JPH11303788A - 送液ラインポンプ - Google Patents

送液ラインポンプ

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JPH11303788A
JPH11303788A JP24811898A JP24811898A JPH11303788A JP H11303788 A JPH11303788 A JP H11303788A JP 24811898 A JP24811898 A JP 24811898A JP 24811898 A JP24811898 A JP 24811898A JP H11303788 A JPH11303788 A JP H11303788A
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重一 山本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 移送する薬液等の汚染を防止できると共に、
メンテナンス性の向上した送液ラインポンプを提供す
る。 【解決手段】 液体を移送するインライン型ネジ式ポン
プで、ロータ30の両端に設けられた磁気軸受でロータ
30をラジアル方向に支持し、ロータ30の両端面に取
り付けられた円錐状のアキシャルディスク35に対峙し
て設けられた円錐状の制御面を有する制御型磁気軸受1
6によりロータ30をアキシャル方向に支持し、これら
両軸受によってロータ30が磁気浮上して非接触支持さ
れ、静止側と何ら接触することなく回転して、ロータ外
周に設けられたネジ溝33によるポンプ作用によって液
体を移送する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば半導体装置
を製造する際に使用されるレジスト液やウエハ保護膜用
液等の特殊薬液の移送に使用して好適な送液ラインポン
プに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、上記特殊薬液の移送に使用される
送液装置としては、液供給源と液供給先とを結ぶ液移送
ラインの途中にピストン型等の容積式ポンプを設置し
て、このポンプで液体を所定の圧力に圧縮しつつ順次送
り出すようにしたものが一般に知られている。
【0003】一方、前記液移送ラインの途中に、ポンプ
とモータとを一体となし、配管の途中に簡易に取り付け
られるようにしたインライン型ポンプを設置することも
広く行われている。この種のインライン型ポンプには、
モータの回転に伴い羽根車と一体となって回転する主軸
が備えられ、この主軸は、転がり軸受や滑り軸受によっ
て回転自在に支承されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の容積式ポンプを使用した前者にあっては、ライン配
管の途中にピストン型のポンプが配置されているため、
液体の移送が連続的に滑らかにならないという問題があ
る。一方、インライン型ポンプを使用した後者にあって
は、転がり軸受や滑り軸受での摺動部材の接触が避けら
れないため、この接触により微細な発塵(パーティクル
の発生)を伴うことになる。そして、このようなパーテ
ィクルが揚液に混入して、半導体装置の製造設備等の液
体の移送先に混入すると、移送対象の薬液を用いて製造
する半導体ウエハ等にパーティクルが付着して、その品
質の低下に繋がってしまうという問題があった。
【0005】また、ポンプにおいては、各部品を組合わ
せて組立てる際に必然的に形成される狭い隙間(組立て
隙間)が揚液の流路中に一般に存在する。これにより、
揚液の流路中に、淀み領域・死水領域が形成され、その
隙間内に液体が入り込み、これが時間とともに腐敗して
汚染された液体となる。そして、この液体が徐々に揚液
中に染み出して、そのポンプの揚液中に混入し、半導体
装置の製造設備等の液体の移送先に混入すると、移送対
象の薬液を用いて製造する半導体ウエハ等に汚染された
液体が付着して、その品質を劣化させてしまうという問
題があった。
【0006】また、流路中の淀み領域・死水領域に溜ま
った液体が、時間の経過とともに固化・固着してしまう
場合がある。このような場合には、流路を狭め、閉塞す
る場合もあり、ポンプの揚液性能を著しく劣化させる。
このため、このポンプの揚液の移送先の製造装置等の運
転に支障をきたすことになる。このため、メンテナンス
が必要となり、係るポンプは生産効率上の阻害要因とな
る。
【0007】本発明は上記事情に鑑みて為されたもの
で、移送する薬液等の汚染を防止できると共に、メンテ
ナンス性の向上した送液ラインポンプを提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、液体を移送するインライン型ネジ式ポンプで、ロー
タの両端に設けられた磁気軸受で該ロータをラジアル方
向に支持し、該ロータの両端面に取り付けられた円錐状
のアキシャルディスクに対峙して設けられた円錐状の制
御面を有する制御型磁気軸受により前記ロータをアキシ
ャル方向に支持し、これら両軸受によってロータが磁気
浮上して非接触支持され、静止側と何ら接触することな
く回転して、前記ロータ外周に設けられたネジ溝による
ポンプ作用によって液体を移送することを特徴とする送
液ラインポンプである。
【0009】上記本発明によれば、ラジアル及びアキシ
ャル方向にロータが磁気軸受で非接触支持されるので、
ロータが静止側と何ら接触することなく回転して、ロー
タ外周に設けられたネジ溝によるポンプ作用によって液
体を移送することができる。これにより、従来の転がり
軸受や滑り軸受を用いたポンプと相違して、摺動部から
の発塵(パーティクルの発生)という問題が防止でき
る。従って、揚液中にパーティクルが混入して、液体の
移送先の半導体装置の製造設備等にパーティクルが混入
することを防止できる。
【0010】そして、ポンプの吸込口及び吐出口から、
ロータの両端面に取付けられた円錐状のアキシャルディ
スクに沿って、揚液がロータ外周のネジ溝部につながる
軸方向に略直線状に延びる流路が形成されるので、揚液
の流路が滑らかとなり、且つ単純化される。これにより
揚液の淀み領域・死水領域が排除されると共に、メンテ
ナンス性が向上する。
【0011】請求項2に記載の発明は、前記ポンプのロ
ータ側及び静止側の接液部は、撥水性を有する材料、も
しくはその材料の被膜を形成することによって構成さ
れ、揚液の淀み領域又は死水領域を排除したことを特徴
とする請求項1に記載の送液ラインポンプである。
【0012】これにより、ポンプを構成する各部品間の
組合せによって生じる、狭い組立隙間が撥水性を有する
材料の被膜で被覆される。従って、狭い組立隙間に液体
が染み込むことを防止でき、揚液の淀み領域・死水領域
を排除することができる。それ故、淀み領域・死水領域
に溜まった液体が時間とともに腐敗して汚染物質とな
り、この液体が徐々に揚液中に染み出して、そのポンプ
の揚液中に混入し、半導体装置の製造設備等の液体の移
送先の装置に混入することを防止できる。また、流路中
の淀み領域・死水領域が無くなるので、ここに液体が溜
まることが無くなり、時間の経過とともに固化・固着し
てしまうという問題が生じない。これにより、メンテナ
ンス性が向上する。
【0013】請求項3に記載の発明は、前記ポンプの吸
込口と、前記ネジ溝による液体の移送部と、前記ポンプ
の吐出口とは、それぞれが軸方向に略直線状に配置さ
れ、前記ネジ溝による液体の移送部は、前記ロータの両
端面に取り付けられた円錐状のアキシャルディスク面と
該面に対峙して設けられた磁気軸受の制御面との間の空
隙に沿って、前記ポンプの吸込口及び吐出口とに軸方向
に略直線状に連結されていることを特徴とする請求項1
又は2に記載の送液ラインポンプである。これにより、
揚液の流路を、軸方向に略直線状に延びるように形成で
きるので、ポンプの効率を向上できる。
【0014】請求項4に記載の発明は、前記ロータは、
円筒状部と該円筒状部の両端面に設けられた円錐状のア
キシャルディスクとから構成され、前記円筒状部の略中
央にはモータロータが内蔵され、前記円筒状部の外周の
ネジ溝部の両端部には、受動型磁気軸受を構成する永久
磁石が配設されていることを特徴とする請求項1乃至3
のいずれかに記載の送液ラインポンプである。これによ
り、アキシャル及びラジアルの両磁気軸受によりロータ
が非接触浮上支持されたネジ式ポンプをコンパクトな構
造で提供することができる。総じて、汚染物質の混入と
いう問題がなく、且つメンテナンス性に優れた送液ライ
ンポンプが提供される。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。尚、各図中同一符号は同一又は相
当部分を示す。
【0016】図1及び図2は、本発明の第1の実施の形
態の送液ラインポンプを示す。このポンプは、例えば半
導体デバイス等を製造する際に使用され、レジスト液や
ウエハ保護膜用液等の特殊薬液等の移送ラインに好適な
ものである。即ち、例えば、移送元のタンク等から、移
送先の半導体製造装置等に、化学的に不安定な特殊薬液
を送液するのに用いられる。このポンプの吸込口11に
は、液移送ラインの配管の一部としての図示しない吸込
管が吸込口内壁11aに装着され、また同様に図示しな
い吐出管が吐出口12の内壁12aに装着される。従っ
て、図示しない吸込管と、このポンプと、図示しない吐
出管とは略直線状に配置されており、ポンプ内部ではロ
ータのネジ溝の回転によってその軸方向に送液が行われ
る、いわゆるインライン型ネジ式ポンプである。
【0017】このネジ式ポンプは、ステータ20と、外
周部にネジ溝を有するロータ30とから主に構成されて
いる。ステータ中央部のケーシング21の内周面には、
キャン23を備え、モータステータ室22が配置されて
いる。モータステータ室22には巻線22aを備えたモ
ータステータ22bが配置されている。モータステータ
22bは、巻線22aに供給される電流により回転磁界
が形成され、モータステータの磁極面に対向した位置に
配置されているモータロータ32が回転駆動され、これ
により、ロータ30が回転する。
【0018】ロータ30の中央部の外周にはネジ溝33
を備え、ロータ30が回転駆動されることにより、ネジ
溝33も回転し、キャン23とネジ溝33の空間に存在
している液体を移送する。これにより、吸込口11側の
液体は、吐出口12側に圧送される。
【0019】ステータ20は、ケーシング24にロータ
30の両端部を支持する無制御のラジアル磁気軸受15
を備え、これによりロータ30はラジアル方向に浮上支
持される。ラジアル磁気軸受15は、ステータ側の永久
磁石15aと、ロータ側の永久磁石15bとの磁極面が
それぞれ対面して配置されており、それぞれの磁極面間
に作用する磁気力によりロータ30が非接触で浮上支持
される。
【0020】ロータ30の両端面30aには、円錐状の
磁性材料からなるアキシャルディスク35が固定されて
いる。このアキシャルディスク35に磁気力を作用させ
るために制御用電磁石25が配置され、その同様に円錐
状の制御面25aが上述のロータ側のアキシャルディス
ク35の円錐状の面35aと対面している。ステータ側
の電磁石25とロータ側のアキシャルディスク35とか
ら構成されるアキシャル磁気軸受16は、制御型の磁気
軸受であり、目標浮上位置にロータ30が位置するよう
に、ロータ30の軸方向浮上位置が制御される。
【0021】即ち、ステータ側にはアキシャルセンサ2
6を備え、ロータ30の軸方向変位を検出する。そして
図示しない補償回路により制御電流を形成し、これを電
磁石25のコイル25bに供給することで、磁気力を調
節する。図示するようにこのポンプにおいては、アキシ
ャル磁気軸受16は吸込口11側と吐出口12側との双
方に配置されている。これにより、ロータ30の軸方向
の浮上位置は、ポンプに生じるスラスト力の大小に関わ
らず、一定の目標位置に保たれる。
【0022】電磁石25の磁極面25aとこれに対峙す
るアキシャルディスクの磁極面35aとの隙間16は、
揚液の流路となっている。即ち、吸込口11の液体は流
路16を通り、ラジアル磁気軸受を構成する永久磁石1
5a,15b間の隙間15に設けられた流路15dを通
って、ロータ30のネジ溝部33に至る。ここで回転す
るネジ溝部33のポンプ作用により液体は圧送される。
そして、ラジアル磁気軸受を構成する永久磁石15a,
15b間の隙間15に設けられた流路15dを通って、
更に電磁石25の磁極面25aとこれに対峙するアキシ
ャルディスクの磁極面35aとの隙間である流路16を
通って、吐出口12に至る。
【0023】従って、このポンプのロータ30は、円筒
状部と該円筒状部の両端面30aに設けられた円錐状の
アキシャルディスク35とから構成されている。この円
筒状部の略中央にはモータロータ32が内蔵され、ロー
タ円筒状部の外周にはポンプの翼に相当するネジ溝部3
3が配置されている。ロータ円筒状部の両端部には、受
動型磁気軸受を構成する永久磁石15bが配置されてい
る。これにより、アキシャル及びラジアルの両磁気軸受
によりロータが非接触浮上支持され、その外周にネジ溝
を有するロータを極めてコンパクトな構造とすることが
できる。
【0024】ポンプの吸込口11と、ネジ溝による液体
の移送部33と、前記ポンプの吐出口12とは、それぞ
れが軸方向に略直線状に配置されている。そして、ネジ
溝による液体の移送部33は、ロータ30の両端面30
aに取り付けられた円錐状のアキシャルディスク35の
面35aと、該面35aに対峙して設けられた磁気軸受
の制御面25aとの間の空隙の流路16に沿って、前記
ポンプの吸込口11及び吐出口12とに連結されている
ことは上述したとおりである。この流路16は、図示す
るように円錐状の面に沿って軸方向に略直線状に形成さ
れている。これにより、ポンプ内の揚液の流路を、全体
として軸方向に略直線状に延びるように形成できるの
で、揚液の淀み領域・死水領域が少なくなり、ポンプの
効率を向上できる。
【0025】このポンプにおいては、ロータ側及び静止
側の接液部は、撥水性を有する材料、もしくはその材料
の被膜を形成することによって構成されている。即ち、
接液部の材料としては、フッ素樹脂等が用いられるか、
又はフッ素樹脂コーティーング、フッ素樹脂ライニン
グ、フッ素樹脂系塗料を塗布する等の処理が施されてい
る。例えば、ロータ本体等のバルク的な部材はフッ素樹
脂で形成され、キャン23あるいは永久磁石15a,1
5b等の金属材料又は磁性材料等の接液面はフッ素樹脂
のコーティングが施されている。また、制御用電磁石2
5のコイル25aを配置する収納部はOリング27でシ
ールされ、更にその接液面はフッ素樹脂の充填物が挿入
され、更に磁極面の全面にフッ素樹脂のコーティングが
施されている。これはアキシャルセンサ26の封入口に
おいても同様である。
【0026】接液面に撥水性の材料を使用するか、又は
撥水性材料の被膜を形成することによって、レジスト液
やウエハ保護膜用液等の特殊薬液の揚液が、ポンプを構
成する金属材料又は磁性材料等と直接接触しなくなる。
これにより、ポンプを構成する金属材料や磁性材料が、
特殊薬液と反応して揚液中に汚染物質が溶出することを
防止できる。又、このポンプにおいては、各部品を組合
せて組立てることによって必然的に形成される狭い隙間
部が存在するが、撥水性を有する材料の被膜を形成する
ことで隙間部を被覆する。従って、狭い組立上の隙間部
に液体が染み込むことを防止でき、揚液の淀み領域・死
水領域を排除することができる。
【0027】このポンプの動作の概要は以下の通りであ
る。ロータ30は、ロータの両端に設けられた無制御磁
気軸受15でラジアル方向に浮上支持されている。そし
て、ロータ30の両端面30aに取付けられた円錐状の
アキシャルディスク35に対峙して設けられた円錐状の
制御面25aを有する電磁石25のコイル25bに励磁
電流を供給することで、制御型磁気軸受16によりロー
タ30をアキシャル方向の目標位置に浮上支持する。両
軸受15,16によってロータ30が磁気浮上して非接
触支持された状態で、モータステータ22bのコイル2
2aに電流を供給することで、モータロータ22を内蔵
するロータ30は、静止側と何ら接触することなく回転
する。そして、前記ロータ30の外周に設けられたネジ
溝33のポンプ作用によって吸込口11の液体を吐出口
12側に圧送する。
【0028】このように、ロータ30が静止側20と何
ら接触することなく回転するので、摺動部からの発塵
(パーティクルの発生)という問題が防止できる。従っ
て、揚液中にパーティクルが混入して、液体の移送先の
半導体デバイスの製造設備等にパーティクルが混入し
て、その品質を阻害するという問題が全く生じない。ま
た、揚液の流路は、ポンプの吸込口11と、円錐状の面
に沿った流路16と、ネジ溝33によるロータ外周の液
体の移送部と、再び円錐状の面に沿った流路16とを経
て、ポンプの吐出口12に連結されている。従って、そ
れぞれが軸方向に略直線状に配置されている。又、ポン
プのロータ側及び静止側の接液部は、フッ素樹脂等の撥
水性を有する材料、もしくはその材料の被膜を形成する
ことによって構成されている。
【0029】この流路が軸方向に略直線状に配置されて
いることと、ポンプ内の狭い組立隙間が撥水性を有する
材料で被覆されることにより、揚液の淀み領域・死水領
域を排除することができる。それ故、淀み領域・死水領
域に溜まった液体が時間とともに腐敗して汚染物質とな
り、この液体が徐々に揚液中に染み出してそのポンプの
揚液中に混入し、移送先の装置に混入することを防止で
きる。また、流路中の淀み領域、死水領域が無くなるの
で、ここに液体が溜まることが無くなり、時間の経過と
ともに固化・固着してしまうという問題が生じないの
で、メンテナンス性を向上させることができる。
【0030】また、図示するようにこの実施の形態のポ
ンプは、吸込口側と吐出口側とが対称となっており、ポ
ンプを逆転することにより吐出口と吸込口とをそれぞれ
逆にして、液体を逆方向に移送することができる。これ
により、例えばレジスト液やウエハ保護膜用液等の特殊
薬液の移送を停止する際に、ポンプを逆回転して液体を
サックバックすることにより、ポンプ内を概略空の状態
にしてポンプを停止できる。従って、ポンプの停止時に
ポンプ内に滞留していた薬液が固化・固着してしまうこ
とを軽減できる。
【0031】図3乃至図8は、本発明の第2の実施の形
態の送液ラインポンプを示す。このポンプの基本的な構
成は、図1及び図2に示す第1の実施の形態の送液ライ
ンポンプと同様である。即ち、半導体デバイスの製造等
に用いられる、レジスト液やウエハ保護膜溶液等の特殊
薬液の移送に好適なインライン型ネジ式ポンプである。
そしてロータ30の両端面に取り付けられた円錐状のア
キシャルディスク35,40を備え、これに対峙して設
けられた円錐状の制御面を有する制御型磁気軸受25,
25によりロータ30をアキシャル方向に支持する。そ
してロータ30の両端部に設けられた永久磁石15b
と、これに対峙してその外周側に設けられたステータ側
の永久磁石15aとが磁気軸受15を構成し、ロータ3
0をラジアル方向に支持する。そしてロータ外周又はス
テータキャン内周に設けられたネジ溝33,41による
ロータ30の回転に伴うポンプ作用によって、上述した
液体をポンプ吸込口11側からポンプ吐出口12側へ略
直線状に圧送する。
【0032】従って、両磁気軸受15,25の構成によ
り、ロータ30は磁気浮上して静止側と何ら接触なく回
転し、このためロータと静止側との接触によって発生す
る発塵を完全に抑制することができる。これによって、
揚液を汚染させないことになる。又、揚液の流れを軸方
向のみに流れる流路形状で、構造をインライン型とし、
且つポンプを構成する接液部の材料としてフッ素樹脂等
の撥水性の材料又はその被膜を使用することによって、
各部品間の組合せによって生じる狭い組立隙間等に揚液
が染みこんでいくことを防止でき、これにより揚液の淀
み領域や死水領域を排除した構造とすることができる。
【0033】ここで、図3に示す送液ラインポンプは、
図1に示す送液ラインポンプと同様にロータ外周にネジ
溝33を設けたものである。これに対して図4に示す送
液ラインポンプは、上述のロータ外周に設けられたネジ
溝33の代わりに、ステータキャン23の内周側にネジ
溝41を設けた変形実施例である。又、図5に示す送液
ラインポンプは、ロータ外周とキャンの内周側の双方
に、互いに巻き勝手が反対なネジ溝33,41を設けて
ポンプの性能向上を図った変形実施例を示している。
【0034】又、図3乃至図5に示す送液ラインポンプ
は、図1及び図2に示す第1の実施の形態の送液ライン
ポンプと次の点で改良されている。第1に、図3乃至図
5のA−A線及び図6に示すように、ラジアル磁気軸受
15の外周側のステータケーシング24内に流路42を
設けている。これにより、ロータ30をラジアル磁気軸
受15で支持する部分において、揚液の流路を、ロータ
外周のネジ溝の面とほぼ同一の半径方向位置に設けるこ
とが可能となり、これにより直線的なポンプ流路を形成
することができる。又、永久磁石15aが配置されたラ
ジアル磁気軸受の外周側に流路を設けることにより、流
路の大きさを任意に形成することができ、これによりポ
ンプの抵抗損失を低減することができる。
【0035】第2に、図3乃至図5のB−B線及び図7
に示すように、ロータ側ののアキシャルディスク35,
40と対向しているアキシャル磁気軸受のステータコア
25側に流路43を設けている。これによりアキシャル
磁気軸受部分での流路を拡大することができ、抵抗損失
の低減を図ることができる。第3に、図3乃至図5のC
−C線及び図8に示すように、アキシャルディスク40
の円錐状頂部を平坦にし、これと対向した回転軸上にア
キシャル方向の変位センサ26aを配置して、このセン
サの外側に流路44を設けたものである。これにより、
アキシャルセンサ26aによるロータ30のアキシャル
方向位置の検出が容易となり、又直線状の流路44の形
成を妨げることなく、ケーシング45内にアキシャルセ
ンサ26aを配置することができる。
【0036】
【発明の効果】以上に説明したように本発明によれば、
パーティクル又は汚染物質等の揚液中への混入という問
題がなく、またメンテナンス性に優れた送液ラインポン
プが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の送液ラインポンプ
の主軸に沿った断面図である。
【図2】図1のA−A線に沿った断面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態の送液ラインポンプ
の主軸に沿った断面図である。
【図4】図3の変形例を示す断面図である。
【図5】図3の他の変形例を示す断面図である。
【図6】図3乃至図5のA−A線に沿った断面図であ
る。
【図7】図3乃至図5のB−B線に沿った断面図であ
る。
【図8】図3乃至図5のC−C線に沿った断面図であ
る。
【符号の説明】
11 吸込口 12 吐出口 15 無制御ラジアル磁気軸受(永久磁石の磁極面間
の隙間) 16 制御型アキシャル磁気軸受(円錐状のアキシャ
ルディスクと電磁石の磁極面間の隙間) 20 ステータ 21,24 ケーシング 22 モータステータ 23 キャン 25 電磁石 25a 電磁石磁極面 25b コイル 26,26a アキシャルセンサ 30 ロータ 30a ロータ端面 32 モータロータ 33,41 ネジ溝 35 円錐状のアキシャルディスク 35a 磁極面 42,43,44 流路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体を移送するインライン型ネジ式ポン
    プで、ロータの両端に設けられた磁気軸受で該ロータを
    ラジアル方向に支持し、該ロータの両端面に取り付けら
    れた円錐状のアキシャルディスクに対峙して設けられた
    円錐状の制御面を有する制御型磁気軸受により前記ロー
    タをアキシャル方向に支持し、これら両軸受によってロ
    ータが磁気浮上して非接触支持され、静止側と何ら接触
    することなく回転して、前記ロータ外周に設けられたネ
    ジ溝によるポンプ作用によって液体を移送することを特
    徴とする送液ラインポンプ。
  2. 【請求項2】 前記ポンプのロータ側及び静止側の接液
    部は、撥水性を有する材料、もしくはその材料の被膜を
    形成することによって構成され、揚液の淀み領域又は死
    水領域を排除したことを特徴とする請求項1に記載の送
    液ラインポンプ。
  3. 【請求項3】 前記ポンプの吸込口と、前記ネジ溝によ
    る液体の移送部と、前記ポンプの吐出口とは、それぞれ
    が軸方向に略直線状に配置され、前記ネジ溝による液体
    の移送部は、前記ロータの両端面に取り付けられた円錐
    状のアキシャルディスク面と該面に対峙して設けられた
    磁気軸受の制御面との間の空隙に沿って、前記ポンプの
    吸込口及び吐出口とに軸方向に略直線状に連結されてい
    ることを特徴とする請求項1又は2に記載の送液ライン
    ポンプ。
  4. 【請求項4】 前記ロータは、円筒状部と該円筒状部の
    両端面に設けられた円錐状のアキシャルディスクとから
    構成され、前記円筒状部の略中央にはモータロータが内
    蔵され、前記円筒状部の外周のネジ溝部の両端部には、
    受動型磁気軸受を構成する永久磁石が配設されているこ
    とを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の送液
    ラインポンプ。
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