JPH11280861A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

トロイダル型無段変速機

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JPH11280861A
JPH11280861A JP9695198A JP9695198A JPH11280861A JP H11280861 A JPH11280861 A JP H11280861A JP 9695198 A JP9695198 A JP 9695198A JP 9695198 A JP9695198 A JP 9695198A JP H11280861 A JPH11280861 A JP H11280861A
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Eiji Inoue
英司 井上
Atsushi Yamazaki
淳 山崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 この発明は,出力ディスクを出力歯車に対し
て軸方向に広い範囲で支持することにより,出力ディス
クの傾きを抑制して,安定した変速比の制御が可能なト
ロイダル型無段変速機を提供する。 【解決手段】 トロイダル型無段変速機の主軸3の略中
央位置に相対回転自在に嵌合した出力歯車21は,主軸
3に沿って出力ディスク5の嵌合穴33の略全長に渡っ
て延びる中空軸部30を有する。中空軸部30は,出力
歯車22の歯車本体21側でインロー嵌合するインロー
嵌合部31と,出力ディスク5に対向する入力ディスク
4側のスプライン嵌合部32とで嵌合している。出力デ
ィスク5は,軸方向に広い範囲で出力歯車21と嵌合し
て傾斜が抑制されるので,パワーローラ6との配置関係
が変化せず,安定した変速比の制御が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は,車両等の動力伝
達部に適用可能であって,入力軸の回転を傾転可能なパ
ワーローラを介して無段階に変速して出力軸に出力する
トロイダル型無段変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来,トロイダル型無段変速機として,
入力軸により駆動される入力ディスク,入力ディスクに
対向して配置され且つ出力軸に連結された出力ディス
ク,及び両ディスクに摩擦接触するパワーローラからな
るトロイダル変速部を同一軸上に一組又は複数組配置し
たトロイダル型無段変速機が知られている。このトロイ
ダル型無段変速機においては,パワーローラの傾転角度
を変えることによって,入力ディスクの回転を,無段階
に変速して出力ディスクに伝達することができる。
【0003】このようなトロイダル型無段変速機として
は,例えば,図2及び図3に示すように,トロイダル変
速部を同一軸上に二組配置した,所謂,ダブルキャビテ
ィ式トロイダル型無段変速機と称されるものがある。図
2はダブルキャビティ式トロイダル型無段変速機の概略
図であり,図3は図2に示すダブルキャビティ式トロイ
ダル型無段変速機の一方のトロイダル変速部の詳細を示
す断面図である。
【0004】図2に示したダブルキャビティ式トロイダ
ル型無段変速機においては,二組のトロイダル変速部
1,2が主軸3上に並べて配置されている。トロイダル
変速部1は,入力ディスク4と,入力ディスク4に対向
して配置された出力ディスク5と,入力ディスク4と出
力ディスク5との間に配置され且つ両ディスク4,5の
トロイド曲面に摩擦係合するパワーローラ6とから構成
されている。トロイダル変速部2は,トロイダル変速部
1と同様に,入力ディスク7と,入力ディスク7に対向
して配置された出力ディスク8と,入力ディスク7と出
力ディスク8との間に配置され且つ両ディスク7,8の
トロイド曲面に摩擦係合するパワーローラ9とから構成
されている。各トロイダル変速部1,2には,パワーロ
ーラ6,9がそれぞれ2つずつ設けられている。パワー
ローラ6,9は,それぞれ自己の回転軸線10の周りに
回転自在であり,且つ回転軸線10に直交する傾転軸1
1(紙面に垂直)の周りに傾転運動可能である。
【0005】入力軸13は,主軸3と同一軸線上に配置
されており,エンジンからの動力がトルクコンバータ1
2を介して入力軸13に入力される。トロイダル変速部
1,2において,入力ディスク4,7は,ボールスプラ
イン17を介して主軸3の軸方向に変位可能で且つ主軸
3と一体回転可能である。入力軸13の先端には,カム
ローラ15を備えたローディングカム14が配設されて
おり,そのカム作用によって,トロイダル変速部1で
は,入力トルクの大きさに応じて入力ディスク4をパワ
ーローラ6に押し付けるスラスト力が発生する。図3に
示すように,主軸3とローディングカム14との間に
は,スラスト軸受16が介在されているので,主軸3は
ローディングカム14に対して相対回動可能であるが軸
方向には一体に連結されている。上記スラスト力の発生
時には,その反作用で主軸3が入力軸13側に引き寄せ
られ,トロイダル変速部2では入力ディスク7がパワー
ローラ9に押し付けられる。したがって,上記スラスト
力は,入力ディスク4,7と出力ディスク5,8との間
でパワーローラ6,9を挟み付け,伝達トルクの大きさ
に応じた摩擦係合力を与える。ローディングカム14か
らの回転力は,一部がカムローラ15を介してトロイダ
ル変速部1の入力ディスク4に伝達され,入力ディスク
4の回転は,パワーローラ6の回転を経て出力ディスク
5に伝達される。一方,ローディングカム14からの回
転力の残部は,ボールスプライン17,及び主軸3を介
してトロイダル変速部2の入力ディスク7に伝達され,
入力ディスク7の回転はパワーローラ9の回転を経て出
力ディスク8に伝達される。
【0006】トロイダル変速部1,2において,パワー
ローラ6,9が傾転軸11の周りに傾転することによ
り,入力ディスク4,7の回転は傾転角度θに応じて出
力ディスク5,8に無段階に変速されて伝達される。パ
ワーローラ6,9は,トラニオン(図示せず)に対して
回転自在に且つ揺動自在に支持されており,スラスト力
に応じて生じる主軸3の軸方向変位に対応することがで
きる。
【0007】パワーローラ6,9の回転軸線10が主軸
3の軸線と交差している中立位置では,パワーローラ
6,9の傾転角度θはその時の状態を維持しており,変
速比はその時の値を保持している。トルク伝達中に,ト
ラニオンを傾転軸11の軸方向に移動させると,それに
伴ってパワーローラ6,9も傾転軸方向に変位し,パワ
ーローラ6,9と入力ディスク4,7及び出力ディスク
5,8との接触位置が,上記中立位置における接触位置
から変位する。その結果,パワーローラ6,9は,両デ
ィスクから傾転力を受け,傾転軸11の移動方向と移動
量とに応じた方向と速さとで傾転軸11を中心とした傾
転が生じる。このような傾転が生じると,入力ディスク
4,7におけるパワーローラ6,9との摩擦接触点が描
く半径と,出力ディスク5,8におけるパワーローラ
6,9との摩擦接触点が描く半径との比が変化すること
によって無段変速が行われる。パワーローラ6,9の傾
転制御は,図示しないコントローラによって,目標変速
比が達成されるようにアクチュエータ(図示せず)の作
動によってトラニオンの傾転軸方向変位が制御される。
【0008】出力ディスク5,8は,それぞれ,パワー
ローラ6,9からのトルクを伝達し且つ互いに一体回転
できるように,出力歯車21の歯車本体22から一体的
に両側に延びる中空軸部40とスプライン嵌合してい
る。スプライン嵌合部42は,中空軸部40の外周に形
成されたスプラインと出力ディスク5の嵌合孔43の内
周に形成されたスプラインとの噛み合いで構成される。
出力歯車21は,ケーシング19に対して内輪24a及
び外輪24bを有するアンギュラ軸受23を介して回転
自在に支持されている。出力歯車21は,主軸3に対し
て回転自在に配設されている。以下,出力ディスク5,
8の支持についてはトロイダル変速部1の出力ディスク
5について説明するが,出力ディスク8についても同様
である。
【0009】主軸3を回転可能に支持するころ軸受46
は,出力ディスク5の入力ディスク4に対向する先端部
45側の内周部に配設されている。ころ軸受46は,主
軸3の若干の軸方向移動を許容する軸受である。また,
出力ディスク5は,出力歯車21側の背面18において
スペーサ28を介して突き当たり部29で突き当たるこ
とによって,スラスト方向の位置が決められている。ス
ペーサ28は軸受23の内輪24aに当接している。出
力ディスク5は,背面18に近い内周部において,出力
歯車21の中空軸部40の外周面に対してインロー嵌合
部41で嵌合することで,径方向の位置が決められてい
る。出力ディスク5は,パワーローラ6から矢印Aで示
すようなスラスト力や,矢印Bで示すようなラジアル力
を受ける。矢印Aで示すスラスト力はスペーサ28を介
して軸受23からケーシング19に支持され,矢印Bで
示すようなラジアル力はインロー嵌合部41から中空軸
部40を介して軸受23からケーシング19に支持され
る。
【0010】出力ディスク5,8に伝達されたトルクは
チェーン伝動装置20,即ち,出力歯車21からチェー
ン26及びスプロケット25を経て,出力軸としてのカ
ウンタ軸27(図2)に取り出される。なお,ローディ
ングカム14と入力ディスク4との間には,入力トルク
が作用していない状態でも入力ディスク4,7をパワー
ローラ6,9に押し付けるために,皿ばね49が介在さ
れている。主軸3には,軸方向に延びるように形成され
た油路47と,各接触部分や回転部分に潤滑油を供給す
るために油路47から径方向に貫通する油路48とが形
成されている。
【0011】出力ディスクの支持については,特開平3
−92655号公報,特開平5−39830号公報,又
は特開平8−61453号公報に開示されたトロイダル
型無段変速機がある。これらのトロイダル型無段変速機
では,入力軸は変速機カバーに対して若干の軸方向移動
を可能にして回転自在に支持されており,一対の出力デ
ィスクは,入力軸の外周に対してころ軸受を介して回転
自在に支持されると共に,両出力ディスク間において入
力軸に相対回転可能に配置された出力ギアのボス部にセ
レーション嵌合されている。出力ギアは,ケーシングに
対してボール軸受を介して変速機カバーに回転自在に支
持されている。また,特開平6−147282号公報に
は,背面同士を対向して配置した一対の入力ディスク又
は出力ディスクから両ディスク間に延びる筒状部を互い
に嵌合させることによって,両ディスクを1個の剛体に
構成して,両ディスクの倒れを防止したトロイダル型無
段変速機が開示されている。
【0012】上記のような,従来のトロイダル型無段変
速機においては,次のような問題点が存在する。即ち,
トロイダル型無段変速機は,パワーローラ6,9と入力
ディスク4,7及び出力ディスク5,8との接触点が変
化すると,変速比が変化してしまう。出力ディスク5の
支持について見ると,スラスト方向には,パワーローラ
6からの押し付け力等で出力歯車21に突き当たり部2
9で突き当てられる以外に格別拘束されておらず,ラジ
アル方向にはインロー嵌合部で規制されているだけであ
る。出力ディスク5の背面18の突き当たり部29の径
はインロー嵌合部41の径Dに略等しく,且つレイアウ
ト上,出力ディスク5の外径に比べて非常に小さくな
る。また,出力ディスク5と出力歯車21とのインロー
嵌合部41は突き当たり部29の近傍に存在し,嵌合長
Lも嵌合部の径Dに比較して短い。また,インロー嵌合
部41及びスプライン嵌合部42の嵌合いは組立の作業
性の観点から隙間嵌めとなっており,スプライン嵌合部
42はインロー嵌合部41よりも大きな隙間での嵌合い
となっている。
【0013】そのため,例えば,パワーローラ6,9か
ら出力ディスク5,8を傾けようとする力が作用する場
合には,互いに接近した突き当たり部29及びインロー
部30では出力ディスク5,8が出力歯車21に対して
傾斜しようとするのを阻止する作用が乏しい。また,主
軸3と出力ディスク5,8との間に配設された軸受46
は,長い主軸3の略中央に位置して主軸3を回転自在に
支持するためのものであり,出力ディスク5のラジアル
方向位置を高精度で位置決めすることを期待することは
難しい。スプライン嵌合部42はインロー嵌合部41よ
りも突き当たり部29から遠く,且つスプライン嵌合部
42における隙間は,インロー部41における隙間より
も大きいので,出力ディスク5,8が傾き易いという性
質がある。このような出力ディスク5,8の支持構造の
ために,出力ディスク5,8とパワーローラ6,9との
幾何学的配置が変わって変速比が変化し,本来意図した
変速比が得られなかったり,安定な変速比が得られない
という問題がある。また,出力ディスク5,8の背面と
スペーサ28との間で当接を繰り返すことに起因して,
当接部にフレッティング摩耗が発生したり,主軸の出力
歯車に対する支持が出力ディスクを介して行われている
ために,主軸の支持剛性や組付け精度が低下し易いとい
う問題点もある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】したがって,トロイダ
ル型無段変速機においては,出力歯車に対する出力ディ
スクの支持範囲を広く取って,出力ディスクに外力が加
わった場合に出力ディスクが傾こうとするのに対抗し易
くして,出力ディスクが出力歯車に対して傾斜するのを
防止する点で解決すべき課題がある。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明の目的は,上記
問題を解決することであり,出力ディスクの出力歯車に
対する軸方向の嵌合範囲を広く取ることにより,出力歯
車に対して出力ディスクが傾斜するのを防止して,トロ
イダル型無段変速機が意図しない変速をしないように
し,所定の変速比を安定して維持することができるトロ
イダル型無段変速機を提供することである。
【0016】この発明は,入力軸のトルクがローディン
グカムを介して伝達される第1入力ディスク,前記第1
入力ディスクを回転方向には一体的に固定し且つ軸方向
には移動可能になるように一端に取り付けた主軸,前記
主軸の他端に固定された第2入力ディスク,前記両入力
ディスクに対向して且つ前記主軸に対して相対回転可能
に配設された第1及び第2出力ディスク,前記入力ディ
スクと前記出力ディスクとの間に配置され且つ前記両デ
ィスクに対する傾転角度に応じて前記入力ディスクの回
転を無段階に変速して前記出力ディスクに伝達するパワ
ーローラ,前記両出力ディスクと連結された出力歯車,
及び前記出力歯車に伝動連結された出力軸を具備し,前
記出力歯車は前記両出力ディスク間に配置された歯車本
体と前記歯車本体から前記主軸に沿って延び且つ前記各
出力ディスクの嵌合孔に嵌合する中空軸部とを有し,前
記中空軸部は前記出力ディスクの前記嵌合孔の略全長に
渡って延びていることから成るトロイダル型無段変速機
に関する。
【0017】また,このトロイダル型無段変速機におい
て,前記主軸は,前記中空軸部の内周面に軸受を介して
相対回転可能に支持されている。
【0018】また,このトロイダル型無段変速機におい
て,前記出力ディスクと前記中空軸部とが嵌合する嵌合
部は,前記出力歯車の前記歯車本体側に位置するインロ
ー嵌合部と前記入力ディスク側に位置するスプライン嵌
合部とから構成されている。
【0019】更に,このトロイダル型無段変速機におい
て,前記各出力ディスクは,前記出力歯車の前記歯車本
体に対してスペーサを介して突き当てられている。
【0020】この発明によるトロイダル型無段変速機
は,上記のように構成されているので,次のように作動
する。即ち,歯車本体から主軸に沿って設けられて各出
力ディスクの嵌合孔に嵌合する中空軸部は,各出力ディ
スクの嵌合孔の略全長に渡って延びているので,出力デ
ィスクは,その嵌合孔の軸方向の略全領域にわたって,
中空軸部によって支持されている。例えば,パワーロー
ラからの押し付け力によって出力ディスクが傾こうとす
る場合,中空軸部が広い範囲に渡って出力ディスクの傾
きに対抗する反力を生じさせるので,各出力ディスクの
傾きが大幅に抑制される。入力ディスクと出力ディスク
との間に配置されたパワーローラが入力ディスクの回転
を無段階に変速して出力ディスクに伝達するためにパワ
ーローラに対して操作される量は,両ディスクに対する
傾転角度である。出力ディスクの傾きが抑制されること
によってパワーローラと出力ディスクとの配置関係が変
化せず,その結果,傾転角度が意図しない角度に変化す
ることもない。したがって,トロイダル型無段変速機の
変速比は傾転角度に応じて正確に制御され,一定の変速
比を得る場合には安定した変速比が維持される。
【0021】
【発明の実施の形態】以下,図面を参照して,この発明
によるトロイダル型無段変速機の実施例について説明す
る。図1は,この発明によるトロイダル型無段変速機の
一実施例の主要部を示す図である。図1に示すトロイダ
ル型無段変速機においては,主軸,出力ディスク及び出
力歯車の関連構成を示しており,その他の図示しない構
造は,図2及び図3に示す従来のトロイダル型無段変速
機の構造を採用することができ,同じ構成要素には図2
及び図3で用いたのと同じ符号を付して説明する。
【0022】図1に示したこの発明によるトロイダル型
無段変速機の実施例は,トロイダル変速部1のみが示さ
れているが,図2に示したように二組のトロイダル変速
部1,2を備えるものである。しかし,両トロイダル変
速部1,2は対称配置された構造であるので,以下,ト
ロイダル変速部1についてのみ説明する。主軸3に対し
て相対回転自在に嵌合している出力歯車21の歯車本体
22から主軸3に沿って延びる中空軸部30は,出力デ
ィスク5の嵌合孔33の軸方向範囲の略全長に渡って延
びている。したがって,出力ディスク5は,主軸3の軸
方向に長く延びた中空軸部30によって支持されてい
る。
【0023】出力ディスク5と出力歯車21の中空軸部
30との嵌合部は,出力歯車21の歯車本体22側のイ
ンロー嵌合部31と,出力ディスク5と対向する入力デ
ィスク4側のスプライン嵌合部32とから構成されてい
る。インロー嵌合部31は,中空軸部30側のインロー
嵌合面34と,出力ディスク5の嵌合孔33側のインロ
ー嵌合面35との面による嵌合で構成されており,比較
的精密な隙間によって嵌合している。また,スプライン
嵌合部32は,中空軸部30の外周に刻設されたスプラ
イン36と出力ディスク5の嵌合孔33の内周に刻設さ
れたスプライン37とが噛み合っていることによって,
出力ディスク5と出力歯車21との間でトルクを伝達可
能に構成されている。中空軸部30は出力ディスク5の
嵌合孔33の略全長に渡って延びており,中空軸部30
の先端内周面にはころ軸受39のための転走面38が形
成されている。主軸3は,ころ軸受39を介して出力歯
車21に回転可能に支持されている。なお,中空軸部3
0の最も歯車本体22側の部分は,軸受23の内輪24
aが嵌合する軸受嵌合部30aとなっている。
【0024】このように,出力ディスク5は,その嵌合
孔33の軸方向に広い範囲で出力歯車21に支持されて
いる。即ち,中空軸部30は,嵌合孔33の入力ディス
ク4側の開口付近にまで延びていて,インロー嵌合部3
1から離れた場所においても出力ディスク5を支持して
いる。出力ディスク5がインロー嵌合部31を支点とし
て傾斜しようとするときに,インロー嵌合部31から遠
いスプライン嵌合部32が直ちに出力ディスク5の傾斜
に対抗する。したがって,出力ディスク5がパワーロー
ラ6からの押付け力等の外力が作用したときに,出力デ
ィスク5の出力歯車21に対する傾斜は,従来のトロイ
ダル型無段変速機における出力ディスクの傾斜より大幅
に少なくなり,出力ディスク5とパワーローラ6との位
置関係が変動しない。その結果,パワーローラ6の傾転
角度θに応じた変速比の制御を行うことができ,一定の
変速比を保とうとする場合には,変速比が変動せず安定
して維持することができる。
【0025】また,出力ディスク5の出力歯車21に対
する傾斜を防止することができるので,出力ディスク5
の出力歯車21側の側面である背面18とスペーサ28
とが常に密着することになる。したがって,従来のトロ
イダル型無段変速機に見られるような出力ディスク5の
背面18がスペーサ28に対して接離を繰り返すことに
よるフレッティング摩耗の発生を防止することができ
る。更に,主軸3は,軸受39から中空軸部30,及び
軸受23を介してケーシング19に支持されるので,従
来のトロイダル型無段変速機のように,主軸3が軸受4
6を介して出力ディスク5に一旦支持され,そして出力
歯車21を経て更に軸受23によってケーシング19に
支持されるのと比較して,主軸3の支持について,主軸
3とケーシング19との間に介在する部品点数を減らす
ことができ,主軸3のケーシング19に対する支持剛性
及び組立精度を向上させることができる。
【0026】
【発明の効果】この発明によるトロイダル型無段変速機
は,上記のように,出力ディスクの出力歯車に対する軸
方向の嵌合領域を広く取っているので,出力歯車に対す
る出力ディスクの傾斜が大幅に抑制される。したがっ
て,出力ディスクの傾斜に起因して出力ディスクとパワ
ーローラとの配置関係が変動しなくなるので,トロイダ
ル型無段変速機は意図しない変速比に変速をすることが
なく,パワーローラの傾転角度に応じた正確な変速比の
制御が可能となり,変速比を一定に維持する場合には,
安定した変速比を維持することができる。また,出力デ
ィスクとスペーサとの間でフレッティング摩耗等の不具
合を起こすことがない。更に主軸をケーシングに対して
支持するために,主軸とケーシングとの間に介在する部
品点数を軽減して,主軸の支持剛性や組立精度を向上さ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるトロイダル型無段変速機の一実
施例を示す図である。
【図2】従来のトロイダル型無段変速機の一例を示す図
である。
【図3】従来のトロイダル型無段変速機の一部を拡大し
て示す断面図である。
【符号の説明】
1,2 トロイダル変速部 3 主軸 4,7 入力ディスク 5,8 出力ディスク 6,9 パワーローラ 11 傾転軸 13 入力軸 14 ローデイングカム 19 ケーシング 21 出力歯車 22 歯車本体 28 スペーサ 29 突き当たり部 30 中空軸部 31 インロー嵌合部 32 スプライン嵌合部 33 嵌合孔 34,35 インロー嵌合面 36,37 スプライン 39 軸受

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力軸のトルクがローディングカムを介
    して伝達される第1入力ディスク,前記第1入力ディス
    クを回転方向には一体的に固定し且つ軸方向には移動可
    能になるように一端に取り付けた主軸,前記主軸の他端
    に固定された第2入力ディスク,前記両入力ディスクに
    対向して且つ前記主軸に対して相対回転可能に配設され
    た第1及び第2出力ディスク,前記入力ディスクと前記
    出力ディスクとの間に配置され且つ前記両ディスクに対
    する傾転角度に応じて前記入力ディスクの回転を無段階
    に変速して前記出力ディスクに伝達するパワーローラ,
    前記両出力ディスクと連結された出力歯車,及び前記出
    力歯車に伝動連結された出力軸を具備し,前記出力歯車
    は前記両出力ディスク間に配置された歯車本体と前記歯
    車本体から前記主軸に沿って延び且つ前記各出力ディス
    クの嵌合孔に嵌合する中空軸部とを有し,前記中空軸部
    は前記出力ディスクの前記嵌合孔の略全長に渡って延び
    ていることから成るトロイダル型無段変速機。
  2. 【請求項2】 前記主軸は,前記中空軸部の内周面に軸
    受を介して相対回転可能に支持されていることから成る
    請求項1に記載のトロイダル型無段変速機。
  3. 【請求項3】 前記出力ディスクと前記中空軸部とが嵌
    合する嵌合部は,前記出力歯車の前記歯車本体側に位置
    するインロー嵌合部と前記入力ディスク側に位置するス
    プライン嵌合部とから構成されていることから成る請求
    項1又は2に記載のトロイダル型無段変速機。
  4. 【請求項4】 前記各出力ディスクは,前記出力歯車の
    前記歯車本体に対してスペーサを介して突き当てられて
    いることから成る請求項1〜3のいずれか1項に記載の
    トロイダル型無段変速機。
JP09695198A 1998-03-26 1998-03-26 トロイダル型無段変速機 Expired - Fee Related JP3843597B2 (ja)

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