JPH1129725A - 塗料組成物 - Google Patents

塗料組成物

Info

Publication number
JPH1129725A
JPH1129725A JP20258297A JP20258297A JPH1129725A JP H1129725 A JPH1129725 A JP H1129725A JP 20258297 A JP20258297 A JP 20258297A JP 20258297 A JP20258297 A JP 20258297A JP H1129725 A JPH1129725 A JP H1129725A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating
month
antifouling
change
specified
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP20258297A
Other languages
English (en)
Inventor
Isao Takemoto
勲 竹本
Kiyoaki Higo
清彰 肥後
Tomokazu Arai
智一 新井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Paint Co Ltd
Nippon Paint Marine Coatings Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
Nippon Paint Marine Coatings Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Paint Co Ltd, Nippon Paint Marine Coatings Co Ltd filed Critical Nippon Paint Co Ltd
Priority to JP20258297A priority Critical patent/JPH1129725A/ja
Publication of JPH1129725A publication Critical patent/JPH1129725A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 毒性が低く、防汚効果がより大きく、また、
防汚効果がより確実にしかも長期間持続するとともに、
経時において摩擦抵抗を低減させる塗料組成物を提供す
る。 【解決手段】 基板上に塗布することにより形成される
塗膜の膜厚変化量(温度20℃、pH8の5%食塩水中
において、基板を20ノットの速度で移動させたときの
塗膜の膜厚の変化量)が、10〜50μm/月である塗
料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、船舶、海中構造
物、工業用水系設備等において、水中生物の付着、繁殖
による被害を防止するために使用される塗料組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】海中構造物、例えば、船舶、海洋構築
物、養殖用漁網、浮標等及び工業用水系設備等は、生物
が生息する海水中に常時さらされているため、時間の経
過により、バクテリア等の微生物が付着し、またこれを
食料とする生物、例えば、フジツボ、イガイ、アオサ、
珪藻等の動植物が付着する。これらにより、海中構造物
等の表面が覆われると、当該部分の腐食、船舶の海水摩
擦抵抗の増大による船舶燃費の低下、漁網の目詰まりに
よる魚介類の大量ヘイ死、浮標の浮力低下による沈降、
作業能率の低下等の被害が発生する。
【0003】また、河川水や湖水等の自然水を利用した
冷却水等の工業用水系及び中、上水道水を使用する循環
式冷却装置等では、バクテリア、珪藻、ラン藻等が繁殖
し、水質の悪化や器壁への付着による冷却効率の低下や
水管の閉塞、流量減少等の障害を引き起こす。
【0004】これら有害生物の付着を防止する方法とし
て、従来より防汚塗料を塗装する方法がとられ、上記防
汚塗料には防汚剤として無機銅化合物、有機錫化合物等
が主として用いられている。上記防汚塗料には、その塗
料ビヒクルの一部としてロジンを含有させ、そのロジン
に上記防汚剤を配合することによって、水中生物の付着
を防止している。
【0005】またトリアルキル錫高分子重合体を防汚成
分とする加水分解型防汚塗料が使用されているが、これ
はトリアルキル錫高分子重合体が水中の微アルカリ性雰
囲気中で加水分解し、有機錫化合物を溶出するととも
に、塗料ビヒクルが水溶化し、配合した防汚剤が溶出す
るものである。
【0006】このようにして溶出される防汚剤成分はい
ずれも毒性が高く、この毒性によって付着する有害水中
生物を殺し又は付着不能な状態にまで傷害を与えること
で防汚性能が発揮される。従来の防汚塗料は、上記のよ
うにいずれも生体に対し有害な化合物を含んだものであ
り、作業者にとって安全衛生上問題のあるものであっ
た。さらに環境汚染の観点からも重大な問題であった。
【0007】近年、シリコーン系防汚塗料が数多く提案
されているが、これは塗面の撥水性や低表面エネルギー
を利用したものである。このようなシリコーン系防汚塗
料は、人体に対する毒性、環境汚染の程度は小さいが、
塗装下地との密着性不良、塗膜強度不足、塗り重ねや補
修塗装が困難等の問題点が多く、例えば、原子力発電等
の一部の特殊領域でのみ使用されているに過ぎない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、毒性が低く、防汚効果がより大きく、また、防汚効
果がより確実にしかも長期間持続するとともに、経時に
おいて摩擦抵抗を低減させる塗料組成物を提供すること
を目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の塗料組成物は、
基板上に塗布することにより形成される塗膜の膜厚変化
量(温度20℃、pH8の5%食塩水中において、基板
を20ノットの速度で移動させたときの塗膜の膜厚の変
化量)が、10〜50μm/月であることを特徴とする
ものである。以下に本発明を詳述する。
【0010】本明細書において「膜厚変化量」とは、温
度20℃、pH8の5%食塩水中において、基板を20
ノットの速度で移動させたときの塗膜の膜厚の変化量の
ことである。また、1ノットとは、1時間に1海里(約
1.852km)移動する速度をいい、約0.5144
4m/秒のことである。上記膜厚変化量は、以下に説明
する試験方法によって測定することができる。
【0011】図1に示すように、厚さ1cm、直径30
cmのアクリル樹脂製の円盤1の中心部に回転棒2を設
け、これをモータ3に接続させることにより円盤1が一
定の周速度で回転するような試験装置を作製する。円盤
1の上面11に、試験に供する被検塗料組成物を塗布す
ることにより一定膜厚の塗膜を形成する。当該膜厚は、
100μmであれば充分である。
【0012】塗膜形成後、上記試験装置を、図1の41
に示す箇所まで水中に侵漬させる。当該水は、膜厚変化
の条件を一定にするために、一定の条件に保たれる。当
該水の条件は、本発明の塗料組成物が海水中で防汚性を
発揮させる目的で用いられるものであるので、天然の海
水を模擬したものが好ましい。本発明においては、天然
の海水に近似させるため、温度20℃、pH8の5%食
塩水を用いる。このような水は、イオン交換水等のよう
な含有成分の少ない水に、3%となるように塩化ナトリ
ウムを含有させ、pHを水酸化ナトリウムによって調整
した後、図1の試験装置全体を20℃の恒温槽に漬ける
ことによって実現することができる。
【0013】図1に示す試験装置においては、モータ3
によって円盤1を回転させる。当該回転の周速度は、図
2に示す円盤の上面11の最外周111が、25ノット
となる速度にする。このようにすることにより、最外周
111から一定距離だけ内側にある円112の位置にあ
る塗膜は、上記水中において20ノットの速度で回転を
継続させることが可能となる。図2の112の位置にあ
る塗膜が、上記試験装置における被検塗膜となるのであ
り、上記試験装置においては、図2の112の位置にあ
る塗膜の膜厚を経時的に測定することにより、膜厚変化
量を算出するものである。
【0014】上記試験装置によって測定が可能となる膜
厚変化量は、海洋を運行する船舶の船底外壁に塗装され
る塗料が、海水中に溶解し又は溶出することにより次第
にその膜厚を減少させる経過を模擬するものである。
【0015】上記により定義される膜厚変化量は、本発
明の塗料組成物においては、10〜50μm/月であ
る。「μm/月」との単位は、1ケ月あたりの膜厚の減
少する変化量をμmで計測した値を意味する。
【0016】本発明者は、鋭意研究の結果、この値が1
0μm/月未満であると、充分な防汚性能を得ることが
できず、かつ、摩擦抵抗低減効果を発揮することができ
ないことを見いだし、本発明に到達したものである。す
なわち、本発明は、上記膜厚変化量と防汚性能及び摩擦
抵抗低減効果との関係が一定の範囲内にあることをその
要旨とするものである。
【0017】上記膜厚変化量は、10μm/月を超える
と防汚性能及び摩擦抵抗低減効果を発現するようになる
が、より好ましくは20μm/月である。また上記膜厚
変化量の上限は、防汚性能及び摩擦抵抗低減効果を発現
するためには特に制限されないが、50μm/月を超え
るような塗料組成物は、初期塗布膜厚が厚くなりすぎて
実用的ではなくなり、また溶解や溶出による海洋汚染も
懸念されることとなる。より好ましい上限は、40μm
/月である。
【0018】本発明の塗料組成物は、防汚剤を含有させ
ることにより、更にその防汚性能をより確実にすること
ができる。このような目的のために用いられる防汚剤の
含有量は、塗料組成物全体の固形分比にして、0.5〜
25重量%が好ましい。0.5重量%未満であると、防
汚剤の防汚効果を発揮することができず、25重量%を
超えると塗料組成物としての密着性やレベリング性に弊
害が生じることとなる。
【0019】上記防汚剤としては特に限定されず、例え
ば、マンガニーズエチレンビスジチオカーバメート(東
京有機化学工業社製、マンネブ)、ジンクジメチルジチ
オカーバメート(化成品工業協会、ジラム)、2−メチ
ルチオ−4−t−ブチルアミノ−6−シクロプロピルア
ミノ−S−トリアジン(チバガイギー社製、イルガロー
ル1051)、2,4,5,6−テトラクロロイソフタ
ロニトリル(サンノプコ社製、マリンサイド)、N,N
−ジメチルジクロロフェニル尿素(保土谷化学工業社
製)、ジンクエチレンビスジチオカーバメート(東京有
機化学工業社製、ジネブ)、ロダン銅、4,5−ジクロ
ロ−2−n−オクチル−3(2H)−イソチアゾリン
(ロームアンドハースジャパン社製、SEANINE
211)、N−(フルオロジクロロメチルチオ)フタル
イミド(バイエルジャパン社製、プリベントールA−
3)、N,N′−ジメチル−N′−フェニル−(N−フ
ルオロジクロロメチルチオ)スルファミド(バイエルジ
ャパン社製、プリベントールA4S)、2−ピリジンチ
オール−1−オキシド亜鉛塩(ジンクピリチオン)、
2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルホニ
ル)ピリジン(DensilS100)、3−ヨード−
2−プロピニールブチルカーバメート(TROYSAN
POLYPHASE P100)、ジヨードメチルパ
ラトリルスルホン(AMICAL 48)、ビスジメチ
ルジチオカルバモイルジンクエチレンビスジチオカーバ
メート(TOC−3204)、ピリジン−トリフェニル
ボラン(PK)等を挙げることができる。
【0020】本発明の塗料組成物を塗料として用いる場
合には、塗料中に0.5〜80重量%の範囲で配合して
調製される。上記配合割合は、上記範囲内において要求
される防汚性能に応じて定めることができる。上記塗料
には、塗膜の強度や下塗り塗装との密着性等を高める目
的で通常使用される塗料用樹脂を必要に応じて配合する
ことができ、例えば、有機溶剤系として、塩化ビニル系
樹脂、塩化ゴム系樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩素
化ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、スチレン−ブタ
ジエン樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリ
アミド樹脂、石油系樹脂、シリコーンレジン、シリコー
ンゴム系樹脂、ワックス、パラフィン、ロジンエステ
ル、ロジン系樹脂、また、錫、銅、亜鉛、テルル等の金
属元素を側鎖に含有する樹脂等を挙げることができ、水
性系として、アクリルエマルション樹脂、エポキシエマ
ルション樹脂、酢酸ビニル樹脂等を挙げることができ
る。これらは単独で又は2種以上を混合して配合するこ
とができる。
【0021】本発明の塗料組成物には、更に、透明な上
塗り塗料であるクリア塗料、着色塗料であるベース塗料
等のように用いる用途に応じて、一般に塗料組成物に使
用される着色顔料、体質顔料等を配合することができ
る。
【0022】上記着色顔料としては特に限定されず、例
えば、酸化チタン、カーボンブラック、べんがら、フタ
ロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、キナクリ
ドン等を挙げることができる。上記体質顔料としては特
に限定されず、例えば、亜鉛華、タルク、クレー、沈降
性硫酸バリウム、炭酸カルシウム等を挙げることができ
る。
【0023】ところで、本発明の塗料組成物を構成する
バインダー樹脂としては、塗料組成物としての膜厚変化
量が、10〜50μm/月となるものであれば特に限定
されないが、このような膜厚変化量を発現するバインダ
ー樹脂として、例えば、加水分解型樹脂等を挙げること
ができ、更に好ましくは、金属エステル含有アクリル樹
脂等を挙げることができる。
【0024】上記金属エステル含有アクリル樹脂とは、
下記一般式(1)で表される化学構造を有する基を、少
なくとも1つの側鎖の末端部に少なくとも1つ有するア
クリル樹脂である。
【0025】
【化1】
【0026】式中、Mは、亜鉛又は銅を表す。R1 は、
脂肪族一塩基酸残基を表す。上記R1 としては、更に具
体的には、レブリン酸、ナフテン酸、オレイン酸等の飽
和又は不飽和脂肪酸の酸残基等を挙げることができる。
【0027】上記金属エステル含有アクリル樹脂を構成
するアクリル樹脂としては特に限定されず、主鎖がアク
リル結合により形成されているあらゆる樹脂が含まれ
る。これらは、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルの
(共)重合体、(メタ)アクリル酸アルキルとこれらと
共重合可能な他の重合性単量体との共重合体等からなる
樹脂等を挙げることができる。上記共重合においては、
通常のラジカル重合開始剤や必要に応じて適当な溶剤を
用いることができる。
【0028】本発明の塗料組成物を塗料として用いる場
合には、塗料中に0.5〜80重量%の範囲で配合して
調製される。上記配合割合は、上記範囲内において要求
される防汚性能に応じて定めることができる。上記塗料
には、塗膜の強度や下塗り塗装との密着性等を高める目
的で通常使用される塗料用樹脂を必要に応じて配合する
ことができ、例えば、有機溶剤系として、塩化ビニル系
樹脂、塩化ゴム系樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩素
化ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、スチレン−ブタ
ジエン樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリ
アミド樹脂、石油系樹脂、シリコーンレジン、シリコー
ンゴム系樹脂、ワックス、パラフィン、ロジンエステ
ル、ロジン系樹脂、また、錫、銅、亜鉛、テルル等の金
属元素を側鎖に含有する樹脂等を挙げることができ、水
性系として、アクリルエマルション樹脂、エポキシエマ
ルション樹脂、酢酸ビニル樹脂等を挙げることができ
る。これらは単独で又は2種以上を混合して配合するこ
とができる。
【0029】上記塗料組成物には、さらに可塑剤等の公
知の添加剤を配合することもできる。上記添加剤として
は、例えば、ジオクチルフタレート等の可塑剤;有機ベ
ントナイト、コロイダルシリカ等の流れどめ剤等を挙げ
ることができる。
【0030】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0031】製造例1 攪拌機、還流冷却機、滴下ロートを備えた4つ口フラス
コに、キシロール120重量部、n−ブタノール30重
量部を加え、110〜120℃に保った。この溶液中に
アクリル酸エチル60重量部、アクリル酸2−エチルヘ
キシル25重量部、アクリル酸15重量部、アゾビスイ
ソブチロニトリル2重量部の混合溶液を3時間にわたり
等速で滴下し、滴下後2時間保温した。得られたワニス
の固形分は、39.8%、粘度は2.2ポイズであった
(以下「ワニスXI」という)。
【0032】攪拌機、還流冷却機、デカンターを備えた
4つ口フラスコに、上記で得られたワニスXIを100
重量部、ナフテン酸(酸価200KOHmg/g)20
重量部、水酸化銅7重量部を加え、120℃に昇温し、
2時間保温した。この間に生成する水を除去した(脱水
量2.5g)。得られたワニスをワニスAとして後の実
験に供した。
【0033】製造例2 攪拌機、還流冷却機、デカンターを備えた4つ口フラス
コに、ワニスXIを100重量部、ステアリン酸亜鉛2
3重量部を加え、120℃で2時間攪拌し、その後キシ
ロール35重量部を加えて、固形分39.2%、粘度
1.3ポイズのワニスBを得た。 製造例3 攪拌機、還流冷却機、滴下ロートを備えた4つ口フラス
コに、キシロール64重量部、n−ブタノール16重量
部を加え、100℃に保った。この溶液中に、アクリル
酸イソボロニル20.0重量部、アクリル酸エチル5
0.9重量部、アクリル酸14.1重量部、NKエステ
ルM−90Gを15.0重量部、t−ブチルパーオキシ
2−エチルヘキサノエート3重量部の混合液を4時間に
わたり等速滴下し、滴下終了後、2時間保温した。得ら
れた樹脂溶液中の固形分は50.0%、粘度7.5ポイ
ズのワニスXIIを得た。攪拌機、還流冷却機、デカン
ターを備えた4つ口フラスコに、上記で得られたワニス
XIIを100重量部、シュウ酸銅15.7重量部、オ
レイン酸27.7重量部、キシロール120重量部を加
え、120℃に加熱し、溶剤とともにシュウ酸を除去
し、固形分50.8%、粘度6.5ポイズのワニスCを
得た。
【0034】実施例1〜7、比較例1〜2 ワニスA、ワニスB及びワニスCと他の成分を配合し
て、高速ディスパーにより表1に示す各塗料組成物を調
製した。なお、表1に記載の成分のほか、各塗料組成物
に、キシレンを粘度調整分だけ添加した。表1中の配合
成分の単位は、重量%である。
【0035】
【表1】
【0036】水抵抗性試験 実施例1〜7、比較例1〜2で得られた塗料組成物を用
いて、直径2cm、長さ100cmの鉄製細管の内面
を、浸漬方法により、乾燥膜厚が100μmとなるよう
に塗装した。上記細管を垂直に固定し、細管上部に特別
に作製した滴下ロートを装着し、ロート上部から、海水
2000mlを流し、すべての量の海水が流れ落ちるま
での時間を測定した。
【0037】「対照」では、メチルメタクリレート/n
−ブチルメタクリレート=60/70(モル比)共重合
体(重量平均分子量=30000、数平均分子量=12
000)からなる塗料組成物を用いて、実施例1〜7と
同様に塗装した。「赤サビ」では、全面に赤い錆が浮き
出た鉄製細管をそのまま用いた。「対照」に要した時間
を「0」とした場合に、それより長く掛かった時間を
「+」、短く掛かった時間を「−」で表現した。結果を
下記表2に示した。
【0038】
【表2】
【0039】実施例1〜7の塗料組成物が、海水との摩
擦抵抗を低減し、比較例1〜2の塗料組成物では、海水
との摩擦抵抗を低減しないことが明白である。防汚試験 市販の予め防食塗装を施した300×100×1.6m
mの鋼板に、実施例1〜7及び比較例1〜2の塗料組成
物を、乾燥膜厚が200〜300μmになるように塗装
し、7日間室温にて乾燥させた。岡山県玉野市沖の試験
用筏で海中1mの深さに浸漬して付着生物による汚染の
程度を調べた。結果を表3に示した。表3の数値は、付
着生物による汚損面積の割合(%)を表す。表3中「−
−」とあるのは、塗膜が流出して測定することができな
かったことを意味する。
【0040】
【表3】
【0041】実施例1〜7の塗料組成物は、防汚効果を
有するが、比較例の塗料組成物が防汚効果を有しないか
又は長期間塗膜として維持できないことが明白である。
【0042】膜厚変化量 図1に示す試験装置を用いて、実施例1〜7、比較例1
〜2の塗料組成物について、それぞれ試験した。膜厚変
化量は、試験前の膜厚と1カ月間モータを回転しつつ浸
漬をし続けた後の膜厚とを比較してその差(μm/月)
を示した。結果を表4に示した。表4中、「−−」は、
塗布した膜厚100μmのすべてが溶解又は溶出して残
存膜厚が0であったことを意味する。
【0043】
【表4】
【0044】上記に示したように、膜厚変化量が10〜
50μm/月であるものは、防汚性能も良好であり、か
つ、水抵抗の低減効果も良好であるが、膜厚変化量が1
0〜50μm/月の範囲に入らないものは、防汚性能及
び水抵抗低減効果ともに不良であることが判った。
【0045】
【発明の効果】本発明の塗料組成物は、上述の構成より
なるので、摩擦抵抗を低減するとともに水中生物付着を
防止して防汚効果の高い塗料組成物として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】膜厚変化量を測定するための試験装置の模式図
である。
【図2】膜厚変化量を測定するための試験装置を構成す
る円盤の上面図である。
【符号の説明】
1 円盤 2 回転棒 3 モーター
フロントページの続き (72)発明者 新井 智一 寝屋川市池田中町19番17号 日本ペイント マリン株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に塗布することにより形成される
    塗膜の膜厚変化量(温度20℃、pH8の5%食塩水中
    において、基板を20ノットの速度で移動させたときの
    塗膜の膜厚の変化量)が、10〜50μm/月であるこ
    とを特徴とする塗料組成物。
  2. 【請求項2】 膜厚変化量が、20〜40μm/月であ
    る請求項1記載の塗料組成物。
  3. 【請求項3】 防汚剤を0.5〜25重量%(固形分
    比)含有する請求項1又は2記載の塗料組成物。
JP20258297A 1997-07-10 1997-07-10 塗料組成物 Pending JPH1129725A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20258297A JPH1129725A (ja) 1997-07-10 1997-07-10 塗料組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20258297A JPH1129725A (ja) 1997-07-10 1997-07-10 塗料組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1129725A true JPH1129725A (ja) 1999-02-02

Family

ID=16459881

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20258297A Pending JPH1129725A (ja) 1997-07-10 1997-07-10 塗料組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1129725A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001072869A (ja) * 1999-09-06 2001-03-21 Chugoku Marine Paints Ltd ポリシロキサン−アクリル樹脂ブロック共重合体組成物、防汚剤組成物、防汚塗膜、防汚処理基材、並びに基材の防汚処理方法
JP2001329228A (ja) * 2000-05-25 2001-11-27 Chugoku Marine Paints Ltd 防汚塗料組成物、防汚塗膜、該防汚塗膜で被覆された船舶または水中構造物ならびに船舶外板または水中構造物の防汚方法
JP2001342432A (ja) * 2000-05-31 2001-12-14 Nippon Paint Marine Kk 塗料組成物
JP2002294101A (ja) * 2001-03-28 2002-10-09 Nippon Paint Co Ltd 樹脂組成物、ボロン含有重合体の製造方法及び防汚塗料
JP2007186705A (ja) * 1998-03-13 2007-07-26 Chugoku Marine Paints Ltd 防汚塗料組成物、防汚塗膜、該防汚塗膜で被覆された船舶または水中構造物、並びに船舶外板または水中構造物の防汚方法
KR101115863B1 (ko) 2004-05-26 2012-03-14 닛뽕 뻬인또 가부시키가이샤 도료 조성물, 도막 및 수중 마찰 저감 방법

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007186705A (ja) * 1998-03-13 2007-07-26 Chugoku Marine Paints Ltd 防汚塗料組成物、防汚塗膜、該防汚塗膜で被覆された船舶または水中構造物、並びに船舶外板または水中構造物の防汚方法
JP2001072869A (ja) * 1999-09-06 2001-03-21 Chugoku Marine Paints Ltd ポリシロキサン−アクリル樹脂ブロック共重合体組成物、防汚剤組成物、防汚塗膜、防汚処理基材、並びに基材の防汚処理方法
JP4573929B2 (ja) * 1999-09-06 2010-11-04 中国塗料株式会社 ポリシロキサン−アクリル樹脂ブロック共重合体組成物、防汚剤組成物、防汚塗膜、防汚処理基材、並びに基材の防汚処理方法
JP2001329228A (ja) * 2000-05-25 2001-11-27 Chugoku Marine Paints Ltd 防汚塗料組成物、防汚塗膜、該防汚塗膜で被覆された船舶または水中構造物ならびに船舶外板または水中構造物の防汚方法
JP2001342432A (ja) * 2000-05-31 2001-12-14 Nippon Paint Marine Kk 塗料組成物
JP4594493B2 (ja) * 2000-05-31 2010-12-08 日本ペイントマリン株式会社 塗料組成物
JP2002294101A (ja) * 2001-03-28 2002-10-09 Nippon Paint Co Ltd 樹脂組成物、ボロン含有重合体の製造方法及び防汚塗料
KR101115863B1 (ko) 2004-05-26 2012-03-14 닛뽕 뻬인또 가부시키가이샤 도료 조성물, 도막 및 수중 마찰 저감 방법
US8263684B2 (en) 2004-05-26 2012-09-11 Nippon Paint Co., Ltd. Coating composition, coating film, and method of reducing underwater friction

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5795374A (en) Coating composition
US5436284A (en) Coating composition
US10077366B2 (en) Antifouling coating composition, antifouling coating film formed using said composition, and coated article having antifouling coating film on surface
US8741983B2 (en) Antifouling coating composition including a metal-containing copolymer, 4,5-dichloro-2-N-octyl-4-isothiazolin-3-one, and metal-pyrithione compound and using thereof
US7977407B1 (en) Antifouling coating composition, antifouling coating film formed from the composition, coated object having the coating film on surface, and method of antifouling by forming the coating film
EP2128208B1 (en) Stain-proof coating composition, method for production of the composition, stain-proof coating film formed by using the composition, coated article having the coating film on the surface, and stain-proofing treatment method for forming the coating film
KR100965733B1 (ko) 방오도료 조성물, 방오도막, 도막 부착 기재, 방오성 기재,기재 표면으로의 도막의 형성방법 및 기재의 방오방법
EP2161316A1 (en) Antifouling coating composition, process for producing the composition, antifouling coating film formed from the composition, coated object having the coating film on surface, and method of antifouling treatment by formation of the coating film
KR20170074925A (ko) 방오도료 조성물용 공중합체, 방오도료 조성물, 방오도막
EP1277816A1 (en) Antifouling coating material, antifouling coating film, submerged structure, and antifouling method
JP2000234072A (ja) 防汚塗料組成物、防汚塗膜、該防汚塗膜で被覆された船舶または水中構造物、並びに船舶外板または水中構造物の防汚方法
JP2001226440A (ja) 共重合体及び塗料組成物
JP2005097400A (ja) 防汚塗料組成物、防汚塗膜、該防汚塗膜で被覆された船舶、水中構造物、漁具または漁網ならびにこれらの防汚方法
SG174228A1 (en) Antifouling coating composition, antifouling coating film formed by use of the composition, coated object having the coating film thereon, and method of antifouling treatment by forming the coating film
JPH1129725A (ja) 塗料組成物
JP4594493B2 (ja) 塗料組成物
JP2001329228A (ja) 防汚塗料組成物、防汚塗膜、該防汚塗膜で被覆された船舶または水中構造物ならびに船舶外板または水中構造物の防汚方法
JPH11323207A (ja) 防汚塗料組成物、防汚塗膜、該防汚塗膜で被覆された船舶または水中構造物、並びに船舶外板または水中構造物の防汚方法
JPH11323209A (ja) 防汚塗料組成物、防汚塗膜、該防汚塗膜で被覆された船舶または水中構造物、並びに船舶外板または水中構造物の防汚方法
JPH10279841A (ja) 防汚塗料組成物、この防汚塗料組成物から形成されている塗膜および該防汚塗料組成物を用いた防汚方法並びに該塗膜で被覆された船体、水中・水上構造物または漁業資材
JP2010265462A (ja) 防汚塗料組成物、防汚塗膜、該防汚塗膜で被覆された船舶または水中構造物、並びに船舶外板または水中構造物の防汚方法
JP2993574B2 (ja) 水中防汚剤組成物
JP2004196957A (ja) 防汚塗料組成物、防汚塗膜、該防汚塗膜で被覆された船舶、水中構造物、漁具または漁網並びにこれらの防汚方法
JPH11323208A (ja) 防汚塗料組成物、防汚塗膜、該防汚塗膜で被覆された船舶または水中構造物、並びに船舶外板または水中構造物の防汚方法
JPH1129747A (ja) 塗料用樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20040310

A621 Written request for application examination

Effective date: 20040409

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060609

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070220

A02 Decision of refusal

Effective date: 20070626

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02