JPH11300303A - 複合材の清浄化方法及びセルフクリ−ニング性複合材機構 - Google Patents

複合材の清浄化方法及びセルフクリ−ニング性複合材機構

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JPH11300303A
JPH11300303A JP10280059A JP28005998A JPH11300303A JP H11300303 A JPH11300303 A JP H11300303A JP 10280059 A JP10280059 A JP 10280059A JP 28005998 A JP28005998 A JP 28005998A JP H11300303 A JPH11300303 A JP H11300303A
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bathroom
cleaning
toilet
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soft water
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JP10280059A
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Inventor
Yuji Tsukita
祐二 槻田
Hironori Hatono
広典 鳩野
Tomohiro Hirakawa
智博 平河
Kaori Morihara
かおり 森原
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Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】励起光照度が低い場合でも光触媒被覆した複合
材表面を清浄な状態に維持する方法の提供。 【解決手段】光触媒被覆した基材を準備する工程と、前
記光触媒を光励起することにより基材表面を親水性にす
る工程と、前記層表面を洗浄する軟水を準備する工程
と、軟水で基材表面を洗浄する工程を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、部材や物品表面に
光触媒性親水被膜を有する基材の清浄化方法、及び部材
や物品表面に光触媒性親水被膜を有する基材表面を長期
にわたり人手をかけずに清浄に保つことのできる複合材
に関する。
【0002】
【従来の技術】WO96/29375号によれば、光触
媒を被覆した部材や物品が、光触媒の光励起に応じて親
水性を呈し、それにより水で洗浄するだけで表面に付着
した汚れを表面から離脱させることが可能となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、通常の
水道水で洗浄した場合、水中の金属イオンに起因する汚
染物が基材表面に付着し、水との接触角は上昇し、本来
表面の汚れを離脱させるはずの水が逆に親水性を阻害さ
せる要因ともなってしまうという問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記課題を
解決すべく、光触媒粒子を含有する層が形成された基材
を準備する工程と、前記光触媒を光励起あうることによ
り前記層表面を親水性にする工程と、前記層表面を洗浄
する軟水を準備する工程と、前記層表面を軟水で洗浄す
る工程からなる基材の清浄化方法、及び光触媒粒子を含
有する層が形成された基材と、軟水生成装置及び軟水洗
浄装置を具備することを特徴とする複合材を提供する。
光触媒粒子を含有する層表面を軟水で洗浄することによ
り、金属イオンによる汚染物を溶融し、また、付着を未
然に防ぎ、励起光の照度が低くかつ汚れ負荷の大きな浴
室用部材等に関しても親水性を良好に維持し、清浄な状
態を保持することが可能となる。
【0005】本発明の好ましい態様においては、前記表
面層にはブルッカイト型酸化チタン粒子及びアナターゼ
型酸化チタン粒子が含有されているようにする。2種類
の光触媒を混合することで、透明性を維持しつつ膜を厚
くすることが可能になり、微弱な励起光しかえられない
状況においても十分な光触媒効果を発揮し、親水性、防
汚性を向上させることが可能となる。
【0006】本発明の好ましい態様においては、前記表
面層にはさらにシリカ及び/又はケイ素原子に結合する
有機基の少なくとも一部が水酸基に置換されたシリコ−
ンが含有されているようにする。シリカ及び/又はケイ
素原子に結合する有機基の少なくとも一部が水酸基に置
換されたシリコ−ンが含有されることにより、暗所にお
ける親水維持性能が向上する。
【0007】本発明の好ましい態様においては、前記基
材表面を洗浄する軟水の硬度は40mg以下となるよう
にする。より好ましくは10mg以下となるようにす
る。軟水の硬度を40mg以下、さらには10mg以下
とすることにより、固着すると非常にとれにくく、しか
も親水性を阻害する要因にもなるカルシウムイオン、マ
グネシウムイオン等の金属イオンが基材表面に付着する
ことなく清浄な状態が保てる。また、硬度の低い軟水で
洗浄すれば、水滴跡も残ることがなく、清浄な状態が保
てる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の利用可能な複合材は、浴
室用壁材、浴室用床材に限定されるものではなく、広く
利用できる。例えば、浴槽、浴室用グレ−チング、浴室
用天井、シャワ−フック、浴槽ハンドグリップ、浴槽エ
プロン部、浴槽排水栓、浴室用窓、浴室用窓枠、浴室窓
の床板、浴室照明器具、排水目皿、排水ピット、浴室
扉、浴室扉枠、浴室窓の桟、浴室扉の桟、すのこ、マッ
ト、石鹸置き、手桶、浴室用鏡、風呂椅子、トランスフ
ァ−ボ−ド、給湯機、浴室用収納棚、浴室用手すり、風
呂蓋、浴室用タオル掛け、シャワ−チェア、洗面器置き
台等の浴室用部材、ごとく、台所用キッチンバック、台
所用床材、シンク、キッチンカウンタ、排水籠、食器乾
燥機、食器洗浄器、コンロ、レンジフ−ド、換気扇、コ
ンロ着火部、コンロのつまみ等の台所用部材、小便器、
大便器、便器用トラップ、便器用配管、トイレ用床材、
トイレ用壁材、トイレ用天井、ボ−ルタップ、止水栓、
紙巻き器、便座、昇降便座、トイレ用扉、トイレブ−ス
用鍵、トイレ用タオル掛け、便蓋、トイレ用手すり、ト
イレ用カウンタ、フラッシュバルブ、タンク、洗浄機能
付き便座の吐水ノズル等のトイレ用部材、洗面ボウル、
洗面トラップ、洗面所用鏡、洗面用収納棚、排水栓、歯
ブラシ立て、洗面鏡用照明器具、洗面カウンタ、水石鹸
供給器、洗面器、口腔洗浄器、手指乾燥機、回転タオル
等の洗面用部材、洗濯槽、洗濯機蓋、洗濯機パン、脱水
槽、空調機フィルタ、タッチパネル、水栓金具、人体検
知センサ−のカバ−、シャワ−ホ−ス、シャワ−ヘッ
ド、シャワ−吐水部、シ−ラント、目地に好適に利用で
きる。
【0009】軟水は陽イオン交換樹脂に通水することに
より得ることが可能である。陽イオン交換樹脂としては
ナトリウム型陽イオン交換樹脂、水素型陽イオン交換樹
脂、キレート樹脂等がある。陽イオン交換樹脂に通水す
ると、樹脂に備わっている陽イオンと水道水中のカルシ
ウム、マグネシウムなどの陽イオンとがイオン交換を行
うため、軟化する。水素型の陽イオン交換樹脂を使用し
た場合では、イオン交換時に水中のに水素イオンが増加
するため、pHは減少する方向になり、軟水かつ弱酸性
水を得ることが可能となる。また、カルシウムイオン、
マグネシウムイオンをキレートさせて得ることも可能で
ある。キレートさせる方法としてはポリ燐酸塩、ニトリ
ロ三酢酸塩、エチレンジアミン四酢酸塩、シクロペンタ
ジニエル、クラウンエーテル、クリプタンド、オキシ
ン、グリシン等を加えることである。
【0010】軟水とは一般に水の中に含まれているのカ
ルシウムイオン、マグネシウムイオンを炭酸カルシウム
に換算した値が1リットル中に100mg以下のものを
いう。日本国内の水はたいていこの範囲内に入るが、本
発明において硬度は40mg以下、さらには10mg以
下が好ましい。カルシウムイオン、マグネシウムイオン
等の金属イオンによる汚染物が付着することなく清浄な
状態が保てるからである。硬度の高い水、すなわちカル
シウムイオン、マグネシウムイオンの多い水を使用する
と複合材表面にこれらの金属イオンによる汚染物が付着
する。この汚染物は固着すると非常にとれにくく、しか
も親水性を阻害する要因にもなるため、付着させないこ
とが重要である。そのためには固着する前に軟水で洗浄
することが好ましい。軟水で洗浄すれば、水滴跡も残る
ことがなく、清浄な状態が保てる。さらに好ましくは通
常使用時の水も軟水を使用することである。洗剤・石鹸
等の成分と結合して表面に付着し親水化を阻害させる汚
染物を生成させないためである。このように軟水を用い
ることにより、金属イオンによる汚染物を溶融し、付着
を防ぎ、親水性を良好に回復・維持することが可能とな
る。また、洗浄に用いる軟水の温度を上げることにより
防汚性をさらに向上させることが可能である。弱酸性の
軟水を使用すれば、微生物や菌の成長抑制・死滅させる
ことができるため、さらに防汚性を向上させることが可
能となる。
【0011】軟水洗浄装置は、機材に組み込む方法と独
立に設ける方法とがある。機材に組み込む方法として
は、例えば、便器配管に前記軟水生成装置を接続し便器
洗浄とともに光触媒で被覆した便器表面に吐水する方法
がある。洗面器配管や浴室配管に接続する方法もある。
洗面器配管に軟水生成装置を接続してやれば、洗浄時だ
けでなく、洗面・洗髪時にも軟水を使用することが可能
となる。浴室配管に軟水生成装置を接続してやれば、上
記洗面・洗髪時に加えて洗体時・入浴時にも軟水を使用
することが可能となる。洗剤・石鹸等の成分と結合して
複合材表面の親水化を阻害させる汚染物を生成させない
だけでなく、石鹸やシャンプー等の泡立ちも良くなる、
洗髪後は髪の毛のごわつき・パサつきも防ぐことができ
る等の美容効果もえられる。独立に設ける方法として
は、例えば、浴室の棚等に軟水生成装置を組み込んだ噴
霧器を設け、光触媒で被覆した浴室部材にかけるように
する。
【0012】光触媒粒子としては、アナタ−ゼ型酸化チ
タン、ブルッカイト型酸化チタン、ルチル型酸化チタ
ン、酸化錫、酸化亜鉛、三酸化二ビスマス、三酸化タン
グステン、酸化第二鉄、チタン酸ストロンチウムの群か
ら選ばれる1種又は2種以上等が使用できる。
【0013】シリコ−ンとしては、加水分解性シラン、
アルキルシリケ−ト、それらの(部分)加水分解物、加
水分解・縮合物などが使用できる。ここで加水分解性シ
ランとしては、メチルトリメトキシシラン、エチルトリ
メトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルト
リエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、エチ
ルトリプロポキシシラン、n−プロピルトリメトキシシ
ラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピル
トリプロポキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラ
ン、イソプロピルトリエトキシシラン、イソプロピルト
リプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチ
ルトリブトキシシラン、n−プロピルブトキシシラン、
イソプロピルブトキシシラン、フェニルトリメトキシシ
ラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリプロ
ポキシシラン、フェニルトリブトキシシラン、γ−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキ
シプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロ
ピルトリプロポキシシラン、γ−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルト
リエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリプ
ロポキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリメトキシシラン、β−(3、4−エポキ
シシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、γ−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピル
トリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメト
キシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラ
ン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフ
ルオロプロピルトリエトキシシラン、フェニルメチルジ
エトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチル
ジエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、フェニ
ルメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラ
ン、ジフェニルジエトキシシラン等の加水分解性オルガ
ノシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキ
シシラン、テトラn−プロポキシシラン、テトラブトキ
シシラン、テトラメトキシシラン、ジメトキシジエトキ
シシラン等のテトラアルコキシシランなどが使用でき
る。アルキルシリケ−トとしては、メチルシリケ−ト、
エチルシリケ−ト、プロピルシリケ−ト、ブチルシリケ
−トなどが使用できる。
【0014】本発明の光触媒含有表面層中には他の無機
酸化物も添加できる。無機酸化物としてはセリア、ジル
コニア、アルミナ、無定型酸化チタン、酸化錫、マグネ
シア、カルシア、イットリア、酸化マンガン、クロミ
ア、酸化バナジウム、酸化銅、酸化コバルト、酸化ニッ
ケル、酸化ルテニウム、ハフニア、酸化ストロンチウ
ム、酸化銀の群から選ばれる1種又は2種以上等が挙げ
られる。これら無機酸化物は充填剤として被膜の強度を
向上させる。さらに、このうちジルコニアを添加すると
耐アルカリ性、耐水性が向上する。またアルミナ、セリ
ア、イットリアを添加すると暗所親水維持性が向上す
る。また酸化ルテニウム、酸化銅を添加すると酸化還元
力が向上する。また、酸化銀、酸化銅を添加すると抗菌
性が向上する。
【0015】本発明の光触媒含有表面層中には、銀、
銅、パラジウム、白金、ロジウム、プラチウム、ルテニ
ウム、金、亜鉛、コバルト、鉄、ニッケル、ナトリウ
ム、リチウム、ストロンチウム、カリウム、カルシウ
ム、マグネシウム又はそれら金属の化合物の群から選ば
れる1種以上が添加してもよい。銀、銅、亜鉛又はそれ
ら金属の化合物の群から選ばれる1種以上を添加するこ
とで、抗菌性を付与することができる。パラジウム、白
金、ロジウム、プラチウム、ルテニウム、金、コバル
ト、鉄、ニッケル又はそれら金属の化合物の群から選ば
れる1種以上を添加することで、光半導体の光励起によ
る酸化還元触媒性能を向上させることができる。ナトリ
ウム、リチウム、ストロンチウム、カリウム、カルシウ
ム、マグネシウム又はそれら金属の化合物の群から選ば
れる1種以上を添加することで、光半導体の光励起に応
じた親水化性能を向上させることができる。
【0016】本発明の光触媒含有表面層中には、層状酸
化物、アパタイト、ゼオライト、活性炭、金属酸化物ゲ
ル、金属水酸化物ゲル、ヒドロキシアパタイト、リン酸
金属塩の群から選ばれる1種以上を添加してもよい。そ
うすることで、メチルメルカプタン、アンモニア、アル
デヒド類等の悪臭やエチレン等の青果の鮮度喪失物質や
NOx、SOx等の有害気体等の分解反応において、本
発明の部材表面への吸着性が増加し、光触媒の酸化還元
触媒機能による上記物質の分解が一層促進される。
【0017】光触媒の光励起は、光触媒結晶の伝導電子
帯と価電子帯との間のエネルギ−ギャップよりも大きな
エネルギ−(すなわち短い波長)を有する光を光触媒に
照射して行う。より具体的には、光触媒がアナタ−ゼ型
酸化チタンの場合には波長387nm以下、ルチル酸化
チタンの場合には波長413nm以下、酸化錫の場合に
は波長344nm以下、酸化亜鉛の場合には波長387
nm以下の光を含有する光線を照射する。上記光触媒の
場合は、紫外線光源により光励起されるので、光源とし
ては、蛍光灯、白熱電灯、メタルハライドランプ、水銀
ランプのような室内照明、太陽光や、それらの光源を低
損失のファイバ−で誘導した光源等を利用できる。複合
材表面の親水性維持に必要な、光半導体を光励起するた
めに必要な光の照度は、0.0001mW/cm2
上、好ましくは0.001mW/cm2 以上、より好ま
しくは0.01mW/cm2 以上である。
【0018】(実施例1:軟水洗浄による防汚性の向
上)市販の光触媒フィルム(日本曹達製、ビストレータ
F)を150mm×200mmの塩ビ鋼板に粘着材を用
いて貼着させて得た試料を浴室の壁に設置して防汚評価
を行った。試料設置位置は、汚れやすく、汚れの負荷の
大きい洗い場の壁の下部を選んだ。入浴人数は1日4人
とし、毎日入浴後に水道水、酸性水各々を使用して洗浄
操作を実施した。夜間には白色蛍光灯にて照度10μW/
cm2,1μW/cm2の2条件の紫外線を5時間照射した。軟
水はイオン交換樹脂を用いて供給できるようにした。付
着する汚れは石鹸かす、皮脂汚れなどで、この汚れを評
価する指標として見た目の感じに近い光沢保持率を用い
た。光沢率の測定には、日本電色工業製光沢計を用い
た。比較のため、PET鋼板についても同様に浴室の壁
に設置して防汚評価を行い、各種洗浄操作を実施した。
その結果を下表に示す。
【0019】
【表1】
【0020】表1の結果から、PET鋼板で見ると、洗
浄する水の硬度による光沢保持率による差はない。しか
し、光触媒と軟水とを組み合わせることにより、水道水
洗浄に比べて、2倍以上防汚性が向上することが確認で
きた。
【0021】(実施例2:軟水の温度による防汚性の向
上)先ず、ロールコーティング法により、あらかじめ表
面にポリエステル系プライマーが固定されたポリエチレ
ンテレフタレートフィルム(東洋紡製、A4100)上
に、シリコーン系ハードコート剤(信越化学製、KP−
858)を被覆し、下地層を形成した。さらにその上に
第1のアルキルシリケート入り光触媒コーティング液
(石原産業製、STK01、チタニア/シリケート比8
/2、固形分濃度10%)と、第2のアルキルシリケー
ト入り光触媒コーティング液(石原産業製、STK0
3、チタニア/シリケート比5/5、固形分濃度10
%)と、エタノールとを重量比で1:1:8で混合した
液を被覆し、光触媒フィルムを作成した。ロールコート
の処理温度は120℃、ロール速度は1〜100m/
分、ロールコート後は室温〜120℃で養生を行った。
上記光触媒フィルムを100mm×300mmの塩ビ鋼
板に粘着材を用いて貼着して得た試料を浴室に設置して
防汚評価を行った。汚れ負荷量を大きくして試料間の差
異をより早く明らかにするため、80cm四方のシャワ
ーブース内でシャワーを用い体を洗うモニター試験を実
施した。入浴は1日4人とし、夜間には白色蛍光灯にて
照度1μW/cm2 の紫外線を1日5時間照射した。
尚、試料は汚れやすく、また汚れの負荷の高い、シャワ
ーブース内の下端に固定した。比較のため、PET鋼板
についても同様に防汚評価を実施した。評価の結果は、
実施例1と同様に光沢保持率80%維持する日数で表わ
した。その結果を下表に示す。
【0022】
【表2】
【0023】表2の結果から、水道水では洗浄水の温度
を高くしても、光沢率による差はほとんどない。一方、
軟水では洗浄水の温度を高くすることによって、防汚性
がさらに向上することが確認できた。
【0024】(実施例3:各種硬度の水による親水維持
性の確認)まず、エチルシリケート(コルコート社製、
ES40);6g、メタノール;44.7g、2%硝酸
水溶液;9.3gを混合し、30℃の温度で3日間攪拌
してエチルシリケートの加水分解液を調整した。次にこ
の加水分解液;25gにジアセトンアルコールとn−プ
ロパノールを等量混合した溶剤;35g、チタニアゾル
(昭和電工製、固形分濃度10%);40gを加えて3
0℃で2時間攪拌し、光触媒溶液を調整した。上記光触
媒溶液をフローコーティング法により、200mm×3
00mmの鏡にコーティングし、その後150℃で30
分間乾燥させて試料を得た。この試料を実施例2と同様
のシャワーブースの壁下部に設置し、防汚評価を実施し
た。入浴は1日4人とし、入浴終了後各種硬度の水で洗
浄を行った。夜間には、白色蛍光灯で1μW/cm2
の紫外線を1日5時間照射した。比較のため、光触媒を
コーティングしていない鏡についても同様に評価した。
評価の結果は、水との接触角30°を維持する日数で示
した。その結果を下表に示す。
【0025】
【表3】
【0026】表3の結果から、光触媒処理していない鏡
は、洗浄水の硬度による差はあまりない。一方、光触媒
処理した鏡は、洗浄する水の硬度が小さいほど、防汚性
が向上することが確認できた。
【0027】(実施例4:低照度下における防汚性評
価)実施例3と同様のエチルシリケート加水分解液にブ
ルッカイト型酸化チタンゾル(昭和電工製の酸化チタ
ン:固形分濃度10%、平均粒径15nm、板状)、ア
ナターゼ型酸化チタンゾル(石原産業製酸化チタン:固
形分濃度10%、平均粒径5nm、球状)及びイソプロ
ピルアルコールを混入し、30度の温度で2時間攪拌
し、固形分3%に調整した。さらにn−プロパノールで
固形分0.5%に希釈したコーティング組成物を得た。
このコーティング組成物をフローコーティング法にて2
00mm×300mmの鏡面に塗布し室温にて乾燥させ
た後、150°で30分熱処理し硬化させて、試料を得
た。上記により得られた試料を浴室内の壁下方に設置
し、防汚評価を行った。入浴は1日4人とし、毎日入浴
後には軟水(硬度36mg/l)により洗浄を行った。
夜間には白色蛍光灯で0.001μW/cm2の紫外線
を1日5時間照射した。比較のため、実施例3で得た試
料も同様に評価を行った。実施例3の試料は、5日で親
水性を失った。一方、2種類の光触媒を使用して作成し
た試料は、2週間以上親水性を維持し、清浄な状態を維
持した。
【0028】
【発明の効果】軟水で複合材表面を洗浄する工程を繰り
返し行うことにより、励起光の照度が低くかつ汚れ負荷
の大きな浴室用部材等に関しても親水性を良好に維持
し、清浄な状態を保持することが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A47K 11/00 A47K 11/00 13/00 13/00 B01J 35/02 B01J 35/02 J C08L 83/06 C08L 83/06 C09K 3/18 104 C09K 3/18 104 (72)発明者 森原 かおり 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複合材表面を清浄化する方法であって、
    光触媒粒子を含有する層が形成された複合材を準備する
    工程と、前記光触媒を光励起することにより前記層表面
    を親水性にする工程と、前記層表面を洗浄する軟水を準
    備する工程と、前記層表面を軟水で洗浄する工程からな
    る基材の清浄化方法。
  2. 【請求項2】 前記表面層にはブルッカイト型酸化チタ
    ン粒子及びアナターゼ型酸化チタン粒子が含有されてい
    ることを特徴とする請求項1記載の清浄化方法。
  3. 【請求項3】 前記表面層にはさらにシリカ及び/又は
    ケイ素原子に結合する有機基の少なくとも一部が水酸基
    に置換されたシリコ−ンが含有されていることを特徴と
    する請求項1または2に記載の清浄化方法。
  4. 【請求項4】 前記層表面を洗浄する軟水の硬度は40
    mg以下であることを特徴とする請求項1〜3に記載の
    清浄化方法。
  5. 【請求項5】 光触媒粒子を含有する層が形成された複
    合材と、前記複合材表面を洗浄する軟水を生成する装置
    及び前記基材表面を軟水で洗浄する装置を具備すること
    を特徴とするセルフクリーニング性複合材機構。
  6. 【請求項6】 前記表面層にはブルッカイト型酸化チタ
    ン粒子及びアナターゼ型酸化チタン粒子が含有されてい
    ることを特徴とする請求項5に記載のセルフクリーニン
    グ性複合材機構。
  7. 【請求項7】 前記表面層にはさらにシリカ及び/又は
    ケイ素原子に結合する有機基の少なくとも一部が水酸基
    に置換されたシリコ−ンが含有されていることを特徴と
    する請求項5及び6に記載のセルフクリーニング性複合
    材機構。
  8. 【請求項8】 前記層表面を洗浄する軟水の硬度は40
    mg以下であることを特徴とする請求項5〜7に記載の
    セルフクリーニング性複合材機構。
  9. 【請求項9】 前記複合材は浴槽、浴室用壁材、浴室用
    床材、浴室用グレ−チング、浴室用天井、シャワ−フッ
    ク、浴槽ハンドグリップ、浴槽エプロン部、浴槽排水
    栓、浴室用窓、浴室用窓枠、浴室窓の床板、浴室照明器
    具、排水目皿、排水ピット、浴室扉、浴室扉枠、浴室窓
    の桟、浴室扉の桟、すのこ、マット、石鹸置き、手桶、
    浴室用鏡、風呂椅子、トランスファ−ボ−ド、給湯機、
    浴室用収納棚、浴室用手すり、風呂蓋、浴室用タオル掛
    け、シャワ−チェア、洗面器置き台等の浴室用部材、ご
    とく、台所用キッチンバック、台所用床材、シンク、キ
    ッチンカウンタ、排水籠、食器乾燥機、食器洗浄器、コ
    ンロ、レンジフ−ド、換気扇、コンロ着火部、コンロの
    つまみ等の台所用部材、小便器、大便器、便器用トラッ
    プ、便器用配管、トイレ用床材、トイレ用壁材、トイレ
    用天井、ボ−ルタップ、止水栓、紙巻き器、便座、昇降
    便座、トイレ用扉、トイレブ−ス用鍵、トイレ用タオル
    掛け、便蓋、トイレ用手すり、トイレ用カウンタ、フラ
    ッシュバルブ、タンク、洗浄機能付き便座の吐水ノズル
    等のトイレ用部材、洗面ボウル、洗面トラップ、洗面所
    用鏡、洗面用収納棚、排水栓、歯ブラシ立て、洗面鏡用
    照明器具、洗面カウンタ、水石鹸供給器、洗面器、口腔
    洗浄器、手指乾燥機、回転タオル等の洗面用部材、洗濯
    槽、洗濯機蓋、洗濯機パン、脱水槽、空調機フィルタ、
    タッチパネル、水栓金具、人体検知センサ−のカバ−、
    シャワ−ホ−ス、シャワ−ヘッド、シャワ−吐水部、シ
    −ラント、目地のいずれかであることを特徴とする請求
    項5〜8に記載のセルフクリーニング性複合材機構。
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