JP2003171604A - 抗菌性光触媒塗料及び抗菌性光触媒部材 - Google Patents

抗菌性光触媒塗料及び抗菌性光触媒部材

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JP2003171604A
JP2003171604A JP2001369131A JP2001369131A JP2003171604A JP 2003171604 A JP2003171604 A JP 2003171604A JP 2001369131 A JP2001369131 A JP 2001369131A JP 2001369131 A JP2001369131 A JP 2001369131A JP 2003171604 A JP2003171604 A JP 2003171604A
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oxide
antibacterial
photocatalyst
photocatalytic
paint
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Application number
JP2001369131A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Shimatani
博之 島谷
Joji Nishimoto
丈治 西本
Shinya Matsuo
伸也 松尾
Takahisa Komata
孝久 小俣
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可視光領域で、シンプルな新しい機構に基
づいて光触媒活性を発揮する、安価な酸化物の光触媒を
用い、水性溶剤を用いた耐温水性、耐アルカリ性も有す
る抗菌、防かび、防藻作用を有する抗菌性光触媒塗料お
よび抗菌性光触媒性部材を提供する。 【解決手段】 シリコンアクリルエマルジョン塗料と
水性溶媒と光触媒を含有する抗菌性光触媒塗料であり、
光触媒が、互いに光触媒特性を持ち、かつ、真空準位を
基準としたエネルギーバンド構造における伝導帯底部の
電子のエネルギーレベルと価電子帯頂上の電子のエネル
ギーレベルがそれぞれ異なる酸化物半導体(I)と(I
I)による接合部を有する酸化物複合体により構成され
ると共に、少なくとも酸化物半導体(I)が可視光域で
も光触媒特性を持つ光触媒である抗菌性光触媒塗料およ
び該抗菌性光触媒性部材である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は抗菌、防かび、防藻
作用を有する抗菌性光触媒塗料および抗菌性光触媒性部
材に関する。
【0002】
【従来の技術】抗菌性光触媒塗料には有機塗料と無機塗
料がある。有機樹脂に抗菌剤を含有した抗菌性有機塗料
では、長時間使用すると樹脂が劣化し、特に、屋外で使
用した場合には、表面に汚れが付着したり、紫外線によ
る劣化から、塗膜の抗菌性能が低下しやすい欠点があ
る。一方、ケイ酸塩系、リン酸塩系、ジルコニウム系の
無機組成物に抗菌剤を含有した無機塗料では、上記有機
塗料より耐久性は良好となるが、いずれも200℃以上
の高温で焼き付ける必要があるため建材やプラスチック
に直接塗膜することは難しく使用できる範囲が限られて
いた。特許第2776259号には、ケイ素化合物、お
よび/またはコロイド状シリカの組成からなる無機塗
料、並びに抗菌剤を含有する抗菌性光触媒無機塗料で、
200℃以下で焼き付けができ、柔軟性を有する、長期
間抗菌性能を持続できる無機塗料が開示されている。し
かし、ケイ素化合物をバインダーとして用いるため耐温
水性、耐アルカリ性に劣る欠点があり、また、この無機
塗料では、アルコール等の非水系の有機溶媒に分散して
いるが、最近は環境問題から溶剤を使わない抗菌性光触
媒塗料が求められるようになっていきている。
【0003】抗菌性を示す材料として、最近、塗膜中に
酸化チタンを含有する、セルフクリーニング機能を有す
る塗料が注目されている。この塗料を使用して塗膜を形
成すると、塗膜中のアナターゼ型酸化チタンが太陽光線
に含まれる紫外線を吸収し、電子と正孔とが生成する。
生成した正孔は、強い酸化力を有するため、塗膜表面に
付着した有機物等を分解し、これにより塗膜表面の有機
物による汚染を防止することができる。
【0004】しかしながら、酸化チタンが光触媒として
の性能を発揮するのは紫外線に対してのみである。屋外
では、紫外線は太陽光線のうち4%程度に過ぎないた
め、酸化チタンの高機能化・可視光領域での応答性を目
指して、酸化チタン上に色素を吸着させ可視光を吸収し
て生じた吸着色素の励起状態から酸化チタンへ電子を注
入する方法、Cr,V,Mn,Fe,Niなどの金属イ
オンを化学的に注入する方法、プラズマ照射によって酸
素欠陥を導入する方法、異種イオンを導入する方法など
さまざまな試みが国内外で行われてきている。しかしな
がら、いずれの方法も均一分散が難しい、電子と正孔の
再結合により光触媒活性が低下する、調整コストが高い
などの問題があるため工業化には至っていない。
【0005】その他、最近、ペロブスカイトタイプ酸化
物が触媒活性を有するとして注目されている。例えば、
特開平7−24329号公報においては、一般式A3+
3+3であるLaFeO3および一般式A2+3+Oxであ
るSrMnOxなどが提案されているが、高い触媒活性
は得られていない。また、層状ペロブスカイトタイプの
酸化物の研究も盛んに行われている。例えば、特開平1
0−244164号公報には層状ペロブスカイト型のA
BCO4が記載されており、特開平8ー196912号
公報には、KLaCa2Nb310系複合酸化物が記載さ
れており、特開平11−139826号公報には、KC
2Nb310が提案されている。これらの原理および製
法は複雑であり、また得られた酸化物の化学的安定性に
も問題があるため工業化には至っていない。
【0006】
【発明の解決しようとする課題】本発明は、可視光領域
で、シンプルな新しい機構に基づいて光触媒活性を発揮
する安価な複合酸化物光触媒を用い、水性溶剤を用いた
耐温水性、耐アルカリ性も有する抗菌、防かび、防藻作
用を有する抗菌性光触媒塗料および抗菌性光触媒性部材
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の発明は、
シリコンアクリルエマルジョン塗料と水性溶媒と光触媒
を含有する抗菌性光触媒塗料であり、光触媒が、互いに
光触媒特性を持ち、かつ、真空準位を基準としたエネル
ギーバンド構造における伝導帯底部の電子のエネルギー
レベルと価電子帯頂上の電子のエネルギーレベルがそれ
ぞれ異なる酸化物半導体(I)と(II)による接合部を
有する酸化物複合体により構成されると共に、少なくと
も酸化物半導体(I)が可視光域でも光触媒特性を持つ
ことを特徴とする抗菌性光触媒塗料を提供する。
【0008】第2の発明は、前記光触媒を含有するシリ
コンアクリルエマルジョン塗料がポリオルガノシロキサ
ンとアクリルポリマーの複合化されたものであることを
特徴とする第1の発明に記載の抗菌性光触媒塗料を提供
する。
【0009】第3の発明は、前記光触媒を含有する塗料
が常温架橋型であることを特徴とする第1の発明又は第
2の発明に記載の抗菌性光触媒塗料を提供する。
【0010】第4の発明は、前記光触媒が、酸化物半導
体(I)が、組成式(III)A2-X2 +X8-2δ(但し、
−0.4<X<+0.6、かつ、−0.5<2δ<+
0.5)で表され、かつ複数の価数を取り得るAイオン
とBイオンがそれぞれ規則配列をした組成式(IV)A
2-X 3+2+X 4+7+(X/2)+Y(但し、−0.4<X<+
0.6、かつ、−0.2<Y<+0.2)のパイロクロ
ア型酸化物の蛍石型構造から見た酸素欠損位置または侵
入型位置の少なくとも一方に酸素イオンが挿入されたパ
イロクロア関連構造酸化物で構成され、上記酸化物半導
体(II)が、ルチル型若しくはアナターゼ型またはこれ
等2つの型が混ざった酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、
酸化ジルコニウム、チタン酸ストロンチウムのいずれか
であることを特徴とする第1の発明に記載の抗菌性光触
媒塗料を提供する。
【0011】第5の発明は、前記光触媒に抗菌金属が担
持されていることを特徴とする第1〜4の発明記載の抗
菌性光触媒塗料を提供する。
【0012】第6の発明は、第1〜5の発明に記載の抗
菌性光触媒塗料を基材に塗布し、硬化させ抗菌性光触媒
皮膜を形成したことを特徴とする抗菌性光触媒性部材で
ある。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳述する。まず、
本発明に係る光触媒は、互いに光触媒特性を持ち、か
つ、真空準位を基準としたエネルギーバンド構造におけ
る伝導帯底部の電子のエネルギーレベルと価電子帯頂上
の電子のエネルギーレベルがそれぞれ異なる酸化物半導
体(I)と(II)による接合部を有する酸化物複合体に
より構成されると共に、少なくとも酸化物半導体(I)
が可視光域でも光触媒特性を持つことを特徴としてい
る。
【0014】そして、酸化物複合体の一方を構成する可
視光域でも光触媒特性を持つ上記酸化物半導体(I)と
しては、例えば、組成式(III)A2-X2+X8-2δ(但
し、−0.4<X<+0.6、かつ、−0.5<2δ<
+0.5)で表され、かつ、複数の価数を取り得る上記
AイオンとBイオンがそれぞれ規則配列をした組成式
(IV)A2-X 3+2+X 4+7+(X/2)+Y(但し、−0.4<
X<+0.6、かつ、−0.2<Y<+0.2)のパイ
ロクロア型酸化物の蛍石型構造から見た酸素欠損位置ま
たは侵入型位置の少なくとも一方に酸素イオンが挿入さ
れたパイロクロア関連構造酸化物や、組成式(VI)A2+
4+3-δ(−0.1<δ<0.1)で表されると共
に、Aイオンはアルカリ土類金属元素から選択された1
種以上の元素、Bイオンはランタノイド、IVa族元素、
IVb族元素から選択された1種以上の元素であるペロブ
スカイト型酸化物等が挙げられる。尚、このペロブスカ
イト型酸化物において上記δ値が−0.1<δ<0.1
である理由は、製造上の条件から上記数値範囲外のもの
が得られないからである。
【0015】上記パイロクロア関連構造酸化物において
は、挿入された酸素イオンは動きやすく活性であり、蛍
石型構造から見た酸素欠損位置または侵入型位置にも酸
素を挿入できるため、酸素イオンの溶解サイトが無数に
あり、その触媒活性が非常に高いという特徴を有してお
り、かつ、可視光に対しても有効に光触媒作用を持つ材
料であることを本発明者らは既に見出している。更に、
Aイオンをより低価数あるいは高価数の陽イオンで置換
したり、上記Bイオンを低価数あるいは高価数の陽イオ
ンで置換して挿入酸素イオン量を変化させることによ
り、エネルギーバンドギャップと欠陥準位を変化させて
光吸収特性を制御することも可能である。
【0016】また、酸化物複合体のもう一方を構成する
上記酸化物半導体(II)としては、例えば、ルチル型若
しくはアナターゼ型またはこれ等2つの型が混ざった酸
化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化ジルコニウム、ある
いはチタン酸ストロンチウム等が挙げられる。
【0017】そして、上記酸化物半導体(I)として組
成式(III)A2-X2+X8-2δ(但し、−0.4<X<
+0.6、かつ、−0.5<2δ<+0.5)で表され
るパイロクロア関連構造酸化物(Ce2Zr28)粉末
を用い、かつ、上記酸化物半導体(II)としてアナター
ゼ型酸化チタン粉末を用いた以下に述べる実施例1等か
ら次のことが確認されている。
【0018】すなわち、上記Ce2Zr28粉末とアナ
ターゼ型酸化チタン粉末を重量比でZ:(1−Z)[但
し、0<Z<1]となるように混合し、かつ、700℃
で1時間焼成処理した後、乳鉢で粉砕して実施例1に係
る粉末(光触媒)を先ず調製した。
【0019】ここで、真空準位を基準としたエネルギー
バンド構造における伝導帯底部の電子のエネルギーレベ
ルと価電子帯頂上の電子のエネルギーレベルがそれぞれ
異なる酸化物半導体(I)と(II)を接合させると、一
般に、接合部付近では電子と正孔がそれぞれ一方向に流
れることが知られている。このとき、光照射により促進
された上記吸着現象のために接合部を流れる電子と正孔
は分離される傾向を強める。パイロクロア関連構造酸化
物と酸化チタンとで構成される上記酸化物複合体の場合
には、正孔は接合部の表面(外界と接する側)を、ま
た、電子は接合部の中心を流れることになり、接合部に
おける電子と正孔の流れを分離することは酸化物複合体
全体での電子と正孔の空間的な分離につながり、光によ
り励起された電子と正孔の再結合は抑制される。この結
果、電子と正孔の関与する光触媒反応の反応位置が空間
的に分離されることから、上記接合により触媒活性が大
幅に高められた光触媒になるものと推定される。
【0020】更に、上記酸化物半導体(I)と(II)の
組み合わせを種々に変えることで、ヘテロ接合若しくは
ホモ接合部付近で起きる光触媒反応に関与する電子のエ
ネルギーおよび正孔のエネルギーを制御できることな
ど、異種若しくは同種酸化物半導体による接合を有する
酸化物複合体とすることで種々の利点が生じる。
【0021】尚、上記パイロクロア関連構造酸化物と酸
化チタンとで構成される酸化物複合体の接合は異種酸化
物半導体間の接合であるためヘテロ接合となる。また、
ヘテロ接合を持つ他の酸化物複合体の例としては、Bイ
オンよりも低価数の陽イオンCが最大50モル%の範囲
でドープされた組成式A2+4+ 1-x3+ x3-δ(但し、
0<X≦0.5、かつ、0<δ<0.5)で表されると
共に、Aイオンはアルカリ土類金属元素から選択された
1種以上の元素、Bイオンはランタノイド、IVa族元
素、IVb族元素から選択された1種以上の元素、Cイオ
ンはランタノイド、IIIa族元素、IIIb族元素から選択
された1種以上の元素で構成された可視光域でも光触媒
特性を持つアクセプターがドープされたp型酸化物半導
体のペロブスカイト型酸化物と、窒素がドープされたp
型酸化物半導体の酸化チタンとで構成される酸化物複合
体、あるいは、上述した組成式(VI)A2+4+3-δ
(−0.1<δ<0.1)で表されると共に、Aイオン
はアルカリ土類金属元素から選択された1種以上の元
素、Bイオンはランタノイド、IVa族元素、IVb族元素
から選択された1種以上の元素で構成された可視光域で
も光触媒特性を持つアクセプターがドープされないペロ
ブスカイト型酸化物と酸化チタン若しくは窒素がドープ
された酸化チタンとで構成される酸化物複合体等が挙げ
られる。
【0022】また、同種酸化物半導体間の接合であるホ
モ接合としては、例えば、窒化チタン(TiN)と酸化
チタン(TiO2)を混合粉砕し、焼成処理後、再度粉
砕して得られる酸化物複合体が挙げられる。調製時の反
応により窒化チタンが酸化して酸化チタンに窒素がドー
プした形になっていると推察されることから、この酸化
物複合体は窒素がドープされた酸化チタンと窒素がドー
プされていない酸化チタン(すなわち同種半導体)とで
構成されている。
【0023】ここで、可視光域でも光触媒特性を持つ上
記酸化物半導体(I)として例示された組成式(III)A
2-X2+X8-2δで表されるパイロクロア関連構造酸化
物の前駆体となる組成式(IV)A2-X 3+2+X 4+
7+(X/2)+Yのパイロクロア型酸化物や、上記組成式A2+
4+ 1-x3+ x3-δ(但し、0<X≦0.5、かつ、0
<δ<0.5)で表されるアクセプターがドープされた
ペロブスカイト型酸化物あるいは組成式(VI)A2+4+
3-δ(−0.1<δ<0.1)で表されるアクセプタ
ーがドープされないペロブスカイト型酸化物等は、通常
の固相法、すなわち原料となる各金属成分の酸化物また
は炭酸塩や硝酸塩等の塩類を目的組成比で混合し焼成す
ることで合成されるが、これ以外の湿式法あるいは気相
法で合成してもよい。
【0024】なお、現状、入手可能な例えばZrO2
は不可避的に0.9〜2.0モル%程度のHfO2が含
まれておりHfO2を含んだ状態でZrO2の秤量が行わ
れているが、最終的に調製された光触媒においても特性
を悪化させてはいない。
【0025】ところで、上記組成式(III)A2-X2+X
8-2δで表されるパイロクロア関連構造酸化物を得る
場合、実際には、中間酸化物として歪んだ蛍石型構造酸
化物である組成式(V)t’−A0.5-(X/4)0.5+(X/4)
2相を一旦製造し、この組成式(V)t’−A
0.5-(X/4)0.5+(X/4)2相を還元して組成式(IV)A
2-X 3+2+X 4+7+(X/2)+Yのパイロクロア型酸化物を製
造し、次いで、パイロクロア型酸化物を酸化して酸素を
挿入することにより、組成式(III)A2-X2+X8-2δ
(但し、−0.4<X<+0.6、かつ、−0.5<2
δ<+0.5)で表されるパイロクロア関連構造酸化物
が得られる。尚、中間酸化物である上記組成式(V)で
示されるt’相に異相が混じっていても、その後の還元
で得られるパイロクロア型酸化物A2-X 3+2+X 4+
7+(X/2)+Y中の異相が少なければ問題はない。また、組
成式(V)t’−A0.5-(X/4)0.5+(X/4)2の中間酸化
物を作る過程を省略し、出発原料粉末を混合して、還元
雰囲気で反応させることにより、直接、組成式(IV)A
2-X 3+2+X 4+7+(X/2)+Yのパイロクロア型酸化物を製
造し、その後の酸化処理により、同様の組成式(III)
2-X2+X8-2δ(但し、−0.4<X<+0.6、
かつ、−0.5<2δ<+0.5)で表されるパイロク
ロア関連構造酸化物を得ることができる。
【0026】まず、中間酸化物としての上記組成式
(V)t’−A0.5-(X/4)0.5+(X/4)2で表される酸化
物を得るには、出発原料を秤量し、上記ボールミル等で
混合し、15〜20mmφ程度の円盤状に圧粉成形し、
空気などの酸素含有ガス中、1500〜1750℃で3
0〜70時間焼成することにより得る。次に、製造され
た組成式(V)t’−A0.5-(X/4)0.5+(X/4)2で表さ
れる酸化物を平均粒径1〜2mmに粉砕する。これをロ
ジウム/白金箔上に乗せ酸素気流中500〜700℃で
5時間程度熱処理し酸素量を調整する。
【0027】次に、このt’相を、1%H2/Arまた
は5%H2/Ar気流中で700〜1350℃で10〜
20時間還元する。還元処理後取り出した試料の質量を
精秤し、還元処理前の組成式(V)t’−A0.5-(X/4)
0.5+(X/4)2相からの質量変化から、得られた組成式
(IV)A2-X 3+2+X 4+7+(X/2)+Yのパイロクロア型酸
化物の酸素量を決定する。尚、組成式(IV)A2-X 3+
2+X 4+7+(X/2)+Yの中のYは、パイロクロア型酸化物に
おけるAイオン、Bイオンの価数とそのイオンの量によ
って変化する部分を示す量である。Aイオンが3価より
も小さく、Bイオンが4価よりも小さい価数をとれば、
Yは負数となる。また、製造条件によっては、Aイオン
の一部がBイオン位置に回り込んだり、Bイオンの一部
がAイオンの位置に回り込むことが起こるが、これによ
ってもYの値は変化する。このとき、Yの値が−0.2
より小さい場合、+0.2より大きい場合には、パイロ
クロア型構造を保てなくなってしまう。従って、上記組
成式(IV)中、−0.2<Y<+0.2であることを要
する。
【0028】この後、上記パイロクロア型酸化物をロジ
ウム/白金箔上に乗せ酸素気流中300〜900℃で5
時間程度熱処理すれば、陽イオンの規則配置を保ったま
ま酸素イオンを挿入することができ、組成式(III)A
2-X2+X8-2δ(但し、−0.4<X<+0.6、か
つ、−0.5<2δ<+0.5)で表されるパイロクロ
ア関連構造酸化物が得られる。尚、上記熱処理が300
℃より低いと酸素が十分に結晶中に挿入されない。ま
た、900℃を越えると陽イオンの規則配置が崩れてラ
ンダム配置となり、−0.4>Xか、+0.6<Xであ
ると異相の析出量が増えるため触媒性能が低下してしま
う。
【0029】得られたパイロクロア関連構造酸化物を乳
鉢などで粉砕して粉状にし、以下の比較例で示す通常の
方法で得られたアナターゼ型酸化チタン粉末と重量比で
Z:(1−Z)[但し、0<Z<1]の割合となるよう
に計り取り、乳鉢あるいはボールミル等を用いて混合す
る。
【0030】混合した試料を300〜1200℃で5分
から1時間程度焼成して、異種酸化物半導体の接合を有
する酸化物複合体を調製する。焼成温度が300℃より
低くなると良好な接合が得られない場合があり、また、
1200℃より高くなると異種の反応相が生成すること
から酸化物複合体の光触媒特性が低下してしまう場合が
ある。
【0031】次に、本発明に係る光触媒の形状は、光を
有効に利用するために比表面積の大きい粒子からなるこ
とが望ましく、一般には各粒子の大きさは0.1〜10
μm、より好ましくは0.1〜1μmが適当である。こ
のような粒径からなる酸化物複合体粉末を得る慣用的な
手段としては、乳鉢を用いた手粉砕、あるいはボールミ
ル、遊星回転ボールミルを用いてそれぞれの酸化物半導
体の粉砕を先ず行い、得られた2種類の粉末を秤量、混
合、焼成して上記接合を有する酸化物複合体を得た後、
再度粉砕を行って最終的な試料粉末を得る。
【0032】得られた可視光領域で触媒活性を有する光
触媒と、ポリオルガノシロキサンとアクリルポリマーと
の複合化により皮膜強度(造膜性)と耐候性、撥水性と
いう両ポリマーの機能を兼ね備えているシリコーンアク
リルエマルジョン塗料を、水性溶媒(好ましくは水を主
成分とする)に分散させて塗料とし、これを塗布して常
温で硬化させれば、密着性が良く、防染、抗菌等に優れ
る抗菌性光触媒塗料及び抗菌性光触媒部材を得ることが
できる。
【0033】シリコーンアクリルエマルジョン塗料には
粒子径が80〜500nmの乳白色の外観を有する一般
の乳化重合エマルジョンと、粒子径が8〜80nmで外
観が半透明・青白色のコロイダルディスパージョンがあ
る。
【0034】硬化剤を添加する2液型の水系塗料の場合
は硬化剤の添加を使用直前に行うのが好ましい。また該
組成物の硬化温度は0°C〜150°C、好ましくは1
0°C〜80°Cが好ましい。
【0035】前記光触媒物質に抗菌性金属を添加するこ
とも可能である。ここで、抗菌性金属としては、銅、
銀、鉄、に蹴る、亜鉛、白金、金、パラジウム、カドミ
ウム、コバルト、ロジウム、ルテニウムから選択された
少なくとも1種以上である。光触媒物質に抗菌性金属を
担持することで電荷分離が促進され、光触媒の活性が向
上し抗菌性、抗かび性が向上すると考えられる。
【0036】また、銅担持光触媒ゾルに酢酸銅などを添
加し、必要に応じて紫外線照射を行って光還元メッキを
してもよい。この時、光触媒固形分に対する金属の担持
量が5wt%以上であると光触媒粒子表面が金属で覆わ
れてしまい酸化点が無くなってしまうため光触媒の酸化
還元性能が低下してしまう。よって、光還元メッキによ
り銅を担持させる場合は、金属担持量を光触媒に対して
1wt%から5wt%の範囲とすることが抗菌性、抗か
び性向上に最適である。しかし、銅または酸化銅を混合
して添加する場合は特に制限はない。
【0037】上記光触媒と前記シリコーンアクリルエマ
ルジョン塗料を、水性溶媒(好ましくは水を主成分とす
る)に分散させて塗料とし、ガラスなどの無機物表面、
ステンレスなどの金属表面、PET、ABS、FRP
(ガラス繊維強化プラスチック)製成形体などの基材表
面に0.1〜200μmの厚さになるように塗布または
噴霧した後、10℃〜80℃で常温硬化させることによ
り耐温水性、耐アルカリ性、密着性、耐候性の良好な抗
菌性、抗かび性を有する光触媒皮膜を形成する。
【0038】光触媒による十分な抗菌性、抗かび性を発
揮するためには固形分に対して5wt%以上の光触媒添
加量が必要である。光触媒の含有量を固形分に対して8
0wt%以上添加すると、前記水系塗料の割合が少ない
ためコーティングの密着性、耐温水性、耐アルカリ性お
よび耐候性が低下する。よって光触媒のシリコーンアク
リルエマルジョン塗料への添加量は5wt%から80w
t%が望ましい。
【0039】抗菌性光触媒塗料の塗装方法は、刷毛塗
り、スプレー、浸漬、フローコート、バーコートなど各
種塗布方法が採用できる。
【0040】本発明が適用可能な基材としては、浴槽、
浴室用壁材、浴室用床材、浴室用グレーチング、浴室用
天井、シャワーフック、浴槽ハンドグリップ、浴槽エプ
ロン部、浴槽排水栓、浴室用窓、浴室用窓枠、浴室窓の
床板、浴室照明器具、排水目皿、排水ピット、浴室扉、
浴室扉枠、浴室窓の桟、浴室扉の桟、すのこ、マット、
石鹸置き、手桶、浴室用鏡、風呂椅子、トランスファー
ボード、給湯機、浴室用収納棚、浴室用手すり、風呂
蓋、浴室用タオル掛け、シャワーチェア、洗面器置き台
等の浴室用部材、ごとく、台所用キッチンバック、台所
用床材、シンク、キッチンカウンタ、排水篭、食器乾燥
機、食器洗浄器、コンロ、レンジフード、換気扇、コン
ロ着火部、コンロのつまみ等の台所用部材、小便器、大
便器、便器用トラップ、便器用配管、トイレ用床材、ト
イレ用壁材、トイレ用天井、ボールタップ、止水栓、紙
巻き器、便座、昇降便座、トイレ用扉、トイレブース用
鍵、トイレ用タオル掛け、便蓋、トイレ用手すり、トイ
レ用カウンタ、フラッシュバルブ、タンク、洗浄機能付
き便座の吐水ノズル等のトイレ用部材、洗面ボウル、洗
面トラップ、洗面所用鏡、洗面用収納棚、排水栓、歯ブ
ラシ立て、洗面鏡用照明器具、洗面カウンタ、水石鹸供
給器、洗面器、口腔洗浄器、手指乾燥機、回転タオル等
の洗面用部材、洗濯槽、洗濯機蓋、洗濯機パン、脱水
槽、空調機フィルタ、タッチパネル、水栓金具、人体検
知センサーのカバー、シャワーホース、シャワー吐水
部、シーラント、目地などがある。
【0041】
【実施例】[実施例1] 試料調製 (t’−A0.5-(X/4)0.5+(X/4)2相の製造) 原料 CeO2粉末(三徳金属工業株式会社製、純度
99.99%、ig.-loss3.75%):1.2353
g、 ZrO2粉末(三徳金属工業株式会社製、ZrO2+Hf
2の純度度99.60%、ig.-loss0.45%):
0.8551g 尚、上記「ig.-loss」は、水分、吸収物等によるロスを
示している。
【0042】(混合処理) 1:秤量後の各試料をめの
う製乳鉢を用い、乾式で15分間混合した。
【0043】2:ジルコニア製ボールと混合後の試料を
ガラス瓶に入れ、ボールミルを用いて20時間粉砕混合
した。
【0044】(成形処理) 100MPaの圧力で17
mmφの円盤状に成形した。
【0045】(焼結処理) 試料を、ロジウム/白金製
るつぼに入れ、空気中、1650℃で50時間焼成して
t’−Ce0.5Zr0.52相を製造した。
【0046】(パイロクロア型A2-X 3+2+X 4+
7+(X/2)+Yの製造) (粉砕処理) 上記t’−Ce0.5Zr0.52相の焼結
体をめのう乳鉢を用いて平均粒径1〜2mmに粉砕し
た。
【0047】(酸素量調整) これをロジウム/白金箔
上に乗せ、酸素気流中で600℃で5時間熱処理し酸素
量を調整した。尚、t’−Ce0.5Zr0.52相の酸素
量調整処理により、t’−Ce0.5Zr0.52相におい
て一部含まれていた3価のCeのほとんどが4価に調整
される。
【0048】(還元処理) 次に、このt’−Ce0.5
Zr0.52相を、5%H2/Ar気流中で1300℃で
10時間還元処理した。尚、この還元処理により、4価
に調整された上記t’−Ce0.5Zr0.52相における
Ceのほとんどが3価に調整されてパイロクロア相とな
る。
【0049】(パイロクロア相の酸素量決定) 還元処
理後取り出した試料の質量を精秤し、還元処理前のt’
−Ce0.5Zr0.52からの質量変化からパイロクロア
型酸化物の酸素量を決定したところ、Ce2Zr27.02
となった。
【0050】(A2-X2+X8-2δ相の製造)(酸化処
理) 還元処理後の上記パイロクロア型相(パイロクロ
ア型酸化物)を、ロジウム/白金箔上に乗せ酸素気流中
で600℃で5時間熱処理して酸素量を調整しCe2
28.0のパイロクロア関連構造酸化物(酸化物半導体
I )が得られた。
【0051】(アナターゼ型酸化チタンの製造)硫酸チ
タン溶液を用い、アンモニアをアルカリ処理溶液として
水酸化物の沈殿を生成させ、かつ、この沈殿物を、大気
中、650℃で1時間の条件で焼成処理してアナターゼ
型の酸化チタン(酸化物半導体II )を得た。
【0052】(酸化物複合体の製造) (混合処理) 上記方法で調製されたアナターゼ型の酸
化チタン(酸化物半導体 II )とCe2Zr28.0のパ
イロクロア関連構造酸化物(酸化物半導体 I )を次の
重量比で採取し、ジルコニア乳鉢を用いて乾式で30分
間混合した。 酸化チタン:0.4000g、Ce2Zr28.0:0.
1000g(重量比80:20) (焼成処理) 混合後の試料をそれぞれロジウム/白金
製のるつぼに入れ、大気中、700℃の条件で1時間焼
成した。
【0053】(粉砕処理) 得られた焼成物をジルコニ
ア乳鉢を用いて乾式で30分間粉砕して試料粉末を得
た。
【0054】[実施例2] 試料調製 [CaZrO3-δの調製] (原料) CaCO3粉末(高純度科学研究所株式会社
製、純度99.99%、ig.-loss0.04%):4.3
115g、 ZrO2粉末(三徳金属工業株式会社製、ZrO2+Hf
2の純度度99.60%、ig.-loss0.51%):
5.3714g (混合処理)1:秤量後の各粉末試料をジルコニア製乳
鉢を用い、エタノールを加え1.5時間混合した。
【0055】2:混合後の試料を乾燥後、ジルコニア製
ポットに入れ、遊星回転ボールミルを用いて40分間粉
砕した。
【0056】(乾燥処理) 粉砕後の試料を恒温槽で1
20℃で30分以上乾燥させた。
【0057】(仮焼処理) 乾燥後の試料を、ロジウム
/白金製るつぼに入れ、大気中、1350℃で10時間
仮焼した。
【0058】(再粉砕・混合・乾燥処理) 仮焼後、乳
鉢で再粉砕し、遊星回転ミルで混合した。その後、先の
乾燥と同条件で乾燥した。
【0059】(成形処理) 265MPaの圧力で17
mmφの円盤状に成形した。
【0060】(焼成処理) 成形後の試料をロジウム/
白金製るつぼに入れ、大気中、1650℃で50時間焼
成した。
【0061】(粉砕処理) 焼成後、ジルコニア乳鉢で
1時間粉砕して試料粉末を得た。焼成物の組成は、Ca
ZrO3-δ(δの値は、−0.1<δ<0.1内の数値
である。以下、同様)であった。
【0062】(酸化物複合体の製造)実施例1と同一の
方法で調製されたアナターゼ型のTiO2(酸化物半導
体 II)とCaZrO3-δ(酸化物半導体 I )を次の重
量比で採取し、ジルコニア乳鉢を用いて乾式で30分間
混合した後、以下、実施例1と同様にして試料粉末を得
た。 酸化チタン:0.6300g、CaZrO3-δ:0.0
701g(重量比90:10) (第二工程)光触媒塗料、光触媒含有塗膜の作製法 常温硬化型の水系シリコーンアクリルエマルジョン塗料
(カネカ製、W#0141、2液型アクリルシリコンエ
マルジョン主剤、固形分濃度50wt%、pH7〜8、
平均粒子径215nm)12gと上記光触媒スラリー
(前記方法にて調製された光触媒([実施例1]TiO
2:Ca(Zr0.950.05)O3-δ(重量比80:2
0)、[実施例2]TiO2:CaZrO3-δ(重量比
90:10)の濃度10wt%)50gを1分間撹拌し
塗料とした。
【0063】FRP成形材料であるSMC(Sheet mold
ing compound、不飽和ポリエステル樹脂、充填材、ガラ
ス繊維からなるシート状の成形材料)の床パンサンプル
(20cm角)を水洗、イソプロパノール脱脂後、上記
光触媒塗料を塗布した。塗布後1時間室温乾燥(室温2
8℃)すると常温硬化し、光触媒濃度が固形分に対して
50wt%の抗菌性光触媒塗膜が得られた。
【0064】各塗膜に対し碁盤目剥離試験を行ったが1
00/100で全く剥離はなかった。乾燥したキムワイ
プで擦ってもコーティングの剥離は認められなかった。
1%NaOHを滴下24時間放置後も外観変化は認めら
れなかった。60℃温水に24時間浸漬後も外観変化は
認められなかった。
【0065】
【比較例】酸化チタン光触媒2次加工品(石原産業製光
触媒、ST−K03、無機コーティング剤、固形分濃度
10%(常乾型)、チタニア/シリケート比50/5
0、主用途:抗菌、防汚)をFRP成形材料SMC(Sh
eet molding compound、不飽和ポリエステル樹脂、充填
材、ガラス繊維からなるシート状の成形材料)の床パン
サンプル(20cm角)を水洗、イソプロパノール脱脂
後、上記銅担持光触媒塗料を塗布した。150℃30分
間加熱乾燥後に碁盤目剥離試験を実施すると0/100
で完全に剥離した。また、1%NaOHを滴下1時間放
置後で膜は溶解した。また、60℃温水に24時間浸漬
後に喫水線下の膜は完全に剥離した。
【0066】他に、上記分光光度計(日立製作所製、U
4000分光光度計)を用いて、拡散反射法により各塗
膜の光吸収スペクトルを測定し、試料の可視光領域での
光吸収の状態を調べた。波長λ>420nmの可視光に
対する実施例1、2に係る光触媒の拡散反射率が比較例
に係る光触媒の拡散反射率より低い値を示していること
から、実施例に係る光触媒の可視光域での光吸収は比較
例に係る光触媒より優れていることが確認された。
【0067】
【発明の効果】本発明の抗菌性光触媒塗料および塗膜
は、可視光領域で、シンプルな新しい機構に基づいて光
触媒活性を発揮する、安価な複合酸化物の光触媒を用
い、優れた光触媒性能を有し、溶剤を含まないため環境
に優しく、施工の場合にも作業しやすく、ポリオルガノ
シロキサンとアクリルポリマーとが複合化したシリコー
ンアクリルエマルジョン塗料を用いていることで、皮膜
強度(造膜性)と耐候性、撥水性という両ポリマーの機
能を兼ね備えている。したがって、前記抗菌性光触媒塗
料を塗布して形成された塗膜は、耐温水性、耐アルカリ
性に優れている。。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小俣 孝久 大阪府吹田市山田丘2−1 大阪大学大学 院工学研究科内 Fターム(参考) 4G069 AA03 AA08 BA04B BA22B BA48A BB06A BB06B BC09B BC40B BC51B CA11 EA08 FB23 4J038 CG001 DL031 HA216 KA04 MA08

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコンアクリルエマルジョン塗料と水
    性溶媒と光触媒を含有する抗菌性光触媒塗料であり、光
    触媒が、互いに光触媒特性を持ち、かつ、真空準位を基
    準としたエネルギーバンド構造における伝導帯底部の電
    子のエネルギーレベルと価電子帯頂上の電子のエネルギ
    ーレベルがそれぞれ異なる酸化物半導体(I)と(II)
    による接合部を有する酸化物複合体により構成されると
    共に、少なくとも酸化物半導体(I)が可視光域でも光
    触媒特性を持つことを特徴とする抗菌性光触媒塗料。
  2. 【請求項2】 前記光触媒を含有するシリコンアクリル
    エマルジョン塗料がポリオルガノシロキサンとアクリル
    ポリマーの複合化されたものであることを特徴とする請
    求項1に記載の抗菌性光触媒塗料。
  3. 【請求項3】 前記光触媒を含有する塗料が常温架橋型
    であることを特徴とする請求項1又は2に記載の抗菌性
    光触媒塗料。
  4. 【請求項4】 前記光触媒が、酸化物半導体(I)が、
    組成式(III)A2 -X2+X8-2δ(但し、−0.4<X
    <+0.6、かつ、−0.5<2δ<+0.5)で表さ
    れ、かつ複数の価数を取り得るAイオンとBイオンがそ
    れぞれ規則配列をした組成式(IV)A2-X 3+2+X 4+
    7+(X/2)+Y(但し、−0.4<X<+0.6、かつ、−
    0.2<Y<+0.2)のパイロクロア型酸化物の蛍石
    型構造から見た酸素欠損位置または侵入型位置の少なく
    とも一方に酸素イオンが挿入されたパイロクロア関連構
    造酸化物で構成され、上記酸化物半導体(II)が、ルチ
    ル型若しくはアナターゼ型またはこれ等2つの型が混ざ
    った酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化ジルコニウ
    ム、チタン酸ストロンチウムのいずれかであることを特
    徴とする請求項1に記載の抗菌性光触媒塗料。
  5. 【請求項5】 前記光触媒に抗菌金属が担持されてい
    ることを特徴とする請求項1〜4に記載の抗菌性光触媒
    塗料。
  6. 【請求項6】請求項1〜5に記載の抗菌性光触媒塗料を
    基材に塗布し、硬化させ抗菌性光触媒皮膜を形成したこ
    とを特徴とする抗菌性光触媒性部材。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003104342A1 (ja) * 2002-06-11 2003-12-18 有限会社セラミック・クラフト 塗料組成物
JP2005103496A (ja) * 2003-10-01 2005-04-21 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 光触媒
JP2005199261A (ja) * 2003-12-17 2005-07-28 Fujikura Kasei Co Ltd 光触媒複合材料、光触媒含有塗料組成物、セルフクリーニング性塗膜
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JP2008279407A (ja) * 2007-05-14 2008-11-20 Kanac Corp 可視光応答型二酸化チタン光触媒粉体およびその製造方法と装置
US7534826B2 (en) 2003-12-30 2009-05-19 Posco Paint composition having improved far-infrared emissivity, antibiosis and solvent resistance, and precoated metal sheet coated the same

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