JPH11281967A - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JPH11281967A
JPH11281967A JP10086796A JP8679698A JPH11281967A JP H11281967 A JPH11281967 A JP H11281967A JP 10086796 A JP10086796 A JP 10086796A JP 8679698 A JP8679698 A JP 8679698A JP H11281967 A JPH11281967 A JP H11281967A
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JP
Japan
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oxide layer
liquid crystal
display device
crystal display
mixed oxide
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JP10086796A
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English (en)
Inventor
Kenzo Fukuyoshi
健蔵 福吉
Yukihiro Kimura
幸弘 木村
Koji Imayoshi
孝二 今吉
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Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】外部からの入射光の反射を低減させ液晶表示装
置のコントラストの低下を防ぎ、高い表示品質の液晶表
示装置を提供すること。 【解決手段】少なくとも片側の電極基板が、混合酸化物
層25/銀合金層24/中間酸化物層23/銀合金層2
2/混合酸化物層21を積層した透明電極14を備えて
いること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透過型や反射型の
液晶表示装置に関わるものであり、PDA、携帯型情報
機器用ディスプレイ、パームPCやノートブックタイプ
などの液晶表示装置において、特に、外光に起因する表
面(界面)反射を減少させて、表示品質を向上せしめた
液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、外光を利用した反射型液晶表示装
置の開発が活発になっている。反射型液晶表示装置とし
ては、例えば、図4の断面図に示すような、透明基板
(41)の上に反射電極(42)を形成した背面側の電
極基板(40)と、透明基板(47)の上にカラーフィ
ルタ(46)、透明電極(44)などを形成した観察者
側の電極基板(49)とを、液晶(43)を介して反射
型液晶表示装置を構成した構造のものが多く提案されて
いる。
【0003】図4において、カラーフィルタ(46)
は、例えば、R(赤)、G(緑)、B(青)に着色され
た光透過性の画素として形成されたものである。従来、
図4に示す背面側の電極基板(40)に形成する反射電
極(42)として、アルミニウム薄膜が多く使用されて
おり、アルミニウム薄膜は可視領域の光の反射率が高い
金属である。しかし、アルミニウム薄膜の反射率は、必
ずしも満足されるものではなく、また、アルミニウム薄
膜を液晶やガラスと接して用いた際は、さらに反射率が
低下するものである。
【0004】図4に示すような構成の反射型液晶表示装
置の場合、観察者側の透明基板(47)上には、カラー
フィルタ(46)、オーバーコート(45)、透明電極
(44)などが積層されているが、観察者側から表示画
像を見たときに透明電極(44)とオーバーコート(4
5)との界面で、外光が一部反射される。この反射光
は、透明電極とオーバーコートとの屈折率の比が大きい
ほど大きく、また、表示面に対する外光の入射角度の大
きいほど大きくなるものである。また、この反射光は、
液晶のオン、オフに関係なく迷光のように表示装置のコ
ントラストを低下させることになる。これは、透過型液
晶表示装置についても同様で、とくに透過型において
は、外光の照度が高い場合(例えば、天気の良いときの
屋外)に問題となるものである。
【0005】このような外部からの入射光の界面での反
射を低減させる関連技術として、例えば、特開平2−3
7326には、「酸化物層/銀層/酸化物層の3層構成
の透明電極は、反射を低減に有効であり、且つ導電性の
高い透明電極である」と提案している。しかし、この技
術による3層構成では、図3に示すように外部からの入
射光(I)の第1層目の酸化物層(33)表面での反射
光はr1 であるが、酸化物層(33)表面で反射しなか
った透過光の一部は、銀層(32)表面で反射され反射
光r2 となる。
【0006】この際、図3に示すオーバーコート(3
4)の屈折率と酸化物層(33)の屈折率との比が小さ
いために、透過光が多くなり反射光r1 は、酸化物層
(33)が空気(屈折率1.0)に接している際の反射
光r’1 より小さくなってしまうものである。この小さ
くなってしまう程度は、反射光r1 と第2の酸化物層
(31)面での反射光r3 の和が、銀層(32)表面で
の反射光r2 (r1 及びr3 と位相が異なる)より小さ
くなるほどに、反射光r1 及び反射光r3 は小さなもの
であり、このため、干渉効果が十分に作用しなくなり、
入射光の界面での反射の低減は少ないものとなる。すな
わち、上記3層構成の透明電極は、例えば、図3に示す
ように、上方にオーバーコート(34)のような樹脂な
どが接している構成で用いると、酸化物層(33)表面
での反射光が弱まり、銀層(32)表面での反射光が強
くなり、全体として入射光に対して界面での反射を低く
するという効果は小さなものとなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
問題点に着目してなされたものであり、その課題とする
ところは、観察者側の電極基板におけるオーバーコート
と透明電極との界面で生じる外部からの入射光の反射を
低減させることにより液晶表示装置のコントラストの低
下を防ぎ、高い表示品質をもつ液晶表示装置を提供する
ことにある。また、外部からの入射光の反射を低減させ
た反射型液晶表示装置を提供することにある。また、光
反射性の高い反射電極を有する液晶表示装置を提供する
ことにある。また、密着性の優れた光反射性の反射電極
を有する液晶表示装置を提供することにある。また、本
発明は、透明電極の信頼性を低下させない液晶表示装置
を提供することにある。また、本発明は、外部からの入
射光の反射を著しく低減させた液晶表示装置を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の第一発明は、液
晶表示装置を構成する一対の電極基板の、少なくとも片
側の電極基板が、混合酸化物層/銀合金層/中間酸化物
層/銀合金層/混合酸化物層を積層した透明電極を備え
ていることを特徴とする液晶表示装置である。また、本
発明は、上記発明の液晶表示装置において、前記片側の
電極基板が、観察者側の電極基板であることを特徴とす
る液晶表示装置である。また、本発明は、上記発明の液
晶表示装置において、前記片側の電極基板の、他側の電
極基板が、光反射性の反射電極を備えている背面側の電
極基板であることを特徴とする液晶表示装置である。ま
た、本発明は、上記発明の液晶表示装置において、前記
光反射性の反射電極が、アルミニウム、銀、或いは、こ
れらの金属と他の金属との合金の薄膜により形成される
ことを特徴とする液晶表示装置である。また、本発明
は、上記発明の液晶表示装置において、前記光反射性の
反射電極が、混合酸化物層/銀合金層/混合酸化物層で
構成する反射電極であることを特徴とする液晶表示装置
である。
【0009】本発明の第二の発明は、上記発明の液晶表
示装置において、前記混合酸化物層及び中間酸化物層
が、アモルファス或いはアモルファス類似の酸化物であ
ることを特徴とする液晶表示装置である。また、本発明
の第三の発明は、上記発明の液晶表示装置において、前
記混合酸化物層及び中間酸化物層が、屈折率1.9以上
の酸化物であることを特徴とする液晶表示装置である。
また、本発明の第四の発明は、上記発明の液晶表示装置
において、前記中間酸化物層の光学膜厚が、前記混合酸
化物層の光学膜厚の略2倍であることを特徴とする液晶
表示装置である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、本発明による液晶表示装
置を、その一実施の形態に基づいて詳細に説明する。図
1は、本発明による液晶表示装置の一実施例をその断面
で示す説明図である。図1において、液晶表示装置は偏
光板(18)、観察者側の電極基板(19)、液晶(1
3)、背面側の電極基板(10)などで構成されてい
る。そして、観察者側の電極基板(19)は透明基板
(17)の液晶(13)側上に、カラーフィルタ(1
6)、オーバーコート(15)、透明電極(14)など
が積層され、電極基板(19)の他面の観察者側上には
偏光板(18)が配置されているものである。また、背
面側の電極基板(10)は透明基板(11)の液晶(1
3)側上に、反射電極(12)などが積層されているも
のである。そして、透明電極(14)は混合酸化物層/
銀合金層/中間酸化物層/銀合金層/混合酸化物層を積
層した透明電極であり、また、電極基板(10)は光反
射性の反射電極であり、例えば、混合酸化物層/銀合金
層/混合酸化物層を積層した反射電極である。
【0011】図2は、本発明における液晶表示装置のオ
ーバーコートと透明電極との界面で生じる外部からの入
射光の反射を低減させる原理を示す説明図である。図2
において、透明電極(14)は混合酸化物層(25)、
銀合金層(24)、中間酸化物層(23)、銀合金層
(22)、混合酸化物層(21)で構成されており、こ
の透明電極(14)の混合酸化物層(25)はオーバー
コート(15)に接している。また、Iは入射光、R1
〜R5 は透明電極(14)を構成する各々の層の界面で
入射光が反射した反射光を示している。
【0012】本発明における液晶表示装置のオーバーコ
ートと透明電極との界面で生じる外部からの入射光の反
射を低減させる原理は次のようなものである。すなわ
ち、図2に示すように、オーバーコート(15)(屈折
率略1.5)と混合酸化物層(25)(屈折率略2.
1)が接する際には、混合酸化物層(25)表面での反
射光R1 は小さくなるので、これを補うために混合酸化
物層(25)の下方に中間酸化物層(23)、混合酸化
物層(21)を設け、これらの表面からの、混合酸化物
層(25)表面での反射光R1 と同じ位相の反射光
3 、R 5 を加えるものである。また、一方、一層で構
成される層厚のある銀合金層は、その反射光が大きいの
で、これを2分割し、層厚の薄い二層で構成される銀合
金層(24)、(22)とする。このように、銀合金層
を2分割することにより、銀合金層(24)、(22)
の表面での反射光R2 、R4 の各々を小さくするもので
ある。そして、銀合金層(24)、(22)の表面での
反射光R2 とR4 の和と、混合酸化物層(25)、中間
酸化物層(23)、混合酸化物層(21)の表面からの
反射光R1 とR3 とR5 (R2 、R4 と位相が異なる)
の和とが、ほぼ同じ反射量になるように設定して、界面
で生じる外部からの入射光の反射を全体としてゼロに近
づけようとするものである。
【0013】本発明に用いる銀合金層(24)、(2
2)は、銀に金、銅、白金、パラジウム、ニッケルなど
を銀の導電性に大きな影響を与えない範囲で少量添加し
た合金を用いる。添加量は、銀に対し3at%以下が望ま
しい。銀合金層の膜厚は、それぞれ6nm〜30nmの
範囲で、5層構成の透明電極の透過率を大きく低下せし
めないように設定すればよい。
【0014】本発明に用いる混合酸化物層(25)、
(21)の屈折率は、高い方が反射率を低下せしめ透過
率を向上させ得る。酸化インジウムや酸化亜鉛は、屈折
率が1.8〜2.0の範囲にあり適切なものであるが、
これらに高屈折率酸化物を添加して、より高い屈折率と
した混合酸化物を用いることもできる。代表的なもの
に、酸化セリウムや酸化チタンがあり、これらの屈折率
は波長550nmで2.4〜2.5程度である。これら
と導電性酸化物の混合酸化物を混合酸化物層(25)、
(21)、及び中間酸化物層(23)として用いること
ができる。
【0015】混合酸化物層の膜厚は、20〜50nmの
範囲に設定することが好ましい。混合酸化物の屈折率が
高い際は膜厚を薄く、また、屈折率が低い際は膜厚を厚
く形成することになる。中間酸化物層は、この膜厚の2
倍の膜厚の40〜100nmの範囲に設定することが好
ましい。しかし、中間酸化物層の場合には、2層の銀合
金層間の電子移動を良好にするため40nmより薄く形
成してもよい。また、混合酸化物層の膜厚は、20nm
より薄く形成すると銀合金層の反射を十分に抑えきれな
くなるものである。
【0016】本発明による5層構成の透明電極(14)
は、透過型液晶表示装置においては、液晶を挟持する両
側の基板に用いることが可能である。しかし、反射型液
晶表示装置においては、図1に示すように、観察者側の
電極基板(19)と向かい合う背面側の電極基板(1
0)の透明基板(11)上に、例えば、光反射性の反射
電極(12)を形成するため、5層構成の透明電極は、
観察者側の電極基板の一方だけで良い。
【0017】また、本発明による5層構成の透明電極
は、液晶表示装置のみでなく、太陽電池用電極、熱線反
射膜、電磁波シールド膜にも使用可能で、また、低反射
率を活かして、液晶表示装置などの反射防止膜としてデ
ィスプレイ表面に形成することもできるものである。
【0018】反射型液晶表示装置の場合は、観察者側の
電極基板(19)と向かい合う背面側の電極基板(1
0)の透明基板(11)上に光反射性の反射電極(1
2)を形成する必要がある。反射電極(12)として
は、無機の酸化物を多層に積層した光干渉フィルター上
にITOなどの透明電極を積層したものでもよい。しか
し、高い反射率と高い導電性を兼ね備えるアルミニウム
や銀、或いは、これらの合金の金属薄膜を所望の形状に
加工したものを用いることが簡便である。
【0019】本発明における光反射性の反射電極(1
2)は、アルミニウム、銀、或いは、これらの金属と他
の金属との合金の薄膜により形成されることを特徴とす
るものである。アルミニウムや銀に添加する金属は、ガ
ラスなどの基板に接着性を付与させることが主目的であ
れば、チタン、タンタル、マグネシウムなど密着性を向
上させる金属を、例えば、0.5〜3.0%の少量を加
えればよい。また、反射率や導電性を付与させることが
主目的であれば、アルミニウム、銀、それぞれの原子の
自由電子に影響の少ない金属を少量加えればよい。ま
た、アルミニウムや銀に、保護や増反射の性能を付与さ
せることが目的で、これらの金属薄膜上に酸化物を積層
する場合には、酸化物との接触電位差や仕事関数を調整
する金属を少量添加すればよい。
【0020】金属のなかで反射率の最も高い金属は銀で
ある。しかし銀は、ガラスやプラスチックフィルムなど
の基板に対して密着性が乏しく、単体の金属薄膜として
は好ましいものではない。本発明においては、保護と密
着の目的で、混合酸化物層によって銀合金層を挟持し
た、混合酸化物層/銀合金層/混合酸化物層の3層構成
としたものである。この反射電極の銀合金層の膜厚は、
透明電極の場合と異なり、十分な反射率の確保できる8
0nm以上の膜厚、好ましくは100〜200nmが良
い。
【0021】本発明における液晶表示装置の透明電極
(14)、反射電極(12)に用いる混合酸化物層(2
5)、(21)、中間酸化物層(23)の材料は、導電
性酸化物である酸化インジウムや酸化亜鉛であることが
望ましい。しかし、銀は、これを挟持する酸化物層の結
晶粒界に沿って移動しやすく、この銀の拡散により電極
としての信頼性が低下してしまう。つまり、銀の粒界移
動を抑制するためには、粒界が実質的に存在しないアモ
ルファスないしアモルファス類似の酸化物を、混合酸化
物層、中間酸化物層に採用することが好ましいものであ
る。
【0022】上記のように、混合酸化物層や中間酸化物
層の材料は、酸化インジウムもしくは、酸化亜鉛が好適
であるが、アモルファスないしアモルファス類似の酸化
物とするには、異種の酸化物を15%以上、好ましくは
20%前後添加すれば良い。また、相溶性の乏しい酸化
物では10%前後が好ましい。この酸化物の添加量が多
すぎると混合酸化物層、もしくは、中間酸化物層として
必要な導電性が失われてしまうものである。特に中間酸
化物層の導電性は、5層構成の透明電極の抵抗値への影
響が大きいために、銀合金の2層間で電気的導通がある
ことが望ましいものである。
【0023】混合酸化物として、酸化インジウムや酸化
亜鉛、酸化錫などに、酸化セリウム、酸化チタン、酸化
ニオブ、酸化タンタル、酸化カルシウム、酸化マグネシ
ウムなどの酸化物を適量添加すればよい。酸化インジウ
ムに酸化亜鉛、酸化錫を添加した2種以上の系の混合酸
化物であっても良い。その材料を酸化インジウムとする
と混合酸化物層は導電性の点で好ましいものとなる。
【0024】本発明においては、銀合金層を混合酸化物
層で挟持した構成の透明電極での銀合金層の大きな反射
光を、位相の異なる混合酸化物層の反射光で相殺するも
のであり、混合酸化物層の反射光を大きくすることが重
要となる。混合酸化物層の反射光を増やすために、高屈
折率の酸化物を添加した混合酸化物層とするものであ
る。高屈折率の酸化物には、酸化チタン、酸化セリウ
ム、酸化タンタル、酸化ジルコニウムなどのほか、原子
量の大きな金属の酸化物がある。例えば、酸化インジウ
ムの屈折率は、略1.9であり、酸化インジウムを添加
することにより透過率の高い透明電極が得られることに
なる。
【0025】混合酸化物層の屈折率が2〜2.1程度、
その膜厚が40nm程度である際に、中間酸化物層の膜
厚が80nm程度であれば可視光、特に視感度の高い5
50nm付近の反射率が低くなるものである。また、銀
合金層の膜厚により、或いは、透明電極と接する材料の
屈折率によってその最適膜厚は若干変動するが、中間酸
化物層の光学膜厚が混合酸化物層の光学膜厚の略2倍程
度であると、透明電極の反射率が低くなるものである。
【0026】本発明の液晶表示装置の観察者側の電極基
板には、例えば、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色
の、或いは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン
(C)の3色のカラーフィルタを配設しても良い。な
お、本発明の液晶表示装置には、偏光板、位相差板、λ
/4波長板、旋光補償フィルム、マイクロレンス、光の
散乱膜、回折格子、反射防止膜、アンチグレアフィル
ム、ホログラム等の光学素子など、或いは、TFT、M
IMなどの液晶駆動素子を、その目的に応じ設けてもよ
いものである。また、用いる液晶の種類は、TN、ST
N、OCB(HAN)、高分子分散、強誘電、反強誘
電、ゲストホストなど、液晶の種類によって限定するも
のでない。また、水平配向、垂直配向のなど、液晶の配
向によって限定するものでない。
【0027】以下に本発明の実施例を具体的に説明す
る。
【実施例】<実施例1>実施例1における液晶表示装置
は、図1に示すようなカラーフィルタ(16)、オーバ
ーコート(15)、透明電極(14)などが積層された
観察者側の電極基板(19)と、反射電極(12)など
が積層された背面側の電極基板(10)とで液晶(1
3)を挟持する構成で、観察者側の電極基板(19)の
観察者側には、位相差フィルムを含む偏光板(18)が
配置されている。
【0028】そして、透明電極(14)は、幅約90μ
m、ピッチ約100μmのストライプ形状に、また、反
射電極(12)は、幅約290μm、ピッチ約300μ
mのストライプ形状にパターン形成され、透明電極(1
4)と直交している。透明電極は、図2に示すような、
層厚約40nmの混合酸化物層(25)、約9nmの銀
合金層(24)、約82nmの中間酸化物層(23)、
約9nmの銀合金層(22)、約40nmの混合酸化物
層(21)の5層の構成とした。
【0029】反射電極(12)は、透明基板(11)側
から約20nmの混合酸化物層、約150nmの銀合金
層、約4nmの混合酸化物層の3層の構成とした。反射
電極は、短波長側の反射率を上げるために、液晶に接す
る側を薄い混合酸化物とした。この透明電極の面積抵抗
値は、約4Ω/□、反射電極の面積抵抗値は約0.3Ω
/□であった。混合酸化物層及び中間酸化物層の組成
は、酸素を除く金属元素のみのアトミックパーセント
で、インジウム83at%、セリウム8.5at%、亜
鉛8.5at%とした。銀合金層の組成は、銀98.5
at%、金1at%、銅0.5at%とした。
【0030】このようにして得られた透明電極を用いた
液晶表示装置と、透明電極としてITO(酸化インジウ
ムと酸化錫の混合酸化物)の単層を用いた液晶表示装置
とを比較してみると、本発明による透明電極を用いた液
晶表示装置は、オーバーコートと透明電極との界面で白
色味〜緑色味の反射光がなく、コントラストの高い表示
品質のものであった。
【0031】また、本発明において、液晶表示装置の反
射を低減させる効果をシミュレーションにて検証した。 A透明電極の積層構成 1混合酸化物層 ‥‥ 屈折率2.1、 膜厚 40nm 2銀合金層 ‥‥ 屈折率0.12、 膜厚 10nm 3中間酸化物層 ‥‥ 屈折率2.1、 膜厚 82nm 4銀合金層 ‥‥ 屈折率0.12、 膜厚 10nm 5混合酸化物層 ‥‥ 屈折率2.1、 膜厚 40nm なお、透明電極に接するオーバーコートの屈折率は、1.5とした。 B従来法の透明電極の積層構成 1混合酸化物層 ‥‥ 屈折率2.1、 膜厚 40nm 2銀合金層 ‥‥ 屈折率0.12、 膜厚 20nm 3混合酸化物層 ‥‥ 屈折率2.1、 膜厚 40nm なお、透明電極に接するオーバーコートの屈折率は、1.5とした。
【0032】上記構成でのシミュレーション結果を、図
5に分光反射率A、及び、分光反射率Bとして示した。
図5に示すように、屈折率1.5のオーバーコートと接
する際には、本発明による5層構成の透明電極は、従来
法による3層構成の透明電極より反射の低いものとなっ
た。
【0033】
【発明の効果】本発明は、液晶表示装置を構成する一対
の電極基板の、少なくとも片側の電極基板が、混合酸化
物層/銀合金層/中間酸化物層/銀合金層/混合酸化物
層を積層した透明電極を備えているので、外部からの入
射光の反射を低減させ液晶表示装置のコントラストの低
下を防ぎ、高い表示品質をもつ液晶表示装置が得られ
る。また、背面側の電極基板の透明基板上に、光反射性
の反射電極を形成するので、外部からの入射光の反射を
低減させた反射型液晶表示装置が得られる。また、光反
射性の反射電極は、アルミニウム、銀、或いは、これら
の金属と他の金属との合金の薄膜により形成されるの
で、光反射性の高い反射電極を有する液晶表示装置が得
られる。また、光反射性の反射電極を、混合酸化物層に
よって銀合金層を挟持した、混合酸化物層/銀合金層/
混合酸化物層の3層構成としたので、密着性の優れた光
反射性の反射電極を有する液晶表示装置が得られる。
【0034】また、本発明は、粒界が実質的に存在しな
いアモルファスないしアモルファス類似の酸化物を、混
合酸化物層、中間酸化物層に採用するので、透明電極の
信頼性を低下させない液晶表示装置が得られる。また、
本発明は、混合酸化物層の反射光を増やすために、高屈
折率の酸化物を添加し屈折率が、略1.9以上の混合酸
化物層とするので、外部からの入射光の反射を著しく低
減させた液晶表示装置が得られる。また、本発明は、中
間酸化物層の光学膜厚が混合酸化物層の光学膜厚の略2
倍程度であるので、外部からの入射光の反射を著しく低
減させた液晶表示装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による液晶表示装置の一実施例をその断
面で示す説明図である。
【図2】本発明における液晶表示装置の入射光の反射を
低減させる原理を示す説明図である。
【図3】従来法による液晶表示装置の入射光の反射を低
減させる原理を示す説明図である。
【図4】従来法による液晶表示装置の一例をその断面で
示す説明図である。
【図5】分光反射率のシミュレーション結果である。
【符号の説明】
10…背面側の電極基板 11、17、41、47…透明基板 12、42…反射電極 13…液晶 14、44…透明電極 15、34…オーバーコート 16…カラーフィルタ 18…偏光板 19…観察者側の電極基板 21、25、31、33…混合酸化物層 23…中間酸化物層 22、24…銀合金層 32…銀層 I…入射光 r1 〜r3 ,R1 〜R5 …反射光

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液晶表示装置を構成する一対の電極基板
    の、少なくとも片側の電極基板が、混合酸化物層/銀合
    金層/中間酸化物層/銀合金層/混合酸化物層を積層し
    た透明電極を備えていることを特徴とする液晶表示装
    置。
  2. 【請求項2】前記片側の電極基板が、観察者側の電極基
    板であることを特徴とする請求項1記載の液晶表示装
    置。
  3. 【請求項3】前記片側の電極基板の、他側の電極基板
    が、光反射性の反射電極を備えている背面側の電極基板
    であることを特徴とする請求項2記載の液晶表示装置。
  4. 【請求項4】前記光反射性の反射電極が、アルミニウ
    ム、銀、或いは、これらの金属と他の金属との合金の薄
    膜により形成されることを特徴とする請求項3記載の液
    晶表示装置。
  5. 【請求項5】前記光反射性の反射電極が、混合酸化物層
    /銀合金層/混合酸化物層で構成する反射電極であるこ
    とを特徴とする請求項3記載の液晶表示装置。
  6. 【請求項6】前記混合酸化物層及び中間酸化物層が、ア
    モルファス或いはアモルファス類似の酸化物であること
    を特徴とする請求項1乃至5記載の液晶表示装置。
  7. 【請求項7】前記混合酸化物層及び中間酸化物層が、屈
    折率1.9以上の酸化物であることを特徴とする請求項
    1乃至6記載の液晶表示装置。
  8. 【請求項8】前記中間酸化物層の光学膜厚が、前記混合
    酸化物層の光学膜厚の略2倍であることを特徴とする請
    求項1乃至7記載の液晶表示装置。
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