JP2002285646A - 自然通気層とシステム換気装置を有する建築物 - Google Patents

自然通気層とシステム換気装置を有する建築物

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JP2002285646A
JP2002285646A JP2001087495A JP2001087495A JP2002285646A JP 2002285646 A JP2002285646 A JP 2002285646A JP 2001087495 A JP2001087495 A JP 2001087495A JP 2001087495 A JP2001087495 A JP 2001087495A JP 2002285646 A JP2002285646 A JP 2002285646A
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ventilation
layer
air
floor
ventilation layer
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JP2001087495A
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English (en)
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Kuniaki Hasumi
邦昭 蓮實
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KAKUDAI KENCHIKU SEKKEI KENKYU
KAKUDAI KENCHIKU SEKKEI KENKYUSHO KK
Original Assignee
KAKUDAI KENCHIKU SEKKEI KENKYU
KAKUDAI KENCHIKU SEKKEI KENKYUSHO KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外断熱構造における通気層は自然対流が起こ
り難く、また、システム換気装置は、屋内全体を新鮮な
空気が満遍なく循環し、床下空間部までも同じ温湿度の
快適空間にすることができなかった。 【解決手段】 戸建て住宅において、自然通気層は、外
装材と断熱層との間の隙間を外壁通気層となし、屋根下
地材と断熱層との間の隙間を屋根通気層となし、屋根下
地材の下端は塞いで壁外装材の上端と連結することによ
り密封状態の通気層とし、システム換気装置は、外気の
吹出口を2階の階段ホールと玄関ホールの天井面に設
け、2階居室部では、吸込口を天井面に設け、流入した
空気が居室部全体を満遍なく換気するようになし、1階
居室部では、通気口を床面に設けるとともに、床下空間
部には空気排出管の開口を配設し、1階居室部を循環し
た空気を、さらに床下空間部に流入させて循環させ、そ
の後排気するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、高気密、高断熱
化された木造戸建て住宅等の建築物に係り、自然換気作
用を利用した通気層を壁内及び屋根裏に設け、居室部の
みならず、床下空間部を通して換気するようにした自然
通気層とシステム換気装置を有する建築物に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】木造戸建て住宅などの建築物において
は、快適な温湿度の居住空間を確保し、また、冷暖房の
エネルギーを節約するため、建築物の全体を高断熱化、
高気密化することが普及している。これらの建築物で
は、四季を通して高断熱化、高気密化をはかるために、
外壁はグラスウールや発泡樹脂などの断熱材による断熱
層を室内側に配設し、室外側の壁外装材による仕上げ層
との間に外壁通気層を備えている。
【0003】これらの外壁通気層は、外壁の下端に設け
られた空気流入口と仕上げ層の一階及び二階の庇に相応
する部分に設けられた空気流入口を有しており、棟換気
フードに連通している。前記外壁下端の空気流入口と庇
の空気流入口とから流入した空気は、外壁通気層を通
り、屋根裏空間を経て棟換気フードから流出する。
【0004】また、快適な温湿度の居住空間を確保する
ために、、システム換気装置が用いられている。従来の
システム換気装置は、外部の新鮮な空気を熱交換器を介
して取り込み、熱交換されて暖められた空気が、1階居
室部、2階居室部における複数の吹出口から吹き出す。
そして、廊下や階段ホール等に設けられた吸込口から吸
引されて排気ダクトを通って排出される。1階居室部と
2階居室部とは、それぞれ別個独立した排気装置を設け
て換気している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記外
壁通気層は、主に、室内外の断熱機能を持たせているに
すぎず、外壁の上下に空気流入口があるために自然の対
流が起き難くなっており、換気効率が低いという欠点が
あった。また、従来は、外断熱構造の場合、断熱材を各
通気胴縁の間に配設していたから、通気胴縁の存在によ
って幅(横)方向の連続性が遮断されてしまい、断熱性
能が低下してしまうという問題がある。
【0006】また、上記住宅用システム換気装置におい
ては、各部屋の吹出口から吹き出した空気は、各部屋の
吸込口から吸い込まれるため、ショートカットして部屋
の隅々まで循環し難いという問題があった。また、各部
屋に吹き出された空気は、押入やクローゼット等の収納
部には循環することがないから、これらの中では空気が
淀み、最適な温湿度を確保することができない。そのた
めに、押入やクローゼットの中の温湿度管理が高気密、
高断熱化された住宅の問題点とされていた。
【0007】さらに、1階居室部と2階居室部とに、独
立した換気装置を設けているために、温度、湿度が一様
でないとともに、合計の電気消費量が嵩み、施工工事も
煩雑でコストアップになるという問題がある。
【0008】そこで、この発明は、自然対流が起こり易
く、その断熱性能を一層向上させることができる自然通
気層とシステム換気装置を有する建築物を提供すること
を目的とする。また、新鮮な空気が満遍なく循環し、床
下空間部までも同じ温湿度の快適空間にする自然通気層
とシステム換気装置を有する建築物を提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、この発明に係る自然通気層とシステム換気装置を有
する建築物は、次のような構成とした。居室部と屋根裏
空間部と床下空間部とを備えた住宅において、自然通気
層とシステム換気装置とを備えている。そして、自然通
気層は、次のように構成されている。即ち、壁外装材及
び屋根下地材とその室内側に配設された構造用面材との
間に通気胴縁および断熱層を介設し、前記断熱層は壁外
装材及び屋根下地材との間に設けた隙間によって形成さ
れてなり、前記壁外装材と断熱層との間の隙間を外壁通
気層となし、屋根下地材と断熱層との間の隙間を屋根通
気層となし、屋根下地材の下端は塞いで壁外装材の上端
と連結することにより、前記自然通気層を密封状態の通
気層としている。また、システム換気装置は、次のよう
に構成されている。即ち、外気の吹出口を2階の階段ホ
ールの天井面に設け、吸込口を2階居室部の天井面に設
け、流入した空気が居室部全体を満遍なく換気するよう
にしている。前記外壁通気層は壁外装材の下端に多孔性
の通気部材によって形成した空気流入口に連通してお
り、屋根通気層は屋根に設けた空気流出口に連通し、吸
込口を設ける位置が、室内収納部の天井面とする。ま
た、空気流出口は、屋根に棟換気フードを設け、棟換気
フードにおける屋根葺き材の突き合わせ部に開口を設け
ることによって形成されており、吸込口を設ける位置
が、各部屋の開口部から最も離間した位置の天井面とす
る。前記吹出口に連結する吸気管は、吸気手段を備えて
いる。
【0010】さらに、この目的を達成するために、次の
ような構成とした。居室部と屋根裏空間部と床下空間部
とを備えた住宅において、自然通気層とシステム換気装
置とを備えている。そして、自然通気層は、次のように
構成されている。即ち、壁外装材及び屋根下地材とその
室内側に配設された構造用面材との間に通気胴縁および
断熱層を介設し、前記断熱層は壁外装材及び屋根下地材
との間に設けた隙間によって形成されてなり、前記壁外
装材と断熱層との間の隙間を外壁通気層となし、屋根下
地材と断熱層との間の隙間を屋根通気層となし、屋根下
地材の下端は塞いで壁外装材の上端と連結することによ
り、前記自然通気層を密封状態の通気層とする。また、
システム換気装置は、次のように構成してなる。外気の
吹出口を1階の玄関ホールの天井面に設け、通気口を1
階居室部の床面に設けるとともに、床下空間部には空気
排出管の開口を配設し、1階居室部を循環した空気を、
さらに床下空間部に流入させて循環させ、その後排気す
るようにした。
【0011】前記外壁通気層は壁外装材の下端に多孔性
の通気部材によって形成した空気流入口に連通してお
り、屋根通気層は屋根に設けた空気流出口に連通し、通
気口を設ける位置が室内収納部の床面とする。また、前
記空気流出口は屋根に棟換気フードを設け、棟換気フー
ドにおける屋根葺き材の突き合わせ部に開口を設けるこ
とによって形成されており、通気口を設ける位置が各部
屋の開口部から最も離間した位置の床面とする。前記吸
込口に連結する排気管は、排気手段を備えている。吸込
口に連結する空気排出管と床下空間部に開口する空気排
出管とは、分岐されて形成されており、1つの排気手段
を備えている。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照してこの発明の
実施形態を説明する。参照する図面において、図1はこ
の発明の一実施形態に係る木造建築物の説明用部分縦断
面図である。図1に示すように、この木造建築物は、布
基礎11上に土台12が構築され、土台12上に軸組構
造としての柱13が支持され、柱13の上に屋根構造が
支持されている。
【0013】床構造は、複数の根太が格子状に組まれた
床根太14上に構造用合板からなる床材17が敷設され
ている。この発明では、1階の居室と床下空間とは同じ
温度になることから、通常使用されている床材下面の断
熱材は不要である。また、床下の土間19は、砕石層の
上に敷設された砂層の上面を防湿ポリエチレンフィルム
で覆い、その上にコンクリート層を打設する、いわゆる
ベタ基礎によって形成されている。
【0014】壁構造は、柱13の室内側の面に内装下地
材21を、柱13の室外側の面に構造用面材22をそれ
ぞれ釘打ちまたはネジ止めによって取り付けてなり、さ
らに、構造用面材22の室外側に通気胴縁23を配設し
て、前記通気胴縁23に壁外装材24を釘打ちまたはネ
ジ止めによって取り付けてなる。構造用面材22の室外
側には、壁外装材24との間に外壁通気層25となる隙
間を有するように、硬質発泡樹脂断熱層26を付設して
なる。
【0015】また、屋根構造は、構造用面材22aの上
面側に通気胴縁23aを配設し、通気胴縁23aに屋根
野地板31を設ける。そして、構造用面材22aの上面
側に屋根野地板31との間に屋根裏通気層29となる隙
間を有するように硬質発泡樹脂断熱層26aを付設す
る。前記硬質発泡樹脂断熱層26aは、壁構造と屋根構
造において連続して建物全体を覆っており、屋根野地板
31の上面には、アスファルトフェルト等の屋根下地材
32を介して屋根葺き材33が敷設されている。
【0016】上記外壁通気層25と屋根通気層29とは
連通している。、外壁通気層25は、壁外装材24の下
端に設けられた空気流入口35に連通している。空気流
入口35は、土台12と壁外装材24との間に取り付け
られた多孔性の通気部材によって形成されている。一
方、屋根通気層29は、屋根の最高位置部分に設けられ
た棟換気フード40の空気流出口41に連通している。
前記棟換気フード40における屋根葺き材33の突き合
わせ部に設けた開口42を介して、屋根通気層29と空
気流出口41とが連通している。
【0017】屋根下地材31の下端は塞がれており、壁
外装材24の上端と連結している。従って、外壁通気層
25と屋根通気層29とは完全に密封された通気層を形
成している。空気流入口35から流入した空気は、外壁
通気層25,屋根通気層29を通り、開口42を介して
棟換気フード40の空気流出口41から流出する。
【0018】尚、図2に示すように、壁外装材24が配
設される通気胴縁23、および、屋根野地板31が配設
される通気胴縁23aは、、ブロック状の断熱スペーサ
44を介してそれぞれ構造用面材22、22a及び柱1
3に固定されている。そして、構造用面材22,22a
には、前記の断熱スペーサ44を埋没させ、かつ、壁外
装材24または屋根野地板31との間に外壁通気層25
または屋根通気層29を形成する状態で硬質発泡樹脂断
熱層26、26aが付設されてなる。
【0019】硬質発泡樹脂断熱層26、26aは、現場
発泡によって断熱スペーサ40を埋め込むように構造用
面材22,22aの全面に形成され、壁外装材24との
間に20mm程度の外壁通気層25及び屋根通気層29
を形成している。前記断熱スペーサ44は、木製、樹脂
製または硬質発泡樹脂製であって、構造用面材22の室
外側において、柱13と通気胴縁23との間に配置され
る。前記の硬質発泡樹脂断熱層26は、硬質発泡樹脂断
熱成形板及び現場発泡により布基礎11の外側表面にも
壁構造の一部として形成するのが好ましい。
【0020】上記構成において、壁外装材24,屋根葺
き材33が太陽熱で加熱されて高温になればなるほど、
外壁通気層25及び屋根通気層29内の対流は激しくな
る。屋根葺き材33の方がより加熱されて高温になるか
ら、通気層内の空気は上昇し空気流出口41から排出さ
れる。空気流入口35から流入した空気は、壁外装材2
4,屋根葺き材33が高温になるほど空気流入口35か
らの流入量が多くなるから、室内側への熱の遮断効果を
上げることができる。
【0021】また、現場発泡により構造用面材22の室
外側の面に付設された硬質発泡樹脂断熱層26が、左右
の通気胴縁23によって遮断されることなく幅方向にも
連続し、建築物の壁部または屋根部の全体を覆っている
から、外壁通気層25及び屋根通気層29の構成と相ま
って木造建築物の外断熱構造として、その断熱性能を一
層向上させることができる。
【0022】次に、この発明に係るシステム換気装置の
実施形態について説明する。図1に示すように、2階天
井45の上面の屋根裏空間部50には、熱交換器52,
吸気ファンを備えた吸気手段53及び排気ファンを備え
た排気手段54が配設されている。前記熱交換器52に
は、屋外に開口する吸気ダクト55と排気ダクト56が
連結されており、前記熱交換器52と吸気手段53及び
排気手段54との間には、それぞれ吸気管57及び排気
管58が連結されている。
【0023】前記熱交換器52には、2階天井45に配
設した吹出口60に連結する空気供給管61と、1階天
井62に配設した吹出口63に連結する空気供給管64
とが連結されている。また、前記熱交換器52には、2
階の適所に配設した複数の吸込口65,66、67、6
8に連結する空気排出管69と、床下空間部70に開口
する空気排出管71とが連結されている。尚、上記実施
形態では、説明の便宜上、熱交換器52、吸気手段53
及び排気手段54は、独立しさせて図示したが、一体型
であってもよく、あるいは、吸気手段53と排気手段5
4を一台のモータで駆動する一体型としてもよい。
【0024】前記吹出口60は、2階から1階に下る階
段の下り口にある階段ホール74の天井面に設けられて
おり、吹出口63は、玄関ホール75の天井面に設けら
れている。従って、吹出口60から吹き出された新鮮な
空気は、各部屋の開口部から入り込み、各吸込口65〜
68から吸い込まれて外部へ排出される。また、吹出口
63から吹き出された新鮮な空気は、各部屋の開口部か
ら入り込み、後述するように、床面に設けた通気口から
床下空間部に吸引され、空気排出管71によって外部へ
排出される。
【0025】次に、図示する実施形態では、2階階段ホ
ール74を囲んで部屋A、B、C、Dが配設されてお
り、これら部屋A、B、C、Dは、仕切壁76、77、
78によって仕切られている。
【0026】部屋Aと階段ホール74との間には、ドア
80によって開閉される開口部81が形成されている。
このドア80は、下部に複数のスリットによる通気部を
形成するか、床面との間に僅かな隙間を有するように設
けられており、階段ホール74と部屋Aとの間で空気が
流通するようになっている。部屋Aには、室内収納部と
してクローゼット82が設けられている。クローゼット
82は、下部に複数のスリットによる通気部を形成した
引き違い式の戸83で開閉されるようになっている。こ
のクローゼット82の天井面には、部屋Aの空気を外部
へ排出するための吸込口65が設けられている。
【0027】前記部屋Aにおいては、吹出口60から吹
き出された新鮮な空気(外気)は、ドア80の通気部を
通って入り込み、部屋A内を循環してクローゼット82
に流入し、吸込口65から吸い込まれる。このとき、ク
ローゼット82全体で空気を吸い込むことになるので、
吸込口65にショートカットすることなく、空気は部屋
A全体を循環することになる。また、クローゼット82
内の空気も吸い込まれることになるから、臭いもなく快
適環境が保持される。
【0028】また、部屋Bと階段ホール74との間に
は、部屋Aと同様に、開口部84が形成されており、こ
の開口部84はドア85によって開閉されるようになっ
ている。このドア85は、前記ドア80と同様に形成さ
れており、階段ホール74と部屋Bとの間で空気が流通
するようになっている。部屋Bには、室内収納部である
クローゼット86が設けられており、複数のスリットに
よる通気部を形成した引き違い式の戸87で開閉される
ようになっている。このクローゼット86の天井面に、
部屋Bの空気を外部へ排出するための吸込口66が設け
られている。
【0029】前記部屋Bにおいては、部屋Aと同様に、
吹出口60から吹き出された新鮮な空気(外気)は、ド
ア85の通気部を通って入り込み、部屋B内を循環して
クローゼット86に流入し、吸込口66から吸い込まれ
る。空気は、吸込口66にショートカットすることな
く、部屋B全体を循環し、また、クローゼット86内の
空気も吸い込みながら吸込口66から排出される。
【0030】また、部屋Cと階段ホール74との間に
は、開口部90が形成されており、この開口部90はド
ア91によって開閉されるようになっている。また、部
屋Dと階段ホール74との間には、開口部92が形成さ
れており、この開口部92はドア93によって開閉され
るようになっている。このドア91、93は、前記ドア
80と同様に形成されており、階段ホール74と部屋
C、部屋Dとの間で空気が流通するようになっている。
部屋C、部屋Dには、階段ホール74から最も離間した
位置の天井面に部屋C内の空気を排出するための吸込口
67、部屋D内の空気を排出するための吸込口68が設
けられている。
【0031】上記のように、部屋C、部屋Dにおいて
も、部屋A、Bと同様に、吹出口60から吹き出された
新鮮な空気(外気)は、ドア91、93の通気部を通っ
て入り込み、部屋C、部屋D内を循環した後、吸込口6
7、68から吸い込まれる。吸込口67、68は、階段
ホール74から最も離間した位置に設けられているの
で、吹出口60から吹き出された空気は部屋全体を循環
することになる。
【0032】次いで、1階においては、玄関ホール75
の天井面に吹出口63が設けられている。図示する実施
形態では、前記玄関ホール75に続く廊下95の突き当
たりに、トイレE,洗面室F,浴室Gが配設されてお
り、さらに部屋H,J,Kが配設されている。
【0033】前記トイレEと廊下95を仕切る壁には、
開口部96が形成されており、この開口部96はドア9
7によって開閉されるようになっている。このドア97
は、上記に示すドアと同様に形成されており、下部は空
気が流通するようになっている。そして、開口部96か
ら最も離間した位置の床面にトイレEの空気を排出する
ための通気口98が設けられている。前記通気口98
は、床下空間部70に連通している。従って、トイレE
においては、吹出口63から吹き出された空気は、前記
ドア97の通気部を通って入り込み、トイレE内を循環
して通気口98から吸い込まれる。
【0034】洗面室Fと廊下95を仕切る壁には、開口
部100が形成されており、この開口部100はドア1
01によって開閉されるようになっている。このドア1
01にも通気部が形成されている。この通気部を通して
玄関ホール75と洗面室Fとの間で空気が流通するよう
になっている。開口部100から最も離間した位置の床
面に洗面室Fの空気を排出するための通気口102が設
けられている。
【0035】前記通気口102は、床下空間部70に連
通している。従って、洗面室Fにおいては、吹出口63
から吹き出された空気は、前記ドア101の通気部を通
って入り込み、洗面室F内を循環して通気口102から
吸い込まれる。尚、上記実施形態における通気口98、
102は省略してもよい。このように、前記通気口9
8、102を省略した場合には、排気ダクトで排気する
か、個別に設けた換気扇を用いて排気すればよい。
【0036】また、部屋Hと廊下95との間に開口部1
03が形成されており、この開口部103には廊下95
から部屋Hに出入りするための引込戸104が取り付け
られている。この引込戸104の下部には、通気部が形
成されており、玄関ホール75から空気が流入するよう
になっている。そして、部屋Hの開口部103から最も
離間した位置の床面に通気口105が設けられている。
従って、吹出口63から吹き出された空気は、前記引込
戸104の通気部を通って入り込み、部屋E内を循環し
て通気口105から吸い込まれる。
【0037】次に、部屋Jと玄関ホール75を仕切る壁
には開口部106が形成されており、この開口部106
はドア107によって開閉されるようになっている。こ
のドア107の下部には通気部が形成されており、この
通気部を通して吹出口63から吹き出された空気が流入
する。そして、部屋Jの開口部106から最も離間した
位置の床面に通気口108が設けられている。吹出口6
3から吹き出された空気は、前記ドア107の通気部を
通って入り込み、部屋J内を循環して通気口108から
吸い込まれる。
【0038】部屋Jに隣接する台所Kと部屋Jとの間を
仕切る壁には、行き来するための開口部110が形成さ
れている。台所Kにおいては、流し台の下面に通気口1
11設けられている。従って、部屋Jに流入した空気の
一部は、前記開口部110から台所Kに流入して、通気
口111から床下空間部70へと吸い込まれる。空気
は、台所全体に行き渡り、台所の臭いや湿気と一緒に床
下空間部70へと排出される。
【0039】床下空間部70においては、床下空間部7
0に流入した空気に淀みを生じさせることなく、最も効
率の良い位置に空気排出管71の開口が配設されてお
り、1階居室部から流入した空気を換気する。尚、上記
実施形態では、台所Kの流し台の下面に通気口111を
設ける場合について説明したが、前記通気口111は省
略してもよい。前記通気口111を省略した場合には、
排気ダクトで排気するか、個別に設けた換気扇を用いて
排気すればよい。
【0040】また、屋根裏空間部50における排気につ
いての説明は省略したが、屋根裏空間部50も床下空間
部70と同様に構成することができる。即ち、2階居室
部の吸込口65〜68の部分を通気口として屋根裏空間
部50と連通させ、屋根裏空間部50に流入した空気に
淀みを生じさせることなく、最も効率の良い位置に空気
排出管69の開口を配設させ、2階居室部から流入した
空気を換気すればよい。このように、屋根裏空間も換気
することによって、床下空間部から屋根裏空間部に至る
まで全館を一様に換気することができる。
【0041】上記のように、2階の階段ホールに吹出口
60を設けたので、吹出口60の近傍に冷房装置113
を配設すると、冷気は空気の流れによって各部屋に流入
すると共に、冷気は下降するという性質から、階段等の
空間部から1階居室部に流れ込み、1階居室部の全体を
冷房することになる。従って、1台の冷房装置によって
全館を効率よく冷房することが可能となる。
【0042】また、玄関ホール75に暖房装置114を
配設すると、吹出口63から吹き出された空気の流れに
よって1階居室部全体の暖房が行われるっと共に、暖気
は上昇するという性質から、階段等の空間部から2階居
室部に流れ込み、吹出口60からの気流によって2階居
室部全体を暖房することになる。従って、1台の暖房装
置によって全館を効率よく暖房することが可能となる。
【0043】
【発明の効果】上述するところから明らかなように、こ
の発明に係る自然通気層とシステム換気装置を有する建
築物によれば、外壁通気層及び屋根通気層を完全な密封
状態の通気層としたから、通気層内における上方と下方
の温度差によって自然対流が生じ、空気はいずれの部分
にも停滞または滞留することなく流れて、自然換気によ
り壁外装材内の湿気を運び出すように流れることができ
る。また、屋根や外壁が太陽光によって加熱すると、通
気層内の空気が自然換気され、室内側への熱の伝導され
るのを防止する。
【0044】また、新鮮な空気を玄関ホールや階段ホー
ル等の共有空間に吹き出し、室内収納部か部屋の開口部
から最も離間した位置の天井に吸込口を設けたから、吹
き出された空気は、部屋全体を循環しながら、効果的に
換気することができる。また、1階居室部においては、
通気口を室内収納部、流し台、部屋等の床面に設け、1
階に流入した空気を床下空間部内を循環させた後、外部
に排出するから、1階居室部と床下空間部は一様に換気
される。特に、床下空間部においては、専用の特別な空
調装置を設ける必要がなく、暖房、冷房、除湿、換気が
でき、空気流を効率よく起こすことができる。1階居室
部の空気が床下空間部に流入して換気されることによっ
て、床の底冷え感が解消される。また、効率的な換気に
より、電力エネルギーも減少し、省エネを図ることがで
きると共に、施工工事も簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る木造建築物の部分
縦断面図である。
【図2】外壁の一部を切り欠いて示す拡大要部斜視図で
ある。
【図3】2階居室部の説明用平面図である。
【図4】1階居室部の説明用平面図である。
【符号の説明】
11:布基礎 12:土台 13:柱 14:床根太 17:床材 18:断熱材 19:土間 21:内装下地材 22、22a:構造用面材 23、23a:通気胴縁 24:壁外装材 25:外壁通気層 26、26a:硬質発泡樹脂断熱層 29:屋根通気層 31:屋根野地板 32:屋根下地材 33:屋根葺き材 35:空気流入口 40:棟換気フード 41:空気流出口 42:開口 44:スペーサ 45:2階天井 50:屋根裏空間部 52:熱交換器 53:吸気手段 54:排気手段 55:吸気ダクト 56:排気ダクト 57:吸気管 58:排気管 60:2階吹出口 61:2階空気供給管 62:1階天井 63:1階吹出口 64:1階空気供給管 65〜68:2階吸込口 69:空気排出管 70:床下空間部 71:空気排出管 74:2階の階段ホール 75:玄関ホール 78:仕切壁 110:開口部 80、85、91、93、97、107:ドア 82:クローゼット 83:引き違い戸 95:廊下 98、102、105,111:通気口

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 居室部と屋根裏空間部と床下空間部とを
    備えた住宅において、自然通気層は、壁外装材及び屋根
    下地材とその室内側に配設された構造用面材との間に通
    気胴縁および断熱層を介設し、前記断熱層は壁外装材及
    び屋根下地材との間に設けた隙間によって形成されてな
    り、前記壁外装材と断熱層との間の隙間を外壁通気層と
    なし、屋根下地材と断熱層との間の隙間を屋根通気層と
    なし、屋根下地材の下端は塞いで壁外装材の上端と連結
    することにより、前記自然通気層を密封状態の通気層と
    し、システム換気装置は、外気の吹出口を2階の階段ホ
    ールの天井面に設け、吸込口を2階居室部の天井面に設
    け、流入した空気が居室部全体及び床下を満遍なく換気
    するようにしたことを特徴とする自然通気層とシステム
    換気装置を有する建築物。
  2. 【請求項2】 外壁通気層は壁外装材の下端に多孔性の
    通気部材によって形成した空気流入口に連通しており、
    屋根通気層は屋根に設けた空気流出口に連通し、吸込口
    を設ける位置が、室内収納部の天井面であることを特徴
    とする請求項1記載の自然通気層とシステム換気装置を
    有する建築物。
  3. 【請求項3】 空気流出口は、屋根に棟換気フードを設
    け、棟換気フードにおける屋根葺き材の突き合わせ部に
    開口を設けることによって形成されており、吸込口を設
    ける位置が、各部屋の開口部から最も離間した位置の天
    井面であることを特徴とする請求項1又は2記載の自然
    通気層とシステム換気装置を有する建築物。
  4. 【請求項4】 吸込口に連結する排気管は、排気手段を
    備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1
    項に記載の自然通気層とシステム換気装置を有する建築
    物。
  5. 【請求項5】 居室部と屋根裏空間部と床下空間部とを
    備えた住宅において、自然通気層は、壁外装材及び屋根
    下地材とその室内側に配設された構造用面材との間に通
    気胴縁および断熱層を介設し、前記断熱層は壁外装材及
    び屋根下地材との間に設けた隙間によって形成されてな
    り、前記壁外装材と断熱層との間の隙間を外壁通気層と
    なし、屋根下地材と断熱層との間の隙間を屋根通気層と
    なし、屋根下地材の下端は塞いで壁外装材の上端と連結
    することにより、前記自然通気層を密封状態の通気層と
    し、システム換気装置は、外気の吹出口を1階の玄関ホ
    ールの天井面に設け、通気口を1階居室部の床面に設け
    るとともに、床下空間部には空気排出管の開口を配設
    し、1階居室部を循環した空気を、さらに床下空間部に
    流入させて循環させ、その後排気するようにしたことを
    特徴とする自然通気層とシステム換気装置を有する建築
    物。
  6. 【請求項6】 外壁通気層は壁外装材の下端に多孔性の
    通気部材によって形成した空気流入口に連通しており、
    屋根通気層は屋根に設けた空気流出口に連通し、通気口
    を設ける位置が室内収納部の床面であることを特徴とす
    る請求項5記載の自然通気層とシステム換気装置を有す
    る建築物。
  7. 【請求項7】 空気流出口は屋根に棟換気フードを設
    け、棟換気フードにおける屋根葺き材の突き合わせ部に
    開口を設けることによって形成されており、通気口を設
    ける位置が各部屋の開口部から最も離間した位置の床面
    であることを特徴とする請求項5又は6記載の自然通気
    層とシステム換気装置を有する建築物。
  8. 【請求項8】 吹出口に連結する吸気管は、吸気手段を
    備えていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1
    項に記載の自然通気層とシステム換気装置を有する建築
    物。
  9. 【請求項9】 吸込口に連結する空気排出管と床下空間
    部に開口する空気排出管とは、分岐されて形成されてお
    り、排気手段を備えていることを特徴とする請求項1〜
    7のいずれか1項に記載の自然通気層とシステム換気装
    置を有する建築物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010159947A (ja) * 2009-01-07 2010-07-22 Norimasa Sasaki 太陽熱を利用する床下換気構造
JP2022097331A (ja) * 2020-12-20 2022-06-30 清政 上郡 住宅
KR102547440B1 (ko) * 2022-08-18 2023-07-07 한상관 중력의 작용에 의해 직각방향으로 상승하는 비중이 가벼운 오염된 기체성 물질분자들을 포집하여 정화하도록 구성되는 학교,군대,지하철,지하주차장,식물재배사,가축사육장,지렁이 사육장,축분이나 음식물 쓰레기 건조장,다중이 거주하는 건축물의 내부에서 발생되는 비중이 가벼운 오염된 공기를 포집하여 깨끗하게 정화하는 자연친화적인 친환경 공기 정화시스템 및 이 시스템을 이용하여 식물을 재배하는 친환경 공법

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