JPH08170402A - 浴室天井パネルの結露防止構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 浴室天井パネルの結露防止構造であって、季
節や外気温度如何に係わらず、又入浴中でも充分に効果
を発揮し得るものを提供する。 【構成】 化粧鋼板からなる表面板２と、断熱材からな
る裏打ち材３との間に、シート状発熱体４が接着剤層を
介して挟着されており、シート状発熱体４に通電するこ
とにより浴室天井パネル１が昇温する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、バスユニット等の浴室
天井パネルの結露防止構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、浴室では浴槽内に温湯が充填して
おり、また入浴中には多量の温湯を使用するために、天
井に水蒸気が付着して水滴となり、これが凝集して大き
くなったものが人体に落下して不快な思いをすることが
あり、また付着した水滴をその儘にしておくと、その跡
に黴が発生したりすることがある。

【０００３】そこで、浴室天井パネルの結露防止のため
に、種々の方法が採られている。例えば、化粧鋼板から
なるパネル本体の裏面側に発泡スチロールやグラスウー
ル等の保温材を貼り付ける方法、浴室内の天井パネルの
表面に温風を吹きつける方法、浴室天井パネルの一部に
開口部を設け、ここに換気扇を取り付けて、浴室から出
た後でこの換気扇を駆動し、蒸気の多い浴室内の空気を
強制的に排出する方法等である。

【０００４】また、実開平３−６８２６６号公報に記載
されているように、同じく浴室天井パネルの一部に開口
部を設け、この開口部に熱伝動率の大きい放熱板を取付
け、天井パネルの表裏の温度差を少なくして、結露防止
を図った技術も提案されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところが、裏面側に保
温材を貼着するだけでは、外気温度が低いときは、天井
パネルの表面温度も低く、入浴当初に発生する蒸気が凝
結し、完全な防止策にはならない。また、温風を吹きつ
ける方法の場合は、吹き出し口の近辺では効果がある
が、離れた箇所では充分な効果が得られないという問題
があった。

【０００６】また、換気扇を用いて強制換気する方法の
場合は、換気扇が駆動しているときは、浴室内の水蒸気
が屋外に強制的に排出されるので非常に効果的である
が、入浴中に換気扇を駆動させると、浴室内の温度が低
下して寒くなり、冬季では入浴中に換気扇を使用するこ
とができない。従って、入浴中に天井パネルに水滴が付
着することとなる。この一旦付着した水滴は、浴室から
出た後でいくら換気扇による換気を行っても消滅し難い
という問題があった。

【０００７】また、天井パネルの開口部に放熱板を取付
ける方法では、電気エネルギーを使用しないので省エネ
的ではあるが、浴室のように高温蒸気が充満している室
内では、放熱板の面積を大きくしないと効果的ではな
く、また放熱板を大きくすると、浴室内の熱がどんどん
室外に逸散する結果となり、換気扇の場合と同様に浴室
内の温度が低下して冬季に使用できないという問題があ
った。

【０００８】本発明は、このような従来技術の欠点を解
消し、季節や外気温度の如何に係わらず、また入浴中で
も充分に効果を発揮し得る浴室天井パネルの結露防止構
造を提供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明の浴室天井パネル
の結露防止構造は、「通電により発熱するシート状発熱
体が、内部に組み込まれてなる複合パネルを用いてなる
こと」を特徴とするものであり、このことにより上記目
的が達成される。

【００１０】本発明で使用するシート状発熱体としては
特に限定はなく、公知のものが採用可能であるが、例を
挙げると、一つには、絶縁被覆を施した可撓性の抵抗金
属線を耐熱性、絶縁性に富む二枚のシート間に蛇行状態
で挟んだ構造のものがあり、また一つには、熱硬化性樹
脂等を媒体として、その中に鉄、銅、アルミニウム等の
金属や炭素等の導電性物質の微粒子や短繊維を分散させ
てシート状にしたものや、炭素繊維からなるカーボンペ
ーパーを主体とした発熱シート等が挙げられる。

【００１１】これらのシート状発熱体は、何れも通電に
より発熱するものであるから、該発熱体の端部に通電
部、即ち防水端子等を設けておく必要がある。そして、
浴室天井パネルでの発熱であり、季節により、また浴槽
内の湯温により蒸気発生の度合いも異なるので、例え
ば、脱衣室との仕切り壁の外側に、温度制御装置を取付
け、入浴前にこの温度制御装置により発熱シートを適温
に昇温できるようにするのがよい。

【００１２】該温度制御装置としは、タイマー付き電源
スィッチと、温度設定用つまみと、天井パネルに装着さ
れる熱電対等の温度センサーからの指示に基づいてその
ときの温度を指針によって表示する温度表示計とを有
し、該温度表示計には、温度設定用つまみにより所望の
温度目盛りにセットする温度設定指針が装備されている
もの等が挙げられる。

【００１３】

【作用】本発明の浴室天井パネルの結露防止構造は、浴
室天井パネルとして、内部に通電により発熱するシート
状発熱体が組み込まれてなる複合パネルを使用するの
で、シート状発熱体に通電すれば、天井パネルが昇温
し、その裏面側が低温であっても、浴室内に露出するこ
ととなる表面側までその影響を受けることがなく、従っ
て、浴室内に水蒸気が充満しても表面に結露することが
ない。

【００１４】

【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら詳細に説明する。

【００１５】図１は本発明の結露防止構造を備えた浴室
天井パネルの一実施例を示す縦断面図であり、図２は他
の実施例を示す縦断面図である。

【００１６】図１において、１は浴室天井パネルであっ
て、化粧鋼板からなる表面板２とグラスウールもしくは
合成樹脂発泡体からなる裏打ち材３との間に、シート状
発熱体４が挟着された恰好となっている。そして、表面
板２とシート状発熱体４との界面、及び裏打ち材３とシ
ート状発熱体４との界面には、図示しない接着剤層が形
成され、全体として多層の積層構造体となっている。

【００１７】シート状発熱体４は、絶縁被覆を施した可
撓性の抵抗金属線を耐熱性、絶縁性に富む二枚の合成樹
脂製シート間に蛇行状態にして挟着したものからなり、
その一端には防水端子５が設けられている。

【００１８】６は、温度制御装置であって、浴室の仕切
り壁等に取り付けられ、これによりシート状発熱体４を
昇温させることができる。即ち、該温度制御装置６は、
タイマー付き電源スィッチ７と、温度設定用つまみ８
と、浴室天井パネル１に取着された熱電対からなる温度
センサー９からの指示に基づいて、そのときの温度を指
針によって表示する温度表示計１０とを有し、該温度表
示計には、温度設定用つまみ８により所望の温度目盛り
にセットする温度設定指針が装備されている。

【００１９】１１はリード線であって、温度制御装置６
内の電源と、シート状発熱体４の防水端子５及び温度セ
ンサー９との間を連結している。そして、温度センサー
９からの指示によって、温度設定用つまみ８により設定
された所定の温度を中心として、リレーの働きによりシ
ート状発熱体４への通電を入切し、温度を調節するよう
にしたＯＮ・ＯＦＦ式温度調節装置である。

【００２０】次に、図２に示す実施例について説明す
る。尚、図１に示すものと同一部分には同一符号を付
し、重複する説明と省略する。

【００２１】１２は浴室天井パネルであって、全体がガ
ラス繊維強化合成樹脂からなり、このなかにシート状発
熱体１３が埋設されている。このシート状発熱体１３
は、熱硬化性樹脂を媒体として、その中に銅、炭素等の
導電性物質からなる微粒子や短繊維を分散させてなるも
のであり、全体が導電体であるから、不導体であるガラ
ス繊維強化合成樹脂内に埋設して天井パネルに成形され
る。

【００２２】その他の防水端子５、温度制御装置６、温
度センサー９及びリード線１１等は上述の実施例と同じ
ものである。

【００２３】上述の各実施例の浴室天井パネル１、１２
は、施工に際しては、これをそのまま天井パネル材とし
て組立て施工すればよく、リード線１１は、天井裏に這
わせると共に、浴室の間仕切り壁内に導き、該壁面に温
度制御装置６を取り付ければよい。

【００２４】

【発明の効果】本発明の浴室天井パネルの結露防止構造
は、シート状発熱体に通電することにより天井パネル全
体が昇温し、その裏面側が低温であっても表面側まで冷
やされることがないので、結露発生が防止できる。ま
た、シート状発熱体の重量は軽いので、分厚い裏打ち材
を使用するものに比べて全体として軽量化され、格別の
補強をする必要もない。従って、季節や外気温度の如何
に係わらず、また入浴中でも充分に所期の効果を発揮し
得る浴室天井パネルの結露防止構造を提供するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す縦断面図である。

【図２】同上の他の実施例を示す縦断面図である。

【符号の説明】

１、１２ 浴室天井パネル ４、１３ シート状発熱体 ５ 防水端子 ６ 温度制御装置 11 リード線

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 通電により発熱するシート状発熱体が、
   内部に組み込まれてなる複合パネルを用いてなることを
   特徴とする浴室天井パネルの結露防止構造。