JPH11304027A - 圧力制御弁のシール構造 - Google Patents

圧力制御弁のシール構造

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JPH11304027A
JPH11304027A JP10110649A JP11064998A JPH11304027A JP H11304027 A JPH11304027 A JP H11304027A JP 10110649 A JP10110649 A JP 10110649A JP 11064998 A JP11064998 A JP 11064998A JP H11304027 A JPH11304027 A JP H11304027A
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chamber
control valve
pressure control
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篤 久保田
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浩一 島田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造上の面倒を生ずる事なく、圧力制御弁の
作動の際のヒステリシスを小さくすると共に、第二の貫
通孔64とプッシュロッド69の大径部73との間のシ
ール性を、長期間に亙り十分に確保する。 【解決手段】 弾性材製の板材を円輪状に形成し、自由
状態での内径を上記大径部73の外径よりも小さくした
シール部材81を設ける。上記第二の貫通孔64の開口
周縁部には、凹部80を全周に亙り形成する。上記シー
ル部材81の外周縁部を、上記凹部80の周辺部である
中間部材59の端面に全周に亙り密に固定すると共に、
上記シール部材81の内径寄り部分を、上記大径部73
の外周面に、自身の弾力と上記シール部材81の両面に
加わる圧力差とにより、全周に亙り密に抑え付ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明に係る圧力制御弁の
シール構造は、例えば自動車室内の冷房や除湿を行なう
為の自動車用空気調和装置を構成する可変容量型コンプ
レッサに組み込んで、この可変容量型コンプレッサの容
量を変える為の圧力制御弁に組み込むシール構造に関す
る。
【0002】
【従来の技術】自動車用空気調和装置に組み込まれる蒸
気圧縮式冷凍機は、図4に略示する様に構成される。コ
ンプレッサ1は、吸入ポートから吸引した冷媒蒸気を圧
縮してから吐出ポートより吐出する。このコンプレッサ
1から吐出された冷媒は、コンデンサ2を通過する間に
空気との間で熱交換を行なう事により放熱して凝縮す
る。このコンデンサ2から吐出された液状の冷媒は、リ
キッドタンク3を通過し、膨張弁4で減圧されてからエ
バポレータ5内に送り込まれ、このエバポレータ5内で
蒸発する。内部で冷媒が蒸発する事により、このエバポ
レータ5の温度が低下する為、このエバポレータ5を通
過する空気を冷却し、自動車室内の冷房や除湿を行なえ
る。エバポレータ5内で蒸発した冷媒は、再び上記吸入
ポートからコンプレッサ1内に吸入される。
【0003】この様な自動車用空気調和装置に組み込ま
れる蒸気圧縮式冷凍機を構成するコンプレッサ1は、自
動車の走行用エンジンにより、ベルト及びプーリを介し
て駆動される。従って、自動車用空気調和装置の使用時
には、上記走行用エンジンの動力がコンプレッサ1の駆
動に消費され、場合によっては動力性能が不足したり動
力性能が不安定になる事がある。即ち、上記プーリに付
設され、冷房負荷に応じてON、OFFされる電磁クラ
ッチの作動により、上記走行用エンジンの動力のうちで
実際に走行に供される分が大きく変動すると、上述の様
な不都合を生じる。この様な不都合を解消若しくは低減
する為、上記コンプレッサ1として冷媒の吐出量を変化
させる、所謂可変容量型のものを使用する事が、近年多
く行なわれる様になっている。
【0004】可変容量型コンプレッサは従来から、特開
平8−312528号公報等の刊行物に記載されてい
る。又、この様な可変容量型コンプレッサには、この可
変容量型コンプレッサの容量を変えるべく、種々の圧力
制御弁が使用されている。図5〜6は、このうちの特開
平8−312528号公報に記載された可変容量型コン
プレッサに使用される圧力制御弁の1例を示している。
【0005】コンプレッサ1を構成するケーシング6
は、中央のケーシング本体7をヘッドケース8と端板9
とで軸方向(図5の左右方向)両側から挟持し、更に複
数本の結合ボルト(図示せず)により結合して成る。こ
のうちのヘッドケース8の内側には、吸入室10と吐出
室11とを設けている。尚、吐出室11内は勿論、吸入
室10内の圧力も正圧である。又、上記ケーシング本体
7とヘッドケース8との間には平板状の隔壁板15を挟
持している。又、吸入室10は、上記ヘッドケース8の
外面に設けられた吸入ポート12aに通じている。又、
上記吐出室11は、やはり上記ヘッドケース8に設けら
れた吐出ポート12bに通じている。そして、上記吸入
ポート12aを前記エバポレータ5(図4)の出口に、
上記吐出ポート12bを前記コンデンサ2(図4)の入
口に、それぞれ通じさせている。
【0006】上記ケーシング6内には駆動軸13を、上
記ケーシング本体7と端板9とに掛け渡す状態で、1対
のラジアルニードル軸受22a、22bにより、回転の
み自在に支持すると共に、1対のスラストころ軸受23
a、23bにより、この駆動軸13に加わるスラスト荷
重を支承自在としている。又、上記ケーシング6の内側
で上記駆動軸13の周囲部分には、複数(例えば円周方
向等間隔に5〜6個、図面には1個のみ記載)のシリン
ダ14を形成している。この様にケーシング本体7に形
成した、複数のシリンダ14の内側には、それぞれピス
トン16を、軸方向に亙る変位自在に嵌装している。
【0007】又、上記ケーシング本体7の一部内側で、
上記複数のシリンダ14を形成した部分と前記端板9と
の間は、斜板室17としている。そして、上記駆動軸1
3の中間部でこの斜板室17に位置する部分に、上記駆
動軸13に対する摺動を自在としたスリーブ18と、上
記駆動軸13に外嵌固定した支持ブラケット19とを、
上記シリンダ14を設けた側から順に設けている。又、
上記スリーブ18には、このスリーブ18に対する揺動
自在に支持筒20を枢支すると共に、この支持筒20に
斜板21を外嵌固定している。そして、上記斜板21の
内径寄り部分と上記支持ブラケット19の外径寄り部分
とを、リンク腕24により連結している。このリンク腕
24は、1対の枢支軸25、25により、上記支持ブラ
ケット19と斜板21とのそれぞれに対する揺動を自在
に支持している。尚、上記スリーブ18の一端面(図5
の左端面)と上記支持ブラケット19の基端部片側面
(図5の右端面)との間には圧縮ばね26を設けて、上
記スリーブ18に上記シリンダ14に近づく方向の弾力
を付与している。
【0008】上述の様にして駆動軸13の周囲に支持さ
れた斜板21の円周方向複数個所と上記各ピストン16
とは、それぞれ1対ずつのスライディングシュー27、
27により連結している。これら各スライディングシュ
ー27、27の内側面(互いに対向する面)は平坦面と
して、上記斜板21の両側面外径寄り部分に摺接させて
いる。又、上記各スライディングシュー27、27の外
側面(相手スライディングシュー27と反対側面)は球
状凸面とし、上記内側面を上記斜板21の両側面に当接
させた状態で、これら両スライディングシュー27、2
7の外側面を単一球面上に位置させている。そして、上
記各ピストン16の後端部(図5の左端部)に設けた1
対の球状凹面28、28に、上記両スライディングシュ
ー27、27の外側面を密に摺接させている。従って、
前記ケーシング本体7の内周面一部に設けたガイド部2
9により、軸方向周りの回転を阻止された各ピストン1
6は、上記駆動軸13の回転に伴う上記斜板21の揺動
変位に伴って、上記各ピストン16を押し引きし、これ
ら各ピストン16を上記シリンダ14内で軸方向に往復
移動させる。
【0009】一方、前記ケーシング本体7とヘッドケー
ス8との突き合わせ部に挟持している隔壁板15には、
前記吸入室10と上記シリンダ14とを連通させる吸入
口30と、上記吐出室11と上記シリンダ14とを連通
させる吐出口31とを設けている。そして、このうちの
吸入口30部分に上記吸入室10から上記各シリンダ1
4に向けてのみ冷媒蒸気を流す吸入弁32を設けると共
に、上記吐出口30部分には、上記各シリンダ14から
上記吐出室11に向けてのみ冷媒蒸気を流す吐出弁33
を設けている。
【0010】上述の様に構成するコンプレッサ1には、
このコンプレッサ1の容量を冷房負荷に応じて変えるべ
く、上記吸入室10内の圧力に応じて上記吐出室11と
上記斜坂室17との連通状態を制御する圧力制御弁34
を、前記ヘッドケース8内に設けている。この圧力制御
弁34は、図6に詳示する様に、ダイヤフラム式のアク
チュエータ35と、このアクチュエータ35により開閉
される開閉弁36とを備える。このうちのアクチュエー
タ35を構成するケース37の内部は、ダイヤフラム3
8により大気圧室39と圧力導入室40とに分割してい
る。そして、この圧力導入室40と上記吸入室10の一
部10aとを連通させて、この圧力導入室40内の圧力
を上記吸入室10内の圧力と等しくしている。又、上記
ダイヤフラム38の中央部には、変位部材であるプッシ
ュプレート41を設けると共に、上記大気圧室39内に
設けた圧縮ばね42によってこのプッシュプレート41
を、上記圧力導入室40に向け弾性的に押圧している。
従ってこのプッシュプレート41は、上記吸入室10内
の圧力が高い場合には、上記圧縮ばね42の弾力に抗し
て上記大気圧室39側に変位し、反対に上記吸入室10
内の圧力が低い場合には、上記圧縮ばね42の弾力に基
づいて上記圧力導入室40側に変位する。又、上記プッ
シュプレート41の中央部には、上記プッシュロッド4
7の基端部(図5、6の下端部)を突き当てている。こ
のプッシュロッド47は、中間部材49の軸方向両側面
同士を貫通する貫通孔48内に、軸方向に亙る変位を自
在として挿通している。この貫通孔48の一端側(図
5、6の上端側)開口周縁部には、次述する弁座43を
設けている。又、上記貫通孔48の中間部は、前記斜板
室17に通じる連通路46に通じさせている。又、斜板
室17と吸入室10の一部10aとの間には、オリフィ
スにより調整された径を有する連通路58を設けてお
り、この連通路58により上記斜板室17内の圧力を上
記吸入室10内へ逃がす様にしている。
【0011】一方、上記開閉弁36は、上記貫通孔48
の一端側開口周縁部に設けた弁座43と、この弁座43
に対向する弁体である、ボール44と、このボール44
を上記弁座43に向けて弾性的に押圧する弾性部材であ
る、圧縮ばね45とを備える。この圧縮ばね45の弾力
は、上記大気圧室39内に設けた圧縮ばね42の弾力に
比べれば遥かに弱い。そしてこの開閉弁36は、上記ボ
ール44が弁座43から離隔した状態では、コンデンサ
2(図4)の入口に通じる吐出室11と、連通路46と
を連通させ、上記ボール44が弁座43に当接した状態
では、これら吐出室11と連通路46との連通を断つ。
又、上記アクチュエータ35を構成するプッシュロッド
47の中間部外周面と、上記貫通孔48の一部で、上記
連通路46と通じさせた部分よりも上記プッシュプレー
ト41側の部分の内周面との間は、図示しないシール構
造によりシールしている。
【0012】上述の様な開閉弁36を前述の様なアクチ
ュエータ35により開閉すべく、上記プッシュロッド4
7の先端面(図5、6の上端面)は、上記ボール44に
対向させている。このプッシュロッド47は、前記吸入
室10に通じる圧力導入室40内の圧力が高く、上記プ
ッシュプレート41が上記大気圧室39側に変位し切っ
た状態では、上記ボール44を押さず、このボール44
は、吐出冷媒圧力と圧縮ばね45の弾力とに基づいて、
上記弁座43に当接した状態となる。これに対して、上
記吸入室10内の圧力が低い場合には、上記プッシュロ
ッド47は、圧縮ばね42の弾力に基づくプッシュプレ
ート41の変位により上記ボール44を押して、このボ
ール44を弁座43から離隔させる。
【0013】上述の様に構成する圧力制御弁及びこの圧
力制御弁を使用する可変容量型コンプレッサは、次の様
に作用する。即ち、自動車室内の冷房或は除湿を行なう
為、蒸気圧縮式冷凍機を運転する場合には、図示しない
電磁クラッチ等を介してエンジンの駆動力を伝達して、
前記駆動軸13を回転駆動する。この結果、前記斜板2
1が回転して、前記複数のピストン16をそれぞれシリ
ンダ14内で往復移動させる。そして、この様なピスト
ン16の往復移動に伴って、前記吸入ポート12aに通
じる吸入室10内の冷媒蒸気が、前記吸入口30を通じ
てシリンダ14内に吸い込まれる。この冷媒蒸気は、次
いでこのシリンダ14内で圧縮されてから、前記吐出口
31を通じて前記吐出室11に送り出される。
【0014】ところで、この斜板室17の圧力は、上記
複数のピストン16の後背面(図5の左面)に加わる。
これに対してこれら各ピストン16の前面(図5の右
面)には、前記シリンダ14の圧縮空間(ピストン16
の前面と前記隔壁板15との間の空間)内の圧力が加わ
る。従って、これら各ピストン16は、上記斜板室17
内の圧力と圧縮空間内の圧力との差に応じた力で、圧力
が低い側に押される傾向となる。そして、各ピストン1
6に加わるこれらの力の合計が、上記斜板21の傾斜角
度を変化させる方向に加わる。勿論、上記圧縮空間内の
圧力はピストン16の行程により変化するが、ピストン
16の往復は高速で行なわれるので、上記圧縮空間内の
圧力は全行程の平均値として考える事ができる。
【0015】エバポレータ5(図4)の冷房負荷が大き
く、コンプレッサ1で多量の冷媒蒸気を圧縮する必要が
ある場合には、上記エバポレータ5で蒸発し上記吸入室
10に送り込まれる冷媒の圧力が高くなる為、この吸入
室10と通じる前記圧力導入室40内の圧力も高くな
る。この状態では、前記プッシュロッド47の先端が前
記ボール44を押さない。この結果、上記斜板室17に
高圧室11内の冷媒蒸気が送り込まれなくなると共に、
前記連通路58を通じて斜板室17内の冷媒蒸気が上記
吸入室10内へ逃げる為、上記斜板室17内の圧力が低
くなる。この状態では、この斜板室17内の圧力が上記
圧縮空間内の圧力に比べて十分に低くなり、上記各ピス
トン16を上記斜板21に向け、図5で左方に押圧する
力が強くなる。一方、前述の様にこの斜板21と前記支
持ブラケット19とを連結する為のリンク腕24は、前
記駆動軸13の中心から直径方向外方にずれた位置に設
けられている。この為、上記各ピストン16が上記斜板
27を押圧するモーメントは、各ピストン16毎に異な
り、上記リンク腕24に近いピストン16では小さく、
同じく遠いピストン16では大きくなる。従って、上記
斜板室17内の圧力が低い状態では、上記斜板21が図
5に示す様に、上記リンク腕24から遠い側がシリンダ
14から離れる方向に大きく傾斜する(駆動軸13の直
交面に対する上記斜板21の傾斜角度θが大きくな
る)。この結果、この斜板27の回転に伴う上記各ピス
トン16のストロークが大きくなり、上記コンプレッサ
1の容量が増大する。
【0016】反対に、前記エバポレータ5の冷房負荷が
小さく、上記コンプレッサ1で多量の冷媒蒸気を圧縮す
る必要がない場合には、上記エバポレータ5で蒸発し上
記吸入室10に送り込まれる冷媒の圧力が低くなる為、
この吸入室10と通じる圧力導入室40内の圧力も低く
なる。この状態では、上記プッシュロッド47の先端が
ボール44を押す。この結果、前記斜板室17に吐出室
11内の冷媒蒸気が送り込まれる冷媒蒸気の量が、前記
連通路58を通じて斜板室17内から上記吸入室10内
へ逃げる冷媒蒸気の量よりも多くなり、上記斜板室17
内の圧力が高くなる。そして、前記斜板21の傾斜角度
θが小さくなり、ピストン16のストロークが短くなっ
て、コンプレッサ1の容量が減少する。
【0017】上述の様に構成し作用する可変容量型コン
プレッサに使用する圧力制御弁としては、上述した様な
低圧室内の圧力に応じて斜坂室内の圧力を制御するもの
だけでなく、電気的にこの斜板室内の圧力を制御する事
によりコンプレッサの容量を変える電磁式の圧力制御弁
も、従来から知られている。この様な電磁式の圧力制御
弁の場合、アクチュエータは、プッシュロッドの基端部
を鉄芯に突き当てると共に、この鉄芯の周囲にコイルを
配置して成る。そして、このコイルへの通電又はその停
止に基づき、上記プッシュロッドを軸方向に亙り変位さ
せる事により、開閉弁を開閉させる。この様な電磁式の
圧力制御弁によれば、自動車の急加速時、登坂時等、冷
房負荷に拘らずコンプレッサの容量を減少させ、このコ
ンプレッサを駆動するエンジンの負担を軽減する事がで
きる。
【0018】又、この様な電磁式の圧力制御弁として
は、上記プッシュロッドを変位させるのに要する電磁力
を軽減して、効率を向上させた電磁式圧力制御弁の構造
も知られている。この様な効率を向上させた電磁式圧力
制御弁の場合、開閉弁を構成する弁体の存在する空間
と、鉄芯の存在する空間とを互いに連通させる。そし
て、この鉄芯の端面に、上記弁体の存在する空間内の圧
力を導入する。従って、上記プッシュロッドが上記弁体
を押す事に対する抵抗には、上記弁体の存在する空間内
の圧力が加わらず、その分、上記プッシュロッドを変位
させるのに要する電磁力を軽減して、電磁式圧力制御弁
の効率を向上させる事ができる。この様な効率を向上さ
せた電磁式圧力制御弁の構造の場合には、上記プッシュ
ロッドの中間部外周面と、このプッシュロッドを挿通す
る貫通孔の一部内周面との間をシールする必要がある。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来の圧力制
御弁のうち、効率を向上させた構造の場合、開閉弁を開
閉させる為のプッシュロッドの中間部外周面と、このプ
ッシュロッドを挿通する貫通孔の一部内周面との間に、
シール構造を設ける必要がある。この様なシール構造と
して、従来は、上記プッシュロッドの中間部外周面と上
記貫通孔の一部内周面との間にOリングを設けたり、又
は、これら両周面同士の間に存在する隙間の大きさを極
小にする事により、これら両周面同士の間をシールして
いた。但し、上記Oリングによるシール構造では、この
Oリングの一部が、上記プッシュロッド又は上記貫通孔
の一部に対して摺動する。この為、上記プッシュロッド
が軸方向に亙り変位する際に摺動抵抗を生じて、圧力制
御弁の作動の際のヒステリシスが大きくなる。又、圧力
制御弁の長期間に亙る使用により、上記Oリングの一部
が摩耗して、上記両周面同士の間のシール性を長期間に
亙り十分に確保する事ができない可能性がある。一方、
これら両周面同士の隙間の大きさを極小にする事による
シール構造では、この隙間の大きさを極小にする為に、
この隙間の大きさを管理する必要があり、製造上面倒で
ある。又、上記プッシュロッドの摺動に伴って上記隙間
が大きくなり、やはり上記両周面同士の間のシール性を
長期間に亙り十分に確保する事ができない可能性があ
る。本発明の圧力制御弁のシール構造は、上述の様な不
都合を何れも解消すべく考えたものである。
【0020】
【課題を解決する為の手段】本発明の圧力制御弁のシー
ル構造は、ケーシング内に設けられた中間部材を介し
て、この中間部材の軸方向両側にそれぞれ設けられた弁
体室と、シール室と、上記中間部材の軸方向両端面同士
を連通した貫通孔内に挿通されて、軸方向に亙る変位を
自在としたプッシュロッドと、このプッシュロッドをア
クチュエータにより軸方向に亙り変位させる事により、
上記弁体室に設けられた弁体を変位させて開閉する開閉
弁とを備えた圧力制御弁に関する。本発明のシール構造
は、この様な圧力制御弁を構成する上記貫通孔の上記シ
ール室側端部内周面と上記プッシュロッドの中間部外周
面との間をシールする。
【0021】特に、本発明の請求項1に記載した圧力制
御弁のシール構造に於いては、ゴム、ビニル等のエラト
マーの如き弾性材製の板材を円輪状に形成し、自由状態
での内径を上記プッシュロッドの中間部の外径よりも小
さくしたシール部材を備える。そして、このシール部材
の外径寄り部分を、上記中間部材の上記シール室側端部
に全周に亙り密に固定すると共に、上記シール部材の片
面で内径寄り部分を、上記プッシュロッドの中間部外周
面に、全周に亙り密に抑え付けている。
【0022】更に、本発明の請求項2に記載した圧力制
御弁のシール構造に於いては、上記シール部材の片面で
内径寄り部分を上記プッシュロッドの中間部外周面に、
自身の弾力と共にこのシール部材の両側面に加わる圧力
差により、全周に亙り密に抑え付けている。
【0023】
【作用】上述の様に構成する本発明の圧力制御弁のシー
ル構造によれば、弾性材製の板材を円輪状に形成したシ
ール部材の一部が弾性変形する事により、プッシュロッ
ドの軸方向に亙る変位に拘らず、このシール部材の内径
寄り部分をこのプッシュロッドの中間部外周面に対し摺
動させる事なく、このプッシュロッドの中間部外周面
と、このプッシュロッドを挿通する貫通孔のシール室側
端部内周面との間をシールする。従って、上記プッシュ
ロッドの中間部外周面と貫通孔の一部内周面との間の隙
間を極小にする為に、この隙間の大きさを管理する必要
がなくなり、製造上の面倒を生じなくて済む。更に、上
記シール部材の内径寄り部分が上記プッシュロッドの中
間部外周面に対して摺動する事がない為、このプッシュ
ロッドが軸方向に亙り変位する際に生じる摺動抵抗をな
くして、圧力制御弁の作動の際のヒステリシスを小さく
する事ができる。更に、上記シール部材が上記プッシュ
ロッドに対して摺動する事がない為、上記シール部材の
一部が摩耗する事を防止して、上記両周面同士の間のシ
ール性を長期間に亙り十分に確保する事ができる。
【0024】更に、請求項2に記載した圧力制御弁のシ
ール構造によれば、上記シール部材の片面で内径寄り部
分を、自身の弾力と共にこのシール部材の両側面に加わ
る圧力差により、上記プッシュロッドの中間部外周面に
全周に亙り密に抑え付ける為、上記摺動抵抗をより確実
に抑えると共に、上記両周面同士の間のシール性をより
確実に確保する事ができる。
【0025】
【発明の実施の形態】図1〜3は、本発明の実施の形態
の1例を示している。本例は、前述した従来構造の第2
例と同様の、効率を向上させた電磁式圧力制御弁の構造
に就いて、本発明を適用した例を示すものである。圧力
制御弁以外のコンプレッサ部分の構成及び作用に就いて
は、前述の図5〜6に示した従来構造の第1例の場合と
同様である為、重複する図示並びに説明を省略若しくは
簡略にする。尚、図1〜3に於て示す各構成部材の配置
状態は、前述した図5〜6の場合とは、その左右が逆に
なる。但し、これは説明の便宜上のものに過ぎず、実際
に使用する状態での左右とは無関係である。
【0026】電磁式圧力制御弁である圧力制御弁34a
は、可変容量型のコンプレッサ1(図5参照)を構成す
るヘッドケース8内に設けている。この圧力制御弁34
aは、上記ヘッドケース8の内側に固定するケーシング
50と、電磁式のアクチュエータ35aと、このアクチ
ュエータ35aにより開閉される開閉弁36aとを備え
る。このうちのケーシング50は、管状のケーシング本
体51の軸方向(図1〜3の上下方向)両端部に、1対
の蓋体52a、52bを被着して成る。そして、上記ケ
ーシング本体51を、上記ヘッドケース8の内側に固定
している。又、このケーシング本体51の中間部外周面
で軸方向に亙り互いに離隔した2箇所位置には、それぞ
れ凹溝54a、54bを全周に亙り形成しており、これ
ら各凹溝54a、54b内にOリング53a、53bを
装着している。そして、上記ケーシング本体51を上記
ヘッドケース8の内側に固定した状態で、上記各Oリン
グ53a、53bを、上記各凹溝54a、54bの底面
と上記ヘッドケース8の内周面との間で弾性的に圧縮す
る事により、上記ケーシング50の外周面と上記ヘッド
ケース8の内周面との間をシールしている。
【0027】上記ケーシング50の内部には、内部空間
55と、鉄芯室56とを、軸方向に離隔した状態で形成
すると共に、これら内部空間55と鉄芯室56との間部
分を、軸方向に亙る貫通孔57により、互いに連通させ
ている。又、上記蓋体52a、52bのうちの一方(図
1の上方)の蓋体52aは、全体を網状として上記内部
空間55内を、コンデンサ2(図4)の入口に通じる吐
出室11に通じさせると共に、後述する第二の貫通孔6
4内等に異物が入り込む事を防止している。勿論、上記
一方の蓋体52aを介して、冷媒及び潤滑油は通過自在
である。又、上記内部空間55の内側には、奥側(図1
の下側)から順に、中間部材59と第二の中間部材60
とを、軸方向に離隔した状態で内嵌固定している。これ
により、上記内部空間55の内側には、奥側から順に、
シール室61と、弁体室62と、蓋体室63とが形成さ
れる。これら中間部材59と第二の中間部材60とに
は、それぞれの軸方向両端面同士を貫通させる状態で、
第二の貫通孔64と通孔65とを設けている。このうち
の第二の貫通孔64が、請求項1に記載した貫通孔に相
当する。又、この第二の貫通孔64の中間部は、上記中
間部材59の一部に設けた連通路66及び、上記ケーシ
ング本体51の一部で上記連通路66と整合する部分に
設けた第二の連通路67を介して、斜板室17(図5参
照)に通じさせている。
【0028】又、本例の場合は、上記中間部材59の一
部外周面に凹溝68を、軸方向全長に亙り形成して、上
記シール室61と吐出室11側に通じる弁体室62とを
連通している。この凹溝68により、後述するボール7
5に加わる圧力が上記シール室61内に伝達されると共
に、吐出室11側の冷媒と共に送り込まれる潤滑油が、
後述するプッシュロッド69と貫通孔57との間部分に
送り込まれる事により、これらプッシュロッド69と貫
通孔57との間を潤滑して、このプッシュロッド69の
動きをスムーズにする。尚、図示の例では、上記一方の
蓋体52aの開口端部を、上記ケーシング本体51の一
端部(図1の上端部)に設けた弾性変形部83の外周面
に係止させている。これにより、この弾性変形部83を
直径方向内方に向け僅かに弾性変形させて、内側に内嵌
固定した第二の中間部材60の固定をより確実にする事
ができる。
【0029】又、前記アクチュエータ35aは、上記貫
通孔57及び第二の貫通孔64に挿通し、軸方向に亙る
変位を自在としたプッシュロッド69と、このプッシュ
ロッド69の基端部を突き当てた、変位部材である鉄芯
70と、この鉄芯70の周囲に配置したコイル71とを
備える。即ち、上記プッシュロッド69は、先端側から
順に、小径部72と、大径部73と、中径部74とを、
それぞれ連続する状態で形成している。そして、上記中
径部74を上記貫通孔57内に、上記大径部73を上記
第二の貫通孔64内に、それぞれ若干の隙間を持たせて
た状態で挿通して、上記プッシュロッド69の軸方向に
亙る変位を自在としている。そして、このプッシュロッ
ド69の基端部を、上記鉄芯70の一端面(図1の上端
面)中心部に突き当てている。この鉄芯70は、前記鉄
芯室56内に、軸方向に亙る若干の変位を自在に嵌装し
ている。従って、この鉄芯室56は、上記貫通孔57と
プッシュロッド69との間に存在する微小隙間を介して
上記シール室61と連通している。又、上記プッシュロ
ッド69の先端面は、後述する弁体である、ボール75
に対向させている。又、上記コイル71は、合成樹脂製
の保持環76の外周面に巻回した状態で、上記ケーシン
グ本体51と上記蓋体52a、52bのうちの他方の蓋
体52bとの間に挟持固定する事により、上記鉄芯70
の周囲に配置している。これにより、前記アクチュエー
タ35aは、上記コイル71への通電又はその停止に基
づき、上記鉄芯70及びこの鉄芯70に突き当てたプッ
シュロッド69を軸方向に亙り変位させるソレノイドを
構成する。尚、上記コイル71の導線の端部は、図示し
ない制御器に接続している。
【0030】一方、上記開閉弁36aは、上記プッシュ
ロッド69の先端側に存在する弁体室62内で、上記第
二の貫通孔64の一端開口周縁部に設けた弁座77と、
この弁座77に対向した弁体である、ボール75と、弾
性部材である、圧縮ばね78とを備える。この圧縮ばね
78は、上記ボール75と上記第二の中間部材60との
間に設けており、上記ボール75を上記弁座77に向け
て弾性的に押圧する。従って、この開閉弁36aは、上
記プッシュロッド69の先端が上記ボール75を上記圧
縮ばね78の弾力に抗して変位させた状態では、前記弁
体室62と前記斜板室17に通じる連通路66とを連通
させ、上記プッシュロッド69の先端が上記ボール75
を押さない状態では、このボール75は上記弁座77に
当接し、上記弁体室62と上記連通路66との連通を断
つ。又、上記貫通孔57の一部で、上記連通路66を通
じさせた部分よりも上記シール室61側の部分の内周面
と、上記プッシュロッド69の中間部外周面との間は、
本発明の特徴であるシール構造によりシールしている。
【0031】特に、本発明の圧力制御弁のシール構造の
場合、上記中間部材59の他端面である、シール室61
側端面の外周縁部に軸方向に突出する状態で円筒部79
を形成すると共に、上記中間部材59の他端面で、上記
第二の貫通孔64の他端側開口周縁部に環状の凹部80
を、全周に亙り形成している。そして、この凹部80の
周辺部に、シール部材81を設けている。このシール部
材81は、ゴム、ビニルの如きエラトマー等の弾性材製
の板材を円輪状に形成し、自由状態での内径を、上記プ
ッシュロッド69の中間部の外径よりも小さくしてい
る。そして、このシール部材81の片面で外周縁部を、
上記円筒部79の内側である上記中間部材59の他端面
に全周に亙り密接させた状態で、上記円筒部79の円周
方向複数個所に形成した折り曲げ部82、82を、直径
方向内方に向け折り曲げている。これにより、上記シー
ル部材81の外周縁部が、上記中間部材59の他端面に
全周に亙り密に固定される。又、上記シール部材81の
内径寄り部分を、上記プッシュロッド69の外周面に沿
って上記鉄芯室56側に向け弾性変形させつつ、上記シ
ール部材81の内側に上記プッシュロッド69を挿通す
る。これにより、上記シール部材81の断面形状が略L
字形となり、このシール部材81の内径寄り部分が、上
記プッシュロッド69の中間部に設けた大径部73の外
周面に、自身の弾力により全周に亙り抑え付けられる。
更に、圧力制御弁34aの使用時には、上記シール部材
81の両面に、前記吐出室11内の圧力と、この吐出室
11内の圧力よりも低圧の前記斜板室17内の圧力とが
加わる。従って、上記シール部材81の内径寄り部分
は、上記プッシュロッド69の中間部に設けた大径部7
3の外周面に、自身の弾力と共に、上記両室11、17
の圧力差により、全周に亙り抑え付けられる。
【0032】上述の様な本発明の圧力制御弁のシール構
造を付設した、圧力制御弁34aは、次の様に作用す
る。即ち、冷房負荷が大きく、コンプレッサ1の容量を
増大させる必要のある場合には、前記制御器の指令によ
る上記コイル71への通電停止(或は通電)に基づい
て、上記鉄芯70を図1の下方に変位させる。この状態
では、この鉄芯70にその基端を突き当てたプッシュロ
ッド69の先端が前記ボール75を押さない。従って、
上記斜板室17と高圧室11との連通が断たれる。シー
ル室61内に存在する、吐出室11内と同圧の冷媒は、
上記シール部材81により遮られて、前記連通路66側
に送られる事はない。これにより、上記斜板室17に上
記吐出室11内の高圧の冷媒蒸気が送り込まれず、上記
斜板室17内の圧力が低くなって、前述の図5で示した
従来構造の第1例で述べた様に、コンプレッサ1の容量
が増大する。反対に、上記コンプレッサ1の容量を低下
させる必要のある場合には、上記制御器の指令による上
記コイル71への通電(或は通電停止)に基づいて、上
記鉄芯70を図1の上方に変位させる。この状態では、
上記プッシュロッド69の先端が上記ボール75を押し
て、このボール75を上記弁座77から離隔させる。従
って、上記斜板室17と吐出室11とが連通する。これ
により、上記斜板室17に上記吐出室11内の冷媒蒸気
が送り込まれて、上記斜板室17内の圧力が高くなる。
この状態では、前述した従来構造の第1例で述べた様
に、コンプレッサ1の容量が低下する。
【0033】又、本例の場合、上記ボール75が存在す
る空間である弁体室62と、上記シール部材81の存在
する空間であるシール室61とを連通させている。これ
により、このシール室61内の圧力と上記高圧室11内
の圧力が等しくなる。又、この圧力は、上記貫通孔57
とプッシュロッド69との間に存在する微小隙間を介し
て、上記鉄芯70の他端面(図1の下端面)にまで導入
される。従って、開閉弁36aを開放すべく、上記プッ
シュロッド69が上記ボール75を押す事に対する抵抗
には、上記吐出室11内の圧力が加わらない。即ち、こ
のボール75の両側に直接、又は鉄心70及びプッシュ
ロッド69を介して作用する圧力が互いに相殺し合う
為、上記開閉弁36aを開放すべく、上記ボール75を
変位させる為に要する力は、前記圧縮ばね78の弾力に
打ち勝てるものであれば足りる。従って、本例の圧力制
御弁34aによれば、上記プッシュロッド69を変位さ
せて開閉弁36aを開放するのに要する電磁力を、上記
弁体室62とシール室61とを互いに連通させない構造
に比べて、上記吐出室11内の圧力と斜板室17内の圧
力との差△Pと上記第二の貫通孔64の断面積Aとの積
(△P・A)の分だけ小さくして、電磁式圧力制御弁の
効率を向上させる事ができる。
【0034】特に、本発明の圧力制御弁のシール構造に
よれば、弾性材製の板材を円環状に形成したシール部材
81の外周縁部を、上記中間部材59の他端面である、
シール室61側端面に全周に亙り密に固定し、上記シー
ル部材81の片面で内径寄り部分を、プッシュロッド6
9の中間部外周面に、自身の弾力と上記シール部材81
の両面に加わる圧力差とにより、全周に亙り密に押さえ
付けている。従って、圧力制御弁34aの使用時には、
上記シール部材81の一部が弾性変形する事により、こ
のシール部材81の内径寄り部分が上記プッシュロッド
69の中間部外周面に対し摺動する事なく、このプッシ
ュロッド69の中間部外周面と、このプッシュロッド6
9を挿通する第二の貫通孔64の一部内周面との間をシ
ールする事ができる。即ち、上記プッシュロッド69
が、図1の上方に変位した状態では、図3に示す様に、
上記シール部材81の片面で内径寄り部分を上記大径部
73の外周面に全周に亙り密接させたまま、上記シール
部材81の一部が弾性変形して、上記第二の貫通孔64
の他端部に設けた凹部80内に入り込む。従って、この
シール部材81の内径寄り部分が、上記プッシュロッド
69の大径部73外周面に対して摺動する事はない。こ
の結果、上記プッシュロッド69の中間部外周面と上記
第二の貫通孔64の一部内周面との間の隙間を極小にす
べく、この隙間の大きさを管理する必要がなくなり、製
造上の面倒を生じなくて済む。又、上記シール部材81
の内径寄り部分が上記プッシュロッド69の中間部外周
面に対して摺動する事がない為、このプッシュロッド6
9が軸方向に亙り変位する際に生じる摺動抵抗をなくし
て、圧力制御弁34aの作動の際のヒステリシスを小さ
くする事ができる。更に、上記シール部材81が上記プ
ッシュロッド69に対して摺動する事がない為、上記シ
ール部材81の一部が摩耗する事を防止して、上記両周
面同士の間のシール性を長期間に亙り十分に確保する事
ができる。
【0035】更に、本例の場合、圧力制御弁34aの使
用時に、上記シール部材の両側面に前記吐出室11内の
圧力と、この吐出室11内の圧力よりも低圧の前記斜板
室17内の圧力とが加わる。従って、上記シール部材8
1の内径寄り部分は、上記プッシュロッド69の中間部
に設けた大径部73の外周面に、自身の弾力と共に、上
記両室11、17の圧力差により、全周に亙り抑え付け
られる。従って、上記両周面同士の間のシール性をより
確実に確保する事ができる。
【0036】又、本例の場合には、中間部材59のシー
ル室61側端面の外周縁部に軸方向に突出する状態で円
筒部79を形成すると共に、この円筒部79の円周方向
複数個所に形成した折り曲げ部82、82を、直径方向
内方に向け折り曲げている。そして、これにより上記円
筒部79の内側に設けたシール部材81の外周縁部を、
上記中間部材59の他端面に全周に亙り密に固定してい
る。従って、本例の場合には、シール部材81の固定作
業を容易に行なえる。
【0037】尚、本例の場合には、上記シール部材81
の片面で外径寄り部分を、上記第二の貫通孔64の他端
部に形成した凹部80の周辺部である、中間部材59の
他端面に、全周に亙り密に固定する様にしている。但
し、この様な構造以外にも、例えば、上記凹部80の内
周面に係止溝を全周に亙り形成し、この係止溝に上記シ
ール部材81の外周縁部を係止する事により、この外周
縁部を上記凹部80内に全周に亙り密に固定する事もで
きる。要は、上記中間部材59の他端部で上記第二の貫
通孔64の外周面と連続した部分に、上記シール部材8
1の外径寄り部分を全周に亙り密に固定できれば良い。
【0038】又、上記シール部材81の内径寄り部分
を、上記プッシュロッド69の外周面に沿って折り曲げ
る方向は、本例の場合には前記鉄芯室56側としたが、
圧力制御弁の構造に応じて、この折り曲げる方向を反対
側にしても良い。即ち、上記シール部材81の両面に加
わる圧力のうち高圧側が、本例の場合と反対側になる
(シール部材81に対して連通路66側が高圧側にな
る)様な場合には、上記シール部材81の内径寄り部分
を、本例の場合とは反対側(連通路66側)に折り曲げ
る。但し、凹部80の軸方向寸法を大きくして、シール
部材81の端縁と凹部80の奥端面との干渉防止を図
る。
【0039】又、本発明の圧力制御弁のシール構造は、
プッシュロッドとこのプッシュロッドを挿通する部分と
の間をシールする構造に特徴がある。この為、本発明
は、本例の構造の様に電磁式の圧力制御弁の構造に限定
するものではなく、例えば、前述した従来構造の様にダ
イアフラム式のアクチュエータを利用した圧力制御弁の
構造にも適用可能である。
【0040】
【発明の効果】本発明の圧力制御弁のシール構造は、以
上に述べた通り構成され作用するので、圧力制御弁の作
動の際のヒステリシスを小さくできると共に、シールす
べき部分のシール性を長期間に亙り十分に確保する事が
できる。更に、このシールすべき部分の隙間の大きさを
厳密に管理する必要がなくなり、製造上の面倒を生じず
に安価な圧力制御弁の実現に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1例を示す断面図。
【図2】図1のA部拡大図。
【図3】プッシュロッドを図1の上方に変位させた状態
で示す、図2と同様の図。
【図4】自動車用空気調和装置を構成する蒸気圧縮式冷
凍機の回路図。
【図5】従来の可変容量型コンプレッサを示す断面図。
【図6】図5のB部拡大図。
【符号の説明】
1 コンプレッサ 2 コンデンサ 3 リキッドタンク 4 膨張弁 5 エバポレータ 6 ケーシング 7 ケーシング本体 8 ヘッドケース 9 端板 10 吸入室 10a 一部 11 吐出室 12a 吸入ポート 12b 吐出ポート 13 駆動軸 14 シリンダ 15 隔壁板 16 ピストン 17 斜板室 18 スリーブ 19 支持ブラケット 20 支持筒 21 斜板 22a、22b ラジアルニードル軸受 23a、23b スラストニードル軸受 24 リンク腕 25 枢支軸 26 圧縮ばね 27 スライディングシュー 28 球状凹面 29 ガイド部 30 吸入口 31 吐出口 32 吸入弁 33 吐出弁 34、34a 圧力制御弁 35、35a アクチュエータ 36、36a 開閉弁 37 ケース 38 ダイヤフラム 39 大気圧室 40 圧力導入室 41 プッシュプレート 42 圧縮ばね 43 弁座 44 ボール 45 圧縮ばね 46 連通路 47 プッシュロッド 48 貫通孔 49 中間部材 50 ケーシング 51 ケーシング本体 52a、52b 蓋体 53a、53b Oリング 54a、54b 凹溝 55 内部空間 56 鉄芯室 57 貫通孔 58 連通路 59 中間部材 60 第二の中間部材 61 シール室 62 弁体室 63 蓋体室 64 第二の貫通孔 65 通孔 66 連通路 67 第二の連通路 68 凹溝 69 プッシュロッド 70 鉄芯 71 コイル 72 小径部 73 大径部 74 中径部 75 ボール 76 保持環 77 弁座 78 圧縮ばね 79 円筒部 80 凹部 81 シール部材 82 折り曲げ部 83 弾性変形部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 広田 久寿 東京都八王子市椚田町1211番4号 株式会 社テージーケー内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシング内に設けられた中間部材を介
    して、この中間部材の軸方向両側にそれぞれ設けられた
    弁体室と、シール室と、上記中間部材の軸方向両端面同
    士を連通した貫通孔内に挿通されて、軸方向に亙る変位
    を自在としたプッシュロッドと、このプッシュロッドを
    アクチュエータにより軸方向に亙り変位させる事によ
    り、上記弁体室に設けられた弁体を変位させて開閉する
    開閉弁とを備えた圧力制御弁に関して、上記貫通孔の上
    記シール室側端部内周面と上記プッシュロッドの中間部
    外周面との間をシールする圧力制御弁のシール構造であ
    って、 弾性材製の板材を円輪状に形成し、自由状態での内径を
    上記プッシュロッドの中間部の外径よりも小さくしたシ
    ール部材を備え、このシール部材の外径寄り部分を、上
    記中間部材の上記シール室側端部に全周に亙り密に固定
    すると共に、上記シール部材の片面で内径寄り部分を、
    上記プッシュロッドの中間部外周面に、全周に亙り密に
    押さえ付けている事を特徴とした圧力制御弁のシール構
    造。
  2. 【請求項2】 シール部材の片面で内径寄り部分をプッ
    シュロッドの中間部外周面に、自身の弾力と共にこのシ
    ール部材の両側面に加わる圧力差により、全周に亙り密
    に抑え付けている、請求項1に記載した圧力制御弁のシ
    ール構造。
  3. 【請求項3】 中間部材のシール室側端部に凹部を全周
    に亙り形成すると共に、シール部材の外径寄り部分を、
    上記凹部の周辺部若しくはこの凹部の内周面に全周に亙
    り密に固定する、請求項1又は2に記載した圧力制御弁
    のシール構造。
  4. 【請求項4】 中間部材のシール室側端部で凹部の周囲
    に、軸方向に突出する状態で円筒部を形成すると共に、
    この円筒部の円周方向一部に形成した折り曲げ部を直径
    方向内方に向け折り曲げている、請求項3に記載した圧
    力制御弁のシール構造。
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