JPH11293938A - ヒータ付き浴室洗い場床 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】ヒータ線１が長尺の金属製薄板２に固定さ
れてなる帯状ヒータ３が、補強用リブ８が縦横に交差す
るように設けられた浴室ユニットの洗い場床７裏面の、
前記補強用リブの一方向のリブとリブとの間の複数箇所
に、前記リブとリブとの間に沿いかつ交差するリブを乗
り越えるように配置・固定され、前記複数個の帯状ヒー
タ３は端子４を介して接続され、その上に断熱材層９が
形成されているヒータ付き浴室洗い場床。 【効果】比較的簡単な作業で、量産性に優れるＳＭＣ成
形の洗い場床に床暖房機能を付加することができる。ま
た、故障が発生した場合に容易に修理できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、浴室ユニットに用
いられるヒータ付き浴室洗い場床に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の浴室洗い場の床暖房装置の構造を
図５に示す。図５に示すように、洗い場床７と補強材１
８との間にヒータセット（金属板にヒータを取り付けた
もの）１７を埋め込んでいるもので、ハンドレイアップ
成形法で製作されていた。ヒータセット１７に通電する
と、ヒータが加熱されてその熱が金属板に伝わる。金属
板は熱伝導性に良好なものが使用されているので、ヒー
タセット１７の温度は均一に上昇し、洗い場床７を加熱
し、床温度が上昇するのである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記したように、従来
のヒータ付き浴室洗い場床はハンドレイアップ成形法で
製造するので量産性に難点があった。また、ヒータセッ
ト１７が埋め込まれた構造であるので、ヒータが故障し
た場合に浴室ユニット全体を解体しないと修理不可能で
あった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
を解決するために量産性に優れるＳＭＣ（シートモール
ディング）成形品等に適用でき（したがって、量産性に
優れ）、故障が発生した場合に容易に修理できる方法を
種々検討した。その結果、金属箔等の金属製薄板にヒー
タ線を固着させて一体物とした長尺帯状ヒータをつく
り、これを洗い場床裏面の補強用リブの一方向のリブと
リブとの間に、そのリブに沿いながらかつ交差するリブ
を乗り越えるように多数設けると目的が達せられること
が分かり、本発明を完成した。すなわち、本発明は、ヒ
ータ線が長尺の金属製薄板に固定されてなる帯状ヒータ
が、補強用リブが縦横に交差するように設けられた浴室
ユニットの洗い場床裏面の、前記補強用リブの一方向の
リブとリブとの間の複数箇所に、前記リブとリブとの間
に沿いかつ交差するリブを乗り越えるように配置・固定
され、前記複数個の帯状ヒータは端子を介して接続さ
れ、その上に断熱材層が形成されていることを特徴とす
る、ヒータ付き浴室洗い場床である。なお、ここで金属
製薄板とは、金属箔、金属テープ、金属シート等を含む
意味で用いる。

【０００５】

【発明の実施の形態】以下、図を用いて発明の実施の形
態を説明する。本発明で用いる帯状ヒータの一例を図１
に示す。（ａ）は平面図、（ｂ）はＡ−Ａ断面図であ
る。

【０００６】帯状ヒータ３は、ヒータ線１と長尺の金属
製薄板２とを一体化して、長尺の帯状ヒータ３とする。
ここで、ヒータ線としては、ニクロム線、タングステン
線等があり、金属製薄板としては、例えば、厚さ４０〜
１００μｍのアルミテープ等がある。一体化の方法とし
ては、例えば、ヒータ線を金属製薄板にホットプレス等
の方法で溶着したり、また、一面に粘着剤層をもつ２枚
の金属製薄板でヒータ線を挟んだものでもよい。得られ
る帯状ヒータは、金属製薄板とヒータ線で構成されてい
るので、柔軟性に富み、かつ、熱伝導性に優れている。

【０００７】一方、浴室ユニットの洗い場床、又は、洗
い場床と浴槽が一体となった浴室ユニットの洗い場床
（多くは、ＳＭＣ成形品）には、裏面に補強用のリブが
縦横に交差するように、あるいは斜め（Ｘ状）に交差す
るように、多数本設けられている。

【０００８】図２は本発明に係るヒータ付き浴室洗い場
床の一例の縦断面図、図３はそれを裏から見た図であ
る。洗い場床７の裏面には、補強用のリブ８が縦横に交
差するように多数本設けられている。帯状ヒータ３は、
この補強用リブの一方向のリブとリブとの間に、そのリ
ブとリブとの間に沿いかつ交差するリブを乗り越えるよ
うに（図２）、列状に複数枚（通常は、３〜８枚程度の
枚数）配置させ、固定させる。帯状ヒータ３は、前述し
たように柔軟性に富むため、前記リブ８と交差するリブ
８に対してはリブ８の外形に沿って乗り越えるように設
置させることができる。なお、帯状ヒータ３の洗い場床
７への固定は、接着剤（両面接着テープほか）等を用い
て行うことができる。

【０００９】複数枚設置した帯状ヒータ３は、接続端子
４で接続コード５により直列または並列に結線される。
その後、この上に断熱用発泡体（例えば、発泡ウレタ
ン）９を吹き付ける。発泡体の代わりにグラスウールや
ロックウール等の断熱材を取り付けてもよい。いずれに
しろ、帯状ヒータ３の裏には断熱材層があるだけなの
で、ヒータ故障の修理時は断熱材をとりはすせば可能と
なる。

【００１０】また、温度制御のため、バイメタル式のサ
ーモスタット６を取り付けることができる。サーモスタ
ット６はなくてもよく、また、熱電対やサーミスタ等の
センサーを使用してもよい。

【００１１】

【実施例】図４は、本発明に係るヒータ付き浴室洗い場
床をもつ浴室ユニットの一例（側面略図）である。浴室
ユニット１１は、浴槽１０、帯状ヒータ３付き洗い場床
７、ユニット壁１２、ユニット天井１３等で構成されて
いる。帯状ヒータ３と接続しているヒータ用の電源コー
ド１４は、脱衣所等の壁に設置した操作部１５を経由し
て電源に接続されている。操作部１５には通電スイッチ
が設けてあり、スイッチを入れると、複数の帯状ヒータ
３のヒータ線１に通電され、ヒータ線１の温度が上昇し
て金属製薄板２を加熱する。金属製薄板として、厚さ４
０μｍのアルミ箔を使用した。アルミ箔は熱伝導性に優
れているので、帯状ヒータ３の全体が均一に昇温し、帯
状ヒータ３全体で洗い場床７を加熱することができる。
操作部１５にはスイッチの代わりにタイマーを設けても
よく、スイッチとタイマーを設けても良い。

【００１２】本発明に係るヒータ付き浴室洗い場床（ヒ
ータ容量は２５０Ｗ。サーモスタットは３５℃でＯＦ
Ｆ、２７℃でＯＮの設定。）を一坪用浴室ユニットに取
り付け、温度上昇等を観察した結果は、下記の通り。室
温１０℃の状態でスイッチを投入したところ、３０分で
１８度の温度上昇が得られ、洗い場床の温度が２８℃と
なった。その後、徐々に洗い場床の温度は上昇し、約２
時間後には３３℃となった。更に１時間後、サーモスタ
ットがＯＦＦとなり通電が停止し、徐々に洗い場床の温
度は降下した。約１５分後に再びサーモスタットがＯＮ
で通電し、洗い場床の温度は上昇し、これを繰り返し
た。洗い場床の温度は約２７〜３５℃の間に保たれた。

【００１３】

【発明の効果】本発明のヒータ付き浴室洗い場床は、比
較的簡単な作業で、量産性に優れるＳＭＣ成形の洗い場
床に床暖房機能を付加することができる。また、故障が
発生した場合に容易に修理ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に使用する帯状ヒータの一例で、（ａ）
は平面図、（ｂ）はＡ−Ａ断面図である。

【図２】本発明の一例のヒータ付き浴室洗い場床の縦断
面図である。

【図３】本発明の一例のヒータ付き浴室洗い場床を裏か
ら見た図である。

【図４】本発明の洗い場床暖房装置を取り付けた浴室ユ
ニットの一例の側面略図である。

【図５】従来の床暖房装置の縦断面略図である。

【符号の説明】

１：ヒータ線 ２：金属箔ま
たは薄板 ３：帯状ヒータ ４：接続端子 ５：接続コード ６：サーモス
タット ７：洗い場床 ８：リブ ９：断熱用発泡体 １０：浴槽 １１：浴室ユニット １２：ユニッ
ト壁 １３：ユニット天井 １４：電源コ
ード １５：操作部 １６：アース １７：ヒータセット １８：補強材 １９：断熱材

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 健二 茨城県下館市大字下江連1250番地 日立化 成工業株式会社結城工場内 (72)発明者 村田 正治 茨城県下館市大字下江連1250番地 日立化 成工業株式会社結城工場内 (72)発明者 沢田 哲之 富山県富山市一本木1010番地 日立化成ユ ニット株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ヒータ線が長尺の金属製薄板に固定されて
   なる帯状ヒータが、補強用リブが縦横に交差するように
   設けられた浴室ユニットの洗い場床裏面の、前記補強用
   リブの一方向のリブとリブとの間の複数箇所に、前記リ
   ブとリブとの間に沿いかつ交差するリブを乗り越えるよ
   うに配置・固定され、前記複数個の帯状ヒータは端子を
   介して接続され、その上に断熱材層が形成されている、
   ヒータ付き浴室洗い場床。