JPH11302475A - ポリプロピレン系樹脂組成物および包装用フィルム - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂組成物および包装用フィルム

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JPH11302475A
JPH11302475A JP11061798A JP11061798A JPH11302475A JP H11302475 A JPH11302475 A JP H11302475A JP 11061798 A JP11061798 A JP 11061798A JP 11061798 A JP11061798 A JP 11061798A JP H11302475 A JPH11302475 A JP H11302475A
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JP
Japan
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propylene
ethylene
copolymer
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JP11061798A
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English (en)
Inventor
Shigeki Kidai
茂樹 木代
Takanori Kume
孝典 久米
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】透明性、耐衝撃性、低温ヒートシール性、ヒー
トシール強度、食品衛生性の優れたフィルムを与えるポ
リプロピレン系樹脂組成物、それを用いた包装用フィル
ムおよび食品包装用フィルム。 【解決手段】結晶性のプロピレンαーオレフィン共重合
体(I)40〜95重量%と少なくともプロピレン単位
とエチレン単位および/またはブテン−1単位とからな
る共重合体成分(A成分)と、プロピレン単位とエチレ
ン単位および/またはブテン−1単位とからなりA成分
と異なる構造の共重合体成分(B成分)からなり、20
℃キシレン可溶部(CXS部)を5重量%以上含有し、
CXS部を除いた部分(CXIS部)の示差走査熱量計
で測定する最高融解ピーク温度(Tm)が130〜15
5℃であるプロピレン系ブロック共重合体(II)5〜
60重量%とを含有するポリプロピレン系樹脂組成物、
それを用いた包装用フィルムおよび食品包装用フィル
ム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は透明性、低温での衝
撃強度、ヒートシール性、ヒートシール強度、食品衛生
性に優れる食品包装用フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレン系樹脂のフィルムは、外
観、機械的性質、包装適性などが優れることから食品包
装、繊維包装などの包装分野で広く使用されている。プ
ロピレン単独重合体は透明性、耐熱性が優れるものの、
低温での耐衝撃性および低温ヒートシール性が劣り、プ
ロピレン−α−オレフィンランダム共重合体ではに低温
ヒートシール性は改良されるものの、低温の耐衝撃性は
劣り、プロピレンブロック共重合体は、低温での耐衝撃
性にある程度優れるものの、透明性および低温ヒートシ
ール性が劣るものであり、それぞれに制限があった。
【0003】このようなことから、プロピレン−α−オ
レフィンランダム共重合体に低結晶性エチレン−α−オ
レフィン共重合体をブレンドすることにより耐衝撃性を
付与した材料が一般的に用いられている。しかし、プロ
ピレン−α−オレフィンランダム共重合体に低結晶性エ
チレン−α−オレフィン共重合体をブレンドとヒートシ
ール強度が低下する問題がある。
【0004】従来公知の方法では透明性、耐衝撃性、低
温ヒートシール性、ヒートシール強度、食品衛生性の優
れた食品包装用フィルムは得られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、透明
性、耐衝撃性、低温ヒートシール性、ヒートシール強
度、食品衛生性の優れたフィルムを与えるポリプロピレ
ン系樹脂組成物、それを用いた包装用フィルムおよび食
品包装用フィルムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、透明性、
耐衝撃性、低温ヒートシール性、ヒートシール強度、食
品衛生性の優れたフィルムを与えるポリプロピレン系樹
脂組成物等について鋭意検討した結果、結晶性のプロピ
レンとエチレンおよび/または炭素数4以上のα−オレ
フィンとの共重合体と特定のプロピレン系ブロック共重
合体を含有するポリプロピレン系樹脂組成物等が本発明
の目的を達成することを見い出し、本発明を完成させ
た。
【0007】すなわち、本発明は、結晶性のプロピレン
とエチレンおよび/または炭素数4以上のα−オレフィ
ンとの共重合体(I)40〜95重量%と少なくともプ
ロピレンから誘導される繰り返し単位とエチレンから誘
導される繰り返し単位および/またはブテン−1から誘
導される繰り返し単位とからなる共重合体成分(A成
分)と、プロピレンから誘導される繰り返し単位とエチ
レンから誘導される繰り返し単位および/またはブテン
−1から誘導される繰り返し単位とからなり前記A成分
と異なる構造の共重合体成分(B成分)からなるプロピ
レン系ブロック共重合体であって、20℃キシレン可溶
部(CXS部)を5重量%以上含有し、前記CXS部を
除いた部分(CXIS部)の示差走査熱量計で測定する
最高融解ピーク温度(Tm)が130〜155℃である
プロピレン系ブロック共重合体(II)5〜60重量%
とを含有するポリプロピレン系樹脂組成物、それを用い
た包装用フィルムおよび食品包装用フィルムに関する。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる結晶性のプロ
ピレンとエチレンおよび/または炭素数4以上のα−オ
レフィンとの共重合体(I)は、融点130〜150℃
の範囲のものであれば特に限定されないが、プロピレン
とエチレンおよび/またはブテン−1、ヘキセン−1、
またはオクテン−1との共重合体が好ましい。融点が1
30℃未満では耐熱性が不足し、150℃を超えると低
温ヒートシール性が悪化する。
【0009】本発明で用いられる結晶性のプロピレンと
エチレンおよび/または炭素数4以上のα−オレフィン
との共重合体(I)は、例えば、チーグラー・ナッタ型
触媒、シクロペンタジエニル環を有する周期表第IVB
族の遷移金属化合物とアルキルアルミノキサンからなる
触媒系、またはシクロペンタジエニル環を有する周期表
第IVB族の遷移金属化合物とそれと反応してイオン性
の錯体を形成する化合物および有機アルミニウム化合物
からなる触媒系を用いて、回分式重合法、連続的に重合
する連続式重合法などで製造が可能である。
【0010】具体的には、例えば、 (a)Si−O結合を有する有機ケイ素化合物の共存
下、一般式Ti(OR1)nX4−n(R1は炭素数が1
〜20の炭化水素基、Xはハロゲン原子、nは0<n≦
4の数字を表わす。)で表わされるチタン化合物を、有
機マグネシウム化合物で還元して得られる固体生成物
を、エステル化合物及びエーテル化合物と四塩化チタン
との混合物で処理して得られる三価のチタン化合物含有
固体触媒成分、 (b)有機アルミニウム化合物 (c)Si−OR2結合(R2は炭素数が1〜20の炭化
水素基である。)を有するケイ素化合物よりなる触媒
系、あるいは (a)一般式Ti(OR1)nX4−n(R1は炭素数が
1〜20の炭化水素基、Xはハロゲン電子、nは0<n
≦4の数字を表わす。)で表わされるチタン化合物を、
一般式AlR2mY3−m(R2は炭素数が1〜20の炭
化水素基、Yはハロゲン電子、mは1≦m≦3の数字を
表わす。)で表わされる有機アルミニウム化合物で還元
して得られる炭化水素溶媒に不溶のハイドロカルビルオ
キシ基を含有する固体生成物を、エチレンで予備重合処
理したのち、炭化水素溶媒中エーテル化合物及び四塩化
チタンの存在下に80〜100℃の温度でスラリー状態
で処理して得られるハイドロカルビルオキシ基含有固体
触媒成分、(b)有機アルミニウム化合物よりなる触媒
系などの少なくともチタン、マグネシウムおよびハロゲ
ンを必須成分とするチーグラー・ナッタ型触媒を用い
て、(b)成分中のAl原子/(a)成分中のTi原子
のモル比を1〜2000、好ましくは5〜1500、
(c)成分/(b)成分中のAl原子のモル比を0.0
2〜500、好ましくは0.05〜50となるように使
用し、重合温度20〜150℃、好ましくは50〜95
℃、重合圧力は大気圧〜40Kg/cm2G、好ましく
は2〜40Kg/cm2Gの条件下に、実質的に不活性
溶剤の不存在下にプロピレンとエチレンおよび/または
α−オレフィンと分子量調節のために水素を供給して重
合することによって製造できる。
【0011】本発明で用いるプロピレン系ブロック共重
合体(II)は、少なくともプロピレンから誘導される
繰り返し単位(以下、「プロピレン単位」と称する)と
エチレンから誘導される繰り返し単位(以下、「エチレ
ン単位」と称する)および/またはブテン−1から誘導
される繰り返し単位(以下、「ブテン−1単位」と称す
る)とからなる共重合体成分(A成分)と、プロピレン
単位とエチレン単位および/またはブテン−1単位とか
らなり前記A成分と異なる構造の共重合体成分(B成
分)からなるプロピレン系ブロック共重合体であって、
20℃キシレン可溶部(CXS部)を5重量%以上、好
ましくは7〜30重量%含有し、前記CXS部を除いた
部分(CXIS部)の示差走査熱量計で測定する最高融
解ピーク温度(Tm)が130〜155℃であるプロピ
レン系ブロック共重合体である。なお、本発明に係るプ
ロピレン系ブロック共重合体(II)は、第一工程での
プロピレン−エチレンおよび/またはブテン−1から成
る共重合体成分と、第二工程での異なる構造のプロピレ
ン−エチレンおよび/またはブテン−1から成る共重合
体成分とを逐次重合して得られた共重合体であって、共
重合体末端と別の共重合体末端が結合で繋がった典型的
なブロック共重合体ではなく、一種のブレンド系の共重
合体である。
【0012】プロピレン系ブロック共重合体のCXS部
が5.0重量%を下回る場合は、それを用いたフィルム
の耐衝撃性が劣るため好ましくない。
【0013】プロピレン系ブロック共重合体のCXIS
部の示差走査熱量計(DSC)で測定する最高融解ピー
ク温度(Tm)が130℃未満の場合は、それを用いた
フィルムの耐熱性が不足し、一方155℃を越える場合
はヒートシール性が劣るため好ましくない。
【0014】例えば、第一工程でエチレン単位の含有量
が1.5〜6.0重量%のプロピレン−エチレン共重合
体部分(A成分)を全重合量(A成分と下記B成分の合
計)の40〜85重量%生成し、ついで第二工程でエチ
レン単位の含有量が7〜17重量%のプロピレン−エチ
レン共重合体部分(B成分)を全重合量(A成分とB成
分の合計)の15〜60重量%生成して得られるブロッ
ク共重合体であって、かつB成分の極限粘度
([η]B)が2〜5dl/g、B成分の極限粘度
([η]B)とA成分の極限粘度([η]A)との比
([η]B/[η]A)が0.5〜1.8のプロピレン系
ブロック共重合体が好ましい。
【0015】エチレン単位の含有量は、高分子分析ハン
ドブック(1995年、紀伊国屋書店発行)の616ペ
ージに記載されている方法により13C−NMR法で測定
される。A成分のエチレン単位の含有量(EA)は、第
一工程の重合終了後に共重合体をサンプリングして分析
される。B成分のエチレン含有量(EB)は、第二工程
の重合終了後にブロック共重合体をサンプリングし、ブ
ロック共重合体のエチレン含有量(EAB)を分析し、さ
らにA成分の割合(PA)、B成分の割合(PB)から次
式より求めるものとする。 EA×PA/100+EB×PB/100=EABB=(EAB−EA×PA/100)×100/PB
【0016】プロピレン−エチレン−ブテン−1ブロッ
ク共重合体の場合、A成分の割合(PA)およびB成分
の割合(PB)は、A成分および全重合体について示差
走査熱量計で測定を行い、それぞれの融解ピーク熱量か
ら求められる。A成分のエチレン単位の含有量(EA
およびA成分のブテン−1単位の含有量(BA)は、第
一工程の重合終了後に共重合体をサンプリングして分析
される。また、B成分のエチレン単位の含有量(EB
およびB成分のブテン−1単位の含有量(BB)は、ま
ず、第二工程の重合終了後にブロック共重合体をサンプ
リングし、エチレン単位の含有量(EAB)およびブテン
−1単位の含有量(BAB)を分析して求め、A成分の割
合(PA)およびB成分の割合(PB)、A成分のエチレ
ン単位の含有量(EA)およびA成分のブテン−1単位
の含有量(BA)から次式より求めるものとする。 EB=(EAB−EA×PA/100)×100/PBB=(BAB−BA×PA/100)×100/PB
【0017】極限粘度は、ウベローデ型粘度計を用いて
135℃テトラリン中で測定される。A成分の極限粘度
([η]A)は、第一工程の重合終了後に共重合体をサ
ンプリングして分析される。B成分の極限粘度([η]
B)は、第二工程の重合終了後にブロック共重合体をサ
ンプリングし、ブロック共重合体の極限粘度
([η]AB)を分析し、さらにA成分の割合(PA)、
B成分の割合(PB)から次式より求めるものとする。 [η]A×PA/100+[η]B×PB/100=[η]
AB [η]B=([η]AB−[η]A×PA/100)×10
0/PB
【0018】本発明で用いるプロピレン系ブロック共重
合体(II)は、例えばチーグラーナッタ型触媒の存在
下に、同一の重合槽中にてA成分を重合した後、引き続
いてB成分を重合する回分式重合法、または少なくとも
2槽からなる重合槽を使用したA成分とB成分を連続的
に重合する連続式重合法などで製造が可能である。
【0019】具体的には、例えば、(a)Si−O結合
を有する有機ケイ素化合物の共存下、一般式Ti(OR
1n4-n(R1は炭素数が1〜20の炭化水素基、Xは
ハロゲン原子、nは0<n≦4の数字を表わす。)で表
わされるチタン化合物および/またはエーテル化合物
を、有機マグネシウム化合物で還元して得られる固体生
成物を、エステル化合物及びエーテル化合物と四塩化チ
タンとの混合物で処理して得られる三価のチタン化合物
含有固体触媒成分、(b)有機アルミニウム化合物 (c)Si−OR2結合(R2は炭素数が1〜20の炭化
水素基である。)を有するケイ素化合物よりなる触媒
系、または(a)一般式Ti(OR1n4-n(R1は炭
素数が1〜20の炭化水素基、Xはハロゲン原子、nは
0<n≦4の数字を表わす。)で表わされるチタン化合
物を、一般式AlR2 m3-m(R2は炭素数が1〜20の
炭化水素基、Yはハロゲン原子、mは1≦m≦3の数字
を表わす。)で表わされる有機アルミニウム化合物で還
元して得られる炭化水素溶媒に不溶のハイドロカルビル
オキシ基を含有する固体生成物を、エチレンで予備重合
処理したのち、炭化水素溶媒中エーテル化合物及び四塩
化チタンの存在下に80〜100℃の温度でスラリー状
態で処理して得られるハイドロカルビルオキシ基含有固
体触媒成分、(b)有機アルミニウム化合物よりなる触
媒系などの少なくともチタン、マグネシウムおよびハロ
ゲンを必須成分とするチーグラー・ナッタ型触媒の存在
下に、(b)成分中のAl原子/(a)成分中のTi原
子のモル比を1〜2000、好ましくは5〜1500、
(c)成分/(b)成分中のAl原子のモル比を0.0
2〜500、好ましくは0.05〜50となるように使
用し、重合温度20〜150℃、好ましくは50〜95
℃、重合圧力は大気圧〜40kg/cm2G、好ましく
は2〜40kg/cm2Gの条件下に、第一工程でプロ
ピレンとエチレンおよび分子量調節のために水素を供給
してプロピレン−エチレン共重合体部分(A成分)を生
成した後、引き続いて第二工程でプロピレンとエチレン
と水素を供給してプロピレン−エチレン共重合体部分
(B成分)を生成することによって製造できる。
【0020】本発明で用いる結晶性のプロピレンとエチ
レンおよび/または炭素数4以上のαーオレフィンとの
共重合体(I)およびプロピレン系ブロック共重合体
(II)は、有機過酸化物の存在下、不存在下に公知の
方法で、例えばメルトフローレートで代表される流動性
を変化させることが可能である。また、必要に応じて酸
化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、アンチブロキン
グ剤、防曇剤などを含ませることもできる。
【0021】結晶性のプロピレンと炭素数4以上のα−
オレフィンとの共重合体(I)およびプロピレン系ブロ
ック共重合体(II)は、いずれもメルトフローレイト
1.0〜10g/10分の範囲のものがフィルムの製膜
に際しての高速加工性の点から好ましく、とくに1〜5
g/10分の範囲が好ましい。
【0022】本発明で用いる結晶性のプロピレンとエチ
レンおよび/または炭素数4以上のα−オレフィンとの
共重合体(I)およびプロピレン系ブロック共重合体
(II)の割合は、それぞれ40〜95重量%と5〜6
0重量%であり、好ましくは50〜90重量%と10〜
50重量%である。
【0023】ポリプロピレン系共重合体(I)が40重
量%未満では耐熱性が悪化し、95重量%を超えると低
温の耐衝撃性が低下する。
【0024】本発明の樹脂組成物には、結晶性のプロピ
レンとエチレンおよび/または炭素数4以上のα−オレ
フィンとの共重合体(I)およびプロピレン系ブロック
共重合体(II)以外に低結晶性のエチレン−α−オレ
フィン共重合体を配合した組成物を用いることが可能で
ある。低結晶性エチレン−α−オレフィン共重合体と
は、エチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンとの共
重合体であり、α−オレフィンを10重量%以上含有し
ているものが好ましい。低結晶性エチレン−α−オレフ
ィン共重合体の配合量は、結晶性のプロピレンと炭素数
4以上のα−オレフィンとの共重合体(I)およびプロ
ピレン系ブロック共重合体(II)からなる組成物10
0重量部に対して15重量部以下添加することが可能で
ある。15重量部を超えるとヒートシール強度が低下す
る。
【0025】本発明の包装用フィルムおよび食品包装用
フィルムは、通常工業的に用いられている方法、例えば
Tダイ製膜法、チューブラー製膜法など溶融押し出し成
型法によりポリプロピレンフィルムが製造される方法で
あれば特に限定されないが、大型製膜機により高速製膜
が実施される、Tダイ製膜法が好ましい。
【0026】本発明のフィルムの厚みは特に制限がない
が、厚みが10〜500μのフィルムであり、好ましく
は10〜150μの範囲である。また、前述した好まし
い特性を有することから、共押し出し多層フィルムの製
造に際して、その少なくとも一層成分としても好適に使
用される。さらに、その他のフィルム、例えば、ポリプ
ロピレン2軸延伸フィルム、未延伸および延伸ナイロン
フィルム、延伸ポリテレフタル酸エチルフィルムやアル
ミ泊等とドライラミ法、または押し出しラミ法等の方法
で製造される複合フィルムの少なくとも一層としても好
適に使用され、特に、複合フィルムにした後80℃〜1
25℃の範囲で熱処理するような耐熱用途に使用でき
る。本発明のポリプロピレン系樹脂組成物のフィルム
は、外観、機械的性質、包装適性などが優れることか
ら、食品包装用、繊維包装用などの包装分野に使用され
る。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき説明するが、
本発明はこれら実施例に限定されるものではない。次
に、実施例および比較例における物性値の測定方法を説
明する。 (1)A成分、B成分の割合(重量%) A成分およびB成分の重合時の物質収支から、A成分の
割合(PA)、B成分の割合(PB)を求めた。 (2)極限粘度([η]) ウベローデ型粘度計を用いて135℃テトラリン中で測
定を行った。 A成分、B成分の極限粘度([η]A、[η]B) 第一工程のA成分の重合終了後に測定した極限粘度
[η]Aと、第二工程の重合終了後に測定した極限粘度
[η]AB、およびA成分の割合(PA)、B成分の割合
(PB)から、次式によりB成分の極限粘度[η]Bを求
めることとした。 [η]B=([η]AB−[η]A×PA/100)×10
0/PB (3)エチレン単位の含有量 高分子分析ハンドブック(1995年、紀伊国屋書店発
行)の616ページに記載されている方法により、13
−NMR法で測定を行った。 A成分、B成分のエチレン単位の含有量(EA、EB) 第一工程のA成分の重合終了後に測定したエチレン単位
の含有量(EA)と、第二工程の重合終了後に測定した
エチレン単位の含有量(EAB)、およびA成分の割合
(PA)、B成分の割合(PB)から、次式によりB成分
のエチレン単位の含有量(EB)を求めることとした。 EB=(EAB−EA×PA/100)×100/PB (4)20℃キシレン可溶部(CXS) ポリプロピレン5gを沸騰キシレン500mlに完全に
溶解させた後、20℃に降温し、4時間以上放置した。
その後、これを析出物(CXIS部)と溶液とにろ別
し、ろ液を乾固して減圧下70℃で乾燥した後、得られ
た固形物の重量を測定した。 (5)CXIS部の最高融解ピーク温度(Tm) 示差走査熱量計(パーキンエルマー社製DSC)を用い
て、上記(7)で得られたCXIS部10mgを窒素雰
囲気下で220℃で5分間溶融した後、5℃/分の降温
速度で40℃まで降温した。その後、5℃/分で昇温さ
せて、得られた融解吸熱カーブの最大ピークのピーク温
度をCXIS部の最高融解ピーク温度(Tm)とした。
なお、本測定器を用いて5℃/分の昇温速度で測定した
インジウム(In)の融点は、156.6℃であった。 (6)メルトフローレイト(MFR) JIS K7210に従い、条件−14の方法で測定し
た。 (7)透明性(ヘイズ) JIS K7105に従い測定した。 (8)ヤング率 幅20mmの試験片を縦方向(MD)より採取し、引張
試験機によりチャック間隔60mm、引張速度5mm/
分でS−S曲線をとり、初期弾性率を測定した。 (9)衝撃強度 0℃において、東洋精機製フィルムインパクトテスター
を使用して、直径15mmの半球状衝撃頭を用いて、フ
ィルムの衝撃強度を測定した。 (10)ヒートシール強度 フィルム面同志を重ね合わせ加熱されたヒートシーラー
で2秒間、2kg/cm2 の荷重をかけ圧着して得た
幅25mmのシールされたフィルムを、一夜放置後、2
3℃で剥離速度200mm/分、剥離角度180°で剥
離した時の剥離抵抗力を測定した。 (11)ヘキサン抽出量 FDA177.1520(d)(3)(ii)に記載の
方法に従って、厚み60μのフィルムの50℃、n−ヘ
キサン抽出量を測定した。
【0028】プロピレン系ブロック共重合体の製造 [固体触媒の合成]撹拌機付きの200LSUS製反応
容器を窒素で置換した後、ヘキサン80L、テトラブト
キシチタン6.55モル、フタル酸ジイソブチル2.8
モル、およびテトラエトキシシラン98.9モルを投入
し均一溶液とした。次に、濃度2.1モル/Lのブチル
マグネシウムクロリドのジイソブチルエーテル溶液51
Lを、反応容器内の温度を5℃に保ちながら5時間かけ
て徐々に滴下した。滴下終了後20℃でさらに1時間撹
拌した後20℃で固液分離し、トルエン70Lで3回洗
浄を繰り返した。次いで、スラリー濃度が0.2kg/
Lになるようにトルエンを加えた後、フタル酸ジイソブ
チル47.6モルを加え、95℃で30分間反応を行な
った。反応後固液分離し、トルエンで2回洗浄を行なっ
た。次いで、フタル酸ジイソブチル3.13モル、ブチ
ルエーテル8.9モルおよび四塩化チタン274モルを
加え、105℃で3時間反応を行なった。反応終了後同
温度で固液分離した後、同温度でトルエン90Lで2回
洗浄を行なった。次いで、スラリー濃度を0.4kg/
Lに調整した後、ブチルエーテル8.9モルおよび四塩
化チタン137モルを加え、105℃で1時間反応を行
なった。反応終了後、同温度で固液分離し同温度でトル
エン90Lで3回洗浄を行なった後、さらにヘキサン7
0Lで3回洗浄した後減圧乾燥して固体触媒成分11.
4kgを得た。固体触媒成分は、チタン原子1.8重量
%、マグネシウム原子20.1重量%、フタル酸エステ
ル8.4重量%、エトキシ基0.3重量%、ブトキシ基
0.2重量%を含有し、微粉のない良好な粒子性状を有
していた。
【0029】[ポリマーの製造] <固体触媒成分の予備活性化>内容積3LのSUS製、
撹拌機付きオートクレーブに充分に脱水、脱気処理した
n−ヘキサン1.5L、トリエチルアルミニウム37.
5ミリモル、t−ブチル−n−プロピルジメトキシシラ
ン37.5ミリモルと上記固体触媒成分15gを添加
し、槽内温度を30℃以下に保ちながらプロピレン15
gを約30分かけて連続的に供給して予備活性化を行な
った後、得られた固体触媒スラリーを内容積150Lの
撹拌機付きSUS製オートクレーブに移送し、液状ブタ
ン100Lを加えて保存した。
【0030】<重合>SUS製の内容積1m3の撹拌機
付き流動床反応器を2槽連結し、第一槽目で前段部(A
成分)のプロピレンとエチレンの共重合を、第二槽目で
後段部(B成分)のプロピレンとエチレンの共重合を連
続的に実施した。得られたプロピレン系ブロック共重合
体粉末の分析結果は、[η]A=3.5dl/g、
[η]B=3.8dl/g、A成分中のエチレン含量
4.0wt%、B成分中のエチレン含量13wt%、B
成分の含量45wt%、CXS含量24wt%、CXI
S部のTmは137℃であった。得たプロピレン系ブロ
ック共重合体粉末100重量部に対してステアリン酸カ
ルシウム 0.05重量部、商品名イルガノックス10
10 0.2重量部、商品名イルガフォス168 0.
03重量部添加して造粒機で溶融押し出ししてメルトフ
ローレート(MFR)=2.1g/10分になるように
調整し、プロピレン系ブロック共重合体(PPII−
1)を得た。 プロピレン−ブテン−1共重合体の製造 <重合>SUS製の内容積1m3の撹拌機付き流動床反
応器を2槽連結し、プロピレンとブテンの共重合を連続
的に実施した。得たプロピレン−ブテン−1共重合体粉
末100重量部に対してステアリン酸カルシウム 0.
05重量部、商品名イルガノックス1010 0.2重
量部、商品名イルガフォス168 0.03重量部、エ
ルカ酸アミド 0.054重量部、富士シリシア製、商
品名サイリシア550 0.19重量部を添加して造粒
機で溶融押し出ししてメルトフローレート(MFR)=
3.7g/10分になるように調整し、プロピレン−ブ
テン−1共重合体(PPI−1)を得た。融点は145
℃であった。 実施例1 PPI−1 50重量%とPPII−1 50重量%と
をブレンドし、50mmφTダイ製膜機で、ダイ温度2
50℃で溶融押し出しを行い、30℃の冷却水を通水し
た冷却ロールで冷却して、厚さ30および60μの未延
伸のポリプロピレン系樹脂フィルムを得た。得られた3
0μフィルムのヘイズ、ヤング率、インパクトおよび6
0μフィルムのヘキサン抽出量を表1に示す。得られた
60μのポリプロピレン系樹脂フィルムを康井精機製卓
上型テストコーターを用いて、2g/m2となるように
エステル系接着剤(主剤 商品名タケラックA−31
0、硬化剤 商品名タケネートA−3:武田薬品)を塗
布した厚さ15μの延伸ナイロン基材フィルム(ユニチ
カ 商品名エンブレム)に、40℃、3kg/cm2
圧着させた後、40℃で2日間、加熱熟成することによ
りドライラミネーションフィルムを得た。このフィルム
のポリプロピレン系樹脂フィルム面同志を重ね合わせて
ヒートシールを行ない、得られたフィルムのヒートシー
ル温度と強度の関係図を図1に示す。
【0031】実施例2 PPI−1、PPII−1および三井石油化学製商品名
タフマーP0480を表1に示す比率でブレンドした組
成物を用いる以外は実施例1と同様に実施し、評価し
た。
【0032】実施例3 PPI−1の変わりに商品名住友ノーブレンFLX34
E−4(PPI−2、プロピレンーエチレン共重合体、
融点 140℃)を用いた以外は実施例1と同様に実施
し、評価した。
【0033】実施例4〜5 PPI−2、PPII−1および三井石油化学製、商品
名タフマーP0480を第1表に示す比率でブレンドし
た組成物を用いる以外は実施例1と同様に実施し、評価
した。
【0034】比較例1 PPII−1をブレンドしないこと以外は実施例1と同
様に実施し、評価した。
【0035】比較例2 ブロピレン系共重合体PPII−1の代わりに三井石油
化学製、商品名タフマーP0480を表1の比率で用い
た以外は実施例1と同様に実施し、評価した。
【0036】比較例3 ブロピレン系共重合体PPII−1の代わりに三井石油
化学製、商品名タフマーP0480を表1の比率で用い
た以外は実施例3と同様に実施し、評価した。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】本発明のポリプロピレン系樹脂組成物か
らなる包装用フィルムは、透明性、低温の衝撃強度、低
温ヒートシール性、ヒートシール強度、食品衛生性に優
れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】各実施例、比較例におけるポリプロピレン系樹
脂フィルム面同志を重ね合わせてヒートシールを行な
い、得られたフィルムの、ヒートシール温度と強度の関
係図

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結晶性のプロピレンとエチレンおよび/ま
    たは炭素数4以上のα−オレフィンとの共重合体(I)
    40〜95重量%と、少なくともプロピレンから誘導さ
    れる繰り返し単位とエチレンから誘導される繰り返し単
    位および/またはブテン−1から誘導される繰り返し単
    位とからなる共重合体成分(A成分)と、プロピレンか
    ら誘導される繰り返し単位とエチレンから誘導される繰
    り返し単位および/またはブテン−1から誘導される繰
    り返し単位とからなり前記A成分と異なる構造の共重合
    体成分(B成分)からなるプロピレン系ブロック共重合
    体であって、20℃キシレン可溶部(CXS部)を5重
    量%以上含有し、前記CXS部を除いた部分(CXIS
    部)の示差走査熱量計で測定する最高融解ピーク温度
    (Tm)が130〜155℃であるプロピレン系ブロッ
    ク共重合体(II)5〜60重量%とを含有するポリプ
    ロピレン系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】プロピレン系ブロック共重合体(II)
    が、第一工程でエチレンから誘導される繰り返し単位の
    含有量が1.5〜6.0重量%のプロピレン−エチレン
    共重合体部分(A成分)を全重合量(A成分と下記B成
    分の合計)の40〜85重量%生成させ、ついで第二工
    程でエチレンから誘導される繰り返し単位の含有量が7
    〜17重量%のプロピレン−エチレン共重合体部分(B
    成分)を全重合量(A成分とB成分の合計)の15〜6
    0重量%生成させて得られるブロック共重合体であっ
    て、かつB成分の極限粘度([η]B)が2〜5dl/
    g、B成分の極限粘度([η]B)とA成分の極限粘度
    ([η]A)との比([η]B/[η]A)が0.5〜
    1.8のプロピレン系ブロック共重合体である請求項1
    に記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】請求項1又は2に記載のポリプロピレン系
    樹脂組成物からなる包装用フィルム。
  4. 【請求項4】請求項1又は2に記載のポリプロピレン系
    樹脂組成物からなる食品包装用フィルム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
SG89407A1 (en) * 2000-07-13 2002-06-18 Sumitomo Chemical Co Low temperature heat-sealable polypropylene-based film
JP2008120921A (ja) * 2006-11-13 2008-05-29 Sumitomo Chemical Co Ltd ポリプロピレン系樹脂組成物ならびに、それからなるシートおよび容器

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