JPH1128797A - 抗菌、防かび性熱可塑性ポリウレタン樹脂成形物、及びその製造方法 - Google Patents

抗菌、防かび性熱可塑性ポリウレタン樹脂成形物、及びその製造方法

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JPH1128797A
JPH1128797A JP19778097A JP19778097A JPH1128797A JP H1128797 A JPH1128797 A JP H1128797A JP 19778097 A JP19778097 A JP 19778097A JP 19778097 A JP19778097 A JP 19778097A JP H1128797 A JPH1128797 A JP H1128797A
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polyurethane resin
polyurethane
mildewproofing
film
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Hirobumi Takahashi
博文 高橋
Akio Kikuchi
章夫 菊池
Akishige Yamagishi
昭重 山岸
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NIPPON MIRACTRAN KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 抗菌、防かび性に優れた高伸張ポリウレタン
被膜を設けた熱可塑性ポリウレタン樹脂成形物、及びそ
の製造方法を提供する。 【解決手段】 熱可塑性ポリウレタン樹脂成形物の表面
に、抗菌、防かび性ポリウレタン被膜を形成した、抗
菌、防かび性に優れた熱可塑性ポリウレタン樹脂成形
物、及びその製造方法である。抗菌、防かび性ポリウレ
タン被膜は、100%引張応力20〜200kgf/c
2 かつ伸び300〜1000%のフィルム特性を有す
るポリウレタン樹脂と、抗菌剤及び/又は防かび剤とか
らなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗菌、防かび性の
高伸張ポリウレタン被膜を設けた熱可塑性ポリウレタン
樹脂成形物、及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、熱可塑性ポリウレタン樹脂(以
下、TPUという。)成形物に抗菌、防かび性を付与す
る最も一般的な方法としては、TPU成形物のベース樹
脂に抗菌、防かび剤を溶融混合して含有させて成形する
方法や、塗料の中に抗菌、防かび剤を含有させTPU成
形物に塗布する方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
TPUに抗菌、防かび剤を溶融混合して含有させる方法
では、溶融混合時の熱履歴が避けられず、抗菌、防かび
剤が熱分解しその性能が低下したり、あるいは抗菌、防
かび剤によって、TPUの特性が損なわれ、充分な性能
が得られないなどの問題があった。また、従来の塗料の
中に抗菌、防かび剤を含有させる方法では、塗膜が柔軟
性に乏しく、柔らかい成形品に塗布した場合には、クラ
ックが入りやすいなどの問題があり、TPUのようなゴ
ム弾性体用の塗料としては不十分であった。本発明は、
このような従来公知技術の問題点を解決して、抗菌、防
かび性に優れた高伸張ポリウレタン被膜を設けたTPU
成形物、及びその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究し
た結果、特定のポリウレタン塗料に抗菌剤などを含有さ
せ、塗布することにより、優れた抗菌、防かび性と諸物
性を有するTPU成形物が得られることを見いだし、本
発明を完成するに至った。
【0005】即ち、本発明は、TPU成形物の表面に、
抗菌、防かび性ポリウレタン被膜を形成してなる抗菌、
防かび性に優れたTPU成形物であって、前記抗菌、防
かび性ポリウレタン被膜が、100%引張応力20〜2
00kgf/cm2 かつ伸び300〜1000%のフィ
ルム特性を有するポリウレタン樹脂と、抗菌剤及び/又
は防かび剤とからなること、を特徴とする前記抗菌、防
かび性に優れたTPU成形物である。
【0006】また本発明は、前記の抗菌、防かび性に優
れたTPU成形物の製造方法であって、TPU成形物の
表面に、100%引張応力20〜200kgf/cm2
かつ伸び300〜1000%のフィルム特性を有するポ
リウレタン樹脂と、抗菌剤及び/又は防かび剤とを含有
するポリウレタン塗料を塗布し硬化させて、抗菌、防か
び性ポリウレタン被膜を形成することを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる抗菌剤、防か
び剤は、一般に市販されているもの、有機系では例え
ば、2−(4−チアゾリル)ベンツイミダゾール(TB
Z)、2−(メトキシカルボニル)ベンツイミダゾー
ル、2−(ベンツイミダゾール)カルバミン酸メチルな
どのイミダゾール系、1,2−ベンツイソチアゾリン−
3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3
−オンなどのチアゾール系、2,3,5,6−テトラク
ロロイソフタロニトリルなどのニトリル系、N−(フル
オロジクロロメチルチオ)フタルイミド、N,N−ジメ
チル−N′−(ジクロロフルオロメチル)チオ−N′−
フェニルスルファミドなどのハロアルキルチオ系、ピリ
ジン系、トリアジン系、ブロム系、4級アンモニウム塩
系、及び環状窒素系の化合物を挙げることができる。無
機系では例えば、銀イオン、銅イオン、鉄イオンなどの
重金属イオンをリン酸カルシウム、ゼオライト、燐酸ジ
ルコニウムなどの坦体に固定させたものを挙げることが
できる。これらの抗菌剤、防かび剤は単独でも、あるい
は2種以上の混合物として使用することもできる。
【0008】本発明において、抗菌、防かび性ポリウレ
タン被膜を形成するためのポリウレタン樹脂(以下、塗
料用ポリウレタン樹脂という。)は、100%引張応力
が20〜200kgf/cm2 であって伸びが300〜
1000%のフィルム特性を有するものである。100
%引張応力が20kgf/cm2 未満の塗料用ポリウレ
タン樹脂は柔らかすぎて被膜として実用的でなく、20
0kgf/cm2 を越えるものは硬すぎてTPUの風合
いを損ねるので好ましくない。また、伸びが300%未
満の塗料用ポリウレタン樹脂は、TPUの伸びに被膜が
追随できず好ましくない。1000%を超えるものは、
被膜が軟弱になり好ましくない。
【0009】本発明に用いられる塗料用ポリウレタン樹
脂は、通常、ポリオール、ポリイソシアネート、必要に
応じて配合される数平均分子量500以下の活性水素化
合物、及び場合によってこれらを希釈する溶媒や触媒か
ら製造される。
【0010】本発明における塗料用ポリウレタン樹脂の
製造に用いられるポリオールとしては、通常、ポリイソ
シアネートの反応相手に用いられる末端に水酸基を有す
る数平均分子量500を越えるもの、好ましくは、数平
均分子量1000〜3000のポリエーテルポリオー
ル、ポリエステルポリオール、ポリエステルアミドポリ
オール、ポリエーテルエステルポリオール、ポリカーボ
ネートポリオールなどの高分子ポリオールを挙げること
ができる。ポリエーテルポリオールとしては、テトラヒ
ドロフラン、プロピレンオキシド、エチレンオキシドな
どの重合生成物、あるいはこれらの共重合生成物、ポリ
エーテルのビニル単量体によるグラフト重合体などを挙
げることができる。ポリエステルポリオール及びポリエ
ステルアミドポリオールとしては、多価アルコール類と
多価カルボン酸類とから、場合によりジアミン類又はア
ミノアルコール類を併用して、縮合反応により得られる
ものが挙げられる。この多価アルコール類としては、例
えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、
1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、
2−メチルプロパンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチ
ルオクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,4
−シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、トリメチ
ロールプロパンが挙げられる。多価カルボン酸類として
は、例えば、琥珀酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマ
ー酸、水添ダイマー酸、フタル酸、フタル酸アルキルエ
ステル類、トリメリット酸、マレイン酸、フマール酸、
イタコン酸が挙げられる。また、ブチロラクトン、バレ
ロラクトン、カプロラクトンなどの環状エステル類の開
環重合によって得られるものも挙げられる。ポリエーテ
ルエステルポリオールは、上記ポリエステルポリオール
を製造する際に使用する多価アルコール類の一部あるい
は全部にポリエーテルポリオールを用いるほかは、ポリ
エステルポリオールと同じようにして得られるものが挙
げられる。ポリカーボネートポリオールとしては、例え
ば、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサ
ンジメタノールなどのジオール類と、ジアルキルカーボ
ネート、ジアリールカーボネートあるいはエチレンカー
ボネートのような環状カーボネート類とのエステル交換
反応によって得られるものが挙げられる。また、これら
のポリオールの一部に不飽和基を導入したポリオールも
挙げることができる。これらのポリオールは、ポリイソ
シアネート及び必要に応じ数平均分子量500以下の活
性水素化合物とあらかじめ反応させて末端に水酸基を有
するプレポリマーとして用いることができる。
【0011】本発明における塗料用ポリウレタン樹脂の
製造に用いられるポリイソシアネートとしては、フェニ
レンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キ
シリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジ
イソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、ジフェ
ニルメタンジイソシアネート、これらの異性体などの芳
香族ジイソシアネート、また、1,6−ヘキサメチレン
ジイソシアネート、1,12−ドデカンジイソシアネー
ト、トリメチル−ヘキサメチレンジイソシアネートなど
の脂肪族ジイソシアネート、また、シクロヘキサンジイ
ソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイ
ソシアネート、ノルボルナン−ジイソシアネートメチル
などの脂環式ジイソシアネートなどを挙げることができ
る。また、これらの化合物とトリメチロールプロパンの
ような活性水素基含有化合物との反応によるイソシアネ
ート基末端化合物、あるいは、これらの化合物の反応、
例えばイソシアヌレート化反応などによるポリイソシア
ネート変成体なども挙げることができる。また、メタノ
ール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、アセト酢
酸エチル、ε−カプロラクタム、メチルエチルケトンオ
キシム、フェノール、クレゾールなどの活性水素を分子
内に1個有するブロック剤でその一部を安定化したポリ
イソシアネートも挙げることができる。
【0012】本発明における塗料用ポリウレタン樹脂の
製造に用いることのできる数平均分子量500以下の活
性水素化合物としては、エチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナン
ジオール、ビス−β−ヒドロキシエトキシベンゼン、3
−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグ
リコール、N−フェニルジイソプロパノールアミン、モ
ノエタノールアミン、グリセリン、トリメチロールプロ
パン、エチレンジアミンのエチレンオキシド、プロピレ
ンオキシドの付加物、また、トリメチロールプロパンメ
タアクリレート、マレイン酸ビス(2−ヒドロキシエチ
ルエステル)などの不飽和基含有グリコールなどを挙げ
ることができる。
【0013】本発明における塗料用ポリウレタン樹脂の
製造には、必要に応じて溶媒を使用することができる。
このような溶媒としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブ
チル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、
各種セルソルブ、トルエン、キシレン、ジメチルホルム
アミド、ジメチルスルホキシド、シクロヘキサノンが挙
げられる。
【0014】本発明における塗料用ポリウレタン樹脂の
製造には溶媒の他に更に、必要に応じ触媒を使用するこ
とができる。このような触媒としては、例えば、トリエ
チルアミン、トリエチレンジアミン、N−メチルイミダ
ゾール、N−エチルモルホリン、1,8−ジアザビシク
ロ−5,4,0−ウンデセン−7(DBU)などのアミ
ン類、酢酸カリ、スタナスオクトエート、ジブチルチン
ジラウレートなどの有機金属類、トリブチルフォスフィ
ン、ホスフォレン、ホスフォレンオキサイドなどのリン
系化合物が挙げられる。
【0015】本発明における塗料用ポリウレタン樹脂
は、ポリオール、ポリイソシアネート、及び必要に応じ
て数平均分子量500以下の活性水素化合物を、全活性
水素基モル数に対するイソシアネート基モル数の比(R
値)が好ましくは0.7〜1.5、更に好ましくは0.
9〜1.3になるように配合して製造される。数平均分
子量500以下の活性水素化合物を併用する場合は、活
性水素化合物の活性水素基モル数に対するポリオールの
活性水素基モル数の比(R′値)が好ましくは15以下
になるように配合する。
【0016】本発明におけるポリウレタン塗料は、前記
塗料用ポリウレタン樹脂に抗菌剤及び/又は防かび剤を
添加して調製することができる。抗菌剤及び/又は防か
び剤は、塗料用ポリウレタン樹脂(固形分)に対して
(単独又は混合して配合する場合のいずれも)それぞれ
0.1〜5.0重量%添加するのが好ましい。
【0017】本発明におけるポリウレタン塗料は、必要
に応じて、例えば、ポリイソシアネートのイソシアヌレ
ート化反応などによるイソシアネート基末端化合物を塗
料用ポリウレタン樹脂100重量部に対して1〜20重
量部添加することができる。この場合、必要に応じてト
リエチレンジアミン、ジブチルチンジラウレートなどの
触媒を添加することができる。
【0018】本発明におけるポリウレタン塗料には前記
溶媒の他に更に、種々の添加剤、例えば、シリカ、タル
ク、クレーなどの充填剤;アエロジルなどのチキソトロ
ピー剤;シリコーン、フッ素樹脂系のレベリング剤や消
泡剤;着色剤などを添加して使用することもできる。
【0019】本発明におけるポリウレタン塗料は、1液
型あるいは2液型として塗装することができる。塗装方
法としては、スプレー法、はけ塗り法、どぶ漬け法、静
電塗装法などが採用できる。
【0020】本発明において、抗菌、防かび性ポリウレ
タン被膜を形成するためのTPU成形物は、一般に用い
られるTPUを射出成形法、押出成形法などの一般的な
方法によって成形して得られる。このTPU成形物は、
例えば、シート状、フィルム状、ベルト状、チューブ状
で形状の制限はない。このTPU成形物は被膜を形成す
る前に成形物の表面を脱脂などで清浄にすることが望ま
しい。このTPU成形物の表面には、例えば、ポリウレ
タン塗料を塗布し硬化させて被膜を形成させるが、塗布
後、加熱などにより被膜の硬化を促進させてもよい。本
発明のTPU成形物は、成形物の全ての表面にポリウレ
タン塗料の被膜を均一に形成させるのが好ましく、形成
させる被膜の厚さは10〜1000ミクロンであること
が好ましい。
【0021】
【実施例】本発明について、実施例及び比較例によりさ
らに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定
されるものではない。実施例及び比較例において、引張
応力及び伸びの表示を除いて、「部」及び「%」はそれ
ぞれ「重量部」及び「重量%」を意味する。
【0022】実施例1 容量1.5リットルのボールミルに塗料用ポリウレタン
樹脂としてニッポラン5196(日本ポリウレタン工業
株式会社製:フィルム特性が100%引張応力65kg
f/cm2 、伸び450%、固形分30%)を350
部、抗菌剤としてアパサイダーAK(株式会社サンギ
製)を0.5部(樹脂固形分に対して0.5%)、防か
び剤としてサンアイゾール100(三愛石油株式会社
製)を0.5部(樹脂固形分に対して0.5%)、メチ
ルエチルケトン(MEK)300部を仕込み、回転数6
0〜90rpmで48時間処理し、ポリウレタン塗料を
650g得た。このポリウレタン塗料の固形分は16
%、溶液粘度は120cp/25℃である。このポリウ
レタン塗料を予め成形しておいたTPU(日本ミラクト
ラン株式会社製E590PNAT)シート(50×50
×2mm)及び試験片JIS3号ダンベルにディッピン
グによって塗布し、風乾30分後、80℃で10分間熱
処理して、15〜40ミクロンの被膜を形成した。被膜
を形成した試験片について、抗菌試験、防かび試験及び
引張試験を行った。その結果を表1に示す。 〔抗菌試験方法〕抗菌加工製品の抗菌力試験方法I「フ
ィルム密着法」(銀等無機抗菌剤研究会制定の自主規格
・基準及び抗菌加工製品試験方法)に従って試験を行っ
た。すなわち、ブイヨン培地を滅菌精製水で500倍に
希釈した培地に均一に分散させ、これを接種用菌液
(0.5ml中の生菌数は1.0〜5.0×105 )と
する。抗菌加工試験片(3個)及び無加工試験片(3
個)を滅菌シャーレに入れ、その試験片(50×50×
2mm)表面に接種用菌液0.5mlを接種し、その上
に被覆フィルム(ストマッカー用ポリ袋滅菌検査パック
から45×45mmの大きさに切り取って使用)を被せ
て蓋をし、温度35±1℃、相対湿度90%以上の条件
下で保存した。24時間保存した後、フィルムに付着し
ている菌を洗い出し、この液1ml中の生菌数を寒天平
板培養法によって測定した。菌は、大腸菌(エスケリチ
アコリIFO 3972)、黄色ブドウ球菌(スタフィ
ロコッカス オーレIFO 12732)である。 〔防かび試験方法〕JIS Z2911に従って試験を
行った。防かび性の評価基準は次の通りである。 3:菌の発育が認められない 2:菌糸の発育部分の面積が1/3以下 1:菌糸の発育部分の面積が1/3を越える 〔引張試験方法〕JIS K7311に準拠して試験を
行った。
【0023】実施例2 実施例1において、アパサイダーAK及びサンアイゾー
ル100の量を樹脂固形分に対してそれぞれ1%とした
以外は実施例1と同様にして実施した。その試験結果を
表1に示す。
【0024】実施例3 実施例1と同じ方法で、ポリウレタン塗料として、ニッ
ポランN−5236(日本ポリウレタン工業株式会社
製:フィルム特性が100%引張応力100kgf/c
2 、伸び850%、固形分25%)を400部、酢酸
エチル150部、トルエン100部、アパサイダーAK
3部(樹脂固形分に対して3%)及びサンアイゾール1
00を3部(樹脂固形分に対し3%)にして実施した。
その試験結果を表1に示す。
【0025】実施例4 実施例1において、防かび剤を使用せず、抗菌剤として
ゼオミックAV10D(株式会社シナネンゼオミック
製)を樹脂固形分に対し0.5%用いた以外は実施例1
と同様にして実施した。その試験結果を表1に示す。
【0026】実施例5 実施例1において、抗菌剤を使用せず、防かび剤として
プリベントールA3(バイエル製)を樹脂固形分に対し
0.5%用いた以外は実施例1と同様にして実施した。
その試験結果を表1に示す。
【0027】比較例1 E590PNAT100部、抗菌剤としてアパサイダー
AK1.0部、防かび剤としてサンアイゾール100を
1.0部ドライブレンドし、押出機を用いて混練しペレ
ットを作製した。このペレットを用いて射出成形機でシ
ート(50×50×2mm)及び試験片JIS3号ダン
ベルを作製し、この試験片について抗菌試験、防かび試
験及び引張試験を行った。その試験結果を表1に示す。
【0028】比較例2 実施例1と同じ方法で、ポリウレタン塗料として、N−
5232(日本ポリウレタン工業株式会社製:フィルム
特性が100%引張応力10kgf/cm2 、伸び95
0%、固形分40%)350部、メチルエチルケトン3
00部、イソプロパノール200部、アパサイダーAK
1.4部(樹脂固形分に対し1%)、サンアイゾール1
00を1.4部(樹脂固形分に対し1%)にして実施し
た。塗布した試験片は塗膜が弱く容易にTPU成形物か
ら剥れる状態であった。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明により初め
て、抗菌、防かび性に優れ強度や伸びが高く柔軟性に富
んだ被膜を設けたTPU成形物、特にTPU弾性成形
物、及びその製造方法を提供することが可能となった。
【0031】本発明の抗菌、防かび性ポリウレタン被膜
が設けられたTPU成形物は、例えば高圧ホース、医療
用チューブ、油・空圧チューブ、散水用チューブ、消防
ホースなどのチューブホース類、エアーマット、ダイヤ
フラム、キーボードシート、合成皮革、ライフジャケッ
ト、ウェットスーツなどのフィルム類、電力・通信ケー
ブル、コンピュータ配線、自動車配線、各種カールコー
ドなどの電線・ケーブル類、各種ロープ類、各種駆動ベ
ルト類、スリップ止めなど各種異型押出成形品、また、
射出成形関係では、ボールジョイント、ダストカバー、
ペダルストッパー、ドアロックストライカー、ブッシ
ュ、スプリングカバー、軸受け、防振部品などの自動車
部品、各種ギヤ、シール・パッキン、コネクター、ラバ
ースクリーン、印字ドラムなどの機械部品、スポーツシ
ューズのソール及びポイント、婦人靴トップリフトなど
の靴関連部品、ローラー、キャスター、グリップ、スノ
ーチェーン、などに有効に使用することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性ポリウレタン樹脂成形物の表面
    に、抗菌、防かび性ポリウレタン被膜を形成してなる抗
    菌、防かび性に優れた熱可塑性ポリウレタン樹脂成形物
    であって、 前記抗菌、防かび性ポリウレタン被膜が、100%引張
    応力20〜200kgf/cm2 かつ伸び300〜10
    00%のフィルム特性を有するポリウレタン樹脂と、抗
    菌剤及び/又は防かび剤とからなること、を特徴とする
    前記抗菌、防かび性に優れた熱可塑性ポリウレタン樹脂
    成形物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の抗菌、防かび性に優れ
    た熱可塑性ポリウレタン樹脂成形物の製造方法であっ
    て、 熱可塑性ポリウレタン樹脂成形物の表面に、100%引
    張応力20〜200kgf/cm2 かつ伸び300〜1
    000%のフィルム特性を有するポリウレタン樹脂と、
    抗菌剤及び/又は防かび剤とを含有するポリウレタン塗
    料を塗布し硬化させて、抗菌、防かび性ポリウレタン被
    膜を形成すること、を特徴とする前記製造方法。
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