JPH11269365A - 生分解性ポリエステル用安定化剤及びこれを用いた生分解性ポリエステル組成物 - Google Patents

生分解性ポリエステル用安定化剤及びこれを用いた生分解性ポリエステル組成物

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JPH11269365A
JPH11269365A JP11037769A JP3776999A JPH11269365A JP H11269365 A JPH11269365 A JP H11269365A JP 11037769 A JP11037769 A JP 11037769A JP 3776999 A JP3776999 A JP 3776999A JP H11269365 A JPH11269365 A JP H11269365A
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stabilizer
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aliphatic
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JP11037769A
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Naseer Mohammed Qureshi
モハメド ケレシ ナジア
Barry Woodfine
ウッドファイン バリー
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Kobe Steel Ltd
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Kobe Steel Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K5/00Use of organic ingredients
    • C08K5/0008Organic ingredients according to more than one of the "one dot" groups of C08K5/01 - C08K5/59
    • C08K5/005Stabilisers against oxidation, heat, light, ozone

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造時及びそれから製造される成形品につい
ての生分解性ポリエステルの変色及び黄変を防止し、単
独の安定化剤を使用した場合にしばしば認められる融点
の低下を防止するとともに、ポリマーの結晶性の低下を
抑制できるPLA用安定化剤、安定化された生分解性ポ
リマー組成物、その製造方法、及び該組成物から製造さ
れる成形品を提供する。 【解決手段】 本発明の安定化剤は、ホスファイト又は
ホスフェート含有化合物;ヒンダードフェノール化合
物;及びアクリレートよりなる群から選択される2種以
上の化合物を組合わせてなる安定化剤;該安定化剤と生
分解性ポリエステルを含有する組成物。該安定化剤の存
在下で、ラクチド及び/又はグリコライドを重合する工
程;あるいは乳酸及び/又はグリコール酸を重合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生分解性ポリエス
テルの製造さらには成形品においても安定化できる生分
解ポリエステル用安定化剤、及び該安定化剤を含有する
生分解性ポリエステル組成物、及び安定化された生分解
性ポリエステルの製造方法、及び該組成物から成形され
る成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】PP、
PS、PETは成形品の大部分に用いられているが、生
分解できないポリマーである。一方、生分解性ポリマー
は環境に優しいという理由から、種々の用途が見い出さ
れつつある。生分解性ポリマーのうち、特にPLAとし
て知られているポリ乳酸又はポリラクチドポリマーのよ
うな生分解性ポリエステルが、市場の興味を集めてい
る。
【0003】しかしながら、PLAは、製造及び処理時
は高温に曝されたときの安定性が問題になっている。高
温で不安定であるということは、PLAポリマー及びそ
の成形品において、ポリマーの着色や黄変、ポリマーの
分子量の減少、結晶性の低下というような欠陥を引き起
こすからである。つまり、PLAが高温で解重合され
て、ラクチドモノマーを再び生成するために、PLAの
分子量が減少することとなる。
【0004】このようなPLA分子量の減少に関する問
題を、Cargill Inc.(WO94/07949)は解決しよう
とした。解決手段として、抗酸化剤、脱水剤又はこれら
の混合物を使用することが開示されている。抗酸化剤と
しては、アルキル、アリルホスファイト、ホスホナイ
ト、ヒンダードフェノール化合物、芳香族アミン、チオ
エーテル、キノン、及びこれらの混合物が挙げられる。
しかしながら、Cargillが、WO94/07949の中
で示した実施例は、いずれも各安定化剤を単独で用いた
ときの効果を示しただけであり、2種類以上の抗酸化剤
を混合した場合については評価していなかった。これら
の安定化剤は、PLA製造前又は製造後のいずれかに添
加され得る。Cargillは、ラクチドのポリマー転化率を
85%未満とし、得られるラクチドポリマーの分子量を
40000未満とした場合のみ、抗酸化剤の使用により
PLAポリマーの変色を防止することができた。このよ
うな低分子量で、しかもPLAの転化率も低いもので
は、満足できる特性を有するPLAポリマーを開発した
ことにはならない。つまり、Cargillによると、市販グ
レードのPLAは、分子量が70000超であり、良質
で特性が安定していることが必要である。しかし、この
市販グレードに対しては、Cargillは有効な耐黄変化剤
を見い出すことができなかった。また、WO94/07
949で用いられた安定化剤は、一般に、PLAのよう
な半結晶性ポリマーにとっては好ましくない結果、つま
りPLAポリマーの結晶化度の低下や黄変をもたらし
た。
【0005】一方、分子量の減少に関する問題は、Nest
e OY(WO95/18169)によっても取り上げら
れている。WO95/18169は、芳香族ポリエステ
ルとともに用いられる有用な安定化剤が乳酸ポリマーに
関しては有効でないことを示している。Neste OYによ
れば、過酸化物を使用することによりPLAの押し出し
成形時の分子量の減少を抑制できたとしている。ここ
で、過酸化物の添加はPLA製造後に限られ、PLA製
造プロセス中に添加しないとしている。
【0006】Shell(GB1161932)は、脂肪族ポリエス
テルの熱酸化分解、特に環状ラクトンの重合により得ら
れるポリマーの分解を防止するためにアミン系安定化剤
を使用することを開示している。そして、アミン系安定
化剤は単独で使用してもよいし、また種々の他の種類の
安定化剤と組合わせて使用してもよいとしている。さら
にこの安定化剤は、安定化剤をポリマーに混合するため
の択一的方法としては、ラクトン前駆体あるいはポリマ
ー生産物のいずれかに添加するとよいとしている。しか
しながら、ポリマーの固有粘度は安定化剤の添加によっ
て維持できるが、PLAの変色はアミン系安定化剤によ
って防止できない。
【0007】以上のように、ポリマーの変色防止、市販
レベルのPLAポリマーの分子量、結晶の融点(Tm)
を維持できるPLA用安定化剤は、未だ見い出されてい
ないのでが実情である。
【0008】本発明はこのような事情の鑑みてなされた
もので、その目的とするところは、製造時及びそれから
製造される成形品についての生分解性ポリエステルの変
色及び黄変を防止し、単独の安定化剤を使用した場合に
しばしば認められる融点の低下を防止するとともに、ポ
リマーの結晶性の低下を抑制できるPLA用安定化剤、
及び安定化された生分解性ポリマー組成物、及びその製
造方法、及び該組成物から製造される成形品を提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の安定化剤は、ホ
スファイト又はホスフェート含有化合物;ヒンダードフ
ェノール化合物;及びアクリレートよりなる群から選択
される2種以上の化合物を組合わせてなることを特徴と
する。
【0010】前記ホスファイト又はホスフェート含有化
合物は、一般式(1)、(2)又は(3)で表されるい
ずれかの化合物であることが好ましい。
【0011】
【化4】
【0012】(式中、xは0又は1、Arは夫々独立し
て置換可能な任意の芳香族であり、R 1、R2は脂肪族又
は芳香族を示す) 前記ヒンダードフェノール化合物は、一般式(4)で示
される化合物であることが好ましい。
【0013】
【化5】
【0014】(式中、Mは夫々独立した脂肪族であり、
Yは脂肪族であり、mは1〜4の整数であり、Zは脂肪
族又は芳香族であり、Hはmが1のときの水素原子を示
している) 前記アクリレートは、一般式(5)で示される化合物で
あることが好ましい。
【0015】
【化6】
【0016】(式中、Arは夫々独立して任意に置換可
能な芳香族であり、R3は脂肪族であり、Xは電子吸引
性基である) 本発明の生分解性ポリエステル組成物は、生分解性ポリ
エステル、及び本発明の安定化剤を含有することを特徴
とする。前記生分解性ポリエステルは、ラクチド及び/
又はグリコライドの重合によって得られるものであって
もよいし、乳酸及び/又はグリコール酸の重合によって
得られるものであってもよい。
【0017】生分解性ポリエステル100重量部に対し
て、前記安定化剤の含有総量が2重量部以下であること
が好ましく、より好ましくは0.1〜0.5重量部であ
る。
【0018】本発明の生分解性ポリエステルの製造方法
は、本発明の安定化剤の存在下で、ラクチド及び/又は
グリコライドを重合する工程;あるいは乳酸及び/又は
グリコール酸を重合する工程を含むことを特徴とする。
【0019】本発明の生分解性ポリエステルの成形品
は、上記本発明の生分解性ポリエステル組成物から製造
される成形品である。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の生分解性ポリエステル用
安定化剤は、ホスファイト又はホスフェート含有化合物
(以下、ホスファイト含有化合物とホスフェート含有化
合物を区別しないときは「リン系化合物」と総称す
る);ヒンダードフェノール化合物;及びアクリレート
よりなる群から選択される2種以上の化合物を組合せか
らなるものである。すなわち、本発明の安定化剤として
は、リン系化合物とヒンダードフェノール化合物の組合
わせ;リン系化合物とアクリレートの組合わせ;ヒンダ
ードフェノール化合物とアクリレートの組合わせ;リン
系化合物、ヒンダードフェノール化合物、及びアクリレ
ートの組合わせが挙げられ、これらのうち、リン系化合
物を含有する組合わせが好ましく、より好ましくはリン
系化合物、ヒンダードフェノール化合物、及びアクリレ
ートの組合わせである。
【0021】ここで、リン系化合物(ホスファイト含有
化合物又はホスフェート含有化合物)としては、一般式
(1),(2)又は(3)式で示される化合物が好まし
く用いられる。
【0022】
【化7】
【0023】式中、xは0又は1である。Arはそれぞ
れ独立して、任意の芳香族誘導体を示し、R1及びR
2は、脂肪族又は芳香族を示す。
【0024】R2は炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基
が好ましく、最も好ましくはアルキレン、アルキレンオ
キシ、オキシアルキレンオキシ基、又は下記式で表され
るような芳香族基である。尚、アルキレン部分は1又は
2以上の酸素原子が任意に介在していてもよい。
【0025】
【化8】
【0026】式中、Lは上記と同様で、直接結合、又は
S、SO、SO2、CO、O、又は炭素数1〜6のアル
キレンのような連結基を示す。
【0027】上記(1)〜(3)式において、Arとし
てはフェニル基又はナフチル基が好ましく、また、炭素
数1〜10のアルキル基又は炭素数1〜10のアルコキ
シ基の芳香族誘導体が好ましい。
【0028】R1は、炭素数4〜10の脂肪族炭化水素
が好ましく、最も好ましくはC(CH2−)4又は下記式
で表されるような4価の残基を有する芳香族である。
【0029】
【化9】
【0030】式中、Lは直接結合、又はS、SO、SO
2、CO、O、又は炭素数1〜6のアルキレンのような
連結基を示す。
【0031】従って、リン系化合物(ホスファイト含有
化合物又はホスフェート含有化合物)の具体例として
は、アルキルトリフェニルホスファイト、アルキルジフ
ェニルホスフェート、ビス〔アルキルフェニル〕ペンタ
エリスリトールジホスファイトなどが挙げられる。
【0032】ヒンダードフェノール化合物としては、一
般式(4)で示される化合物が好ましく用いられる。
【0033】
【化10】
【0034】式中、Mはそれぞれ独立した脂肪族であ
り、Yは脂肪族であり、mは1〜4の整数、Zは脂肪族
又は芳香族、あるいはmが1のときはH(水素原子)と
なる。
【0035】好ましいヒンダードフェノール化合物とし
ては、Mが炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数1〜
10のアルコキシ基となる化合物、Yが炭素数1〜10
のアルキレン基又は炭素数1〜10のアルキレンカルボ
キシ基となる化合物が好ましく、アルキレン部分には任
意に1〜2以上の酸素原子が介在してもよい。Zは好ま
しくは炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、又は炭素6
員環又はヘテロサイクリック芳香環である。
【0036】従って、好ましいヒンダードフェノール化
合物としては、アルキル〔ジ−t−ブチルヒドロキシフ
ェニル〕プロピネート、ヒドロキシトルエンのブチレー
トなどが挙げられる。
【0037】アクリレートとしては、一般式(5)で示
される化合物が好ましく用いられる。
【0038】
【化11】
【0039】式中Arはそれぞれ独立して、任意の芳香
族誘導体であり、R3は脂肪族基、Xは電子吸引基であ
る。
【0040】Arはフェニル基又はナフチル基であり、
炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数1〜10のアル
コキシ基によって誘導され得る芳香族誘導体が好まし
い。また、R3は、炭素数1〜10のアルキル基である
ことが好ましく、1又は2以上の酸素原子が任意位置に
介在していてもよい。Xはシアノ基又はハロゲンである
ことが好ましい。
【0041】従って、アクリレートの好ましい具体例と
しては、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸の
アルキルエステルなどが挙げられる。
【0042】本発明の安定化剤は、リン系化合物、ヒン
ダードフェノール、アクリレートより選ばれる異なる化
学タイプの組合わせでなければならない。例えば、ホス
ホナイトとフルオロホスホナイトの組合わせなどは、両
化合物が多官能性で化学的タイプが密接に関連するため
に、ホスファイト化合物、フェノール化合物、又はアク
リレート化合物を単独で用いた場合と同様に作用するか
らである。
【0043】また本発明の安定化剤には、所期の作用及
び効果を発揮できない材料、例えば、芳香族アミンや過
酸化物、有機金属錯体、チオエーテル又は他の有機硫黄
化合物などは含まれないことが好ましく、含有する場合
には、安定化剤全体に対して0.5重量%以下に止める
ことが好ましい。
【0044】本発明の生分解性ポリエステル組成物は、
生分解性ポリエステル及び上記本発明の安定化剤を含有
する。
【0045】上記生分解性ポリエステルとしては、ポリ
乳酸又はポリグリコール酸が好ましく、ポリ乳酸又はポ
リグリコール酸は、乳酸及び/又はグリコール酸の重合
により得られたものであってもよいし、ラクチド及び/
又はグリコライドの重合によって得られたものであって
もよい。
【0046】安定化剤は、上記本発明の安定化剤、すな
わち、リン系化合物とヒンダードフェノール化合物の組
合わせ;リン系化合物とアクリレートの組合わせ;ヒン
ダードフェノール化合物とアクリレートの組合わせ;リ
ン系化合物、ヒンダードフェノール化合物、及びアクリ
レートの組合わせのいずれかが用いられ、これらのう
ち、リン系化合物を含有する組合わせが好ましく、より
好ましくはリン系化合物、ヒンダードフェノール化合
物、及びアクリレートの組合わせである。
【0047】安定化剤の含有量は、生分解性ポリエステ
ル100重量部に対して、安定化剤総量が2重量部以下
であることが好ましく、より好ましくは0.1〜0.5
重量部である。
【0048】本発明の生分解性ポリエステル組成物に
は、上記生分解性ポリエステル、安定化剤の他に、重合
触媒(例えばオクチル酸錫)を含有してもよい。
【0049】本発明の生分解性ポリエステルの製造方法
は、本発明の安定化剤の存在下で、乳酸及び/又はグリ
コール酸を重合する工程;あるいはラクチド及び/又は
グリコライドを重合する工程を含む。乳酸及び/または
グリコール酸を直接重合する方法よりも、乳酸及び/ま
たはグリコール酸夫々から一旦環状2量体であるラクチ
ド及び/又はグリコライドを生成し、これを開環重合す
る方法が好ましく用いられる。
【0050】重合条件としては限定しないが、一般に減
圧下で行われ、重合温度は触媒量に応じて適宜選択され
る。重合温度は触媒量等に依存して設定されるが、一般
に原料としてグリコライドを用いる方がラクチドを用い
るよりも重合温度を高く設定する。
【0051】本発明の製造方法によれば、構成モノマー
が重合触媒による妨害を受けることなく重合が進んで、
生分解性ポリエステルを製造できる。そして、製造され
る生分解性ポリエステル(ポリ乳酸、ポリグリコール
酸)は、150000超の高分子量を有し、しかも17
0℃超の融点、40%超の高結晶化度レベルで、ほとん
ど着色されていない(実質的に無着色)。従来の製造方
法では、実質的に無着色のPLAで、しかも高分子量
で、高い結晶化度を有するようなPLAを製造すること
はできなかったので、驚くべきことである。
【0052】重合された生分解性ポリエステルを含有す
る生分解性ポリエステル組成物は、そのまま成形工程に
供することができる。組成物中に含まれる安定化剤は、
ポリエステル重合中、及び重合により得られたポリエス
テルに対してはもちろん、さらに続いて行なう成形工程
においても生分解性ポリエステルの安定化に寄与でき
る。
【0053】本発明の生分解性ポリエステル成形品は、
本発明の生分解性ポリエステル組成物を用いて成形した
ものである。従って、成形品の中には本発明の安定化剤
が含有されているので、生分解性ポリエステルの安定化
に寄与することができる。すなわち、成形品の黄変を防
止し、成形品を構成するポリマーの高結晶性を維持する
ことにより、高物性を維持することができる。
【0054】
【実施例】以下に本発明を具体的実施例に基づいて説明
する。
【0055】No.1〜27(比較例);重合触媒とし
て、ラクチドモノマーに対して50ppmのオクタン酸
スズを用い、また、表1に示す安定化剤を添加して、純
粋なL−ラクチドを実験室レベルで180℃、20時間
重合した。安定化剤は、いずれもラクチドモノマーに対
して0.25wt%となる量を添加した。尚、過酸化物
の添加はPLA製造後とし、他の添加剤は、製造前に添
加した。
【0056】得られたPLA(No.1〜27)につい
て、分子量、融点(Tm)、結晶化度(%)、黄変度
(YI)を、下記〜に示すような標準的方法で分析
し、その結果を表1に示す。尚、表1に示す生産物の名
称は、商品名又は登録商標である。 分子量;GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラ
フィー)により調べた。 融点、結晶化度;DSC(示差熱走査型分析)により
測定した。 黄変度:スペクトロメーターにより測定した。
【0057】
【表1】
【0058】表1からわかるように、いずれの安定化剤
も単独で用いた場合には、高結晶化及び高分子量化を達
成できず、また黄変化の問題を解決することができなか
った。また、アミン系化合物、サルファ系化合物では、
安定化剤がない場合よりも黄変がひどかった。
【0059】No.28〜49(実施例);表2,3に
示す安定化剤存在下で、重合触媒としてオクタン酸スズ
をラクチドモノマーに対して50ppm用い、純粋なL
−ラクチドを実験室レベルで180℃、20時間重合し
た。得られたPLAについて、分子量、融点(Tm)、
結晶化度(%)、黄変度(YI)を、上記〜に示す
ような標準的方法で分析した。結果を表4に示す。
【0060】
【表2】
【0061】
【表3】
【0062】尚、表1〜3に示す安定化剤は、Irgafos1
68、Irganox1010、Irganox1076、Chimassorb944、Tinuv
in770はチバ社の商品名又は登録商標であり、Alkanox
P24、Alkanox 240、Alvinox FB、Alvinox 100、Uvas
orb 20H、Uvasorb METは3v社の商品名又は登録商標
であり、Santicizer148はモンサント社の商品名であ
る。Lowinox TNPPはLOWE社の、Ethanox398はEthyl社
の、Ronotec201はRoche社の、Uvinol 3035及びUvinol
3039はBASF社の、Anox ODSはグレートレークスケミ
カルズ社の、 LankromarkDL TDPはAkros社の、Robac
ZDBCはロビンソンブラザーズ社の夫々商品名又は登録商
標である。また、トリフェニルホスファイトはAldrich
社のものを使用し、ブチル化ヒドロキシトルエンはICI
社のものを使用し、ジベンゾイルパーオキサイド及びク
ミルパーオキサイドはAkzo社製のものを使用した。。
【0063】
【表4】
【0064】表4からわかるように、いずれもリン系、
ヒンダードフェノール系、アクリレート系安定化剤を単
独で使用するよりも高分子量のPLAを得ることがで
き、しかも黄変度が低かった。
【0065】
【発明の効果】本発明の生分解性ポリエステル用安定化
剤は、生分解性ポリエステルの製造前後にわたって安定
化剤として働き、高分子量の生分解性ポリエステルを製
造することができ、しかも得られた生分解性ポリエステ
ルの黄変度も少なくできる。
【0066】本発明の生分解ポリエステル組成物は、本
発明の安定化剤を含有しているので、高温でも安定であ
るから、成形過程において、分子量の低下や黄変を防止
することができる。
【0067】本発明の生分解性ポリエステルの製造方法
は、本発明の安定化剤存在下で製造するので、高分子量
で、実質的に無着色の高品質の生分解性ポリエステルを
得ることができる。
【0068】本発明の生分解性ポリエステル成形品は、
本発明の生分解性ポリエステルを使用しているので、結
晶性が高い高品質のもので、しかも黄変が少ない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 5/526 C08K 5/526 5/5393 5/5393 (72)発明者 バリー ウッドファイン イギリス ジーユー2 5エーエフ サリ ー州 ギルフォード サリー リサーチ パーク ヌージェント ロード 10 コウ ベ スチール ヨーロッパ リミテッド リサーチ ラバラトリィー内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホスファイト又はホスフェート含有化合
    物;ヒンダードフェノール化合物;及びアクリレートよ
    りなる群から選択される2種以上の化合物を組合わせて
    なることを特徴とする生分解性ポリエステル用安定化
    剤。
  2. 【請求項2】 前記ホスファイト又はホスフェート含有
    化合物は、一般式(1)、(2)又は(3)で表される
    いずれかの化合物である請求項1に記載の安定化剤。 【化1】 (式中、xは0又は1、Arは夫々独立して置換可能な
    任意の芳香族であり、R 1、R2は脂肪族又は芳香族を示
    す)
  3. 【請求項3】 前記ヒンダードフェノール化合物は、一
    般式(4)で示される化合物である請求項1又は2に記
    載の安定化剤。 【化2】 (式中、Mは夫々独立した脂肪族であり、Yは脂肪族で
    あり、mは1〜4の整数であり、Zは脂肪族又は芳香族
    であり、Hはmが1のときの水素原子を示している)
  4. 【請求項4】 前記アクリレートは、一般式(5)で示
    される化合物である請求項1〜3のいずれかに記載の安
    定化剤。 【化3】 (式中、Arは夫々独立して任意に置換可能な芳香族で
    あり、R3は脂肪族であり、Xは電子吸引性基である)
  5. 【請求項5】 生分解性ポリエステル、及び請求項1〜
    4のいずれかに記載の安定化剤を含有することを特徴と
    する生分解性ポリエステル組成物。
  6. 【請求項6】 前記生分解性ポリエステルは、ラクチド
    及び/又はグリコライドの重合によって得られるもので
    ある請求項5に記載の生分解性ポリエステル組成物。
  7. 【請求項7】 前記生分解性ポリエステルは、乳酸及び
    /又はグリコール酸の重合によって得られるものである
    請求項5に記載の生分解性ポリエステル組成物。
  8. 【請求項8】 生分解性ポリエステル100重量部に対
    して、前記安定化剤の含有総量が2重量部以下である請
    求項5〜7のいずれかに記載の生分解性ポリエステル組
    成物。
  9. 【請求項9】 生分解性ポリエステル100重量部に対
    して、前記安定化剤の含有総量が0.1〜0.5重量部
    である請求項5〜7のいずれかに記載の生分解性ポリエ
    ステル組成物。
  10. 【請求項10】 請求項1〜4のいずれかに記載の安定
    化剤の存在下で、ラクチド及び/又はグリコライドを重
    合する工程を含む生分解性ポリエステルの製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項1〜4のいずれかに記載の安定
    化剤の存在下で、乳酸及び/又はグリコール酸を重合す
    る工程を含む生分解性ポリエステルの製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項5〜9のいずれかに記載の生分
    解性ポリエステル組成物から製造される成形品。
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