JPH11296820A - 磁気抵抗効果型磁気ヘッド - Google Patents

磁気抵抗効果型磁気ヘッド

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JPH11296820A
JPH11296820A JP3658799A JP3658799A JPH11296820A JP H11296820 A JPH11296820 A JP H11296820A JP 3658799 A JP3658799 A JP 3658799A JP 3658799 A JP3658799 A JP 3658799A JP H11296820 A JPH11296820 A JP H11296820A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高記録密度による出力の低下とバルクハウゼ
ンノイズの低減を対策すること。 【解決手段】 磁気的バイアス磁場を印加する永久磁石
膜を備えたMRヘッドにおいて、再生トラック幅w≦
1.5μmに対して、永久磁石膜の残留磁化・膜厚の積
Mrtが、下式のような関係にあるとき、対称性に優れ
た波形を有し、高出力でバルクハウゼンノイズを抑制し
たMRヘッドを作製する。 Mrt≧1.0×w+0.5 Mrt≦3.6×w−0.4

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハードディスク装
置、VTR等の磁気記録装置に用いられる磁気抵抗効果
型磁気ヘッド(MRヘッド)に関するもので、特に再生
素子部を構成する永久磁石膜の膜厚及び残留磁化と、再
生トラック幅との数量的関係に係わる。
【0002】
【従来の技術】ハードディスク装置あるいはVTR等の
磁気記録装置において、高記録密度による小形大容量化
は急激な勢いで進展している。このような動向に呼応し
て磁気ヘッドの高性能化が進められ、電磁誘導方式であ
る薄膜磁気ヘッドに代わり、再生素子に磁気抵抗効果現
象を利用したMRヘッドが適用されるようになった。
【0003】このような従来のMRヘッドは、例えば、
IEEE Tras.Magn.Vol 26(1990)pp1689に開示されてい
る。その概要を図12を用いて説明する。磁気記録媒体
上の磁気信号を再生する磁気抵抗効果型素子(MR素
子)91は、パーマロイ等の磁気抵抗効果を有する材料
の薄膜で構成される。このMR素子91は、非磁性材料
からなる再生ギャップ92を介してシールド磁性膜93
および94によって挟まれる。
【0004】この図12に示すMRヘッドは、記録ヘッ
ドと再生ヘッドとが分離しているタイプのものである。
再生ヘッドはMR素子91であり、再生時にMR素子9
1を使用して信号情報を読み取る。記録ヘッドは、記録
磁極84及びコイル80からなる記録専用の誘導型磁気
ヘッドである。記録ヘッドを構成する記録磁極84及び
コイル80は、図12に示すように、再生ヘッドを構成
するMR素子91の上部に配置される。
【0005】磁気記録装置においてその記録容量を増加
させるためには、通常、トラック密度かもしくは線記録
密度を高めることが行われる。そこで、トラック密度を
高めるには、トラック幅を狭くしなければならない。ト
ラック幅を減少させるに伴い、以下のような不具合が生
じる。
【0006】すなわち、MR素子の長さが短くなるた
め、MR素子自体の抵抗が低下し、再生出力が著しく減
少してしまう。このため、再生出力を実用上問題になら
ない程度に保つためには、再生素子の抵抗を増大させる
か、あるいはMR素子の再生感度を向上させる手段を講
じる必要がある
【0007】一方、検出再生素子であるMR素子は、素
子内に発生する磁壁と磁区構造の影響を受けやすく、再
生時にノイズとして再生信号に重畳してくる。このよう
なノイズ信号をバルクハウゼンノイズと呼ばれ、その抑
制と規制が問題にされ、対策が行われてきた。磁区の発
生を抑制するための手段として、例えばIEEE Trans.Mag
n.Vol.32(1996)pp19に開示されているような、永久磁石
膜をMR素子に隣接させて形成配置して、そのMR素子
にバイアス磁場を印加するという方法がある。この方法
によれば、印加バイアス磁場はMR素子のトラック端部
に発生する反磁場の影響を緩和でき、その結果、素子内
に磁区等が発生することを抑制することが可能となる。
【0008】しかし、永久磁石膜を用いて磁区構造の安
定化を図ると、素子の再生感度を低下させるおそれが生
じる。そのため、安定化のためのバイアス磁場強度の選
択には注意が必要である。
【0009】すなわち、バルクハウゼンノイズが発生し
ないように必要な磁場強度を印加すること、および適正
な範囲内にバイアス磁場の強度を保持し再生感度を低下
させないことが求められる。また、バイアス磁場の強度
を変化させると再生信号の線形性の指標である非対称性
も変動することから、これらの全ての要素について満足
いく最適なバイアス磁場の設定を行う必要がある。
【0010】一方、この永久磁石膜の好ましい材質及び
組成を米国特許5434826が開示している。そこで
開示されている永久磁石膜はCoCrPt、CoCrT
a、CoCrTaPtおよびCoCrPtB等があり、
50〜60nmの範囲の膜厚に対して、残留磁化と膜厚
との積が2.38〜3.78[memu/cm]にな
る場合が最適域であることを、独自に作製した測定装置
を用いて明らかにしている。
【0011】さらに、この永久磁石膜の磁気特性は、当
然ながら、MRヘッドの再生特性大きな影響を与える
が、特開平7−93714号公報は、永久磁石膜の保磁
力Hcの特性を向上させることにより、バルクハウゼン
ノイズあるいはMRヘッドの再生出力のばらつきを低減
できること説明している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】永久磁石膜が発生する
バイアス磁場は、MR素子内の磁化回転を抑制して安定
化させる効果がある。ところが、記録密度を向上させる
ためのトラック幅狭小化に伴い、隣接する永久磁石膜の
間隔が従来考えられていた範囲を超えて狭くなると、バ
イアス磁場の強度が過大になってしまう。その結果、M
R素子の感度は低下し、再生出力の低減が避けられなく
なる。さらに、バイアス磁場の効果が適正値より外れる
ため、再生波形の対称性を保証する再生信号の線形範囲
が急速に狭まり、再生波形の非対称分の増加が同時に懸
念され、再生信号の誤り率の増大につながる。
【0013】本発明の目的は、バルクハウゼンノイズの
発生に見られるMR素子の再生不安定性を除去し、再生
信号出力を高めると共に、波形の非対称性を低減するM
Rヘッドを得るための実際的な解決方法を提供すること
にある。そのうえ、トラック幅の減少に対応した最適な
永久磁石膜の適用を提供するものである。以下、本発明
を詳細に述べることにする。
【0014】
【課題を解決するための手段】前述した技術課題を解決
するために、本発明は、MR素子の再生出力と再生ノイ
ズに多大な影響を与える永久磁石膜と再生トラック幅の
物理的な寸法あるいは物性値等について考察を加え、適
切に設計に反映できるような具体的手法を模索した結
果、想到されたものである。
【0015】MRヘッドに用いられる永久磁石膜は、素
子にバイアス磁場を印加することでノイズ制御を行う。
しかし、バイアス磁場が大きすぎると再生感度が下がり
出力の不足をきたす原因となる。また、永久磁石膜によ
るバイアス磁場の効果は、再生トラック幅、永久磁石膜
厚、永久磁石の残留磁束密度によってその効率が変化す
る。さらに、永久磁石膜の物性値は、バイアス磁場の強
度、分布等に強い影響を持っている。
【0016】したがって、これらの多数のパラメータを
適切に組み合わせ規制することは実際上非常に困難であ
るが、本発明によりそれが容易に実行でき、従来のMR
ヘッドに比べて出力特性、ノイズ特性に格段に優れたM
Rヘッドを得ることが可能となる。
【0017】本発明においては、磁気抵抗効果を有する
検出素子であるMR素子を、バイアス磁場によって安定
化させることが主要技術である。本発明によるMRヘッ
ドは、磁気抵抗効果を有するMR素子とこのMR素子に
磁気的バイアス磁場を印加するための永久磁石膜を備え
た磁気抵抗効果型磁気ヘッドにおいて、再生トラック幅
をw[μm]、永久磁石膜の残留磁化Mrと膜厚tの積
をMrt[memu/cm]とした時の再生トラック
幅と永久磁石膜の残留磁化膜厚積Mrtの関係が、 Mrt≧1.0×w+0.5 (1) Mrt≦3.6×w−0.4 (2) を満足する関係を有するとともに、再生トラック幅wが
1.5μm以下であることを条件とする。
【0018】このMRヘッドを用いることにより、高ト
ラック密度に応じて再生トラック幅が狭くなっても再生
波形の非対称性、再生出力および再生出力のばらつきの
少ない良好な再生特性を得ることが可能となる。さら
に、バルクハウゼンノイズを効果的に除去できる永久磁
石膜と再生トラック幅の関係を利用できるため、高い性
能が得られる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明によるMRヘッドの磁極部
の構造について図8を参照して説明する。図8におい
て、符号82はMR素子であって、MR素子82に隣接
させて永久磁石膜81を形成している。また、符号83
はMR素子に通電するための電極、84は記録磁極であ
る。MR素子82は下部シールド膜85および上部シー
ルド膜86によって磁気的にシールドされている。
【0020】第1の実施例を説明する。この実施例で
は、MRヘッドの再生特性が0に近い非対象を実現する
ための条件を見い出すことを課題とする。
【0021】図1に、再生トラック幅wが0.7〜1.
5μmの各場合について、永久磁石膜81の残留磁化M
rと膜厚tとの積(以下、永久磁石膜の残留磁化・膜厚
の積という)Mrtに対する再生波形の非対称特性の関
係を示す。図1のグラフの横軸は永久磁石膜の残留磁化
・膜厚積Mrt[memu/cm2]、縦軸は再生波形
非対称性を%で表示したものである。ここで、再生波形
の非対称性は以下の式によって定義される。 非対称性[%]=[(V−V)/(V+V)]
×100 上の式において、VおよびVはそれぞれ正の信号出
力と負の信号出力を表す。
【0022】ハードディスク装置のように記録されたデ
ジタル符号化された信号を再生する場合、磁気ヘッドか
ら得られる再生波形はアナログ信号であり、これから
0、1のデジタル符号に再生する必要がある。この過程
において、前記非対称性が増加すると再生波形が歪んで
正しく0、1の符号を再生できなくなる。
【0023】一般に、ハードディスク装置に組み込まれ
るMRヘッドについては、非対称性の許容限界を−15
〜+15%としている。しかし、この非対称性の許容限
界では再生符号の誤り率が10〜100倍程度大きくな
る可能性があるため、非対称性は−10〜+10%の範
囲であることが望ましい。
【0024】そこで、本発明では、MRヘッドの再生特
性が−10〜+10%の非対称を実現するように設定す
ることとした。図1に示す特性曲線群を見れば明らかな
ように、0.7〜1.5μmの再生トラック幅wに対し
て、永久磁石膜のMrtを増加させて行くにつれて、非
対称性の値は正から負に変化する。
【0025】例えば、再生トラック幅0.7μmの場
合、永久磁石膜の残留磁化・膜厚の積Mrt=0.8
[memu/cm2]の時、非対称性が+33%であっ
たものが、Mrt=1.20[memu/cm]にな
ると非対称性は+10%に改善される。さらに、Mrt
=2.24[memu/cm]以上になると非対称性
は−10%以上になる。以上の結果から再生トラック幅
wが0.7μmの場合は、永久磁石膜の残留磁化・膜厚
の積Mrtの下限値は1.20[memu/cm]で
あり、上限値は2.24[memu/cm]である。
【0026】上記した手順を、再生トラック幅w=0.
7以外にも適用して、各トラック幅における永久磁石膜
の残留磁化・膜厚の積Mrtの上限値及び下限値を求め
ると、以下の表1の通りとなる。
【0027】
【表1】
【0028】表1に得られた永久磁石膜の残留磁化・膜
厚の積Mrtの下限および上限について、それぞれ再生
トラック幅wとの関係を直線式で表すと、Mrtの下限
値については、 Mrt=1.0×w+0.5 ・・・・(1)となり、 Mrtの上限値については、 Mrt=3.6×w−0.4 ・・・・(2)となる。
【0029】この結果から、永久磁石バイアスを適用し
たMRヘッドにおいて、再生信号の非対称性を±10%
の範囲に制御するためには、式(1)および式(2)に
よって規定される範囲を満足するように永久磁石膜の残
留磁化・膜厚の積Mrtおよび再生トラック幅wを選択
することが必要である。
【0030】なお、再生の波形非対称性は0に近いほど
特性が良いことから、再生トラック幅wと永久磁石膜の
Mrtの関係は、図1に示された結果から、 Mrt=1.6×w+0.4 ・・・・(3) の関係を満足することが最も望ましいことが分かる。
【0031】以上のことから、MRヘッドの再生特性が
0に近い非対称性を発揮するためには、再生トラック幅
wに対する永久磁石膜の残留磁化・膜厚の積Mrtの関
係を、上記(1)式を下限とし上記(2)式を上限とし
た範囲とすること、あるいは上記(3)式にできるだけ
近づける、ということが望ましいことが解る。
【0032】さらに、本発明で規定する再生トラック幅
wは、1.5μmを上限とする。すなわち、再生トラッ
ク幅wの上限値は、 w=1.5 ・・・・(4) とする。w=1.5[μm]は、2GB/in2程度の
面記録密度に対応した再生トラック幅でもある。
【0033】以上、(1)、(2)及び(4)式によっ
て規定される、再生トラック幅wに対する永久磁石膜の
残留磁化・膜厚の積Mrtの望ましい関係をグラフにし
て表すと、図2の、直線22、21及び23で囲まれた
斜線を施した領域となる。図2は横軸が再生トラック幅
w[μm]であり、縦軸が永久磁石膜の残留磁化・膜厚
の積Mrt[memu/cm]である。この図2にお
いて、直線21はMrtの下限を規定している(1)式
であり、直線22はMrtの上限を規定している(2)
式であり、直線23は再生トラック幅wの上限値を規定
している(4)式である。
【0034】すなわち、この斜線の領域は以下の3つの
式を満足している。 Mrt≧1.0×w+0.5 ・・・・(1´) Mrt≦3.6×w−0.4 ・・・・(2´) w≦1.5 ・・・・(4´)
【0035】なお、式(1)あるいは(2)の左辺は永
久磁石膜の残留磁化膜厚積Mrtを示し、そのディメン
ジョンは[memu/cm]である。なお、再生トラ
ック幅wはμmで表示することにする。左辺が上述した
ディメンジョンを有するため、右辺第1項の定数係数は
[memu/cm/μm]、第2項の定数係数は[m
emu/cm]のディメンジョンを持つことになる。
【0036】本発明による第2の実施例を説明する。こ
の実施例では、MRヘッドの再生特性が±10%以内の
非対称性を実現するための条件(第1の実施例における
条件)に、さらに、MRヘッドが規定の出力を確保でき
るという条件が付加される。
【0037】ハードディスクドライブ装置では0、1の
符号を記録再生するために、磁気記録媒体に記録される
磁化の反転現象を用いている。磁気記録媒体内の磁化の
反転にともなう磁場変化は、MRヘッドによる再生波形
から0、1の符号に変換されるが、例えば符号配列が
{0000}のように0符号信号が連続する場合は、磁
化の反転周期が長く、反対に{1111}のように1が
連続する場合は磁化の反転周期が短くなる。
【0038】現在、ハードディスク装置に用いられてい
る符号再生方式では、最低周波数と最高周波数の比が
1:5ないし1:6の範囲に設定されているが、隣り合
う信号波との重なり合いによる再生波形の干渉効果によ
って、高周波になるほど再生出力が減少する傾向を有す
る。この時、最高周波数に対する再生出力と最低周波数
に対する再生出力の振幅強度比は、25〜35%程度に
なる。
【0039】一方、ハードディスク装置で誤り無く符号
再生するには、MRヘッドからの再生出力が1mV程度
必要であることから、低周波域での再生出力は最低0.
3〜0.4mVあることが望ましい。このため、本発明
では低周波域の再生出力を0.4mV以上確保出来る永
久磁石膜の残留磁化・膜厚の積Mrtを見いだすことに
した。
【0040】図3に、再生トラック幅wが0.7〜1.
5μmの各場合について、永久磁石膜の残留磁化・膜厚
の積Mrtに対する孤立再生波の再生出力の関係を示
す。図3のグラフの横軸は永久磁石膜の残留磁化・膜厚
の積Mrt[memu/cm]であり、縦軸は再生出
力[mV]である。
【0041】図3によれば、例えば、再生トラック幅w
が0.7μmの場合、永久磁石膜残留磁化・膜厚の積M
rtが0.88[memu/cm]のときは、約0.
5[mV]の再生出力を与えることがわかる。さらに再
生トラック幅wが0.7〜1.5μmで、永久磁石膜の
残留磁化・膜厚の積Mrtが増加するにともない再生出
力は減少する傾向を一般的に示している。
【0042】また、図3から、再生トラック幅w=0.
7μmの場合、0.4[mV]以上の再生出力を得るた
めには、永久磁石膜の残留磁化・膜厚の積Mrtが1.
27[memu/cm]以下であることが必要である
ことがわかる。同様にして、再生トラック幅wが0.7
μm以外の場合についても、0.4[mV]以上の再生
出力を得るための、永久磁石膜の残留磁化・膜厚の積M
rtの上限値を求めると、以下の表2のようになる。
【0043】
【表2】
【0044】表2に得られた永久磁石膜の残留磁化・膜
厚の積Mrtを再生トラック幅wの関係を直線式で表す
と、 Mrt=4.5×w−2.0 ・・・・(5)となる。 すなわち、再生出力を0.4[mV]以上に確保するた
めには、 Mrt≦4.5×w−2.0 ・・・・(5´) であることが必要となる。
【0045】以上のことから、永久磁石膜によるバイア
ス磁場を用いたMRヘッドにおいて、再生信号の非対称
性を±10%の範囲内に規制し、且つ再生出力が0.4
[mV]以上に確保するためには、上記の(1´)式、
(2´)式、(4´)式及び(5´)式をすべて満足す
るものでなければならない。そのような領域を図4に斜
線で示す。
【0046】図4は、横軸は再生トラック幅w[μ
m]、縦軸が永久磁石膜の残留磁化・膜厚の積Mrt[m
emu/cm2]である。図4において、直線21、22及び2
3は図2の場合と同様に、(1)式、(2)式及び
(4)式を表すものであり、直線33は上の(5)式を
表している。
【0047】以上、説明したように、永久磁石膜にうよ
るバイアス磁場を用いたMRヘッドにおいて、図4の斜
線でしるされた領域を選択することによって、再生信号
の非対称性を±10%の範囲内に規制し、且つ再生出力
を0.4[mV]以上に確保することが可能となる。
【0048】第3の実施例を説明する。この実施例で
は、MRヘッドの再生特性が±10%以内の非対称性を
実現するという条件(第1の実施例で与えられる条件)
に、さらに、永久磁石膜のヒステリシス特性を低下させ
るという条件が付加される。ここでいうヒステリシス
は、MRヘッドに連続的に変化する外部磁場を加えたと
きに、MR素子の出力変化特性曲線に現れるヒステリシ
スを意味する。このヒステリシスは印加磁場の変化と出
力の変化によって与えられる。本発明ではヒステリシス
のディメンジョンを[mV・Oe]とする。
【0049】図5は、再生トラック幅wが0.7〜1.
5[μm]の各場合について、永久磁石膜の残留磁化・
膜厚の積Mrtに対するヒステリシスの関係について示
すグラフである。図5のグラフの縦軸はヒステリシス
[mV・Oe]であり、横軸は永久磁石膜の残留磁化・
膜厚の積Mrt[memu/cm]である。
【0050】図5のよれば、例えば、再生トラック幅w
が0.7[μm]の場合、永久磁石膜の残留磁化・膜厚
の積Mrtが0.88[memu/cm]のとき、ヒ
ステリシスは4.2[mV・Oe]である。Mrtがそ
れより増加して1.6[memu/cm]となると、
ヒステリシスは急激に減少して1.2[mV・Oe]と
なる。さらにMrtが増加して3.9[memu/cm
]となると、ヒステリシスはさらに減少して0.2
[mV・Oe]となる。
【0051】一般に、再生素子に現れるヒステリシスは
再生出力のばらつきの原因となり、ディスクドライブ装
置のノイズ源となることが分かっている。このため、デ
ィスクドライブ装置で許容される最大の出力ばらつき
は、5〜10%程度であり、これを前記の再生出力の最
小値0.4[mV]の場合で考えると、許容ばらつきの
範囲は0.03[mV]となる。
【0052】一方、ディスクドライブ装置の磁気記録媒
体から発生する信号磁場の大きさについていうと、磁気
記録媒体のMrtが0.5〜0.8[memu/c
]であることを考慮すると、40[Oe]程度の磁
場が磁気抵抗効果型磁気ヘッドに加わると考えられる。
【0053】この結果から許容されるヒステリシスの最
大値は、印加磁場の大きさと出力許容ばらつきの積から
規定されて、1.2[mV・Oe]となることが分か
る。再生出力のばらつきの少ない磁気抵抗効果型ヘッド
を得るためには、ヒステリシスが1.2[mV・Oe]
以下になるよう永久磁石膜のMrtを制御する必要があ
る。
【0054】図5で得られた結果を元に、再生トラック
幅wが0.7〜1.5[μm]の各場合について、永久
磁石膜の残留磁化・膜厚の積Mrtの下限値を求める
と、以下の表3に示すようになる。
【0055】
【表3】
【0056】表3に得られた永久磁石膜の残留磁化・膜
厚の積Mrtと再生トラック幅wの関係を直線式で表す
と、 Mrt=3.7×w−1.2 ・・・・(6)となる。 すなわち、再生出力のばらつきを規定するヒステリシス
の大きさが1.2[mV・Oe]以下にするには、 Mrt≧3.7×w−1.2 ・・・・(6´) であることが必要となる。
【0057】以上のことから、永久磁石バイアス方式の
MRヘッドにおいて、再生信号の非対称性を±10%の
範囲内に制御し、且つヒステリシスの大きさを1.2
[mV・Oe]以下とした再生特性を得るためには、上
記の(1´)式、(2´)式、(4´)式及び(6´)
式をすべて満足するものでなければならない。そのよう
な領域を図6に斜線で示す。
【0058】図6は、横軸は再生トラック幅w[μm]
であり、縦軸が永久磁石膜の残留磁化・膜厚の積Mrt
[memu/cm2]である。図6において、直線21、22及び
23は図2の場合と同様に、(1)式、(2)式及び
(4)式を表し、直線53は上の(6)式を表してい
る。
【0059】第4の実施例を説明する。この実施例で
は、MRヘッドの再生特性が±10%以内の非対称性を
実現するための条件(第1の実施例における条件)と、
さらに、永久磁石膜のヒステリシス特性を低下させると
いう条件(第3の実施例における条件)とが重畳して付
加される。
【0060】したがって、この実施例は、上記の(1
´)式、(2´)式、(4´)式、(5´)式及び(6
´)式をすべて満足するものでなければならない。その
ような領域を図7に斜線で示す。
【0061】図7は、横軸が再生トラック幅w[μm]
であり、縦軸が永久磁石膜の残留磁化・膜厚の積Mrt
[memu/cm2]である。図7において、直線21、22及び
23は図2の場合と同様に、(1)式、(2)式及び
(4)式を表すものであり、直線33は上の(5)式
を、直線53は(6)式を表している。
【0062】第5の実施例を説明する。この実施例は、
上記の第1乃至第4の実施例によるMRヘッドにおい
て、その角形比Sを規定している。角形比Sとは、磁気
的バイアスを印加するための手段である永久磁石膜の残
留磁化Mrと飽和磁化Msの比、(すなわち、S=Mr
/Ms)である。この実施例によるMRヘッドは角形比
が0.7以上1.0以下に規定される。
【0063】図8に示すMRヘッドにおける永久磁石膜
81の飽和磁化Msは450〜800[emu/c
]程度になる。このとき、角形比Sを1とすると、
永久磁石膜の残留磁化・膜厚の積Mrtが1[memu
/cm]となるために必要な膜厚は120〜220
[Å]である。これに対して角形比Sを0.1とする
と、Mrtが1[memu/cm]となるために必要
な膜厚は1200〜2200[Å]にも達し、再生素子
の再生トラック両側が厚くなってしまう。
【0064】この再生素子周辺の形状は記録磁極の形状
にも影響を及ぼすことになる。再生素子周辺の形状効果
を緩和するためには、記録磁極を形成する前に磁極を配
置する面の平坦化を行うか、あるいは再生素子形状を平
坦に保つことが必要である。しかし、平坦化の作業は磁
気ヘッドの製造工数を増加させ、コストの増加につなが
るという短所を有する。これに対して再生素子の形状を
平坦に保つ技術は余分な工程を経ることなく、且つ永久
磁石膜を薄くすることで膜形成の時間も短縮することが
可能であり、MRヘッドの生産性を向上させることが可
能となる。
【0065】本実施例で使用される永久磁石膜81の残
留磁化・膜厚の積Mrtの最大値は5.29[memu
/cm]である。永久磁石膜81に、例えば、飽和磁
化Msが450[emu/cm]の永久磁石材料を用
いた場合、その膜厚は以下の関係で与えられる。 永久磁石膜厚=(残留磁化・膜厚の積Mrtの最大値)/(残留磁化Mr) =Mrt/(Ms×S) =5.29[memu/cm]/Mr[emu/cm] =5.29[memu/cm2]/(450[emu/cm3]×S) となる。
【0066】したがって、永久磁石膜の最小膜厚は角形
比Sが1のときに得られて、1176[Å]になる。角
形比Sが小さくなるに伴い永久磁石膜の膜厚は厚くな
り、角形比0.7で1680[Å]、角形比0.5で2
352[Å]に達する。MRヘッドの素子膜厚は500
〜600[Å]程度であり、これに信号検出用の電極を
加えた素子部の段差は角形比0.7の時に2000
[Å]程度になる。これは記録ギャップ長の50%に達
する歪みを記録磁極に発生させるが、50%以上の形状
歪みはO/W(オーバライト)および再生波長の特性を
著しく劣化させるため、永久磁石膜の角形比は0.7以
上であることが望ましい。
【0067】この実施例は、上記の第1乃至第5の実施
例のうちいずれかによるMRヘッドにおいて、その永久
磁石膜81の組成を規定している。永久磁石膜81はC
oを主成分とする合金であり、この合金に対する添加元
素としてCr、Ta、Pt、Niの少なくともいずれか
1種類以上を含む。
【0068】MRヘッドにおいて、バイアス磁場を発生
する永久磁石膜の残留磁化・膜厚の積Mrtを制御し、
良好な再生特性を得るためには、薄膜の状態で優れた磁
気特性を示す永久磁石材料を得る必要がある。Coを主
成分とする合金の永久磁石膜では膜厚が100〜100
0[Å]の範囲で保磁力Hc=1000[Oe]以上、
角形比S=0.7以上を確保することが可能である。
【0069】第7の実施例を説明する。この実施例で
は、上記の第1乃至第6の実施例のうちいずれかによる
MRヘッドにおいて、磁気抵抗効果を有する再生素子が
非磁性金属のスペーサを介して積層された2つの磁性膜
によって構成している。この非磁性金属のスペーサとし
てはCu、Ta等の材料を用いることが可能である。ま
た、積層された磁性膜としては、NiFe、Co、Ni
FeCo、CoFe、CoTaZr、NiFe系合金、
CoFe系合金、CoTa系合金等を用いることが可能
であり、良好な磁気特性を得ることが出来る。
【0070】第8の実施例を説明する。この実施例で
は、上記の第1乃至第6の実施例のうちいずれかによる
MRヘッドにおいて、再生素子を以下の形態とすること
ができる。
【0071】第1の形態: 磁気抵抗効果膜(MR膜)
と、Taのスペーサと、MR膜にバイアスを印加するS
AL膜とを積層した3層膜とし、そしてこの3層膜の両
端に永久磁石膜と導電膜を設けて、再生素子とする。ス
ペーサをTaとすることにより抵抗の高い金属膜のスペ
ーサが得られる。この再生素子を用いたMRヘッドはS
ALバイアス型磁気ヘッドと呼ばれる。
【0072】第2の形態: 第1の軟磁性膜と、非磁性
金属のスペーサと、第2の磁性膜と、反強磁性膜とを積
層した4層膜とし、そしてこの4層膜の両端に永久磁石
膜と導電膜を設けて、再生素子とする。この再生素子を
用いたMRヘッドはスピンバルブ型MRヘッドあるはス
ピンバルブヘッドと呼ばれる。なお、この再生素子にお
いて、第1の軟磁性膜と第2の磁性膜の両方、またはい
ずれか一方を、複数の磁性膜を積層した膜や、磁性層間
に金属層を設けた積層フェリ層等で置換することでき
る。非磁性金属のスペーサにはCu等を用いることがで
きる。
【0073】ここで、スピンバルブ型MRヘッドを図
9、図10及び図11を用いて説明する。上記の4層膜
のMR素子82とその両端に設けられた永久磁石膜81
と電極83(導電膜)とからなる再生素子は、第1のシ
ールド磁性膜93と第2のシールド磁性膜94との間に
配置される。第2のシールド磁性膜94は基板95の上
に絶縁膜96を介して置かれる。第1のシールド磁性膜
93は第2のシールド磁性膜94の上方に、所定の間隙
を保って配置される。
【0074】第1のシールド磁性膜93の上方には記録
磁極84が配置される。記録磁極84は、図9に示すよ
うに、後方にコイル80の中心にまで延びている。この
記録磁極84は、図10に示すように、保護膜97で覆
われている。再生素子を構成するMR素子82は、図1
1に示すように、主として、下から第1の軟磁性膜とし
ての自由層82a、スペーサとしての非磁性金属層82
b、第2の磁性層としての固定層82c、及び反強磁性
膜からなる反強磁性層82dの4層構造である。
【0075】第3の形態: 第1の軟磁性膜と、絶縁材
料のスペーサと、第2の軟磁性膜とを積層した3層膜
と、この3層膜に導電膜を設けて、再生素子とする。こ
の再生素子を用いたMRヘッドはトンネル接合型磁気ヘ
ッドと呼ばれる。 第4の形態: 巨大磁気抵抗効果を生じる再生素子を用
いる。
【0076】
【発明の実施の形態】本発明のMRヘッドは以下の工程
で製造し、本発明の効果を実証することにした。まず、
Al等の絶縁膜が形成されたセラミック基板上に
1〜2[μm]の厚さの軟磁性材料からなる下部シール
ド膜を成膜した。下部シールド膜を磁気ヘッドに必要な
形に整形した後、Al等の絶縁膜を用いた下部再
生ギャップを形成した。この絶縁膜の上に軟磁性膜、非
磁性スペーサ膜、磁性膜の順にスパッタ等の方法を用い
て、再生素子用の積層薄膜を形成した。この時これらの
膜は、100〜200[Å]程度の薄膜である必要があ
る。成膜された積層薄膜は、ミリング(イオンミリング
ともいう)等の手法により必要な素子形状に整形され
る。
【0077】次に、再生素子の抵抗変化を検出するため
の電極を作製する。再生トラック幅wを規定するのは再
生素子に接触した2つの電極の間隔になるため、まず初
めに電極間隔を制御するためのステンシルを、フォトリ
ソグラフィーの技術を用いて再生素子の上に形成した。
この時、後述するように形成する電極材料が再生素子と
電気的に良好に接続する必要があることから、ステンシ
ルの再生素子に接触している部分はミリングによって形
成された素子幅よりも0.2〜0.3[μm]程度狭く
する必要があった。この時、ステンシルの幅によって規
制される再生トラック幅は、0.7〜1.5[μm]と
した。電極を構成する膜の内、まず第1にバイアス磁場
発生用の永久磁石膜として、CoCrPt合金を必要な
残留磁化・膜厚の積Mrtを得るように膜厚を調整して
成膜し、続いて電気的良導体であるTa膜とCu膜を成
膜した。
【0078】このとき、永久磁石膜の残留磁化・膜厚の
積Mrtは0.8〜3.9[memu/cm]の条件
で成膜を行った。永久磁石膜および導電膜はスパッタ法
を用いて形成した。スパッタによる成膜作業が終了した
後、ステンシルおよびステンシル上に付着した膜を除去
し、完成した再生素子の上に再びAl等からなる
絶縁膜を形成した。この絶縁膜は再生素子下部の絶縁膜
と合わせて再生ギャップを構成する。更に、再生ギャッ
プ上には厚さ3〜4[μm]の上部シールド膜を形成し
た。完成した再生ヘッドの上部に記録コイルと記録磁極
を積層し、上部に保護膜と導電パッドをとりつけてすべ
のヘッド製造工程が終了した。
【0079】再生トラック幅wを0.7〜1.5[μ
m]、永久磁石膜のMrtを0.8〜3.9[memu
/cm]とした試作MRヘッドの再生波形非対称性、
再生出力およびヒステリシスの測定結果はそれぞれ図
1、図3および図5に示したとおりである。
【0080】
【発明の効果】本発明によるMRヘッドを用いることに
より、高トラック密度に応じて再生トラック幅が狭くな
っても再生波形の非対称性、再生出力および再生出力の
ばらつきの少ない良好な再生特性を得ることが可能とな
る。さらに、バルクハウゼンノイズを効果的に除去でき
る磁石膜と再生トラック幅の関係を利用できるため、高
性能なMRヘッドが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】永久磁石膜の残留磁化と膜厚との積Mrtに対
する再生波形非対称性を示すグラフである。
【図2】再生波形非対称性を規制するための再生トラッ
ク幅wと、永久磁石膜の残留磁化と膜厚との積Mrtと
の関係を示すグラフである。
【図3】永久磁石膜の残留磁化と膜厚との積Mrtに対
する再生出力を示すグラフである。
【図4】再生出力を規定するための再生トラック幅w
と、永久磁石膜の残留磁化と膜厚の積Mrtとの関係を
示すグラフである。
【図5】永久磁石膜の残留磁化と膜厚との積Mrtに対
するヒステリシスを示すグラフである。
【図6】ヒステリシスを規制するための再生トラック幅
wと、永久磁石膜の残留磁化と膜厚との積Mrtとの関
係を示すグラフである。
【図7】再生出力およびヒステリシスを規制するための
再生トラック幅wと、永久磁石膜の残留磁化と膜厚との
積Mrtとの関係を示すグラフである。
【図8】浮上面から見たMRヘッドの磁極部の概略図で
ある。
【図9】本発明が適用されるスピンバルブ型MRヘッド
の斜視図であり、MRヘッドの保護膜がはずされ且つM
Rヘッドの一部が断面図にて示されている。
【図10】図9のMRヘッドの正面図である。
【図11】図10のMRヘッドにおける再生素子を拡大
して示した図である。
【図12】従来のMRヘッドの構成を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
80 コイル、 81 永久磁石膜、 82 磁気抵抗
効果素子(MR素子)、82a 自由層、 82b ス
ペーサ、 82c 固定層、82d 反強磁性層、 8
3 電極、 84 記録磁極、85 下部シールド膜、
86 上部シールド膜、 87 再生ギャップ、91
磁気抵抗効果素子、92 再生ギャップ、93 シー
ルド磁性膜(下部磁極) 94 シールド磁性膜、9
5 基板、 96 絶縁膜、 97 保護膜。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気抵抗効果を有する薄膜を備える磁気
    抵抗効果素子と前記磁気抵抗効果素子に磁気的バイアス
    磁場を印加する永久磁石膜を備えた磁気抵抗効果型磁気
    ヘッドにおいて、前記永久磁石膜の残留磁化Mrとその
    膜厚tの積Mrt[memu/cm]は、再生トラッ
    ク幅w[μm]とした場合、 Mrt≧1.0×w+0.5 Mrt≦3.6×w−0.4 を満足する関係を有すると共に、前記再生トラック幅w
    が1.5μm以下であることを特徴とする磁気抵抗効果
    型磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記再生トラック幅w[μm]および永
    久磁石膜の残留磁化Mrと膜厚tの積Mrt[memu
    /cm]の関係が、 Mrt≦4.5×w−2.0 を満足することを特徴とする請求項1に記載の磁気抵抗
    効果型磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記再生トラック幅w[μm]と永久磁
    石膜の残留磁化Mrと膜厚tの積Mrt[memu/c
    ]の関係が、 Mrt≧3.7×w−1.2 を満足することを特徴とする請求項1または2のいずれ
    かに記載の磁気抵抗効果型磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記再生トラック幅w[μm]と永久磁
    石膜の残留磁化Mrと膜厚tの積Mrt[memu/c
    ]の関係が、 Mrt≦4.5×w−2.0 Mrt≧3.1×w−1.9 を満足することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか
    に記載の磁気抵抗効果型磁気ヘッド。
  5. 【請求項5】 前記永久磁石膜の残留磁化Mrと飽和磁
    化Msの比によって与えられる角形比Sが以下の式 S=Mr/Ms で与えられるとき、その角形比Sが0.7から1.0の
    範囲であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか
    に記載の磁気抵抗効果型磁気ヘッド。
  6. 【請求項6】 前記永久磁石膜はCoを主成分とする合
    金であるか、もしくは前記合金に添加元素としてCr、
    Ta、Pt、Niの少なくとも1種類以上を含むことを
    特徴とする請求項5に記載の磁気抵抗効果型磁気ヘッ
    ド。
  7. 【請求項7】 前記磁気抵抗効果素子が非磁性金属のス
    ペーサを介して積層された2つの磁性膜によって構成さ
    れることを特徴とする請求項6に記載の磁気抵抗効果型
    磁気ヘッド。
  8. 【請求項8】 前記磁気抵抗効果素子の再生出力の非対
    称性が±10%以内であることを特徴とする請求項1に
    記載の磁気抵抗効果型磁気ヘッド。
  9. 【請求項9】 前記磁気抵抗効果素子の再生出力の非対
    称性が±10%以内で、且つ0.4mV以上の再生出力
    が得られることを特徴とする請求項2に記載の磁気抵抗
    効果型磁気ヘッド。
  10. 【請求項10】 前記磁気抵抗効果素子の再生出力の非
    対称性が±10%以内で、且つ再生出力のばらつきが1
    0%以下であることを特徴とする請求項3に記載の磁気
    抵抗効果型磁気ヘッド。
  11. 【請求項11】 前記磁気抵抗効果素子の再生出力の非
    対称性が±10%以内で、再生出力が0.4mV以上で
    そのばらつきが10%以下であることを特徴とする請求
    項4に記載の磁気抵抗効果型磁気ヘッド。
  12. 【請求項12】 前記永久磁石膜の残留磁化Mrとその
    膜厚tの積Mrt[memu/cm]と再生トラック
    幅wは、 Mrt=1.6×w+0.4 の関係を有し、その再生波形に実質的に非対称性が含ま
    れないことを特徴とする請求項1に記載の磁気抵抗効果
    型磁気ヘッド。
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