JPH112722A - 楕円偏光素子 - Google Patents

楕円偏光素子

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JPH112722A
JPH112722A JP17108297A JP17108297A JPH112722A JP H112722 A JPH112722 A JP H112722A JP 17108297 A JP17108297 A JP 17108297A JP 17108297 A JP17108297 A JP 17108297A JP H112722 A JPH112722 A JP H112722A
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JP
Japan
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light
liquid crystal
polarized light
film
plate
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Application number
JP17108297A
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English (en)
Inventor
Toshio Nakajima
登志雄 中島
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光の反射ロスが少なくて光の利用効率に優
れ、シミ模様や色ムラの発生による表示品位の低下を生
じずに明るさに優れる液晶表示装置を形成できる楕円偏
光素子の開発。 【解決手段】 コレステリック液晶層からなる偏光分離
フィルム(3)と、少なくとも外側の表面を粗面化した
1/4波長板(4)を応力緩和性に優れる粘着層(2)
を介して接着した積層体からなり、必要に応じ偏光分離
フィルム側に、裏面に反射層(11)を有して表面より
光を出射する導光板(1)を当該粘着層(20)を介し
接着してなる楕円偏光素子(5)。 【効果】 偏光分離フィルムより出射した円偏光が1/
4波長板を介し直線偏光化され、1/4波長板の粗表面
を介した偏光板の配置で液晶表示装置におけるシミ模様
等による表示品位の低下を防止でき、粘着層を介した積
層一体化で各界面での反射ロスも少なく、光源からの熱
により表示ムラが生じにくい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、光の利用効率に優れて透
過型の液晶表示装置などに好適な楕円偏光素子に関す
る。
【0002】
【発明の背景】従来、コレステリック液晶層が入射光を
左右の円偏光に分離してその一方を透過し、他方を反射
する特性を利用した偏光分離フィルムが知られており、
それを使用して液晶表示の明るさを向上させる試みがな
されている。ちなみに偏光分離フィルムによる円偏光
は、1/4波長板を透過させることで直線偏光化でき、
その振動方向を透過軸と一致させることで偏光板による
吸収ロスを低減でき、透過光の増量で液晶表示の明るさ
を向上させうる可能性がある。
【0003】前記の場合、液晶表示装置は、偏光分離フ
ィルム、1/4波長板、偏光板及び液晶セルを順次配置
することにより形成されることとなる。しかしながら、
その偏光分離フィルム、1/4波長板及び偏光板を順次
配置した構成において、液晶表示装置にシミ模様や色ム
ラが発生して、表示品位に致命的な欠点を誘発する問題
点があった。
【0004】
【発明の技術的課題】本発明は、光の反射ロスが少なく
て光の利用効率に優れ、シミ模様や色ムラの発生による
表示品位の低下を生じずに明るさに優れる液晶表示装置
を形成できる楕円偏光素子の開発を課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、コレステリッ
ク液晶層からなる偏光分離フィルムと、少なくとも非接
着側の表面を粗面化した1/4波長板を応力緩和性に優
れる粘着層を介して接着した積層体からなり、さらに必
要に応じて偏光分離フィルム側に、裏面に反射層を有し
て表面より光を出射する導光板を当該粘着層を介して接
着してなることを特徴とする楕円偏光素子を提供するも
のである。
【0006】
【発明の効果】上記構成において偏光分離フィルムは、
導光板等を介した入射光を左右の円偏光に分離してその
一方を透過し、他方を反射する。その結果、反射光が偏
光分離フィルムと導光板の反射層の間に閉じ込められ、
その間で反射を繰り返す内に所定の円偏光に変換されて
偏光分離フィルムを透過しうる状態となり、入射光にお
ける当初より所定の状態にある円偏光と共に出射され、
これにより反射ロスによる光の未利用分が低減される。
【0007】一方、偏光分離フィルムより出射した円偏
光は1/4波長板を介して直線偏光や扁平な楕円偏光等
の直線偏光成分の多い状態に変換される。この変換光
は、その直線偏光方向が偏光板の透過軸と合致したと
き、殆ど吸収されずに偏光板を透過し、これにより吸収
ロスによる光の未利用分も低減される。その結果、従来
では反射ロスや吸収ロスとなっていた光も有効利用で
き、光の利用効率を向上させることができる。
【0008】前記において本発明の楕円偏光素子では、
1/4波長板の粗表面側を介して液晶セルの視認背面側
の偏光板が接することとなり、これにより液晶表示装置
におけるシミ模様や色ムラの発生による表示品位の低下
が防止される。この点より、上記したシミ模様や色ムラ
の発生は、1/4波長板と偏光板の密着によるスティッ
キング現象によるものと考えられる。
【0009】また粘着層を介して積層一体化したことに
より、各界面での反射ロスも少なく、界面への異物等の
侵入も防止して表示品位の低下も予防でき、光学系のズ
レによる変換効率の低下も防止できる。さらに応力緩和
性に優れる粘着層を介した積層一体化で、光源からの熱
により偏光分離フィルムや1/4波長板、さらには偏光
板に生じる応力を抑制でき、光弾性変形により発生する
屈折率の変化を防止することができる。上記の結果、明
るくて視認性や表示品位の信頼性に優れる液晶表示装置
を形成することができる。
【0010】
【発明の実施形態】本発明の楕円偏光素子は、コレステ
リック液晶層からなる偏光分離フィルムと、少なくとも
非接着側の表面を粗面化した1/4波長板を応力緩和性
に優れる粘着層を介して接着した積層体からなり、さら
に必要に応じて偏光分離フィルム側に、裏面に反射層を
有して表面より光を出射する導光板を当該粘着層を介し
て接着したものからなる。
【0011】図1、図2に本発明による楕円偏光素子5
を例示した。2,20,21,22,23が粘着層、3
が偏光分離フィルム、4が1/4波長板、41がその粗
表面であり、1が必要に応じての導光板である。図2の
如く偏光分離フィルム3は、複数のコレステリック液晶
層31,32,33の重畳層として形成されていてもよ
いし、1/4波長板4も複数の位相差層42,43の重
畳層として形成されていてもよい。
【0012】前記図例の導光板1を配置した楕円偏光素
子5によれば、導光板1の表面より出射した光のうち所
定の円偏光は、導光板の表面側に配置した偏光分離フィ
ルム3を透過し、1/4波長板4を介して外部に透過す
る。一方、所定外の円偏光は、偏光分離フィルム3で反
射され、その反射光は、導光板に再入射して裏面の反射
層11を介し反射され、戻り光として再び偏光分離フィ
ルム3に入射する。
【0013】前記の偏光分離フィルムによる反射光は、
導光板の裏面で反射される際に偏光状態が変化させら
れ、一部又は全部の反射光が偏光分離フィルムを透過し
うる所定の円偏光となる。従って偏光分離フィルムによ
る反射光は、その偏光分離フィルムを透過しうる所定の
円偏光となるまで偏光分離フィルムと導光板との間に閉
じ込められて、それらの間で反射を繰り返す。
【0014】一方、偏光分離フィルムより出射した円偏
光は、1/4波長板4に入射して位相変化を受け、その
位相変化が1/4波長に相当する波長の光は直線偏光に
変換され、その他の波長の光は楕円偏光に変換される。
その楕円偏光は、前記の直線偏光に変換された光の波長
に近いほど扁平な楕円偏光となる。その結果、偏光板を
透過しうる直線偏光成分を多く含む状態の光が1/4波
長板より出射される。
【0015】本発明において、偏光分離フィルムと1/
4波長板、及び必要に応じての導光板の各部品は、応力
緩和性に優れる粘着層を介して積層一体化される。その
場合、1/4波長板4は、粗表面が外側に位置するよう
に配置される。また導光板1は、楕円偏光素子5の偏光
分離フィルム3側にその表面(光出射)側が位置するよ
うに配置される。
【0016】偏光分離フィルムとしては、コレステリッ
ク液晶層からなるものが用いられる。コレステリック液
晶層によれば、左右の円偏光を透過と反射を介していず
れか一方に選択的に分離でき、視野角の広さに優れる利
点を有している。またコレステリック液晶層の場合、視
角変化に対する光学特性の変化が小さく、斜め方向から
も直接観察される直視型液晶表示装置に適している。
【0017】コレステリック液晶としては、適宜なもの
を用いることができ、特に限定はない。液晶層の重畳効
率や薄膜化などの点よりは液晶ポリマーの使用が有利で
ある。また複屈折の大きいコレステリック液晶分子ほど
選択反射の波長域が広くなって好ましい。好ましく用い
うる偏光分離フィルムとしては、コレステリック液晶ポ
リマーからなるフィルムや、コレステリック液晶ポリマ
ーからなる層をフィルム等の透明基材上に設けたものな
どがあげられる。
【0018】ちなみに液晶ポリマーとしては、例えばポ
リエステル等の主鎖型液晶ポリマー、アクリル主鎖やメ
タクリル主鎖、シロキサン主鎖等からなる側鎖型液晶ポ
リマー、低分子カイラル剤含有のネマチック系液晶ポリ
マー、キラル成分導入の液晶ポリマー、ネマチック系と
コレステリック系の混合液晶ポリマーなどがあげられ
る。取扱い性の点より、ガラス転移温度が30〜150
℃の液晶ポリマーが好ましく用いうる。
【0019】コレステリック液晶層の形成は、従来の配
向処理に準じた方法で行いうる。ちなみにその例として
は、基板上にポリイミドやポリビニルアルコール等の膜
を形成してレーヨン布等でラビング処理したものや、S
iO2の斜方蒸着層等からなる適宜な配向膜の上に液晶
ポリマーを展開してガラス転移温度以上、等方相転移温
度未満に加熱し、液晶ポリマー分子がグランジャン配向
した状態でガラス転移温度未満に冷却してガラス状態と
し、当該配向が固定化された固化層を形成する方法など
があげられる。
【0020】前記の基板としては、例えばトリアセチル
セルロースやポリビニルアルコール、ポリイミドやポリ
アリレート、ポリエステルやポリカーボネート、ポリス
ルホンやポリエーテルスルホン、エポキシ系樹脂の如き
プラスチックからなるフイルム、あるいはガラス板など
の適宜なものを用いうる。基板上に形成した液晶ポリマ
ーの固化層は、基板がフィルムからなる場合にはそれと
の一体物としてそのまま偏光分離フィルムに用いうる
し、基板より剥離してフィルム等からなる偏光分離フィ
ルムとして用いることもできる。フィルムからなる基板
との一体物として形成する場合には、偏光の状態変化の
防止性などの点より、位相差が可及的に小さいフィルム
を用いることが好ましい。
【0021】液晶ポリマーの展開は、加熱溶融方式によ
ってもよいし、溶剤による溶液として展開することもで
きる。その溶剤としては、例えば塩化メチレンやシクロ
ヘキサノン、トリクロロエチレンやテトラクロロエタ
ン、N−メチルピロリドンやテトラヒドロフランなどの
適宜なものを用いうる。展開は、バーコーターやスピナ
ー、ロールコーター、グラビア印刷方式などの適宜な塗
工機にて行うことができる。展開に際しては、必要に応
じ配向膜を介したコレステリック液晶層の重畳方式など
も採ることができる。
【0022】コレステリック液晶層の厚さは、配向の乱
れや透過率低下の防止、選択反射性(円偏光二色性を示
す波長範囲)などの点より、0.5〜100μm、就中
1〜70μm、特に1〜50μmが好ましい。形成する偏
光分離フィルムは、斜め入射光も含めた分離性能の均一
化等の点より平坦な層として形成されていることが好ま
しく、2層以上の重畳層として形成されている場合でも
各層は平坦なものであることが好ましい。なおコレステ
リック液晶層、ないし偏光分離フィルムの形成に際して
は、安定剤や可塑剤、あるいは金属類などからなる種々
の添加剤を必要に応じて配合することができる。
【0023】偏光分離フィルムは、上記した如く2層以
上のコレステリック液晶層を有する重畳体として形成す
ることもできる。重畳化は、分離機能の広波長域化や斜
め入射光の波長シフトに対処する点等より有利であり、
その場合には所定外の円偏光として反射する光の中心波
長が異なる組合せで重畳することが好ましく、また選択
反射の中心波長に基づき長短の順序通りに重畳すること
が好ましい。すなわち単層のコレステリック液晶層では
通例、選択反射性(円偏光二色性)を示す波長域に限界
があり、その限界は約100nmの波長域に及ぶ広い範囲
の場合もあるが、その波長範囲でも液晶表示装置等に適
用する場合に望まれる可視光の全域には及ばないから、
そのような場合に選択反射性の異なるコレステリック液
晶層を重畳させて円偏光二色性を示す波長域を拡大させ
ることができる。
【0024】ちなみにコレステリック液晶層の場合、そ
の液晶層に基づく選択反射の中心波長が300〜900
nmのものを同じ偏光方向の円偏光を反射する組合せで、
かつ選択反射の中心波長が異なる、就中それぞれ50nm
以上異なる組合せで用いて、その2〜6種類を重畳する
ことで広い波長域をカバーできる偏光分離フィルムを効
率的に形成することができる。コレステリック液晶層の
重畳には、製造効率や薄膜化などの点より液晶ポリマー
の使用が特に有利である。なお選択反射の中心波長が異
なり選択反射の波長域が不連続なコレステリック液晶ポ
リマー層同士を熱圧着等を介して密着させ、それを加熱
処理することにより前記不連続な波長域の幅を狭めるこ
とができ、選択反射の波長域が連続した偏光分離フィル
ムの形成も可能である。
【0025】従って偏光分離フィルムとしては、それが
所定外の円偏光として反射しうる光の波長域が導光板に
基づく出射光の波長域と可及的に一致したものが好まし
く用いうる。当該出射光に輝線スペクトル等の主波長が
ある場合には、その1種又は2種以上の主波長に対して
コレステリック液晶相等に基づく反射光の波長を一致さ
せることが偏光分離の効率性等の点より次善策となり、
必要重畳数の減少化等による偏光分離フィルムの薄層化
にも有利である。その場合、反射光の波長の一致の程度
は、導光板の1種又は2種以上の主波長光に対してそれ
ぞれ20nm以内の範囲とすることが好ましい。
【0026】前記において、偏光分離フィルムをコレス
テリック液晶層の重畳層として形成する場合、同じ偏光
方向の円偏光を反射するものの組合せで用いることを指
摘した。これは、各層で反射される円偏光の位相状態を
揃えて各波長域で異なる偏光状態となることを防止し、
利用できる状態の偏光の増量を目的とする。なお上記し
た如く、コレステリック液晶としては適宜なものを用い
てよいが、位相差の大きいコレステリック液晶分子ほど
選択反射の波長域が広くなり、層数の軽減や大視野角時
の波長シフトに対する余裕などの点より好ましく用いう
る。
【0027】本発明において用いる偏光分離フィルム
は、例えば低分子量体からなるコレステリック液晶層を
フィルム等の透明基材で挾持したセル形態、液晶ポリマ
ーからなるコレステリック液晶層を透明基材で支持した
形態、コレステリック液晶ポリマーのフィルムからなる
形態、それらの形態物を適宜な組合せで重畳した形態な
どの適宜な形態とすることができる。その場合、コレス
テリック液晶層をその強度や操作性などに応じて1層又
は2層以上の支持体で保持することもできる。2層以上
の支持体を用いる場合には、偏光の状態変化を防止する
点などより例えば無配向のフィルムや、配向しても複屈
折の小さいトリアセテートフィルムなどの如く位相差が
可及的に小さいものが好ましく用いうる。
【0028】偏光分離フィルムの片側に配置する1/4
波長板は、上記した如く偏光分離フィルムより出射した
円偏光の位相を変化させて直線偏光成分の多い状態に変
換することを目的とし、これにより偏光フィルム等から
なる偏光板を透過しやすい光などを得ることができる。
【0029】従って1/4波長板としては、偏光分離フ
ィルムより出射した円偏光を、1/4波長の位相差に相
当して直線偏光を多く形成しうると共に、他の波長の光
を前記直線偏光と可及的にパラレルな方向に長径方向を
有し、かつ可及的に直線偏光に近い扁平な楕円偏光に変
換しうるものが好ましく用いうる。かかる1/4波長板
を用いることにより、その出射光の直線偏光方向や楕円
偏光の長径方向が偏光板の透過軸と可及的に平行になる
ように配置して、偏光板を透過しうる直線偏光成分の多
い状態の光を得ることができる。
【0030】1/4波長板は、適宜な材質で形成でき、
透明で均一な位相差を与えるものが好ましい。1/4波
長板の位相差は、偏光分離フィルムより出射される円偏
光の波長域などに応じて適宜に決定しうる。ちなみに可
視光域では波長550nmの光に対する1/4波長板が好
ましい。
【0031】また位相差層は、視角によって着色する場
合があり、その着色を防止する点よりは、式:Nz
(nx−nz)/(nx−ny)で定義されるNzが、Nz
1.1を満足する屈折率楕円体からなる1/4波長板が
好ましく用いうる。なお前記の式において、nxは位相
差層の面内における最大屈折率、nyはnx方向に直交す
る方向の屈折率、nzは厚さ方向の屈折率を意味する。
【0032】1/4波長板は、単層の位相差層からなる
ものや、図2に例示した如く、1/4波長板として機能
しうる波長範囲の拡大を目的に、位相差が相違する2層
以上の位相差層を重畳したものなどとして得ることがで
きる。ちなみに、可視光域の広い範囲で1/4波長板と
して機能しうる重畳型の1/4波長板としては、例えば
波長550nmの光に対して1/2波長の位相差を与える
位相差層と、1/4波長の位相差を与える位相差層との
組合せで複数の位相差層をそれらの光軸を交差させた状
態で重畳したものなどがあげられる。
【0033】前記において、視角による着色を防止した
重畳型の1/4波長板を得る点よりは、当該Nz≦1.
1を満足する1/4波長の位相差を与える位相差層と、
1/2波長の位相差を与える位相差層の1層又は2層以
上とを用いた重畳体とすることが好ましい。
【0034】上記の如く1/4波長板は、位相差層の単
層物や重畳体として得られるが、その位相差層の形成に
は例えば位相差フィルムなどが用いられる。位相差フィ
ルムは、高分子フィルムを一軸や二軸等で適宜に延伸処
理してなるフィルムや、液晶ポリマーフィルムなどとし
て得ることができる。その高分子フィルムや液晶ポリマ
ーフィルムとしては適宜なものを用いうる。
【0035】ちなみに前記の高分子フィルムの具体例と
しては、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルホ
ン、ポリエーテルスルホン、ポリビニルアルコール、ポ
リスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリプロピレ
ンやその他のポリオレフィン、酢酸セルロース系ポリマ
ー、ポリ塩化ビニル、ポリアリレート、ポリアミドの如
き適宜な透明プラスチックからなるフィルムなどがあげ
られる。
【0036】本発明において1/4波長板の少なくとも
外側表面の粗面化は、楕円偏光素子の上に偏光板を介し
て液晶セルを配置した場合に、楕円偏光素子と偏光板の
密着によるシミ模様や色ムラの発生を防止することを目
的とする。1/4波長板の表面の粗面化は、必要に応じ
て1/4波長板の表裏面の両方に対して行うこともでき
る。
【0037】1/4波長板の表面の粗面化は、例えば微
粒子を1/4波長板表面にバインダ等を介して散布固着
させる方式、1/4波長板内に微粒子を含有させる方
式、1/4波長板の表面をエンボス加工やサンドブラス
ト加工する方式などの適宜な方式で、片表面又は両表面
に微細凹凸構造を付与することにより行うことができ
る。従って1/4波長板の粗表面は、液晶表示装置の視
認側にギラツキ防止を目的に施されるアンチグレア処理
に準じたものであってよい。
【0038】偏光板との密着防止によるシミ模様や色ム
ラの発生防止などの点より、1/4波長板における好ま
しい粗表面は、その表面粗さが中心線平均粗さ(Ra)
に基づいて0.1μm以上、10点平均粗さ(Rz)に
基づいて1μm以上の粗さ状態を有するものである。
【0039】なお前記の微粒子には、例えば平均粒径が
0.5〜20μmのシリカ、アルミナ、チタニア、ジル
コニア、酸化錫、酸化インジウム、酸化カドミウム、酸
化アンチモン等の導電性のこともある無機系微粒子や、
架橋又は未架橋ポリマー等の有機系微粒子などの適宜な
ものを用いうる。
【0040】本発明の楕円偏光素子においてその偏光分
離フィルム側に図例の如く、必要に応じて接着配置され
る導光板としては、裏面に反射層を有して光を表面側に
出射するようにした適宜なものを用いうる。好ましく
は、光を吸収なく効率的に出射するものが用いられる。
【0041】(冷,熱)陰極管等の線状光源や発光ダイ
オード等の光源を導光板1の側面に配し、その導光板に
導光板内を伝送される光を拡散や反射、回折や干渉等に
より板の片面側に出射するようにした、液晶表示装置で
公知のサイドライト型バックライトなどは前記導光板の
例である。
【0042】前記において、内部の伝送光を片面側に出
射するようにした導光板は、例えば透明又は半透明の樹
脂板の光出射面又はその裏面にドット状やストライプ状
の拡散体を設けたものや、樹脂板の裏面に凹凸構造、特
に微細プリズムのアレイ構造を付与したものなどとして
得ることができる。
【0043】一方の面側に光を出射する導光板は、それ
自体で偏光分離フィルムで反射された光を偏光変換する
機能を有しうるが、導光板の裏面に反射層11を設ける
ことで反射ロスをほぼ完全に防止することができる。拡
散反射層や鏡面反射層などの反射層は、偏光分離フィル
ムで反射された光を偏光変換する機能に優れ、本発明に
おいては好ましい。
【0044】ちなみに凹凸面等で代表される拡散反射層
は、その拡散に基づいて偏光状態がランダムに混在し偏
光の解消状態を形成する。またアルミニウムや銀等の蒸
着層、それを設けた樹脂板、金属箔などからなる金属面
で代表される鏡面反射層は、円偏光が反射されるとその
偏光状態が反転する。
【0045】導光板の形成に際しては、光の出射方向を
制御するためのプリズムシート、均一な発光を得るため
の拡散板、漏れ光を戻すための反射手段、光源からの出
射光を導光板の側面に導くための光源ホルダなどの適宜
な補助手段を必要に応じ所定位置に1層又は2層以上配
置した組合せ体とすることもできる。なお導光板の表面
側(光出射側)に配置したプリズムシートや拡散板、あ
るいは導光板に付与したドットなどは拡散効果等で反射
光の位相を変化させる偏光変換手段として機能しうる。
【0046】本発明の楕円偏光素子は、分離状態にあ
る、偏光分離フィルムと1/4波長板、及び必要に応じ
ての導光板の各部品を応力緩和性に優れる粘着層を介し
接着して積層体としたものである。偏光分離フィルムや
1/4波長板や導光板のそれぞれを形成する各素材が密
着一体化状態になくて分離状態にある場合には、その密
着一体化にもかかる粘着層が好ましく用いられる。
【0047】粘着層の形成には、例えばアクリル系重合
体やシリコーン系ポリマー、ポリエステルやポリウレタ
ン、ポリエーテルや合成ゴムなどの適宜なポリマーを用
いてなる、応力緩和性に優れる透明な粘着剤を用いう
る。就中、光学的透明性や粘着特性、耐候性などの点よ
りアクリル系粘着剤が好ましく用いうる。また粘着層と
しては、熱により積層体内部に発生する内部応力の緩和
による光弾性変形の防止性などの点より、緩和弾性率が
2×105〜1×107dyne/cm2、就中2×106〜8×
106dyne/cm2のものが好ましい。
【0048】前記アクリル系粘着剤を形成するアクリル
系重合体の具体例としては、例えばメチル基やエチル
基、n−プロピル基やイソプロピル基、n−ブチル基や
イソブチル基、ペンチル基やイソアミル基、ヘキシル基
やヘプチル基、シクロヘキシル基や2−エチルヘキシル
基、オクチル基やイソオクチル基、ノニル基やイソノニ
ル基、ラウリル基やドデシル基、デカニル基やイソデカ
ニル基の如きアルキル基、就中、炭素数が2〜14のア
ルキル基を有するアクリル酸やメタクリル酸のエステル
の1種又は2種以上を、必要に応じ改質用モノマーの1
種又は2種以上と共に重合処理したものなどがあげられ
る。
【0049】前記改質用モノマーの具体例としては、
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルや(メタ)ア
クリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸
4−ヒドロキシブチルや(メタ)アクリル酸6−ヒドロ
キシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオク
チルや(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、
(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリルや(4−
ヒドロキシメチルシクロヘキシル)−メチルアクリレー
トの如きヒドロキシル基含有モノマー、アクリル酸やメ
タクリル酸、カルボキシエチルアクリレートやカルボキ
シペンチルアクリレート、イタコン酸やマレイン酸、ク
ロトン酸の如きカルボキシル基含有モノマー、無水マレ
イン酸や無水イタコン酸の如き酸無水物モノマー、2−
アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の如き
スルホン酸基含有モノマー、2−ヒドロキシエチルアク
リロイルホスフェートの如き燐酸基含有モノマーなどが
あげられる。
【0050】また、(メタ)アクリルアミドやN−置換
(メタ)アクリルアミドの如きアミド系モノマー、N−
シクロヘキシルマレイミドやN−イソプロピルマレイミ
ド、N−ラウリルマレイミドやN−フェニルマレイミド
の如きマレイミド系モノマー、N−メチルイタコンイミ
ドやN−エチルイタコンイミド、N−ブチルイタコンイ
ミドやN−オクチルイタコンイミド、N−2−エチルヘ
キシルイタコンイミドやN−シクロヘキシルイタコンイ
ミド、N−ラウリルイタコンイミドの如きイタコンイミ
ド系モノマー、N−(メタ)アクリロイルオキシメチレ
ンスクシンイミドやN−(メタ)アクリロイル−6−オ
キシヘキサメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アク
リロイル−8−オキシオクタメチレンスクシンイミドの
如きスクシンイミド系モノマーなども改質用モノマーと
してあげられる。
【0051】さらに、酢酸ビニルやN−ビニルピロリド
ン、N−ビニルカルボン酸アミド類やスチレンの如きビ
ニル系モノマー、ジビニルベンゼンの如きジビニル系モ
ノマー、1,4−ブチルジアクリレートや1,6−ヘキ
シルジアクリレートの如きジアクリレート系モノマー、
(メタ)アクリル酸グリシジルやテトラヒドロフルフリ
ル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メ
タ)アクリレートやポリプロピレングリコール(メタ)
アクリレート、フッ素(メタ)アクリレートやシリコー
ン(メタ)アクリレートの如きアクリル酸エステル系モ
ノマー、メチル(メタ)アクリレートやオクタデシル
(メタ)アクリレートの如き上記した主成分をなすモノ
マーとは異なるエステル基を有する(メタ)アクリル酸
エステルなども改質用モノマーとしてあげられる。
【0052】上記した改質用モノマーにおいて、分子間
架橋剤と反応しうる官能基を有してアクリル系共重合体
の分子間架橋に関与しうるモノマー、例えば上記したカ
ルボキシル基含有モノマーや酸無水物モノマー、(メ
タ)アクリル酸グリシジルやヒドロキシル基含有モノマ
ーなどは好ましく用いうる。就中、カルボキシエチルア
クリレートや(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシ
ルの如く架橋反応性に富むモノマーは、少量の共重合で
必要な架橋性を付与しうることから、得られるアクリル
系共重合体の緩和弾性率を上昇させにくく、特に好まし
く用いうる。
【0053】アクリル系重合体の調製方式は任意であ
り、溶液重合法や乳化重合法、塊状重合法や懸濁重合法
などの適宜な方式を採ることができる。その重合に際し
ては、例えばヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート
や(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレ
ートやネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートやト
リメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペン
タエリスリトールトリ(メタ)アクリレートやジペンタ
エリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エポキシ
アクリレートやポリエステルアクリレート、ウレタンア
クリレートなどの多官能系モノマーも用いうる。
【0054】重合処理に際しては必要に応じ重合開始剤
を用いうる。その使用量は、常法に準じることができ、
一般にはモノマー成分の0.001〜5重量%が用いら
れる。重合開始剤の例としては、過酸化ベンゾイルやt
-ブチルパーベンゾエイト、クメンヒドロパーオキシド
やジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−
プロピルパーオキシジカーボネートやジ(2−エトキシ
エチル)パーオキシジカーボネート、t-ブチルパーオ
キシネオデカリエートやt-ブチルパーオキシビバレー
ト、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキ
シドやジプロピオニルパーオキシド、ジアセチルパーオ
キシドの如き有機過酸化物があげられる。
【0055】また2,2'−アゾビスイソブチロニトリル
や2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,
1'−アゾビス(シクロヘキサン1−カルボニトリル)
や2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メト
キシバレロニトリル)やジメチル2,2'−アゾビス(2
−メチルプロピオネート)、4,4'−アゾビス(4−シ
アノバレリック酸)や2,2'−アゾビス(2−ヒドロキ
シメチルプロピオニトリル)、2,2'−アゾビス[2−
(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]の如きアゾ
系化合物、過硫酸カリウムや過硫酸アンモニウムや過酸
化水素等、あるいはそれらと還元剤を併用したレドック
ス系開始剤なども重合開始剤としてあげられる。
【0056】耐湿熱性等の点より好ましく用いうるアク
リル系重合体は、その重量平均分子量が10以上、就中
20万以上、特に40万以上のものである。また、かか
るアクリル系重合体は必要に応じ分子間架橋剤等で架橋
処理して、分子量の増量等により粘着特性の改良を図る
こともできる。ちなみに分子間架橋剤の例としては、ト
リレンジイソシアネートやトリメチロールプロパントリ
レンジイソシアネート、ジフェニルメタントリイソシア
ネートの如き多官能イソシアネート系架橋剤、ポリエチ
レングリコールジグリシジルエーテルやジグリシジルエ
ーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテ
ルの如きエポキシ系架橋剤、その他、メラミン樹脂系架
橋剤や金属塩系架橋剤、金属キレート系架橋剤やアミノ
樹脂系架橋剤などの適宜なものを用いうる。
【0057】粘着層の厚さは適宜に決定してよい。一般
には、接着力や薄型化等の点より1〜500μm、就中
2〜200μm、特に5〜100μmとされる。なお粘着
層には必要に応じて、石油系樹脂やロジン系樹脂、テル
ペン系樹脂やクマロンインデン系樹脂、フェノール系樹
脂やキシレン系樹脂、アルキド系樹脂の如き粘着付与
剤、フタル酸エステルやリン酸エステル、塩化パラフィ
ンやポリブテン、ポリイソブチレンの如き軟化剤、ある
いはその他の各種充填剤や老化防止剤などの適宜な添加
剤を配合することができる。
【0058】楕円偏光素子の形成は、例えばフィルム等
の薄葉体を剥離剤で表面処理してなるセパレータ上に設
けた粘着層を偏光分離フィルムの接着面に移着し、その
上に1/4波長板を粗表面が外側に位置するように配置
して圧着する方式などがあげられる。
【0059】また導光板等の接着面にパレータ上に設け
た粘着層を移着し、その上に偏光分離フィルムを配置し
て圧着した後、その上に粘着層を同様にして移着して1
/4波長板を粗表面が外側に位置するように順次圧着す
る方式、あるいは予め所定の接着面に設けた粘着層を介
して偏光分離フィルムや1/4波長板や導光板等の被着
体を所定の順序で積層し、それをプレス処理して一括的
に圧着する方式などもあげられる。
【0060】本発明においては、楕円偏光素子を形成す
る各部品を所定の粘着層を介して所定の配置順序で接着
積層する点を除いて、その処理順序等については特に限
定はなく、適宜な方式で楕円偏光素子を形成してよい。
なお偏光分離フィルムや1/4波長板や導光板等が複数
の分離素材で形成される場合にも、粘着層を介した接着
一体化物として形成することが好ましい。
【0061】上記のように本発明の楕円偏光素子は、導
光板等の適宜な光源との組合せで用いて、偏光分離フィ
ルムによる反射円偏光を偏光変換して出射光として再利
用することで反射ロスを防止し、その出射光を1/4波
長板を介し位相制御して偏光板透過性の直線偏光成分を
リッチに含む状態に変換することで偏光板による吸収ロ
スを防止し、光利用効率の向上をはかりうるようにした
ものである。
【0062】従って、光の利用効率に優れて偏光板を透
過しやすい光を提供し、大面積化等も容易であることよ
り液晶表示装置等におけるバックライトシステムなどと
して種々の装置に好ましく用いることができる。その場
合、1/4波長板を出射した光を光源として利用する点
よりは、直線偏光や楕円偏光の長径方向成分などとして
偏光板を透過しうる直線偏光成分を65%以上、就中7
0%以上含むことが好ましい。
【0063】本発明の楕円偏光素子をバックライトシス
テムに用いた液晶表示装置を図3に例示した。これは、
楕円偏光素子5に設けた導光板1の側面に光源12を有
してバックライトシステムを形成する。6,61が偏光
板、7が液晶セルであり、13,15,24,25,2
6,27,28は粘着層、14,9は光拡散板、16は
プリズムシート、8は位相差フィルムである。図例の如
く液晶セルは、楕円偏光素子における1/4波長板4の
側に配置される。
【0064】液晶表示装置は一般に、偏光板、液晶セ
ル、バックライト、及び必要に応じての補償用位相差フ
ィルム等の構成部品を適宜に組立てて駆動回路を組込む
ことなどにより形成される。本発明においては、液晶セ
ルを偏光板を介し楕円偏光素子の1/4波長板側に設け
る点を除いて特に限定はなく、従来に準じて液晶表示装
置を形成しうるが、各構成部品は粘着層を介して接着一
体化されていることが好ましい。なお図3の如く本発明
の楕円偏光素子は、液晶セル7の両側に偏光板6,61
を有する液晶表示装置の形成に特に好ましく用いうる。
【0065】また本発明の楕円偏光素子は、偏光状態の
光を入射させる必要のある液晶セル、例えばツイストネ
マチック液晶やスーパーツイストネマチック液晶を用い
たものなどに好ましく用いうるが、非ツイスト系の液晶
や二色性物質を液晶中に分散させたゲストホスト系の液
晶、あるいは強誘電性液晶を用いたものなどにも用いう
る。液晶の駆動方式についても特に限定はない。
【0066】液晶表示装置の形成に際しては、例えば視
認側の偏光板の上に設ける光拡散板やアンチグレア層、
反射防止膜や保護層や保護板、あるいは液晶セルと視認
側又は/及びバックライト側の偏光板の間に設ける補償
用位相差板などの適宜な光学素子を適宜に配置すること
ができる。
【0067】前記の光拡散板は、光を拡散して輝度の均
質化や光放射方向の拡大等を目的とする。従って光拡散
板は、例えば偏光分離フィルムや導光板の上面などの、
楕円偏光素子の表面や内部の適宜な位置に1層又は2層
以上を配置することもできる。光拡散板としては、1/
4波長板で例示した微細凹凸構造や導光板で例示した拡
散構造等の適宜な方式による拡散構造を有する透明フィ
ルムなどの適宜なものを用いることができ、公知の光拡
散板のいずれも用いうる。また補償用位相差板は、液晶
セル等による複屈折性を補償して表示の着色化防止など
を目的とし、上記した1/4波長板に準じて延伸フィル
ムなどとして得ることができる。
【0068】なお偏光板を介した液晶セルと楕円偏光素
子の配置に際し、その1/4波長板の進相軸又は遅相軸
に対する偏光板の偏光軸の配置角度は、1/4波長板の
位相差特性や、それに入射する円偏光の特性などに応じ
て適宜に決定しうるが、光利用効率の向上等の点より1
/4波長板を介し直線偏光化された光の偏光方向に対し
偏光板の透過軸を可及的に平行に配置することが好まし
い。
【0069】また本発明においては、楕円偏光素子を形
成する粘着層や偏光分離フィルムや1/4波長板、ある
いはその他の導光板や位相差板、光拡散板等の形成部品
を、例えばサリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノ
ール系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、シアノア
クリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等の紫外線
吸収剤で処理する方式などにより紫外線吸収能をもたせ
ることもできる。
【0070】
【実施例】
実施例1 裏面にAl蒸着層からなる反射層を設けたポリメチルメ
タクリレートからなる厚さ3mmの導光板の側面に直径
2.4mmの冷陰極管を配置し、アルミニウム蒸着フィル
ムにてその導光板の側面と冷陰極管を包囲した後、導光
板の表面に400〜700nmの波長範囲で選択反射性を
示す偏光分離フィルムと表面粗面化の1/4波長板をそ
の粗表面側を外側にして厚さ20μmのアクリル系粘着
層を介して順次配置し、それをプレス圧着して積層一体
化し、楕円偏光素子を得た。
【0071】なお前記の偏光分離フィルムは、メタクリ
ル系主鎖の側鎖型ネマチック液晶ポリマーにカイラル剤
(チッソ社製、CM−32)を添加したテトラクロロエ
タン溶液を、厚さ50μmのトリアセチルセルロースフ
ィルムのポリイミドラビング処理面上にスピンコート方
式で塗工し、150℃で10分間乾燥硬化させて厚さ5
μmのコレステリック液晶層を形成する方法で、鏡面状
の選択反射状態を呈する選択反射の中心波長が450n
m、550nm、又は650nmの3種類のコレステリック
液晶層付設フィルムを得、それらを厚さ20μmのアク
リル系粘着層を介し圧着積層して一体化することにより
得たものである。前記の選択反射の中心波長の調節は、
カイラル剤の添加量を変えることにより行った。
【0072】また1/4波長板は、厚さ100μmのポ
リカーボネートフィルムを160℃で1.05倍に一軸
延伸処理して得た波長550nmの光に対し1/4波長の
位相差を与える、延伸軸が17.5度となるように切り
出した位相差フィルムと、厚さ100μmのポリカーボ
ネートフィルムを160℃で1.09倍に一軸延伸処理
して得た波長550nmの光に対し1/2波長の位相差を
与える、延伸軸が80度となるように切り出した位相差
フィルムを厚さ20μmのアクリル系粘着層を介し圧着
積層して一体化することにより得たものである。
【0073】一方、1/4波長板表面の粗面化は、前記
1/4波長板の片面に、平均粒径1.8μmの合成シリ
カ粒子8重量部と紫外線硬化型アクリルウレタン系オリ
ゴマー100重量部とベンゾフェノン3重量部を混合し
た分散液をワイヤバーにて塗布し、その厚さ10μmの
塗布層を高圧水銀ランプにて積算光量150mj/cm2
光を照射して速やかに硬化処理して得たものであり、そ
のRaは0.33μm、Rzは3.5μmであった。
【0074】さらにアクリル系粘着層は、冷却管と窒素
導入管と温度計と撹拌装置を備えた反応容器に、アクリ
ル酸ブチル99.9重量部/アクリル酸6−ヒドロキシ
ヘキシル0.1重量部/2,2−アゾビスイソブチロニ
トリル0.3重量部を、酢酸エチル120重量部と共に
入れて窒素ガス気流下に60℃で4時間、ついで70℃
で2時間反応させて得た溶液に酢酸エチル114重量部
を加えて固形分濃度を30重量%に調節し、それに固形
分100重量部あたり0.3重量部のトリメチロールプ
ロパントリレンジイソシアネートを加えて得たアクリル
系粘着剤を、シリコーン系剥離剤で表面処理したポリエ
ステルフィルム製セパレータ上に塗工し、120℃で3
分間加熱乾燥して形成したものである。そのアクリル系
粘着層の緩和弾性率は、6×106dyne/cm2であった。
【0075】比較例 表面が平坦な1/4波長板を用いたほかは実施例1に準
じて楕円偏光素子を得た。
【0076】評価試験 実施例1、比較例で得た楕円偏光素子の1/4波長板の
上に液晶表示パネルを配置し、その液晶表示パネルの視
認側におけるバックライト点灯時の正面輝度を測定し、
またその表示状態を調べた。なお前記の液晶表示パネル
は、液晶セルの両側にアクリル系粘着層を介し楕円偏光
板(日東電工社製、NRZ・EF・EG)を接着したも
のである。
【0077】前記の結果、実施例1及び比較例の正面輝
度は120cd/cm2で同じであった。一方、表示状態で
は、実施例1がシミ模様及び色ムラの発生なく、パネル
全面でほぼ均一な表示を示したが、比較例ではシミ模様
及び色ムラが発生し、パネル上で部分的に表示ムラが発
生した。
【0078】また実施例1の楕円偏光素子を用いた液晶
表示装置では、前記の如く入射光の反射ロスが少なく、
偏光板透過性の光を多く含有して吸収ロスも少なく供給
光の利用効率に優れて高輝度の明るい表示が得られるこ
とに加えて、光源からの熱等の影響も含めて表示ムラを
発生しにくく、視認性に優れていた。
【図面の簡単な説明】
【図1】楕円偏光素子例の断面図
【図2】他の楕円偏光素子例の断面図
【図3】液晶表示装置例の断面図
【符号の説明】
1:導光板 11:反射層 14:光拡散板 16:プリズムシート 5:楕円偏光素子 2,13,15,20〜28:粘着層 3:偏光分離フィルム 31,32,33:コレステリック液晶層 4:1/4波長板 41:粗表面 42,43:位相差層 6,61:偏光板 7:液晶セル 8:位相差板 9:光拡散板

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コレステリック液晶層からなる偏光分離
    フィルムと、少なくとも非接着側の表面を粗面化した1
    /4波長板を応力緩和性に優れる粘着層を介して接着し
    た積層体からなることを特徴とする楕円偏光素子。
  2. 【請求項2】 請求項1において、偏光分離フィルムが
    選択反射の中心波長が異なる2層以上のコレステリック
    液晶層の接着重畳体からなる楕円偏光素子。
  3. 【請求項3】 請求項2において、偏光分離フィルムが
    連続した選択反射の波長域を示すものである楕円偏光素
    子。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3において、1/4波長板
    が、フィルム面内の最大屈折率をnx、その直交方向の
    屈折率をny、厚さ方向の屈折率をnzとしたとき、式:
    z=(nx−nz)/(nx−ny)で表されるNzが1.
    1以下の位相差フィルムを用いたものである楕円偏光素
    子。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4において、1/4波長板が
    位相差フィルムの単層物、又は位相差相違の2枚以上の
    接着重畳体からなる楕円偏光素子。
  6. 【請求項6】 請求項5において、1/4波長板が、当
    該Nz≦1.1を満足する1/4波長板と1枚又は2枚
    以上の1/2波長板との接着重畳体からなる楕円偏光素
    子。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6において、1/4波長板の
    表面粗さが中心線平均粗さに基づいて0.1μm以上、
    10点平均粗さに基づいて1μm以上である楕円偏光素
    子。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7において、偏光分離フィル
    ム側に、裏面に反射層を有して表面より光を出射する導
    光板が応力緩和性に優れる粘着層を介して接着された楕
    円偏光素子。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8において、粘着層が2×1
    5〜1×107dyne/cm2の緩和弾性率を有するもので
    ある楕円偏光素子。
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