JPH11274032A - 荷電ビーム描画装置用偏向アンプの特性測定方法 - Google Patents

荷電ビーム描画装置用偏向アンプの特性測定方法

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JPH11274032A
JPH11274032A JP10072639A JP7263998A JPH11274032A JP H11274032 A JPH11274032 A JP H11274032A JP 10072639 A JP10072639 A JP 10072639A JP 7263998 A JP7263998 A JP 7263998A JP H11274032 A JPH11274032 A JP H11274032A
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JP
Japan
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amplifier
deflection
output
electron beam
time
Prior art date
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JP10072639A
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English (en)
Inventor
Hideo Kusakabe
秀雄 日下部
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子ビーム描画装置に用いられる偏向アンプ
のセットリング特性を正確に測定することができ、描画
精度の向上に寄与する。 【解決手段】 電子ビーム描画装置における偏向アンプ
の特性を測定する方法であって、偏向アンプ450 の電圧
を周期的に変化させて電子ビームを偏向し、偏向アンプ
450 の出力の立ち上がりから設定された時間Tを遅延
し、遅延された時間Tに比例させて、偏向アンプ450 の
出力変化により電子ビームが移動する方向とは別の方向
に電子ビームを移動させ、該ビーム位置を時間軸とし、
ブランキング回路300 により時間Tで短時間電子ビーム
を照射させ、複数点の異なる時間でビームを照射し、か
つ各々の時間に対してブランキング回路300 によるビー
ム照射を複数回行い、試料113 上に評価用パターンを描
画する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、荷電ビーム描画装
置に係わり、特にビームを偏向するための偏向アンプの
特性を測定するための荷電ビーム描画装置用偏向アンプ
の特性測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子ビーム描画装置を用いて試料上に所
望パターンを描画する際には、電子ビームをオン・オフ
すると共に偏向する必要がある。ビームを偏向するに
は、ビーム軸を挟んで偏向板を対向配置し、この偏向器
に偏向アンプからの出力を印加する。偏向アンプの応答
は比較的速いものであるが、近年の高速描画に伴い、偏
向アンプの応答の時間的遅れが問題になっている。
【0003】電子ビーム描画装置の偏向アンプのセット
リング特性は、偏向アンプ出力をオシロスコープにより
測定することによって求められる。しかしながら、この
場合の測定結果は、オシロスコープの特性を含んだもの
となり、正確な測定が困難である。また、試料のレジス
ト上にパターンを描画して、間接的に偏向アンプのセッ
トリング特性を推定することも考えられるが、この場合
は間接的な測定となり正確な測定が困難である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、電子ビー
ム描画装置における描画速度が速くなると、偏向アンプ
の応答の時間的遅れが問題となるため、偏向アンプのセ
ットリング特性を測定し、これを補正する必要がでてく
る。しかしながら、偏向アンプのセットリング特性を正
確に測定することは困難であった。
【0005】本発明は、上記事情を考慮して成されたも
ので、その目的とするところは、荷電ビーム描画装置に
用いられる偏向アンプのセットリング特性を正確に測定
することができ、描画精度の向上に寄与し得る荷電ビー
ム描画装置用偏向アンプの特性測定方法を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】(構成)上記課題を解決
するために本発明は、次のような構成を採用している。
【0007】即ち本発明は、荷電ビームの照射により試
料上に所望パターンを描画する荷電ビーム描画装置であ
って、偏向器を駆動するための偏向アンプの出力を周期
的に変化させ、荷電ビームを偏向する荷電ビーム偏向手
段と、前記偏向アンプの出力の立ち上がり又は立ち下が
りから設定された時間Tを遅延する遅延手段と、前記遅
延手段で遅延された時間Tに比例させて、前記偏向アン
プの出力変化により荷電ビームが移動する方向とは別の
方向に荷電ビームを移動させ、該ビーム位置を時間軸と
する時間軸発生手段と、前記遅延手段による時間Tで短
時間電子ビームを照射させるブランキング手段とを備え
た荷電ビーム描画装置において、偏向アンプの特性を測
定する際に、前記時間軸発生手段による複数点の異なる
時間で、前記ブランキング手段によりビームを照射し、
かつ各々の時間に対して前記ブランキング手段によるビ
ーム照射を複数回行い、試料上に評価用パターンを描画
することを特徴とする。
【0008】また、本発明を電子ビーム描画装置を例に
すると、次の(1)〜(10)の構成が考えられる。
【0009】−−− 偏向アンプリセットリング特性測
定 −−− (1)垂直(又は水平)偏向アンプ出力Vh(1),V
h(2)を周期的に変化させ、電子ビームを偏向する電
子ビーム偏向手段と、上記偏向アンプ出力の立ち上がり
(又は立ち下がり)から設定された時間Tを遅延する遅
延手段と、上記遅延手段で遅延された遅延時間Tと比例
させ、水平(又は垂直)方向に電子ビームを移動させ、
時間軸とする時間軸発生手段と、上記電子ビーム偏向手
段で偏向された電子ビームを該遅延手段により時間Tに
短時間電子ビームを照射させるブランキング手段により
構成し、試料のレジストに描写する電子(又は荷電)ビ
ーム描画装置において、時間軸発生手段で電子ビームを
X1に移動し、遅延手段で遅延させた遅延時間T1にブ
ランキング手段で電子ビームを短時間照射することによ
り偏向アンプ出力の立ち上がり(又は立ち下がり)を試
料のレジストに複数回描画し、時間軸発生手段で電子ビ
ームをX2に移動し、遅延手段で遅延させた遅延時間T
2にブランキング手段で電子ビームを短時間照射するこ
とにより偏向アンプ出力の立ち上がり(又は立ち下が
り)を試料のレジストに複数回描画し、時間軸発生手段
で電子ビームをXnに移動し、遅延手段で遅延させた遅
延時間Tnにブランキング手段で電子ビームを短時間照
射することにより偏向アンプ出力の立ち上がり(又は立
ち下がり)を試料のレジストに複数回描画し、垂直(又
は水平)偏向アンプ出力Vh(1),Vh(2)の過渡
出力(立ち上がり又は立ち下がり)を試料のレジスト上
の時間軸T1からTnにプロットし、偏向アンプの過渡
出力を試料のレジストに描画することを特徴とする偏向
アンプのセットリング特性測定方法。
【0010】−−−複数偏向アンプのセットリング特性
測定(その1)−−− (2)上記(1)で、電子ビーム偏向手段が複数の垂直
(又は水平)偏向アンプ出力により構成される電子ビー
ム偏向手段において、特定された垂直(又は水平)偏向
アンプaの出力Vha(1),Vha(2)を周期的に
変化させ(a:1〜m)、特定されない(a以外の)他
の垂直(又は水平)偏向アンプ出力をVh1,Vh2,
…,Vhmに設定し、電子ビームを偏向し、時間軸発生
手段で電子ビームをX1に移動し、a以外の偏向アンプ
出力を各Vh1(T1),Vh2(T1),…,Vhm
(T1)に設定し、遅延手段で遅延させた遅延時間T1
にブランキング手段で電子ビームを短時間照射すること
により特定した偏向アンプ出力の立ち上がり(又は立ち
下がり)を試料のレジストに複数回描画し、時間軸発生
手段で電子ビームをX2に移動し、a以外の偏向アンプ
出力を各Vh1(T2),Vh2(T2),…,Vhm
(T2)に設定し、遅延手段で遅延させた遅延時間T2
にブランキング手段で電子ビームを短時間照射すること
により特定した偏向アンプ出力の立ち上がり(又は立ち
下がり)を試料のレジストに複数回描写し、時間軸発生
手段で電子ビームをXnに移動し、特定されない偏向ア
ンプ出力を各Vh2(Tn),Vh3(Tn),…,V
hm(Tn)に設定し、遅延手段で遅延させた遅延時間
Tnにブランキング手段で電子ビームを短時間照射する
ことにより特定した偏向アンプ出力の立ち上がり(又は
立ち下がり)を試料のレジストに複数回描画し、垂直
(又は水平)偏向アンプ出力Vha(1),Vha
(2)の過渡出力(立ち上がり又は立ち下がり)を試料
のレジスト上の時間軸T1からTnにプロットし、偏向
アンプの過渡出力を試料のレジストに描画することを特
徴とする偏向アンプのセットリング特性測定方法。
【0011】−−− 複数偏向アンプのセットリング特
性測定(その2)−−− (特定されない偏向アンプの設定方法) (3)上記(2)で、特定された垂直(又は水平)偏向
アンプaの出力Vha(1),Vha(2)を周期的に
変化させ、a以外の垂直(又は水平)偏向アンプ出力を
Vh1,Vh2,…,Vhmに設定し、電子ビームを偏
向する電子ビーム偏向手段において、 遅延時間T1時に特定されない偏向アンプ出力を各Vh1
(T1),Vh2(T1),… 遅延時間T2時に特定されない偏向アンプ出力を各Vh1
(T2),Vh2(T2),… 遅延時間Tn時に特定されない偏向アンプ出力を各Vh1
(Tn),Vh2(Tn),… とし、 Vh1(T1),Vh1(T2),…,Vh1(Tn) Vh2(T1),Vh2(T2),…,Vh2(Tn) ・・・・・・・・・・・・・ Vhm(T1),Vhm(T2),…,Vhm(Tn) は、 {Vha(1) +{Vha(2) −Vha(1) }× exp(−t/C
R)}×K (t=T1,t=T2,…,t=Tn、Kは偏向アンプ
で決まる定数、CRは時定数) で決まる特定されない偏向アンプ出力を設定し、垂直
(又は水平)偏向アンプ出力Vha(1),Vha
(2)の過渡出力(立ち上がり又は立ち下がり)を試料
のレジスト上の時間軸T1からTnにプロットし、偏向
アンプの過渡出力を試料のレジストに描画することを特
徴とする偏向アンプのセットリング特性測定方法。
【0012】−−− セットリング特性測定データの読
み出し方法 −−− (4)上記(1)において、偏向アンプの過渡出力を描
画した試料のレジストを電子ビームによりラスタ走査
し、ラスタ走査により生じる反射(又は吸収、2次)電
子を検出し、検出された出力を記憶し、記憶内容である
偏向アンプの過渡出力を表示することを特徴とする偏向
アンプのセットリング特性測定方法。
【0013】−−− 微少照射時間の制御方法 −−− (5)上記(1)の該ブランキング手段において、ブラ
ンキング板を電子ビームが横切る速度を制御する速度制
御手段を設け、該速度制御手段により電子ビームの微少
な照射時間を制御し、偏向アンプの過渡出力を試料のレ
ジストに描画することを特徴とする偏向アンプのセット
リング特性測定方法。
【0014】−−− セットリング特性調整方法(補正
パルス)−−− (6)上記(2)で、Vha(1),Vha(2)と周
期的に変化された特定の偏向アンプaの立ち上がり(又
は立ち下がり)と同期し、遅延,振幅,幅を制御された
補正パルスを発生する補正パルス発生手段を設け、該補
正パルス発生手段で発生した補正パルスを該特定の偏向
アンプaに入力し、偏向アンプのセットリング特性調整
するために該補正パルスの遅延,振幅,幅をパラメータ
とし、偏向アンプaの過渡出力を重ねて試料のレジスト
に描画することを特徴とする電子ビーム描画装置の偏向
アンプのセットリング特性測定方法。
【0015】−−− セットリング特性の振幅依存の補
正方法 −−− のように特定の偏向アンプaの出力の振幅を変化させた
特定の偏向アンプaの立ち上がり(又は立ち下がり)と
同期し、遅延,振幅,幅を制御された補正パルスを発生
する補正パルス発生手段と、該補正パルス発生手段で補
正パルスの遅延,振幅,幅を制御して、該特定の偏向ア
ンプaに入力し、セットリング時間が最も短くなるよう
な補正パルスの遅延、振幅、幅を測定し、記憶する補正
パルスデータ記憶手段と、該補正パルスデータ記憶手段
により、特定の偏向アンプ出力aが、Vha(1)とV
ha(2)の立ち上がり時の補正パルスの遅延Dr
(2),振幅Ar(2),幅Wr(2)を記憶し、Vh
a(1)とVha(2)の立ち下がり時の補正パルスの
遅延Df(2),振幅Af(2),幅Wf(2)を記憶
し、Vha(1)とVha(3)の立ち上がり時の補正
パルスの遅延Dr(3),振幅Ar(3),幅Wr
(3)を記憶し、Vha(1)とVha(3)の立ち下
がり時の補正パルスの遅延Df(3),振幅Af
(3),幅Wf(3)を記憶し、・・・・・・・・・・
・・・・・Vha(1)とVha(N)の立ち上がり時
の補正パルスの遅延Dr(N),振幅Ar(N),幅W
r(N)を記憶し、Vha(1)とVha(N)の立ち
下がり時の補正パルスの遅延Df(N),振幅Af
(N),幅Wf(N)を記憶し、偏向アンプaの振幅の
大きさにより、該記憶手段により記憶した補正パルスの
遅延,振幅,幅を読み出す記憶読み出し手段と、該記憶
読み出し手段から補正パルスを発生する補正パルス発生
手段とを設け、前記補正パルス発生手段で発生した補正
パルスを該特定の偏向アンプaに入力し、偏向アンプの
aのセットリング特性の振幅依存を前記記憶手段で記憶
された補正パルスの遅延,振幅,幅を前記読み出し手段
により読み出すことにより、偏向アンプのセットリング
特性の振幅依存を補正することを特徴とした電子ビーム
描画装置。
【0016】−−− セットリング特性の振幅依存の補
正方法(サンプリング)−−− (8)上記(7)で、偏向アンプaがVha(1)とV
ha(2)時の補正パルスデータ、 Dr(2),Df(2),Ar(2),Af(2),Wr(2),Wf(2) Vha(1)とVha(N)時の補正パルスデータ、 Dr(3),Df(3),Ar(3),Af(3),Wr(3),Wf(3) ・・・・・・・・・・・ Vha(1)とVha(N)時の補正パルスデータ、 Dr(N),Df(N),Ar(N),Af(N),Wr(N),Wf(N) の一部を測定し、近似値曲線関数を使用して、補正パル
スのDr,Df,Ar,Af,Wr,Wf各N個データ
を近似したデータを使った補正パルスにより偏向アンプ
aのセットリング特性を補正することを特徴とした電子
ビーム描画装置。
【0017】−−− 成形偏向アンプと偏向アンプの測
定時のビーム形状 −−− (9)上記(1)〜(8)で、電子ビーム偏向を主・副
偏向アンプで行い、ビーム成形ベクターショットタイプ
で描画する電子ビーム装置において、成形偏向アンプの
セットリング特性測定時は棒状ビームを使い、主・副偏
向アンプのセットリング特性測定時は点状ビームを使う
ことを特徴とする電子ビーム描画装置。
【0018】−−− セットリング特性の最適化をCP
Uで操作 −−− (10)上記(1)〜(9)を、CPUにより制御するこ
とを特徴とする電子ビーム描画装置。
【0019】(作用)本発明では、荷電ビーム描画装置
に装備した状態で偏向アンプのセットリング特性を横軸
に時間、縦軸に偏向アンプの振幅を取り、レジストに評
価用パターンを描画(Xアンプを測定時には縦軸が時間
で、横軸がセットリング特性)することにより、得られ
たレジストパターンから偏向アンプのセットリング特性
を正確に測定することが可能となる。
【0020】測定に際しては、描画した試料のレジスト
を荷電ビームによりラスタ走査し、生じる反射粒子を検
出し、メモリに記憶し、この記憶したメモリを読み出す
ことにより、偏向アンプのセットリング特性を表示す
る。また、偏向アンプに補正パルスを入力することによ
り、上記の偏向アンプのセットリング特性表示から最適
になるように補正パルスの遅延,振幅,幅を調整する
(実施形態では遅延と幅は固定)。また、ブランキング
アンプ,成形偏向アンプ,副偏向アンプの各タイミング
は、実際の電子ビーム描画装置で描画するので正確なタ
イミングで各アンプを合わせることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細を図示の実施
形態によつて説明する。
【0022】図1は、本発明の一実施形態に使用した電
子ビーム描画装置の概略構成図である。試料室115の
上方には、電子銃101、各種レンズ102,104,
107,109,111、各種偏向器103,106,
110,112、電子ビームの第1,第2成形用アパー
チャ105,108、及びアパーチャ116等からなる
電子光学鏡筒100が設けられている。
【0023】電子銃101から引き出された電子ビーム
は電子レンズ102を通り、ブランキング電極103を
通る。半導体装置の描画情報は、計算機1000からパ
ターンデータ発生回路200に格納され、パターンデー
タ発生回路200によりブランキング制御信号がブラン
キング制御回路300入力され、ブランキングアンプ3
50の出力によりブランキング電極103を通る電子ビ
ームがオン・オフ制御される。
【0024】オンされた電子ビームは、電子レンズ10
4を通り第1成形アパーチャ105を照明し、矩形ビー
ムに成形される。矩形ビームは成形偏向電極106を通
る。成形偏向電極106は、成形偏向アンプ450の出
力で矩形ビームを偏向する。パターンデータ発生器20
0により成形偏向制御信号が成形偏向制御回路400に
入力され、成形偏向アンプ450の出力が成形偏向電極
106に加わり、矩形ビームが偏向される。
【0025】電子レンズ107を通った矩形ビームは、
第2成形アパーチャ108を照明する。成形偏向アンプ
450により偏向された矩形ビームは、第2成形アパー
チャ108の形状によりマスクされ、その形状が変化さ
れて可変矩形ビームになる。可変矩形ビームは、電子レ
ンズ109,アパーチャ116を通って、更に主偏向電
極110を通る。オフされた電子ビームは、アパーチャ
116によって阻止され、このアパーチャ116より下
には行かない。
【0026】試料台114は計算機1000からの指令
を受けた試料台駆動回路950によりX方向( 紙面左右
方向) 及びY方向( 紙面表裏方向) に移動される。試料
台114の移動位置はレーザ測長回路900により測定
され、その測長情報は計算機1000を通って、主偏向
制御回路500に送られる。
【0027】パターンデータ発生回路200からの半導
体装置の描画情報と上記試料台114の測長情報は、主
偏向制御回路500で比較され、試料台114上の試料
115に可変矩形ビームが「照射することが可能(描画
領域)であるか否か」を主偏向制御回路500で検出す
る。この描画領域を検出した信号(描画領域検出信号)
は、ブランキング制御回路300,成形偏向制御回路4
00,副偏向制御回路600に入力される。
【0028】描画領域検出信号により、パターンデータ
発生回路200に格納されている半導体装置の描画情報
がブランキング制御回路300,成形偏向制御回路40
0,主偏向制御回路500,副偏向制御回路600に入
力され、可変矩形ビームは電子レンズ111と副偏向電
極112を通って試料113に照射される。そして、半
導体装置の描画情報が試料113に照射され、これによ
り半導体装置のパターンが描画される。
【0029】一方、この電子ビーム描画装置は、成形偏
向アンプ450,主偏向アンプ550,副偏向アンプ6
50にセットリング(整定)時間を測定し、調整する。
計算機1000によりセットリング測定制御回路700
に測定アンプ,測定条件が与えられ、ブランキング制御
300,ブランキングアンプ350で遅延を制御された
短時間パルスにより、電子ビームを制御し、成形偏向制
御回路400,主偏向制御回路500,副偏向制御回路
600により各アンプを制御し、電子ビームを試料11
3に照射し、アンプのセットリング特性を反射電子検出
器350,記憶回路800を使って、測定される。
【0030】第1成形アパーチャ105は図2のような
形状をしている。中央に矩形の穴105aがあり、この
穴105aを均一に電子ビーム150を照射する。第1
成形アパーチャ105を通過した電子ビーム150は均
一な矩形ビームとなる。図3に示すように、成形偏向電
極106により矩形ビーム151を位置(A,B)に偏
向する。第2成形アパーチャ108は、図3に示すよう
に矢印の形状108aである。矩形ビーム151は矢印
形状108aでマスクされ、第2成形アパーチャ108
を通過後、電子ビームの形状は直角三角形151aにな
る。
【0031】図4は、成形偏向電極106と成形偏向ア
ンプ450を詳細に示す図である。成形偏向電極106
は8個の電極X,−X,Y,−Y,X+Y,−X−Y,
Y−X,X−Yにより構成される。第1成形アパーチャ
105により矩形ビームに成形された電子ビーム151
は、上記8個の成形偏向電極106によりX軸,Y軸方
向に偏向される。8個の電極X,−X,Y,−Y,X+
Y,−X−Y,Y−X,X−Yは、成形偏向アンプ45
0内の8個のアンプX,−X,Y,−Y,X+Y,−X
−Y,Y−X,X−Yにそれぞれ接続されている。
【0032】三角ビーム151aを作るために矩形ビー
ム151を成形偏向座標の位置(A,B)にするため
に、成形偏向アンプ450の各アンプ入出力は次のよう
に設定する。
【0033】 k,Kはデジタル入力から出力電圧の変換係数で、単位
は(V/BIT)。K/k=21/2 /2の関係があり、
アンプ内部のDA変換器(DAC)が16ビットで、ア
ンプの最大出力が±20Vならば、 K=0.610352(mV/BIT) k=0.431584(mV/BIT) なる値である。
【0034】三角ビーム151aを大きくするには、矩
形ビーム151の位置を+X方向のみ移動させ、逆に小
さくするには、その位置を−X方向に移動する。
【0035】図5は、矩形ビーム151を偏向すること
により4種類の三角ビーム( 151a〜151b)と1
種類の長方形ビーム151eを発生させることを示す。
矩形ビーム151を(A,B)に設定し、第2成形アパ
ーチャ108により、三角ビーム151aが成形され、
X座標をAからCにすることによりY軸対象の三角ビー
ム151bが成形され、Y座標をBからD、BからEに
し、X軸対称の三角形ビーム151c,151dが成形
される。矩形ビーム151の座標を(F,G)にするこ
とにより長方形ビーム151eが形成される。
【0036】図6(a)は矩形ビーム151の座標(F
1,G1)から(F1,G2)に変えて、第2成形アパ
ーチャ108により長方形ビーム151e1から151
e2(破線)に寸法を変化させる原理図である。この寸
法変化は矩形ビーム151の座標変化と同時に終了する
のが理想であるが、成形偏向アンプ450のセットリン
グ特性により時間遅れが生じる。このセットリング特性
を精密に測定するために、次のような操作を行う。
【0037】矩形ビーム151の座標(F1,G1)と
(F1,G2)とを周期的に変化させるために、セット
リング測定制御回路700は成形偏向制御回路400に
矩形ビーム151の座標(F1,G1)と(F1,G
2)を交互に送り、ブランキング制御回路300には矩
形ビーム151座標(F1,G1)、(F1,G2)変
化と同期させ、短時間、電子ビーム150を照射するた
めの信号が送られる。主偏向制御回路500には、最初
に描画する場所に偏向するための信号が送られる(副偏
向制御回路600は変化なし)。
【0038】矩形ビーム151の座標(F1,G1)と
(F1,G2)、その周期80nS、サンプリング点2
0、繰り返し回数10、照射時間2nSを計算機100
0に設定し、設定値の周期80nSとサンプリング点2
0から、80nSを0.8mm(−400μm〜350
μm)に、5nSを50μmに対応させた時間軸を計算
機1000で計算し、セットリング測定制御回路700
に設定する。矩形ビーム151の座標(F1,G1)と
(F1,G2)は成形偏向制御回路400に送られ、長
方形ビームの高さが80nSの周期で変化し、時間軸は
50μmピッチで、20サンプル位置を主偏向制御回路
500に送る。
【0039】主偏向制御回路500に−400μmを設
定し、ブランキング制御回路300には矩形ビーム15
1の座標(F1,G1)から(F1,G2)に変化する
と同時に照射開始信号317を送り、2nS電子ビーム
を照射する。この繰り返しを10回行う。次に、主偏向
制御回路500に−350μmの信号を送り、矩形ビー
ム151の座標(F1,G1)から(F1,G2)の変
化に同期し、5nS後に、照射開始信号317を送る。
この繰り返しを10回行う。同様に、主偏向制御回路5
00に−300μm、10nSの遅延、2nSの電子ビ
ーム照射10回行う。最後に主偏向制御回路500に3
50μm 、ブランキング制御回路300に75nS遅
延、2nS電子ビーム照射10回を行う。以上をまとめ
ると次のようになる。
【0040】 以上、成形偏向アンプ450が矩形ビーム151の座標
(F1,G1)から(F1,G2)を変化させる(セッ
トリング)特性を試料113のレジスト上に描画する。
この描画に要する電子ビーム照射回数は200回(照射
回数はレジストの種類、電子ビームの電流密度で増減す
る)、描画時間は20μS+主偏向の偏向時間(約32
0μS)で完了する。
【0041】図7は、ブランキング制御回路300の構
成図である。セットリング測定制御回路700から遅延
設定値DLを入力301からレジスタS1(308)
に、照射時間設定値STを入力302からレジスタS2
(314)に設定する。照射開始信号317によりフリ
ップフロップF1(309)をセットし、ゲートG1
(305)を開き、クロックパルス発生器304からの
CK303をDカウンタDCR306に供給し、DCR
306はカウントアップする。遅延設定値DLを格納し
たレジスタS1の上位ビットとDCR306の内容を比
較器DCM307により比較し、DCR306がレジス
タS1の上位ビットと同じ値になったときDCM307
はパルスを出力する。
【0042】この出力は、プログラマブル遅延器D1
(310)によりレジスタS1(301)の下位ビット
の値だけ遅延される。D1(310)の出力により、D
CR306,F1(309)がリセットされ、フリップ
フロップDFFの出力を反転させ、フリップフロップF
2(315)をセットする。F2(315)はG2(3
11)を開き、CK303を照射時間カウンタPCR3
12をカウントアップする。レジスタS2の上位ビット
とPCR312の内容を比較器PCM313により比較
し、PCR312の内容とレジスタS2の上位ビットと
が等しくなったとき、PCR313はパルスを出力す
る。
【0043】この出力はプログラマブル遅延器D2(3
16)に入力され、レジスタS1の下位ビットの値だけ
遅延される。D2(316),F2(315),PCR
(312)はリセットする。F2(315),PCR3
12,PCM313,S2(314),D2(316)
はパターンデータ発生器200からの信号で動作する。
セットリング測定信号321によりセレクタS3(31
8)のDFF319出力を選択し、ブランキング制御回
路出力320をブランキングアンプ350に送る。
【0044】図8は、ブランキングアンプの構成図であ
る。図7の出力320は図8の入力356に接続され、
抵抗352を通してOPアンプ355の−入力に供給さ
れ、バランスする。図7のセットリング測定信号321
は図8の入力357と接続され、セレクタSEL351
の電源Eを選択し、抵抗357を通してOPアンプ35
5の−入力に供給され、OPアンプ出力358をマイナ
ス電圧方向にバイアスする。OPアンプの出力の358
はブランキング電極103に接続されている。
【0045】パターンを描画する場合の照射制御は、O
Pアンプ出力358がゼロ時に電子ビームが試料113
に照射される。セットリング測定のための電子ビーム照
射は短時間(数nS)であるため、OPアンプ355が
応答せず、通常の電子ビーム照射で制御することが困難
である。このため、OPアンプ355にバイアスを加
え、OPアンプ出力358はプラス出力電圧からマイナ
ス電圧出力になり、電子ビームはOPアンプ出力がゼロ
になる一瞬だけ、試料113に照射され、OPアンプ出
力358が短時間パルスのため応答しないということが
ない。短時間の電子ビーム照射を微少に変化させるため
には、OPアンプ出力358の電圧を傾斜させることに
より、電子ビーム照射時間を広げることができる。
【0046】図9は、ブランキングアンプ350出力と
電子ビーム照射量のタイムチャートである。(1)は通
常のパターン描画時のブランキング方法で、電子ビーム
を照射時は+閾値と−閾値の中間にブランキングアンプ
350出力がある間電子ビームは照射される。この照射
時間は、図7(a)の照射時間レジスタS2(314)
により決まる。(2)(3)はセットリング測定時のブ
ランキング方法で、(2)はブランキングアンプ350
の出力が+閾値と−閾値の間を一瞬に通過するように電
源E359でバイアスすることにより短時間の電子ビー
ム照射を得る。(3)は(2)の電子ビーム照射時間を
広げる場合の方法を示す。この場合、ブランキングアン
プ350の出力傾斜をつけることにより電子ビーム照射
時間を広げる。
【0047】図10は、成形偏向アンプ450の入出力
と電子ビーム照射(2nS)のタイミングを示す。最初
は遅延なしを10回、2番目は遅延5nSを10回、3
番目は10nSを10回、最後は遅延75nSを10
回、試料113のレジスト上に電子ビームを照射する。
【0048】図11は、試料113のレジスト上に0n
Sから75nSの時間に長方形ビーム151e2へと寸
法の変化を時系列に描画した様子を示す。試料113の
レジストを現像し、顕微鏡,SEM等で観測することが
できる。
【0049】観測時間を短縮するために、試料113の
レジスト上に描画されたセットリング特性を、主偏向制
御回路500,主偏向アンプ550によりラスタ走査す
る。この様子を図12に、記憶回路800の構成を図1
3に示す。
【0050】試料113のレジスト上に描画されたセッ
トリング特性は電子ビームが照射された場所は負に帯電
している。ラスタ走査により、負に帯電している場所は
電子が強く反射され、その反射電子信号を反射電子検出
器850で検出し、検出信号を記憶回路800内のAD
変換器801によりAD変換し、その変換された値をメ
モリ802に格納する。このメモリ802に格納された
信号を読み出し、DA変換器803を通すことにより、
アナログ出力に変え、CRTディスプレー等をこの信号
で輝度変調することにより、図11と同じパターンをデ
ィスプレーに表示させ、試料113のレジストを現像し
たり、顕微鏡,SEM等なしで、瞬時に成形偏向アンプ
450のセットリング特性を観測することができる。
【0051】長方形ビームを例に成形偏向アンプ450
のセットリング特性を観測を説明したが、三角ビーム1
51a〜dについても同様である。
【0052】成形偏向アンプ450は8個のアンプから
構成されている。上記のセットリング特性は8個のアン
プの合成されたものである。このアンプの中で1個でも
セットリング特性が劣化すると合成されたセットリング
特性も劣化する。劣化したアンプを特定するための方法
を説明する。
【0053】長方形ビーム151e1から151e2の
変化は矩形ビーム151座標(F1,G1)と(F1,
G2)の座標変化で、Y座標G1,G2が変化する。こ
の変化に対応する成形偏向アンプ450はY,−Y,X
+Y,−(X+Y),Y−X,−(Y−X)である。セ
ットリング特性を測定したアンプをYとする。上記の方
法でYアンプにはG1とG2を交互に入力する。−Y,
X+Y,−(X+Y),Y−X,−(Y−X)アンプは
G1を設定した5nS後の固定値をそれぞれのアンプに
設定する。次に、10nS後の固定値をそれぞれのアン
プに設定し、15nS,…,75nS後も同様にYアン
プ以外に設定する。
【0054】 X,−Xアンプは入力がそれぞれF1,−F1と変化し
ない。
【0055】−Yアンプは5nS後の測定に−G1−A
1、10nS後の測定に−G1−A2、…75nS後の
測定に−G−A19(=−G2)の固定値を設定する。
同様に、Yアンプ以外は5nS,10nS,…,75n
S後の測定に固定値を設定する。
【0056】A1〜A19、B1〜B19、C1〜C1
9の値は、 AN=(G2−G1)EXP(−5N/CR1) BN=(F2−F1+G2−G1)EXP(−5N/C
R2) CN=(G2−G1+F1−F2)EXP(−5N/C
R3) N:1〜19 CR1〜3:アンプの時定数(nS) で決定された固定値である。
【0057】即ち、Yアンプ以外はセットリング期間に
疑似データを入力し、セットリング特性を模擬すること
により、Yアンプのみのセットリング特性を測定でき
る。
【0058】成形偏向アンプ450はX,−X,−Y,
X+Y,−(X+Y),Y−X,−(Y−X)アンプよ
り構成される。各アンプはセットリング特性を改善する
機能がある。この機能は外部からデジタル的に制御する
ことができ、上記の試料113のレジスト上に描画され
たセットリング特性を測定し、最適なセットリング特性
を得ることができる。
【0059】セットリング特性を改善する機能の例とし
て、Yアンプの構成例を図14に示す。DAC452は
デジタル入力451(G1)をENBパルス453によ
り取り込み、出力電圧e1を発生する。出力電圧e1は
抵抗459と通してOPアンプ457の−入力に供給さ
れ、OPアンプ457の出力e3(k×G1)から抵抗
460を通して−入力に供給される電流とバランスす
る。更に、DAC出力電圧e1は抵抗461を通して、
抵抗463と抵抗465に供給され、OPアンプ457
出力e3(k×G1)から抵抗465を通して供給され
た電流とバランスする。
【0060】抵抗463と帰還コンデンサ464とOP
アンプ458は積分器を構成し、A点の電圧を積分し、
OPアンプ457の+入力に供給する。80nS周期で
デジタル入力451はG1とG2を交互に供給され、出
力電圧e3はk×G1とk×G2の電圧を交互に出力す
る。
【0061】補正パルス発生器454はデジタル入力4
51(G1)は(G2)をENBパルス453により取
り込み、前後のデジタル入力の差G1−G2(又はG2
−G1)を計算する。このデジタル入力の差(G1−G
2)は内部のRAMのアドレスとして使う。RAMのG
1−G2アドレスには補正パルスe2の振幅が前もって
格納されている。このRAMのアドレスG1−G2から
データを読み出し、補正DACに供給し、補正パルスe
2を発生させる。
【0062】図15は、上記Yアンプのタイミングチャ
ートとYアンプ出力波形を示す。DAC452はENB
453によりデジタル入力451(G2)を取り込む。
DAC出力e1は入力G1からG2に変化した波形を示
す。アンプ出力e3の破線は補正パルスe2を供給しな
い場合の波形で、補正パルスe2を供給することによ
り、実線の波形となる。補正パルスの振幅を変化させる
ことにより、アンプ出力e3のセットリング特性を制御
できる。
【0063】なお、セットリング補正の詳細は公知(特
願平7−56088号、DAC増幅器)である。また、
上記Yアンプの構成はYアンプ以外のアンプについても
同じである。
【0064】図16は、上記補正パルス発生器454の
内部RAM473の内容を読み書きする構成を示す。各
アンプは機器アドレス478を持ち、デジタル入力45
1はパスの機能がある。DAC452の入力と補正パル
ス発生器454のデータ入出力を兼ねている。アンプ内
部にマイクロプログラムを制御するマイクロプログラム
カウンタ(MPC)484がある。このMPC484を
制御するための制御線(TRG482,CP477,C
LR483)が3本ある。
【0065】最初、MPC484はCLR483により
リセットされ、デジタル入力451は差アドレス470
に入力される。通常のアンプとして使う状態になる。M
PC484のクロックは制御TRG482、クリアーは
CLR483である。MPC484にTRG482を供
給し、MPC484を1にし、MPC1デコーダ481
によりアドレス合致回路485をイネーブルにする。デ
ジタル入力451に機器アドレスを乗せ、アンプに設定
した機器アドレス478と合致することをアドレス合致
回路485により検査する(CP477で同期)。検査
の結果合致した場合、アドレス合致回路485はMPC
2デコーダ479,MPC3デコーダ480をCLR4
83がくるまでイネーブルにする。
【0066】MPC484にTRG482を供給し、M
PC484を2にし、MPC2デコーダ479をイネー
ブルにする。デジタル入力451のデータをCP477
によりRAMアドレス471の内容をRAM473のア
ドレスに供給する。
【0067】MPC484にTRG482を供給し、M
PC484を3にし、MPC3デコーダ480をイネー
ブルにする。デジタル入力451に乗せたデータをCP
477によりRAMデータ475に取り込み、ゲート回
路476を通してRAM473に書き込む。
【0068】上記Yアンプは振幅の差がG2−G1であ
るから補正パルス発生器454のRAM473のアドレ
スをG2−G1にし、RAMの内容を書き込み、RAM
473の内容を補正DAC474に供給することによ
り、補正パルスの振幅e2を制御することができる。補
正パルスの振幅e2を調整し、前記の操作により、Yア
ンプの波形を試料113のレジストに描画し、ラスタ走
査し、記憶回路800に記憶する。記録回路800から
ディスプレーに読み出し、波形を確認し、同様な操作を
試料113のレジストの描画場所を変えて、Yアンプの
セットリング特性を最適になるまで調整することができ
る。X,Y座標軸、必要な罫線を同時に描画すると観測
しやすい。
【0069】補正パルス発生器454のRAM473ア
ドレス全てに上記の操作をすることは多くの時間を要す
る。補正パルスの振幅e2とデジタル入力451の差と
の関係は連続した関係にあり、不連続はないことから、
数点をサンプリングし、曲線近似を行うことで、短時間
で補正パルス発生器454のRAM473データを収集
し、このデータをRAM473に書き込むことができ
る。
【0070】成形偏向アンプ450は8個で構成されて
いる。この8個のアンプを個々に最適なセットリング特
性に設定することは多くの時間を要する。そこで、8個
のアンプからX(又は−X)、Y(又は−Y)の2個の
アンプを調整することにより、全体のセットリング特性
を最適に調整する。即ち、個々のアンプのセットリング
特性は最適なセットリング特性ではないが、全体で最適
なセットリング特性になるようにすることにより、アン
プの調整時間を短縮する。
【0071】副偏向アンプ650のセットリング特性測
定も成形偏向アンプ450とほぼ同じである。成形偏向
アンプ450により1μm角程度の正方形ビームを作
る。副偏向電極112の構成は成形偏向電極106と同
じで、8個の電極X,−X,Y,−Y,X+Y,−X−
Y,Y−X,X−Yにより構成される。正方形に成形さ
れた電子ビーム151は、上記8個の副偏向電極112
によりX軸,Y軸方向に偏向される。8個の電極X,−
X,Y,−Y,X+Y,−X−Y,Y−X,X−Yは、
副偏向アンプ650内の8個のアンプX,−X,Y,−
Y,X+Y,−X−Y,Y−X,X−Yにそれぞれ接続
されている。
【0072】試料113のレジストに正方形ビーム15
1を副偏向座標の位置(A,B)にするためには、副偏
向アンプ650の各アンプ入出力は次のように設定す
る。
【0073】 ks,Ksはデジタル入力から出力電圧の変換係数で、
単位は(V/BIT)。Ks/ks=21/2 /2の関係
があり、アンプ内部のDA変換器(DAC)が16ビッ
トで、アンプの最大出力がプラスマイナス10Vなら
ば、 ks=0.215792(mV/BIT) Ks=0.305176(mV/BIT) なる値である。
【0074】正方形ビーム151の座標(A1,B1)
と(A1,B2)とを周期的に変化させるために、セッ
トリング測定制御回路700は副偏向制御回路600に
座標(A1,B1)と(A1,B2)を交互に送り、ブ
ランキング制御回路300に座標(A1,B1)、(A
1,B2)変化と同期させ、短時間、正方形ビーム15
1を照射するための信号が送られる。主偏向制御回路5
00には最初の描画する場所に偏向するための信号が送
られる。主偏向制御回路500には最初の描画する場所
に偏向するための信号が送られる。
【0075】正方形ビーム151の座標(A1,B1)
と(A1,B2)、その周期80nS、サンプリング点
20、繰り返し回数10、照射時間2nS計算機100
0に設定し、設定値の周期80nSとサンプリング点2
0から、80nSを0.8mm(−400μm〜350
μm)に、5nSを50μmに対応させた時間軸を計算
機1000で計算し、セットリング測定制御回路700
に設定する。
【0076】正方形ビーム151の座標(A1,B1)
と(A1,B2)は副偏向制御回路600に送られ、正
方形ビームがY軸方向に80nSの周期で変化し、時間
軸は50μmピッチ20サンプル位置を主偏向制御回路
500に送る。主偏向制御回路500に−400μmを
設定し、ブランキング制御回路300には正方形ビーム
151の座標(A1,B1)から(A1,B2)の変化
に同期し、照射開始信号317を送り、2nS電子ビー
ムを照射する。この繰り返しを10回行う。
【0077】次に、主偏向制御回路500に−350μ
mの信号を送り、正方形ビーム151の座標(A1,B
1)から(A1,B2)に変化してからの5nS後に、
照射開始信号317を送る。この繰り返しを10回行
う。同様に、主偏向制御回路500に−300μm、1
0nSの遅延、2nSの電子ビーム照射10回行う。最
後に主偏向制御回路500に350μm、ブランキング
制御回路300に75nS遅延、2nS電子ビーム照射
10回行う。以上をまとめると次のようになる。
【0078】 以上、副偏向アンプ650が正方形ビーム151の座標
(A1,B1)から(A1,B2)を変化させる(セッ
トリング)特性を試料113のレジスト上に描画する。
この描画に要する電子ビーム照射回数は200回(照射
回数はレジストの種類、電子ビームの電流密度で増減す
る)、描画時間は20μS+主偏向の偏向時間(約32
0μS)で完了する。
【0079】図17は、試料113のレジスト上に0n
Sから75nSの時間に正方形ビーム151が座標(A
1,B1)から(A1,B2)へと位置の変化を時系列
に描画した様子を示す。試料113のレジストを現像
し、顕微鏡,SEM等で観測することができる。
【0080】観測時間を短縮するために試料113のレ
ジスト上に描画されたセットリング特性を主偏向制御回
路500,主偏向アンプ550によりラスタ走査し、そ
の反射電子信号を反射電子検出器850で検出し、検出
信号を記憶回路800内のAD変換器801により、A
D変換し、その変換された値をメモリに格納する。この
格納された信号を読み出すことにより、図17と同じパ
ターンをディスプレーに表示させることは上記成形偏向
アンプ450のセットリング特性を観測するのと同じで
ある。X,Y座標軸、必要な罫線を同時に描画すると観
測しやすい。
【0081】副偏向アンプ650は8個のアンプから構
成されている。上記のセットリング特性は8個のアンプ
の合成されたものである。このアンプの中で1個を特定
し、セットリング特性を測定する方法は成形偏向アンプ
450の場合と同じである。副偏向アンプ650は、
X,−X,Y,−Y,X+Y,−(X+Y),Y−X,
−(Y−X)アンプにより構成される。成形偏向アンプ
450と同様に各アンプはセットリング特性を改善する
機能がある。この機能は外部からデジタル的に制御する
ことができ、上記の試料113のレジスト上に描画され
たセットリング特性を測定し、最適なセットリング特性
を得ることができる。
【0082】副偏向アンプ650構成も、成形偏向アン
プ450の構成と同様の機能であることから、補正パル
スの振幅e2を調整し、アンプの波形を試料113のレ
ジストに描画し、ラスタ走査し、記憶回路800に記憶
する。記録回路800からディスプレーに読み出し、波
形を確認し、同様な操作を試料113のレジストの描画
場所を変えて、アンプのセットリング特性を最適になる
まで調整することができる。
【0083】成形偏向アンプ450での補正パルス発生
器454のRAM473アドレスをサンプリングし、曲
線近似を行い、全てのアドレスにデータを書き込む手法
は副偏向アンプ650においても同様である。
【0084】成形偏向アンプ450の8個のアンプから
X(又は−X)、Y(又は−Y)の2個のアンプを調整
することにより、全体のセットリング特性を最適に調整
する手法は副偏向アンプ650においても同様である。
【0085】主偏向アンプ550のセットリング特性測
定も成形偏向アンプ450,副偏向アンプ650と似て
いる。成形偏向アンプ450により1μm角程度の正方
形ビームを作る。副偏向アンプ650は固定(例えば、
全アンプゼロ)する。主偏向電極110の構成は、成形
偏向電極106,副偏向電極112と同じで、8個の電
極X,−X,Y,−Y,X+Y,−X−Y,Y−X,X
−Yにより構成される。
【0086】正方形に成形された電子ビーム151は、
上記8個の副偏向電極112によりX軸ねY軸方向に偏
向される。8個の電極X,−X,Y,−Y,X+Y,−
X−Y,Y−X,X−Yは、主偏向アンプ550内の8
個のアンプX,−X,Y,−Y,X+Y,−X−Y,Y
−X,X−Yにそれぞれ接続されている。
【0087】試料113のレジストに正方形ビーム15
1を主偏向座標の位置(A,B)にするためには主偏向
アンプ550の各アンプ入出力は次のように設定する。
【0088】 デジタル入力 出力電圧 Xアンプ Xa km×Xa −Xアンプ −Xa −km×Xa Yアンプ Yb km×Yb −Yアンプ −Yb −km×Yb X+Yアンプ (Xa+Yb) Km×(Xa+Yb) −X−Yアン -(Xa+Yb) −Km×(Xa+Yb) Y−Xアンプ (Yb-Xa) Km×(Yb-Xa) X−Yアンプ -(Yb-Xa) −Km×(Yb-Xa) km,Kmはデジタル入力から出力電圧の変換係数で、
単位は(V/BIT)。Km/km=21/2 2の関係が
あり、アンプ内部のDA変換器(DAC)が20ビット
で、アンプの最大出力が200Vならば、 km=0.2697397(mV/BIT) Km=0.3814697(mV/BIT) なる値である。
【0089】正方形ビーム151の座標(−400μ
m,B1)と(−400μm,B2)とを周期的に変化
させるために、セットリング測定制御回路700は主偏
向制御回路500に座標(−400μm,B1)と(−
400μm,B2)を交互に送り、ブランキング制御回
路300に座標(−400μm,B1)、(−400μ
m,B2)変化と同期させ、短時間、正方形ビーム15
1を照射するための信号が送られる。
【0090】正方形ビーム151の座標(−400μ,
B1)と(−400μm,B2)、その周期80nS、
サンプリング点20、くり返し回数1、照射時間20n
S計算機1000に設定し、設定値の周期80nSとサ
ンプリング点20から、80nSを0.8mm(−40
0μm〜350μm)に、5nSを50μmに対応させ
た時間軸を計算機1000で計算し、セットリング測定
制御回路700に設定する。
【0091】正方形ビーム151の座標(−400μ
m,B1)と(−400μm,B2)は主偏向制御回路
500に送られ、正方形ビームがY軸方向に80nSの
周期で変化し、ブランキング制御回路300には正方形
ビーム151の座標(−400μm,B1)から(−4
00μm,B2)の変化に同期し、照射開始信号317
を送り、20nS電子ビームを照射する。
【0092】次に、正方形ビーム151の主偏向座標
(−350μm,B1)から(−350μm,B2)に
変化してから5μS後に、20nS幅のパルスを送る。
主偏向座標(−300μm、B1)、(−300μm、
B2)、10μSの遅延、20nSの電子ビーム照射を
行う。最後に主偏向座標(350μm、B1)、(35
0μm、B2)の変化に同期し、ブランキング制御回路
300に75μS遅延、20nS電子ビーム照射を行
う。
【0093】以上をまとめると次のようになる。
【0094】 以上、主偏向アンプ550が正方形ビーム151の主偏
向Y座標B1からB2に変化させる(セットリング)特
性を試料113のレジスト上に描画する。この描画に要
する電子ビーム照射回数は20回(照射回数はレジスト
の種類、電子ビームの電流密度で増減する)、描画時間
は0.4mS+試料台駆動回路950の移動時間(約1
S)で完了する。
【0095】図18は、試料113のレジスト上に0n
Sから75nSの時間に正方形ビーム151が主偏向Y
座標B1からB2へと位置の変化を時系列に描画した様
子を示す。試料113のレジストを現像し、顕微鏡,S
EM等で観測することができる。X,Y座標軸、必要な
罫線を同時に描画すると観測しやすい。
【0096】観測時間を短縮するために試料113のレ
ジスト上に描画されたセットリング特性を主偏向制御回
路500,主偏向アンプ550によりラスタ走査し、そ
の反射電子信号を反射電子検出器850で検出し、検出
信号を記憶回路800内のAD変換器801によりAD
変換し、その変換された値をメモリに格納する。この格
納された信号を読み出すことにより、図18と同じパタ
ーンをディスプレーに表示させることは、上記成形偏向
アンプ450,副偏向アンプ650のセットリング特性
を観測するのと同じである。
【0097】主偏向アンプ650は8個のアンプから構
成されている。上記のセットリング特性は8個のアンプ
の合成されたものである。このアンプの中で1個を特定
し、セットリング特性を測定する方法は成形偏向アンプ
450、副偏向アンプ650の場合と同じである。
【0098】主偏向アンプ550はX,−X,Y,−
Y,X+Y,−(X+Y),Y−X,−(Y−X)アン
プにより構成される。成形偏向アンプ450,副偏向ア
ンプ650と同様に、各アンプはセットリング特性を改
善する機能がある。この機能は外部からデジタル的に制
御することができ、上記の試料113のレジスト上に描
画されたセットリング特性を測定し、最適なセットリン
グ特性を得ることができる。
【0099】主偏向アンプ550構成も、成形偏向アン
プ450,副偏向アンプ650の構成と同様の機能であ
ることから、補正パルスの振幅e2を調整し、アンプの
波形を試料113のレジストに描画し、ラスタ走査し、
記憶回路800に記憶する。記録回路800からディス
プレーに読み出し、波形を確認し、同様な操作を試料1
13のレジストの描画場所を変えて、アンプのセットリ
ング特性を最適になるまで調整することができる。
【0100】成形偏向アンプ450での補正パルス発生
器454のRAM473アドレスをサンプリングし、曲
線近似を行い、全てのアドレスにデータを書き込む手法
は主偏向アンプ550においても同様である。成形偏向
アンプ450の8個のアンプからX(又は−X)、Y
(又は−Y)の2個のアンプを調整することにより、全
体のセットリング特性を最適に調整する手法は主偏向ア
ンプ550においても同様である。
【0101】次に、トラッキング回路の測定について説
明する。主偏向アンプ550は前記したように成形偏向
アンプ450,副偏向アンプ650と同じであるが、試
料台114の位置を追跡するトラッキング回路画趣偏向
アンプに内蔵されている。トラッキング回路はX155
1,Y1555,X+Y1558,Y−X1561の4
種類あり、Xトラッキング回路1551出力はXと−X
の2つあり、X出力はXアンプ1552へ、−X出力は
−Xアンプ1554に入力される。Yトラッキング回路
1555出力はYと−Yの2つあり、Y出力はYアンプ
1556へ、−Y出力は−Yアンプ1557に入力され
る。
【0102】X+Yトラッキング回路1558出力はX
+Yと−(X+Y)の2つあり、X+Y出力はX+Yア
ンプ1559へ、−(X+Y)出力は−(X+Y)アン
プ1560に入力される。Y−X出力はY−Xアンプ1
562へ、−(Y−X)出力は−(Y−X)アンプに入
力1563される。このトラッキング回路が内蔵されて
いる主偏向アンプの構成を図19に示す。図中i155
3は正負反転回路で、例えば、Xが入力されると−Xを
出力する。
【0103】図20は、X主偏向アンプ(図19ではX
アンプ)1552の構成を示す。成形偏向アンプ450
の構成と同じであるが、トラッキング入力e4(56
6)があることが異なる。e4は抵抗565と抵抗56
8の比(抵抗560と抵抗567)が増幅率となり、出
力e3となる。
【0104】 e3=−(抵抗565)×e4/(抵抗568) トラッキング入力e4に対しては補正パルス発生器55
4は使わない。入力551はX主偏向入力、553はE
NBパルスでX主偏向入力の信号である。
【0105】図21は、トラッキング回路の構成であ
る。デジタル入力571はENB573によりDA変換
器(DAC)572、トラッキング補正パルス発生器5
74に入力される。DAC572の出力は電流i1で、
OPアンプ577の−入力に接続され、抵抗576を通
してOPアンプ577出力に接続され、e3を発生す
る。トラッキング補正パルス発生器574は抵抗575
と通してOPアンプ577の−入力に接続されている。
トラッキング補正パルス発生器574はDAC572の
グリッチをキャンセルするためのパルスを発生する。
【0106】図22は、トラッキング回路のタイミング
チャートを示す。デジタル入力571は−1と0を交互
に入力し、デジタル入力571と同期したENB573
によりDAC出力i1はグリッチを発生する。このグリ
ッチは位相が反転し、OPアンプ577出力e3のよう
な波形となる。このグリッチ波形はパターン描画に悪影
響を与えるため、トラッキング補正パルス発生器574
出力e2を発生し、グリッチをキャンセルする。補正後
のOPアンプ577出力e3はグリッチのない出力とな
る。
【0107】図23にトラッキング補正パルス発生器5
74の構成を示す。トラッキングのデジタル入力580
はENB581により差アドレス582に一時記憶し、
選択器584を通し、振幅RAM585aと遅延RAM
585bのアドレスに送られ、それぞれ補正DAC58
6とプログラマブル遅延器598に送られ、DAC57
2の出力i1のグリッチをキャンセルする出力e2を発
生する。
【0108】振幅RAM585a、遅延RAM585b
の内容を読み書きする方法を示す。各アンプは機器アド
レス588を持ち、デジタル入力580はパスの機能が
ある。DAC572の入力とトラッキング補正パルス発
生器574のデータ入出力を兼ねている。アンプ内部に
マイクロプログラムを制御するマイクロプログラムカウ
ンタ(MPC)597がある。このMPC597を制御
するための制御線(TRG595,CP587,CLR
596)が3本ある。
【0109】最初、MPC597はCLR596により
リセットされ、デジタル入力580は差アドレス582
に入力される。通常のアンプとして使う状態になる。M
PC597のクロックは制御TRG595、クリアーは
CLR596である。MPC597にTRG595を供
給し、MPC597を1にし、MPC1デコーダ594
によりアドレス合致回路593をイネーブルにする。デ
ジタル入力580に機器アドレスを乗せ、アンプに設定
した機器アドレス592と合致することをアドレス合致
回路593により検査する(CP587で同期)。検査
の結果合致した場合、アドレス合致回路593はMPC
2デコーダ589、MPC3デコーダ591をCLR5
96がくるまでイネーブルにする。
【0110】MPC597にTRG595を供給し、M
PC597を2にし、MPC2デコーダ589をイネー
ブルにする。デジタル入力580のデータをCP587
によりRAMアドレス583に取り込み、選択回路58
4により、RAMアドレス584の内容をRAM585
a,585bのアドレスに供給する。MPC597にT
RG595を供給し、MPC597を3にし、MPC3
デコーダ591をイネーブルにする。デジタル入力58
0に乗せたデータをCP587によりRAMデータ59
0に取り込み、ゲート回路588を通して振幅RAM5
85a,585bに書き込む。
【0111】上記振幅RAM585aのデータにより補
正パルスの振幅を、遅延RAM585bのデータにより
補正パルスの遅延を調整し、DAC572の出力電流i
1のグリッチをキャンセルするような補正パルスe2を
発生させる。このトラッキング回路の波形を試料113
のレジストに描画し、ラスタ走査し、記憶回路800に
記憶する。記録回路800からディスプレーに読み出
し、波形を確認し、同様な操作を試料113のレジスト
の描画場所を変えて、トラッキング回路のグリッチを最
小にするまで調整することができる。X,Y座標軸、必
要な罫線を同時に描画すると観測しやすい。
【0112】トラッキング回路のグリッチ特性測定は、
主偏向アンプ550を通して行う。成形偏向アンプ45
0により1μm角程度の正方形ビームを作る。副偏向ア
ンプ650主偏向アンプの主偏向側は固定(例えば、全
アンプゼロ)する。試料113のレジストに正方形ビー
ム151を主偏向座標の位置(A,B)にすためにはト
ラッキング回路の各アンプ入出力は次のようになる。
【0113】 kl,Klはデジタル入力から出力電圧の変換係数で、
単位は(V/BIT)。Kl/kl=21/2 /2の関係
があり、主偏向アンプ550と同じ kl=0.2697397(mV/BIT) Kl=0.3814697(mV/BIT) なる値である。
【0114】正方形ビーム151のトラッキング座標
(A1,B1)と(A1,B2)とを周期的に変化させ
るために、グリッチ測定制御回路700は主偏向制御回
路500に主偏向座標(−400μm,0)と、その内
部のトラッキング回路に座標(A1,B1)と(A1,
B2)を交互に送り、ブランキング制御回路300にト
ラッキング座標(A1,B1)、(A1,B2)変化と
同期させ、短時間、正方形ビーム151を照射するため
の信号が送られる。
【0115】正方形ビーム151のトラッキング座標
(A1,B1)と(A1,B2)、その周期80nS、
サンプリング点20、繰り返し回数10、照射時間2n
S計算機1000に設定し、設定値の周期80nSとサ
ンプリング点20から、80nSを0.8mm(−40
0μm〜350μm)に、5nSを50μmに対応させ
た時間軸を計算機1000で計算し、セットリング測定
制御回路700に設定する。
【0116】正方形ビーム151のトラッキング座標
(A1,B1)と(A1,B2)、主偏向座標を(−4
00μm、0)は主偏向制御回路500のトラッキング
回路と主偏向アンプに送られ、正方形ビームはX軸方向
に−400μm、Y軸方向に80nSの周期で変化し、
ブランキング制御回路300には正方形ビーム151の
トラッキング座標(A1、B1)から(A1、B2)の
変化に同期し、照射開始信号317を送り、2nS電子
ビームを照射を10回繰り返す。
【0117】次に、主偏向座標を(−350μm、0)
にし、正方形ビーム151のトラッキング座標(A1,
B1)から(A1,B2)に変化してから5nS後に、
2nS電子ビーム照射を10回行い、トラッキング座標
を変化させて、主偏向座標(−300μm、0)、10
μSの遅延、2nSの電子ビーム照射を10回行う。最
後にトラッキング座標の変化に同期し、主偏向座標(3
50μm、0)、ブランキング制御回路300に75n
S遅延、2nS電子ビーム照射を10回行う。まとめる
と次のようになる。
【0118】 以上、トラッキング回路により主偏向アンプ550が正
方形ビーム151のトラッキングY座標B1からB2に
変化させる(グリッチ)特性を試料113のレジスト上
に描画する。この描画に要する電子ビーム照射回数は2
00回(照射回数はレジストの種類、電子ビームの電流
密度で増減する)、描画時間は20μS+主偏向の偏向
時間(約320μS)で完了する。
【0119】図24は、試料113のレジスト上に0n
Sから75nSの時間に正方形ビーム151がトラッキ
ング座標B1からB2への位置の変化(B1−B2は±
1LSB)を時系列に描画した様子を示す。試料113
のレジストを現像し、顕微鏡、SEM等で、観測するこ
とができる。X、Y軸座標、必要な罫線を同時に描画す
ると観測しやすい。トラッキング回路は描画中に動作す
るので、トラッキング回路内のDA変換器のグリッチが
問題になる。
【0120】観測時間を短縮するために試料113のレ
ジスト上に描画されたセットリング特性を、主偏向制御
回路500,主偏向アンプ550によりラスタ走査し、
その反射電子信号を反射電子検出器850で検出し、検
出信号を記憶回路800内のAD変換器801によりA
D変換し、その変換された値をメモリに格納する。この
格納された信号を読み出すことにより、図24と同じパ
ターンをディスプレーに表示させることは、上記成形偏
向アンプ450,副偏向アンプ650,主偏向アンプ5
50のセットリング特性を観測するのと同じである。
【0121】トラッキング回路は、X,Y,X+Y,Y
−Xにより構成される。トラッキング回路内のDA変換
器のグリッチをキャンセルする機能がある。この機能は
外部からデジタル的に制御することができ、上記の試料
113のレジスト上に描画されたグリッチ特性を測定
し、最適なグリッチ特性を得ることができる。
【0122】補正パルスの振幅e2を調整し、グリッチ
の波形を試料113のレジストに描画し、ラスタ走査
し、記憶回路800に記憶する。記録回路800からデ
ィスプレーに読み出し、波形を確認し、同様な操作を試
料113のレジストの描画場所を変えて、アンプのグリ
ッチ特性を最適になるまで調整することができる。
【0123】成形偏向アンプ450での補正パルス発生
器454のRAM473アドレスをサンプリングし、曲
線近似を行い、全てのアドレスにデータを書き込む手法
はトラッキング回路に於いても同様である。
【0124】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、荷
電ビーム描画装置の偏向アンプのセットリング特性,D
ACのグリッチ特性を試料のレジストにパターンを描画
することにより、セットリング特性,グリッチ特性の測
定を描画と同じ条件にすることにより、精度の高いセッ
トリング特性,グリッチ特性を測定することができる。
この測定をもとに、アンプ内の補正パルスを使い、偏向
アンプのセットリング特性,グリッチ特性を最適化する
ことができる。従って、荷電ビーム描画装置のブランキ
ングアンプ,成形偏向アンプ,副偏向アンプ,主偏向ア
ンプ等のタイミングを正確に合わすことができる。ま
た、上記の操作は全てCPU制御で行い、高精度な調整
が可能となり、時間も短縮できる。さらに、特定アンプ
のセットリング特性,グリッチ特性を測定することが可
能で、セットリング特性,グリッチ特性の劣化したアン
プを速やかに発見できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に使用した電子ビーム描画
装置の概略構成図。
【図2】第1成形アパーチャの形状を示す図。
【図3】第2成形アパーチャの形状と三角形ビームを示
す図。
【図4】成形偏向電極106と成形偏向アンプ450を
詳細に表した図。
【図5】各種形状のビームを示す図。
【図6】長方形ビームの寸法変化の原理を説明するため
の図。
【図7】ブランキング制御回路の構成図。
【図8】ブランキングアンプの構成図。
【図9】ブランキングアンプ出力と電子ビーム照射量の
タイミングチャート。
【図10】成形偏向アンプの入出力と電子ビーム照射の
タイミングチャート。
【図11】レジスト上に成形偏向アンプのセットリング
特性を描画した状態を示す図。
【図12】レジストに描画したものをラスタ走査した原
理図。
【図13】記憶回路の構成図。
【図14】成形偏向Yアンプの構成図。
【図15】成形偏向Yアンプのタイミングチャート。
【図16】成形偏向アンプ内の補正パルス発生器の構成
図。
【図17】副偏向アンプのセットリング特性のレジスト
描画を示す図。
【図18】主偏向アンプのセットリング特性のレジスト
描画を示す図。
【図19】トラッキング回路と主偏向アンプの構成図。
【図20】主偏向アンプの構成図。
【図21】トラッキング回路の構成図。
【図22】トラッキング回路のタイミングチャート。
【図23】トラッキング補正パルス発生器の構成図。
【図24】トラッキングDACのグリッチ特性のレジス
ト描画を示す図。
【符号の説明】
105…第1成形アパーチャ 108…第2成形アパーチャ 113…試料 1000…計算機 200…パターンデータ発生回路 300…ブランキング制御回路 350…ブランキングアンプ 400…成形偏向制御回路 450…成形偏向アンプ 500…主偏向制御回路 550…主偏向アンプ 600…副偏向制御回路 650…副偏向アンプ 800…記憶回路 850…反射電子検出器

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】荷電ビームの照射により試料上に所望パタ
    ーンを描画する荷電ビーム描画装置であって、 偏向器を駆動するための偏向アンプの出力を周期的に変
    化させ、荷電ビームを偏向する荷電ビーム偏向手段と、
    前記偏向アンプの出力の立ち上がり又は立ち下がりから
    設定された時間Tを遅延する遅延手段と、前記遅延手段
    で遅延された時間Tに比例させて、前記偏向アンプの出
    力変化により荷電ビームが移動する方向とは別の方向に
    荷電ビームを移動させ、該ビーム位置を時間軸とする時
    間軸発生手段と、前記遅延手段による時間Tで短時間荷
    電ビームを照射させるブランキング手段とを備えた荷電
    ビーム描画装置において、 前記時間軸発生手段による複数点の異なる時間で、前記
    ブランキング手段によりビームを照射し、かつ各々の時
    間に対して前記ブランキング手段によるビーム照射を複
    数回行い、試料上に評価用パターンを描画することを特
    徴とする荷電ビーム描画装置用偏向アンプの特性測定方
    法。
JP10072639A 1998-03-20 1998-03-20 荷電ビーム描画装置用偏向アンプの特性測定方法 Pending JPH11274032A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007043078A (ja) * 2005-07-04 2007-02-15 Nuflare Technology Inc 描画装置及び描画方法
JP2007329293A (ja) * 2006-06-08 2007-12-20 Jeol Ltd 荷電粒子ビーム装置
JP2022174318A (ja) * 2017-11-02 2022-11-22 日本電子株式会社 評価方法および荷電粒子ビーム装置

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