JPH11302199A - 薬物運搬体を構成するグラフト共重合体 - Google Patents

薬物運搬体を構成するグラフト共重合体

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JPH11302199A
JPH11302199A JP10618498A JP10618498A JPH11302199A JP H11302199 A JPH11302199 A JP H11302199A JP 10618498 A JP10618498 A JP 10618498A JP 10618498 A JP10618498 A JP 10618498A JP H11302199 A JPH11302199 A JP H11302199A
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JP
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polymer
aqueous medium
graft copolymer
fine particle
physiological
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JP10618498A
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Inventor
Yuji Kasuya
裕司 粕谷
Junichi Okada
純一 岡田
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Sankyo Co Ltd
Original Assignee
Sankyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 血中滞留性が良く、安定な薬物運搬体を製造
する為の、グラフト共重合体の提供。 【解決手段】生理的pHの水性媒体中で負に帯電する高
分子主鎖、および非イオン性の高分子側鎖からなるグラ
フト共重合体。該グラフト共重合体により、水性媒体中
で正に帯電し、内部に薬物を包含させた芯物質を、静電
結合を介し被覆することにより、血中滞留性が良くかつ
安定な薬物運搬体を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生理的pHの水性
媒体中で負に帯電する高分子主鎖および非イオン性の高
分子側鎖から構成される生理的pHの水性媒体中で負に
帯電するグラフト共重合体、ならびに生理的pHの水性
媒体中で正に帯電する物質である芯物質が、静電結合を
介し、かかるグラフト共重合体である外郭物質によって
被覆され形成する微粒子分子集合体、および、かかる微
粒子集合体に薬物が包含された薬物運搬体に関する。
【0002】
【従来の技術】生体内での薬物濃度の維持や薬物の血中
滞留性を確保するため、しばしば高分子やリポソ−ムか
らなる薬物運搬体が利用されている。(A.Rolland
(編)、「Pharmaceutical particulate carriers: th
erapeutic applications」、 Marcel Dekker Inc. (19
93)/ D.Lasic とF.Martin(編)、「Stealth liposo
mes」、 CRC Press(1995)参照)。
【0003】薬物運搬体の血中滞留性は、肝臓や脾臓、
肺などに存在する貪食細胞による該運搬体の捕捉を回避
することによって増大する(D.D.Lasic ,「Liposomes:
from physics to applications 」, Elsevier Scienc
e Publishers,pp.261-471(1993)参照)。
【0004】従来の研究によれば、貪食細胞による薬物
運搬体の捕捉のされやすさは、該運搬体の物理化学的性
質、すなわちサイズ、表面電位および表面構造等の改良
によって制御できることが知られており(L.Illum ら、
Biomaterials 8, 113-117 (1987)/ Y.Ishikawaら、
J. Biomaterials Sci. Polymer Ed. 1、53-60 (1991)
/ H.Kawaguchi ら、Biomaterials 7、61-66 (1986)
/ Y.Tabataら、J. Colloid Interface Sci. 127 、13
2-140 (1988)/ C.J.van Oss ら、「Phagocytic eng
alfment and cell adhesiveness 」、Marcel Dekker In
c.(1975)/S.Yasukawaら、J.Microencapsulation 7、
179-184 (1990)参照)、特に、該運搬体を水溶性高分
子で修飾することがこの目的に有効とされている。
【0005】この水溶性高分子による薬物運搬体の修飾
効果は、該薬物運搬体表面の該水溶性高分子による被修
飾量に影響を受け、たとえば、リポソーム表面をポリエ
チレングリコール(以下、「PEG」と略す。)で修飾
した場合、該リポソームの血中滞留性はPEGの修飾密
度とともに向上し、その修飾密度が5mol%以上で良
い血中滞留性を示す(Maruyamaら、Biochim.Biophys.Ac
ta 1128 44-49(1992)参照)。しかし、リポソ−ムのP
EG修飾密度が5mol%以上になると修飾リポソ−ム
の安定性が悪くなることが指摘されている(Bedu-Addら
Pharm.Res.13,710-717(1996)/Bedu-Add らPharm.Res.1
3,718-724(1996)参照) 。
【0006】一方、フィッシャーらは、反応性を有する
PEGを用いることによりPEGの修飾密度が11mo
l%のリポソームを得、未修飾のリポソ−ムより血中滞
留性が高いことを開示している(WO90/04384
号参照)。しかし反応性を有するPEGは水性媒体中で
分解を受けやすく化学的に不安定であり、ゆえに、フィ
ッシャーらの方法ではリポソームの修飾条件が極めて厳
格に制限され、修飾リポソームを工業的に製造するのに
は適していない。
【0007】すなわち、PEG修飾を行ったリポソーム
を使用した場合には、安定性及び血中滞留性の両方の側
面を充足し、かつ工業的製造が容易な薬物運搬体を得る
ことは容易でなく、このような観点より、上記二つの側
面を充足し、かつ製造が容易な新しいタイプの薬物運搬
体が望まれていた。
【0008】
【本発明が解決しようとする課題】本発明者らは、生理
的pHの水性媒体中で負に帯電する高分子主鎖および非
イオン性の高分子側鎖から構成され、生理的pHの水性
媒体中で負に帯電するグラフト共重合体、及び芯物質で
ある生理的pHの水性媒体中で正に帯電する物質が、静
電結合を介し外郭物質としてのかかるグラフト共重合体
によって被覆されることにより形成される微粒子分子集
合体を製造し、かかる微粒子分子集合体を薬物運搬体と
して使用した場合に、薬物の血中滞留性および安定性に
おいて優れた効果を有することを見いだし、本発明を完
成した。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)生理的
pHの水性媒体中で負に帯電する直鎖状または分枝した
高分子主鎖および非イオン性の直鎖状または分枝した高
分子側鎖から構成される、生理的pHの水性媒体中で負
に帯電するグラフト共重合体、(2)高分子主鎖が、生
理的pHの水性媒体中で負に帯電する高分子を構成単位
とすることを特徴とする、(1)に記載のグラフト共重
合体、(3)高分子主鎖が、生理的pHの水性媒体中で
負に帯電する高分子及び非イオン性の高分子を構成単位
とすることを特徴とする、(1)又は(2)記載のグラ
フト共重合体、(4)高分子主鎖がポリビニルを含むこ
とを特徴とする、(1)乃至(3)のいずれかひとつに
記載のグラフト共重合体、(5)高分子主鎖が、メチル
ビニルエ−テル及びマレイン酸の共重合体であることを
特徴とする、(1)乃至(4)のいずれかひとつに記載
のグラフト共重合体、(6)高分子側鎖が非イオン性の
高分子を構成単位とすることを特徴とする、(1)乃至
(5)のいずれかひとつに記載のグラフト共重合体、
(7)高分子側鎖がポリエ−テルを含むことを特徴とす
る、(1)乃至(6)のいずれかひとつに記載のグラフ
ト共重合体、(8)高分子側鎖がポリエチレングリコ−
ルまたはモノメトキシポリエチレングリコ−ルであるこ
とを特徴とする、(1)乃至(7)のいずれかひとつに
記載のグラフト共重合体、(9)高分子側鎖がモノメト
キシポリエチレングリコ−ルであることを特徴とする、
(1)乃至(8)のいずれかひとつに記載のグラフト共
重合体、(10)生理的pHの水性媒体中で正に帯電す
る物質である芯物質が、静電結合を介し、(1)乃至
(9)のいずれかひとつに記載のグラフト共重合体であ
る外郭物質によって被覆され形成する微粒子分子集合
体、(11)芯物質が、高分子であることを特徴とす
る、(10)記載の微粒子分子集合体、(12)芯物質
が、リポソームであることを特徴とする、(10)記載
の微粒子分子集合体、(13)芯物質が、ジ(C10-18
アルカノイル)ホスファチジルコリン、ならびにそれに
加えて、ステアリルアミン、3−β−[N−(N’、
N’−ジメチルアミノエタン)カルバモイル]コレステ
ロ−ルおよびN−α−トリメチルアンモニオアセチルジ
ドデシル−D−グルタメ−トクロライドからなら成る群
から選択される、いずれか1つまたは2つ以上の構成成
分から構成されるリポソ−ムであることを特徴とする、
(10)または(12)記載の微粒子分子集合体、(1
4)芯物質が、ジパルミトイルホスファチジルコリン、
ならびにそれに加えて、ステアリルアミン、3−β−
[N−(N’、N’−ジメチルアミノエタン)カルバモ
イル]コレステロ−ルおよびN−α−トリメチルアンモ
ニオアセチルジドデシル−D−グルタメ−トクロライド
から成る群から選択される、いずれか1つまたは2つ以
上の構成成分から構成されるリポソ−ムであることを特
徴とする、(10)、(12)または(13)記載の微
粒子分子集合体、(15)芯物質が、ジパルミトイルホ
スファチジルコリンおよび3−β−[N−(N’、N’
−ジメチルアミノエタン)カルバモイル]コレステロ−
ルから構成されるリポソ−ムであることを特徴とする、
(10)、(12)、(13)または(14)記載の微
粒子分子集合体、(16)芯物質が、ジパルミトイルホ
スファチジルコリンおよびN−α−トリメチルアンモニ
オアセチルジドデシル−D−グルタメ−トクロライドか
ら構成されるリポソ−ムであることを特徴とする、(1
0)、(12)、(13)または(14)記載の微粒子
分子集合体、(17)芯物質が、コレステロ−ルを構成
成分として添加したリポソームであることを特徴とす
る、(10)、(12)、(13)、(14)、(1
5)または(16)記載の微粒子分子集合体、(18)
(10)乃至(17)のいずれかひとつに記載の微粒子
分子集合体に薬物が包含された薬物運搬体、(19)薬
物が、脂溶性化合物であることを特徴とする、(18)
記載の薬物運搬体、(20)薬物が、生理的pHの水性
媒体中において負に帯電する化合物であることを特徴と
する、(18)記載の薬物運搬体、(21)薬物が、生
理的pHの水性媒体中において正に帯電する化合物であ
ることを特徴とする、(18)記載の薬物運搬体、に関
する。
【0010】本発明において、生理的pHとは、pH
6.5乃至pH7.5であることを意味する。
【0011】水性媒体とは、 水、 緩衝液、 水および/または緩衝液を50重量%以上含み、エ
タノ−ル、ジメチルアセトアミド等の水溶性有機溶媒を
他の成分とする媒体 乃至のいずれかの媒体に電解質及び/または糖
類等の水溶性物質を溶解した媒体、のいずれかを意味す
る。
【0012】負に帯電とは、分子内の負電荷数が正電荷
数より多い荷電状態を意味し、正に帯電とは、分子内の
正電荷数が負電荷数より多い荷電状態を意味する。
【0013】これらの荷電状態はゼ−タ電位測定器等を
使用し、当業者周知の方法(J.Hunter、「Zeta potenti
al in colloid science 」、Academic Press(1981)/ D.
Glick(Ed.)「Methods of biochemical analysis 」、vo
l.32、John Wiley&Sons 、p215-278(1987)参照。)に
よって、分子のゼ−タ電位または電気泳動度を測定する
ことにより算定することができる。
【0014】非イオン性とは、水性媒体中において高分
子鎖の末端を除いて解離基を持たないことを意味する。
【0015】高分子とは、分子量が1000乃至100
0000である化合物を意味する。重合体とは、基本単
位の反復した構造を有する化合物をいい、共重合体と
は、二種以上の構成成分を基本単位とする重合体をい
い、グラフト共重合体とは、主鎖を構成する高分子に、
該高分子とは異なる側鎖を構成する高分子が共有結合し
た分岐状の共重合体を意味する。
【0016】リポソ−ムとは、脂質膜からなる小胞をい
い、その構造及び機能は本技術分野で周知である。
【0017】微粒子とは、動的光散乱法等によって測定
した場合に、水性媒体中または乾燥状態における直径が
1nm乃至1mmである粒子を意味し、より好適には1
0nm乃至1μmである粒子を意味する。
【0018】分子集合体とは、静電結合を介して複数の
分子が形成した会合体を意味する。脂溶性とは、当業者
周知の方法(A.Martinら、「Physical Pharmacy(3rd.e
d.)」、Lea&Febiger、PP272-313(1983) 参照)に従って、
測定されるn−オクタノ−ル/水性媒体系における分配
係数が、水性媒体相がpH3以上11以下の場合に、2
以上であるものを意味し、好適には5以上であるものを
意味する。
【0019】直鎖状または分枝状の高分子主鎖を構成す
る高分子は、次の(A)乃至(G)に列挙される物質群
より選択される。
【0020】すなわち、(A)生理的pHの水性媒体中
で負に帯電しうるビニル系合成高分子、(B)生理的p
Hの水性媒体中で負に帯電しうる合成ポリアミノ酸、
(C)生理的pHの水性媒体中で負に帯電しうる合成ポ
リペプチド、(D)生理的pHの水性媒体中で負に帯電
しうる合成ポリエステル、(E)生理的pHの水性媒体
中で負に帯電しうる天然高分子、(F)生理的pHの水
性媒体中で負に帯電しうる改変天然高分子、(G)
(A)乃至(F)の群から選択される高分子と、さらに
それに加えて、該高分子とは異なる(A)乃至(F)の
群から選択される別の高分子または非イオン性の別の高
分子とを構成単位とするブロック共重合体またはグラフ
ト共重合体。
【0021】ここで、ブロック共重合体とは、同じ基本
単位が2個以上連続して共有結合して出来た構造が、さ
らに2種以上共有結合した直鎖状の共重合体を意味す
る。
【0022】上記(A)の生理的pHの水性媒体中で負
に帯電しうるビニル系合成高分子とは、ポリマレイン
酸、ポリフマル酸、ポリイタコン酸、ポリイタコン酸モ
ノメチルエステル、ポリクロトン酸、ポリケイ皮酸、ポ
リスチレンスルホン酸、ポリアクリル酸、ポリメタクリ
ル酸、ポリ2-アクリルアミド-2- メチルプロパンスルホ
ン酸等の高分子の他、さらに、次の(a)の群から選択
されるいずれか一つの構成単位と、次の(a)および
(b)の群から選択される少なくとも一つの他の構成単
位とからなる高分子等を意味する。
【0023】(a)生理的pHの水性媒体中において負
に帯電しうる構成単位 マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、イタコン酸モノメ
チルエステル、クロトン酸、ケイ皮酸、スチレンスルホ
ン酸、アクリル酸、メタクリル酸、2-アクリルアミド-2
- メチルプロパンスルホン酸。
【0024】(b)非イオン性構成単位 ビニルアルコール、メチルビニルエーテル、ビニルピロ
リドン、ビニルオキサゾリドン、ビニルメチルオキサゾ
リドン、2-ビニルピリジン、4-ビニルピリジン、N-ビニ
ルサクシンイミド、N-ビニルホルムアミド、N-ビニル-N
- メチルホルムアミド、N-ビニルアセトアミド、N-ビニ
ル-N- メチルアセトアミド、2-ヒドロキシエチルメタク
リレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N-ジ
メチルアクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミ
ド、ジアセトンアクリルアミド、メチロールアクリルア
ミド、アクリロイルモルホリン、アクリロイルピロリジ
ン、アクリロイルピペリジン、スチレン、クロロメチル
スチレン、ブロモメチルスチレン、酢酸ビニル、メチル
メタクリレート、ブチルアクリレート、メチルシアノア
クリレート、エチルシアノアクリレート、n-プロピルシ
アノアクリレート、iso-プロピルシアノアクリレート、
n-ブチルシアノアクリレート、iso-ブチルシアノアクリ
レート、tert- ブチルシアノアクリレート、グリシジル
メタクリレート、エチルビニルエーテル、n-プロピルビ
ニルエーテル、iso-プロピルビニルエーテルn-ブチルビ
ニルエーテル、iso-ブチルビニルエーテル、tert- ブチ
ルビニルエーテル。
【0025】上記(B)の生理的pHの水性媒体中で負
に帯電しうる合成ポリアミノ酸とは、ポリグルタミン
酸、ポリアスパラギン酸等の一種のアミノ酸がペプチド
結合を介して重合した高分子を意味する。
【0026】上記(C)の生理的pHの水性媒体中で負
に帯電しうる合成ポリペプチドとは、次の(c)の群か
ら選択されるいずれか一つの構成単位と、(c)および
(d)の群から選択される少なくとも一つの他の構成単
位とからなる高分子等を意味する。
【0027】(c)グルタミン酸、アスパラギン酸等の
アニオン性構成単位。
【0028】(d)グリシン、アラニン、バリン、ロイ
シン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、セ
リン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン等の非イ
オン性構成単位。
【0029】上記(D)の生理的pHの水性媒体中で負
に帯電しうる合成ポリエステルとは、ポリリンゴ酸、ポ
リタルトロン酸等の高分子、または、次の(e)の群か
ら選択されるいずれか一つの構成単位と、(e)および
(f)の群から選択される少なくとも一つの他の構成単
位とからなる高分子等を意味する。
【0030】(e)リンゴ酸、タルトロン酸等のアニオ
ン性構成単位。
【0031】(f)グリコール酸、乳酸等の非イオン性
構成単位。
【0032】上記(E)の生理的pHの水性媒体中で負
に帯電しうる天然高分子とは、次の(g)乃至(i)の
群から選択される高分子等を意味する。
【0033】(g)ヒアルロン酸、コンドロイチン硫
酸、ヘパラン硫酸、アルギン酸、ペクチン酸等の多糖
類、(h)亜硝酸レダクターゼ、アスパラギナーゼ、ア
セチルコリンエステラーゼ、アデノシンデアミナーゼ、
α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、アルブミン、インス
リン、エラスチンa、コンカナバリンA、トランスフェ
リン、ペプシン等のタンパク、 (i)DNA、RNA又はオリゴヌクレオチド等の核
酸。
【0034】上記(F)の生理的pHの水性媒体中で負
に帯電しうる改変天然高分子とは、カルボキシメチルセ
ルロース、デキストラン硫酸、アルカリ処理ゼラチンな
どの高分子等を意味する。
【0035】グラフト共重合体の側鎖を構成する高分子
とは、次の(H)乃至(O)の群から選択される物質等
を意味する。
【0036】(H)非イオン性のビニル系高分子、
(I)非イオン性の合成ポリアミノ酸(J)非イオン性
の合成ポリペプチド、(K)非イオン性の合成ポリエス
テル、(L)非イオン性のポリエーテル(M)非イオン
性の天然高分子、(N)非イオン性の改変天然高分子、
(O)(H)乃至(N)の群から選択される2種以上の
高分子を構成単位とするブロック共重合体またはグラフ
ト共重合体。
【0037】上記(H)の、非イオン性のビニル系高分
子とは、ビニルアルコール、メチルビニルエーテル、ビ
ニルピロリドン、ビニルオキサゾリドン、ビニルメチル
オキサゾリドン、2-ビニルピリジン、4-ビニルピリジ
ン、N-ビニルサクシンイミド、N-ビニルホルムアミド、
N-ビニル-N- メチルホルムアミド、N-ビニルアセトアミ
ド、N-ビニル-N- メチルアセトアミド、2-ヒドロキシエ
チルメタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N-イソプロピルアク
リルアミド、ジアセトンアクリルアミド、メチロールア
クリルアミド、アクリロイルモルホリン、アクリロイル
ピロリジン、アクリロイルピペリジン、スチレン、クロ
ロメチルスチレン、ブロモメチルスチレン、酢酸ビニ
ル、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート、メチ
ルシアノアクリレート、エチルシアノアクリレート、n-
プロピルシアノアクリレート、iso-プロピルシアノアク
リレート、n-ブチルシアノアクリレート、iso-ブチルシ
アノアクリレート、tert- ブチルシアノアクリレート、
グリシジルメタクリレート、エチルビニルエーテル、n-
プロピルビニルエーテル、iso-プロピルビニルエーテ
ル、n-ブチルビニルエーテル、iso-ブチルビニルエーテ
ル、tert- ブチルビニルエーテルなどから選択される構
成単位からなる高分子を意味する。
【0038】上記(I)の非イオン性の合成ポリアミノ
酸とは、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソ
ロイシン、プロリン、フェニルアラニン、セリン、スレ
オニン、アスパラギン、グルタミンなどから選択される
いずれか一つの構成単位からなる高分子を意味する。
【0039】上記(J)の非イオン性の合成ポリペプチ
ドとは、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソ
ロイシン、プロリン、フェニルアラニン、セリン、スレ
オニン、アスパラギン、グルタミンなどから選択される
複数の構成単位からなる高分子を意味する。
【0040】上記(K)の非イオン性の合成ポリエステ
ルとは、グリコール酸及び/または乳酸を構成単位とす
る高分子を意味する。
【0041】上記(L)の非イオン性のポリエーテルと
は、メチレングリコール、エチレングリコール、n-プロ
ピレングリコール、iso-プロピレングリコール、ヒドロ
キシプロピレングリコールなど選択される構成単位から
なる高分子を意味する。
【0042】上記(M)の非イオン性の天然高分子とは
デキストラン、ペクチン、プルランなどの高分子を意味
する。
【0043】上記(N)の非イオン性の改変天然高分子
とは、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
スなどの高分子を意味する。
【0044】芯物質としては、次の(P)又は(Q)に
示す物質等が挙げられる。
【0045】(P)生理的pHの水性媒体中において正
に帯電しうるリポソーム、(Q)生理的pHの水性媒体
中において正に帯電しうる高分子、上記(P)の、正に
帯電しうるリポソームとは、ステアリルアミン(steary
lamine。以下、SAとする。)、3−β−[N−(N
´、N´−ジメチルアミノエタン)カルバモイル]コレ
ステロール及び/またはN−α−トリメチルアンモニオ
アセチルジドデシル−D−グルタメートクロライド(N-
α-trimethylammonioacetyldidodecyl-D-glutamate chl
oride 。以下、TMAGとする。)等の塩基性脂質およ
びホスファチジルコリン等の中性脂質等を構成要素とす
るリポソ−ムを意味する。また、リポソ−ムの安定化剤
としてコレステロ−ルを配合しても良い。
【0046】ホスファチジルコリン等のリン脂質は各々
二本ずつ飽和または不飽和の脂肪酸エステル鎖を有する
が、その脂肪酸(アルカノイル基またはアルケノイル
基)部分の炭素数が10乃至18である脂質をリポソ−
ム構成成分として使用することができる。「C10-18
ルカノイルまたはアルケノイル」基としては、デシリ
ル、ウンデシリル、ラウロイル、トリデシリル、ミリス
トイル、ペンタデシル、パルミトイル、ヘプタデシリ
ル、ステアロイル、オレオイル基等を挙げることができ
る。
【0047】上記(Q)の生理的pHの水性媒体中にお
いて正に帯電しうる高分子とは、次の(j)乃至(n)
の群から選択される高分子を意味する。
【0048】(j)水性媒体中において正に帯電しうる
ビニル系高分子、(k)水性媒体中において正に帯電し
うる合成ポリアミノ酸(l)水性媒体中において正に帯
電しうる合成ポリペプチド、(m)水性媒体中において
正に帯電しうる天然高分子、(n)水性媒体中において
正に帯電しうる改変天然高分子、(o)(j)乃至
(n)の群から選択される高分子と、さらにそれに加え
て、該高分子とは異なる(a)乃至(n)の群から選択
される高分子または非イオン性の別の高分子とを構成単
位とするブロック共重合体またはグラフト共重合体。
【0049】上記(j)の、水性媒体中において正に帯
電しうるビニル系高分子とは、ポリビニルアミン、ポリ
N、N−ジメチルアミノエチルアクリレート、ポリN、
N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、ポリN、N
−ジエチルアミノエチルアクリレート、ポリN、N−ジ
メチルアミノエチルメタクリレート、ポリアリルアミン
等の高分子、または、次の(i)の群から選択されるい
ずれか一つの構成単位と、(i)および(ii)の群か
ら選択される少なくとも一つの他の構成単位とからなる
高分子等を意味する。
【0050】(i)pH3の水性媒体中において正に帯
電しうる構成単位、ビニルアミン、N、N−ジメチルア
ミノエチルアクリレート、N、N−ジメチルアミノエチ
ルメタクリレート、N、N−ジエチルアミノエチルアク
リレート、N、N−ジメチルアミノエチルメタクリレー
ト、アリルアミン。
【0051】(ii)非イオン性構成単位、ビニルアル
コール、メチルビニルエーテル、ビニルピロリドン、ビ
ニルオキサゾリドン、ビニルメチルオキサゾリドン、2-
ビニルピリジン、4-ビニルピリジン、N-ビニルサクシン
イミド、N-ビニルホルムアミド、N-ビニル-N- メチルホ
ルムアミド、N-ビニルアセトアミド、N-ビニル-N- メチ
ルアセトアミド、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、
アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N-ジメチルアク
リルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド、ジアセト
ンアクリルアミド、メチロールアクリルアミド、アクリ
ロイルモルホリン、アクリロイルピロリジン、アクリロ
イルピペリジン、スチレン、クロロメチルスチレン、ブ
ロモメチルスチレン、酢酸ビニル、メチルメタクリレー
ト、ブチルアクリレート、メチルシアノアクリレート、
エチルシアノアクリレート、n-プロピルシアノアクリレ
ート、iso-プロピルシアノアクリレート、n-ブチルシア
ノアクリレート、iso-ブチルシアノアクリレート、tert
- ブチルシアノアクリレート、グリシジルメタクリレー
ト、エチルビニルエーテル、n-プロピルビニルエーテ
ル、iso-プロピルビニルエーテル、n-ブチルビニルエー
テル、iso-ブチルビニルエーテル、tert- ブチルビニル
エーテル。
【0052】前記(k)の、水性媒体中において正に帯
電しうるポリアミノ酸とは、ポリリジン、ポリアルギニ
ン等の、一種の塩基性アミノ酸がペプチド結合を介して
重合した高分子を意味する。
【0053】前記(l)の、水性媒体中において正に帯
電しうる合成ポリペプチドとは、次の(iii)の群か
ら選択されるいずれか一つの構成単位と、(iii)お
よび(iv)の群から選択される少なくとも一つの他の
構成単位とから構成される高分子を意味する。
【0054】(iii)pH3の水性媒体中において正
に帯電しうる構成単位、リジン、アルギニン。
【0055】(iv)非イオン性構成単位、グリシン、
アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリ
ン、フェニルアラニン、セリン、スレオニン、アスパラ
ギン、グルタミン。
【0056】前記(m)の、水性媒体中において正に帯
電しうる天然高分子とは、次の(v)または(vi)の
群から選択される高分子を意味する。
【0057】(v)キトサン等の多糖類、(vi)アグ
ルチニン、アコニターゼ、亜硝酸レダクターゼ、アスパ
ラギナーゼ、アセチルコリンエステラーゼ、アデノシン
デアミナーゼ、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、アル
ブミン、インスリン、エラスターゼ、エラスチンa、カ
ルシトニン、グルカゴン、コンカナバリンA、シトクロ
ムc、DNAポリメラーゼ、トランスフェリン、トロポ
ニン、ヘモグロビン、ラクトフェリン、リゾチーム、免
疫グロブリンG等のタンパク質。
【0058】前記(n)の、水性媒体中において正に帯
電しうる改変天然高分子とは、ジエチルアミノエチルデ
キストラン等の高分子を意味する。
【0059】脂溶性化合物としては、以下のもの等が挙
げられる。
【0060】インダパミド、シクロザピン、クロファジ
ミン、リジノプリル、シンバスタチン、ロバスタチン、
ナファゾリン、パーゴライド、アミオダロン、ヨードキ
サム酸、ブピバカイン、ジクロフェナックナトリウム、
2’−シアノ−2’−デオキシ−N4 −パルミトイル−
1−β−D−アラビノフラノシルシトシン(特許番号2
569251号)、N−[1−(4−メトキシフェニ
ル)−1−メチルエチル]−3−オキソ−4−アザ−5
α−アンドロスト−1−エン−17β−カルボキサミド
(特許番号2097842号)。
【0061】水性媒体中において負に帯電しうる化合物
とは、次の(p)または(q)の性質を有する化合物を
意味する。
【0062】(p)当業者周知の方法(A.Martinら、
「Physical Pharmacy (3rd ed. )」、Lea & Febiger
、pp.187-221(1983)参照。)に従って測定されるp
a1値が11以下の酸性化合物、(q)等電点が11よ
り低い両性化合物。
【0063】これらの性質を有する化合物としては、例
えば以下のものが挙げられる。
【0064】アセチルサリチル酸、アスコルビン酸、バ
ルビタール、バルビツール酸、安息香酸、ベンジルペニ
シリン、ペニシリンV、ペントバルビタール、フェノバ
ルビタール、フェニトイン、サリチル酸、スルファジア
ジン、スルファメラジン、スルファピリジン、スルファ
チアゾール、スルフイソキサゾール、テトラサイクリ
ン、ナプロキセン、ニコチン酸、DNA、オリゴヌクレ
オチド、RNA、5’−O−{3,4−ジ(ベンジルオ
キシ)ベンジル}チミジン−3’−O−フォスフォリル
−(3’→5’)−グアノシン−3’−O−フォスフォ
リル−(3’→5’)−アデノシン−3’−O−フォス
フォリル−(3’→5’)−{3’−O−(2−ヒドロ
キシエチル)フォスフォリル}グアノシン(特開平7−
87982号)、アスパラギナーゼ、アセチルコリンエ
ステラーゼ、アデノシンデアミナーゼ、インスリン、カ
ルシトニン、グルカゴン。
【0065】水性媒体中において正に帯電しうる化合物
とは、次の(r)または(s)のいずれかの性質を有す
る化合物等を意味する。
【0066】(r)当業者周知の方法(A.Martinら、
「Physical Pharmacy (3rd ed. )」、Lea & Febiger
、pp.187-221(1983)参照。)に従って測定される、
水性媒体中における該化合物の共役酸のpKa1値が3よ
り高い塩基性化合物、(s)等電点が3より高い両性化
合物。
【0067】これらの性質を有する化合物としては、例
えば、以下のものが挙げられる。
【0068】アポモルヒネ、アトロピン、カフェイン、
コカイン、コデイン、エフェドリン、エピネフリン、エ
リスロマイシン、モルヒネ、ナロルフィン、パパベリ
ン、フィゾスチグミン、ピロカルピン、プロカイン、キ
ナクリン、キニーネ、レセルピン、スコポラミン、スト
リキニーネ、テオブロミン、テオフィリン、トルブタミ
ド、リンコマイシン、クロザピン、スルファチアゾー
ル、ビンクリスチン、クロファジミン、グラフェニン、
ナファゾリン、パーゴライド、ソタロール、ビンブラス
チン、アミオダロン、メトキサミン、メキスレチン、ブ
ピカイン、ニザチジン、ベラパミル、ブロマゼパム、ト
ラゾドン、ペンタゾシン、ドキソルビシン、ニムスチ
ン、2’−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラ
ビノフラノシルシトシン(特開平4−235182
号)、アスパラギナーゼ、アセチルコリンエステラー
ゼ、アデノシンデアミナーゼ、インスリン、カルシトニ
ン、グルカゴン、チトクロムc、免疫グロブリンG。
【0069】
【発明の実施の形態】前記(A)乃至(O)の高分子
は、シグマ化学株式会社等から購入するか、G.Allen ら
(編)、「Comprehensive polymer science 」vol. 6、
Pergamon Press(1989)に記載の方法に従い製造でき
る。
【0070】前記(1)に記載の、水性媒体中において
負に帯電しうる直鎖状または分枝状の高分子主鎖と非イ
オン性の直鎖状または分枝状の高分子側鎖とから構成さ
れるグラフト共重合体の製造法としては、次の方法を例
として挙げることができる。
【0071】主鎖を構成する高分子は、カルボキシル
基、スルホン酸基、または硫酸モノエステル等の酸性官
能基を有することから、当業者周知の方法(例えば、S.
H.Pine、Organic Chemistry fifth edition (McGraw-H
ill International Editions)(1987)参照。)に従
い、酸ハロゲン化物等によりこれら酸性官能基を活性化
し反応基とする。側鎖を構成する高分子は、この主鎖上
の該反応基に対して反応性を有する官能基を持っている
必要があるが、これらの官能基としては、アミノ基また
は水酸基等が挙げられる。そして、主鎖高分子と側鎖高
分子は、アミド結合またはエステル結合等により結合さ
せることができる。これらの、主鎖として使用される酸
性官能基を有する高分子、又は側鎖として使用されるア
ミノ基又は水酸基等を有する高分子は、シグマ化学株式
会社、シェアウォ−タ−ポリマ−社等から購入できる。
またこれらの官能基を有する高分子は、G.Allen ら
(編)、「Comprehensive polymer science 」vol. 6、
Pergamon Press(1989)に記載の方法に従い製造するこ
とができる。
【0072】また、無水マレイン酸等のような酸無水物
を構成成分として含む高分子を主鎖又は側鎖高分子の前
駆物質として使用する場合には、該酸無水物を構成成分
として含む高分子を製造し、該酸無水物を反応基として
上記のようにグラフト共重合体を製造した後に、未反応
の酸無水物を加水分解により酸に変換し、酸性官能基を
有するグラフト共重合体を得ることができる。
【0073】なお、グラフト共重合体の末端は、イオン
性または非イオン性の各種の官能基を有する。このよう
な例として、側鎖を構成するポリエチレングリコールの
末端がメトキシ化されているグラフト共重合体(非イオ
ン性の官能基を有するグラフト共重合体)、側鎖を構成
するポリアミノ酸の末端にアミノ基またはカルボキシル
基が存在しているグラフト共重合体(イオン性の官能基
を有するグラフト共重合体)等が挙げられる。
【0074】(P)における水性媒体中において正に帯
電するリポソ−ムの、各構成成分となる化合物(SA、
3−β−[N−(N´、N´−ジメチルアミノエタン)
カルバモイル]コレステロール、TMAG、ホスファチ
ジルコリンまたはコレステロ−ル等)は、日本油脂
(株)等から購入することができる。またこれらの化合
物は当業者に周知の方法(例えば、S.H.Pine、「Organi
c Chemistry fifth edition 」、 McGraw-Hill Interna
tional Editions (1987)参照)に従い製造することが
できる。
【0075】これらの化合物を出発材料として、D.D.La
sic 、「Liposomes: from physicsto applications
」、Elsevier Science Publishers 、pp.1-171(1993)
に記載の方法に従い、水性媒体中において正に帯電す
るリポソームを製造することができる。
【0076】前記(Q)の(j)乃至(n)に含まれ
る、正に帯電しうるビニル系高分子、正に帯電しうるポ
リアミノ酸、正に帯電しうるポリペプチド、正に帯電し
うる天然高分子、および正に帯電した改変天然高分子
は、シグマ化学会社等から購入することができる。
【0077】また、正に帯電するビニル系高分子は、G.
Allen ら(編)、「Comprehensivepolymer science 」v
ol. 6、Pergamon Press(1989)に記載の方法に従い、
正に帯電するポリアミノ酸および正に帯電するポリペプ
チドは、M.Bodanszky 、「Principles of peptide synt
hesis 」、Springer-Verlag (1984)/M.Bodanszky
ら、「The practice of peptide synthesis 」、Spring
er-Verlag (1984)に記載の方法に従いそれぞれ製造す
ることができる。
【0078】芯物質が外殻物質で被覆された微粒子分子
集合体を構築する際には、使用する芯物質が正に荷電す
る水性媒体中において、負に帯電する外殻物質を選択す
る。また、水性媒体としては、pHが3乃至11で、浸
透圧が0乃至800mOsmで、電解質濃度が0乃至4
00mMであり、芯物質が正に帯電し、外殻物質が負に
帯電するものを使用する。
【0079】このように選択された水性媒体中におい
て、芯物質および外殻物質とを、最終濃度が、それぞれ
0.1乃至500mg/mLおよび0.1乃至100m
g/mLの範囲内で、最終的に微粒子分子集合体が生理
的pHで負に帯電する混合比率で混合することにより、
微粒子分子集合体を製造する。
【0080】さらに薬物を該微粒子分子集合体に包含さ
せ、薬物運搬体を製造することができるが、薬物の物理
化学的性質によりその製法が異なる。
【0081】まず、包含させる薬物が脂溶性化合物の場
合には、生理的pHの水性媒体中において正に帯電しう
る、リポソーム(D.D.Lasic 、「Liposomes: from phys
icsto applications 」、Elsevier Science Publishers
、pp. 261-471 (1993)参照。)もしくは高分子から
構成される芯物質に該薬物を包含させた後、上述の該薬
物を含まない微粒子分子集合体を製造する場合と同一の
条件下で、芯物質と外殻物質とを混合し、該薬物を包含
させた薬物運搬体を製造する。
【0082】水性媒体中において負に帯電しうる薬物を
包含させるためには、まず薬物が負に帯電する水性媒体
中で正に帯電しうる芯物質を選択する。また、水性媒体
としては、pHが3乃至11で、浸透圧が0乃至800
mOsmで、電解質濃度が0乃至150mMの範囲内
で、該薬物が負に帯電し芯物質が正に帯電する水性媒体
を使用する。
【0083】そこに、芯物質が有する正電荷が過剰とな
る混合比で、該薬物と、芯物質または該芯物質の構成成
分とを混合し、必要に応じてサイズを調節することによ
り、該薬物を予め包含した芯物質を製造する。
【0084】その後、芯物質および外郭物質の最終濃度
が、それぞれ0.1乃至500mg/mLおよび0.1
乃至100mg/mLの範囲内で、薬物を含まない場合
と同様の範囲内の条件下で上記芯物質と外郭物質とを混
合し、該薬物を包含した薬物運搬体を製造する。
【0085】水性媒体中において正に帯電しうる薬物を
包含した薬物運搬体は、前記の薬物を含まない場合の条
件下で予め製造した微粒子分子集合体と該薬物とを、p
Hが3乃至11の範囲であって該薬物が正に帯電し微粒
子分子集合体が負に帯電するpH範囲であり、浸透圧が
0乃至800mOsmであり、電解質濃度が0乃至15
0mMである水性媒体中で、最終的に生成される薬物運
搬体が生理的pHで負に帯電する混合比率で混合するこ
とにより製造することができる。
【0086】本発明のグラフト共重合体は、上記のよう
に、薬物または薬物を包含した芯物質を被覆し、薬物運
搬体を形成して、人を含む温血動物に対して投与され
る。
【0087】その投与形態としては、静脈内、動脈内、
皮下、皮内、筋肉内注射のほか、病態組織等への局所注
射等が挙げられ、その成人に対する投与量は、包含する
薬物および対象とする疾病によって適宜調節する。
【0088】注射用組成物は単位投与用アンプルまたは
多投与量容器中で提供される。該組成物は、等張化剤、
安定化剤、基剤や増粘剤等の添加物を含んでいてもよ
い。通常は発熱物質を含まない滅菌水やエタノール等の
有機溶媒を含む水性液体を分散媒または溶媒とした懸濁
製剤または溶液製剤として使用されるか、凍結乾燥等に
よって媒体を除去された状態で提供され、上記の分散媒
または溶媒を使用して懸濁または溶解して使用する。
【0089】
【実施例】以下に、実施例、比較例、試験例により本発
明をさらに詳細に説明する。ただし、これらは本発明を
限定するものではない。
【0090】尚、本実施例で用いられる、化合物Aおよ
び化合物Bは以下の化合物を示す。
【0091】化合物A:5’−O−{3,4−ジ(ベン
ジルオキシ)ベンジル}チミジン−3’−O−フォスフ
ォリル−(3’→5’)−グアノシン−3’−O−フォ
スフォリル−(3’→5’)−グアノシン−3’−O−
フォスフォリル−(3’→5’)−グアノシン−3’−
O−フォスフォリル−(3’→5’)−アデノシン−
3’−O−フォスフォリル−(3’→5’)−{3’−
O−(2−ヒドロキシエチル)フォスフォリル}グアノ
シン(特開平7−87982号参照)。
【0092】化合物B:2’−シアノ−2’−デオキシ
−N4 −パルミトイル−1−β−D−アラビノフラノシ
ルシトシン(特開平4−235182号参照)。
【0093】[実施例1]芯物質としてのリポソームの
製造。
【0094】Bangham ら(J. Mol. Biol. 8、660-668
(1964)参照。)の方法により、表1および表2に示す
構成比の脂質を使用し、ジパルミトイルホスファチジル
コリン(dipalmitoylphosphatidylcholine。以下DPP
Cとする。)およびコレステロールをベースとし、ステ
アリルアミン(stearylamine。以下、SAとする。)ま
たはN−α−トリメチルアンモニオアセチルジドデシル
−D−グルタメートクロライド(N-α-trimethylammoni
oacetyldodecyl-D-glutamate chloride 。以下、TMA
Gとする。)を含有したリポソームの分散液をそれぞれ
製造した。これらのリポソームをそれぞれ以下、SAリ
ポソームおよびTMAGリポソームとする。
【0095】
【表1】 DPPC 44(μmol) コレステロール 40(μmol) SA 16(μmol) ─────────────────────────────── これらに150mM塩化ナトリウム水溶液を加え2mL
とした。
【0096】
【表2】 DPPC 44(μmol) コレステロール 40(μmol) TMAG 16(μmol) ─────────────────────────────── これらに150mM塩化ナトリウム水溶液を加え2mL
とした。次に、当業者周知の方法(R. R. C. New編、
「Liposomes. A Practical Approach 」、IRL Press 、
pp.33-104 (1989)参照。)に従い、孔径100nmの
ポリカーボネート製メンブランフィルタ(野村マイクロ
サイエンス社)を装着したエクストルーダ(Liposofast
-Basic、AVESTIN 社製)を使用したエクストルージョン
法、または超音波破砕装置(Model 7600、セイコー電子
工業社)を使用した超音波照射法により、リポソームの
サイズを調節した。
【0097】これらのリポソームの体積平均粒子径およ
び25℃のリン酸緩衝生理食塩液(20mMのリン酸二
水素ナトリウムおよび135mM塩化ナトリウムからな
り、1規定水酸化ナトリウム水溶液でpH7.4に調整
したもの。以下、「PBS」とする。)中におけるゼー
タ電位を、粒子径測定機(Nicomp Particle Sizer Mode
l 370 、Nicomp Particle Sizing Systems社製)および
ゼータ電位測定機(ZEM5000 、Malvern 社製)を使用し
て測定した。結果を表3に示す。
【0098】
【表3】 ──────────────────────────────── リポソームの種類 サイズ調節法 体積平均粒子径 ゼ−タ電位 (nm) (mV) ──────────────────────────────── SAリポソ−ム エクストルージョン法 131.3 33.0 超音波照射法 57.9 31.0 ──────────────────────────────── TMAG エクストルージョン法 106.8 13.9 リポソーム 超音波照射法 60.7 10.4 ───────────────────────────────── このように、いずれのリポソームも、微粒子であり水性
媒体中において正に帯しており、芯物質としての条件を
満足していることが確認された。
【0099】[実施例2]外殻物質としてのグラフト共
重合体の製造。
【0100】分子量が約23000(この分子量は、重
合度147に換算される。)のメチビニルエーテルと無
水マレイン酸との共重合体(IPCジャパン社製)2g
と、直鎖状で分子量が約5000(この分子量は、重合
度112に換算される。)の片側の末端にアミノ基を有
するモノメトキシポリエチレングリコール8.1g(川
原油化(株))とを、アセトンと水の混合液(アセトン
と水の重量比2:1)100mLに加えた。反応系を室
温で1時間、さらに60℃で1時間撹拌処理することに
より、ポリエチレングリコール末端のアミノ基と共重合
体中の無水カルボキシル基とを反応させた。
【0101】エバポレータ(回転速度:100rpm、
温度:40℃、減圧度:700mmHg)を用い、この
反応液を60mLまで減圧濃縮後した。1規定水酸化ナ
トリウム水溶液と1規定塩酸を用いてpHを5.0と
し、40℃で24時間撹袢することにより未反応の無水
カルボキシル基を加水分解した。
【0102】この溶液を、分画分子量約12000のセ
ルロース製透析膜を用い蒸留水に対して透析した。
【0103】エバポレータ(回転速度:100rpm、
温度:40℃、減圧度:700mmHg)を用い、透析
後の溶液を約20mLまで減圧濃縮後、エタノール10
mLおよびエーテル300mLを加えて氷冷下で15時
間放置し、沈殿を粉末として得た。さらに、沈殿を10
0mLの蒸留水に溶解して2号ろ紙(アドバンテック東
洋(株))を用いて濾過し、濾液を上記と同様に約20
mLまで減圧濃縮しエタノールとエーテルを加えて沈殿
を得た。真空ポンプを使用し、得られた粉末をデシケー
ター内で24時間減圧乾燥し、モノメトキシポリエチレ
ングリコールをグラフトしたメチルビニルエーテルとマ
レイン酸とのグラフト共重合体(monomethoxypolyethyl
eneglycol-grafted poly (methylvinylether-co-maleic
acid ):MPEG−PMVMA)を得た。
【0104】メチルビニルエーテルと無水マレイン酸と
のグラフト共重合体の全マレイル基に対するモノメトキ
シポリエチレングリコールが結合したマレイル基の割
合、すなわちグラフト化率はMPEG−PMVMAの元
素分析結果(表4)および組成式(式1)より、次のよ
うにして求めた:
【0105】
【表4】 C(%) H(%) N(%) 52.8 8.28 <0.3* ──────────────────────── *検出限界以下であること表す。
【0106】 (C7105(1-a)n+ [C10175 N + (C24 O)man (式1) [式1中、mはモノメトキシポリエチレングリコールの
重合度を示し、nは、使用したメチルビニルエーテルと
無水マレイン酸との共重合体の重合度を示し、aは、グ
ラフト化率を示す。]式1を元素により展開し、m=1
12およびn=147を代入すると、MPEG−PMV
MAの組成式として次式が得られた。
【0107】 C1029+33369a1470+66885a147a735+16464a (式2) これより、MPEG−PMVMAの分子量は、(102
9+33369a)×12.0+(1470+6688
5a)×1.0+147a×14.0+(735+16
464a)×16.0=25578+732795aと
なった。
【0108】また、表4および式2より、下記式3およ
び式4が成立する。
【0109】 式3および式4より算出したそれぞれのグラフト化率お
よびそれらの平均値を表5に示す。
【0110】
【表5】 このようにして、本実施例で得られたグラフト共重合体
のグラフト化率は9.5%と算定された。
【0111】[実施例3]MPEG−PMVMAを外殻
物質とし、SAリポソームを芯物質とした微粒子分子集
合体の製造。
【0112】実施例1で製造した、脂質濃度が50mM
のSAリポソーム分散液200μLと、10mM水酸化
ナトリウム水溶液でpHを7に調整した150mM塩化
ナトリウム水溶液10mLに、実施例2で製造したMP
EG−PMVMAを5mg/mLの濃度で溶解した溶液
を、室温で混合し微粒子分子集合体の分散液を得た。
【0113】芯物質として使用したSAリポソームの2
5℃、PBS中でのゼータ電位は、実施例1に示したよ
うに33mVであったのに対し、外郭物質として使用し
たMPEG−PMVMAと混合すると−18mVとなっ
た。この結果は、混合を行ったpHにて外殻物質は負に
帯電していたことを示すとともに、正に帯電した芯物質
が負に帯電した外殻物質によって静電結合を介して被覆
されることにより、生理的pHで負に帯電した微粒子分
子集合体が生成したことを意味する。
【0114】また、芯物質の体積平均粒子径は、実施例
1に示したように131nmであったが、MPEG−P
MVMAと混合することによって230nmに増大し
た。このことからも、芯物質と外殻物質との間に微粒子
分子集合体が形成されたことが示唆された。また、こう
して得られた微粒子分子集合体は、前述のように生体の
血管中に投与した時に血中滞留性に優れるサイズである
ことがわかった。
【0115】[実施例4]MPEG−PMVMAを外殻
物質とし、TMAGリポソームを芯物質とした微粒子分
子集合体の製造。
【0116】実施例1で製造したTMAGリポソームを
SAリポソームの代わりに芯物質として使用し、実施例
3と同様にして微粒子分子集合体(以下、MPEG−P
MVMA−TMAGとする。)の分散液を製造した。ゼ
ータ電位を測定した結果、芯物質のゼータ電位は14m
Vであったのに対し、外郭物質として使用したPEG−
PMVMAと混合した後には−13mVとなったことか
ら、TMAGリポソ−ムが、負に帯電した過剰のPEG
−PMVMAで被覆された微粒子分子集合体が形成され
たことがわかった。体積平均粒子径に関しても、芯物質
は107nmであったものが、外郭物質との混合により
203nmとなったことから、芯物質と外殻物質との間
に微粒子分子集合体が形成されたことが示唆された。ま
た、こうして得られた微粒子分子集合体は、前述のよう
に生体の血管中に投与した時に血中滞留性に優れるサイ
ズであることがわかった。
【0117】[実施例5]MPEG−PMVMAを外殻
物質とし、ポリL−リジンを芯物質とした微粒子分子集
合体の製造。
【0118】側鎖アミノ基のpKa値が10乃至11で
あることから、少なくとも中性付近でのpH域で正に帯
電しうるポリアミノ酸の1つであるポリL−リジン(p
oly(L−lysine)。以下、PLLとする。)
を芯物質として用いた。
【0119】PLL塩酸塩(平均分子量47400、Si
gma 社製。)を0または20mg/mLの濃度で、1規
定水酸化ナトリウム水溶液でpH7に調節した150m
M塩化ナトリウム水溶液に溶解した溶液と、MPEG−
PMVMAを0または100mg/mLの濃度で、1規
定水酸化ナトリウム水溶液でpH7に調節した150m
M塩化ナトリウム水溶液溶解した溶液を、体積比1:1
で混合し、微粒子分子集合体の分散液を得、その体積平
均粒子径を測定した。結果を表6に示す。
【0120】
【表6】 PLL終濃度 MPEG−PMVMA終濃度 体積平均粒子径 (mg/mL) (mg/mL) (nm) ──────────────────────────────── 0 50 9.0 10 0 1.1 10 50 12.2 ──────────────────────────────── このように、PLLもしくはMPEG−PMVMAいず
れかの単量体、またはPLLもしくはMPEG−PMV
MAいずれかの集合体の体積平均粒子径は各々1.1n
mと9.0nmであったのに対し、両者を混合した場合
には、より大きな体積平均粒子形粒子径が観測された。
このことから、PLLとMPEG−PMVMAとが微粒
子分子集合体を形成したことがわかった。
【0121】[実施例6]芯物質が化合物Aを包含した
SAリポソームで、外殻物質がMPEG−PMVMAで
ある薬物運搬体の製造。
【0122】水性媒体中において負に帯電しうる薬物で
ある化合物Aを包含した微粒子分子集合体を以下のよう
に製造した。
【0123】まず、表7に示す構成比の脂質および水溶
液を使用し、実施例1に記載の方法に従い、リポソーム
を製造し、エクストルージョン法によりサイズを調節し
た。これによって、化合物Aを予め包含したSAリポソ
ームを得た。
【0124】
【表7】 DPPC 440(μmol) コレステロール 400(μmol) SA 160(μmol) ────────────────────────────────── これらに1mg/mLの化合物Aを含む5(w/w)%
グルコース水溶液10mLを加え,さらに5(W/W)
%グルコースを加え20mLとした。
【0125】次に、該SAリポソームを芯物質とし、負
に帯電しうる外殻物質であるMPEG−PMVMA濃度
を1mg/mLとし、実施例3に記載の方法に従い薬物
運搬体の分散液を製造した。該運搬体の体積平均粒子径
は100.7nmであり、前述のように生体の血管中に
投与した時に血中滞留性に優れるサイズであることが明
らかとなった。また薬物運搬体製造時に使用した薬物量
に対する薬物運搬体中の薬物量の割合(以下、包含率と
する。)を、次のようにして求めた。
【0126】薬物運搬体の分散液1mLを超遠心分離
(150000g×20分)することにより薬物運搬体
を沈殿させて上清を除去し、沈殿物に150mM塩化ナ
トリウム水溶液を加えて1mLとし、そこから200μ
Lを取り、0.01規定水酸化ナトリウム水溶液200
μL、メタノール400μLおよびクロロホルム800
μLを加え、ボルテックスミキサーを使用して振とう
(室温、5分、振とう幅4cm、2000rpm)する
ことにより化合物Aを抽出した。不溶成分を除くため遠
心分離(1000g×5分)した後の上清を用いて、表
8に示す条件にて逆相高速液体クロマトグラフィーで分
析し、薬物運搬体中の化合物Aの量を計算し、そこから
包含率を求めた。
【0127】
【表8】 測定機 LC−10A(島津製作所社製) ───────────────────────────────── カラム YMC−A312(YMC社製) ───────────────────────────────── カラム温度 40℃ ───────────────────────────────── 検出波長 260nm ───────────────────────────────── 移動相 アセトニトリルと0.1M酢酸トリエチルア ンモニウム水溶液の混合液 3/7(体積比) ───────────────────────────────── 流速 1mL/min. ───────────────────────────────── インジェクション体積 10μL ───────────────────────────────── 保持時間 8.6min ───────────────────────────────── その結果、微粒子分子集合体への化合物Aの包含率は6
5.4%であった。
【0128】[実施例7]SAリポソームを芯物質とし
MPEG−PMVMAを外殻物質とした微粒子分子集合
体にドキソルビシンを包含した薬物運搬体の製造。
【0129】水性媒体中において正に帯電しうる薬物で
あるドキソルビシンを包含した薬物運搬体を以下のよう
にして製造した。
【0130】まず、表9に示す構成比の脂質および水性
媒体を使用し、実施例1に記載の方法に従いSAリポソ
ームを製造し、超音波照射法によりサイズを調節した。
【0131】
【表9】 DPPC 44(μmol) コレステロール 40(μmol) SA 16(μmol) ────────────────────────────── これらに5(w/w)%グルコース水溶液を加えて2m
Lとした。
【0132】これをさらに5%グルコースで希釈するこ
とにより、製造時の処方から計算される総脂質濃度が1
mMである微粒子分子集合体の分散液を製造した。この
微粒子分子集合体の分散液1mLと1mg/mLのドキ
ソルビシン塩酸塩を溶解した5%グルコース水溶液1m
Lとを混合し、振とう(25℃、10分間、振とう幅7
cm、50rpm)することによりドキソルビシンを包
含させ、薬物運搬体の分散液を作製した。この分散液に
150mM塩化ナトリウム水溶液2mLを加え、包含率
を求める為の溶液とした。このうち10μLを包含率を
求めるための溶液中に含まれる全ドキソルビシン量を測
定する為の試料とした。また包含率を求めるための溶液
1mLを超遠心分離(150000g×20分)し、薬
物運搬体を沈殿させることによって得た上清を10μL
取り、微粒子分子集合体に包含されなかったドキソルビ
シンの濃度を測定するための試料とした。この各試料1
0μLに、蒸留水75μL、エタノール150μL、お
よび第3ブチルアルコール75μLを加えて澄明な溶液
とし、マイクロプレートリーダ( Titertec Multiskan
PLUS、Flow Labolatories 社)を使用し、492nmの
吸光度を測定することによりドキソルビシンの濃度を測
定し、式5に従い包含率を求めた。
【0133】 その結果、微粒子分子集合体へのドキソルビシンの包含
率は19.5%であった。
【0134】対照として、微粒子分子集合体分散液の希
釈およびドキソルビシンの溶媒に150mM塩化ナトリ
ウム水溶液を使用した場合には、ドキソルビシンの包含
率は5.6%に低下した。
【0135】このように電解質の共存下においてドキソ
ルビシンの包含率が低下したことから、電解質不在下、
すなわち5%グルコースを微粒子分散液の希釈液および
ドキソルビシンの溶媒とした場合においては、微粒子分
子集合体の負電荷とドキソルビシンの正電荷との静電相
互作用がドキソルビシンの包含に有効に作用したことを
示す。
【0136】[実施例8]芯物質が化合物Bを包含した
TMAGで、外郭物質がMPEG−PMVMAである薬
物運搬体の製造。
【0137】脂溶性の薬物である化合物Bは、正に帯電
しうる芯物質であるTMAGリポソームに包含させるた
め、表10に示す構成比の脂質および水性媒体を使用
し、実施例1に記載の方法に従い、化合物Bを包含した
TMAGリポソームの分散液を製造し、超音波照射法に
よってサイズを調節した。
【0138】
【表10】 DPPC 44 (μmol) コレステロール 40 (μmol) TMAG 16 (μmol) 化合物B 10 (mg) ─────────────────────────────── これらに、5(w/w)%グルコース水溶液を加えて2
mLとした。
【0139】次に、このリポソームを芯物質とし、外殻
物質のMPEG−PMVMA濃度を1mg/mLとし、
実施例4に記載の方法に従い薬物運搬体の分散液を製造
した。この化合物Bを包含した薬物運搬体の体積平均粒
子径は72.3nmであり、前述したように生体の血液
中に投与した時に血中滞留性に優れるサイズであること
がわかった。
【0140】さらに、得られた薬物運搬体の分散液を生
理食塩水で100倍希釈し、そのうちの1mLを超遠心
分離(150000g×20分)した後、上清を捨て、
得られた沈殿に150mM塩化ナトリウム水溶液を加え
1mLにした。そこから100μLを取り、1M酢酸緩
衝液(pH4、酢酸と酢酸ナトリウムで調製)100μ
Lおよびメタノール800μLを加え、ボルテックスミ
キサーを使用して振とう(室温、5分、振とう幅4c
m、2000rpm)することにより化合物Bを抽出
後、不溶成分を除くため遠心分離(1000g×5分)
し、その上清を表11に示す条件にて逆相高速液体クロ
マトグラフィーで分析し、薬物運搬体中の化合物Bの量
を計算し、そこから包含率を求めた。
【0141】
【表11】 測定機 LC−10A(島津製作所社製) ────────────────────────────────── カラム YMC−A312(YMC社製) ────────────────────────────────── カラム温度 40℃ ────────────────────────────────── 検出波長 247nm ────────────────────────────────── 移動相 アセトニトリルと蒸留水の 混合液 (体積比:3/7) ────────────────────────────────── 流速 1mL/min. ────────────────────────────────── インジェクション体積 20μL ────────────────────────────────── 保持時間 8min ────────────────────────────────── その結果、微粒子分子集合体中への化合物Bの包含率は
114%であり、化合物Bの全量が微粒子分子集合体に
包含していることがわかった。
【0142】[比較例1]一般的なPEG修飾リポソ−
ムの作製 PEG修飾微粒子として一般的なリポソームを次のよう
に製造した。ここで使用したPEG修飾リポソームは、
ジステアロイル−N−(モノメトキシポリエチレングリ
コールサクシニル)ホスファチジルエタノールアミン
(PEG部分の分子量約2000、(株)川原油化、以
下MPEG2000−DSPEとする。)をジパルミト
イルホスファチジルコリン等の他の脂質とともに使用
し、表12乃至表14に示す処方(MPEG2000−
DSPEの構成比 表12:5mol% 表13:10
mol% 表14:20mol%)で、実施例1に記載
の製造法に従って製造し、エクストルージョン法により
サイズの調節を行った。なお、ここでのエクストルージ
ョンでは孔径1μmのフィルターを使用した。
【0143】
【表12】 DPPC 55(μmol) MPEG2000−DSPE 5(μmol) コレステロール 40(μmol) ────────────────────────────── これらに150mM塩化ナトリウム水溶液を加え2mL
とした。
【0144】
【表13】 DPPC 50(μmol) MPEG2000−DSPE 10(μmol) コレステロール 40(μmol) ────────────────────────────── これらに150mM塩化ナトリウム水溶液を加え1mL
とした。
【0145】
【表14】 DPPC 40(μmol) MPEG2000−DSPE 20(μmol) コレステロール 40(μmol) ────────────────────────────── これらに150mM塩化ナトリウム水溶液を加え1mL
とした。
【0146】[試験例1]薬物運搬体およびPEG修飾
リポソームのPEG修飾度の評価。
【0147】実施例6で作製した化合物Aを包含した薬
物運搬体のPEG修飾度と、比較例1で作製したPEG
修飾リポソ−ムのPEG修飾度を比較する為に以下の実
験を行った。
【0148】該薬物運搬体のPEG修飾度は、PEGと
デキストランとからなる2相系へのリポソームの分配係
数に基づき評価した(特表平4−501117号参
照)。この2相系においては、PEG相への分配係数が
高いほどリポソーム表面の親水性が高く、PEG修飾度
が高いことを示す。実施例6で得られた薬物運搬体の分
散液1mlを超遠心分離(150000g×20分)
し、上清を除去して150m塩化ナトリウム水溶液で再
分散し再度1mlとし、包含されなかった薬物Aを除去
した。この分散液1mlに、13.3(w/v)%のP
EG6000のPBS溶液および13.3(w/v)%
のデキストランT−500(ファルマシア社製)のPB
S溶液をそれぞれ1.5mlずつ添加し、室温で30分
間静置することにより2層に分離させた。この各層に含
まれる化合物Aの濃度測定する為、各層を超遠心分離す
ることにより、薬物運搬体を沈殿させ、0.01規定水
酸化ナトリウム水溶液、メタノ−ルおよびクロロホルム
を加え、振とう(ボルテックスミキサ−:室温、5分、
振とう幅4cm,2000rpm)することにより化合
物Aを抽出した。不溶成分を除く為、遠心分離(100
0g×5分)した後の上清を表15に示す条件にて逆相
高速液体クロマトグラフィーにより分析し、化合物Aの
濃度を測定した。
【0149】
【表15】 測定機 LC−10A(島津製作所社製) ───────────────────────────────── カラム YMC−A312(YMC社製) ───────────────────────────────── カラム温度 40℃ ───────────────────────────────── 検出波長 260nm ───────────────────────────────── 移動相 アセトニトリルと0.1M酢酸トリエチルアン モニウム水溶液の混合液 3:7(体積比) ───────────────────────────────── 流速 1ml/分 ───────────────────────────────── インジェクション体積 10μL ───────────────────────────────── 保持時間 8.6min ───────────────────────────────── 該薬物運搬体の分配係数を、「上層中の化合物Aの濃度
/下層中の化合物Aの濃度」として算出したところ、そ
の値は76以上と極めて高い親水性を示した。また比較
例1で製造したPEG修飾リポソームのPEG修飾度を
上述した分配法にて評価した。なお、この場合は上下2
層間の分配係数は各層の濁度(波長550nm,光路長
0.1cm)により算出した。その結果、いずれのリポ
ソームの分配係数とも14であり、製造時のPEG−D
SPEの構成比を10mol%または20mol%にし
ても分配係数は5mol%の場合と同等なことから、通
常のPEG修飾リポソームの製造法ではPEG修飾度の
限界は5mol%程度で、分配係数としては14程度が
限界であることがわかった。
【0150】[試験例2]芯物質が化合物Aを包含した
SAリポソームで、外殻物質がMPEG−PMVMAで
ある薬物運搬体を静脈投与したときの化合物Aの血中濃
度推移。
【0151】実施例6で製造した、化合物Aを包含した
薬物運搬体の血中滞留性を次のように調べた。化合物A
の濃度が0.27mg/mLおよび総脂質濃度が38.
5mMである微粒子分子集合体を、ウィスターラット
(体重430乃至490g)に対し化合物Aの投与量が
0.5mg/kgとなるように、尾静脈より投与した。
0乃至25時間の所定時間後に尾静脈より約500μL
を採血し、遠心分離(1000g×5分)により血漿を
得た。この血漿を試験例1に記載の条件にて逆相液体ク
ロマトグラフィーにより分析し血漿中の化合物Aの濃度
を求めた。
【0152】化合物Aの血中濃度推移を図1に示す。こ
うして求められた血中濃度推移から算出される化合物A
の血中半減期は14.54時間であった。
【0153】[試験例3]水溶液として静脈投与された
化合物Aの血中濃度推移。
【0154】0.5mg/mLの化合物Aを含む150
mM塩化ナトリウム水溶液を、化合物Aの投与量が0.
5mg/kgとなるように投与した後、試験例2と同様
の条件で化合物Aの血漿中濃度を調べた結果を図1に示
す。この血中濃度推移から算出される、化合物Aの血中
半減期は2.27時間であった。
【0155】このように、化合物Aを溶液状態で投与し
た場合には、微粒子分子集合体に包含してから投与した
場合に比べ、血中滞留性が著しく劣ることがわかった。
【0156】[試験例4]微粒子分子集合体および一般
的なPEG修飾リポソ−ムの血漿中安定性。
【0157】実施例1で作製した表1の処方の微粒子分
子集合体、および比較例1で作製した表13の処方の一
般的なPEG修飾リポソ−ムの安定性を比較するため次
の実験を行った。該微粒子分子集合体および該リポソ−
ムをそれぞれ0.1mlをラットより採取した血漿0.
4mlに添加し37℃で4日間し、振とう(一般的な振
とう機:37℃、4日間、振とう幅7cm、50rp
m)した。振とう開始直後および振とう終了後のそれぞ
れの血漿の濁度(波長550nm,光路長0.1cm)
の測定結果を表16に示す。
【0158】
【表16】 振とう開始直後 4日間振とう後 ────────────────────────────────── 微粒子分子集合体 0.140 0.145 ────────────────────────────────── 一般的なPEG修飾リポソ−ム 0.324 0.538 ────────────────────────────────── このように、微粒子分子集合体を添加した血漿の濁度は
ほとんど変化せず、微粒子分子集合体がその形態を維持
していることが示された。これに対し、一般的なPEG
修飾リポソ−ムを添加した血漿の濁度は、振とうによっ
て著しく増大しPEG修飾リポソ−ムが凝集等の形態変
化をしていることが示唆された。
【0159】
【発明の効果】本発明により、生理的pHの水性媒体中
で負に帯電する直鎖または分枝した高分子主鎖及び非イ
オン性の直鎖または分枝した高分子側鎖とから構成さ
れ、該媒体中で負に帯電するグラフト共重合体および芯
物質である該媒体中で正に帯電する物質とが、静電結合
を介し外郭物質としてのかかるグラフト共重合体によっ
て芯物質が被覆されることにより形成される、生理的p
Hの水性媒体中で負に帯電した微粒子分子集合体を得、
その内部に薬物を包含した薬物運搬体を製造した。
【0160】本発明の薬物運搬体を構成する微粒子分子
集合体は、製造が容易で、水溶性高分子の修飾度が高い
ため血中滞留性が良く、すぐれた血漿中での安定性を示
し、種々の物理化学的性質を有する化合物が包含可能で
あり、薬学的および生化学的に有用な機能性微粒子とし
て、汎用性が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】化合物Aをラットに投与した後の、血漿中化合
物A濃度の推移図。(■、分子集合体;●、溶液)

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】生理的pHの水性媒体中で負に帯電する直
    鎖状または分枝した高分子主鎖および非イオン性の直鎖
    状または分枝した高分子側鎖から構成される、生理的p
    Hの水性媒体中で負に帯電するグラフト共重合体。
  2. 【請求項2】高分子主鎖が、生理的pHの水性媒体中で
    負に帯電する高分子を構成単位とすることを特徴とす
    る、請求項1に記載のグラフト共重合体。
  3. 【請求項3】高分子主鎖が、生理的pHの水性媒体中で
    負に帯電する高分子及び非イオン性の高分子を構成単位
    とすることを特徴とする、請求項1又は2記載のグラフ
    ト共重合体。
  4. 【請求項4】高分子主鎖がポリビニルを含むことを特徴
    とする、請求項1乃至3のいずれかひとつに記載のグラ
    フト共重合体。
  5. 【請求項5】高分子主鎖が、メチルビニルエ−テル及び
    マレイン酸の共重合体であることを特徴とする、請求項
    1乃至4のいずれかひとつに記載のグラフト共重合体。
  6. 【請求項6】高分子側鎖が非イオン性の高分子を構成単
    位とすることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか
    ひとつに記載のグラフト共重合体。
  7. 【請求項7】高分子側鎖がポリエ−テルを含むことを特
    徴とする、請求項1乃至6のいずれかひとつに記載のグ
    ラフト共重合体。
  8. 【請求項8】高分子側鎖がポリエチレングリコ−ルまた
    はモノメトキシポリエチレングリコ−ルであることを特
    徴とする、請求項1乃至7のいずれかひとつに記載のグ
    ラフト共重合体。
  9. 【請求項9】高分子側鎖がモノメトキシポリエチレング
    リコ−ルであることを特徴とする、請求項1乃至8のい
    ずれかひとつに記載のグラフト共重合体。
  10. 【請求項10】生理的pHの水性媒体中で正に帯電する
    物質である芯物質が、静電結合を介し、請求項1乃至9
    のいずれかひとつに記載のグラフト共重合体である外郭
    物質によって被覆され形成する微粒子分子集合体。
  11. 【請求項11】芯物質が、高分子であることを特徴とす
    る、請求項10記載の微粒子分子集合体。
  12. 【請求項12】芯物質が、リポソームであることを特徴
    とする、請求項10記載の微粒子分子集合体。
  13. 【請求項13】芯物質が、ジ(C10-18 アルカノイル)
    ホスファチジルコリン、ステアリルアミン、3−β−
    [N−(N’、N’−ジメチルアミノエタン)カルバモ
    イル]コレステロ−ルおよび/またはN−α−トリメチ
    ルアンモニオアセチルジドデシル−D−グルタメ−トク
    ロライドから構成されるリポソ−ムであることを特徴と
    する、請求項10または12記載の微粒子分子集合体。
  14. 【請求項14】芯物質が、ジパルミトイルホスファチジ
    ルコリン、ステアリルアミン、3−β−[N−(N’、
    N’−ジメチルアミノエタン)カルバモイル]コレステ
    ロ−ルおよび/またはN−α−トリメチルアンモニオア
    セチルジドデシル−D−グルタメ−トクロライドから構
    成されるリポソ−ムであることを特徴とする、請求項1
    0、12または13記載の微粒子分子集合体。
  15. 【請求項15】芯物質が、ジパルミトイルホスファチジ
    ルコリンおよび/または3−β−[N−(N’、N’−
    ジメチルアミノエタン)カルバモイル]コレステロ−ル
    から構成されるリポソ−ムであることを特徴とする、請
    求項10、12、13または14記載の微粒子分子集合
    体。
  16. 【請求項16】芯物質が、ジパルミトイルホスファチジ
    ルコリンおよび/またはN−α−トリメチルアンモニオ
    アセチルジドデシル−D−グルタメ−トクロライドから
    構成されるリポソ−ムであることを特徴とする、請求項
    10、12、13または14記載の微粒子分子集合体。
  17. 【請求項17】芯物質が、コレステロ−ルを構成成分と
    して添加したリポソームであることを特徴とする、請求
    項10、12、13、14、15または16記載の微粒
    子分子集合体。
  18. 【請求項18】請求項10乃至17のいずれかひとつに
    記載の微粒子分子集合体に薬物が包含された薬物運搬
    体。
  19. 【請求項19】薬物が、脂溶性化合物であることを特徴
    とする、請求項18記載の薬物運搬体。
  20. 【請求項20】薬物が、生理的pHの水性媒体中におい
    て負に帯電する化合物であることを特徴とする、請求項
    18記載の薬物運搬体。
  21. 【請求項21】薬物が、生理的pHの水性媒体中におい
    て正に帯電する化合物であることを特徴とする、請求項
    18記載の薬物運搬体。
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