JPH11279192A - 新規なクロマノール配糖体の製造方法 - Google Patents

新規なクロマノール配糖体の製造方法

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JPH11279192A
JPH11279192A JP10075599A JP7559998A JPH11279192A JP H11279192 A JPH11279192 A JP H11279192A JP 10075599 A JP10075599 A JP 10075599A JP 7559998 A JP7559998 A JP 7559998A JP H11279192 A JPH11279192 A JP H11279192A
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隆幸 安藤
Tsutomu Kunieda
勉 国枝
Hironori Murase
博宣 村瀬
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機合成によるクロマノール配糖体の製造方
法を提供する。 【解決手段】 アノマー位に脱離基を導入し他の水酸基
を保護基で保護した糖の誘導体および2−置換アルコー
ル誘導体の縮合反応からなることを特徴とするクロマノ
ール配糖体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なクロマノー
ル配糖体の製造方法およびその方法により製造されるク
ロマノール配糖体に関するものである。より詳しくは、
本発明は、有機合成技術を用いたクロマノール配糖体の
製造方法およびその方法により製造されるクロマノール
配糖体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】下記一般式:
【0003】
【化14】
【0004】(ただし、式中、R1 、R2 、R3 および
4 は同一または異なる水素原子または低級アルキル基
を表わし、R5 は水素原子、低級アルキル基または低級
アシル基を表わし、Xは単糖残基またはオリゴ糖残基を
表わし、該糖残基の水酸基の水素原子は低級アルキル基
または低級アシル基で置換されていてもよく、nは0〜
4の整数であり、およびmは1〜6の整数である)で表
されるクロマノール配糖体は、特開平07−11828
7号において、優れた抗酸化活性、熱やpH安定性及び
水溶性を有する化合物であることが報告されている。
【0005】また、近年、本発明者らの研究により、上
記一般式で表されるクロマノール配糖体は、上記特性の
他に放射線防護作用や炎症性腸疾患予防及び治療効果も
有することが分かった。
【0006】このような種々の優れた特性を有するクロ
マノール配糖体は、従来、糖転移作用を触媒する酵素を
用いて、下記一般式:
【0007】
【化15】
【0008】(ただし、式中、R1 、R2 、R3 および
4 は同一または異なる水素原子または低級アルキル基
を表わし、R5 は水素原子、低級アルキル基または低級
アシル基を表わし、およびnは0〜4の整数である。)
で表される2−置換アルコールと糖とを有機溶媒の存在
下において反応させることにより(特開平7−1182
87号)または多孔質キトサンビーズにα−グルコシダ
ーゼを固定化させた固定化酵素を用いて、上記一般式で
示される2−置換アルコールと糖とを有機溶媒共存下に
おいて反応させることにより(特開平9−249688
号)、製造されてきた。
【0009】しかしながら、上記の方法は、双方とも、
酵素を用いるものであるが、目的の糖を効率よく2−置
換アルコールに転移させることができる酵素が入手でき
る場合には良好に適応できるが、フコース等の糖の種類
によっては、糖を2−置換アルコールに転移させて目的
とするクロマノール配糖体を生産できる酵素がまだ発見
されていない、または知られていても非常に高価であ
り、かつたとえ目的とするクロマノール配糖体を生産す
る酵素があったとしても、その反応効率が非常に悪い場
合には、収率が悪く経済的に適応できないという問題点
があった。
【0010】一方、上述したように、クロマノール配糖
体には様々な特性があるが、その特性の発現強度は2−
置換アルコールに結合する糖の種類によって当然相違す
る、さらには、クロマノール配糖体を生体に投与する際
のクロマノール配糖体のグリコシド結合の安定性や細胞
への取り込まれ方にも、結合する糖の種類によって違い
が生じることは常識となっている。このため、様々な種
類の糖を有するクロマノール配糖体について、目的とす
る特性(例えば、抗酸化活性、熱安定性、pH安定性、
水溶性、放射線防護作用または炎症性腸疾患予防若しく
は治療効果)、グリコシド結合の安定性および細胞への
取り込まれ易さ等を検討することは非常に有用である。
【0011】したがって、酵素により糖を転移できな
い、または転移できたとしても効率が悪く目的とするク
ロマノール配糖体が十分量生産できないなどの欠点を克
服するクロマノール配糖体の製造方法に対する要望は強
く存在している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、新規なクロマノール配糖体の製造方法を提供す
ることである。
【0013】本発明の他の目的は、酵素により糖を転移
できない、または転移できたとしても効率が悪く目的と
するクロマノール配糖体が十分量生産できないなどの欠
点を克服する有機合成によるクロマノール配糖体の製造
方法を提供することである。
【0014】本発明のさらなる目的は、生成するクロマ
ノール配糖体の分解を防ぎクロマノール配糖体を高い収
率で製造する方法を提供することである。
【0015】本発明のさらなる他の目的は、このような
方法により製造されるクロマノール配糖体を提供するこ
とである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記事情
を鑑みて鋭意研究を行った結果、アノマー位に脱離基を
導入し他の水酸基を保護基で保護した糖の誘導体を2−
置換アルコール誘導体と縮合させることにより、目的と
するクロマノール配糖体を効率良く合成できることを発
見した。また、上記に加えて、本発明者らは、上記縮合
反応後における保護基の脱保護法に関しても鋭意研究を
行った結果、保護基の脱保護を酸分解により、酵素分解
によりまたは金属試薬を用いて行うことにより、生成し
たクロマノール配糖体の分解を効率よく防止し、これに
よりクロマノール配糖体の収率を向上させることができ
ることを発見した。これらの知見に基づいて、本発明を
完成するに至った。
【0017】すなわち、上記諸目的は、下記(イ)から
(ヌ)によって達成される。
【0018】(イ) アノマー位に脱離基を導入し他の
水酸基を保護基で保護した糖の誘導体および一般式
(2):
【0019】
【化16】
【0020】[ただし、式中、R1 、R2 、R3 および
4 は同一または異なる水素原子、低級アルキル基また
は低級アシル基を表し、R5 は水素原子、低級アルキル
基または低級アシル基を表し、およびnは0〜4の整数
である。]で表される2−置換アルコール誘導体の縮合
反応からなる、一般式(1):
【0021】
【化17】
【0022】[ただし、式中、R1 、R2 、R3 および
4 は同一または異なる水素原子、低級アルキル基また
は低級アシル基を表し、R5 は水素原子、低級アルキル
基または低級アシル基を表し、Xは単糖残基(但し、糖
残基中の水酸基の水素原子は低級アルキル基または低級
アシル基で置換されていてもよい)を表し、およびnは
0〜4の整数である。]で表されるクロマノール配糖体
の製造方法。
【0023】(ロ) 上記糖の誘導体が一般式(3)で
表されるL−フコース供与体、一般式(4)で表される
L−ラムノース供与体、一般式(5)で表されるD−キ
シロース供与体、一般式(6)で表されるD−ガラクト
ース供与体または一般式(7)で表されるD−マンノー
ス供与体である、前記(イ)に記載の方法。
【0024】
【化18】
【0025】
【化19】
【0026】
【化20】
【0027】
【化21】
【0028】
【化22】
【0029】[ただし、式(3)、(4)、(5)、
(6)及び(7)中、Yはハロゲン原子、硫黄化合物ま
たはトリクロロアセトイミド基を表し、その種類により
α体またはβ体のいずれかの型を優先的にとり、および
Rは同一または異なるアセチル基、ベンゾイル基、ピバ
ロイル基、クロロアセチル基、レブリノイル基、ベンジ
ル基、p−メトキシベンジル基、アリル基、t−ブチル
ジメチルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル基、ト
リメチルシリル基またはトリチル基を表す。] (ハ)前記縮合反応後における保護基の脱保護が酸分解
により行われるものである前記(イ)または(ロ)に記
載の方法。
【0030】(ニ)前記酸分解がメタノール性塩酸また
はアルコールに塩酸を添加した溶媒の存在下で行われる
ものである前記(ハ)に記載の方法。
【0031】(ホ)前記縮合反応後における保護基の脱
保護が酵素分解により行われるものである前記(イ)ま
たは(ロ)に記載の方法。
【0032】(ヘ)前記酵素分解に使用される酵素がエ
ステラーゼまたはリパーゼである前記(ホ)に記載の方
法。
【0033】(ト)前記縮合反応後における保護基の脱
保護が金属試薬を用いて行われるものである前記(イ)
または(ロ)に記載の方法。
【0034】(チ)前記金属試薬が水素化リチウムアル
ミニウムまたは水素化ジイソブチルアルミニウムである
前記(ト)に記載の方法。
【0035】(リ)前記(イ)から(チ)のいずれかに
記載の方法により製造される、一般式(1):
【0036】
【化23】
【0037】[ただし、式中、R1 、R2 、R3 および
4 は同一または異なる水素原子、低級アルキル基また
は低級アシル基を表し、R5 は水素原子、低級アルキル
基または低級アシル基を表し、Xは単糖残基(但し、糖
残基中の水酸基の水素原子は低級アルキル基または低級
アシル基で置換されていてもよい)を表し、およびnは
0〜4の整数である。]で表されるクロマノール配糖
体。
【0038】(ヌ)下記一般式(8)、(9)、(1
0)、(11)または(12)で表される、前記(リ)
に記載のクロマノール配糖体。
【0039】
【化24】
【0040】
【化25】
【0041】
【化26】
【0042】
【化27】
【0043】
【化28】
【0044】[ただし、式(8)、(9)、(10)、
(11)及び(12)中、R1 、R2、R3 およびR4
は同一または異なる水素原子、低級アルキル基または低
級アシル基を表し、R5 は水素原子、低級アルキル基ま
たは低級アシル基を表し、nは0〜4の整数であり、お
よびRは同一または異なるアセチル基、ベンゾイル基、
ピバロイル基、クロロアセチル基、レブリノイル基、ベ
ンジル基、p−メトキシベンジル基、アリル基、t−ブ
チルジメチルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル
基、トリメチルシリル基またはトリチル基を表す。]
【0045】
【発明の実施の形態】本発明は、下記一般式(2):
【0046】
【化29】
【0047】[ただし、式中、R1 、R2 、R3 および
4 は同一または異なる水素原子、低級アルキル基また
は低級アシル基を表し、R5 は水素原子、低級アルキル
基または低級アシル基を表し、およびnは0〜4の整数
である。]で表される2−置換アルコール誘導体(以
下、「糖受容体」と称する)を基質として使用してアノ
マー位に脱離基を導入し他の水酸基を保護基で保護した
糖の誘導体(以下、「糖供与体」と称する)と縮合反応
を起こさせて、下記一般式(1):
【0048】
【化30】
【0049】[ただし、式中、R1 、R2 、R3 および
4 は同一または異なる水素原子、低級アルキル基また
は低級アシル基を表し、R5 は水素原子、低級アルキル
基または低級アシル基を表し、Xは単糖残基(但し、糖
残基中の水酸基の水素原子は低級アルキル基または低級
アシル基で置換されていてもよい)を表し、およびnは
0〜4の整数である。]で表されるクロマノール配糖体
を製造することを特徴とするものである。
【0050】本発明を以下に詳細に説明する。
【0051】本発明において、糖供与体は、糖残基のア
ノマー位に脱離基を導入し、他の水酸基を保護基で保護
した糖の誘導体である。この際、アノマー位に導入され
る脱離基としては、塩素、臭素やフッ素等のハロゲン原
子、チオメチル基、チオエチル基やチオフェニル基等の
硫黄化合物およびトリクロロアセトイミド基などが挙げ
られる。これらの脱離基のうち、臭素、塩素、チオメチ
ル基、チオエチル基、チオフェニル基及びトリクロロア
セトイミド基が好ましく使用される。
【0052】また、本発明において、アノマー位以外の
水酸基を保護する保護基としては、アセチル基、ベンゾ
イル基、ピバロイル基、クロロアセチル基及びレブリノ
イル基等のアシル系保護基、およびベンジル基、p−メ
トキシベンジル基、アリル基、t−ブチルジメチルシリ
ル基、t−ブチルジフェニルシリル基、トリメチルシリ
ル基及びトリチル基等のエーテル系保護基が挙げられ
る。これらの保護基のうち、アシル系保護基、特にアセ
チル基が好ましくは使用される。
【0053】本発明による糖供与体における糖部分は、
目的とするクロマノール配糖体の種類によって決まる
が、具体的には、D,L−グルコース、D,L−ガラク
トース、D,L−フコース、D,L−キシロース、D,
L−マンノース、D,L−ラムノース、D,L−アラビ
ノース、D,L−リキソース、D,L−リボース、D,
L−アロース、D,L−アルトロース、D,L−イドー
ス、D,L−タロース、D,L−デオキシリボース、
D,L−2−デオキシリボース、D,L−キノボース及
びD,L−アベクオースなどが挙げられる。これらのう
ち、D,L−グルコース、D,L−ガラクトース、D,
L−フコース、D,L−キシロース、D,L−マンノー
ス、D,L−ラムノース、D,L−アラビノース、D,
L−リキソース、D,L−リボース、D,L−タロー
ス、D,L−デオキシリボース及びD,L−2−デオキ
シリボースが好ましく使用され、特に、下記一般式
(3)で表されるL−フコース供与体、下記一般式
(4)で表されるL−ラムノース供与体、下記一般式
(5)で表されるD−キシロース供与体、下記一般式
(6)で表されるD−ガラクトース供与体または下記一
般式(7)で表されるD−マンノース供与体が糖供与体
として好ましく使用される。
【0054】
【化31】
【0055】
【化32】
【0056】
【化33】
【0057】
【化34】
【0058】
【化35】
【0059】[ただし、式(3)、(4)、(5)、
(6)及び(7)中、Yはハロゲン原子、硫黄化合物ま
たはトリクロロアセトイミド基を表し、その種類により
α体またはβ体のいずれかの型を優先的にとり、および
Rは同一または異なるアセチル基、ベンゾイル基、ピバ
ロイル基、クロロアセチル基、レブリノイル基、ベンジ
ル基、p−メトキシベンジル基、アリル基、t−ブチル
ジメチルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル基、ト
リメチルシリル基またはトリチル基を表す。] 本発明の方法によると、糖供与体の2位の水酸基を上記
アシル系保護基で保護して縮合する場合、隣接基効果に
より、1,2−トランス型のグリコシド結合を有するク
ロマノール配糖体が得られる。例えば、グルコース、ガ
ラクトース、フコース及びキシロース等の2位の水酸基
がエカトリアルで配座しているグルコ型の糖はβ型でア
グリコンと結合し、マンノースやラムノース等の2位の
水酸基がアキシアルで配座しているマンノ型の糖はα型
でアグリコンと結合する。
【0060】さらに、本発明におけるクロマノール配糖
体及び糖受容体をそれぞれ表すものである、上記一般式
(1)及び(2)において、R1 、R2 、R3 およびR
4 は、同一または異なる水素原子または低級アルキル基
を表わすものであるが、低級アルキル基を表わす際に
は、炭素原子数が好ましくは1〜8、より好ましくは1
〜6の低級アルキル基であり、例えば、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブ
チル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、ヘ
プチル基及びオクチル基等が挙げられ、これらのうち、
メチル基及びエチル基が好ましい。同様にして、R
5 は、水素原子、低級アルキル基または低級アシル基を
表わすものであるが、これらのうち、低級アルキル基を
表わす際には、上記R1 、R2 、R3 およびR4 におけ
る場合と同様であり、また、低級アシル基を表わす際に
は、炭素原子数が好ましくは1〜10、より好ましくは
1〜8の低級アシル基であり、例えば、アセチル基、プ
ロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル
基、イソバレリル基、ピバロイル基、ヘキサノイル基及
びオクタノイル基等が挙げられ、これらのうち、アセチ
ル基及びプロピオニル基が好ましい。さらに、上記一般
式(1)において、Xは、グルコース、ガラクトース、
フコース、キシロース、マンノース、ラムノース、アラ
ビノース、リキソース、リボース、アロース、アルトロ
ース、イドース、タロース、デオキシリボース、2−デ
オキシリボース、キノボース及びアベクオース等の単糖
残基を表わすが、この際、糖残基中の水酸基の水素原子
は低級アルキル基、好ましくは炭素原子数が1〜8の低
級アルキル基または低級アシル基、好ましくは炭素原子
数が1〜10の低級アシル基で置換されていてもよい。
これらのうち、低級アルキル基を表わす際には、上記R
1 、R2 、R3 およびR4 における場合と同様であり、
また、低級アシル基を表わす際には、上記R5 における
場合と同様である。上記単糖残基のうち、グルコース、
ガラクトース、フコース、キシロース、マンノース、ラ
ムノース、アラビノース、リキソース、リボース、タロ
ース、デオキシリボース及び2−デオキシリボースがX
として好ましく使用され、特にフコース、キシロース及
びラムノースが好ましく使用される。さらに、nは、0
〜4、好ましくは1〜3の整数である。
【0061】本発明において、糖受容体は、縮合の際、
6位の水酸基をアセチル基、ベンゾイル基、ピバロイル
基、クロロアセチル基、レブリノイル基、ベンジル基、
p−メトキシベンジル基、アリル基、t−ブチルジメチ
ルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル基、トリメチ
ルシリル基及びトリチル基等の保護基、好ましくは、ア
セチル基やベンゾイル基で保護しておくことが好まし
い。
【0062】以下に、本発明による糖供与体の調製方法
の一実施態様を示す。糖1gに対してピリジンを5〜2
0ml、好ましくは10〜15mlの割合で加えて溶解
させる。さらにこの溶液に、無水酢酸を10〜20m
l、好ましくは15〜20mlを加えて、室温で3〜8
時間、好ましくは5〜7時間撹拌する。次に、この撹拌
溶液にメタノールを20ml添加することにより過剰の
無水酢酸を壊した後、すべての水酸基をアセチル基で保
護した糖(以下、「アセチル糖誘導体」と称する)を塩
化メチレン、クロロホルム、酢酸エチル、ベンゼン、ト
ルエン及びエーテル等の有機溶媒、好ましくは塩化メチ
レンで抽出する。得られた抽出液を減圧下で濃縮後、シ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキ
サン=1:1(v/v))で精製することにより、アセ
チル糖誘導体を得る。さらに、このようにして得られた
アセチル糖誘導体1gに対して塩化メチレンを5〜20
ml、好ましくは10〜15mlの割合で加えて溶解さ
せる。さらにこの溶液に、臭化水素酢酸溶液(25%
(w/w))を0.5〜2ml、好ましくは1〜1.5
mlを添加して、5〜30℃、好ましくは10〜25℃
で、15〜60分間、好ましくは20〜30分間撹拌す
る。次に、この撹拌溶液に氷上で蒸留水を5〜30m
l、好ましくは15〜20ml加えて、臭化水素を分解
する。この反応液を塩化メチレン、クロロホルム、酢酸
エチル、ベンゼン、トルエン及びエーテル等の有機溶
媒、好ましくは塩化メチレンで抽出する。得られた抽出
液を減圧下で濃縮することにより、1位に臭素が導入さ
れ他の水酸基はアセチル基で保護された糖供与体(以
下、「1−ブロモ糖供与体」と称する)が得られる。
【0063】次に、本発明による糖受容体の調製方法の
一実施態様を示す。2−置換アルコール1gに対してピ
リジンを5〜20ml、好ましくは10〜15mlの割
合で加えて溶解させる。さらにこの溶液に、t−ブチル
ジメチルシリルクロリドを0.7〜1.5g、好ましく
は0.9〜1.0g加えて、室温で3〜8時間、好まし
くは4〜5時間撹拌する。次いで、この撹拌溶液に無水
酢酸を0.8〜2ml、好ましくは1〜1.5ml添加
して、5〜30℃、好ましくは10〜25℃で、3〜8
時間、好ましくは4〜5時間撹拌する。この反応液にメ
タノールを2ml加えることにより過剰の無水酢酸を壊
した後、6位の水酸基をアセチル基で保護して2位の水
酸基をt−ブチルジメチルシリル基で保護した2−置換
アルコールを得る。このように保護された2−置換アル
コールを塩化メチレン、クロロホルム、酢酸エチル、ベ
ンゼン、トルエン及びエーテル等の有機溶媒、好ましく
は塩化メチレンで抽出する。得られた抽出液を減圧下で
濃縮して、得られた化合物を酸性条件、例えば、酢酸水
溶液(80%(w/w))中で、5〜30℃、好ましく
は10〜25℃で、36〜54時間、好ましくは40〜
48時間撹拌して、t−ブチルジメチルシリル基を脱保
護する。脱保護された化合物をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1(v/
v))で精製することにより、2−置換アルコールの6
位の水酸基のみをアセチル基で保護した糖受容体が得ら
れる。
【0064】さらに、本発明による糖供与体及び糖受容
体の縮合反応の一実施態様を、上記で得られた糖供与体
及び糖受容体について、以下に示す。糖受容体1gおよ
び糖受容体1gに対してモル比で1.0〜1.5等量、
好ましくは1.2等量の1−ブロモ糖供与体を塩化メチ
レンやベンゼン等の非極性溶媒に溶解して、モレキュラ
ーシーブ4A(4Å)を2〜4g、好ましくは2.5〜
3.0g添加して、5〜30℃、好ましくは10〜25
℃で、1〜5時間、好ましくは3時間撹拌する。この反
応溶液に無水条件下で活性化剤を添加して、5〜30
℃、好ましくは10〜25℃で、12〜48時間、好ま
しくは20〜30時間撹拌する。得られた反応液をセラ
イト瀘過してモレキュラーシーブ4A(4Å)及び過塩
素酸銀を除去した後、生成物をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1(v/
v))で精製することにより、すべての水酸基がアセチ
ル基で保護されたクロマノール配糖体(以下、「クロマ
ノール配糖体アセチル誘導体」と称する)が得られる。
【0065】本発明において使用される活性化剤として
は、三フッ化ホウ酸・エーテル錯体、過塩素酸銀、トリ
フルオロメタンスルホン酸銀、臭化水銀、シアン化水
銀、N−ヨードコハク酸イミド−トリフルオロメタンス
ルホン酸、ジメチルメチルチオスルホニウムトリフラー
ト及びp−トルエンスルホン酸などが挙げられ、特に、
臭素を糖供与体の脱離基として使用した場合には過塩素
酸銀等の重金属塩を使用することが好ましい。
【0066】また、上記実施態様においては、シリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーにより精製を行ったが、こ
の精製方法に制限されるものではなく、公知の精製方法
が使用される。
【0067】次いで、以下のようにして、クロマノール
配糖体アセチル誘導体の脱保護を行う。
【0068】本発明において、上記したような糖供与体
と糖受容体との縮合反応後に得られた縮合物、すなわ
ち、水酸基がアセチル基等の保護基で保護されたクロマ
ノール配糖体アセチル誘導体から、保護基を脱離する脱
保護法としては、特に限定されるものではなく、例え
ば、アルカリ分解法、酸分解法、酵素分解法及び金属試
薬を用いた脱保護法等の種々の方法を採択できる。
【0069】しかしながら、クロマノール配糖体は、そ
の化学的性質によりアルカリ条件下では非常に不安定な
化合物であるため、縮合で得られた化合物の脱保護処理
を抗酸化剤であるピロガロール共存下でアルカリ分解す
るといったアルカリ分解法では、クロマノール配糖体の
分解が起こり収率が低下するという欠点がある。このた
め、大量のクロマノール配糖体を合成することを考慮す
ると、アルカリ分解法による場合に比べて、酸分解法に
よる、酵素分解法による及び金属試薬を用いた脱保護
法、特に金属試薬を用いた脱保護法の方が本発明におい
て好ましく使用される。
【0070】第一に、縮合物のアセチル基等の保護基の
脱保護を酸分解によって行う場合には、クロマノール配
糖体の分解が防止され、アルカリ分解により脱保護を行
う場合と比較して収率良くクロマノール配糖体を得るこ
とができ、例えば、縮合で得られた化合物をメタノール
性塩酸に溶解させる酸分解法はアルカリ分解法に比較し
て約7倍量の配糖体を得ることが可能となる。しかしな
がら、上記酸分解による脱保護法では、2−置換アルコ
ールに結合している糖の種類によっては、酸性条件下
で、アセチル基の脱保護と同時にグリコシド結合が切断
される配糖体もあり、このような場合には良好な収率で
配糖体を得ることは困難になってしまう。このため、酸
分解による脱保護処理には、酸に安定な配糖体を使用す
ることが好ましく、酸に不安定な配糖体の場合には、酸
分解ではなくむしろ酵素分解や金属試薬を用いて脱保護
を行なう方法が好ましいといえる。
【0071】次に、縮合で得られた化合物のアセチル基
などの保護基をエステラーゼ等の酵素により加水分解さ
せて脱保護処理を行う場合には、上記と同様に、クロマ
ノール配糖体の分解は防止され、アルカリ分解により脱
保護を行う場合と比較して収率良くクロマノール配糖体
を得ることができ、例えば、縮合で得られた化合物をエ
ステラーゼにより加水分解させて脱保護処理を行う方法
はアルカリ分解法に比較して約7倍量の配糖体を得るこ
とが可能となる。しかしながら、上記酵素分解による脱
保護法では、使用する酵素が高価であり、製造されるク
ロマノール配糖体のコストが高くなってしまい、経済的
でないという問題がある。
【0072】これらの脱保護法に対して、金属試薬を使
用して縮合物のアセチル基等の脱保護を還元的に行なう
場合には、上記と同様に、クロマノール配糖体の分解は
防止され、アルカリ分解により脱保護を行う場合と比較
して収率良くクロマノール配糖体を得ることができ、例
えば、縮合で得られた化合物を水素化リチウムアルミニ
ウムや水素化ジイソブチルアルミニウムを用いて脱保護
処理を行う方法はアルカリ分解法に比較して約8.25
倍量の配糖体を得ることが可能となる。また、これらの
利点に加えて、金属試薬を用いた脱保護法は、結合する
糖の種類に関わらず、全ての配糖体の脱保護に適用が可
能であり、かつ高収率で配糖体の製造が可能であるとい
う長所も有する。
【0073】本発明による脱保護をアルカリ分解、酸分
解、酵素分解および金属試薬を用いる場合に分けて、そ
の一実施態様を、それぞれ、上記で得られたクロマノー
ル配糖体アセチル誘導体を用いて以下に示す。
【0074】まず、アルカリ分解によるアセチル基の脱
保護を行う場合には、例えば、得られたクロマノール配
糖体アセチル誘導体1gを蒸留水−メタノール混合溶液
(1:1(v/v))20〜50ml、好ましくは25
〜30mlに溶解して、10gのピロガロールを加え
て、5〜30℃、好ましくは10〜25℃で、30分〜
2時間、好ましくは1時間〜1時間30分間撹拌する。
このようにして得られた反応溶液に水酸化ナトリウム1
〜20g、好ましくは8〜12gを加えて、5〜30
℃、好ましくは10〜25℃で、1〜4時間、好ましく
は2〜3時間撹拌して、アセチル基の脱保護を行い、目
的とするクロマノール配糖体が得られる。
【0075】次に、酸分解によるアセチル基の脱保護を
行う場合には、まず、塩化ナトリウム20〜100g、
好ましくは40g〜50gに濃硫酸50ml〜200m
l、好ましくは80ml〜100mlを滴下して発生す
る塩化水素ガスをメタノール(あらかじめモレキュラー
シーブで脱水したもの)に吸収させ、メタノール性塩酸
を調製する。このときの塩酸の濃度は5〜15%が好ま
しい。そして、クロマノール配糖体アセチル誘導体1g
を上記のようにして調製されたメタノール性塩酸10〜
50ml、好ましくは20〜30mlに溶解させて室温
で2〜8時間、好ましくは4〜6時間、攪拌してアセチ
ル基を酸分解させる。その後、反応液から目的とするク
ロマノール配糖体を分離、精製する。
【0076】さらに、酵素分解によるアセチル基の脱保
護の場合には、緩衝溶液中で加水分解酵素を使用して行
なう。この際、アセチル基の脱保護を行なうのに使用さ
れる酵素としては、エステラーゼ、例えば、シグマ(S
IGMA)製のブタの肝臓及びウサギの肝臓由来のエス
テラーゼ、及びリパーゼ、例えば、ブタの膵臓由来のリ
パーゼなどが挙げられる。
【0077】また、上記実施態様において、添加される
酵素量は、使用される酵素の種類や反応条件等によって
異なるが、例えば、シグマ(SIGMA)製のブタ肝臓
由来のエステラーゼを2gのクロマノール配糖体アセチ
ル誘導体を含む反応液500mlに添加する場合、1
0,000から50,000U、好ましくは20,00
0から40,000Uである。酵素量が10,000U
未満の場合には、酵素による触媒作用が十分でなく好ま
しくない。これに対して、酵素量が50,000Uを越
える場合には、過度の添加に見合うだけの効果が得られ
ず不経済である。なお、上記で使用されたブタ肝臓由来
のエステラーゼの「1U」とは、基質として酪酸エチル
を用い、pH8.0、25℃において1分間に1μmo
lの酪酸エチルを加水分解する酵素量を意味するもので
ある。
【0078】また、酵素分解法による脱保護反応は、縮
合で得られたクロマノール配糖体アセチル誘導体を反応
溶液に溶解させることが望ましく、そのため、水に対す
る溶解度が非常に低いクロマノール配糖体アセチル誘導
体を溶解し得る有機溶媒を添加する必要がある。同時
に、添加される有機溶媒は、エステラーゼの加水分解活
性を効率よく発現させることができるものでなければな
らない。このような条件を満たす有機溶媒としては、例
えば、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルム
アミド、メタノール、エタノール、およびアセトニトリ
ルなどが挙げられる。例えば、ブタ肝臓由来のエステラ
ーゼを酵素分解反応に使用する際には、エステラーゼの
加水分解活性を高めるために、メタノール、エタノール
またはジメチルスルホキシドを使用することが望まし
い。添加する有機溶媒の濃度は、使用する酵素の種類な
どによって、相違するが、例えば、エステラーゼを用い
る場合、添加する有機溶媒の濃度は、10〜25%、反
応効率を考慮すると、好ましくは、15〜20%であ
る。有機溶媒濃度が10%未満の場合には、所望とする
クロマノール配糖体を反応溶液に溶解させることが難し
く、また、25%を越える場合には、酵素の安定性が低
下し加水分解効率が悪くなるため好ましくない。
【0079】さらに、酵素分解法による実施態様におい
て、その反応条件は、使用する酵素やクロマノール配糖
体アセチル誘導体の種類や量などによって異なる。例え
ば、ブタ肝臓由来のエステラーゼを用いる場合、反応系
のpHは、6.5〜8.5、好ましくは7.5〜8.0
である。pHが上記範囲を外れる場合には上述した酵素
が失活するなどして好ましくない。また、反応温度に関
しても、例えば、ブタ肝臓由来のエステラーゼを用いる
場合、20〜60℃、好ましくは30〜40℃である。
反応温度が上記範囲の下限を下回る場合には、使用した
酵素の活性が低下し、充分な加水分解率を確保するのに
長時間を要するため経済的でなく、また、反応温度が上
記範囲の上限を越える場合には、酵素が失活するため好
ましくない。さらに、反応時間に関しては、例えば、ブ
タ肝臓由来のエステラーゼを用いる場合、2〜60時
間、好ましくは15〜50時間である。この際、反応時
間が2時間未満の場合には、反応が平衡近くに達してい
ないため、充分な加水分解率を得ることができず、ま
た、60時間を越える場合には、これに見合うだけの更
なる効果が期待できないため、好ましくない。
【0080】最後に、金属試薬を用いたアセチル基の脱
保護は、具体的には、金属試薬を溶解させた有機溶媒中
に縮合で得られた化合物を添加して反応させる簡単な方
法である。より詳しく述べると、まず、縮合で得られた
上記クロマノール配糖体アセチル誘導体1gを50〜1
00mlの非極性溶媒に溶解する。この溶液を、糖アセ
チル誘導体1gに対して、0.5g〜3g、好ましくは
0.75g〜1.25gの金属試薬を予め溶解した非極
性溶媒50〜100mlに、冷却しながら、1〜2時間
にわたって滴下する。滴下後、この混合液を室温で1〜
6時間、好ましくは2〜4時間攪拌してアセチル基の脱
保護を行なう。反応液から目的とするクロマノール配糖
体を分離精製する。
【0081】この際反応に使用される金属試薬として
は、水素化リチウムアルミニウム(LiAlH4 )およ
びそのトリアルコキシ誘導体(LiAlH(OR)3
この際、Rは炭素原子数1〜4のアルキル基を表す)、
水素化ジイソブチルアルミニウム((i−C4 9 2
AlH)、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4 )及び
水素化ホウ素リチウム(LiBH4 )等が挙げられる。
これらのうち、水素化リチウムアルミニウム(LiAL
4 )及び水素化ジイソブチルアルミニウム((i−C
4 9 2 AlH)が好ましく使用される。
【0082】また、上記実施態様において使用される非
極性溶媒としては、例えば、エーテル、塩化メチレン、
テトラヒドロフラン、トルエン、ベンゼン及びヘキサン
などが挙げられる。これらのうち、テトラヒドロフラン
が非極性溶媒として好ましく使用される。
【0083】上記したようにして反応が終了した後、反
応液から脱保護により得られた目的とするクロマノール
配糖体を分離、精製することにより高純度のクロマノー
ル配糖体が得られる。
【0084】このようにして、非極性溶媒中に糖供与体
及び糖受容体を溶解し、無水条件下で活性化剤の存在下
で糖供与体及び糖受容体の縮合反応を行い、得られた化
合物を精製し、保護基を脱保護するという簡便な工程に
より、本発明のクロマノール配糖体が高い収率で製造で
きる。
【0085】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、これらにより本発明の範囲がなんら制限され
るものでないことはいうまでもない。
【0086】実施例1 1)フコース供与体の製造 L−フコース1150mgをピリジン15mlに溶解し
て無水酢酸15mlを加えて、室温で6時間撹拌した。
反応溶液にメタノール15mlを添加することにより過
剰の無水酢酸を壊し、生成物を塩化メチレン30mlで
抽出した。次に、抽出液を2N塩酸30ml、飽和炭酸
ナトリウム溶液30ml及び飽和食塩水30mlで順次
洗浄し、ピリジン及び酢酸を除去した。この溶液を減圧
下で乾燥し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢
酸エチル:ヘキサン=1:1(v/v))で精製した。
【0087】このようにして得られた化合物を塩化メチ
レン20mlに溶解し、臭化水素酢酸溶液(25%(w
/w))1.5mlを加えて室温で30分間撹拌した。
反応液に蒸留水20mlを加えて、試薬を壊し、1位に
臭素が導入され他の水酸基はアセチル基で保護された糖
供与体を塩化メチレン20mlで抽出した。抽出液を飽
和炭酸ナトリウム溶液20mlで洗浄して残存する酢酸
を除去した。硫酸ナトリウム10gを添加し、水分を除
去した後、減圧下で乾燥することにより、下記一般式で
示される2,3,4−トリ−O−アセチル−α−L−フ
コピラノシルブロミド(2,3,4-tri-O-acetyl-α-L-fucop
yranosyl bromide) (以下、「フコース供与体」と称す
る)2100mgを得た。
【0088】
【化36】
【0089】2)糖受容体の製造 2−ヒドロキシメチル−2,5,7,8−テトラメチル
クロマン−6−オール(2-hydroxymethyl-2,5,7,8-tetra
methylchroman-6-ol) 1000mgをピリジン10ml
に溶解し、t−ブチルジメチルシリルクロリド950m
gを加え、室温で5時間撹拌した。この溶液に無水酢酸
1mlを加え、室温で5時間撹拌した。氷上で冷やしな
がら、反応液にメタノール2mlを添加し、過剰の無水
酢酸を壊し、2−ヒドロキシメチル−2,5,7,8−
テトラメチルクロマン−6−オールの6位の水酸基をア
セチル基で保護し、2位の水酸基をt−ブチルジメチル
シリル基で保護した化合物を塩化メチレン20mlで抽
出して、減圧下で乾燥した。この化合物を酢酸水溶液
(80%(w/w))100mlに溶解し、室温で48
時間撹拌した。反応液にエタノールを添加し、減圧下で
共沸させながら、酢酸及び蒸留水を除去した。このよう
して得られた黄色のシロップ状の化合物をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:
1(v/v))で精製することにより、下記一般式で示
される2−ヒドロキシメチル−2,5,7,8−テトラ
メチルクロマン−6−オールの6位の水酸基のみをアセ
チル基で保護した、2−ヒドロキシメチル−2,5,
7,8−テトラメチルクロマン−6−アセテート(2-hyd
roxymethyl-2,5,7,8-tetramethylchroman-6-acetate)
(以下、「糖受容体」と称する)1100mgを得た。
【0090】
【化37】
【0091】3)配糖体の製造 1)で得られたフコース供与体2100mgと2)で得
られた糖受容体1100mgを塩化メチレン10mlに
溶解し、モレキュラーシーブ4A(4Å) 3gを加
え、室温で3時間撹拌した後、過塩素酸銀1200mg
と炭酸銀1600mgを添加して室温で24時間撹拌す
ることにより、縮合反応を行った。縮合後、反応液をセ
ライト濾過し、モレキュラーシーブ4A(4Å)、過塩
素酸銀及び炭酸銀を除去した後、シリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1(v/
v))で精製した。この化合物を50%メタノール溶液
50mlに溶解してピロガロール25gを加えて、1時
間撹拌した後、水酸化ナトリウム25gを添加して室温
で3時間撹拌した。反応液に濃塩酸10mlを添加して
中和した後、30%メタノール溶液で平衡化したカラム
(担体:XAD−4)にアプライした。溶離液として3
0%メタノール溶液を用いて非吸着物を溶出後、100
%メタノール溶液を溶離液としてクロマノール配糖体を
溶出した。溶出液を減圧下で乾燥した後、シリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=
8:1(v/v))で精製することにより、下記物性を
有し、下記一般式で示される2−(β−L−フコピラノ
シル)メチル−2,5,7,8−テトラメチルクロマン
−6−オール(2-(β-L-fucopyranosyl)methyl-2,5,7,8-
tetramethylchroman-6-ol)200mgを得た。
【0092】
【化38】
【0093】この化合物の赤外線吸収スペクトルを図1
に示す。
【0094】また、上記化合物の13C−NMR、質量分
析及び比旋光度の結果は以下のとおりである。
【0095】13C−NMR δ(75MHz,DMSO
−d6 、プロトンデカップリング): 11.8 11.8 12.7 16.6 19.9 22.4および22.6 28.0 70.0 70.2 71.1 73.1 73.5 74.0および74.0 103.8および104.0 116.8 120.3 120.9 122.6 144.3 145.2 質量スペクトル(FAB) m/z 382 (分子イオンピーク) 比旋光度
【0096】
【外1】
【0097】実施例2 実施例1の1)で得られたフコース供与体2100mg
と、実施例1の2)で得られた糖受容体1100mgを
塩化メチレン10mlに溶解し、モレキュラーシーブ4
A(4Å) 1gを加え室温で2時間攪拌した後、過塩
素酸銀1200mgと炭酸銀1600mgを加えて室温
で24時間攪拌することにより、縮合反応を行なった。
縮合後、反応液をセライト濾過し、モレキュラーシーブ
4A(4Å)、過塩素酸銀及び炭酸銀を除去した後、シ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキ
サン=1:1(v/v))で精製した。
【0098】得られた化合物をメタノール80mlに溶
解した後、50mMリン酸緩衝液(pH7.5)400
mlに加えた。次に、この溶液に、エステラーゼ20,
000Uを加え、35℃で48時間反応させた。このと
きの加水分解率は90%であった。反応終了後、反応液
を遠心分離し(12000rpm、4℃、5分)、上清
から酢酸エチルで配糖体を抽出した。抽出液を減圧下で
乾燥した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ク
ロロホルム:メタノール=8:1(v/v))で精製す
ることにより、実施例1において得られたものと同様の
一般式、赤外吸収スペクトル、13C−NMR、質量分
析、および比旋光度の分析結果を有する2−(β−L−
フコピラノシル)メチル−2,5,7,8−テトラメチ
ルクロマン−6−オール(2-(β-L-fucopyranosyl)methy
l)-2,5,7,8-tetramethylchoman-6-ol)1400mgを得
た。
【0099】これより、エステラーゼを用いた酵素分解
により脱保護を行う(実施例2、収量:1400mg)
ことにより、アルカリ分解により脱保護を行う(実施例
1、収量:200mg)のに比べて、7倍量のクロマノ
ール配糖体が得られた。
【0100】実施例3 実施例1の1)で得られたフコース供与体2100mg
と実施例1の2)で得られた糖受容体1100mgを塩
化メチレン10mlに溶解し、モレキュラーシーブ4A
(4Å) 3gを加えて室温で3時間攪拌した後、過塩
素酸銀1200mgと炭酸銀1600mgを添加して室
温で24時間攪拌することにより、縮合反応を行なっ
た。縮合後、反応液をセライト濾過し、モレキュラーシ
ーブ4A(4Å)、過塩素酸銀及び炭酸銀を除去した
後、シリカゲルカラムクロマトクラフィー(酢酸エチ
ル:ヘキサン=1:1(v/v))で精製した。この化
合物をテトラヒドロフラン50mlに溶解して、水素化
リチウムアルミニウム2gを50mlのテトラヒドロフ
ランに溶解させた溶液に冷却しながら滴下した。この混
合液を3時間室温で撹拌後、メタノール50mlを冷却
しながら反応液に添加して反応を終了させた。反応液に
蒸留水100mlを加えた後、酢酸エチルで配糖体を抽
出した。抽出液を減圧下で乾燥した後、シリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=
8:1(v/v))で精製することにより、実施例1に
おいて得られたものと同様の一般式、赤外吸収スペクト
ル、13C−NMR、質量分析、および比旋光度の分析結
果を有する2−(β−L−フコピラノシル)メチル−
2,5,7,8−テトラメチルクロマン−6−オール(2
-(β-L-fucopyranosyl)methyl)-2,5,7,8-tetramethylch
oman-6-ol)1650mgを得た。
【0101】これより、水素化リチウムアルミニウムを
用いて脱保護を行う(実施例3、収量:1650mg)
ことにより、アルカリ分解により脱保護を行う(実施例
1、収量:200mg)のに比べて、8.25倍量のク
ロマノール配糖体が得られた。
【0102】実施例4 水素化リチウムアルミニウムの代わりに水素化ジイソブ
チルアルミニウムを用いた以外は、実施例3と同様にし
て配糖体の製造を行うことによって、実施例1において
得られたものと同様の一般式、赤外吸収スペクトル、13
C−NMR、質量分析、および比旋光度の分析結果を有
する2−(β−L−フコピラノシル)メチル−2,5,
7,8−テトラメチルクロマン−6−オール(2-(β-L-f
ucopyranosyl)methyl)-2,5,7,8-tetramethylchoman-6-o
l)1650mgを得た。
【0103】これより、水素化ジイソブチルアルミニウ
ムを用いて脱保護を行う(実施例4、収量:1650m
g)ことにより、アルカリ分解により脱保護を行う(実
施例1、収量:200mg)に比べて、8.25倍量の
クロマノール配糖体が得られた。
【0104】実施例5 実施例1において、L−フコースの代わりにL−ラムノ
ースを用いた以外は、実施例1と同様にして、縮合反応
及び分離回収を行うことにより、下記物性を有し、下記
一般式で示される2−(α−L−ラムノピラノシル)メ
チル−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−6−オ
ール(2-(α-L-rhamnopyranosyl)methyl-2,5,7,8-tetram
ethylchroman-6-ol)160mgを得た。
【0105】
【化39】
【0106】この化合物の赤外線吸収スペクトルを図2
に示す。
【0107】また、上記化合物の13C−NMR、質量分
析及び比旋光度の結果は以下のとおりである。
【0108】13C−NMR δ(75MHz,DMSO
−d6 、プロトンデカップリング): 11.7 11.8 12.7 17.7および17.9 19.8 21.9および22.0 28.4 68.4および68.5 70.4 70.7 70.9および71.1 71.3 73.7 100.1および100.2 116.6 120.2 121.0 122.6 144.2 145.2 質量スペクトル(FAB) m/z 382 (分子イオンピーク) 比旋光度
【0109】
【外2】
【0110】実施例6 実施例1において、L−フコースの代わりにD−キシロ
ースを用いた以外は、実施例1と同様にして、縮合反応
及び分離回収を行うことにより、下記物性を有し、下記
一般式で示される2−(β−D−キシロピラノシル)メ
チル−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−6−オ
ール(2-(β-D-xylopyranosyl)methyl-2,5,7,8-tetramet
hylchroman-6-ol)250mgを得た。
【0111】
【化40】
【0112】この化合物の赤外線吸収スペクトルを図3
に示す。
【0113】また、上記化合物の13C−NMR、質量分
析及び比旋光度の結果は以下のとおりである。
【0114】13C−NMR δ(75MHz,DMSO
−d6 、プロトンデカップリング): 11.7 11.8 12.7 19.7および19.8 20.7 22.2および22.3 28.0および28.2 65.6 69.5 73.2 73.9および74.0 76.5 103.9および104.1 116.8 120.2 120.9 122.6 144.2 145.2 質量スペクトル(FAB) m/z 368 (分子イオンピーク) 比旋光度
【0115】
【外3】
【0116】実施例7 1)マンノース供与体の製造 D−マンノース1150mgをピリジン15mlに溶解
して無水酢酸15mlを加えて室温で6時間攪拌した。
この反応溶液にメタノール15mlを加えることにより
過剰の無水酢酸を壊し、生成物を塩化メチレン30ml
で抽出した。次に、抽出液を2N塩酸、飽和炭酸ナトリ
ウム溶液30ml及び飽和食塩水30mlで順次洗浄し
て、ピリジン及び酢酸を除去した。この溶液を減圧下で
乾燥し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エ
チル:ヘキサン,1:1(v/v))で精製した。
【0117】得られた化合物を塩化メチレン20mlに
溶解し、臭化水素酢酸溶液(25%(w/w))2.5
mlを加えて、室温で30分間攪拌した。反応液に蒸留
水20mlを加えて過剰の試薬を壊し、1位に臭素が導
入され他の水酸基はアセチル基で保護された糖供与体を
塩化メチレン20mlで抽出した。抽出液を飽和炭酸ナ
トリウム溶液20mlで洗浄して酢酸を除去した。硫酸
ナトリウム10gを加え、水分を除去した後、減圧下で
乾燥することにより、下記式で示される2,3,4,6
−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシルブ
ロミド(2,3,4,6-tetra-O-acetyl-α-D-mannopyranosyl
bromide)(以下、「マンノース供与体」と称する)21
00mgを得た。
【0118】
【化41】
【0119】2)糖受容体の製造 2−ヒドロキシルメチル−2,5,7,8−テトラメチ
ルクロマン−6−オール1000mgをピリジン10m
lに溶解し、t−ブチルジメチルシリルクロリド950
mgを加え、室温で5時間攪拌した。この溶液に無水酢
酸1mlを加え室温で5時間攪拌した。氷上で冷やしな
がら、反応液にメタノール2mlを加え過剰の無水酢酸
を壊し、2−ヒドロキシメチル−2,5,7,8−テト
ラメチルクロマン−6−オールの6位の水酸基をアセチ
ル基で保護し、2位の水酸基をt−ブチルジメチルシリ
ル基で保護した化合物を塩化メチレン20mlで抽出し
て、減圧下で乾燥した。この化合物を酢酸溶液(80%
(w/w))100mlに溶解し、室温で24時間攪拌
した。反応液にエタノールを加え、減圧下で共沸させな
がら、酢酸および蒸留水を除去した。このようにして得
られた黄色のシロップ状の化合物をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1(v
/v))で精製することにより、下記一般式で示される
2−ヒドロキシルメチル−2,5,7,8−テトラメチ
ルクロマン−6−アセテート(2-hydroxymethyl-2,5,7,8
-tetramethylchroman-6-acetate)(以下、「糖受容体」
と称する)1100mgを得た。
【0120】
【化42】
【0121】3)配糖体の製造 1)で得られたマンノース供与体2100mgと2)で
得られた糖受容体1100mgを塩化メチレン10ml
に溶解し、モレキュラーシーブ4A(4Å)1gを加え
て室温で2時間攪拌した後、過塩素酸銀1200mgと
炭酸銀1600mgを添加して室温で24時間攪拌する
ことにより、縮合反応を行なった。縮合後、反応液をセ
ライト濾過し、モレキュラーシーブ4A(4Å)、過塩
素酸銀及び炭酸銀を除去した後、シリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1(v/
v))で精製し、目的とする配糖体の全ての水酸基がア
セチル基で保護された化合物を得た。得られた化合物を
50%メタノール溶液50mlに溶解してピロガロール
25gを加えて、室温で1時間攪拌した後、水酸化ナト
リウム25gを加えて室温で3時間攪拌した。反応液に
濃塩酸10mlを加え中和した後、30%メタノール溶
液で平衡化したカラム(担対:XAD−4)にアプライ
した。溶離液として30%メタノール溶液を用いて非吸
着物を溶出後、100%メタノール溶液を溶離液として
クロマノール配糖体を溶出した。溶出液を減圧下で乾燥
した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロ
ホルム:メタノール=6:1(v/v))で精製し下記
の物性を有し、下記一般式で示される2−(α−D−マ
ンノピラノシル)メチル−2,5,7,8−テトラメチ
ルクロマン−6−オール(2-(α-D-mannopyranosyl)meth
yl-2,5,7,8-tetramethylchroman-6-ol)200mgを得
た。
【0122】
【化43】
【0123】この化合物の赤外線吸収スペクトルを図4
に示す。
【0124】また、上記化合物の 1H−NMR、13C−
NMR、質量分析及び比旋光度の結果は以下のとおりで
ある。
【0125】1H−NMR δ(300MHz, DM
SO−d6): 1.17および1.21(s,3H) 1.65から1.74(m,1H) 1.77から1.91(m,1H) 1.97(s,3H) 2.01(s,3H) 2.04(s,3H) 2.50(broad t,2H) 3.16から4.69(m,13H) 7.39(s,1H)13 C−NMR δ(75MHz,DMSO−d6 、プロ
トンデカップリングスペクトル): 11.7 11.8 12.7 19.7および19.8 21.9および22.1 28.2および28.5 61.0および61.2 66.7および66.9 70.2および70.3 71.0 73.8 73.9 74.1 100.1および100.2 116.7 120.2および120.3 120.9 122.6 144.1および144.2 145.2 質量スペクトル (FAB): m/z 398 (分子イオンピーク) 比施光度:
【0126】
【外4】
【0127】実施例8 実施例7の1)で得られたマンノース供与体2100m
gと、実施例7の2)で得られた糖受容体1100mg
を塩化メチレン10mlに溶解し、モレキュラーシーブ
4A(4Å) 1gを加え室温で2時間攪拌した後、過
塩素酸銀1200mgと炭酸銀1600mgを加えて室
温で24時間攪拌することにより、縮合反応を行なっ
た。縮合後、反応液をセライト濾過し、モレキュラーシ
ーブ4A(4Å)、過塩素酸銀及び炭酸銀を除去した
後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチ
ル:ヘキサン=1:1(v/v))で目的とする配糖体
の全ての水酸基がアセチル基で保護された化合物を精製
した。
【0128】得られた化合物をメタノール性10%塩酸
50mlに溶解して、室温で4時間攪拌した。反応液を
30%メタノール溶液で平衡化したカラム(担体:XA
D−4)にアプライした。溶離液として30%メタノー
ル溶液を用いて非吸着物を溶出後、100%メタノール
溶液を溶離液としてクロマノール配糖体を溶出した。溶
出液を減圧下で乾燥した後、シリカゲルカラムクロマト
グラフィー(クロロホルム:メタノール=6:1(v/
v))で精製することにより、実施例7において得られ
たものと同様の赤外吸収スペクトル、13C−NMR、質
量分析、および比旋光度の分析結果を呈する2−(α−
D−マンノピラノシル)メチル−2,5,7,8−テト
ラメチルクロマン−6−オール1400mgを得た。
【0129】これより、メタノール性塩酸を用いた酸分
解により脱保護を行う(実施例8、収量:1400m
g)ことにより、アルカリ分解により脱保護を行う(実
施例7、収量:200mg)に比べて、7倍量のクロマ
ノール配糖体が得られた。
【0130】実施例9 1)ガラクトース供与体の製造 D−ガラクトース1150mgをピリジン15mlに溶
解して無水酢酸15mlを加えて、室温で6時間攪拌し
た。反応溶液にメタノール15mlを添加することによ
り過剰の無水酢酸を壊し、生成物を塩化メチレン30m
lで抽出した。次に、抽出液を2N塩酸30ml、飽和
炭酸ナトリウム溶液30ml及び飽和食塩水30mlで
順次洗浄し、ピリジンおよび酢酸を除去した。この溶液
を減圧下で乾燥し、シリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1(v/v))で精製
した。
【0131】このようにして得られた化合物を塩化メチ
レン20mlに溶解し、臭化水素酢酸溶液(25%(w
/w))1.5mlを加えて、室温で30分間攪拌し
た。反応後に蒸留水20mlを加えて、過剰の試薬を壊
し、1位に臭素が導入され他の水酸基はアセチル基で保
護された糖供与体を塩化メチレン20mlで抽出した。
抽出液を飽和炭酸ナトリウム溶液20mlで洗浄して残
存する酢酸を除去した。硫酸ナトリウム10gを添加し
て、水分を除去して後、減圧下で乾燥することにより、
下記一般式で示される2,3,4,6−テトラ−O−ア
セチル−α−D−ガラクトピラノシルブロミド(2,3,4,6
-tetra-O-acetyl-α-D-galactopyranosylbromide)(以
下、「ガラクトース供与体」と称する)2100mgを
得た。
【0132】
【化44】
【0133】2)糖受容体の製造 2−ヒドロキシメチル−2,5,7,8−テトラチルク
ロマン−6−オール(2-hydroxymethyl-2,5,7,8-tetrame
thylchroman-6-ol) 100mgをピリジンに溶解し、t
−ブチルジメチルシリルクロリド950mgを加え、室
温で5時間攪拌した。この溶液に無水酢酸2mlを加え
て5時間攪拌した。氷上で冷やしながら、反応液にメタ
ノール2mlを添加し、過剰の無水酢酸を壊し、2−ヒ
ドロキシメチル−2,5,7,8−テトラメチルクロマ
ン−6−オールの6位の水酸基をアセチル基で保護し、
2位の水酸基をt−ブチルジメチルシリル基で保護した
化合物を塩化メチレン20mlで抽出して、減圧下で乾
燥した。この化合物を酢酸水溶液(80%(w/w))
100mlに溶解し、室温で48時間攪拌した。反応液
にエタノールを添加し、減圧下で共沸させながら、酢酸
及び蒸留水を除去した。このようにして得られた黄色の
シロップ状の化合物をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1(v/v))で精
製することにより、下記一般式で示される2−ヒドロキ
シメチル−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−6
−オールの6位の水酸基のみをアセチル基を保護した2
−ヒドロキシメチル−2,5,7,8−テトラメチルク
ロマン−6−アセート(2-hydroxymethyl-2,5,7,8-tetra
methylchroman-6-acetate)(以下、「糖受容体」と称す
る)1100mgを得た。
【0134】
【化45】
【0135】3)配糖体の製造 1)で得られたガラクトース供与体2100mgと2)
で得られた糖受容体1100mgを塩化メチレン10m
lに溶解し、モレキュラーシーブ4A(4Å)3gを加
え、室温で3時間攪拌した後、過塩素酸銀1200mg
と炭酸銀1600mgを添加して室温で24時間攪拌す
ることにより、縮合反応を行なった。縮合後、反応液を
セライト濾過し、モレキュラーシーブ4A(4Å)、過
塩素酸銀及び炭酸銀を除去した後、シリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1(v
/v))で精製した。この化合物を50%メタノール溶
液50mlに溶解してピロガロール25gを加えて、1
時間攪拌した後、水酸化ナトリウム25gを添加して室
温で3時間攪拌した。反応液に濃硫酸10mlを添加し
て中和した後、30%メタノール溶液で平衡化したカラ
ム(担体:XAD−4)にアプライした。溶離液として
30%メタノール溶液を用いて非吸着物を溶出後、10
0%メタノール溶液を溶離液としてクロマール配糖体を
溶出した。溶出液を減圧下で乾燥した後、シリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(酢酸メチル:メタノール=
5:1(v/v))で精製することにより、下記物性を
有し、下記一般式で示される2−(β−D−ガラクトピ
ラノシル)メチル−2,5,7,8−テトラメチルクロ
マン−6−オール(2-(β-D-galactopyranosyl)methyl-
2,5,7,8-tetramethylchroman-6-ol) 200mgを得
た。
【0136】
【化46】
【0137】この化合物の赤外線吸収スペクトルを図5
に示す。
【0138】また、上記化合物の 1H−NMR、13C−
NMR、質量分析及び比旋光度の結果は以下のとおりで
ある。
【0139】1H−NMR δ(270MHz, DM
SO−d6 ): 1.21および1.24(s,3H) 1.67から1.73(m,1H) 1.90から1.93(m,1H) 1.98(s,3H) 2.02(s,3H) 2.05(s,3H) 2.50(broad t,2H) 3.17から4.78(m,13H) 7.38(s,1H)13 C−NMR δ(67.8MHz,DMSO−d6
プロトンデカップリング): 11.7 11.8 12.6 19.7および19.8 22.2および22.5 28.0および28.1 60.3および60.4 68.1 70.5 73.1および73.2 73.4 73.9および74.0 75.1および75.2 104.0および104.2 116.8 120.2 120.8 122.5 144.2 145.2 質量スペクトル(FAB): m/z 398 (分子イオンピーク) 比施光度:
【0140】
【外5】
【0141】実施例10 実施例9の1)で得られたガラクトース供与体2100
mgと実施例9の2)で得られた糖受容体1100mg
を塩化メチレン10mlに溶解し、モレキュラーシーブ
4A(4Å) 3gを加え、室温で3時間攪拌した後、
過塩素酸銀1200mgと炭酸銀1600mgを添加し
て室温で24時間攪拌することにより、縮合反応を行な
った。縮合後、反応液をセライト濾過し、モレキュラー
シーブ4A(4Å)、過塩素酸銀及び炭酸銀を除去した
後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチ
ル:ヘキサン=1:1(v/v))で精製した。この化
合物をテトラヒドロフラン50mlに溶解して、水素化
リチウムアルミニウム2gを50mlのテトラヒドロフ
ランに溶解させた溶液に冷却しながら滴下した。この混
合液を3時間室温で撹拌後、メタノール50mlを冷却
しながら反応液に添加して反応を終了させた。沈殿物を
濾過して得られた濾液を減圧下で乾燥した。得られた残
査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチ
ル:メタノール=5:1(v/v))で精製することに
より、実施例9において得られたものと同様の一般式、
赤外吸収スペクトル、 1H−NMR、13C−NMR、質
量分析、および比旋光度の分析結果を有する2−(β−
D−ガラクトピラノシル)メチル−2,5,7,8−テ
トラメチルクロマン−6−オール(2-(β-D-galactopyra
nsosyl)methyl-2,5,7,8-tetramethylchroman-6-ol)16
50mgを得た。
【0142】これより、水素化リチウムアルミニウムを
用いて脱保護を行う(実施例10、収量:1650m
g)ことにより、アルカリ分解により脱保護を行う(実
施例9、収量:200mg)のに比べて、8.25倍量
のクロマノール配糖体が得られた。
【0143】実施例11 水素化リチウムアルミニウムの代わりに水素化ジイソブ
チルアルミニウムを用いた以外は、実施例10と同様に
して配糖体の製造を行うことによって、実施例9におい
て得られたものと同様の一般式、赤外吸収スペクトル、
1H−NMR、13C−NMR、質量分析、および比旋光
度の分析結果を有する2−(β−D−ガラクトピラノシ
ル)メチル−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−
6−オール(2-(β-D-galactopyransosyl)methyl-2,5,7,
8-tetramethylchroman-6-ol)1650mgを得た。
【0144】これより、水素化ジイソブチルアルミニウ
ムを用いて脱保護を行う(実施例11、収量:1650
mg)ことにより、アルカリ分解により脱保護を行う
(実施例9、収量:200mg)のに比べて、8.25
倍量のクロマノール配糖体が得られた。
【0145】比較例1 特開平7−118,287号の実施例1に記載の方法と
同様の方法を用いて、下記一般式で示される2−(α−
D−グルコピラノシル)メチル−2,5,7,8−テト
ラメチルクロマン−6−オール(2-(α-D-glucopyranosy
l)methyl-2,5,7,8-tetramethylchroman-6-ol) を約30
0mg得た。
【0146】
【化47】
【0147】実施例12:放射線防護作用の評価 実施例1、5及び6ならびに比較例1で得られたクロマ
ノール配糖体を、それぞれ、RPMI−1640+10
%牛胎仔血清+HEDES緩衝液(25mM)系培養液
(以下、「完全培養液」と略称する)中に最終濃度が1
mMになるように溶解し、クロマノール配糖体溶液を予
め調製した。
【0148】次に、マウスのTリンパ腫株EL−4細胞
を完全培養液中で37℃、5%CO2 雰囲気下で継代培
養し、細胞密度が2×105 個/mlになるように調整
した。このようにして培養されたEL−4細胞培養液の
上清を除去し、上記クロマノール配糖体溶液をそれぞれ
等量加え、X線を照射するまでの30分間、上記と同様
の条件下で細胞培養を行った。クロマノール配糖体を含
む培養液中で所定時間培養した後、3Gyの放射線を
0.92Gy/分の線量率で照射した。放射線照射終了
直後、細胞を遠心沈降(400g×5分)させ、RPM
I−1640で2回洗浄し、完全培養液で再浮遊させて
培養した。これに、サイトカラシンBのDMSO溶液
(2mg/ml濃度)を最終濃度が3μg/mlになる
ように添加し、20時間培養後に2核細胞中の小核保有
細胞の頻度(小核誘発頻度)を測定し、細胞の放射線損
傷の頻度を表わす尺度とした。また、各放射線照射細胞
について、上記クロマノール配糖体溶液の濃度を0μg
/mlとした以外は上記操作を同様に繰り返して得られ
た比較対照の小核誘発頻度を基準として下記式より小核
誘発抑制率を計算した。この際、上記細胞は1群4〜5
連で放射線照射実験を行い、結果はこれらの平均値とし
て表わした。結果を表1に示す。
【0149】
【数1】
【0150】
【表1】
【0151】表1より、実施例1、5および6で得られ
たクロマノール配糖体の小核誘発頻度は、比較例1で得
られたクロマノール配糖体の値に比べて有意に小さく、
これより、本発明によるクロマノール配糖体は放射線被
爆による細胞の損傷を有効に抑制することが示された。
【0152】
【発明の効果】上述したように、本発明のクロマノール
配糖体の製造方法は、アノマー位に脱離基を導入し他の
水酸基を保護基で保護した糖の誘導体および一般式
(2)で表される2−置換アルコール誘導体の縮合反応
からなることを特徴とするものである。したがって、本
発明の方法によると、フコースなどの従来の酵素では2
−置換アルコール誘導体に転移できない糖を用いたクロ
マノール配糖体の製造が、簡便な製造及び精製工程によ
り、効率良く可能になる。
【0153】また、発明のクロマノール配糖体の製造方
法において、縮合反応後における保護基の脱保護を酸分
解により、酵素分解によりまたは金属試薬を用いて、特
に、金属試薬を用いて行なうことにより、クロマノール
配糖体の分解が効率良く防止され、ゆえに、クロマノー
ル配糖体がさらに高い収率で製造できる。
【0154】さらに、本発明のクロマノール配糖体は、
熱やpH安定性及び水溶性及び抗酸化活性に加えて、放
射線防護作用にも優れているので、今後、様々な分野に
おける利用が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得られた2−(β−L−フコピラ
ノシル)メチル−2,5,7,8−テトラメチルクロマ
ン−6−オールの赤外線吸収スペクトルである。
【図2】 実施例5で得られた2−(α−L−ラムノピ
ラノシル)メチル−2,5,7,8−テトラメチルクロ
マン−6−オールの赤外線吸収スペクトルである。
【図3】 実施例6で得られた2−(β−D−キシロピ
ラノシル)メチル−2,5,7,8−テトラメチルクロ
マン−6−オールの赤外線吸収スペクトルである。
【図4】 実施例7で得られた2−(α−D−マンノピ
ラノシル)メチル−2,5,7,8−テトラメチルクロ
マン−6−オールの赤外線吸収スペクトルである。
【図5】 実施例9で得られた2−(β−D−ガラクト
ピラノシル)メチル−2,5,7,8−テトラメチルク
ロマン−6−オールの赤外線吸収スペクトルである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アノマー位に脱離基を導入し他の水酸基
    を保護基で保護した糖の誘導体および一般式(2): 【化1】 [ただし、式中、R1 、R2 、R3 およびR4 は同一ま
    たは異なる水素原子、低級アルキル基または低級アシル
    基を表し、R5 は水素原子、低級アルキル基または低級
    アシル基を表し、およびnは0〜4の整数である。]で
    表される2−置換アルコール誘導体の縮合反応からな
    る、一般式(1): 【化2】 [ただし、式中、R1 、R2 、R3 およびR4 は同一ま
    たは異なる水素原子、低級アルキル基または低級アシル
    基を表し、R5 は水素原子、低級アルキル基または低級
    アシル基を表し、Xは単糖残基(但し、糖残基中の水酸
    基の水素原子は低級アルキル基または低級アシル基で置
    換されていてもよい)を表し、およびnは0〜4の整数
    である。]で表されるクロマノール配糖体の製造方法。
  2. 【請求項2】 該糖の誘導体が一般式(3)で表される
    L−フコース供与体、一般式(4)で表されるL−ラム
    ノース供与体、一般式(5)で表されるD−キシロース
    供与体、一般式(6)で表されるD−ガラクトース供与
    体または一般式(7)で表されるD−マンノース供与体
    である、請求項1に記載の方法。 【化3】 【化4】 【化5】 【化6】 【化7】 [ただし、式(3)、(4)、(5)、(6)及び
    (7)中、Yはハロゲン原子、硫黄化合物またはトリク
    ロロアセトイミド基を表し、その種類によりα体または
    β体のいずれかの型を優先的にとり、およびRは同一ま
    たは異なるアセチル基、ベンゾイル基、ピバロイル基、
    クロロアセチル基、レブリノイル基、ベンジル基、p−
    メトキシベンジル基、アリル基、t−ブチルジメチルシ
    リル基、t−ブチルジフェニルシリル基、トリメチルシ
    リル基またはトリチル基を表す。]
  3. 【請求項3】 前記縮合反応後における保護基の脱保護
    が酸分解により、酵素分解により、または金属試薬を用
    いて行われる、請求項1または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記縮合反応後における保護基の脱保護
    が金属試薬を用いて行われる、請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 請求項1から4のいずれかに記載の方法
    により製造される、一般式(1): 【化8】 [ただし、式中、R1 、R2 、R3 およびR4 は同一ま
    たは異なる水素原子、低級アルキル基または低級アシル
    基を表し、R5 は水素原子、低級アルキル基または低級
    アシル基を表し、Xは単糖残基(但し、糖残基中の水酸
    基の水素原子は低級アルキル基または低級アシル基で置
    換されていてもよい)を表し、およびnは0〜4の整数
    である。]で表されるクロマノール配糖体。
  6. 【請求項6】 下記一般式(8)、(9)、(10)、
    (11)または(12)で表される、請求項5に記載の
    クロマノール配糖体。 【化9】 【化10】 【化11】 【化12】 【化13】 [ただし、式(8)、(9)、(10)、(11)及び
    (12)中、R1 、R2、R3 およびR4 は同一または
    異なる水素原子、低級アルキル基または低級アシル基を
    表し、R5 は水素原子、低級アルキル基または低級アシ
    ル基を表し、nは0〜4の整数であり、およびRは同一
    または異なるアセチル基、ベンゾイル基、ピバロイル
    基、クロロアセチル基、レブリノイル基、ベンジル基、
    p−メトキシベンジル基、アリル基、t−ブチルジメチ
    ルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル基、トリメチ
    ルシリル基またはトリチル基を表す。]
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