる条件を探索す
る。
【0036】
【実施例】次に本発明の実施態様例を説明する。
【0037】屈曲したナイロン6ガラス繊維強化樹脂製
の中空製品について、有限要素法のプリプロセッサを用
いて4角形の微小要素に分割した解析モデルを図9に示
す。プリプロセッサを用いることにより、パイプ型の製
品形状を入力し、該製品形状より各微小要素の頂点座標
値および各微小要素を構成する頂点番号よりなる要素形
状データが生成された。(ステップ1) 次に射出成形CAEソフトウェアに対して上記要素形状
データを溶着前の上下2パーツに分割してそれぞれを入
力した。さらに射出成形条件と使用する樹脂の物性値を
入力することにより、図10に示すように射出成形した
上下パーツのそり変形状態を求めた。(ステップ2)な
お図10ではそり変形量を計算値の10倍に拡大して表
示してある。
【0038】次に上記そり変形後の上下パーツについ
て、対応する溶着部分の微小要素頂点間に上下パーツの
10倍以上の高剛性を有する棒要素を定義し、該棒要素
が長さ0に収縮した際に上下パーツの微小要素に発生す
る応力を有限要素法による構造解析により求めた。図1
1に溶着部分の微小要素に発生する応力分布を示す。こ
の応力値はそり変形した上下パーツを強制的に接合した
際に発生する応力値を示す。(ステップ3) 次に上記強制接合した上下パーツに対し、使用時に想定
される荷重として内圧10kg/cm2を負荷した際の変形と
発生応力を有限要素法にて解析した。図12は荷重負荷
時の溶着部分への発生応力を1202に、ステップ4で
求めた強制接合時の発生応力を1203に表示してい
る。このとき、振動溶着部分の各微小要素に発生する応
力値σiを記憶装置に保存した。(ステップ4) 次に図13に示すように溶着部分のみを微小要素に分割
し、振動溶着時の加圧荷重100kg、振幅1.5mm、溶
着深さ1.5mmと設定した後、式4の溶着エネルギー算
出方法に基づいて、パラメータm1=0.1,m2=
1.6として各微小要素に発生する溶着エネルギーEiを
求めた。(ステップ5) 次に式5を用いて溶着エネルギーEiを溶着強度Swに変換
した。このとき、パラメータ値はA=-7×10-5、B=
0.08、C=22とした。図14は5点における溶着
強度を示している。(ステップ6) 次に前記溶着強度Swを荷重負荷時の発生応力σiで除
し、各微小要素の強度安全率Aiを図15のように算出し
た。該製品の場合、設計仕様において強度安全率1.5
以上が必要とされていたが、C部の強度安全率が1.5
以下となることが判明した。そこで振動溶着時の加圧荷
重を80kgに変更して再度ステップ5以降を行った結
果、図16のようにすべての振動溶着部分で強度安全率
が1.5以上となり、設計仕様を満足することが判明し
た。本実施例では振動溶着時の加圧荷重を変更して安全
率の改善を図ったが、その他の振動溶着条件を変更する
ことや、さらに例えば振動溶着部分の形状を変更し振動
溶着時の加圧方向に対する溶着部分の投影面積を大きく
することや、使用する樹脂材料を変更する等の修正方法
も考えられる。(ステップ7)
【0039】
【発明の効果】本発明による接合強度の解析方法および
解析装置によれば、製品形状や樹脂、成形加工条件など
個々の製品に応じた振動溶着強度の予測および強度改善
の検討をコンピュータ上で効率的に行うことが可能とな
り、個々の振動溶着製品等の接合品に対して最適な形状
や樹脂、成形加工条件を設定することにより製品開発期
間短縮、コスト低減、溶着強度の向上を実現することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施態様例の構成を示すブロック図で
ある。
【図2】本発明の実施態様例の接合強度の解析方法を示
すフローチャートである。
【図3】中空成形品を4角形微小要素に分割した例を示
す図である。
【図4】図3に示す中空成形品の微小要素分割モデルを
上下パーツに分割表示した図である。
【図5】図4に示す上下パーツのそり変形形状に対し、
対応する溶着部分の一部を、棒要素で結合した状態を示
す図である。
【図6】図3に示す中空成形品の溶着部分のみを微小要
素に分割した状態を示す図である。
【図7】溶着部分にかかる圧力の方向と溶着面の角度の
定義を示す図である。
【図8】溶着実験に用いる試験片形状の一例を示す図で
ある。
【図9】中空成形品を4角形微小要素に分割した例を示
す図である。
【図10】図9に示す中空成形品の上下パーツを射出成
形した際に発生したそり変形を解析した結果を示す図で
ある。
【図11】図10に示すそり変形形状を強制的に接合し
た際に発生する応力値を示す図である。
【図12】図10に示すそり変形形状を強制的に接合し
た後、内圧を負荷した際に発生する応力値を示す図であ
る。
【図13】図9に示す中空成形品の溶着部分のみを微小
要素に分割した状態を示す図である。
【図14】図13に示す溶着部分の溶着強度を解析した
結果を示す図である。
【図15】図12に示す発生応力と図14に示す強度よ
り安全率を求めた結果を示す図である。
【図16】図9に示す中空成形品の溶着条件を修正し、
溶着部分強度の安全率を求めた結果を示す図である。
【符号の説明】
101・・・条件入力装置 102・・・微小要素分割装置 103・・・データ保存装置1 104・・・そり変形解析装置 105・・・残留応力解析装置 106・・・負荷応力解析装置 107・・・溶着強度解析装置 108・・・データ保存装置2 109・・・安全率解析装置 110・・・データ保存装置3 111・・・出力装置 301・・・微小要素 302・・・溶着部分 401・・・上パーツ 402・・・下パーツ 403・・・溶着部分 501・・・上パーツ 502・・・下パーツ 503・・・棒要素 601・・・微小要素 701・・・加圧方向 702・・・溶着面 703・・・加圧方向と溶着面のなす角度 801・・・加圧方向 802・・・溶着面 901・・・微小要素 902・・・溶着部分 1001・・・上パーツ 1002・・・下パーツ 1201・・・応力出力位置 1202・・・内圧負荷による発生応力 1203・・・強制接合による発生応力 1301・・・微小要素 1501・・・設計仕様の安全率下限 1601・・・設計仕様の安全率下限

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の部材が溶着により接合されてなる接
    合品の強度解析方法であって、前記複数の部材の接合部
    位の少なくとも一部に印加される溶着エネルギーを計算
    によりもとめ、得られた溶着エネルギーを前記接合部位
    の接合強度に変換し、前記接合品の強度を求めることを
    特徴とする接合品強度の解析方法。
  2. 【請求項2】複数の部材が溶着により接合されてなる接
    合品の強度解析方法であって、前記複数の部材の接合部
    位の少なくとも一部の接合強度を求め、前記接合品の負
    荷時における発生応力を計算により求め、得られた前記
    接合部位の接合強度と負荷応力とに基づいて前記接合部
    位の強度安全度を求めることを特徴とする接合品強度の
    解析方法。
  3. 【請求項3】複数の部材が溶着により接合されてなる接
    合品の強度解析方法であって、前記接合部位の少なくと
    も一部の接合強度を求め、前記複数の部材の成形時のそ
    り変形形状を計算により求め、前記そり変形を受けた前
    記複数の部材を強制的に接合した際の残留応力を計算に
    より求め、前記接合品の負荷時における発生応力を計算
    により求め、得られた前記接合部位の接合強度と残留応
    力と負荷応力とに基づいて前記接合部位の強度安全度を
    求めることを特徴とする接合品強度の解析方法。
  4. 【請求項4】複数の部材が溶着により接合されてなる接
    合品の強度解析装置であって、前記複数の部材の接合部
    位の少なくとも一部に印加される溶着エネルギーを計算
    により求める手段と、得られた溶着エネルギーを前記接
    合部位の接合強度に変換し、前記接合品の強度を求める
    手段を有することを特徴とする接合品強度の解析装置。
  5. 【請求項5】複数の部材が溶着により接合されてなる接
    合品の強度解析装置であって、前記複数の部材の接合部
    位の少なくとも一部の接合強度を求める手段と、前記接
    合品の負荷時における発生応力を計算により求める手段
    と、得られた前記接合部位の接合強度と負荷応力とに基
    づいて前記接合部位の強度安全度を求める手段を有する
    ことを特徴とする接合品強度の解析装置。
  6. 【請求項6】複数の部材が溶着により接合されてなる接
    合品の強度解析装置であって、前記接合部位の少なくと
    も一部の接合強度を求める手段と、前記複数の部材の成
    形時のそり変形形状を計算により求める手段と、前記そ
    り変形を受けた前記複数の部材を強制的に接合した際の
    残留応力を計算により求める手段と、前記接合品の負荷
    時における発生応力を計算により求める手段と、得られ
    た前記接合部位の接合強度と残留応力と負荷応力とに基
    づいて前記接合部位の強度安全度を求める手段を有する
    ことを特徴とする接合品強度の解析装置。
  7. 【請求項7】溶着エネルギーの計算に、多数の微小要素
    を含むモデルを用いることを特徴とする請求項1に記載
    の接合品強度の解析方法。
  8. 【請求項8】溶着が振動時摩擦熱によるものであること
    を特徴とする請求項1に記載の接合品強度の解析方法。
  9. 【請求項9】溶着エネルギーの接合強度への変換に際し
    てこう正曲線を用いることを特徴とする請求項1に記載
    の接合品強度の解析方法。
  10. 【請求項10】こう正曲線として、溶着エネルギーを変
    数とする2次曲線を用いることを特徴とする請求項9に
    記載の接合品強度の解析方法。
  11. 【請求項11】請求項1または2または3の解析方法に
    より接合品強度または強度安全度を予測し、強度仕様を
    満足する接合条件を決定し、該条件にもとづいて接合加
    工を行うことを特徴とする、接合品の製造方法。
  12. 【請求項12】請求項1または2または3のいずれかの
    接合強度の解析方法の各手順をコンピュータを用いて実
    施できるようにコンピュータを動作させるソフトウェア
    を記憶した記憶媒体。
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