JPH11295075A - 三次元角速度センサ - Google Patents

三次元角速度センサ

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JPH11295075A
JPH11295075A JP10112801A JP11280198A JPH11295075A JP H11295075 A JPH11295075 A JP H11295075A JP 10112801 A JP10112801 A JP 10112801A JP 11280198 A JP11280198 A JP 11280198A JP H11295075 A JPH11295075 A JP H11295075A
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acceleration
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Takayoshi Kashiwagi
隆芳 柏木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】簡易な構成で3軸回りの角速度を高精度で検出
できる三次元角速度センサを提供すること。 【解決手段】本発明の三次元角速度センサ1は、基板2
上に、第1の素子3と第2の素子5とが設置された構成
をなしている。第1の素子3の質量部31は、X方向に
加振されている。これにより、Z軸回りの角速度が作用
したとき、Y軸方向にコリオリ力による振動が生じ、こ
の振動を検出することによりZ軸回りの角速度を検出す
ることができる。第2の素子5の質量部51は、Z方向
に加振されている。これにより、X軸回りの角速度が作
用したとき、Y軸方向にコリオリ力による振動が生じ、
Y軸回りの角速度が作用したとき、X軸方向にコリオリ
力による振動が生じ、これらの振動を検出することによ
り、それぞれX軸回りおよびY軸回りの角速度を検出す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、互いに直交するX
軸、Y軸およびZ軸のそれぞれの軸回りの角速度を検出
する三次元角速度センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】加速度センサ、角速度センサ等、慣性を
検出するセンサは、例えば、自動車のエアバック、走行
制御装置、バーチャルリアリティ関連の3D入力装置、
各種製造機器の制御装置等に用いられている。
【0003】近年、各種機器の小型化が進む中で、それ
に搭載されるセンサに対しても小型化の要求が強まって
いる。特に人が手に持つ機器、あるいは身につける機器
に用いるセンサについてはその要求が大きい。
【0004】また、自動車の走行制御装置では、従来、
1軸方向のみの加速度を測定していたが、制御が高度化
するに伴い多軸方向の加速度、さらには角速度の測定も
求められるようになってきている。
【0005】また、3D入力装置は、当初より多軸方向
の加速度あるいは角速度の検出を必要としている。
【0006】以上のように、この種のセンサには、小型
で多軸方向の加速度、角速度を検出できることが求めら
れている。
【0007】従来の加速度センサや角速度センサは、3
軸(互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸)のうちの1
の軸に対する加速度または1つの軸回りの角速度を検出
するものが大部分であった。
【0008】そのため、3軸方向の加速度および3軸回
りの角速度を検出するためには、3個の加速度センサと
3個の角速度センサとを必要とした。従って、合計6軸
の動作を検出しようとすると、3個のセンサを要するの
で、装置が大型となり、前述した要求を満足できなかっ
た。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、簡易
な構成で3軸回りの角速度を精度よく検出することがで
きる三次元角速度センサを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(6)の本発明により達成される。
【0011】(1) コリオリ力を利用して互いに直交
するX軸、Y軸およびZ軸のそれぞれの軸回りの角速度
を検出する三次元角速度センサであって、前記X軸、Y
軸およびZ軸のうちのいずれか1つの軸の軸回りの角速
度を検出する第1の素子と、前記X軸、Y軸およびZ軸
のうちの残りの2つの軸の軸回りの角速度をそれぞれ検
出する第2の素子とを備えることを特徴とする三次元角
速度センサ。
【0012】(2) コリオリ力を利用して互いに直交
するX軸、Y軸およびZ軸のそれぞれの軸回りの角速度
を検出する三次元角速度センサであって、質量部に前記
X軸または前記Y軸方向の振動を与えて、Z軸の軸回り
の角速度を検出する第1の素子と、質量部に前記Z軸方
向の振動を与えて、前記X軸および前記Y軸の軸回りの
角速度をそれぞれ検出する第2の素子とを備えることを
特徴とする三次元角速度センサ。
【0013】(3) 前記第1の素子および前記第2の
素子における質量部の前記X軸、Y軸またはZ軸方向の
振動の周波数は、当該軸方向における質量部の共振周波
数にほぼ等しい上記(2)に記載の三次元角速度セン
サ。
【0014】(4) 前記第1の素子と前記第2の素子
とが、同一基体上に設置されている上記(1)ないし
(3)のいずれかに記載の三次元角速度センサ。
【0015】(5) 前記第1の素子が、前記X軸、Y
軸およびZ軸のうちの少なくとも1つの軸方向の加速度
を検出する機能を有する上記(1)ないし(4)のいず
れかに記載の三次元角速度センサ。
【0016】(6) 前記第2の素子が、前記X軸、Y
軸およびZ軸のうちの少なくとも1つの軸方向の加速度
を検出する機能を有する上記(1)ないし(5)のいず
れかに記載の三次元角速度センサ。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の三次元角速度セン
サの実施形態について詳細に説明する。まず、加速度検
出の原理および角速度検出の原理について説明する。
【0018】<加速度検出の原理>図1に示すように、
質量m(kg)の重り(質量部)11が等価ばね定数k
(N/m )の梁12によって基板10上に図中矢印A方向
に移動可能に支持されているとする。ここにA方向の加
速度α(m/s2)が加わると、重り11は、初期位置からΔ
d=m・α/k分変位する。
【0019】加速度αを例えば静電容量の変化で検出す
る場合、重り11の左右に設置された電極13、14間
のコンデンサ容量C1 、C2 は、空気の誘電率ε0 、電
極面積S(m2)、電極間隔d0 (m )を用いて、次式
[1]に表わせる。
【0020】
【数1】
【0021】これより、次式[2]なる関係が得られ
る。
【0022】
【数2】
【0023】式[2]より、左右の電極13、14の容
量の平均変化率は、加速度αに比例していることが分か
る。従って、静電容量センサにより左右電極容量の平均
変化率を検出することにより、加速度αを求めることが
できる。
【0024】<角速度検出の原理>振動している重り
(質量部)11に角速度が加わると、コリオリ力が発生
する。
【0025】図2(a)に示すように、重り11にY軸
方向の振動を与えた状態でZ軸回りの角速度が加わる
と、X軸方向に、次式[3]で示されるコリオリ力が発
生する。
【0026】FC =2mvΩ ・・・[3]
【0027】ここで、mは重り11の質量、vは重り1
1の速度ベクトル、Ωは印加角速度ベクトルである。す
なわち、コリオリ力は、質量の運動ベクトルと印加角速
度ベクトルのベクトル積に比例した力である。
【0028】角速度センサは、図1を基本原理としてお
り、重り11を正弦的に振動させ、それにより発生する
コリオリ力を検出する。
【0029】重り11がY方向にy=Dsin(ωt)で変位
している状態で、X軸回りの角速度ΩX が加えられたと
すると、重り11に与えられる加速度αは、次式[4]
で示される。
【0030】α=2Dωcos(ωt)ΩX ・・・[4]
【0031】また、この加速度αをバネ定数kで支持し
た重り11の変位で検出する場合、重り11の変位は、
Z方向に変位し、その変位量zは、次式[5]で示され
る。
【0032】 z=2Dmωcos(ωt)ΩX /k ・・・[5]
【0033】従って、この変位量zを例えば前述した静
電容量の変化のような所定の方法で検出することによ
り、Z方向のコリオリ力を測定することができる。
【0034】ところで、角速度の検出には、次のような
問題がある。前述したように、角速度の測定は、コリオ
リ力による重り11の変位を検出することにより行う
が、コリオリ力が発生する方向は、重りの振動方向と角
速度が加わる軸の方向により決定する。
【0035】図2(a)に示す場合では、前述したよう
に、Y軸方向に振動している重りにZ軸回りの角速度が
加わると、X軸方向にコリオリ力が発生する。同様に重
りがX軸方向に振動し、Y軸回りに角速度が加わると、
コリオリ力はZ軸方向に現われる。すなわち、ある方向
に振動している重りに角速度が加わった場合、角速度が
加わった軸を法線とする面において、重りが振動してい
る方向に対し直角方向にコリオリ力が現われる。
【0036】ここで、1つの重り11でX軸、Y軸およ
びZ軸の各軸回り(3軸回り)の角速度を測定すること
の可能性を考える。
【0037】図2(b)に示すように、重り11がZ軸
方向に振動しているとする。X軸回りに角速度ΩX が加
わったとき、それによるコリオリ力はY軸方向に現われ
る。同様にY軸回りに角速度ΩY が加わったとき、それ
によるコリオリ力はX軸方向に現われる。従って、重り
11をZ軸方向に振動させておけば、X軸およびY軸回
りの角速度ΩX 、ΩY の検出が可能になる。そして、残
りのZ軸回りの角速度ΩZ が検出できれば、3軸回りの
角速度が全て測定できることになる。
【0038】重り11はZ軸方向に振動しているが、同
時にY軸方向にも振動するようにしたとする。そのと
き、Z軸回りの角速度ΩZ によるコリオリ力はX軸方向
に現われる(図2(a)参照)。しかし、重り11はZ
軸方向に振動しているので、X軸方向にはY軸回りの角
速度ΩY によるコリオリ力も現われる(図2(b)参
照)。すなわち、重り11がZ軸方向とY軸方向にそれ
ぞれ振動していれば、X軸方向には、Y軸回りの角速度
ΩY によるコリオリ力と、Z軸回りの角速度によるコリ
オリ力ΩZ とが重畳されて現れることとなる。この関係
は、重り11をZ軸方向とX軸方向にそれぞれ振動させ
た場合や、X軸方向とY軸方向にそれぞれ振動させた場
合も同様である。
【0039】通常、X軸、Y軸、Z軸の振動周波数は、
コリオリ力の検出感度を高めるため各々の軸の共振周波
数とされる。従って、コリオリ力による変位もその周波
数で現われる。すなわち、上記の仮定でX軸に現われる
2種のコリオリ力による出力は、同一の周波数を持つこ
とになり、フィルタ等の簡易な電気回路により各コリオ
リ力毎の信号に分離することは困難である。
【0040】以上より、1つの重り(素子)で3軸回り
の角速度を精度良く測定すること、すなわち、高精度の
三次元角速度センサを構成することは、不可能である。
【0041】そこで、本発明では、コリオリ力が重畳し
ないように、2つの素子を用い、3軸回りの角速度をそ
れぞれの素子で分担して検出することとした。すなわ
ち、本発明の三次元角速度センサは、X軸、Y軸および
Z軸のうちの例えばZ軸回りの角速度を検出する第1の
素子と、残りのX軸およびY軸の軸回りの角速度をそれ
ぞれ検出する第2の素子とを備えている。以下、添付図
面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0042】図3は、本発明の三次元角速度センサの実
施形態を示す概念図、図4は、図3に示す三次元角速度
センサにおける第1の素子の構成例を示す平面図、図5
は、図3に示す三次元角速度センサにおける第2の素子
の構成例を示す平面図である。
【0043】これらの図に示すように、本発明の三次元
角速度センサ1は、基板(基体)2上に、第1の素子3
と第2の素子5とが設置された構成をなしている。各素
子3、5の構成および作用について、順次説明する。
【0044】図4に示すように、第1の素子3は、平面
視で四角形をなす質量部(振動子)31と、その4つの
角部に設けられた脚部(支持部材)32とを備えてい
る。この第1の素子3は、例えばシリコンで構成されて
いる。
【0045】各脚部32は、L字状に屈曲し、その端部
は、それぞれ、基板2上に設けられた4つの固定部33
に固定的に設置されている。各脚部32は、弾性変形可
能であり、これにより、基板2に対し質量部31をX軸
方向、Y軸方向およびZ軸方向の三次元方向に変位可能
に支持している。
【0046】質量部31のX軸方向の両側部には、質量
部31をX方向に振動させる櫛形の駆動電極41と、質
量部31のY軸方向の変位を静電容量の変化として検出
する櫛形のY軸方向検出電極(Z軸回りの角速度センサ
およびY軸方向加速度センサ)42とが設置されてい
る。各駆動電極41には、質量部31の縁部に形成され
た櫛形電極34が非接触で対向している。各Y軸方向検
出電極42には、質量部31の縁部に形成された櫛形電
極35が非接触で対向している。
【0047】また、質量部31のY軸方向の両側部に
は、質量部31のX軸方向の変位を静電容量の変化とし
て検出する櫛形のX軸方向検出電極(X軸方向加速度セ
ンサ)43が設置されている。各X軸方向検出電極43
には、質量部31の縁部に形成された櫛形電極36が非
接触で対向している。
【0048】また、質量部31の下部には、質量部31
のZ軸方向の変位を静電容量の変化として検出するZ軸
方向検出電極(Z軸方向加速度センサ)44が設置され
ている。
【0049】各駆動電極41、各Y軸方向検出電極4
2、各X軸方向検出電極43およびZ軸方向検出電極4
4は、基板2に対し固定的に設置されている。
【0050】質量部31は、各駆動電極41に交流電圧
を印加することにより発生する静電引力によりX軸方向
に加振される。この場合、コリオリ力の検出感度を高め
るために、X軸方向の振動の周波数は、同方向における
質量部31の共振周波数にほぼ等しい周波数とされる。
【0051】この状態で、質量部31にZ軸回りの角速
度が作用すると、Y軸方向にコリオリ力が発生し、質量
部31はY軸方向に振動することとなる。
【0052】この振動は、Y軸方向検出電極42により
静電容量の変化として検出される。すなわち、質量部3
1の櫛形電極35とY軸方向検出電極42との間隔が変
化することにより、静電容量が変化する。
【0053】コリオリ力により生じたY軸方向の振動
は、駆動電極41によるX軸方向の振動に対し、同一の
周波数でかつ位相が90°進んだものとなる。そして、
Z軸回りの角速度の大きさは、Y軸方向の振動の振幅に
対応する。これにより、Z軸回りの角速度を検出するこ
とができる。
【0054】また、Y軸方向検出電極42は、質量部3
1がY軸方向の加速度を受けてY軸方向検出電極42に
対してY軸方向に相対的に変位した場合に、その変位を
静電容量の変化として検出する。従って、Y軸方向検出
電極42は、Z軸回りの角速度を検出するとともに、Y
軸方向の加速度を検出する加速度センサとしても機能す
る。
【0055】X軸方向検出電極43は、質量部31がX
軸方向の加速度を受けてX軸方向検出電極43に対して
X軸方向に相対的に変位した場合に、その変位を静電容
量の変化として検出する。従って、X軸方向検出電極4
3は、X軸方向の加速度を検出する加速度センサとして
機能する。
【0056】Z軸方向検出電極44は、質量部31がZ
軸方向の加速度を受けてZ軸方向検出電極44に対して
Z軸方向に相対的に変位した場合に、その変位を静電容
量の変化として検出する。従って、Z軸方向検出電極4
4は、Z軸方向の加速度を検出する加速度センサとして
機能する。
【0057】なお、質量部31には、Y軸回りの角速度
によりZ軸方向にコリオリ力が発生し、Z軸方向に振動
することとなるが、コリオリ力による振動の周波数と加
速度による変位の周波数は大きく離れているため、信号
を簡易なフィルタ回路で分離することができる。よっ
て、この振動は、Z軸方向検出電極44でZ軸方向の加
速度を検出するのに支障はない。
【0058】一方、図5に示すように、第2の素子5
は、平面視で四角形をなす質量部(振動子)51と、そ
の4つの角部に設けられた脚部(支持部材)22とを備
えている。この第2の素子5は、例えばシリコンで構成
されている。
【0059】各脚部52は、L字状に屈曲し、その端部
は、それぞれ、基板2上に設けられた4つの固定部53
に固定的に設置されている。各脚部52は、弾性変形可
能であり、これにより、基板2に対し質量部51をX軸
方向、Y軸方向およびZ軸方向の三次元方向に変位可能
に支持している。
【0060】質量部51のX軸方向の両側部には、質量
部51のY軸方向の変位を静電容量の変化として検出す
る櫛形のY軸方向検出電極61が設置されている。各Y
軸方向検出電極61には、質量部51の縁部に形成され
た櫛形電極54が非接触で対向している。
【0061】また、質量部51のY軸方向の両側部に
は、質量部51のX軸方向の変位を静電容量の変化とし
て検出する櫛形のX軸方向検出電極62が設置されてい
る。各X軸方向検出電極62には、質量部51の縁部に
形成された櫛形電極55が非接触で対向している。
【0062】また、質量部51の下部には、質量部51
をZ軸方向に振動させる駆動電極63が設置されてい
る。
【0063】駆動電極63、各Y軸方向検出電極61お
よび各X軸方向検出電極62は、基板2に対し固定的に
設置されている。
【0064】質量部51は、駆動電極63に交流電圧を
印加することにより発生する静電引力によりZ軸方向に
加振される。この場合、コリオリ力の検出感度を高める
ために、Z軸方向の振動の周波数は、同方向における質
量部51の共振周波数にほぼ等しい周波数とされる。
【0065】この状態で、質量部51にX軸回りの角速
度が作用すると、Y軸方向にコリオリ力が発生し、質量
部51はY軸方向に振動することとなる。
【0066】この振動は、Y軸方向検出電極61により
静電容量の変化として検出される。すなわち、質量部5
1の櫛形電極54とY軸方向検出電極61との間隔が変
化することにより、静電容量が変化する。
【0067】コリオリ力により生じたY軸方向の振動
は、駆動電極63によるZ軸方向の振動に対し、同一の
周波数でかつ位相が90°進んだものとなる。そして、
X軸回りの角速度の大きさは、Y軸方向の振動の振幅に
対応する。これにより、X軸回りの角速度を検出するこ
とができる。
【0068】また、同様に、質量部51がZ軸方向に加
振された状態で、質量部51にY軸回りの角速度が作用
すると、X軸方向にコリオリ力が発生し、質量部51は
X軸方向に振動することとなる。
【0069】この振動は、X軸方向検出電極62により
静電容量の変化として検出される。すなわち、質量部5
1の櫛形電極55とX軸方向検出電極62との間隔が変
化することにより、静電容量が変化する。
【0070】コリオリ力により生じたX軸方向の振動
は、駆動電極63によるZ軸方向の振動に対し、同一の
周波数でかつ位相が90°進んだものとなる。そして、
Y軸回りの角速度の大きさは、X軸方向の振動の振幅に
対応する。これにより、Y軸回りの角速度を検出するこ
とができる。
【0071】以上述べたように、三次元角速度センサ1
では、第1の素子3によりZ軸回りの角速度と、3軸方
向の加速度とを検出し、第2の素子5によりX軸回りの
角速度と、Y軸回りの角速度とを検出する。
【0072】このような構成にすることにより、いずれ
の軸方向に関しても、コリオリ力同士や、加振した振動
とコリオリ力とが重畳することはない。
【0073】従って、重畳した出力を分離、抽出するた
めのフィルタ等の回路を設置することなく、X軸、Y軸
およびZ軸回りの角速度や、X軸、Y軸およびZ軸方向
の加速度を高精度で検出することができる。そして、前
記フィルタ等の回路を設置する必要がないため、構造が
簡易であり、小型化に寄与する。
【0074】以上、本発明の三次元角速度センサを図示
の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらに
限定されるものではない。
【0075】特に、3軸回りの角速度の検出に関して
は、複数の軸回りのコリオリ力が同じ軸方向で重畳しな
いようにする限りにおいて、第1の素子3および第2の
素子5の各々への加振方向、コリオリ力による振動の検
出方向等は、任意の方向が可能である。
【0076】また、図示の構成では、3軸方向の加速度
の検出を第1の素子3のみで行っているが、第2の素子
5のみで行ってもよく、あるいは、2軸方向の加速度を
一方の素子で検出し、残りの1軸方向の加速度を他方の
素子で検出するような構成としてもよい。
【0077】また、加速度の検出に関しては、1軸方向
または2軸方向のみ検出することができるものであって
もよい。2軸方向の加速度を検出する場合、それを一方
の素子のみで行っても、両方の素子で1軸方向ずつ検出
してもよい。また、本発明では、加速度センサを全く持
たないものでもよい。
【0078】質量部31、51を加振する方法は、前記
実施形態で挙げた静電引力に基づくものの他、例えば、
圧電効果、電磁力等を用いたものでもよい。
【0079】質量部31、51の各方向の変位の検出
は、前記実施形態で挙げた静電容量の変化に基づくもの
の他、例えば、ピエゾ抵抗効果、圧電効果等を用いたも
のでもよい。
【0080】以上のような本発明の三次元角速度センサ
の構成は、いわゆるバルクマイクロマシーン技術で製作
したセンサや、表面マイクロマシーン技術で製作したセ
ンサへの応用が可能である。
【0081】また、マイクロマシーン技術を用いていな
いセンサであっても、少なくとも1軸方向の加速度と3
軸回りの角速度を同時に検出し得るセンサであって、角
速度によるコリオリ力がある1つの軸に重畳しないよう
なセンサに、本発明を応用することができる。
【0082】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、2
つの素子で3軸回りの角速度を検出することができ、構
成が簡易で小型の三次元角速度センサを提供することが
できる。
【0083】また、出力信号が重畳されることがないの
で、検出精度が高く、重畳された信号を分離したり、特
定の信号を抽出したりするためのフィルタ等の回路も必
要なく、装置の小型化やコストダウンに寄与する。
【0084】また、構成を複雑化することなく、1〜3
次元方向の加速度も併せて検出し得るようにすることも
できる。従って、3軸回りの角速度と3軸方向の加速度
とを検出できるセンサを2個の素子で実現することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】加速度検出の原理を示す斜視図である。
【図2】角速度検出の原理を示す概念図である。
【図3】本発明の三次元角速度センサの実施形態を示す
概念図である。
【図4】図3に示す三次元角速度センサにおける第1の
素子の構成例を示す平面図である。
【図5】図3に示す三次元角速度センサにおける第2の
素子の構成例を示す平面図である。
【符号の説明】
1 三次元角速度センサ 2 基板 3 第1の素子 31 質量部 32 脚部 33 固定部 34 櫛形電極 35 櫛形電極 36 櫛形電極 41 駆動電極 42 Y軸方向検出電極 43 X軸方向検出電極 44 Z軸方向検出電極 5 第1の素子 51 質量部 52 脚部 53 固定部 54 櫛形電極 55 櫛形電極 61 Y軸方向検出電極 62 X軸方向検出電極 63 駆動電極 10 基板 11 重り 12 梁 13、14 電極

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コリオリ力を利用して互いに直交するX
    軸、Y軸およびZ軸のそれぞれの軸回りの角速度を検出
    する三次元角速度センサであって、 前記X軸、Y軸およびZ軸のうちのいずれか1つの軸の
    軸回りの角速度を検出する第1の素子と、 前記X軸、Y軸およびZ軸のうちの残りの2つの軸の軸
    回りの角速度をそれぞれ検出する第2の素子とを備える
    ことを特徴とする三次元角速度センサ。
  2. 【請求項2】 コリオリ力を利用して互いに直交するX
    軸、Y軸およびZ軸のそれぞれの軸回りの角速度を検出
    する三次元角速度センサであって、 質量部に前記X軸または前記Y軸方向の振動を与えて、
    Z軸の軸回りの角速度を検出する第1の素子と、 質量部に前記Z軸方向の振動を与えて、前記X軸および
    前記Y軸の軸回りの角速度をそれぞれ検出する第2の素
    子とを備えることを特徴とする三次元角速度センサ。
  3. 【請求項3】 前記第1の素子および前記第2の素子に
    おける質量部の前記X軸、Y軸またはZ軸方向の振動の
    周波数は、当該軸方向における質量部の共振周波数にほ
    ぼ等しい請求項2に記載の三次元角速度センサ。
  4. 【請求項4】 前記第1の素子と前記第2の素子とが、
    同一基体上に設置されている請求項1ないし3のいずれ
    かに記載の三次元角速度センサ。
  5. 【請求項5】 前記第1の素子が、前記X軸、Y軸およ
    びZ軸のうちの少なくとも1つの軸方向の加速度を検出
    する機能を有する請求項1ないし4のいずれかに記載の
    三次元角速度センサ。
  6. 【請求項6】 前記第2の素子が、前記X軸、Y軸およ
    びZ軸のうちの少なくとも1つの軸方向の加速度を検出
    する機能を有する請求項1ないし5のいずれかに記載の
    三次元角速度センサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009198206A (ja) * 2008-02-19 2009-09-03 Canon Inc 角速度センサ
JP2010501831A (ja) * 2006-08-18 2010-01-21 ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング 音叉ジャイロスコープ装置を有する2軸ヨーレート検知ユニット

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