JPH11291535A - サーマルプリント方法 - Google Patents

サーマルプリント方法

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JPH11291535A
JPH11291535A JP9193498A JP9193498A JPH11291535A JP H11291535 A JPH11291535 A JP H11291535A JP 9193498 A JP9193498 A JP 9193498A JP 9193498 A JP9193498 A JP 9193498A JP H11291535 A JPH11291535 A JP H11291535A
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JP
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thermal
thermal head
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change
line
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JP9193498A
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Hideyuki Kokubo
秀幸 小久保
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低濃度ライン領域と高濃度ライン領域との境
界で、黒スジや白スジが発生しないようにする。 【解決手段】 高濃度ライン領域HDAから低濃度ライ
ン領域LDAに移行する際の境界領域BO1において、
サーマルヘッドの平均温度の急激な変化により、サーマ
ルヘッドの発熱素子アレイと記録紙との間の摩擦抵抗が
変動する。この摩擦抵抗の変動をサーマルヘッドの記録
紙送り方向における変位として、光センサで検出する。
ヘッド変位量の変化分が増加するときに、その変化分に
対応してサーマルヘッドの駆動電圧を徐々に下げる。こ
れにより、1ライン記録時の単位面積当たりの印画熱エ
ネルギが変更され、黒スジの発生が抑えられる。同様に
して、低濃度ライン領域LDAから高濃度ライン領域H
DAに移行する際の境界領域BO2において、ヘッド変
位量の変化分が減少するときに、その変化分に対応して
サーマルヘッドの駆動電圧を徐々に上げ、白スジの発生
を抑える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はサーマルプリント方
法に関し、更に詳しくは、低濃度ラインの領域と高濃度
ラインの領域の境界で、急激な摩擦変動に伴う白スジや
黒スジの発生を抑えるように改良したサーマルプリント
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】サーマルプリント例えば感熱プリントで
は、少なくとも1つの感熱発色層を層設した感熱記録紙
と、多数の発熱素子をライン状に形成したサーマルヘッ
ドとを用い、サーマルヘッドと感熱記録紙とを相対移動
させながら、サーマルヘッドで感熱記録紙を加熱するこ
とで、感熱記録紙上に画像を1ラインずつ発色記録す
る。
【0003】感熱プリント方法としては、例えば、特開
昭56−167480号公報に記載されているように、
プリント中は、ドットを発色しない発熱素子に対して
も、発色しない程度の予熱パルス(げたパルス)を与え
て駆動し、ドットを発色記録する発熱素子に対しては、
画像データに基づいた高電力の印画パルスを与えて駆動
することが知られている。各発熱素子は、ドットを発色
記録しない場合でも、予熱パルスで駆動されて一定な温
度に維持されるから、ドットの発色記録のために急激な
加熱の繰り返しが行われず、したがって発熱素子の寿命
が長くなり、また発熱素子の立ち上がりが良好となるの
で記録品質が均一化する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の感熱プリント方
法では、予熱パルスを用いることで記録品質の均一化を
達成することはできるが、ドットを発色記録する発熱素
子数の全発熱素子数に対する比率(印画率)が急変する
場合、例えば白地の画素(ドットを記録しない画素)が
多い低濃度ラインの領域から、高濃度の画素が多い高濃
度ラインの領域に移行する場合、あるいは逆に高濃度ラ
インの領域から低濃度ラインの領域に移行する場合に、
濃度が低い線(以下、白スジという)や濃度が高い線
(以下、黒スジという)が入るという問題があった。
【0005】図11は、白地部2の周囲を高濃度の黒地
部3が取り囲んだ画像をプリントする状態を示してい
る。感熱記録紙4は、プリント時に矢線方向に一定速度
で搬送される。この感熱記録紙4の搬送中に、サーマル
ヘッド5が感熱記録紙4に押圧される。このサーマルヘ
ッド5には、多数の発熱素子5aをライン状に配列した
発熱素子アレイが設けられている。各発熱素子5aは、
余熱パルス又は印画パルスで駆動され、ラインAからラ
インDに向けて、画像を1ラインずつ記録する。
【0006】ラインA〜ラインBまでは、高濃度の画素
が多い高濃度ラインの領域HDAである。ラインB〜ラ
インCまでは、白地の画素が多い低濃度ラインの領域L
DAである。ラインC〜ラインDまでは高濃度ラインの
領域HDAである。
【0007】図12は、図11のX−X線,Y−Y線上
におけるプリント画像の発色濃度を示すものである。X
−X線上においては、図12(A)に示すように、元の
画像を忠実に再現している。しかし、Y−Y線上におい
ては、本来は一様であるはずの濃度が、図12(B)に
示すように、ラインBの付近で濃度が高い黒スジ6が発
生している。また、ラインCの付近では本来の画像濃度
より低濃度となり、いわゆる白スジ7が発生している。
これらの黒スジ6や白スジ7は濃度ムラとなる。
【0008】前述した黒スジや白スジは、サーマルヘッ
ドと感熱記録紙との摩擦抵抗に起因するものである。す
なわち、感熱記録紙の表面には、樹脂の保護層が設けら
れているが、サーマルヘッドに対する保護層の摩擦係数
は、サーマルヘッドの平均温度によって変わる。例え
ば、高濃度の画素が多い高濃度ラインの領域から、白地
の画素が多い低濃度ラインの領域に移行すると、サーマ
ルヘッドの平均温度が低くなるため、摩擦抵抗が急に大
きくなる。このために、感熱記録紙の搬送速度が一時的
に低下し、黒スジが発生する。他方、白地の画素が多い
低濃度ラインの領域から、高濃度の画素が多い高濃度ラ
インの領域に移行すると、摩擦抵抗が急に小さくなるた
め、感熱記録紙の搬送速度が一時的に速くなり、白スジ
が発生する。
【0009】本発明は、画像の濃度が急に変化する場合
でも、濃度ムラを発生しないようにしたサーマルプリン
ト方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載のサーマルプリント方法では、サーマ
ルヘッドの記録紙送り方向での変位量を検出し、この変
位量の変化分が増加するときにその変化分に対応して、
ライン毎の単位面積当たりの熱エネルギを下げ、前記変
位量の変化分が減少するときにその変化分に対応して、
ライン毎の単位面積当たりの熱エネルギを上げるように
したものである。
【0011】請求項2記載のサーマルプリント方法で
は、サーマルヘッドの記録紙の記録面に直交する方向で
の変位の振幅を検出し、この振幅の変化分が増加すると
きにその変化分に対応して、ライン毎の単位面積当たり
の熱エネルギを下げ、前記振幅の変化分が減少するとき
にその変化分に対応して、ライン毎の単位面積当たりの
熱エネルギを上げるものである。
【0012】なお、前記単位面積当たりの熱エネルギの
変更は、サーマルヘッドの駆動電圧を変更して行うこと
が好ましい。また、駆動電圧の変更に代えて、サーマル
ヘッドの通電時間を変更したり、サーマルヘッドのライ
ン毎の冷却時間を変更したり、記録紙の紙送り量を変更
したりして、単位面積当たりの熱エネルギを変更しても
よい。
【0013】
【作用】請求項1記載の発明では、サーマルヘッドの記
録紙送り方向での変位量を検出し、この変位量の変化分
が増加するときにその変化分に対応して、ライン毎の単
位面積当たりの熱エネルギを下げている。これにより、
記録紙の搬送負荷変動に伴う黒スジの発生を抑えること
ができる。また、変位量の変化分が減少するときにその
変化分に対応して、ライン毎の単位面積当たりの熱エネ
ルギを上げるから、同様にして白スジの発生が抑えられ
る。
【0014】請求項2記載の発明では、サーマルヘッド
の記録紙の記録面に直交する方向での変位の振幅を検出
し、この振幅の変化分が増加するときにその変化分に対
応して、ライン毎の単位面積当たりの熱エネルギを下
げ、前記振幅の変化分が減少するときにその変化分に対
応して、ライン毎の単位面積当たりの熱エネルギを上げ
ている。したがって、搬送負荷変動による黒スジや白ス
ジの発生が抑えられる。
【0015】
【発明の実施の形態】図1において、ビデオカメラ等の
画像入力装置(図示せず)から、画像データが1ライン
ずつ画像データメモリ10に送られる。この画像データ
メモリ10は、1ラインの画像データを記憶する。この
記録された画像データはプリント部11に送られる。プ
リント部11では、画像データに基づき各発熱素子毎の
通電時間を演算し、これをサーマルヘッドドライバ12
に送る。
【0016】サーマルヘッドドライバ12は、記録紙1
3のプリント方向への送りに同期して、通電時間データ
に基づきサーマルヘッド14の各発熱素子を駆動する。
これにより、感熱発色層に記録すべき画素の濃度に応じ
た熱エネルギが与えられ、画像が1ラインずつ順次記録
される。
【0017】サーマルヘッド14はヘッドブラケット1
5に固定されている。ヘッドブラケット15は、図示し
ないフレームに取付軸16を介して回動自在に取り付け
られており、サーマルヘッド14を記録位置又は退避位
置に選択的にセットする。記録位置では、サーマルヘッ
ド14がプラテンローラ17側に付勢され、これにより
発熱素子アレイ14aが記録紙13に押しつけられる。
また、退避位置では発熱素子アレイ14aが記録紙13
から離れる。発熱素子アレイ14aには、取付軸16の
軸方向に平行に各発熱素子がライン状に形成されてい
る。プラテンローラ17はパルスモータ18により回転
駆動され、これにより記録紙13を搬送する。
【0018】ヘッドブラケット15にはコイルバネ19
が取り付けられており、このコイルバネ19は、サーマ
ルヘッド14を記録位置側に付勢する。ヘッドブラケッ
ト15は、シフト機構20により記録位置から退避位置
にされ、この退避位置では、記録紙13の給紙又は排紙
が行われる。
【0019】前記取付軸16は直径が3〜4mmで構成さ
れており、熱記録の際に、記録紙13と発熱素子アレイ
14aとの間の摩擦抵抗により記録紙送り方向に僅かに
弾性変形する。この弾性変形により、サーマルヘッド1
4の発熱素子アレイ14aは、熱記録の際に記録紙の送
り方向で微小ではあるが変位する。この変位量を検出す
るために、光センサ21が設けられている。
【0020】光センサ21は、サーマルヘッド14に対
して記録紙送り方向の下流側に配置されている。この光
センサ21は、投光器と受光器とから構成されており、
反射型とされている。投光器はサーマルヘッド14の端
面14bに向けて投光する。サーマルヘッド14の端面
14bで反射した光は受光器で受けられる。受光器は受
けた光を光電変換する。この光センサ21からの出力信
号は、A/D変換器22でデジタル化された後に、演算
処理部23に送られる。
【0021】演算処理部23は周知のマイクロコンピュ
ータから構成されており、ソフトウェアにより、距離算
出部24、変位量の変化分算出部25、ヘッド電圧の算
出部26が構成されている。距離算出部24は、光セン
サ21の出力信号に基づきサーマルヘッド14と光セン
サ21との距離を算出する。
【0022】図2には、距離算出部24で用いるセンサ
出力と、サーマルヘッド14と光センサ21との距離と
の関係の一例が示してある。ヘッド・センサ間の距離が
減少すると、これに対応してセンサ出力が上がるので、
この関係を用いて、センサ出力からヘッド・センサ間の
距離を求める。このセンサ出力とヘッド・センサ間の距
離との関係は、予め実験等により求められ、これが図示
しないメモリに記憶されている。
【0023】変化分算出部25は、今回計測の距離デー
タから前回計測の距離データを引いてその差を求め、こ
の差を変位量の変化分DLとする。例えば、図2におい
て、前回計測の光センサの出力をSaとし、今回計測の
光センサの出力をSbとすると、センサ・ヘッド間の距
離Lは、前回計測分がLa,今回計測分がLbとなる。
そして、今回計測の距離データLbから前回計測の距離
データLaを引いて、変位量変化分「+DL1」が求め
られる。計測は一定時間毎に行われるので、変位量変化
分は単位時間当たりの変化分となる。
【0024】ヘッド電圧の算出部26は、変位量の変化
分DLとサーマルヘッドの駆動電圧Eとの関係に基づき
変位量変化分からサーマルヘッドの駆動電圧を求める。
この変位量変化分とサーマルヘッドの駆動電圧との関係
は、高濃度ライン領域と低濃度ライン領域との境界部分
で発生する黒スジ又は白スジの濃度に基づき、これらの
スジを抑えるように、予め実験により求められる。
【0025】図3は、変位量変化分DLとサーマルヘッ
ドの駆動電圧Eとの関係を示す線図であり、変位量の変
化分DLが増えると、この増加に伴いヘッド駆動電圧E
も徐々に下降する。また、変位量の変化分DLが減る
と、この減少に伴いヘッド駆動電圧Eも徐々に上昇す
る。そして、変位量変化分DLが「0」のときは、サー
マルヘッドは、基準電圧で駆動される。例えば、変位量
変化分が「+DL1」のように増加すると、DL1分に
対応するDE1分だけ基準電圧Esから下げられたE1
の駆動電圧にされる。また、逆に「−DL2」のように
変位量変化分DLが減少すると、DL2分に対応したD
E2分だけ基準電圧Esから上げられたE2の駆動電圧
にされる。
【0026】ヘッド電圧の算出部26からのサーマルヘ
ッドの駆動電圧信号は、ヘッド駆動電圧制御部27に送
られる。ヘッド駆動電圧制御部27では、この駆動電圧
信号に基づきサーマルヘッド14の駆動電圧を変更し、
これをサーマルヘッドドライバ12に送る。
【0027】したがって、図4に示すように、高濃度ラ
イン領域HDAから低濃度ライン領域LDAに移行する
場合にはその境界領域BO1で、サーマルヘッド14が
記録紙送り方向に急激に変位し、この変位量の変化分D
Lが増える。この増加した変化分DLに応じて、サーマ
ルヘッドの駆動電圧Eは下げられる。これにより、補正
が行われない従来の場合には図12に示すように黒スジ
6が発生していたが、本実施形態では、ヘッド駆動電圧
の低下により単位面積当たりの印画熱エネルギが下げら
れるため、黒スジ6の発生が抑えられる。
【0028】変位量が高値に近づいて変位量の変化分D
Lが少なくなると、これに伴いサーマルヘッドの駆動電
圧Eも上がるため、サーマルヘッドの駆動電圧が基準電
圧Esに戻される。そして、白地の画素の個数が多い低
濃度ラインが連続して低濃度ライン領域LDAに入る
と、サーマルヘッド14の平均温度が下がるとともに摩
擦抵抗の急激な変化が無くなり、搬送負荷変動も少なく
なる。したがって、変位量が高値で安定するため、変位
量の変化分DLが「0」となり、ヘッド駆動電圧Eは基
準電圧Esが維持される。同様にして、低濃度ライン領
域LDAから高濃度ライン領域HDAに移行する場合に
もその境界領域BO2で、光センサ21の変位量の変化
分DLに応じてサーマルヘッドの駆動電圧Eが制御され
るため、白スジ7(図12参照)の発生が抑えられる。
【0029】なお、上記実施形態では、光センサ21の
変位量からその変化分を求めて、図3に示す線図に基づ
き変化分DLからサーマルヘッドの駆動電圧Eを求める
ようにしたが、このような線図から求める他に、変位量
の変化分とヘッド電圧との関係を数式化しておき、変位
量からヘッド電圧を算出してもよい。簡単には、変位量
の変化分とヘッド電圧との関係を変換係数を用いて数式
化し、この変換係数を変位分に乗じることで、ヘッド電
圧を求めてもよい。
【0030】上記実施形態では、サーマルヘッド14の
送り方向での変位量の変化分に基づき、サーマルヘッド
14の駆動電圧を変更することで、単位面積当たりの印
画のための熱エネルギを変更したが、この他に、図6に
示すようにサーマルヘッド14への通電時間を変更した
り、図7に示すようにサーマルヘッド14へのライン毎
の冷却時間を変更したり、図8に示すように記録紙13
の紙送り量を変更したりして、黒スジや白スジの発生を
抑えるようにしてもよい。
【0031】図5は、サーマルヘッドの通電時間を変更
する実施形態を示しており、図1に示すものと同一構成
部材には同一番号を付して重複した説明が省略してあ
る。演算処理部30では、図1の演算処理部23におけ
るヘッド電圧の算出部26の代わりに、通電時間算出部
31を設ける。通電時間算出部31では、図6に示す関
係に基づき変位量変化分から通電時間を算出する。
【0032】この変位量変化分と通電時間との関係も予
め実験により求められ、これらの関係が演算処理部のメ
モリに記憶されている。そして、図6に示すように、変
位量変化分が大きくなると、この変化分の増大につれて
通電時間が基準の通電時間よりも短縮される。また、変
化分が減少すると通電時間が基準の通電時間よりも長く
される。したがって、単位面積当たりの印画のための熱
エネルギが変更されるため、黒スジや白スジの発生が抑
えられる。なお、本実施形態では、1ラインの周期は変
更されることない。したがって、通電時間が増えるとこ
れに伴い冷却時間がこの増加分だけ減少し、逆に通電時
間が減少すると冷却時間が増える。
【0033】図5に示す実施形態では、サーマルヘッド
の通電時間を変更することで、熱エネルギを変化させた
が、これに代えて、図7に示すように、冷却時間を変更
することで通電タイミングを変え、一時的に紙送りと通
電タイミングとを非同期とさせて、単位面積当たりの印
画のための熱エネルギを変更してもよい。この場合に
は、図5の演算処理部における通電時間算出部31の代
わりに、冷却時間算出部(図示省略)を設ける。そし
て、ヘッド変位量の変化分算出部からの変位量変化分に
基づき、冷却時間を算出する。このヘッド変位量と冷却
時間との関係も予め実験により求められ、これらの関係
が演算処理部のメモリに記憶されている。
【0034】そして、変位量変化分が大きくなると、こ
の変位量変化分の増大につれて冷却時間が基準の冷却時
間よりも長くされる。また、変位量変化分が減少すると
冷却時間が基準の冷却時間よりも長くされる。なお、画
像データに基づく通電時間は変更されないため、1ライ
ン周期が変化することになり、これにより、単位面積当
たりの印画熱エネルギが変更されて、黒スジや白スジの
発生が抑えられる。
【0035】更には、冷却時間を変更する代わりに、図
8に示すように、記録紙13を搬送するためのパルスモ
ータ18のパルス周期を変えることにより、単位面積当
たりの印画のための熱エネルギを変更して、黒スジや白
スジの発生を抑えてもよい。この場合にも、ヘッド変位
量変化分とパルス周期との関係が予め求められ、これら
の関係が演算処理部のメモリに記憶される。そして、変
位量変化分が大きくなると、この変位量変化分の増大に
つれてパルス周期が基準のパルス周期よりも長くされ
る。また、変位量変化分が減少するとパルス周期が基準
のパルス周期よりも短くされる。なお、パルスモータ1
8に代えてDCモータを用いる場合には、DCモータの
電圧を変更することで送り量を変化させ、単位面積当た
りの印画のための熱エネルギを変更し、黒スジや白スジ
の発生を抑える。
【0036】また、上記実施形態では、記録紙の送り方
向における変位を検出し、これに基づき単位当たりの印
画のための熱エネルギを変更するようにしたが、これに
代えて、図9に示すように、記録紙13の記録面に直交
する方向でのサーマルヘッド14の変位量を光センサ4
0で上記と同様にして検出し、これに基づき黒スジや白
スジの発生を抑えてもよい。
【0037】すなわち、サーマルヘッド14への熱エネ
ルギが急激に変化すると、感熱記録紙13の保護層の軟
化度合いが変化し、これに応じてサーマルヘッド14の
保護層への食い込み量が変化する。したがって、サーマ
ルヘッド14の記録面に直交する方向でのサーマルヘッ
ド14の振幅が変動する。この振幅の変動量に応じてサ
ーマルヘッドの駆動電圧を変えて単位面積当たりの印画
熱エネルギを変更することにより、黒スジや白スジの発
生が抑えられる。
【0038】このため、演算処理部41のセンサ・ヘッ
ド間の距離算出部42で、サーマルヘッド14と光セン
サ40との間の距離を求める。また、ヘッド変位量の振
幅算出部43で、距離データからヘッド変位量の振幅を
求める。更に、ヘッド電圧の算出部44で、ヘッド変位
量の振幅の変化分から黒スジや白スジを抑えるために、
上記実施形態と同様にしてサーマルヘッドの駆動電圧を
求める。すなわち、振幅が増加すると、この増加分に応
じてサーマルヘッドの駆動電圧を徐々に下げる。また、
振幅が減少すると、この減少分に応じてサーマルヘッド
の駆動電圧を徐々に上げる。そして、この駆動電圧信号
をヘッド駆動電圧制御部27に送り、サーマルヘッド1
4の駆動電圧を制御する。
【0039】図10は、振幅の変動に基づき補正される
印画熱エネルギの変動を示すものであり、高濃度ライン
領域HDAから低濃度ライン領域LDAへの移行の際に
はその境界領域BO1でサーマルヘッドの駆動電圧が変
更されることで、1ライン毎の単位面積当たりの印画熱
エネルギが低くされ黒スジの発生が抑えられる。また、
低濃度ライン領域LDAから高濃度ライン領域HDAへ
の移行の際にはその境界領域BO2で、1ライン毎の単
位面積当たりの印画熱エネルギが高くされ白スジの発生
が抑えられる。なお、サーマルヘッドの駆動電圧を制御
する代わりに、上記各実施形態と同様に、各発熱素子へ
の通電時間、冷却時間、パルスモータの周期等を変更し
てもよい。
【0040】また、上記実施形態では、サーマルヘッド
14の変位量を1個の光センサ21,40で検出した
が、この光センサ21,40を主走査方向に複数個設け
て、これら光センサからの変位量の平均値を用いて、単
位面積当たりの印画熱エネルギを変更してもよい。
【0041】また、上記実施形態では全発熱素子に対し
て、単位面積当たりの印画熱エネルギを変更するように
したが、この他に、黒や白を印画する発熱素子は除い
て、中間濃度部分を印画する発熱素子に対して、通電時
間や冷却時間の変更により、単位面積当たりの印画熱エ
ネルギを補正してもよい。白記録部分に対して、上記補
正を行うと、発色してしまうおそれがあり、また、黒記
録部分に対して上記補正を行うと面荒れが発生するおそ
れがあるからである。
【0042】上記実施形態では、サーマルヘッドの変位
量を光センサを用いて検出したが、この他に、サーマル
ヘッドの変位量が検出可能なものであれば、その他の変
位量検出手段、例えば歪み計などを用いてもよい。
【0043】上記実施形態では、支持体上に1つの感熱
発色層と、保護層とを順次形成したモノクロ感熱記録紙
であるが、本発明は、支持体上に、シアン感熱発色層、
マゼンタ感熱発色層、イエロー感熱発色層、保護層を順
次層設したカラー感熱記録紙に対しても適用できる。こ
のカラー感熱記録紙では、深層ほど熱感度が低いため、
この熱感度の違いに基づいて、表面側にあるイエロー感
熱発色層から、順番に面順次記録がされる。ヘッド駆動
電圧、通電時間、冷却時間、パルスモータの周期の補正
は、全ての感熱発色層に行ってもよいが、イエロー感熱
発色層はスジが目立たないので、マゼンタ感熱発色層と
シアン感熱発色層の記録に対してのみこれらの補正をし
てもよい。また、これらの補正は、3色とも共通ではな
く、感熱発色層の熱感度に応じて決められる。
【0044】なお、各発熱素子を駆動する際には、周知
のように、1個の幅広なパルスを用いて行う他に、複数
の幅狭なパルスを用いて行ってもよい。更に、前記実施
形態では、印画パルスには予熱分を含ませたが、これら
は分離してもよい。この場合には、予熱パルスによる発
熱素子の駆動後に、印画パルスを与えて発色させる。
【0045】上記実施形態では、プラテンローラをモー
タで駆動する方式であるが、これはキャプスタンローラ
とニップローラとからなるキャプスタン駆動方式であっ
てもよい。また、上記実施形態では、サーマルヘッドの
変位を検出したが、プラテンローラやプラテン板等の変
位を検出することで、同様に黒スジや白スジの発生を抑
える補正を行うようにしてもよい。
【0046】上記実施形態では、感熱記録紙に対して熱
記録する感熱プリント方法に本発明を実施したが、この
他に、インクリボン等を用いる熱溶融型や昇華型のサー
マルプリント方法に本発明を実施してもよく、この場合
にも、搬送負荷変動による黒スジや白スジの発生を抑え
ることができる。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、サーマルヘッドの記録
紙送り方向での変位量を検出し、この変位量の変化分が
増加するときにその変化分に対応して、ライン毎の単位
面積当たりの熱エネルギを下げ、前記変位量の変化分が
減少するときにその変化分に対応して、ライン毎の単位
面積当たりの熱エネルギを上げるようにしたから、低濃
度ライン領域と高濃度ライン領域との境界で、黒スジや
白スジの発生を抑えることができる。同様にして、記録
紙の記録面に直交する方向でのサーマルヘッドの変位量
から振幅を求め、この振幅の変化分に応じてライン毎の
単位面積当たりの熱エネルギを変更することにより、同
様にして黒スジや白スジの発生を抑えることができる。
特に、光センサを用いてサーマルヘッドの変位量を検出
することで、記録紙の微小な速度変動を速度計で検出し
たり、トルク計を用いたりすることがなく、簡単な構成
で安価に搬送負荷変動を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する感熱プリンタの概略を示すブ
ロック図である。
【図2】センサ・ヘッド間の距離と光センサの出力信号
との関係を示す線図である。
【図3】ヘッド変位量の変化分とサーマルヘッドの駆動
電圧との関係を示す線図である。
【図4】光センサの出力信号とサーマルヘッドの駆動電
圧との関係を示すタイミングチャートである。
【図5】通電時間を変更することでスジの発生を抑える
ようにした他の実施形態における感熱プリンタの概略を
示すブロック図である。
【図6】光センサの出力信号とライン毎の通電時間との
関係を示すタイミングチャートである。
【図7】光センサの出力信号とライン毎の冷却時間との
関係を示すタイミングチャートである。
【図8】光センサの出力信号とパルスモータの周期との
関係を示すタイミングチャートである。
【図9】記録紙の記録面に垂直な方向でのサーマルヘッ
ドの変位量に基づきスジの発生を抑えるようにした他の
実施形態における感熱プリンタの概略を示すブロック図
である。
【図10】記録紙の記録面に垂直な方向でのサーマルヘ
ッドの振幅と、サーマルヘッドの駆動電圧との関係を示
すタイミングチャートである。
【図11】高濃度ライン領域と低濃度ライン領域とを有
する画像のプリントを示す説明図である。
【図12】図11のX−X線,Y−Y線上での濃度変化
を示す図である。
【符号の説明】
6 黒スジ 7 白スジ 12 サーマルヘッドドライバ 13 記録紙 14 サーマルヘッド 14a 発熱素子アレイ 14b 端面 15 ヘッドブラケット 16 取付軸 17 プラテンローラ 21,40 光センサ 23,30,41 演算処理部 26,44 ヘッド電圧の算出部 27 ヘッド駆動電圧制御部 31 通電時間の算出部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年4月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】変化分算出部25は、前回計測の距離デー
タから今回計測の距離データを引いてその差を求め、こ
の差を変位量の変化分DLとする。例えば、図2におい
て、前回計測の光センサの出力をSaとし、今回計測の
光センサの出力をSbとすると、センサ・ヘッド間の距
離Lは、前回計測分がLa,今回計測分がLbとなる。
そして、前回計測の距離データLaから今回計測の距離
データLbを引いて、変位量変化分「+DL1」が求め
られる。計測は一定時間毎に行われるので、変位量変化
分は単位時間当たりの変化分となる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の発熱素子をライン状に形成したサ
    ーマルヘッドを用い、このサーマルヘッドにより1ライ
    ンずつ記録紙に熱記録するサーマルプリント方法におい
    て、 前記サーマルヘッドの記録紙送り方向での変位量を検出
    し、この変位量の変化分が増加するときにその変化分に
    対応して、ライン毎の単位面積当たりの熱エネルギを下
    げ、前記変位量の変化分が減少するときにその変化分に
    対応して、ライン毎の単位面積当たりの熱エネルギを上
    げることを特徴とするサーマルプリント方法。
  2. 【請求項2】 複数の発熱素子をライン状に形成したサ
    ーマルヘッドを用い、このサーマルヘッドにより1ライ
    ンずつ記録紙に熱記録するサーマルプリント方法におい
    て、 前記サーマルヘッドの記録紙の記録面に直交する方向で
    の変位の振幅を検出し、この振幅の変化分が増加すると
    きにその変化分に対応して、ライン毎の単位面積当たり
    の熱エネルギを下げ、前記振幅の変化分が減少するとき
    にその変化分に対応して、ライン毎の単位面積当たりの
    熱エネルギを上げることを特徴とするサーマルプリント
    方法。
  3. 【請求項3】 前記単位面積当たりの熱エネルギの変更
    は、サーマルヘッドの駆動電圧を変更して行うことを特
    徴とする請求項1又は2記載のサーマルプリント方法。
  4. 【請求項4】 前記単位面積当たりの熱エネルギの変更
    は、サーマルヘッドの通電時間を変更して行うことを特
    徴とする請求項1又は2記載のサーマルプリント方法。
  5. 【請求項5】 前記単位面積当たりの熱エネルギの変更
    は、サーマルヘッドのライン毎の冷却時間を変更して行
    うことを特徴とする請求項1又は2記載のサーマルプリ
    ント方法。
  6. 【請求項6】 前記単位面積当たりの熱エネルギの変更
    は、記録紙の紙送り量を変更して行うことを特徴とする
    請求項1又は2記載のサーマルプリント方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1299917C (zh) * 2003-05-02 2007-02-14 精工爱普生株式会社 行式打印机及其控制方法
JP2012047897A (ja) * 2010-08-25 2012-03-08 Canon Inc 画像形成装置

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