JPH11271516A - 回折型カラーフィルター及びそれを用いた液晶表示装置 - Google Patents

回折型カラーフィルター及びそれを用いた液晶表示装置

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JPH11271516A
JPH11271516A JP7902998A JP7902998A JPH11271516A JP H11271516 A JPH11271516 A JP H11271516A JP 7902998 A JP7902998 A JP 7902998A JP 7902998 A JP7902998 A JP 7902998A JP H11271516 A JPH11271516 A JP H11271516A
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diffraction
color filter
diffraction grating
light
liquid crystal
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JP7902998A
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Yuichiro Otoshi
祐一郎 大利
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  • Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、製造方法が簡単で、材料特性によ
る制限がほとんどなく、高い回折効率を持ち、かつ回折
効率の波長依存性、角度依存性が少ない回折型カラーフ
ィルターを提供することを目的とする。 【解決手段】 回折格子からなり、該回折格子の回折面
の法線に対して所定の角度で入射する白色光を波長分散
させて分光する回折型カラーフィルターにおいて、前記
回折格子は1次元の表面レリーフ型回折格子であり、前
記回折格子の回折格子ベクトルはカラーフィルター面に
平行であり、前記回折格子の周期Λ、設計波長をλ0
回折面を設ける基板の屈折率をnとしたとき、Λ、λ0
が、λ0/n<Λ<2λ0/n、0.50μm<λ0<0.
60μmの条件式を満足する構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回折格子を用いた
カラーフィルターに関するもので、特に、照明光の利用
効率向上を図った回折型カラーフィルターに関するもの
である。また、該回折型カラーフィルターを用いた液晶
表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子を用いた表示装置において
は、R(赤)、G(緑)、B(青)それぞれに対応した
3枚の表示素子を用いた構成(3板式)のものと、1枚
の表示素子を用いた構成のもの(単板式)とがある。単
板式の方が、装置が小型化できまたコストの面で非常に
有利である。従来より、一般的に知られている単板式の
ものは、表示素子にR、G、Bのパターンを有する吸収
型フィルターを設けることによりカラー化を達成してい
る。つまり、例えばRの画素では、フィルターによりR
以外の色の光が吸収される。
【0003】しかしながら、吸収型フィルターを用いる
と、略2/3の光を無駄にしてしまうことになり、照明
効率が非常に悪いという欠点がある。これを解決する方
法として、カラーフィルターにホログラムを用いた方法
が開示されている。この方法によると、照明光の利用効
率を上げることができる。
【0004】ホログラムを用いたカラーフィルターにお
いては、一般的に回折効率の波長依存性が少ない透過型
ホログラムを用いる。しかしながら、波長依存性が少な
いとはいっても、R、G、Bの広い波長域においては、
Gの波長を中心波長として製造したホログラムでの、B
及びRでの回折効率が小さくなることは避けられない。
これはホログラムが厚みをもつからである。従って、白
色光の照明を行った場合、色による回折効率の違いか
ら、カラーバランスが悪化するという問題がある。この
ことを以下に簡単に説明する。
【0005】ホログラムの回折効率の計算においては、
通常H.Kogelnik,“Coupled Wave Theory for Thick Hol
ogram Gratings”,Bell.Syst.Tech.J.,48,2909(1969)に
よる近似式が用いられる。これによると、ブラッグ条件
がほぼ満足されている場合において、設計波長での1次
光の回折効率はsin2(ν)で近似できる。従って、ν=π
/2のとき、1次光の回折効率は理論上からは100%
となる。ここで、νはホログラムの種々のパラメータに
依存する。簡単のため、ホログラム内部の格子ベクトル
がホログラム面に平行であるとすると、νは以下の式で
与えられる。
【0006】 ν=πn1d/λcosθ ・・・・(10) ここで、λは設計波長、n1はホログラム層の屈折率変
調量、dはホログラムの厚み、θはホログラム内部での
回折角度である。
【0007】ホログラムを用いたカラーフィルターの場
合においては、n1すなわち屈折率の変調量は、0.02〜
0.04程度である。従って、dをある程度大きくしない
と、十分な回折効率を得られないことがわかる。上記si
n2(ν)は、設計波長λの光が設計角度でホログラムに入
射した場合の回折効率の計算式であるが、波長または入
射角度が変化した場合においては、回折効率ηは次の式
で計算される。
【0008】 η=sin2{(ν2+ξ21/2/(1+ξ2/ν2)} ・・・・(11) ここで、ξは波長または角度の設計値からのずれに比例
するパラメータであり、ホログラムの厚みdにも比例す
る。従って、ホログラムの厚みが大きいほど、回折効率
は波長または角度の変化に対して大きく低下する。
【0009】回折格子によってR、G、Bの色をそれぞ
れ所望の角度成分に分離する必要のあるホログラムカラ
ーフィルターにおいては、回折の周期は波長の数倍以下
である必要がある。ホログラムの厚みdは、一般的に回
折効率を考慮して、波長の10〜20倍程度に設計され
ているものが多いが、このような厚さを有するホログラ
ムにおいては、式(11)を参照してもわかるように、
ξの寄与が大きくなるため、波長または角度の変化に対
して依存性がほとんどない回折効率が得られるものを構
成することは理論上困難となる。
【0010】回折効率の波長依存性を小さくするため
に、特願平7−170922号公報及び特願平7−29
0820号公報などでは、2枚のホログラムが重畳ある
いは多重記録されてなるホログラムフィルターが開示さ
れている。該ホログラムフィルターにおいて、2枚のホ
ログラムは、波長分散の空間的な波長分布は相互に略一
致するが回折効率のピーク波長は相互に異なるものとし
ている。
【0011】また、特願平7−260007号公報で
は、3波長それぞれに対して最適化した厚いホログラム
を3つ用いたホログラムフィルターが開示されている。
該ホログラムフィルターにおいては、それぞれのホログ
ラムでそれぞれの波長がフィルタリングされるように構
成されているので、回折効率の波長依存性が小さくな
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術の回折効率の波長依存性を小さくしたホログラム
フィルターにおいては、2枚のホログラムを重畳あるい
は多重記録する必要があるため、製造方法が複雑にな
る。あるいは、3つのホログラムを用いる必要があるた
めに、コストが高くなる。さらに、ホログラムフィルタ
ーの厚さが厚くなるので、入射角度に対する回折効率の
変化がさらに大きくなるという問題点がある。
【0013】また、ホログラムの特性は材料の特性に依
存し、材料特性に制限される。さらに、高輝度の光源を
用いる必要がある投影型表示装置等においては、経時変
化による性能劣化などの課題がある。
【0014】本発明は、製造方法が簡単で、材料特性に
よる制限がほとんどなく、高い回折効率を持ち、かつ回
折効率の波長依存性、角度依存性が少ない回折型カラー
フィルターを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明は、回折格子からなり、該回
折格子の回折面の法線に対して所定の角度で入射する白
色光を波長分散させて分光する回折型カラーフィルター
において、前記回折格子は1次元の表面レリーフ型回折
格子であり、前記回折格子の回折格子ベクトルはカラー
フィルター面に平行であり、前記回折格子の周期Λ、設
計波長をλ0、回折面を設ける基板の屈折率をnとした
とき、Λ、λ0が、λ0/n<Λ<2λ0/n、0.50
μm<λ0<0.60μmの条件式を満足する構成とす
る。
【0016】上記構成の回折型カラーフィルターは、波
長オーダーの周期を持つ微細な構造の回折格子からな
る。尚、照明光の利用効率向上を図るために開示されて
いる従来の回折格子は、フォトポリマーや重クロム酸ゼ
ラチンなどを用いた体積型ホログラム回折格子が多く、
ホログラムとしてレリーフ型回折格子も提案されている
が、上記構成のように、表面型レリーフ回折格子を用い
た構成についての具体的な記載はない。このような表面
レリーフ型回折格子を用いた場合の最適な構成は、従来
の回折格子と異なる。
【0017】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の回折型カラーフィルターにおいて、前記回折格子は2
値のバイナリー格子であり、格子の高さhは0.5<h
/Λ<2.5を満足する構成とする。
【0018】上記構成の回折型カラーフィルターは、格
子の高さが波長程度と非常に薄い回折格子からなる。
【0019】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2に記載の回折型カラーフィルターにおいて、前記回折
格子は、略平行の白色光が回折面の法線に対して略30
度の傾きを有して入射するように配置されている構成と
する。
【0020】上記構成の回折型カラーフィルターは、白
色光の入射角が略30度であり、Gの光の出射角度を略
同じ角度とするように構成できる。このような構成にお
いては、不要な高次回折光がほとんど発生しない。
【0021】請求項4に記載の発明は、請求光1乃至3
いずれかに記載の回折型カラーフィルターにおいて、前
記回折格子の断面形状は略矩形波状である構成とする。
【0022】請求項5に記載の発明は、入射する光束に
対して光変調処理を施す液晶表示素子と、前記液晶表示
素子に与える照明光を発光する白色光源と、前記照明光
を互いに異なる波長域を有する光束に分割する光束分割
手段と、前記液晶表示素子により光変調処理を施された
光束を投影する投影光学系とを有する液晶表示装置にお
いて、前記光束分割手段は請求項1乃至4いずれかに記
載の回折型カラーフィルターからなり、さらに前記回折
型カラーフィルターと前記液晶表示素子の間にマイクロ
レンズアレイが配置されている構成とする。
【0023】上記構成においては、例えばマイクロレン
ズアレイを、Gの回折光が垂直に入射するように配置す
る。このように配置すると、マイクロレンズアレイによ
り各色の光を液晶表示素子の対応する画素上に集光する
ことができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の回折型カラーフィ
ルター及びそれを用いた表示装置について、実施の形態
に基づいて説明する。
【0025】〈第1の実施形態〉図1は、本実施形態の
1次元の表面レリーフ型回折格子からなる回折型カラー
フィルター1の断面図である。カラーフィルター1は、
その断面形状が、矩形波状である。h、Λはそれぞれ格
子の高さ、周期である。λ0を設計波長、nを回折面を
設ける基板3の屈折率とすると、h、Λ、λ0は、以下
の条件式を満足するものとする。 λ0/n<Λ<2λ0/n ・・・・(1) 0.50μm<λ0<0.60μm ・・・・(2) 0.5<h/Λ<2.5 ・・・・(3)
【0026】条件式(1)は格子周期の大きさを規制す
るもので、上限を超えると、設計波長λ0においても、
0次および1次以外の高次光が発生し、回折効率が低下
する。一方、下限を超えると、0次光のみになり回折光
がなくなってしまう。
【0027】条件式(2)は設計波長を規制するもの
で、下限を超えると、Rでの回折効率の低下が大きくな
る。また、上限を超えると、Bでの回折効率の低下が大
きくなる。
【0028】条件式(3)は、格子の高さを規制するも
ので、上限を超えると、回折効率の入射角度や波長によ
る依存性が大きくなる。また、下限を超えると、回折効
率が非常に小さくなってしまう。
【0029】本実施形態のカラーフィルター1の回折格
子面を構成する2つの媒質2、3のうち媒質2は空気で
ある。空気であることにより、薄い回折格子でも高い屈
折率変調量を確保でき、ひいては高い回折効率を得るこ
とができる。もう一方の媒質3である基板の屈折率をn
とすると、nは以下の条件式を満たすことが望ましい。 n≦1.8 ・・・・(4) 上限を超えると、格子周期が小さくなり製造が困難とな
る。
【0030】本実施形態のカラーフィルター1は、fill
ing factor(回折格子部分の屈折率の高い部分と低い部
分の幅の比)を0.5、設計波長を0.55μm(条件
式(2)を満たす)、格子の周期を0.55μmとし
た。
【0031】回折型カラーフィルター1の作用を図2に
示す。本実施形態の回折型カラーフィルター1は、回折
面の法線に対して30゜の入射角度で入射する白色光を
波長分散させるように構成されている。よって、回折型
カラーフィルター1は、光源からの略平行の白色光が略
30゜の入射角度で入射するように配置する。入射した
白色光は、回折型カラーフィルター1により、回折作用
を受けて、Gの光はカラーフィルター1に対して略30
゜の角度で出射され、RおよびBについては、Gに対し
て略±10゜の角度で出射される。
【0032】図3に、回折方向のGの光のベクトルダイ
アグラムを示す。図中ρは入射光の伝搬ベクトル、σは
回折光ベクトル、Kは回折ベクトルを表す。尚、|ρ
|、|σ|はそれぞれ2π/λとなり、|K|は2π/
Λであるので、本実施形態のカラーフィルター1におい
ては、λ=Λであるので|ρ|=|K|となり、ρ、
σ、Kを3辺とする三角形は正三角形となる。
【0033】このようなベクトルダイアグラムとなる場
合、G、Rの光の回折光は、0次と1次のみとなり、−
1次や2次といった高次回折光がほとんど発生しない。
Rの光については、1次の回折効率が100%に満たな
いわずかに低下した分が0次光として発生するが、それ
以外の高次光はほとんど発生しない。
【0034】また、Bの光については、1次の回折効率
が100%に満たないわずかに低下した分が2次光、0
次光として発生するが、それ以外の高次光はほとんど発
生しない。したがって、R、G、B各波長の光におい
て、高い回折効率を得ることができる。
【0035】回折型カラーフィルター1と同様の構成の
回折格子の、400nm〜700nmの波長範囲におけるS
偏光に対する回折効率を計算によって求めた。尚、計算
には、近似式ではなく、ベクトル解析理論に基づく厳密
な手法RCWA(Rigorous Coupled Wave Analysis)を
用いた。
【0036】回折効率は、回折格子の基板屈折率が1.
52、格子の高さが0.88μmであるときに最適であ
ったので、本実施形態のカラーフィルター1の各値もこ
の最適値を採用して構成されている。つまり、n=1.
5、h=0.88μmである。尚、基板屈折率nが1.
52であるので、本実施形態のΛは条件式(1)を満た
し、格子の高さhも条件式(3)を満たす。
【0037】図4に、本実施形態の回折型カラーフィル
ター1におけるRCWAにより求めた回折効率η1の波
長(λ)依存性の計算値を示す。比較のために、従来の
単層ホログラムを用いたカラーフィルタにおける回折効
率η1の波長(λ)依存性の計算値を図5に示す。図5
には、屈折率n=1.52、厚みd=6μm、波長λ=
0.55μmで最適化したときの、Kogelnikの式による
計算値を示す。図4、図5からわるように、本実施形態
のカラーフィルター1は、従来のものより回折効率の波
長依存性が少なく、かつ回折効率が高い。
【0038】図6に、本実施形態のカラーフィルター1
における回折効率η1の入射角度(θ)による依存性の
計算値を示す。比較のために、図5におけるものと同様
の従来の単層ホログラムを用いたカラーフィルターにお
ける回折効率η1の入射角度(θ)による依存性の計算
値を図7に示す。
【0039】図7より明かなように、従来のものは、±
5゜の入射角度の変化でも、回折効率が大きく低下す
る。したがって、入射する白色光は平行度の高いものが
求められる。しかし、光源は有限の大きさを持ってお
り、完全に平行にするのは難しい。一方、図6からわか
るように、本実施形態のカラーフィルター1は、従来ほ
ど回折効率の入射角度による依存性が高くないので、光
源の大きさはほとんど問題とならない。
【0040】本実施形態の回折型カラーフィルター1
は、1次元の表面レリーフ型回折格子であって、格子ベ
クトルはカラーフィルター面に平行なものであるが、入
射光と回折光のなす角度が略60゜となるような構成で
あれば、上記構成に限定されない。しかし、そのような
構成は、製造が困難なので、本実施形態の構成が有利で
ある。
【0041】回折型カラーフィルター1の基板材料は、
使用波長領域において、十分な透過域を有する部材であ
れば、ガラス、プラスチック、光学結晶など特に限定す
るものではない。
【0042】回折型カラーフィルター1は、最先端の半
導体製造装置によるリソグラフィー技術(EUV、電子
ビーム、X線など)を用いて形成することができる。ま
た、表面レリーフ型であるために、ホログラムとは異な
り、マスターから金型を製作することにより、プラスチ
ックやガラスなどによる成形が可能である。
【0043】〈第2の実施形態〉図8に、本発明の実施
形態の液晶表示装置4の概略構成図を示す。尚、液晶表
示装置4に用いられている回折型カラーフィルター1
は、第1の実施形態のものと同様の構成であるので説明
を省略する。
【0044】光源5で発光された白色光は、一部は光源
5から直接、残りはリフレクター6で反射されて略平行
光とされた後、回折型カラーフィルター1に与えられ
る。尚、回折型カラーフィルター1は、光源5、及びリ
フレクター6からの略平行光が回折格子の法線に対して
略30゜の入射角度で入射するように配置されている。
【0045】回折型カラーフィルター1によって回折さ
れたGの光は、回折格子の法線に対して−30゜の方向
に曲げられ、RおよびBの光はGの光に対して所定の角
度分光される。分光されたR、G、Bの光は、カラーフ
ィルター1の回折ベクトルに対して略30度、Gの回折
光に対して略垂直に配置されている液晶表示手段10に
入射する。
【0046】液晶表示手段10は、光源5側にマイクロ
レンズアレイ7を有し、分光されたR、G、Bの光はそ
れぞれマイクロレンズアレイ7のマイクロレンズによ
り、液晶表示素子8の対応する画素8aに集光される。
各画素8aで光変調処理を施された光は、投影光学系9
により投影面に投影される。本実施形態の液晶表示装置
4のような回折型カラーフィルター1を用いることによ
り、吸収型カラーフィルターを用いた場合と比較して、
大幅に光の利用効率を向上できる。
【0047】尚、光源5からの白色光は、カラーフィル
ター1に入射する前に、偏光変換光学系などによって偏
光の向きを揃えるような構成とすることが望ましい。こ
のようにすると、一方の偏光の光を無駄にすることがな
くなり望ましい。偏光の向きを揃える構成とする場合
は、偏光方向はS偏光であることが望ましい。回折格子
は、偏光の向きで回折効率に変化が生じるが、本実施形
態のような薄い回折格子においては、S偏光に対する方
が高い回折効率が得られる。更に、カラーフィルター1
は、反射防止膜が形成されている構成である方が望まし
い。
【0048】また、液晶表示手段10の各画素8の前面
に、対応する吸収型カラーフィルターを設けるようにし
てもよい。このようにすると、例えば隣の画素8に入射
する不必要な色の光が入るのを防ぐことができる。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、波長オーダーの周期を
持つ微細な回折格子で、かつブラッグ条件を略満足しな
がら、格子の高さが波長程度と非常に薄い回折格子を用
いた回折型カラーフィルターを構成できる。よって、高
い回折効率を有し、回折効率の波長依存性、角度依存性
が小さい回折格子からなる回折型カラーフィルターの実
現が可能である。
【0050】また、表面レリーフ型の簡単な構造で、か
つ回折格子をブレーズ化せずに構成できるので、簡単に
作成できる。さらに、表面レリーフ型であるために、マ
スターから金型を製作して、プラスチックやガラスによ
る成形が可能であるために、大量生産に適している。し
たがって、製造コストの低下を図れる。
【0051】また、この回折型カラーフィルターとマイ
クロレンズアレイと液晶表示素子を適切に配置すること
により、カラーバランスの優れた明るい表示装置が可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態の回折型カラーフィルターの
断面図。
【図2】 第1の実施形態の回折型カラーフィルターの
作用を示す図。
【図3】 回折方向のGの光のベクトルダイアグラムを
示す図。
【図4】 第1の実施形態の回折型カラーフィルターの
回折効率の波長依存性の計算値を示す図。
【図5】 従来の単層ホログラムを用いたカラーフィル
ターの回折効率の波長依存性の計算値を示す図。
【図6】 第1の実施形態の回折型カラーフィルターの
回折効率の角度依存性の計算値を示す図。
【図7】 従来の単層ホログラムを用いたカラーフィル
ターの回折効率の角度依存性の計算値を示す図。
【図8】 第2の実施形態の液晶表示装置の概略構成
図。
【符号の説明】
1 回折型カラーフィルター 3 基板 4 液晶表示装置 5 光源 6 リフレクター 7 マイクロレンズアレイ 8 液晶表示素子 9 投影光学系

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回折格子からなり、該回折格子の回折面
    の法線に対して所定の角度で入射する白色光を波長分散
    させて分光する回折型カラーフィルターにおいて、 前記回折格子は1次元の表面レリーフ型回折格子であ
    り、 前記回折格子の回折格子ベクトルはカラーフィルター面
    に平行であり、 前記回折格子の周期Λ、設計波長をλ0、回折面を設け
    る基板の屈折率をnとしたとき、Λ、λ0が、 λ0/n<Λ<2λ0/n、 0.50μm<λ0<0.6
    0μm の条件式を満足することを特徴とする回折型カラーフィ
    ルター。
  2. 【請求項2】 前記回折格子は2値のバイナリー格子で
    あり、格子の高さhが、 0.5<h/Λ<2.5 の条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載の
    回折型カラーフィルター。
  3. 【請求項3】 前記回折格子は、略平行の白色光が回折
    面の法線に対して略30度の傾きを有して入射するよう
    に配置されていることを特徴とする請求項1または2に
    記載の回折型カラーフィルター。
  4. 【請求項4】 前記回折格子の断面形状は略矩形波状で
    あることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の
    回折型カラーフィルター。
  5. 【請求項5】 入射する光束に対して光変調処理を施す
    液晶表示素子と、前記液晶表示素子に与える照明光を発
    光する白色光源と、前記照明光を互いに異なる波長域を
    有する光束に分割する光束分割手段と、前記液晶表示素
    子により光変調処理を施された光束を投影する投影光学
    系とを有する液晶表示装置において、 前記光束分割手段は請求項1乃至4いずれかに記載の回
    折型カラーフィルターからなり、さらに前記回折型カラ
    ーフィルターと前記液晶表示素子の間にマイクロレンズ
    アレイが配置されていることを特徴とする液晶表示装
    置。
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