JPH11301100A - インクジェット用被記録材の製造方法 - Google Patents

インクジェット用被記録材の製造方法

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JPH11301100A
JPH11301100A JP10110322A JP11032298A JPH11301100A JP H11301100 A JPH11301100 A JP H11301100A JP 10110322 A JP10110322 A JP 10110322A JP 11032298 A JP11032298 A JP 11032298A JP H11301100 A JPH11301100 A JP H11301100A
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ink
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ink receiving
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Takao Kadokura
孝雄 門倉
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インク受容性と耐水性に優れ、かつインクジ
ェットにより形成された印字や画像が裏面から見やすい
インクジェット用被記録材の製造方法を提供する。 【解決手段】 疎水性有機バインダー及び界面活性剤が
有機溶媒に溶解している溶液に無機粒子及び/又は有機
粒子が懸濁しているスラリーを、透明な基材上に塗布し
たのち乾燥してインク受容層を形成し、次いでこのイン
ク受容層の表面に該界面活性剤を溶解し得る溶媒を塗布
したのち再び乾燥する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット用
被記録材、特にインク受容性と耐水性に優れ、且つイン
クジェットにより形成された印字や画像が裏面から見や
すいインクジェット用被記録材の製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリンターは、文書だけ
でなく広告その他の展示物の作成にも広く用いられるよ
うになってきている。インクジェットプリンターのイン
クは、主として水に色素及び各種の助剤を溶解させた水
溶性インクであり、このインクを受容する被記録材とし
ては、基材に水溶性高分子化合物の塗布層を設けたもの
や、この塗布層の中に種々の粒子を含有させたものなど
が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のインクジェット
用被記録材の問題点の一つは、耐水性に乏しいことであ
る。すなわちインク受容層が水溶性高分子化合物を主体
としているので、これに水性インクで文字や画像を形成
した記録物は、水と接触すると滲みが生じ、甚だしい場
合には記録層そのものが溶出してしまう。
【0004】この耐水性に乏しいという問題に対する対
策の一つとして、記録面に透明フィルムを貼付すること
が行われている。この方法は長期間に亘り耐水性を確保
する方法として有効であるが、フィルムの貼付操作が煩
雑である。また、最近では広告等の展示物で、せいぜい
数カ月程度の比較的短期間の耐久性を満足すればよいと
いう分野に適した被記録材が要求されつつある。
【0005】更にインクジェットにより形成された印字
や画像を基材側からも見る用途も検討されており、この
用途に適した透明基材上に不透明なインク受容層が設け
られており、しかもインクジェットにより形成された印
字や画像が基材側からも鮮明に見える被記録材も要求さ
れている。本発明はこのような要求に適した被記録材の
製造方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、疎水性
有機バインダー及び界面活性剤が有機溶媒に溶解してい
る溶液に無機粒子及び/又は有機粒子が懸濁しているス
ラリーを、透明な基材上に塗布したのち乾燥してインク
受容層を形成し、次いでこのインク受容層の表面に該界
面活性剤を溶解し得る溶媒を塗布したのち再び乾燥する
ことにより、インク受容性と耐水性に優れ、且つインク
ジェットにより形成された印字や画像が基材側からも鮮
明に見えるインクジェット用被記録材を製造することが
できる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明について詳細に説明する
と、本発明で用いる被記録材製造用の基材としては、常
用のもののなかで透明なものを用いればよく、通常はポ
リエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化
ビニルなどの耐水性が良く、かつ取り扱い性も良いプラ
スチックフィルム、なかでもポリエチレンテレフタレー
トフィルムが好んで用いられる。基材の厚さは通常10
〜150μm、特に25〜120μmであり、記録物の
用途や取り扱い性を考慮して適宜選択すればよい。
【0008】本発明ではこの基材上に、疎水性有機バイ
ンダー及び界面活性剤が有機溶媒に溶解している溶液
に、無機粒子及び/又は有機粒子が懸濁しているスラリ
ーを塗布したのち乾燥して、インク受容層を形成する。
従って形成されたインク受容層は、無機粒子及び/又は
有機粒子を、疎水性有機バインダーで基材に結着した構
造を有している。
【0009】疎水性有機バインダーとしては、有機溶媒
に可溶性のものを用いる。例えば、ポリビニルブチラー
ル、ポリエステル、アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、ポリエーテルイミド、ポリサルホン、ポリ
ウレタンなどが用いられる。なかでもポリエステルを単
独で用いるか、又はポリエステルと他の有機溶媒に可溶
な樹脂との混合物でポリエステルが50重量%以上を占
めるものを用いるのが好ましい。このような混合物とし
ては、例えばポリエステルにその5〜30重量%のポリ
アクリル酸エステルを配合したものが用いられる。この
ものはポリエステル単独のものよりもインク吸収性の良
いインク受容層を与える。なおポリアクリル酸エステル
を配合すると耐水性が低下する傾向があるので、ステア
リン酸マグネシウムなどの耐水性向上剤をバインダーに
対して2〜30重量%併用するのが好ましい。
【0010】界面活性剤としては、陰イオン界面活性
剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界
面活性剤のいずれを用いることもできるが、中でも陰イ
オン界面活性剤若しくは陽イオン界面活性剤をそれぞれ
単独で用いるか、又はこれらを併用するのが好ましい。
一般には両者を併用するのが好ましい。これらの界面活
性剤としてはアルキルベンゼンスルホン酸ソーダ、アル
カンスルホン酸ソーダ、高級アルコールの硫酸エステル
塩、長鎖アルキル基を有するアミン塩や第4級アンモニ
ウム塩など、常用のものを用いることができる。界面活
性剤は疎水性有機バインダー100重量部につき通常
0.1重量部以下の量で用いられる。界面活性剤は記録
時にインク受容層中におけるインクの移動を助長すると
考えられる。しかし界面活性剤の量が多過ぎると、記録
時にインクの横方向への拡散による滲みが発生したり、
形成された記録物の耐水性が低下して水ぬれ時にインク
の滲み出しが起き易くなる。界面活性剤は疎水性有機バ
インダー100重量部につき、一般に0.01〜0.1
0重量部、特に0.02〜0.06重量部となるように
用いるのが好ましい。
【0011】無機粒子としては、炭酸カルシウム、シリ
カ、珪藻土、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪
酸カルシウム、アルミナ、ゼオライト、硫酸バリウム、
硫酸カルシウムなどが用いられる。これらは単独で用い
てもよく、またいくつかを併用してもよい。なかでもイ
ンク吸収性に優れている炭酸カルシウムを用いるのが好
ましい。炭酸カルシウムは単独で用いる以外に、炭酸カ
ルシウム以外の他の無機粒子と併用することもできる
が、その場合でも少くとも50重量%は炭酸カルシウム
であるのが好ましい。炭酸カルシウムとしては、通常は
粒径1〜20μm、好ましくは2〜8μm、BET法に
よる比表面積が3〜70m2 /g、好ましくは5〜50
2 /g、JIS K−5421法による吸油量が30
〜200ml/100g、好ましくは50〜170ml
/100gのものを用いる。
【0012】無機粒子として特に好ましいのは、アラゴ
ナイト質炭酸カルシウムである。このものは針状結晶で
あるが、この針状の結晶がからみ合ってイガグリ状ない
しはウニ殻状外観を呈しているものを用いるのが好まし
い。アラゴナイト質炭酸カルシウムを用いると、表面硬
度が高く且つ強度の大きいインク受容層を形成すること
ができる。これは、その粒子構造の特異性により、粒子
が相互にからみ合うためと考えられる。アラゴナイト質
炭酸カルシウムとしては、通常は粒径1〜20μm、好
ましくは2〜8μm、BET比表面積が3〜70m2
g、好ましくは5〜50m2 /g、JIS K−542
1法による吸油量が30〜200ml/100g、好ま
しくは50〜170ml/100gのものを用いる。
【0013】アラゴナイト質炭酸カルシウムは、所望な
らば上述したような他の無機粒子と併用してもよいが、
その場合でも無機粒子の少くとも50重量%はアラゴナ
イト質炭酸カルシウムであるのが好ましい。併用する無
機粒子としては上記した多孔質の炭酸カルシウムが好ま
しく、例えばアラゴナイト質炭酸カルシウムが50重量
%以上であり、残余の無機粒子の少くとも一部が上記し
た多孔質の炭酸カルシウムである無機粒子の組合せは、
本発明により被記録材を製造する好ましい態様の一つで
ある。
【0014】有機粒子としては、アクリル樹脂、尿素樹
脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、スチレン樹脂など
が用いられる。なかでも尿素樹脂を用いるのが好まし
い。尿素樹脂としては、粒径0.1〜50μm、特に1
〜5μm、JIS K−5101法による吸油量が20
0〜1500ml/100g、特に400〜1100m
l/100gのものを用いるのが好ましい。通常は尿素
樹脂を単独で用いる。勿論、他のものを併用することも
できるが、その場合でも有機粒子の少くとも50重量%
は尿素樹脂を用いるのが好ましい。
【0015】無機粒子と有機粒子とは、それぞれ単独で
用いることもできるし、また両者を併用することもでき
る。無機粒子及び有機粒子をそれぞれ単独で用いる場合
には、疎水性有機バインダー100重量部に対し、これ
らの粒子が30〜200重量部、特に50〜180重量
部となるように用いるのが好ましい。また両者を併用す
る場合には、疎水性有機バインダー100重量部に対
し、無機粒子と有機粒子とを合計で30〜220重量
部、特に50〜180重量部となるように用いるのが好
ましい。また無機粒子と有機粒子との配合比(重量比)
は、20:80〜80:20が好ましい。
【0016】無機粒子と有機粒子とをそれぞれ単独で用
いる場合、及び両者を併用する場合のいずれにおいて
も、疎水性有機バインダーに対するこれらの粒子の比率
が小さすぎると、形成されるインク受容層のインク受容
性が低下し、その結果、記録時にインクの乾燥に時間を
要したり、甚だしい場合にはインクの液だれが発生した
りする。また、形成された記録物も耐水性が低く、水ぬ
れ時にインクの滲み出しが起き易い。これは、インクは
本来的には粒子と粒子との間隙や粒子内の孔隙に吸収さ
れてそこに保持されるべきものなので、疎水性有機バイ
ンダーに対する粒子の比率が小さすぎて粒子表面の相当
部分が疎水性有機バインダーで被覆されたり、粒子間隙
が疎水性有機バインダーで埋められるようになると、イ
ンク吸収が阻害され且つインクが疎水性有機バインダー
上にそのまま保持されることによるものと考えられる。
逆に疎水性有機バインダーに対する粒子の比率が大きす
ぎると、粒子の接着強度が弱くて、インク受容層から粒
子が脱落する粉落ちが発生するようになる。また、記録
時にインクの吸収が良すぎて、所望の濃度や色調がえら
れないこともある。
【0017】インク受容層は、上述の疎水性有機バイン
ダー及び界面活性剤を有機溶媒に溶解し、この溶液に無
機粒子及び有機粒子よりなる群から選ばれた粒子を添加
して懸濁させたスラリーを、基材に塗布して乾燥するこ
とにより形成する。有機溶媒としては、疎水性有機バイ
ンダーを溶解し、かつこれらの粒子を溶解しないもので
あればよく、乾燥し易いように比較的低沸点のものを用
いるのが好ましい。通常はメチルエチルケトン、イソプ
ロピルアルコール、トルエン、メチルイソブチルケト
ン、酢酸エチル、酢酸ブチル、シクロヘキサノン、キシ
レンなどの汎用の溶媒が用いられる。
【0018】インク受容層を形成するスラリー中には、
所望により、分散剤、紫外線吸収剤、光安定剤、増粘
剤、消泡剤、染料、蛍光増白剤など、各種の助剤を添加
してもよい。例えば耐候性を向上させるための紫外線吸
収剤や光安定剤としては、通常のヒンダードアミン系、
ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ベンゾエー
ト系化合物などを、単独で又はいくつか併用して用いれ
ばよい。
【0019】スラリーを基材上に塗布するには、バーコ
ート、ブレードコート、ダイコート、リバースロールコ
ート、グラビアロールコートなど常用の任意の塗布方式
によることができる。乾燥塗布膜厚、すなわちインク受
容層の厚さは、10〜100μm、特に20〜80μm
であるのが好ましい。インク受容層が薄すぎると、記録
時のインクの吸収性及び定着性が不良でインクの液だれ
が発生したり、形成された記録物の耐水性が不良で、水
ぬれ時にインクの滲み出しが起きたりする。なお、イン
ク受容層と基材との接着性を高めるため、基材に接着剤
層を塗布により形成し、その上にインク受容層を形成し
てもよい。
【0020】本発明では、上記のようにして基材上にイ
ンク受容層を形成するスラリーを塗布し、有機溶媒を蒸
発させてインク受容層を形成したならば、次いでこのイ
ンク受容層に使用した界面活性剤を溶解する溶媒を塗布
して再び乾燥する。塗布は前述のスラリーの塗布と同様
にして行うことができる。このインク受容層への溶媒の
塗布・乾燥により、形成されたインク受容層にインクジ
ェットにより形成した印字や画像が、基材側から鮮明に
見えるようになる。その理由は詳らかではないが、受容
層内の界面活性剤が移動することによるものと考えられ
る。すなわちインク受容層表面に塗布された溶媒がイン
ク受容層内を基材側に向って浸透していく過程におい
て、インク受容層内の界面活性剤がこの溶媒に溶解して
共に移動する。従ってインク受容層の表面側の界面活性
剤濃度は低くなり、逆に基材側の濃度は高くなる。この
ように表面側が低く基材側が高いという界面活性剤の濃
度分布を有するインク受容層にインクジェットにより印
字が行われると、インクは界面活性剤に誘導されてイン
ク受容層の内部にまで容易に浸透する。その結果、界面
活性剤が一様に分布しているインク受容層に印字を行っ
た場合に比して、インク受容層の基材側でのインクの濃
度が高まり、形成された印字や画像が基材側から鮮明に
見えるようになるものと考えられる。
【0021】インク受容層に塗布する溶媒としては、用
いた界面活性剤を溶解し易いものであればよく、例えば
エチレングリコール、キシレン、イソプロピルアルコー
ル、水など常用の溶媒を用いることができる。好ましく
は界面活性剤に対する溶解力が大きく且つ比較的低沸点
の有機溶媒を用いる。例えばイソプロピルアルコール又
はイソプロピルアルコールと他の溶媒との混合物でイソ
プロピルアルコールが50重量%以上を占めるものを用
いるのが好ましい。
【0022】溶媒の塗布量はインク受容層の形成に用い
るスラリーの組成により異なるが、通常はインク受容層
を構成する疎水性有機バインダーと無機粒子及び/又は
有機粒子との合計に対し150重量%以下、好ましくは
20〜100重量%である。塗布量が少ないと、インク
受容層内における界面活性剤の移動が不十分なためか、
インクジェットにより形成された印字や画像が基材側か
ら鮮明に見えるようにならない。逆に塗布量が多過ぎて
も印字や画像が基材側から鮮明に見えるようにならず、
しかもインクの横方向への拡散により滲みが発生し易く
なる。これはインク受容層が溶媒で充満されてしまって
インク受容層内に界面活性剤の濃度分布が形成されず、
逆にこの溶媒が蒸発する際に受容層内部の界面活性剤を
含む溶媒が表面に移動してきて表面部分での界面活性剤
の濃度が高まるためと考えられる。
【0023】本発明により製造される被記録材のインク
受容面と反対側の基材面には、所望により接着剤を塗布
し、剥離紙で被覆しておくと、印字された被記録材を透
明基材面に内側から貼付して、外側から観察する用途に
供する場合に便利である。
【0024】
【実施例】以下に実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0025】インクジェット被記録材の製造;疎水性ポ
リエステル樹脂のトルエン−メチルエチルケトン混合溶
液(日本合成化学社製品、ポリエスターLP−044、
樹脂濃度30重量%)に、アラゴナイト質炭酸カルシウ
ム(白石工業社製品、カルライトSA、平均粒径3.3
μm、BET比表面積8〜10m2 /g、JIS K5
421による吸油量80〜110ml/100g)、尿
素−ホルムアルデヒド樹脂(日本化成社製品、有機フィ
ラー、平均粒径3.8μm)及び界面活性剤を添加して
よく攪拌し、均一組成のスラリーとした。このスラリー
を厚さ100μmの透明なポリエチレンテレフタレート
二軸延伸フィルムに、乾燥膜厚が40μmとなるように
塗布して乾燥し、インク受容層を形成した。インク受容
層の表面は平滑であった。
【0026】このインク受容層の表面にイソプロピルア
ルコールを、インク受容層100重量部に対して表−1
に記載の量となるように塗布したのち、90℃の乾燥機
に入れて3分間乾燥した。インク受容層の表面は平滑で
あり、変化は見られなかった。
【0027】インクジェット被記録材の評価;上記で製
造したインクジェット被記録材につき、下記の項目につ
いて評価した。結果を表−1に示す。
【0028】(1)画像の表面側及び基材側の色濃度 被記録材を温度23℃、湿度55%の雰囲気中に24時
間放置したのち、同一雰囲気中で、インクジェットプリ
ンター(シャープ社製品、IO−735)を用いて、市
販のシアン、イエロー及びマゼンタの各顔料系水性イン
クによる印字を行った。形成された画像について、反射
色濃度測定器(日本電色工業社製品、マクベスRD91
8)を用い、インク受容層側及び基材側からその反射色
濃度を測定した。
【0029】(2)記録時のインク滲みと乾燥性 上記の印字に際して、インクの滲み状態を観察したがい
ずれも滲みは見られなかった。またシアン+イエロー、
シアン+マゼンタ及びイエロー+マゼンタの重ね印字を
行ない、インクの吸収・乾燥性を観察し、その結果を下
記により表示した。
【0030】◎:30秒以内にインクが吸収され、印字
部表面が乾燥した状態となった。 ○:50秒以内にインクが吸収され、印字部表面が乾燥
した状態となった。
【0031】(3)品質安定性 被記録材を298×210mm(A4サイズ)に切断し
て試料とした。この試料を温度23℃、湿度55%の雰
囲気中に24時間放置したのち、上記と同様にして印字
し、更に同一雰囲気中に24時間放置した。この試料を
温度50℃、湿度80%の恒温恒湿試験機にインク受容
面を上になるように収容して24時間放置し、次いで温
度50℃、真空度760mmHgの真空乾燥機に同じく
インク受容面を上になるように収容して12時間放置す
る操作を5回反復した。しかしカールの発生、インク受
容層の欠落、及び印字の滲み出しはいずれも見られなか
った。
【0032】(4)隠蔽性 被記録材を298×210mm(A4サイズ)に切断し
て試料とした。この試料を温度23℃、湿度55%の雰
囲気中に24時間放置したのち、上記と同様にして印字
した。室内蛍光灯(三菱電機社製品、KVK4232、
ネオルミスーパーFLR40S・W/M)2本を140
mm離して平行に配置し、これに上記の印字済の被記録
紙を蛍光灯から20mm離し、かつ印字面を蛍光灯に向
けて配置した。この状態で基材側から観察したところ、
いずれのものも全体として白濁していて、印字は明瞭に
識別できるが、蛍光灯は識別できず、十分な隠蔽性を有
していた。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】表−1から明らかなように、本発明方法に
従いインク受容層に溶媒塗布−乾燥を行った実施例のも
のは、インク受容層側と基材側との反射色濃度の差が小
さいが、この処理を行わない比較例のものは両者の反射
色濃度の差が大きい。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 疎水性有機バインダー及び界面活性剤が
    有機溶媒に溶解している溶液に無機粒子及び/又は有機
    粒子が懸濁しているスラリーを、透明な基材上に塗布し
    たのち乾燥してインク受容層を形成し、次いでこのイン
    ク受容層の表面に該界面活性剤を溶解し得る溶媒を塗布
    したのち再び乾燥することを特徴とする、インクジェッ
    ト用被記録材の製造方法。
  2. 【請求項2】 無機粒子の少くとも50重量%が、粒径
    1〜20μm、BET比表面積が3〜70m2 /g、吸
    油量が30〜200ml/100gである炭酸カルシウ
    ムであることを特徴とする請求項1記載のインクジェッ
    ト用被記録材の製造方法。
  3. 【請求項3】 無機粒子の少くとも50重量%が、粒径
    1〜20μm、BET比表面積が3〜70m2 /g、吸
    油量が30〜200ml/100gであるアラゴナイト
    質炭酸カルシウムであることを特徴とする、請求項1記
    載のインクジェット用被記録材の製造方法。
  4. 【請求項4】 有機粒子の少くとも50重量%が、粒径
    0.1〜50μm、吸油量が200〜1500ml/1
    00gの尿素樹脂であることを特徴とする、請求項1な
    いし3のいずれかに記載のインクジェット用被記録材の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 疎水性有機バインダーの少くとも50重
    量%が、ポリエステル樹脂であることを特徴とする、請
    求項1ないし4のいずれかに記載のインクジェット用被
    記録材の製造方法。
  6. 【請求項6】 スラリーが、疎水性有機バインダー10
    0重量部につき無機粒子と有機粒子とを合せて30〜2
    20重量部含有しており、かつ無機粒子と有機粒子との
    重量比が20:80〜80:20であることを特徴とす
    る、請求項1ないし5のいずれかに記載のインクジェッ
    ト用被記録材の製造方法。
  7. 【請求項7】 スラリーが、疎水性有機バインダー10
    0重量部につき0.01〜0.10重量部の界面活性剤
    を含有していることを特徴とする、請求項1ないし6の
    いずれかに記載のインクジェット用被記録材の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 界面活性剤が、アニオン性界面活性剤及
    び/又はカチオン性界面活性剤であることを特徴とす
    る、請求項1ないし7のいずれかに記載のインクジェッ
    ト用被記録材の製造方法。
  9. 【請求項9】 インク受容層に塗布する溶媒の量が、イ
    ンク受容層の20〜100重量%であることを特徴とす
    る、請求項1ないし8のいずれかに記載のインクジェッ
    ト用被記録材の製造方法。
  10. 【請求項10】 インク受容層に塗布する溶媒がイソプ
    ロピルアルコール又はイソプロピルアルコールを50重
    量%以上含む混合溶媒であることを特徴とする、請求項
    1ないし9のいずれかに記載のインクジェット用被記録
    材の製造方法。
  11. 【請求項11】 インク受容層の厚さが10〜100μ
    mであることを特徴とする、請求項1ないし10のいず
    れかに記載のインクジェット用被記録材の製造方法。
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Cited By (2)

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