JPH11283640A - 円筒状固体電解質型燃料電池セル - Google Patents

円筒状固体電解質型燃料電池セル

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JPH11283640A
JPH11283640A JP10086373A JP8637398A JPH11283640A JP H11283640 A JPH11283640 A JP H11283640A JP 10086373 A JP10086373 A JP 10086373A JP 8637398 A JP8637398 A JP 8637398A JP H11283640 A JPH11283640 A JP H11283640A
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JP
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sealing member
cylindrical
cell
cell body
gas seal
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JP10086373A
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English (en)
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Yuji Tateishi
勇二 立石
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Publication date
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    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

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Abstract

(57)【要約】 【課題】セル本体のガスシールを容易かつ確実に行うこ
とができ、ガスシールの確認が容易な円筒状固体電解質
型燃料電池セルを提供する。 【解決手段】円筒状の固体電解質の片面に空気極、他面
に燃料極が形成されるとともに、前記空気極または前記
燃料極に電気的に接続され、かつ外面に露出する集電体
を具備する円筒状のセル本体8の一端部外周面に、厚み
70〜250μmのセラミックスからなるガスシール層
9を介して、基底部14と円筒部13からなるセラミッ
クス製のキャップ状封止部材11を外嵌してなるもので
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、円筒状固体電解質
型燃料電池セルに関するものである。
【0002】
【従来技術】従来より、固体電解質燃料電池はその作動
温度が900〜1050℃と高温であるため発電効率が
高く、第3世代の発電システムとして期待されている。
【0003】一般に、固体電解質型燃料電池セルには、
円筒型と平板型が知られている。平板型の燃料電池セル
は、発電の単位体積当たり出力密度が高いという特徴を
有するが、実用化に関してはガスシール不完全性やセル
内の温度分布の不均一性などの問題がある。それに対し
て、円筒型の燃料電池セルでは、出力密度は低いものの
セルの機械的強度が高く、セルの温度の均一性が保てる
という特徴がある。
【0004】両形状の固体電解質型燃料電池セルとも、
それぞれの特徴をを生かして積極的に研究開発が進めら
れている。
【0005】円筒状固体電解質型燃料電池セルは、図3
に示したように、LaMnO3 系材料からなる多孔性の
空気極2を形成し、その表面にY2 3 部分安定化Zr
2からなる固体電解質3を被覆し、さらにこの表面に
多孔性のNi−ジルコニアの燃料極4が設けられてい
る。燃料電池モジュールにおいては、各単セルはLaC
rO3 系の集電体(インターコネクタ)5を介して接続
される。発電は円筒の内部に空気(酸素)6を、外部に
燃料(水素)7を流し、900〜1050℃の温度で行
われる。
【0006】上記のような燃料電池セルを作製する方法
としてはLaMnO3 系材料からなる絶縁粉末を押出し
成形法等により円筒形に成形後、これを焼成して円筒状
の空気極からなる支持体を作製し、この円筒状空気極支
持体の外周面に固体電解質、燃料極、集電体のスラリー
を塗布して順次焼成して積層するか、あるいは円筒状空
気極支持体の表面に電気化学的蒸着法(EDV法)やプ
ラズマ溶射法等により固体電解質、燃料極、集電体を順
次形成することも行われている。
【0007】最近ではセルの製造工程を簡略化するため
に、各構成材料のうち少なくとも2つを同時焼成すると
いう共焼結法も提案されている。この共焼結法は、例え
ば円筒状空気極支持管の成形体に固体電解質成形体およ
び集電体成形体をロール状に巻き付けて同時焼成を行
い、その後固体電解質表面に燃料極層を形成する方法で
ある。この共焼結法は製造工程が少なくなるためにセル
の製造時の歩留まり向上、コスト低減に有利である。
【0008】そして、従来、セルの一端封止は、焼結し
て得られた円筒状のセル本体を実際に発電を行う炉内の
取付部材にセットし、取付部材に形成されたガラス層を
セル本体の一端に当接し、発電を行う際の昇温時に前記
ガラス層を溶融させ、セル本体の一端を前記取付部材に
より封止していた。
【0009】また、空気極成形体、および空気極成形体
と同一材料により有底筒状の封止部材成形体を作製し、
空気極成形体の一端と封止部材用成形体の一端を当接し
焼成した後、前述のように電気化学的蒸着法(EDV
法)やプラズマ溶射法等により封止部材の表面に緻密質
セラミックス層を形成し、封止部材からのガスリークを
防止していた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、燃料電
池セルの一端をガラス材を用いて取付部材により封止す
る従来の方法では、実際に発電を行う時に封止すること
になるため、完全に封止がなされているか否かの確認が
困難であり、シール不良による単セルの出力低下が生じ
易く、特にスタック化した場合には封止個所の増加によ
りシール不良の発生確率が高くなり、結果として出力が
低下するという問題があった。
【0011】また、空気極成形体の一端と封止部材成形
体の一端を当接した状態で焼成する方法では、空気極成
形体と封止部材との接合が困難であり、しかも、ガスリ
ークを防止するため、電気化学的蒸着法(EDV法)や
プラズマ溶射法等により封止部材の表面に緻密質セラミ
ック層を形成する必要があり、封止工程が面倒であり、
コスト高であるという問題があった。
【0012】本発明は、セル本体のガスシールを容易か
つ確実に行うことができるとともに、ガスシールの確認
が容易な円筒状固体電解質型燃料電池セルを提供するこ
とを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題点
に対して検討を重ねた結果、セル本体の一端部外周面に
ガスシール層用のセラミックスラリーを塗布した上で封
止部材用のセラミック成形体を外嵌して焼成し、封止部
材の焼成収縮により、セル本体の一端部に嵌着すること
により、セル本体の一端を容易かつ確実に封止すること
ができ、しかも封止状態を容易に確認し得ることを見い
出し、本発明に至った。
【0014】即ち、本発明の固体電解質燃料電池セル
は、円筒状の固体電解質の片面に空気極、他面に燃料極
が形成されるとともに、前記空気極または前記燃料極に
電気的に接続され、かつ外面に露出する集電体を具備す
る円筒状のセル本体の一端部外周面に、厚み70〜25
0μmのセラミックスからなるガスシール層を介して、
基底部と円筒部からなるセラミックス製のキャップ状封
止部材を外嵌してなるものである。ここで、ガスシール
層およびキャップ状封止部材が、Y2 3 を含有するZ
rO2 からなることが望ましい。
【0015】また、封止部材の軸方向の全長をL1 、基
底部の外径をD1 、円筒部の軸方向の長さをL2 、円筒
部の外径をD2 、円筒部の内径をD3 とした時、D1
2が0.78〜0.84の範囲を満足するとともに、
2 /Lが0.3〜0.7の範囲を満足し、かつL2
3 が0.3〜0.7の範囲を満足することが望まし
い。
【0016】
【作用】本発明の円筒状固体電解質型燃料電池セルは、
従来のように、セル本体を炉内にセットし発電を行う際
にセル本体の一端を取付部材により封止するのではな
く、セル製造段階でセル本体の一端を緻密質セラミック
スにより封止するため、セル本体の一端の封止を容易か
つ確実に行うことができるとともに、発電用セル本体を
炉内にセットする前に封止状態を確認することができ、
発電を継続して行う際のガスシール性が十分に保証され
る。
【0017】即ち、セル本体の一端部にガスシール層を
介して封止部材の円筒部が嵌着すると同時に、焼成時に
セル本体の外面と封止部材円筒部の内側面とが接合する
ため、セル本体の一端の封止を容易かつ確実に行うこと
ができる。また、セル本体の端面と封止部材の基底部の
内底面が接合することにより、封止部材をセル本体に強
固に固着できる。
【0018】さらに、複数のセルを用いてスタックを組
む際においては、発電を行う段階でのシール箇所を極力
少なくすることができるためにシステム設計を容易にす
ることが可能となる。
【0019】そして、セル本体の一端部外周面に、厚み
70〜250μmのセラミックスからなるガスシール層
を介して、基底部と円筒部からなるセラミックス製のキ
ャップ状封止部材を外嵌したので、発電において長時間
ガスリークがなく、信頼性を向上できるとともに、セル
本体の直径方向の大型化を防止することができる。
【0020】即ち、円筒状固体電解質型燃料電池セルの
表面には、たとえば、固体電解質や集電体などの複数の
部分が存在し、それらの境界線部分には各部分の厚み程
度の数十〜百数十μmの段差が存在するが、厚み70〜
250μmのセラミックスからなるガスシール層によ
り、段差によるセル本体と封止部材との隙間を無くし、
ガスリークの発生を防止できる。
【0021】また、本発明によれば、例えば、ガスシー
ル層や封止部材としてZrO2 やLaCrO3 系の磁器
を用いた場合は、この磁器の焼成温度(1300℃以
上)は、実際の発電温度(1000℃)より高いので、
発電時におけるガスリークの発生の怖れがなく、結果と
して出力の信頼性、長寿命化が図れる。
【0022】さらに、封止部材の成形体を焼結する際の
セル本体の姿勢は、長い円筒状のセル本体を直立させる
姿勢より、横倒しの姿勢とした方が安定である。その場
合、封止部材の成形体は横倒しのセル本体の一端に挿入
しても十分安定な形状とする必要がある。また、セル本
体の端面と封止部材基底部の内底面との接触が不十分だ
と、焼成後のセル本体と封止部材との一体化が不完全と
なり、セル本体と封止部材との接合部分が破壊する怖れ
がある。本発明では、焼結させた後の封止部材の円筒部
の内径D3 に対して、封止部材の円筒部の長さL2 を3
0%以上とし、焼結させた後の封止部材の軸方向の全長
1 に対して封止部材の円筒部の軸方向の長さL2 を3
0%以上としたので、セル本体が横倒しの姿勢でも、セ
ル本体に挿入された封止部材を安定した状態で接合でき
る。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の円筒状固体電解質型燃料
電池セルにおけるセル本体は、例えば、円筒状の空気極
の表面に固体電解質を形成し、この固体電解質の表面に
燃料極を形成し、さらに、空気極と電気的に接続する集
電体を設けてセル本体が形成されている。
【0024】そして、図1および図2に示すように、セ
ル本体8の一端部の外周面にはセラミックスからなるガ
スシール層9が形成され、このガスシール層9の表面に
は.キャップ形状の緻密質セラミックスからなる封止部
材11が外嵌されており、セル本体8とガスシール層
9、封止部材11が焼成により、一体化されている。
【0025】即ち、セル本体8の一端部外周面にセラミ
ックススラリーを塗布することにより、セル本体8外周
面の凸凹を無くし、平坦化した後、封止部材用セラミッ
クス成形体を外嵌して焼成することにより、封止部材用
セラミックスが焼成収縮し、セル本体8の一端部に嵌着
すると同時に、焼成時にセル本体8の外周面と封止部材
11の内面とが、ガスシール層9を介して接合してい
る。尚、封止部材11は、円筒部13と基底部14とか
ら構成されている。
【0026】ガスシール層9は、例えば、部分安定化Z
rO2 や安定化ZrO2 、LaCrO3 系などの種々の
材料を用いることができるが、特には、熱膨張率の観点
から固体電解質材料と同一の材料から構成することが望
ましい。
【0027】また、セル本体8の表面には固体電解質と
集電体の境界部分に80〜150μm程度の段差が形成
される。この段差を平坦化させることによって発電状態
の雰囲気の高温下で安定してガスリークの発生を防止す
る。ガスシール層9を形成する場合、厚みが大きいと形
成の過程でガスシール層9が破損し易くなったり、形成
したガスシール槽の厚みが不均一になって焼成や発電中
の加熱中に亀裂が発生してガスリークが発生しやすくな
り、また、円筒状固体電解質型燃料電池セルの封止部材
11部分の直径が増大するため、円筒状固体電解質型燃
料電池セル同士を接続する際の間隔が大きくなり、燃料
電池が大型化する。
【0028】ガスリークの発生を安定して防止し、円筒
状固体電解質型燃料電池セル作製の過程で安定してガス
シール層9を形成し、かつ、直径増大を抑制するには、
ガスシール層9の厚みdは70〜250μmの範囲にあ
る必要がある。特に、ガスシール層9の厚みdは80〜
200μmの範囲にあることが望ましい。
【0029】即ち、ガスシール層9はセラミックスラリ
ーを塗布することによって形成するが、厚みが大きくな
ると形成の課程で破損しやすくなり、また、円筒状固体
電解質型燃料電池セルの直径が増大することになること
から、ガスシール層9の平均厚みは250μm以下とす
る。特にガスシール層9の平均厚みを200μm以下と
する事が望ましい。
【0030】封止部材11はガスリークを防止するため
緻密質セラミックスからなるものであるが、緻密質セラ
ミックスとは、例えば、ガスシール層9と同様の材料を
用いることができる。また、ガスシール層9と同様に、
熱膨張率の観点から固体電解質材料と同一の材料から構
成することが望ましい。また、封止部材11、ガスシー
ル層9の熱膨張率は、Y2 3 部分安定化ZrO2 の場
合、Y2 3 とZrO2 の比を変化させることにより調
整できる。
【0031】また、セル本体8の外表面に当接する封止
部材11の円筒部13の厚みtは、セルの直径の増大を
抑え、かつ、封止部材11の収縮応力によって円筒状固
体電解質型燃料電池セルの端部の破損を防止するため、
1.2mm以下が望ましい。
【0032】また、封止部材11の厚みtは焼結時の収
縮の応力で自らが破損しないようにするために0.3m
m以上が望ましい。
【0033】このような円筒状固体電解質型燃料電池セ
ルの製造方法について詳述する。まず、セル本体を作製
するために、自己支持管としての機能を有する円筒状の
空気極成形体を押し出し成形により作製し、その後12
00〜1300℃の温度で5〜20時間程度脱バインダ
ー・仮焼をおこない、空気極仮焼体を作製する。
【0034】次に空気極仮焼体の表面に固体電解質を構
成する材料の成形体層を形成する。
【0035】この固体電解質成形体層は、平均粒径が
0.5〜3μmのY2 3 等の周知の安定化剤により安
定化されたZrO2 からなる粉体を用いてスラリーを調
製し、その後ドクターブレード法などにより作製された
グリーンシートを巻き付けて形成される。
【0036】そして、空気極/固体電解質成形体を10
00〜1300℃の温度で1〜3時間程度仮焼し、その
後集電体の積層箇所となる固体電解質仮焼体の表面を平
滑に研磨し、空気極仮焼体を露出させ、固体電解質仮焼
体および空気極仮焼体の表面に集電体用成形体を積層す
る。集電体用成形体はLaCrO3 系の材料を使用し、
固体電解質成形体と同様にグリーンシートを積層して形
成される。
【0037】この様にして作製した積層体は、大気など
の酸化雰囲気中、1300〜1600℃の温度で3〜1
5時間程度同時焼成することにより共焼結させ、円筒状
のセル本体を作製する。
【0038】また、燃料極はNiを30〜80重量%含
有し残部が安定化ZrO2 (Y2 3 等の安定化剤含
む)からなる多孔質のサーメット材料を使用し、前記積
層焼結体の所定箇所に成形体を形成して焼結させるか、
あるいは前記空気極/固体電解質/集電体成形体を形成
した後、さらに燃料極成形体を積層し、これらを同時に
焼成し、円筒状のセル本体を作製することもできる。
【0039】次に、例えば、固体電解質成形体と同様の
スラリーを用い、スラリー中にセル本体の一端部を浸潰
(ディッピング)することにより、セル本体の一端部の
外表面にガスシール層用のセラミックスラリーを塗布
し、100〜150℃で1〜3時間乾燥する。セラミッ
クススラリーを塗布する方法としては、他にスプレー、
刷毛などによる塗布がある。セラミックススラリーは、
封止部材が外嵌される部分よりもわずかに広い面積で塗
布されることが望ましい。
【0040】封止部材は発電の際にガスシール性が要求
されるため、例えば平均結晶粒径が0.5〜3μm程度
のZrO2 系やLaCrO3 系酸化物粉末を押し出し成
形や静水圧成形(ラバープレス)等により成形し、キャ
ップ形状に切削加工を行い封止部材用セラミックス成形
体を作製する。ガスシール層および封止部材は、イット
リア部分安定化ジルコニアを用いることが望ましい。
【0041】この時の封止部材用成形体は、セル本体の
外周面に当接し、締め付ける円筒部の成形体厚みは、
0.7〜1.5mmであることが望ましい。これは、
0.7mmよりも薄い時には焼成時に封止部材が破損す
る場合があるためである。また、1.5mmより厚い場
合には、封止部材の焼結収縮時にセル本体や未焼結のガ
スシール層が破損するおそれがあり、また、複数の固体
電解質型燃料電池セルによりスタックを作製する際の円
筒状固体電解質型燃料電池セル間の間隔が大きくなり、
電気的な接続が困難になるからである。
【0042】このような封止部材によって封止を行う場
合、円筒部の厚みの分だけ外径が増大するので、外径の
増大を抑制するため封止部材の円筒部の厚みを薄くする
ことが要求され、薄くても十分な強度を有するイットリ
ア部分安定化ジルコニアが望ましい。
【0043】横倒しにしたセル本体に封止部材成形体を
挿入しても十分に安定してセル本体の一端部に封止部材
が配置されている状態にするために、焼結後に封止部材
用成形体の全長に対する円筒部の長さは40%以上、か
つ、封止部材用成形体の円筒部の内径に対する円筒部の
長さは40%以上とすることが望ましい。
【0044】セル本体の端面と封止部材用成形体の基底
部の接触を十分に確保するためには、封止部材用成形体
の基底部内底面と円筒部内側面の境界部に形成するr面
は200μm以下とすることが望ましい。
【0045】このように封止部材用成形体の基底部の内
底面と円筒部の内側面の境界部のr面の曲率半径を20
0μ以下とすることにより、セル本体を横倒しにしても
焼結過程で封止部材の基底部の内底面とセル本体の端面
の接触を確保できる。そのため、封止部材用成形体をセ
ル本体に外嵌して焼結させる際にセル本体を横倒しの安
定な姿勢を取らせることができるため、円筒状固体電解
質型燃料電池セルの倒壊を防ぐことができる。
【0046】また、セル本体の一端が挿入される封止部
材用成形体の円筒部の内径は、セル本体の外径の1.0
5から1.25倍であることが望ましい。これは、円筒
部の内径がセル本体の1.05倍より小さい場合には、
焼成時に封止部材に歪みによるわれが生じやすく、1.
25倍より大きい場合には、封止部材とセル本体の間に
隙間が生じ、封止できなくなる場合があるからである。
また、封止部材を単独で焼結させた場合の円筒部の内径
は、セル本体の外径よりも小さくなるように、封止部材
用成形体の寸法、材料などが決定されている。
【0047】この後、図2に示すように、セル本体8の
一端部を封止部材用成形体11aの円筒部13aに挿入
し、セル本体8の端面を封止部材用成形体11aの基底
部14aの内底面に当接し、大気などの酸化雰囲気中、
1300〜1600℃の温度で1〜5時間程度焼成し、
セル本体の一端部に、ガスシール層を介して封止部材を
嵌着し、本発明の円筒状固体電解質型燃料電池セルを得
る。
【0048】即ち、セル本体の焼結後に改めて封止部材
を焼結させるため、ガスシール層や封止部材の焼結温度
はセル本体の焼結温度以下であることが要求される。例
えばLaCrO3 系材料を用いた燃料電池セルなどは1
500℃程度で焼結されるが、イットリア部分安定化ジ
ルコニアはそれ以下の1400℃で焼結させることがで
きるため、封止部材やガスシール層としてイットリア部
分安定化ジルコニアが望ましい。
【0049】封止部材の円筒部の内側面とガスシール層
とは焼成時に一体化し、さらにガスシール層とセル本体
一端部の外周面とも焼成時に一体化し、これにより、封
止部材の円筒部の内側面がガスシール層を介してセル本
体の一端部外周面に接合されることになる。また、封止
部材の基底部の内底面とセル本体の端面が焼成時に一体
化することにより、封止部材とセル本体が強固に固着さ
れることになる。ガスシール層および緻密質セラミック
スからなる封止部材は、ガスリークを防止することがで
きればよく、特に開気孔率5%以下であることが望まし
い。
【0050】尚、本発明では、燃料極スラリーを、空気
極、固体電解質、集電体を有するセル本体に塗布した
後、セル本体を封止部材用成形体の円筒部に挿入し、燃
料極塗布膜と同時に前記封止部材用成形体を焼成し、燃
料極を固体電解質表面に焼き付けてもよい。この場合に
は、燃料極のみを焼き付けるための処理行程を省略でき
る。
【0051】
【実施例】セル本体を共焼結により作製するため、まず
円筒状空気極成形体を以下のようにして作製した。市販
の純度99.9%以上のLa2 3 、CaCO3 、Mn
23 を出発原料として、これをLa0.8 Ca0.2 Mn
3 の組成になるように秤量混合した後、1500℃で
3時間仮焼し粉砕して平均粒径が5μmの固溶体粉末を
得た。また、この固溶体粉末にバインダーを添加し、押
し出し成型法で円筒状の空気極成形体を作製した。前記
空気極成形体は、乾燥後1250℃で10時間脱バイン
ダー・仮焼する事により円筒状の空気極仮焼体を作製し
た。
【0052】次に、共沈法により得られたY2 3 を8
mol%の割合で含有する平均粒径が1μmのZrO2
粉末に、トルエンとバインダーを添加してスラリーを調
整し、ドクターブレード法により厚み130μmの固体
電解質シートを作製した。
【0053】次に、市販の純度99.9%以上のLa2
3 、Cr2 3 、MgOを出発原料として、これをL
a(Mg0.3 Cr0.7 0.973 の組成になるように秤
量混合した後、1500℃で3時間仮焼し粉砕して、平
均粒径が2μmの固溶体粉末を得た。次に、この固溶体
粉末にトルエンとバインダーを添加してスラリーを調整
し、ドクターブレード法により厚み130μmの集電体
シートを作製した。
【0054】前記円筒状空気極仮焼体に前記固体電解質
シートをロール状に巻き付け、1100℃で3時間の仮
焼を行った。仮焼後、集電体シートの積層箇所となる固
体電解質仮焼体の表面を平面研磨し、露出した空気極仮
焼体まで表面上を平面研磨し、前記集電体シートを所定
箇所に帯状に巻き付けた。その後、大気中1500℃で
6時間の条件で共焼結を試みた。
【0055】共焼結後、NiO粉末にZrO2 (10m
ol%Y2 3 含有)粉末を重量比80:20の割合で
混合した混合粉末に水を溶媒として加えて燃料極スラリ
ーを調整し、燃料極スラリーを積層焼結体表面に厚み5
0μmで塗布乾燥し、外径約15mm、厚み2mmのセ
ル本体を作製した。
【0056】次に、Y2 3 を3mol%の割合でそれ
ぞれ含有する平均粒径が1μmのZrO2 粉末に水を溶
媒として加えてガスシール層用のスラリーを調整し、こ
のスラリーにセル本体の一端部を浸潰し、ディッピング
法により、セラミックススラリーをセル本体の片端部の
外周面に塗布し、120℃で1時間乾燥した。厚みの調
整はスラリーの粘度を変化させて実施した。焼結後のガ
スシール層の平均厚みを表1に示す。セラミックススラ
リーを塗布されたセル本体の端面は、封止部材の基底部
の内底面と密着させるために、研磨して平面としてお
く。
【0057】次に、封止部材としてのキャップ形状の成
形体を作製する。まず、前記ガスシール層用のスラリー
組成と同じ組成である、Y2 3 を3mol%の割合で
それぞれ含有する平均粒径が1μmのZrO2 系の粉末
を用いて静水圧成形(ラバープレス)を行いキャップ形
状に切削加工した。その後、セル本体の一端部を封止部
材用成形体の円筒部に挿入した。
【0058】焼結後において、封止部材の軸方向の全長
をL1 、基底部の外径をD1 、円筒部の外径をD2 、長
さをL2 、内径を3Dとする。各試料の封止部材のサイ
ズはL2 /L1 =0.55、L2 /D3 =0.50、D
1 /D2 =0.80となるように作製した。
【0059】セル本体の一端部外周面と当接し、セル本
体を締め付ける封止部材用成形体の円筒部の肉厚tを
0.7mmに設計した。焼結後の肉厚は約0.5mmと
なり、セル全体の直径の増大は約1mmとなる。
【0060】その後、大気中で1400℃で2時間の焼
成を行うことにより、燃料極層を形成するとともに、セ
ル本体の一端部外周面にガスシール層を介してキャップ
形状の封止部材を接合した。
【0061】そして、封止を行わなかった側の開口端か
ら、外気圧に対しセル本体内部の内気圧を外気圧よりも
+1kgf/cm2 高くなるようにAirを加圧して注
入し、これを水没させ、気泡の発生の有無により、初期
時のリークの有無を観察した。
【0062】この試料をAir雰囲気1000℃の高温
下に放置し、1000時間経過後で常温まで冷却したも
の、さらに、Air雰囲気下で、常温から1000℃ま
で加熱し、1000℃から常温まで冷却する行程を10
サイクル繰り返してサイクル負荷を与えたもの、セル内
部をAir雰囲気とし、セル外部をH2 雰囲気とし、1
000℃で1時間および100時間放置して還元処理を
行ったものについても上記と同様にリークの有無を観察
した。その結果を表1に示す。
【0063】
【表1】
【0064】この表1から、焼結後のガスシール層の厚
みが70μm〜250μmである場合、セル本体の一端
を効果的に封止する事ができ、Air高温負荷試験、A
irサイクル負荷試験、高温還元雰囲気下での耐久性に
優れていることがわかる。
【0065】しかし、焼結後のガスシール層が250μ
mを越える試料については、スラリーの粘度が高くな
り、円周方向に一様に形成する事が困難になり、また、
断面を平面研磨する場合に乾燥させたスラリーが崩れや
すくなった。ちなみに試料No.9では、乾燥させたスラ
リーがセル本体の端面を研摩する際に崩れた。また、ガ
スシール層が250μmを越える場合には、セラミック
スラリーにバインダーを多量に添加して粘度を高くした
場合、スラリーの不均一に起因すると考えられるクラッ
クがガスシール層に発生するようになり、還元処理によ
ってガスリークを発生した(試料No.8)。
【0066】一方、ガスシール層が70μm未満では還
元処理によってガスリークが発生し、充分なガスシール
効果が得られなかった。
【0067】次に、ガスリーク層の平均厚みが100μ
mになるようにセラミックススラリーを塗布し、封止部
材の形状を変化させて封止を行った試料のガスリークの
結果を表2に示す。焼結後における封止部材の軸方向の
全長をL1 、基底部の外径をD1 、円筒部の外径を
2 、長さをL2 、内径をD3 とした。
【0068】
【表2】
【0069】この表2から、L2 /L1 が0.3〜0.
7、L2 /D3 が0.3〜0.7、D1 /D2 比が0.
78〜0.84の範囲を満足する場合には、焼結収縮に
おける応力による破損を防止でき、Air高温負荷試
験、Airサイクル負荷試験、還元処理に対して優れて
いることが判る。
【0070】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
従来のように、発電用セル本体を炉内にセットし発電を
行う際にセル本体の一端を取付部材により封止するので
はなく、セル製造段階でセル本体の一端を緻密質セラミ
ックスにより封止するため、セル本体の一端の封止を容
易かつ確実に行うことができるとともに、発電用セル本
体を炉内にセットする前に封止状態を確認することがで
き、発電を継続して行う際のガスシール性が十分に保証
される。そして、セル本体の一端部外周面に、厚み70
〜250μmのセラミックスからなるガスシール層を介
して、基底部と円筒部からなるセラミックス製のキャッ
プ状封止部材を外嵌したので、発電において長時間ガス
リークがなく、信頼性を向上できるとともに、セル本体
の大型化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の円筒状固体電解質型燃料電池セルの断
面図である。
【図2】セル本体にガスシール層用セラミックスラリー
を塗布し、封止部材用成形体を挿入した断面図である。
【図3】円筒状固体電解質型燃料電池セルを示す斜視図
である。
【符号の説明】
9・・・セル本体 8・・・ガスシール層 11・・・封止部材 13・・・円筒部 14・・・基底部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】円筒状の固体電解質の片面に空気極、他面
    に燃料極が形成されるとともに、前記空気極または前記
    燃料極に電気的に接続され、かつ外面に露出する集電体
    を具備する円筒状のセル本体の一端部外周面に、厚み7
    0〜250μmのセラミックスからなるガスシール層を
    介して、基底部と円筒部からなるセラミックス製のキャ
    ップ状封止部材を外嵌してなることを特徴とする円筒状
    固体電解質型燃料電池セル。
  2. 【請求項2】ガスシール層およびキャップ状封止部材
    が、Y2 3 を含有するZrO2 からなることを特徴と
    する請求項1記載の円筒状固体電解質型燃料電池セル。
  3. 【請求項3】封止部材の軸方向の全長をL1 、基底部の
    外径をD1 、円筒部の軸方向の長さをL2 、円筒部の外
    径をD2 、円筒部の内径をD3 とした時、D1/D2
    0.78〜0.84の範囲を満足するとともに、L2
    1 が0.3〜0.7の範囲を満足し、かつL2 /D3
    が0.3〜0.7の範囲を満足することを特徴とする請
    求項1または2記載の円筒状固体電解質型燃料電池セ
    ル。
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