JPH11263140A - 車両用左右駆動力配分装置 - Google Patents

車両用左右駆動力配分装置

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JPH11263140A
JPH11263140A JP10070854A JP7085498A JPH11263140A JP H11263140 A JPH11263140 A JP H11263140A JP 10070854 A JP10070854 A JP 10070854A JP 7085498 A JP7085498 A JP 7085498A JP H11263140 A JPH11263140 A JP H11263140A
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JP
Japan
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gear
driving force
clutch
gears
hydraulic
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JP10070854A
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English (en)
Inventor
Toshio Kobayashi
利雄 小林
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Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Heavy Industries Ltd
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H48/00Differential gearings
    • F16H48/20Arrangements for suppressing or influencing the differential action, e.g. locking devices
    • F16H48/30Arrangements for suppressing or influencing the differential action, e.g. locking devices using externally-actuatable means
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H48/00Differential gearings
    • F16H48/36Differential gearings characterised by intentionally generating speed difference between outputs
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H48/00Differential gearings
    • F16H48/36Differential gearings characterised by intentionally generating speed difference between outputs
    • F16H2048/366Differential gearings characterised by intentionally generating speed difference between outputs using additional non-orbital gears in combination with clutches or brakes
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
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    • F16H48/00Differential gearings
    • F16H48/06Differential gearings with gears having orbital motion
    • F16H48/08Differential gearings with gears having orbital motion comprising bevel gears

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
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  • Mechanical Engineering (AREA)
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  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)
  • Arrangement And Mounting Of Devices That Control Transmission Of Motive Force (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】左右の出力軸方向の寸法をコンパクトに実現
し、車載性に優れ、構成部品及びその種類も少なく小型
・軽量で、従来の差動装置と装着互換性を有し、製造コ
スト上有利で、バイパストルクの調整・設定も容易で制
御精度が高く耐久・信頼性に優れる車両用左右駆動力配
分装置を提供する。 【解決手段】左右駆動力配分装置7(12)は、左右一
方の出力軸に第1,2の歯車56,57を、他方の出力
軸に第3,4の歯車59,60を固定する。これら同一
回転軸芯上の歯車と噛合する第5〜8の歯車61〜64
を上記回転軸芯と平行な同一回転軸芯上に配設して2組
のクラッチを設ける。第1,5の歯車56,61で第1
の歯車列、第2,6の歯車57,62で第2の歯車列、
第3,7の歯車59,63で第3の歯車列、第4,8の
歯車60,64で第4の歯車列を形成し、各ギヤ比を
1.0,0.9,1.0,0.9に設定する。そして、
第1,2の油圧多板クラッチ71,76の連結を制御
し、駆動力を左右輪間で直接配分制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の差動装置に
関し、詳しくは左右輪への駆動力配分比を可変に制御で
きる車両用左右駆動力配分装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、凹凸が大きい路面や、急な斜面を
横切るときや、スプリットμ路走行等での駆動力の確保
および走行安定性や運動性能を向上させるため、様々な
種類の差動制限装置が開発され実用化されている。さら
に、最近では、左右輪のトルク配分を積極的に制御し、
車両の旋回性を向上させる技術が提案されている。
【0003】例えば、特開平5−77653号公報(以
下「第1の先行例」という)には、リングギヤがディフ
ァレンシャルケースの内周に形成され、サンギヤが第2
の出力軸に取り付けられ、プラネタリギヤを軸支するキ
ャリヤが第1の出力軸に取り付けられて構成されるダブ
ルピニオン式の遊星歯車機構で形成された差動装置に、
左右の駆動力配分を制御する駆動力伝達制御機構を備え
たものが示されている。そして、上記駆動力伝達制御機
構は、左右の出力軸に付設されて左右の出力軸の回転速
度を変速する変速機構と、この変速機構によって変速さ
れて、左右の出力軸と異なる速度で回転するように接続
された駆動力伝達補助部材と、左右の駆動力配分を調整
する多板クラッチ機構を備えており、多板クラッチ機構
と差動機構を同一ケーシング内に配設している。また、
上記多板クラッチ機構はクラッチ部とピストン部から分
離構成され、クラッチ部がディファレンシャルケース内
に、ピストン部がケース外に配置されている。
【0004】また、特開平5−345535号公報(以
下「第2の先行例」という)には、ダブルピニオン式の
遊星歯車機構の差動機構であって、左右輪への駆動力伝
達制御機構を、左右輪への回転軸の間に介装し、この回
転軸のうち一方の回転軸の速度を増速して第1の中間軸
に出力する増速機構と、一方の回転軸を減速して第2の
中間軸に出力する減速機構とが一体化された増減速機構
と、第1および第2の伝達トルク容量可変手段とから構
成することが開示されている。そして、第1と第2の伝
達トルク容量可変手段は、互いに隣接して一体化されて
いる。また、上記伝達トルク容量可変手段は、電子制御
油圧式多板クラッチにより構成されている。
【0005】さらに、特開平1−182127号公報
(以下「第3の先行例」という)には、入力軸により回
転される差動装置のディファレンシャルケースと共に回
転される中間軸の左輪側と右輪側とにそれぞれ油圧多板
クラッチを設け、左輪側出力軸と中間軸および右輪側出
力軸と中間軸をそれぞれの油圧多板クラッチを介して連
結し、車両の運動状態に応じて左右輪のトルク伝達量を
可変に制御することが開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記第
1の先行例においては、ハイポイド・リングギヤの内径
部に形成されたディファレンシャルケースに、両側から
油圧多板クラッチのドライブプレートとドリブンプレー
トを交互に重ね、その中央部にダブルピニオン式の差動
装置を設け、また、ディファレンシャルケースの外側に
左輪用と右輪用の出力軸と異なる速度で回転するように
駆動力伝達補助部材と、左右の駆動力配分を調整する多
板クラッチ機構とをシリーズに配置しているため、左右
輪方向の寸法が長大化する不都合がある。
【0007】そして、左右輪の出力軸が車輪方向に長大
化するため、等速ジョイントを両側にもつドライブ軸の
全長が短縮され、車体レイアウトから決まる車軸と出力
軸の位置の違い、サスペンションストロークに応じた上
下ストローク、車種の相違に応じた上下方向のズレ、車
両のリバウンド等の動的な変化などによりドライブ軸の
ジョイント角度(屈曲角)が大きくなり、ドライブ軸の
強度低下、伝達効率の低下を招き、また、ジョイント部
からの振動・騒音問題の原因になる虞がある。
【0008】また、ディファレンシャルケースの両側に
左右輪駆動力配分用の遊星歯車式の駆動力伝達補助部材
を配置するため、装置全体が大型化、構造が複雑化し、
構成部品点数が増加するなど製造コストや質量増加の観
点で好ましくない。
【0009】さらに、油圧多板クラッチのクラッチディ
スクの外径サイズに制約が生じ、クラッチ・トルク容量
を増加させるには、クラッチ枚数を大幅に増加する、或
いは、油圧ピストンの受圧面積を増加する等の手段をと
る必要がある。従って、高出力車に採用する場合は、ト
ルク伝達容量を増加させる必要があることから、装置全
体が大型化、質量増加し、コスト増加などを招き好まし
くない。
【0010】また、左右方向の構造が左側遊星歯車と左
ピストン、ディファレンシャルケース内の差動歯車と油
圧多板クラッチ、右側の遊星歯車と右ピストンの3ブロ
ックに分離されてしまうため、潤滑バランスや潤滑方法
が難しいといった課題がある。
【0011】また、前記第2の先行例では、左右の出力
軸方向に、ダブルピニオン式差動装置、増速機構と減速
機構を得る3列ピニオンを一体とした複合遊星歯車、及
び、この複合遊星歯車の2つのサンギヤにそれぞれ動力
伝達可能に連結する2組の油圧多板クラッチが配設さ
れ、更に、2組油圧多板クラッチが隣接して一体化され
ている。従って、左右の出力軸方向に、差動装置、3列
ピニオンの複合遊星歯車式増減速機構、2組の油圧多板
クラッチ等をシリーズに構成するため、左右駆動力配分
装置の幅寸法が長大化し、上述の第1の先行例と同様の
課題がある。
【0012】さらに、増速機構と減速機構を得る3列ピ
ニオンが必要なため、必要とするピニオンの種類が増加
し、歯車の製造管理も複雑になる。
【0013】また、前記第3の先行例は、駆動力を左右
輪それぞれの側に独立して設けた油圧多板クラッチを介
して配分する構成であり、中間軸の左右両側に油圧多板
クラッチを設けなければならず、左右駆動力配分装置の
車両左右方向寸法が長大化し、部品点数が多くなり、上
述したように長大化による課題がある。
【0014】本発明は、上記事情に鑑み、左右の出力軸
方向の寸法をコンパクトに実現し、左右輪とアクスル軸
間に配置される自在継手の交差角を小さくすることがで
き、サスペンションの構成部材や排気系部材との干渉や
整備時に隙間が確保できるなど車載性に優れ、構成部品
点数・種類も少なく小型・軽量で、従来の差動装置と装
着互換性を有し、製造コスト上有利であり、また、バイ
パストルクの調整・設定も容易で制御精度が高く左右輪
間で有効に駆動力配分が行えて耐久・信頼性に優れた車
両用左右駆動力配分装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明による車両用左右駆動力配分装
置は、入力した駆動力を左輪側出力軸と右輪側出力軸と
に差動機能を有して出力する差動機構部を備え、上記両
出力軸のどちらか一方に、第1の回転部材に対し第1の
回転速度を発生させる第1の歯車と、第2の回転部材に
対し上記第1の回転速度とは異なる第2の回転速度を発
生させる第2の歯車とを固設し、他方の出力軸に、第3
の回転部材に対し上記第1の回転速度を発生させる第3
の歯車と、第4の回転部材に対し上記第2の回転速度を
発生させる第4の歯車とを固設し、上記第1ないし第4
の回転部材を上記両出力軸の回転軸芯と平行な同一回転
軸芯上に配設すると共に、上記第1の回転部材と上記第
4の回転部材との間の伝達容量を可変とする第1のクラ
ッチと、上記第2の回転部材と上記第3の回転部材との
間の伝達容量を可変とする第2のクラッチを上記各回転
部材の回転軸芯上に配設したことを特徴とする。
【0016】上記請求項1記載の車両用左右駆動力配分
装置は、まず、駆動力が差動装置に入力され、左右輪間
で差動機能を有して左輪側出力軸と右輪側出力軸とに動
力配分される。例えば、左輪側出力軸に第1,第2の歯
車を固設し、右輪側出力軸に第3,第4の出力軸を固設
した場合は、左輪側出力軸の回転により第1,第2の歯
車が回転し、第1の回転部材が第1の回転速度で回転さ
れると共に、第2の回転部材が第1の回転速度と異なる
第2の回転速度で回転される。また、右輪側出力軸の回
転により第2,第3の歯車が回転し、第3の回転部材が
上記第1の回転速度で回転されると共に、第4の回転部
材が上記第2の回転速度で回転される。これら各回転部
材は、上記両出力軸と回転軸芯と平行な同一回転軸芯上
で回転される。そして、上記第1の回転部材と上記第4
の回転部材とを、各回転部材の回転軸芯上に配設した第
1のクラッチにより伝達容量可変に連結することで、或
いは、上記第2の回転部材と上記第3の回転部材とを、
第2のクラッチにより伝達容量可変に連結することで、
左右輪のトルク配分を行う。ここで、例えば、上記第1
の回転速度が第2の回転速度を基準として高く設定した
とすると、左旋回する場合は、第1の回転部材と第4の
回転部材とを第1のクラッチにより伝達容量可変に連結
することで駆動力を右輪側に多く配分し、右旋回する場
合は、第2の回転部材と第3の回転部材とを第2のクラ
ッチにより伝達容量可変に連結することで駆動力を左輪
側に多く配分することが可能となり、旋回性能が向上す
る。
【0017】また、第1ないし第4の回転部材は上記両
出力軸の回転軸芯と平行な同一回転軸芯上に配設されて
おり、両クラッチは上記各回転部材の回転軸芯上に配設
されている。このため、車両用左右駆動力配分装置は、
左右方向に短くコンパクトに構成される。
【0018】また、請求項2記載の発明による車両用左
右駆動力配分装置は、上記請求項1記載の車両用左右駆
動力配分装置において、上記各クラッチを、油圧多板ク
ラッチ、電磁クラッチ、及び、伝達容量可変型カップリ
ングの少なくとも一つから構成し、クラッチ機能を得
る。
【0019】さらに、請求項3記載の発明による車両用
左右駆動力配分装置は、上記請求項1又は請求項2記載
の車両用左右駆動力配分装置において、上記各クラッチ
の伝達容量を、車両の走行状態と路面状況に応じて可変
に設定することで、車両の走行状態と路面状況に応じ最
適な左右駆動力配分を行う。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を説明する。図1〜図11は本発明の実施の第
1形態を示し、図1は4WD車の全体の概略構成を示す
説明図、図2は後輪左右駆動力配分装置の拡大断面図、
図3はセンターディファレンシャル装置の差動機能説明
のための各部の概略図、図4は第1のサンギヤを固定し
た際の動作説明図、図5は第2のサンギヤを固定した際
の動作説明図、図6はセンターディファレンシャル装置
の動力分配機能、差動制限機能説明のための各部の概略
図、図7は各ギヤにより生じる荷重の説明図、図8は後
輪側回転数よりも前輪側回転数の方が大きい場合の説明
図、図9は後輪側回転数よりも前輪側回転数の方が小さ
い場合の説明図、図10は左右駆動力配分の油圧制御装
置の構成説明図、図11は左右駆動力配分制御装置の機
能構成を示すブロック図である。尚、本実施の形態にお
いては、4WD(4輪駆動)車の前後輪に左右駆動力配
分装置を設けると共に、センターディファレンシャル装
置は複合プラネタリギヤ式で構成している。
【0021】図1において、符号1は車両前部に配置さ
れたエンジンを示し、エンジン1からの駆動力が、エン
ジン1後方の自動変速装置(トルクコンバータ等も含ん
で図示)2,トランスミッション出力軸2aを経てセン
ターディファレンシャル装置3に伝達され、このセンタ
ーディファレンシャル装置3から、リヤドライブ軸4,
プロペラシャフト5,ドライブピニオン6を介して終減
速装置を構成する後輪左右駆動力配分装置7に入力され
る一方、トランスファドライブギヤ8,トランスファド
リブンギヤ9,このトランスファドリブンギヤ9と共に
フロントドライブ軸10に設けたドライブピニオン11
を介して前輪左右駆動力配分装置12に入力されるよう
に構成されている。ここで、上記自動変速装置2,セン
ターディファレンシャル装置3,前輪左右駆動力配分装
置12等は、一体的にケース13内に設けられている。
【0022】上記後輪左右駆動力配分装置7に入力され
た駆動力は、左輪側出力軸としての左ドライブ軸14,
左アクスル軸15を経て左後輪16に、右輪側出力軸と
しての右ドライブ軸17,右アクスル軸18を経て右後
輪19に伝達されるようになっている。
【0023】また、上記前輪左右駆動力配分装置12に
入力された駆動力は、左輪側出力軸としての左ドライブ
軸20を経て左前輪21に、また、右輪側出力軸として
の右ドライブ軸22を経て右前輪23に伝達されるよう
になっている。
【0024】上記エンジン1のインテークマニホールド
24に連通するスロットルボディー25にはスロットル
バルブ(図示せず)の開度(スロットル開度)を検出す
るスロットル開度センサ26が設けられ、上記ケース1
3には後輪出力軸回転数を車速として検出するための車
速センサ27が設けられている。
【0025】また、ステアリングホイール28のステア
リングコラムには操舵角θを検出する舵角センサ29が
設けられ、さらに、車両の前後方向の加速度を検出する
前後加速度センサ30、左右方向の加速度を検出する横
加速度センサ31が設けられている。
【0026】上記各センサは、車両の走行状態および路
面状況に応じ前後の左右輪の駆動力配分を制御するマイ
クロコンピュータ等からなる左右駆動力配分制御装置3
2に接続されている。また、TCU(トランスミッショ
ンコントロールユニット)あるいはECU(エンジンコ
ントロールユニット)等のコントロールユニット33か
ら自動変速装置2の変速位置(シフト位置)を表わすレ
ンジ情報が上記左右駆動力配分制御装置32に入力する
ようになっている。
【0027】上記左右駆動力配分制御装置32は、各入
力信号に基づき車両の走行状態と路面状況を判定し、上
記後輪左右駆動力配分装置7による最適な左右輪の駆動
力配分量を求め後輪側の油圧制御装置34に対し信号出
力する一方、上記前輪左右駆動力配分装置12による最
適な左右輪の駆動力配分量を求め前輪側の油圧制御装置
35に対し信号出力する。
【0028】上記後輪側油圧制御装置34と前輪側油圧
制御装置35は略同様の構造で、それぞれ上記左右駆動
力配分制御装置32からの信号を受け、後輪側油圧制御
装置34は上記後輪左右駆動力配分装置7に対して一対
の油圧管路36を通じて油圧を加えるように構成され、
前輪側油圧制御装置35は上記前輪左右駆動力配分装置
12に対して一対の油圧管路37を通じて油圧を加える
ように構成されている。
【0029】上記センターディファレンシャル装置3
は、上記ケース13内後方に設けられており、回転自在
に収納したキャリヤ38の前方から上記トランスミッシ
ョン出力軸2aが回転自在に挿入される一方、後方から
は上記リヤドライブ軸4が回転自在に挿入されている。
【0030】入力側の上記トランスミッション出力軸2
aの後端部には、大径の第1のサンギヤ39が形成さ
れ、後輪への出力を行う上記リヤドライブ軸4の前端部
には、小径の第2のサンギヤ40が形成されており、上
記キャリヤ38内に上記第1のサンギヤ39と上記第2
のサンギヤ40が格納されている。
【0031】そして、上記第1のサンギヤ39が小径の
第1のピニオン41と噛合して第1の歯車列が形成さ
れ、上記第2のサンギヤ40が大径の第2のピニオン4
2と噛合して第2の歯車列が形成されている。
【0032】上記第1のピニオン41と第2のピニオン
42は一体に形成されており、複数対(例えば3対)の
上記ピニオンが、上記キャリヤ38に固定したそれぞれ
のプラネタリピン43に回転自在に軸支されている。
【0033】また、上記キャリヤ38は、前端に上記ト
ランスファドライブギヤ8が連結されて、このキャリヤ
38から前輪への出力を行うように構成されている。
【0034】すなわち、センターディファレンシャル装
置3は、上記トランスミッション出力軸2aからの駆動
力が第1のサンギヤ39に伝達され、上記第2のサンギ
ヤ40から上記リヤドライブ軸4へ出力すると共に、上
記キャリヤ38から上記トランスファドライブギヤ8,
トランスファドリブンギヤ9を経て上記フロントドライ
ブ軸10へ出力するリングギヤのない複合プラネタリギ
ヤ式に構成されている。
【0035】そしてかかる複合プラネタリギヤ式センタ
ーディファレンシャル装置3は、上記第1,第2のサン
ギヤ39,40およびこれらサンギヤ39,40の周囲
に複数個配置される上記第1,第2のピニオン41,4
2の歯数を適切に設定することで差動機能を有する。
【0036】また、上記第1,第2のサンギヤ39,4
0と上記第1,第2のピニオン41,42との噛み合い
ピッチ円半径を適宜設定することで、基準トルク配分が
前後50:50の等トルク配分、或いは、前後どちらか
に偏重した不等トルク配分が可能となる。
【0037】更に、上記第1,第2のサンギヤ39,4
0と上記第1,第2のピニオン41,42とを、例え
ば、斜歯歯車にし、上記第1の歯車列と上記第2の歯車
列の捩れ角を異にして、スラスト荷重を相殺させること
なくスラスト荷重を残留させてピニオン端面間に摩擦ト
ルクを生じさせ、又、上記第1,第2のピニオン41,
42と上記プラネタリピン43の表面に噛合いによる分
離,接線荷重の合成力が作用して摩擦トルクが生じるよ
うに設定し、入力トルクに比例した差動制限トルクを得
ることで差動制限機能を与える。
【0038】次に、図3、図4、図5の各図を基に、上
記センターディファレンシャル装置3の差動機能につい
て説明する。まず、図4に示すように、第1のサンギヤ
39を固定すると、半径rs2 の円周上で、 (円弧KF)=(円弧CF)−(円弧CK) …(1) が成立し、図5に示すように、第2のサンギヤ40を固
定すると、半径rs1 の円周上で、 (円弧ZF)=(円弧BF)−(円弧BZ) …(2) が成立する。
【0039】ここで、第1,第2のサンギヤ39,40
の角速度をωs1 ,ωs2 、噛み合いピッチ円半径をr
s1 ,rs2 、第1,第2のピニオン41,42の角速
度をωp1 ,ωp2 、噛み合いピッチ円半径をrp1 ,
rp2 、キャリヤ38の角速度をωcとすると、(1)
式は、 ωs2 ・rs2 =−ωp2 ・rp2 +ωc・rs2 …(3) になり、(2)式は、 ωs1 ・rs1 =−ωp1 ・rp1 +ωc・rs1 …(4) になる。
【0040】そこで、第1,第2のピニオン41,42
は一体であってωp1 =ωp2 であるから、上記
(3),(4)式を整理すると、 ωc・(rs2 −rs1 ・rp2 /rp1 ) =ωs2 ・rs2 −ωs1 ・rs1 ・rp2 /rp1 …(5) が成立する。
【0041】ここで、図3に示すように、第1のサンギ
ヤ39の角速度ωs1 をトランスミッション出力軸2a
による入力回転数Ni、キャリヤ38の角速度ωcを前
輪側回転数NF、第2のサンギヤ40の角速度ωs2 を
リヤドライブ軸4の後輪側回転数NR、第1,第2のサ
ンギヤ39,40の噛み合いピッチ円半径rs1 ,rs
2 および第1,第2のピニオン41,42の噛み合いピ
ッチ円半径rp1 ,rp2 を各歯数Zs1 ,Zs2 ,Z
p1 ,Zp2 に置き換えると、上記(5)式は、 NF・(Zs2 −Zs1 ・Zp2 /Zp1 ) =NR・Zs2 −Ni・Zs1 ・Zp2 /Zp1 …(5)′ となる。
【0042】そして、上記各歯数を、Zp1 =24,Z
p2 =24,Zs1 =30,Zs2=15とすれば、 NR+NF=2Ni の関係となり、Ni≠0の場合に、NR>Ni>NF,
またはNF>Ni>NRが成立して、前輪側回転数N
F,後輪側回転数NRは共に回転方向が同一で差動が成
立する。
【0043】次いで、図6及び図7を基に、センターデ
ィファレンシャル装置3の等トルク配分機能について説
明する。図6に示すように、トランスミッション出力軸
2aからの第1のサンギヤ39の入力トルクをTi、そ
の噛み合いピッチ円半径をrs1、キャリヤ38の前輪
側トルクをTF、第1,第2のピニオン41,42の噛
み合いピッチ円半径をrp1 ,rp2 、第2のサンギヤ
40によるリヤドライブ軸4への後輪側トルクをTR、
その噛み合いピッチ円半径をrs2 とすると、 Ti=TF+TR …(6) rs1 +rp1 =rs2 +rp2 …(7) が成立する。
【0044】また、図7に示すように、第1のサンギヤ
39と第1のピニオン41との噛合点に作用する接線方
向荷重Pは、キャリヤ38に作用する接線方向荷重P1
と、第2のサンギヤ40と第2のピニオン42との噛合
点に作用する接線方向荷重P2 との和に等しい。ここ
で、各接線方向荷重P,P1 ,P2 は、それぞれ下式に
より表わされる。 P=Ti/rs1 P1 =TF/(rs1 +rp1 ) P2 =TR/rs2
【0045】そして、P=P1 +P2 により、次式の関
係が成り立つ。 Ti/rs1 ={(TF/(rs1 +rp1 )}+TR/rs2 …(8) 上記(6),(7)式を上記(8)式に代入して整理す
ると、 TF=(1−rp1 ・rs2 /rs1 ・rp2 )・Ti …(9) TR=(rp1 ・rs2 /rs1 ・rp2 )・Ti …(10) となる。このことから、第1,第2のサンギヤ39,4
0と第1,第2のピニオン41,42との噛み合いピッ
チ円半径により、前輪側トルクTFおよび後輪側トルク
TRの基準トルク配分を自由に設定し得ることがわか
る。
【0046】そして、上記各噛み合いピッチ円半径rs
1 ,rs2 ,rp1 ,rp2 を各歯車の歯数Zs1 ,Z
s2 ,Zp1 ,Zp2 で置き換え、これら各歯数に前記
各歯数を代入する(Zp1 =24,Zp2 =24,Zs
1 =30,Zs2 =15)と、 TF
=0.5・Ti TR=0.5・Ti になる。従って、前後輪トルク配分は、略50対50に
なり、充分に基準トルク配分を等トルク配分に設定し得
る。
【0047】更に、差動制限機能について説明すると、
上記第1,第2のサンギヤ39,40および上記第1,
第2のピニオン41,42が所定の捩れ角を有する斜歯
歯車になっており、上記第1,第2のピニオン41,4
2の捩れ角を異にして、上記第1,第2のサンギヤ3
9,40との噛合い点に作用するスラスト荷重を相互に
キャンセルすること無く上記プラネタリピン43方向に
作用させることで、その両端面の部分で滑り摩擦力が発
生する。さらに、第1の歯車列,第2の歯車列の噛合い
点に作用する分離荷重と接線荷重との合成力を上記第
1,第2のピニオン41,42,プラネタリピン43の
部分に作用させて、ころがり摩擦力が発生する。そし
て、これらの摩擦力によりピニオン回転に対し反対方向
の、入力トルクに比例した摩擦トルク,即ち差動制限ト
ルクが生じる。
【0048】ここで、前輪側回転数NFと後輪側回転数
NRとの大小関係によりピニオン回転方向が変化し、こ
れに伴い差動制限トルクの掛かり具合も変わる。これに
より、NF>NRの旋回,前輪側スリップ時と、NF<
NRの後輪側スリップ時には、差動制限トルクの作用の
違いに応じて前後輪の動力配分が異なったものに自動的
に制御されるのである。
【0049】そこで、図6,図7,図8を基にNF>N
Rの場合について説明する。この条件では、図8に示す
ように第1のサンギヤ39の反時計方向に入力トルクT
iが入力した場合に、第1,第2のピニオン41,42
が同一方向に自転し、第2のサンギヤ40とキャリヤ3
8も同一方向に回転する。従って、ピニオン側の摩擦ト
ルクTfは、ピニオンと反対の時計方向に作用する。
【0050】ここで、各部のトルク,半径を上述と同一
に定める。また、第1の歯車列の第1のサンギヤ39と
第1のピニオン41の歯面に作用する接線荷重をP,分
離荷重をFs1 ,スラスト荷重をFt1 、第2の歯車列
の第2のサンギヤ40と第2のピニオン42の歯面に作
用する接線荷重をP2 ,分離荷重をFs2 ,スラスト荷
重をFt2 とする(図7参照)。
【0051】また、上記プラネタリピン43の側面との
間の摩擦係数をμ1 ,上記プラネタリピン43の両端面
側の部分での滑り摩擦係数をμ2,摩擦トルクをTf,
ピニオン内側半径をreとし(図6、図8参照)、上記
摩擦係数μ2を有して摩擦を生じる面の外側半径をr
d、接触面の数をn、第1のピニオン41のモジュール
をm1 ,捩れ角をβ1 ,圧力角をα1 とし、第2のピニ
オン42のモジュールをm2 ,捩れ角をβ2 ,圧力角を
α2 とする。
【0052】すると、 Fs1 =P・tanα1 /cosβ1 Ft1 =P・tanβ1 が成立して、プラネタリピン43側に作用する合成力N
p1 は以下のようになる。 Np1 =(P2 +Fs121/2 =P{1+(tanα1 /cosβ1 )21/2 …(11)
【0053】同様にして、 Fs2 =P2 ・tanα2 /cosβ2 Ft2 =P2 ・tanβ2 が成立して、プラネタリンピン43側に作用する合成力
Np2 は以下のようになる。 Np2 =(P22 +Fs221/2 =P2 {1+(tanα2 /cosβ2 )21/2 …(12)
【0054】また、第1,第2のピニオン41,42内
に生じる残留スラスト力ΔFtは以下のようになる。 ΔFt=Ft2 −Ft1 =P2 ・tanβ2 −P・tanβ1 …(13)
【0055】従って摩擦トルクTfは、2つの合成力N
p1 ,Np2 による摩擦力、残留スラスト力ΔFtによ
る摩擦力との和で、以下のようになる。 Tf=μ1 ・re・(Np1 +Np2 ) +ΔFt・μ2 ・n・2/3・{(rd3 −re3 )/(rd2 −re2 )} …(14)
【0056】次いで、第1,第2のピニオン41,42
でのトルクのバランス式は、以下のようになる。 Tf+P・rp1 =P2 ・rp2 …(15)
【0057】また、上記(10)式に摩擦トルクTf分
を加えると、以下のようになる。 TR=Ti(rp1 ・rs2 /rs1 ・rp2 ) +Tf・rs2 /rp2 …(16)
【0058】ここで、前述のように、上記各噛み合いピ
ッチ円半径rs1 ,rs2 ,rp1,rp2 を各歯車の
歯数Zs1 ,Zs2 ,Zp1 ,Zp2 で置き換え、これ
ら各歯数に前記各歯数を代入する(Zp1 =24,Zp
2 =24,Zs1 =30,Zs2 =15)と、上記(1
6)式は、 TR=0.5Ti+0.625Tf …(17) となる。
【0059】また、Ti=TF+TRであり、これに上
記(16)式を代入して整理すると、以下のようにな
る。 TF=Ti(1−rp1 ・rs2 /rs1 ・rp2 ) −Ti・rs2 /rp2 …(18)
【0060】さらに、各歯数Zs1 ,Zs2 ,Zp1 ,
Zp2 で置き換え、これら各歯数に前記各歯数を代入す
ると、上記(18)式は、 TF=0.5Ti−0.625Tf …(19) となる。
【0061】ここで、μ1 =0,μ2 =0なら、Tf=
0であり、前後輪側トルクTF,TRの値は、上述の等
トルク配分機能の場合の式と同一の基準トルク配分を示
す。
【0062】こうして、かかる条件では、摩擦トルクT
fに応じた差動制限トルクTf・rs2 /rp2 が発生
することが解る。そして、前後輪側トルクTF,TRの
配分が、差動制限トルクの分だけ、後輪側が大きく、前
輪側が小さくなるように変化する。また、摩擦トルクT
fが生じる合成力Np1 ,Np2 ,残留スラスト力ΔF
tは入力トルクに比例するため、入力トルク比例式差動
制限機能を有する。
【0063】一方、第1,第2のピニオン41,42の
捩れ角β1 とβ2 との差により残留スラスト力ΔFtが
変えられ、また、上記プラネタリピン43の接触摩擦部
分にニードルベアリングやブッシュ等を用いることによ
り、摩擦係数μ1 を変えることができる。このように、
摩擦トルクTfと共に差動制限トルクの値を様々な値に
定めることが可能になっている。
【0064】続いて、NR>NFの場合について説明す
る。この条件では、図9のようになり、第1,第2のピ
ニオン41,42が第1のサンギヤ39と反対の時計方
向に自転しながら公転して、摩擦トルクTfは反時計方
向に作用する。このため、第1,第2のピニオン41,
42内のトルクのバランス式は以下のようになる。 Tf+P2 ・rs2 =P・rp1 …(20)
【0065】そして上述と同様に計算すると、前後輪側
トルクTF,TRは以下のようになる。 TF=Ti(1−rp1 ・rs2 /rs1 ・rs2 ) +Tf・rs2 /rp2 …(21) TF=0.5Ti+0.625Tf …(22) TR=Ti(rp1 ・rs2 /rs1 ・rs2 ) −Tf・rs2 /rp2 …(23) TR=0.5Ti−0.625Tf …(24)
【0066】従って、この条件でも同一の差動制限トル
ク、Tf・rs2 /rp2 が発生する。一方、この場合
は上述と逆に差動制限トルク分だけ後輪側が小さく、前
輪側が大きくなるようにトルク配分されることになる。
【0067】次に、前記後輪左右駆動力配分装置7につ
いて、図2を基に詳しく説明する。上記後輪左右駆動力
配分装置7は、差動機構部44と、歯車機構部45と、
クラッチ機構部46とから主に構成されている。そし
て、この後輪左右駆動力配分装置7に駆動力を伝達する
前記ドライブピニオン6と上記差動機構部44は、ディ
ファレンシャルキャリア47内に収容されている。
【0068】上記ドライブピニオン6は、前記プロペラ
シャフト5に接続する軸部6aが、上記ディファレンシ
ャルキャリア47内に軸受で回転自在に支持されてい
る。そして、このドライブピニオン6と噛み合うファイ
ナルギヤ48が、上記差動機構部44におけるディファ
レンシャルケース49のフランジ部49aに固定されて
いる。
【0069】上記差動機構部44は、ベベルギヤ式ディ
ファレンシャル装置から構成され、上記ディファレンシ
ャルケース49に固定したピニオンシャフト50に回転
自在に支持されたディファレンシャルピニオン(ベベル
ギヤ)51やこれに噛み合う左右のサイドギヤ(ベベル
ギヤ)52,53等を上記ディファレンシャルケース4
9内に収容したもので、上記サイドギヤ52,53にス
プライン嵌合する前記左右のドライブ軸14,17が、
上記ディファレンシャルケース49の筒部49L,49
Rに回転自在に挿通されている。
【0070】そして、上記ディファレンシャルケース4
9の左側の筒部49Lは、その外周に設けた軸受を介し
て、上記ディファレンシャルキャリア47に固定したサ
イドリテーナ54に回転自在に支持され、また、上記右
側の筒部49Rは、その外周に設けた軸受を介して、上
記ディファレンシャルキャリア47に回転自在に支持さ
れている。
【0071】すなわち、差動機構部44は、上記ドライ
ブピニオン6の回転により上記ディファレンシャルケー
ス49が上記サイドギヤ52,53と同一軸芯上で回転
されて、上記ディファレンシャルケース49内部に形成
した歯車機構により左右輪間の差動を行う。
【0072】次に、歯車機構部45及びクラッチ機構部
46について説明する。歯車機構部45は、上記差動機
構部44を挟み、その左右に分割構成されている。上記
ディファレンシャルキャリア47に装着されるサイドリ
テーナ54の左輪側側面において、第1の歯車軸55が
上記左ドライブ軸14にスプライン嵌合により固設され
ており、この第1の歯車軸55に、左輪側から順に、第
1の歯車56(歯数z1)と、この第1の歯車56の大
きさ(歯数)を基準として大径(歯数の多い)の第2の
歯車57(歯数z2)が一体に並設されている。
【0073】また、上記ディファレンシャルケース49
の右側筒部49Rの先端側(右輪側)において、第2の
歯車軸58が上記右ドライブ軸17にスプライン嵌合に
より固設されており、この第2の歯車軸58に、左輪側
から順に、上記第1の歯車56と同様の大きさ(歯数)
の第3の歯車59(歯数z3;=z1)と、上記第2の
歯車57と同様の大きさ(歯数)の第4の歯車60(歯
数z4;=z2)が一体に並設されている。
【0074】そして、上記各第1,2,3,4の歯車5
6,57,59,60は、それぞれ、これら歯車56,
57,59,60の回転軸芯に対し、車両後方向側に、
平行な同一回転軸芯上に並設された第5,6,7,8の
歯車61,62,63,64と噛合されている。
【0075】すなわち、歯車機構部45は、上記第1の
歯車56と上記第5の歯車61による第1の歯車列と、
上記第2の歯車57と上記第6の歯車62による第2の
歯車列と、上記第3の歯車59と上記第7の歯車63に
よる第3の歯車列と、上記第4の歯車60と第8の歯車
64による第4の歯車列の4つの歯車列から構成されて
いる。
【0076】そして、各歯車列のギヤ比は、例えば、上
記第5,6,7,8の歯車61,62,63,64の歯
数をそれぞれz5,z6,z7,z8として、第1の歯
車列は、z5/z1=1.0、第2の歯車列は、z6/
z2=0.9、第3の歯車列は、z7/z3=1.0、
第4の歯車列は、z8/z4=0.9に設定されてい
る。そして、左右輪間に差動が無い条件で、上記第1の
歯車56は上記第5の歯車61に対し第1の回転速度
(基準回転速度)を発生させ、上記第2の歯車57は上
記第6の歯車62に対し上記第1の回転速度より大きい
第2の回転速度を発生させる。同様に、上記第3の歯車
59は上記第7の歯車63に対し上記第1の回転速度を
発生させ、上記第4の歯車第60は上記第8の歯車64
に対し上記第2の回転速度を発生させる。すなわち、第
1,第3の歯車列に対し、第2,第4の歯車列が増速の
関係に設定されている。
【0077】そして、上記第1の歯車列と上記第2の歯
車列が、上記ディファレンシャルキャリヤ47の左側に
おいて、上記第3の歯車列と上記第4の歯車列が、ディ
ファレンシャルキャリヤ47の右側において、それぞれ
後方にかけて配設され、上記第5〜8の歯車61〜64
の回転軸芯は、上記差動機構部44の後方に位置する。
【0078】そして、上記第1の歯車列と上記第2の歯
車列は、ディファレンシャルキャリア47に固定する左
側カバー65で覆われ、上記第3の歯車列と上記第4の
歯車列は右側カバー66で覆われている。
【0079】また、上記第1の歯車軸55の両端部の外
周には軸受が設けられ、上記左ドライブ軸14と共に、
上記サイドリテーナ54と上記左側カバー65に回転自
在に支持されている。
【0080】同様に、上記第2の歯車軸58の両端部の
外周においても軸受が設けられ、上記右ドライブ軸17
と共に、上記ディファレンシャルキャリア47と上記右
側カバー66に回転自在に支持されている。
【0081】さらに、上記第5〜第8の歯車61〜64
の回転軸芯に配設される第3の歯車軸67に、上記第1
の歯車56に噛合する第5の歯車61が一体に形成され
て第1の回転部材を構成している。そして、この第3の
歯車軸67は、第5の歯車61を挟んで、その一端側が
上記左カバー65に軸受を介して回転自在に支持され、
他端側に、右側に向けて開口し後述する第4の歯車軸6
8の一端を覆う第1のクラッチドラム69が固設されて
いる。
【0082】同様に上記各歯車61〜64の回転軸芯に
配設されると共に、上記第3の歯車軸67近傍まで延出
されて該第3の歯車軸67に対向配設される第4の歯車
軸68に、上記第4の歯車に噛合する第8の歯車64が
固設されて、第4の回転部材を構成し、この第4の歯車
軸68は、上記第1のクラッチドラム69に対向位置す
る外周にスプライン部68aが形成され、他端が上記右
側カバー66に軸受を介して回転自在に支持されてい
る。そして、第4の歯車軸68の上記スプライン部68
aと上記第1のクラッチドラム69との間に複数のプレ
ート70を交互に重ねて設け第1の油圧多板クラッチ7
1が形成されている。
【0083】また、上記第4の歯車軸68の外周に沿っ
て、第5の歯車軸72が配設されており、第5の歯車軸
72の外周および内周の略中央部2箇所において上記デ
ィファレンシャルキャリア47、第4の歯車軸68にそ
れぞれ回転自在に支持されている。そして、第5の歯車
軸72は、一端側が上記第1の油圧多板クラッチ71を
収納して拡開形成され、この拡開形成された右端外周
に、上記第2の歯車57に噛合する第6の歯車62が一
体に形成され、第2の回転部材を構成している。さら
に、第5の歯車軸72は、他端側に、右側に向けて開口
し後述する第6の歯車軸73の一端を覆う第2のクラッ
チドラム74が固設されている。
【0084】同様に上記第4の歯車軸68の外周に沿っ
て該第4の歯車軸68に回転自在に支持されると共に、
上記第8の歯車64と第5の歯車軸72との間に第6の
歯車軸73が配設されている。そして、この第6の歯車
軸73に、上記第3の歯車59に噛合する第7の歯車6
3が一体に形成されて、第3の回転部材を構成してい
る。この第6の歯車軸73は、上記第2のクラッチドラ
ム74に対向位置する外周にスプライン部73aが形成
されている。そして、この第6の歯車軸73のスプライ
ン部73aと上記第2のクラッチドラム74との間に複
数のプレート75を交互に重ねて設け第2の油圧多板ク
ラッチ76が形成されている。
【0085】上記第1の油圧多板クラッチ71は、上記
第1のクラッチドラム69の底部に挿通された第1のピ
ストン77により押圧自在になっており、この第1のピ
ストン77を動作させる第1の油圧室78は前記油圧管
路36の第1の油圧管路36aと連通されている(図1
参照)。そして、上記第1のピストン77を動作させる
ために、上記第1の油圧室78に供給される油圧は、後
輪側油圧制御装置34により与えられ、前記左右駆動力
配分制御装置32により車両の走行状態、路面状況に応
じ制御される。
【0086】同様に、上記第2の油圧多板クラッチ76
は、上記第2のクラッチドラム74の底部に挿通された
第2のピストン79により押圧自在になっており、この
第2のピストン79を動作させる第2の油圧室80は前
記油圧管路36の第2の油圧管路36bと連通されてい
る。そして、上記第2のピストン79を動作させるため
に、上記第2の油圧室80に供給される油圧は、同様
に、後輪側油圧制御装置34により与えられ、前記左右
駆動力配分制御装置32により車両の走行状態、路面状
況に応じ制御される。尚、上記第2の油圧管路36b
は、第4の歯車軸68,第5の歯車軸72,第2のクラ
ッチドラム74にかけて形成されるため、互いに回転自
在に設けられた上記第4の歯車軸68と上記第5の歯車
軸72との間は、オイルシールによってシールされてい
る。
【0087】すなわち、上記クラッチ機構部46は、上
記第1の油圧多板クラッチ71と上記第2の油圧多板ク
ラッチ76の2組のクラッチ機構を、上記各回転部材の
回転軸芯上に配設して構成される。
【0088】そして、前述のように上記歯車機構部45
のギヤ比等が設定されていることから、上記第1の油圧
多板クラッチ71を連結させると左ドライブ軸14に駆
動力が多く配分され、一方、上記第2の油圧多板クラッ
チ76を連結させると右ドライブ軸17に駆動力が多く
配分される。ここで、上記各油圧多板クラッチ71,7
6を連結させるための油圧値は上記左右駆動力配分制御
装置32によって演算された値であり、この油圧値の大
小によってトルク配分量が変化されるのである。
【0089】尚、上記クラッチ機構部46の2つのクラ
ッチは、上述の油圧多板クラッチ以外に電磁クラッチや
伝達容量可変型カップリングを用いても良い。また、2
組の油圧多板クラッチの容量は、上記ギヤ比に応じて予
め不等値に設定しても良く、一方の多板クラッチを小型
にすることも可能である。
【0090】一方、前記前輪左右駆動力配分装置12
は、駆動力が前記フロントドライブ軸10,ドライブピ
ニオン11からファイナルギヤ48に入力されるように
なっており、その構造は上記後輪左右駆動力配分装置7
と略同様であるので、同一符号を付して、その説明は省
略する。
【0091】次いで、前記後輪側油圧制御装置34およ
び前記前輪側油圧制御装置35について、図10を基に
説明する。上記後輪側油圧制御装置34は、制御油圧を
第1の油圧管路36aを通じて第1の油圧室78に供給
する油圧経路と、第2の油圧管路36bを通じて第2の
油圧室80に供給する油圧経路との一対の油圧経路を備
えて構成され、上記前輪側油圧制御装置35も略同様に
構成されている。尚、上記前輪側油圧制御装置35で
は、制御油圧を第1の油圧管路37aを通じて第1の油
圧室78に供給し、第2の油圧管路37bを通じて第2
の油圧室80に供給する。ここで、第1,第2の油圧室
78,80への制御油圧の供給系は、略同様であり、従
って、以下制御油圧を油圧管路36aを通じて第1の油
圧室78に供給する油圧供給系についてのみ説明する。
【0092】モータ83により駆動されるオイルポンプ
84の吐出圧がレギュレータ弁85で調圧され、所定の
作動油圧と潤滑油圧を生じるようになっており、作動油
圧の油路86は、クラッチ制御弁87,第1の油圧管路
36aを介して第1の油圧多板クラッチ71の前記第1
の油圧室78に連通されている。
【0093】また、上記油路86は、パイロット弁8
8,油路89によりデューティソレノイド弁90,上記
クラッチ制御弁87の制御側に連通されている。
【0094】そして、前記左右駆動力配分制御装置32
からのデューティ信号がデューティソレノイド弁90に
入力されて、該デューティソレノイド弁90によりデュ
ーティ比に応じた所定のデューティ圧を生じ、このデュ
ーティ圧により上記クラッチ制御弁87を動作すること
で、上記第1の油圧多板クラッチ71に供給するクラッ
チ油圧を制御する。
【0095】また、上記左右駆動力配分制御装置32
は、マイクロコンピュータ等から構成され、図11に示
すように、路面・走行状態判断手段95、油圧演算手段
96、油圧設定手段97の各機能手段を備え、路面・走
行状態に応じて、前後の左右輪間の最適な駆動力配分量
を演算し、前後輪側の上記各油圧制御装置35,34に
信号出力する。
【0096】尚、本実施の形態においては、ECU及び
TCUに対し、別個に左右駆動力配分制御装置32を設
けているが、上記各機能手段95〜97をECU或いは
TCUに備えるようにしても良く、又ECU及びTCU
を一つのコントロールユニットに統合したものにおいて
は、該コントロールユニットに各機能手段95〜97を
組込んでも良い。
【0097】上記路面・走行状態判断手段95は、前記
スロットル開度センサ26によるスロットル開度、車速
センサ27による車速、舵角センサ29により検出され
る操舵角θ、前後加速度センサ30による前後加速度、
横加速度センサ31による横加速度、および自動変速装
置2の変速位置(シフト位置)を表わすレンジ情報等に
基づいて、路面状況(低μ路走行状態か否か等)、及
び、車両の走行状態(高速か低速か・急旋回か否か・高
負荷走行か低負荷走行か(加速状態か)・スリップ状態
の有無等)を、予めメモリしておいたマップ、計算式等
により求める。
【0098】また、上記油圧演算手段96は、判断され
た車両の走行状態、及び路面状況を基に、予めメモリし
ておいたマップ、計算式等により、動作させる油圧多板
クラッチを選択すると共に、その油圧多板クラッチに付
加する油圧値を演算する。
【0099】そして、上記油圧設定手段97は、選択さ
れた油圧多板クラッチ、及び、その油圧多板クラッチに
付加する油圧値に対応して、それぞれ該当する油圧制御
装置のデューティソレノイド弁90に対し、所定デュー
ティ比のデューティ信号を出力する。
【0100】次に、本実施の形態の作用を説明する。エ
ンジン1による駆動力は、自動変速装置2からトランス
ミッション出力軸2aを経てセンターディファレンシャ
ル装置3の第1のサンギヤ39に入力される。
【0101】そして、第1,第2のピニオン41,42
から第2のサンギヤ40と、第1,第2のピニオン4
1,42を支持するキャリヤ38とに分配されて伝達
し、上記第2のサンギヤ40の動力は、リヤドライブ軸
4を介して後輪側に伝達される。また、上記キャリヤ3
8の動力は、トランスファドライブギヤ8,トランスフ
ァドリブンギヤ9,フロントドライブ軸10を介して前
輪側に伝達され4輪駆動で走行する。
【0102】そこで、例えば、前輪側回転数と後輪側回
転数が等しいNF=NRの直進走行の場合は、センター
ディファレンシャル装置3において上記第2のサンギヤ
40と上記キャリヤ38とが同一方向に等速回転するこ
とで、上記第1,第2のピニオン41,42は遊星回転
しなくなり一体化して回転する。
【0103】こうして、上記第1,第2のピニオン4
1,42とキャリヤ38とが一体化することで両者の間
には摩擦トルク等が生じない状態になる。そして、この
とき、上記第1のサンギヤ39の入力トルクTiに対す
る上記キャリヤ38の前輪側トルクTFと、上記第2の
サンギヤ40の後輪側トルクTRとのトルク配分は、セ
ンターディファレンシャル装置3の歯車諸元が等トルク
配分に設定されていれば、この等トルク配分機能の歯車
諸元による基準トルク配分となり、TF対TRが略50
対50に設定され等トルク配分される。また、不等トル
ク配分に歯車諸元が設定されていれば、この不等トルク
配分機能の歯車諸元による基準トルク配分に、TF対T
Rが設定される。
【0104】一方、前輪側回転数が後輪側回転数より大
きくなるNF>NRの旋回または前輪側スリップ時に
は、センターディファレンシャル装置3の上記第1,第
2のピニオン41,42が遊星回転し、差動機能を有す
る歯車諸元により差動作用する。このため旋回時には、
前後輪の回転数差が吸収されて、滑らかに旋回すること
になる。
【0105】そして、このとき第1,第2のピニオン4
1,42の遊星回転に伴い、その捩れ角の違いによるス
ラスト荷重が、上記第1,第2のピニオン41,42の
一方の端面の部分に作用する。また、ギヤ噛合い点の分
離,接線荷重の合成力が上記第1,第2のピニオン4
1,42,プラネタリピン43の部分に作用して両者に
よりピニオン回転方向と反対の摩擦トルクと、これに基
づく差動制限トルクが生じるようになる。
【0106】そして、この条件では、差動制限トルクが
キャリア38の回転を損うように作用することで、差動
制限トルクが後輪側に移動して、トルク配分は基準トル
ク配分より後輪偏重になる。このため、旋回時の回頭
性、操縦性が向上する。また、前輪スリップ時には、前
輪側トルクの減少により、そのスリップが防止される。
【0107】逆に、後輪側回転数が前輪側輪回転数より
大きいNR>NFの後輪スリップ時には、センターディ
ファレンシャル装置3の上記第1,第2のピニオン4
1,42が前後輪の回転数差により遊星回転して摩擦ト
ルクを発生する。
【0108】ところで、この条件では、差動制限トルク
がキャリヤ38の回転を促すように作用して前輪側に移
動するようになり、このため基準トルク配分より前輪側
に多いトルク配分になって後輪側トルクが減少し、これ
により後輪スリップが防止される。
【0109】尚、上記遊星歯車機構による差動制限トル
クは、入力トルクに対し比例的に生じるため、前後輪の
トルクの大小に対して常に同じ割合になり、差動制限機
能が常に一定の割合で発揮される。
【0110】上述のようにセンターディファレンシャル
装置3により分配された後輪側への駆動力は、プロペラ
シャフト5,ドライブピニオン6を経て後輪左右駆動力
配分装置7に入力され、ファイナルギヤ48を介してデ
ィファレンシャルケース49に入力される。
【0111】まず、差動機構部44の作用について説明
すると、上記ディファレンシャルケース49が回転され
ピニオンシャフト50が回転されると、左右輪間に回転
差が無い場合には、このピニオンシャフト50に回転自
在に設けたディファレンシャルピニオン51が上記ピニ
オンシャフト50に対して回転せず、このピニオンシャ
フト50と一体になって公転し、左右のサイドギヤ5
2,53を等速で回転させ、左右のドライブ軸14,1
7に駆動力を伝達する。
【0112】そして、左右輪間に回転差が生じた場合
に、上記ディファレンシャルピニオン51が上記ピニオ
ンシャフト50に対して回転し、左右輪間の回転差を許
容して左右輪間に駆動力を伝達する。
【0113】次に、歯車機構部45とクラッチ機構部4
6の作用について説明すると、上記差動機構部44を経
て駆動力が伝達され、上記左ドライブ軸14に回転によ
り、該左ドライブ軸14に固設された第1の歯車軸55
が回転し、この第1の歯車軸55に一体形成の第1,第
2の歯車56,57が回転され、第1,第2の歯車5
6,57にそれぞれ噛合する第5,第6の歯車61,6
2が回転される。そして、第3,第5の歯車軸67,7
2を介して第1,第2のクラッチドラム69,74、及
び、このクラッチドラム69,74に係合するプレート
70,75がそれぞれ回転される。
【0114】また、右ドライブ軸17の回転と共に該右
ドライブ軸17に固設された第2の歯車軸58が回転
し、この第2の歯車軸58に一体形成の第3,第4の歯
車59,60に噛合する第7,第8の歯車63,64が
回転される。そして、第6,第4の歯車軸73,68を
介して、そのスプライン部73a,68aに係合するク
ラッチプレート70,75がそれぞれ回転される。
【0115】一方、後輪側油圧制御装置34において
は、モータ83によりオイルポンプ84が駆動され、レ
ギュレータ弁85による作動油圧がクラッチ制御弁87
と、パイロット弁88を介してデューティソレノイド弁
90に供給される。
【0116】そして、左右駆動力配分制御装置32は、
スロットル開度センサ26によるスロットル開度、車速
センサ27による車速、舵角センサ29により検出され
る操舵角θ、前後加速度センサ30による車体前後加速
度、横加速度センサ31による車体横加速度、及び自動
変速装置の変速(シフト)位置を表すレンジ情報等に基
づいて、車両の走行状態および路面状況を判断する。そ
して、この車両の走行状態および路面状況に応じ、前後
の各左右輪に対する最適な駆動力配分量を演算し、この
駆動力配分量を得るに適正なデューティ比のデューティ
信号を、後輪側油圧制御装置34及び前輪側油圧制御装
置35の各デューティソレノイド弁90にそれぞれ出力
する。
【0117】そして、このデューティ信号に応じ、各デ
ューティソレノイド弁90により所定のデューティ圧を
生じ、このデューティ圧によりクラッチ制御弁87が作
動して、第1,第2の油圧多板クラッチ71,76に供
給するクラッチ油圧が制御されることで、第1,第2の
油圧多板クラッチ71,76がそれぞれ接続、開放され
る。
【0118】ここで、右旋回のときには、外輪側の左輪
の駆動トルクを、内輪側の右輪の駆動トルクよりも大き
くすることで旋回性能を向上する。
【0119】すなわち、右旋回状態のときには、左右駆
動力配分制御装置32において舵角センサ29による操
舵角θ等によって、これが検出され、各センサからの検
出情報及びレンジ情報等により補正を行い、前後の各左
右輪に対する最適な左右駆動力配分量が演算される。そ
して、この左右駆動力配分量を得るに適正な各クラッチ
油圧を定める各デューティソレノイド弁90に対するデ
ューティ比がそれぞれ設定され、このデューティ比によ
るデューティ信号が該当デューティソレノイド弁に出力
される。
【0120】本実施の形態においては、デューティソレ
ノイド弁90に対するデューティ比が低いほど該デュー
ティソレノイド弁90によるドレイン量が減少してクラ
ッチ制御弁87に対するデューティ圧が上昇し、クラッ
チ制御弁87から油圧多板クラッチに供給されるクラッ
チ油圧が上昇する。逆に、デューティ比が高いほどデュ
ーティソレノイド弁90によるドレイン量が増加してデ
ューティ圧が低下し、クラッチ制御弁87から油圧多板
クラッチに供給されるクラッチ油圧が低下する(図10
参照)。
【0121】従って、左右駆動力配分制御装置32は、
右旋回のとき、第1の油圧多板クラッチ71を接続し、
第2の油圧多板クラッチ76を開放すべく、第1の油圧
多板クラッチ71へのクラッチ油圧を制御するデューテ
ィソレノイド弁に対し、所定デューティ比(例えば、デ
ューティ比0〜80%)のデューティ信号を出力し、一
方、第2の油圧多板クラッチ76へのクラッチ油圧を制
御するデューティソレノイド弁に対して、例えば、デュ
ーティ比100%のデューティ信号を出力する。
【0122】そして、左右駆動力配分制御装置32から
の各デューティ信号の出力により各デューティソレノイ
ド弁90が作動して、第1の油圧多板クラッチ71は、
クラッチ制御弁87、第1の油圧管路36aを介して、
所定のクラッチ油圧が第1の油圧室78に供給されるこ
とで、第1のピストン77の押圧作動により連結(滑り
接続)し、一方、第2の油圧多板クラッチ76は、第2
の油圧室80中の作動油が第2の油圧管路36bを介し
てドレインされることで開放される。
【0123】その結果、第1の油圧多板クラッチ71の
連結により、右ドライブ軸17の駆動力の一部、すなわ
ち右輪側への駆動トルクの一部が、前述の歯車機構部4
5における各歯車列のギヤ比の設定により、第4の歯車
60、第8の歯車64、第1の油圧多板クラッチ71、
第5の歯車61、第1の歯車56を介して、左ドライブ
軸14に移行される。これにより、右旋回のときには、
外輪側の左後輪16の駆動トルクが、内輪側の右後輪1
9の駆動トルクよりも大きくなり、旋回性能が向上す
る。
【0124】一方、左旋回のときには、外輪側の右輪の
駆動トルクを、内輪側の左輪の駆動トルクよりも大きく
することで旋回性能を向上する。
【0125】すなわち、左旋回状態のときには、左右駆
動力配分制御装置32において舵角センサ29により操
舵角θ等によって、これが検出され、各センサからの検
出情報及びレンジ情報等により補正を行い、前後の各左
右輪に対する最適な左右駆動力配分量が演算される。そ
して、この左右駆動力配分量を得るに適正な各デューテ
ィソレノイド弁90に対するデューティ比がそれぞれ設
定され、このデューティ比によるデューティ信号が該当
デューティソレノイド弁に出力される。
【0126】そして、左右駆動力配分制御装置32は、
左旋回のとき、逆に第1の油圧多板クラッチ71を開放
し、第2の油圧多板クラッチ76を接続すべく、第1の
油圧多板クラッチ71へのクラッチ油圧を制御するデュ
ーティソレノイド弁に対して、例えば、デューティ比1
00%のデューティ信号を出力し、一方、第2の油圧多
板クラッチ76へのクラッチ油圧を制御するデューティ
ソレノイド弁に対して、所定デューティ比(例えば、デ
ューティ比0〜80%)のデューティ信号を出力する。
【0127】そして、左右駆動力配分制御装置32から
の各デューティ信号の出力により各デューティソレノイ
ド弁90が作動して、第1の油圧多板クラッチ71は、
第1の油圧室78中の作動油が第1の油圧管路36aを
介してドレインされることで開放し、一方、第2の油圧
多板クラッチ76は、クラッチ制御弁87、第2の油圧
管路36bを介して、所定のクラッチ油圧が第2の油圧
室80に供給されることで、第2のピストン79の押圧
作動により連結(滑り接続)する。
【0128】その結果、第2の油圧多板クラッチ76の
連結により、左ドライブ軸14への駆動力の一部、すな
わち左輪側への駆動トルクの一部が、前述の歯車機構部
45における各歯車列のギヤ比の設定により、第2の歯
車57、第6の歯車62、第2の油圧多板クラッチ7
6、第7の歯車63、第3の歯車59を介して、右ドラ
イブ軸17に移行される。これにより、左旋回のときに
は、外輪側の右後輪19の駆動トルクが、内輪側の左後
輪16の駆動トルクよりも大きくなり、旋回性能が向上
する。
【0129】尚、直進時には、両油圧多板クラッチ7
1,76を共に開放し、差動機構部44による基準トル
ク配分となる。
【0130】また、前輪側については、センターディフ
ァレンシャル装置3のキャリア38に分配された駆動力
がフロントドライブ軸10、ドライブピニオン11を介
して前輪左右駆動力配分装置12に入力され、後輪側と
同様に制御されるため、その説明は省略する。
【0131】以上のように、本実施の形態における左右
駆動力配分装置7(12)は、ベベルギヤ式ディファレ
ンシャル装置から構成される差動機構部44を備える。
そして、この差動機構部44は、ドライブピニオン6
(11)に伝動構成されるディファレンシャルケース4
9内にピニオンシャフト50を固定し、このピニオンシ
ャフト50に回転自在に支持されるディファレンシャル
ピニオン51,51と、ディファレンシャルケース49
内に、同軸上に回転自在に配設される左右ドライブ軸1
4,17(20,22)を挿通し、この左右ドライブ軸
14,17(20,22)の先端部に固設されると共に
上記各デファレンシャルピニオン51,51に噛合する
サイドギヤ52,53とからなり、デファレンシャルケ
ース49内部に配設した歯車機構により構成される。
【0132】そして、この差動機構部44を挟んで、歯
車機構部45が、その左右に2分割して構成される。す
なわち、差動機構部44を挟んで、一体形成された第
1,第2の歯車56,57を左輪側出力軸を構成する左
ドライブ軸14に固設し、第3,第4の歯車59,60
を右輪側出力軸を構成する右ドライブ軸17に固設す
る。そして、これら第1〜第4の歯車56,57,5
9,60に各々噛合する第5〜第8の歯車61〜64を
有する第3,第5,第6,第4の歯車軸67,72,7
3,68を、左右ドライブ軸14,17に対し平行に、
同一軸芯上にそれぞれ回転自在に配置構成する。
【0133】更に、この同一軸芯上において、第6の歯
車62と第7の歯車63間に、差動機構部44のファイ
ナルギヤ58を挟んで、第3,第4の歯車軸67,68
(第1,第4の回転部材)間の伝達容量を可変とする第
1の油圧多板クラッチ71と、第5,第6の歯車軸7
2,73(第2,第3の回転部材)間の伝達容量を可変
とする第2の油圧多板クラッチ76とを、それぞれ配置
して構成される。
【0134】従って、これら構成により、左右駆動力配
分装置7(12)は、左右のバランスが向上し、また、
左右輪方向の幅寸法を著しくコンパクトに実現すること
が可能となる。そして、左右駆動力配分装置7(12)
の幅寸法のコンパクト化に伴い、左右輪16,19(2
1,23)とアクスル軸15,18間に配置される自在
継手の公差角を小さくすることが可能となって、耐久性
及び信頼性が向上する。
【0135】また、左右駆動力配分装置7(12)は、
構成部品点数が少なく、且つ従来の構成品と同一の部品
を多用することが可能であり、従来のものと互換性を有
し、製造コストを低減することが可能である。特に、第
1,第5の歯車56,61による第1の歯車列と第3,
第7の歯車59,63による第3の歯車列とのギヤ比、
第2,第6の歯車57,62による第2の歯車列と第
4,第8の歯車60,64による第4の歯車列とのギヤ
比は、それぞれ共通であり、従って、左右輪間のトルク
配分の変更を行う歯車の種類も2種類ですみ、騒音、回
転における精度が必要とされる歯車管理も容易となる。
【0136】さらに、左右駆動力配分装置7(12)
は、左右輪方向の幅寸法がコンパクトに構成されるた
め、サスペンションの構成部材や排気系部材との干渉や
整備時に隙間が確保できるなど、車載性に優れる。
【0137】また、左右駆動力配分装置7(12)は、
歯車機構部45の4列の歯車列からなる駆動力配分機構
を採用するため、ギヤ比の設定で駆動力配分が調整で
き、車両の性格や狙いに容易に適合させることが可能で
ある。
【0138】さらに、左右駆動力配分装置7(12)
は、4列の歯車列のギヤ比を所定の関係に設定すること
で、2組の油圧多板クラッチ71,76のドライブプレ
ートとドリブンプレートの相対回転差を同一にすること
ができるため、同じ摩擦特性(速度と動摩擦係数の関
係)が得られる範囲を利用でき、制御精度を向上するこ
とができる。
【0139】さらに、左右駆動力配分装置7(12)
は、ディファレンシャルケース49(入力側)から駆動
力をバイパスするのではなく、一方の出力軸と他方の出
力軸との間で直接駆動力を配分する構成であり、油圧多
板クラッチ71,76の摩擦トルクを左右の駆動力配分
に有効に利用できる。
【0140】また、センターディファレンシャル装置3
は、簡単な構造で部品点数も少なく、軽量コンパクト
で、このため加工性、組立性に優れ、また動力伝達系の
振動騒音に関しても有利になる。そして、センターディ
ファレンシャル装置3と左右駆動力配分装置7(12)
は共に軽量コンパクトであり、特に、本実施の形態にお
いては、センターディファレンシャル装置3と前輪左右
駆動力配分装置12とを容易に一体にすることができ、
軽量コンパクトな一体化ユニットが実現できる。
【0141】次に、図12に基づいて本発明の実施の第
2形態を説明する。図12は後輪左右駆動力配分装置の
拡大スケルトン図である。
【0142】本実施の形態は、上記実施の第1形態に対
し、後輪左右駆動力配分装置7の歯車機構部45におけ
る各歯車列のギヤ比を変えたものである。
【0143】すなわち、同図に示すように、後輪左右駆
動力配分装置7は、上記第1,2,3,4,5,6,
7,8の歯車56,57,59,60,61,62,6
3,64の歯数をそれぞれz1,z2,z3,z4,z
5,z6,z7,z8として、第1の歯車列のギヤ比を
z5/z1=1.0、第2の歯車列のギヤ比をz6/z
2=1/0.9、第3の歯車列のギヤ比をz7/z3=
1.0、第4の歯車列のギヤ比をz8/z4=1/0.
9に設定する。すなわち、第1,第3の歯車列に対し、
第2、第4の歯車列が、減速の関係に設定されている。
【0144】このため、本実施の形態においては、前述
の実施の第1形態に対し、旋回時における第1の油圧多
板クラッチ71と第2の油圧多板クラッチ76の接続関
係が逆となる。
【0145】すなわち、右旋回のときには、第1の油圧
多板クラッチ71を開放し、第2の油圧多板クラッチ7
6を接続する。そして、第2の油圧多板クラッチ76の
接続により、右ドライブ軸17の駆動力の一部、すなわ
ち右輪側への駆動トルクの一部が、上述の歯車機構部4
5における各歯車列のギヤ比の設定により、第3の歯車
59、第7の歯車63、第2の油圧多板クラッチ76、
第6の歯車62、第2の歯車57を介して、左ドライブ
軸14に移行される。これにより、右旋回のときには、
外輪側の左後輪16の駆動トルクが、内輪側の右後輪1
9の駆動トルクよりも大きくなり、旋回性能が向上す
る。
【0146】一方、左旋回のときには、外輪側の右輪の
駆動トルクを、内輪側の左輪の駆動トルクよりも大きく
することで旋回性能を向上する。すなわち、左旋回のと
きには、第1の油圧多板クラッチ71を接続し、第2の
油圧多板クラッチ76を開放する。
【0147】その結果、第1の油圧多板クラッチ71の
接続により、左ドライブ軸14への駆動力の一部、すな
わち左輪側への駆動トルクの一部が、前述の歯車機構部
45における各歯車列のギヤ比の設定により、第1の歯
車56、第5の歯車61、第1の油圧多板クラッチ7
1、第8の歯車64、第4の歯車60を介して、右ドラ
イブ軸17に移行される。これにより、左旋回のときに
は、外輪側の右後輪19の駆動トルクが、内輪側の左後
輪16の駆動トルクよりも大きくなり、旋回性能が向上
する。
【0148】尚、直進時には、両油圧多板クラッチ7
1,76を共に開放し、差動機構部44による基準トル
ク配分とする。
【0149】次に、図13に基づいて本発明の実施の第
3形態を説明する。図13は後輪左右駆動力配分装置の
拡大スケルトン図である。
【0150】本実施の形態は、第3〜第6の歯車軸6
7,68,72,73を、第8の歯車64の右側方に延
設し、該第8の歯車64の右側方において各歯車軸6
7,68,72,73の軸芯上に、第1,第2の油圧多
板クラッチ71,76を一体化して配設したものであ
る。
【0151】すなわち、図13に示すように、差動機構
部44を挟んで、一体形成された第1,第2の歯車5
6,57を左輪側出力軸を構成する左ドライブ軸14に
固設し、第3,第4の歯車59,60を右輪側出力軸を
構成する右ドライブ軸17に固設する。そして、これら
第1〜第4の歯車56,57,59,60に各々噛合す
る第5〜第8の歯車61〜64を固設する第3,第5,
第6,第4の歯車軸67,72,73,68を、左右ド
ライブ軸14,17に対し車両後方側に平行に、同一軸
芯上にそれぞれ回転自在に配置構成する。
【0152】そして、第5の歯車61を固設する第3の
歯車軸67を、第6〜第8の歯車62〜64の中心部を
貫通して、第8の歯車64右側方に延設し、また、第3
の歯車軸67の外周に沿って、第6の歯車62を固設す
る第5の歯車軸72を、第7,第8の歯車63,64の
中心部を貫通して、第8の歯車64の右側方に延設す
る。更に、第7の歯車63を固設する第6の歯車軸73
を、上記第5の歯車軸72の外周に沿って第8の歯車6
4の中心部を貫通して、第8の歯車64右側方に延設
し、また、第6の歯車軸73の外周に沿って、第8の歯
車64を固設する第4の歯車軸68を、該第8の歯車6
4の右側方に延設する。
【0153】そして、第8の歯車64の右側方に第2の
油圧多板クラッチ76が隣接配置され、更に、第2の油
圧多板クラッチ76の右側に第1の油圧多板クラッチ7
1が隣接配置される。
【0154】そして、第5の歯車61を固設する第3の
歯車軸67を第1の油圧多板クラッチ71のクラッチハ
ブ98に連設すると共に、第6の歯車62を固設する第
5の歯車軸72を第2の油圧多板クラッチ76のクラッ
チハブ99に連設する。また、第7の歯車63を有する
第6の歯車軸73を第2の油圧多板クラッチ76のクラ
ッチドラム74に連設すると共に、第8の歯車64を有
する第4の歯車軸68を、第2の油圧多板クラッチ76
を囲暁する第1の油圧多板クラッチ71のクラッチドラ
ム69に連設する。
【0155】すなわち、第5の歯車61と第8の歯車6
4とを第1の油圧多板クラッチ71により伝達容量可変
に接続自在とし、また、第6の歯車62と第7の歯車6
3とを第2の油圧多板クラッチ76により伝達容量可変
に接続自在とする。
【0156】一方、本実施の形態における歯車機構部4
5の4つの歯車列のギヤ比は、上記第1〜第8の歯車5
6,57,59〜64の歯数をそれぞれz1〜z8とし
て、第1の歯車列をz5/z1=0.9、第2の歯車列
をz6/z2=1.0、第3の歯車列をz7/z3=
0.9、第4の歯車列をz8/z4=1.0に設定す
る。すなわち、第2,第4の歯車列に対し、第1,第3
の歯車列が増速の関係に設定されている。
【0157】従って、本実施の形態においては、右旋回
のとき、第1の油圧多板クラッチ71を開放し、第2の
油圧多板クラッチ76を接続する。そして、第2の油圧
多板クラッチ76の接続により、右ドライブ軸17の駆
動力の一部、すなわち右輪側への駆動トルクの一部が、
上述の歯車機構部45における各歯車列のギヤ比の設定
により、第3の歯車59、第7の歯車63、第2の油圧
多板クラッチ76、第6の歯車62、第2の歯車57を
介して、左ドライブ軸14に移行される。これにより、
右旋回のときには、外輪側の左後輪16の駆動トルク
が、内輪側の右後輪19の駆動トルクよりも大きくな
り、旋回性能が向上する。
【0158】また、左旋回のときには、外輪側の右輪の
駆動トルクを、内輪側の左輪の駆動トルクよりも大きく
することで旋回性能を向上する。すなわち、左旋回のと
きには、第1の油圧多板クラッチ71を接続し、第2の
油圧多板クラッチ76を開放する。
【0159】その結果、第1の油圧多板クラッチ71の
接続により、左ドライブ軸14への駆動力の一部、すな
わち左輪側への駆動トルクの一部が、前述の歯車機構部
45における各歯車列のギヤ比の設定により、第1の歯
車56、第5の歯車61、第1の油圧多板クラッチ7
1、第8の歯車64、第4の歯車60を介して、右ドラ
イブ軸17に移行される。これにより、左旋回のときに
は、外輪側の右後輪19の駆動トルクが、内輪側の左後
輪16の駆動トルクよりも大きくなり、旋回性能が向上
する。
【0160】また、直進時には、両油圧多板クラッチ7
1,76を共に開放し、差動機構部44による基準トル
ク配分とする。
【0161】尚、本実施の形態においては、第3〜第6
の歯車軸67,68,72,73を、第8の歯車64の
右側方に延設し、該第8の歯車64の右側方において各
歯車軸67,68,72,73の軸芯上に、第1,第2
の油圧多板クラッチ71,76を一体化して配設してい
るが、第3〜第6の歯車軸67,68,72,73を、
第5の歯車61の左側方に延設し、該第5の歯車61の
左側方において各歯車軸67,68,72,73の軸芯
上に、第1,第2の油圧多板クラッチ71,76を一体
化して配設しても良い。
【0162】このように、左右駆動力配分装置7のクラ
ッチ機構46を、一方側にまとめて配設することで、前
述の第1,第2形態に対し、左右駆動力配分装置7は、
前後方向の寸法をコンパクトに実現することが可能とな
る。
【0163】次に、図14に基づいて本発明の実施の第
4形態を説明する。図14は後輪左右駆動力配分装置の
拡大スケルトン図である。本実施の形態は、上記実施の
第3形態に対し、後輪左右駆動力配分装置7の歯車機構
部45における各歯車列のギヤ比を変えたものである。
【0164】すなわち、図14に示すように、後輪左右
駆動力配分装置7の各歯車列のギヤ比は、上記第1〜第
8の歯車56,57,59〜64の歯数をそれぞれz1
〜z8として、第1の歯車列をz5/z1=1/0.
9、第2の歯車列をz6/z2=1.0、第3の歯車列
をz7/z3=1/0.9、第4の歯車列をz8/z4
=1.0に設定する。すなわち、第2,第4の歯車列に
対し、第1,第3の歯車列が減速の関係に設定されてい
る。
【0165】このため、本実施の形態においては、前述
の実施の第3形態に対し、旋回時における第1の油圧多
板クラッチ71と第2の油圧多板クラッチ76の接続関
係が逆となる。
【0166】すなわち、右旋回のときには、第1の油圧
多板クラッチ71接続し、第2の油圧多板クラッチ76
を開放する。そして、第1の油圧多板クラッチ71の接
続により、右ドライブ軸17の駆動力の一部、すなわち
右輪側への駆動トルクの一部が、前述の歯車機構部45
における各歯車列のギヤ比の設定により、第4の歯車6
0、第8の歯車64、第1の油圧多板クラッチ71、第
5の歯車61、第1の歯車56を介して、左ドライブ軸
14に移行される。これにより、右旋回のときには、外
輪側の左後輪16の駆動トルクが、内輪側の右後輪19
の駆動トルクよりも大きくなり、旋回性能が向上する。
【0167】一方、左旋回のときには、外輪側の右輪の
駆動トルクを、内輪側の左輪の駆動トルクよりも大きく
することで旋回性能を向上する。すなわち、左旋回のと
きには、第1の油圧多板クラッチ71を開放し、第2の
油圧多板クラッチ76を接続する。
【0168】その結果、第2の油圧多板クラッチ76の
接続により、左ドライブ軸14への駆動力の一部、すな
わち左輪側への駆動トルクの一部が、前述の歯車機構部
45における各歯車列のギヤ比の設定により、第2の歯
車57、第6の歯車62、第2の油圧多板クラッチ7
6、第7の歯車63、第3の歯車59を介して、右ドラ
イブ軸17に移行される。これにより、左旋回のときに
は、外輪側の右後輪19の駆動トルクが、内輪側の左後
輪16の駆動トルクよりも大きくなり、旋回性能が向上
する。
【0169】次に、図15に基づいて本発明の実施の第
5形態を説明する。図15は後輪左右駆動力配分装置の
拡大スケルトン図である。
【0170】本実施の形態は、差動機構部44をダブル
ピニオンプラネタリギヤ式のディファレンシャル装置に
より構成し、その右側方に一括して歯車機構部45を配
置する。そして、第1〜第4の歯車56,57,59,
60に噛合する第5〜第8の歯車61〜64を、左右ド
ライブ軸14,17の回転軸芯に対し車両前方側に平行
に、同一軸芯上にそれぞれ回転自在に配置構成し、さら
に、第8の歯車の64の右側方において同一軸芯上に、
第1,第2の油圧多板クラッチ71,76を一体化して
配置したものである。
【0171】すなわち、図15に示すように、ドライブ
ピニオン6を介して回転されるディファレンシャルケー
ス101の内側にリングギヤ102を形成し、その内部
において、それぞれリングギヤ102、サンギヤ103
に噛合するダブルピニオン式のプラネタリピニオン10
4,104をプラネタリキャリア105のプラネタリピ
ンに枢支する。そして、プラネタリキャリア105に左
ドライブ軸14を連設固定し、サンギヤ103に右ドラ
イブ軸17を連設固定する。
【0172】ここで、ディファレンシャルケース101
が回転されると、左右輪間に回転差が無い場合には、プ
ラネタリピニオン104,104が遊星回転せずに、サ
ンギヤ103とプラネタリキャリア105とが同一方向
に等速回転し、左右のドライブ軸14,17に駆動力を
伝達する。
【0173】そして、左右輪間に回転差が生じた場合
に、ディファレンシャルケース101と一体回転するリ
ングギヤ102により、プラネタリピニオン104,1
04がプラネタリシャフト103aに対し自転しなが
ら、サンギヤ103の回りを公転する。そして、この公
転に応じて、上記プラネタリキャリヤ105を介し左ド
ライブ軸14に駆動力を伝達し、また、公転と自転との
釣合いに応じて上記サンギヤ103を介し右ドライブ軸
17に駆動力を伝達することで、左右輪間の回転差を許
容して左右輪に駆動力を伝達する。
【0174】一方、第1,第2の歯車56,67を一体
に形成した第1の歯車軸55が、右ドライブ軸17に回
転自在に、その外周に沿い、ディファレンシャルケース
101を貫通して、上記プラネタリキャリヤ105の右
側方に連設固定される。すなわち、本実施の形態におい
ては、第1,第2の歯車56,57は、プラネタリキャ
リア105を介して左輪側出力軸を構成する左ドライブ
軸14に固設される。
【0175】さらに、上記第2の歯車57に対し所定の
間隙を有し、その右側方において、第3,第4の歯車5
9,60を一体に形成した第2の歯車軸58を、右輪側
出力軸を構成する右ドライブ軸17に固設する。
【0176】そして、これら第1〜第4の歯車56,5
7,59,60に各々噛合する第5〜第8の歯車61〜
64を固設する第3,第5,第6,第4の歯車軸67,
72,73,68を、左右ドライブ軸14,17に対し
車両前方側に平行に、同一軸芯上にそれぞれ回転自在に
配置構成する。
【0177】そして、第5の歯車61を固設する第3の
歯車軸67を、第6〜第8の歯車62〜64の中心部を
貫通して、第8の歯車64右側方に延設し、また、第3
の歯車軸67の外周に沿って、第6の歯車62を固設す
る第5の歯車軸72を、第7,第8の歯車63,64の
中心部を貫通して、第8の歯車64の右側方に延設す
る。更に、第7の歯車63を固設する第6の歯車軸73
を、上記第5の歯車軸72の外周に沿って第8の歯車6
4の中心部を貫通して、第8の歯車64右側方に延設
し、また、第6の歯車軸73の外周に沿って、第8の歯
車64を固設する第4の歯車軸68を、該第8の歯車6
4の右側方に延設する。
【0178】そして、第8の歯車64の右側方に第2の
油圧多板クラッチ76が隣接配置され、更に、第2の油
圧多板クラッチ76の右側に第1の油圧多板クラッチ7
1が隣接配置される。
【0179】そして、第5の歯車61を固設する第3の
歯車軸67を第1の油圧多板クラッチ71のクラッチハ
ブ98に連設すると共に、第6の歯車62を固設する第
5の歯車軸72を第2の油圧多板クラッチ76のクラッ
チハブ99に連設する。また、第7の歯車63を有する
第6の歯車軸73を第2の油圧多板クラッチ76のクラ
ッチドラム74に連設すると共に、第8の歯車64を有
する第4の歯車軸68を、第2の油圧多板クラッチ76
を囲暁する第1の油圧多板クラッチ71のクラッチドラ
ム69に連設する。
【0180】すなわち、第5の歯車61と第8の歯車6
4とを第1の油圧多板クラッチ71により伝達容量可変
に接続自在とし、また、第6の歯車62と第7の歯車6
3とを第2の油圧多板クラッチ76により伝達容量可変
に接続自在とする。
【0181】一方、本実施の形態における歯車機構部4
5の4つの歯車列のギヤ比は、上記第1〜第8の歯車5
6,57,59〜64の歯数をそれぞれz1〜z8とし
て、第1の歯車列をz5/z1=0.9、第2の歯車列
をz6/z2=1.0、第3の歯車列をz7/z3=
0.9、第4の歯車列をz8/z4=1.0に設定す
る。すなわち、第2,第4の歯車列に対し、第1,第3
の歯車列が増速の関係に設定されている。
【0182】従って、本実施の形態においては、右旋回
のとき、第1の油圧多板クラッチ71を開放し、第2の
油圧多板クラッチ76を接続する。そして、第2の油圧
多板クラッチ76の接続により、右ドライブ軸17の駆
動力の一部、すなわち右輪側への駆動トルクの一部が、
上述の歯車機構部45における各歯車列のギヤ比の設定
により、第3の歯車59、第7の歯車63、第2の油圧
多板クラッチ76,第6の歯車62、第2の歯車57、
プラネタリキャリヤ105を介して、左ドライブ軸14
に移行される。これにより、右旋回のときには、外輪側
の左後輪16の駆動トルクが、内輪側の右後輪19の駆
動トルクよりも大きくなり、旋回性能が向上する。
【0183】また、左旋回のときには、外輪側の右輪の
駆動トルクを、内輪側の左輪の駆動トルクよりも大きく
することで旋回性能を向上する。すなわち、左旋回のと
きには、第1の油圧多板クラッチ71を接続し、第2の
油圧多板クラッチ76を開放する。
【0184】その結果、第1の油圧多板クラッチ71の
接続により、左ドライブ軸14への駆動力の一部、すな
わち左輪側への駆動トルクの一部が、前述の歯車機構部
45における各歯車列のギヤ比の設定により、プラネタ
リキャリア105、第1の歯車56、第5の歯車61、
第1の油圧多板クラッチ71、第8の歯車64、第4の
歯車60を介して、右ドライブ軸17に移行される。こ
れにより、左旋回のときには、外輪側の右後輪19の駆
動トルクが、内輪側の左後輪16の駆動トルクよりも大
きくなり、旋回性能が向上する。
【0185】また、直進時には、両油圧多板クラッチ7
1,76を共に開放し、差動機構部44による基準トル
ク配分とする。
【0186】本実施の形態においては、差動機構部44
をダブルピニオンプラネタリギヤ式のディファレンシャ
ル装置により構成しているので、左右駆動力配分装置7
の左右輪方向の幅寸法をよりコンパクトに実現すること
が可能となる。
【0187】尚、本実施の形態においては、左ドライブ
軸14にプラネタリキャリア105を連設固定し、右ド
ライブ軸17にサンギヤ103を連設固定し、ダブルピ
ニオンプラネタリギヤ式のディファレンシャル装置によ
り構成される差動機構部44の右側方に、一括して歯車
機構部45を配置すると共に、第1〜第4の歯車56,
57,59,60に噛合する第5〜第8の歯車61〜6
4を、左右ドライブ軸14,17の回転軸芯に対し車両
前方側に平行に、同一軸芯上にそれぞれ回転自在に配置
構成し、さらに、第8の歯車の64の右側方において同
一軸芯上に、第1,第2の油圧多板クラッチ71,76
を一体化して配置しているが、左右駆動力配分装置7を
反転構成して、左ドライブ軸14にサンギヤ103を連
設固定し、右ドライブ軸17にプラネタリキャリア10
5を連設固定し、差動機構部44の左側方に、一括して
歯車機構部45を配置すると共に、歯車機構部45の左
側方において第1,第2の油圧多板クラッチ71,76
を一体化して配置してもよい。
【0188】また、第1〜第4の歯車56,57,5
9,60に噛合する第5〜第8の歯車61〜64を、左
右ドライブ軸14,17の回転軸芯に対し車両後方側に
平行に、同一軸芯上にそれぞれ回転自在に配置構成し、
その歯車機構の側方において同一軸芯上に、第1,第2
の油圧多板クラッチ71,76を一体化して配置しても
よい。
【0189】次に、図16に基づいて本発明の実施の第
6形態を説明する。図16は後輪左右駆動力配分装置の
拡大スケルトン図である。本実施の形態は、上記実施の
第5形態に対し、後輪左右駆動力配分装置7の歯車機構
部45における各歯車列のギヤ比を変えたものである。
【0190】すなわち、図16に示すように、後輪左右
駆動力配分装置7の各歯車列のギヤ比は、上記第1〜第
8の歯車56,57,59〜64の歯数をそれぞれz1
〜z8として、第1の歯車列をz5/z1=1/0.
9、第2の歯車列をz6/z2=1.0、第3の歯車列
をz7/z3=1/0.9、第4の歯車列をz8/z4
=1.0に設定する。すなわち、第2,第4の歯車列に
対し、第1,第3の歯車列が減速の関係に設定されてい
る。
【0191】従って、本実施の形態においては、前述の
実施の第5形態に対し、旋回時における第1の油圧多板
クラッチ71と第2の油圧多板クラッチ76の接続関係
が逆となる。
【0192】すなわち、右旋回のときには、第1の油圧
多板クラッチ71接続し、第2の油圧多板クラッチ76
を開放する。そして、第1の油圧多板クラッチ71の接
続により、右ドライブ軸17の駆動力の一部、すなわち
右輪側への駆動トルクの一部が、上述の歯車機構部45
における各歯車列のギヤ比の設定により、第4の歯車6
0、第8の歯車64、第1の油圧多板クラッチ71、第
5の歯車61、第1の歯車56、プラネタリキャリヤ1
05を介して、左ドライブ軸14に移行される。これに
より、右旋回のときには、外輪側の左後輪16の駆動ト
ルクが、内輪側の右後輪19の駆動トルクよりも大きく
なり、旋回性能が向上する。
【0193】一方、左旋回のときには、外輪側の右輪の
駆動トルクを、内輪側の左輪の駆動トルクよりも大きく
することで旋回性能を向上する。すなわち、左旋回のと
きには、第1の油圧多板クラッチ71を開放し、第2の
油圧多板クラッチ76を接続する。
【0194】その結果、第2の油圧多板クラッチ76の
接続により、左ドライブ軸14への駆動力の一部、すな
わち左輪側への駆動トルクの一部が、前述の歯車機構部
45における各歯車列のギヤ比の設定により、プラネタ
リキャリア105を介して、第2の歯車57、第6の歯
車62、第2の油圧多板クラッチ76、第7の歯車6
3、第3の歯車59を介して、右ドライブ軸17に移行
される。これにより、左旋回のときには、外輪側の右後
輪19の駆動トルクが、内輪側の左後輪16の駆動トル
クよりも大きくなり、旋回性能が向上する。
【0195】図17、図18は、それぞれ前述の実施の
第1,第2形態に対する実施の別形態を示し、差動機構
部44を、実施の第1,第2形態のベベルギヤ式のディ
ファレンシャル装置に代えて、実施の第5,第6形態と
同様のダブルピニオンプラネタリギヤ式のディファレン
シャル装置により構成したものである。差動機構部44
の構成及び作用は、前述の実施の第5,第6形態と同様
であり、また、歯車機構部45、クラッチ機構部46の
構成及び作用は、前述の実施の第1,第2形態とそれぞ
れ同様であり、従って、その説明は省略する。
【0196】また、前述の実施の第3,第4形態におい
て、差動機構部44を、ベベルギヤ式のディファレンシ
ャル装置に代えて、実施の第5〜第8形態と同様のダブ
ルピニオンプラネタリギヤ式のディファレンシャル装置
により構成してもよく、また、第5,第6形態におい
て、差動機構部44をベベルギヤ式のディファレンシャ
ル装置により構成してもよい。
【0197】尚、実施の第2形態以降においては、後輪
左右駆動力配分装置につき説明したが、前輪左右駆動力
配分装置に採用してもよいことは勿論である。
【0198】また、上記実施の各形態においては、差動
機構部44として、ベベルギヤ式、或いは、ダブルピニ
オンプラネタリギヤ式のディファレンシャル装置を採用
した例につき説明したが、本発明は、これに限定され
ず、適宜の差動装置を適用し得る。
【0199】さらに、上記実施の各形態においては、左
輪側出力軸として左ドライブ軸14(20)に第1,第
2の歯車を固設し、また、右輪側出力軸として右ドライ
ブ軸17(22)に第3,第4の歯車を固設している
が、本発明は、これに限定されず、左右駆動力配分装置
7(12)の接続関係を反転構成して、右ドライブ軸1
7(22)に第1,第2の歯車を固設し、また、左ドラ
イブ軸14(20)に第3,第4の歯車を固設してもよ
い。また、左右輪側出力軸は、左右ドライブ軸に限定さ
れない。
【0200】また、左右駆動力配分装置7(12)にお
いて、歯車機構部45を構成する各歯車列の位置、及び
クラッチ機構46の位置は、様々に設定することが可能
であり、上記実施の各形態に限定されない。
【0201】さらに、歯車機構部45における各歯車列
のギヤ比は、上記実施の各形態に限定されず、他の値に
設定しても良いことは勿論である。
【0202】また、本実施の形態においては、4WD車
において後輪左右駆動力配分装置と前輪左右駆動力配分
装置を備えた例につき説明したが、本発明はこれに限定
されず、FF車(フロントエンジン・フロントドライブ
車)において前輪の左右駆動力配分を行う車両、FR車
(フロントエンジン・リヤドライブ車)やRR車(リヤ
エンジン・リヤドライブ車)等において後輪の左右駆動
力配分を行う車両、或いは、4WD車の前後輪のどちら
かの左右駆動力配分を行う車両等においても本発明は適
用できる。
【0203】また、4WD車に適用する場合のセンター
ディファレンシャル装置は、上記説明した以外のもので
あっても良い。
【0204】
【発明の効果】以上説明したように本発明の車両用左右
駆動力配分装置によれば、左右の出力軸方向の寸法をコ
ンパクトに実現することができて、左右輪とアクスル軸
間に配置される自在継手の交差角を小さくすることがで
きる。これにより、サスペンションの構成部材や排気系
部材との干渉や整備時に隙間が確保できるなど車載性に
優れる。また、構成部品点数・種類も少なく小型・軽量
で、従来の差動装置と装着互換性を有し、製造コスト上
有利である。さらに、バイパストルクの調整・設定も容
易であり、制御精度が高く、左右輪間で有効に駆動力配
分が行えて、耐久・信頼性に優れるという効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1形態に係り、4WD車の全
体の概略構成を示す説明図
【図2】同上、後輪左右駆動力配分装置の拡大断面図
【図3】同上、センターディファレンシャル装置の差動
機能説明のための各部の概略図
【図4】同上、第1のサンギヤを固定した際の動作説明
【図5】同上、第2のサンギヤを固定した際の動作説明
【図6】同上、センターディファレンシャル装置の動力
分配機能、差動制限機能説明のための各部の概略図
【図7】同上、各ギヤにより生じる荷重の説明図
【図8】同上、後輪側回転数よりも前輪側回転数の方が
大きい場合の説明図
【図9】同上、後輪側回転数よりも前輪側回転数の方が
小さい場合の説明図
【図10】同上、左右駆動力配分の油圧制御装置の構成
説明図
【図11】同上、左右駆動力配分制御装置の機能構成を
示すブロック図
【図12】本発明の実施の第2形態に係り、後輪左右駆
動力配分装置の拡大スケルトン図
【図13】本発明の実施の第3形態に係り、後輪左右駆
動力配分装置の拡大スケルトン図
【図14】本発明の実施の第4形態に係り、後輪左右駆
動力配分装置の拡大スケルトン図
【図15】本発明の実施の第5形態に係り、後輪左右駆
動力配分装置の拡大スケルトン図
【図16】本発明の実施の第6形態に係り、後輪左右駆
動力配分装置の拡大スケルトン図
【図17】本発明の実施の第1形態に対する別形態を示
し、後輪左右駆動力配分装置の拡大スケルトン図
【図18】本発明の実施の第2形態に対する別形態を示
し、後輪左右駆動力配分装置の拡大スケルトン図
【符号の説明】
1 エンジン 2 自動変速装置 3 センターディファレンシャル装置 6 ドライブピニオン 7 後輪左右駆動力配分装置 10 フロントドライブ軸 12 前輪左右駆動力配分装置 14 左ドライブ軸(左輪側出力軸) 15 左アクスル軸 16 左後輪 17 右ドライブ軸(右輪側出力軸) 18 右アクスル軸 19 右後輪 20 左ドライブ軸(左輪側出力軸) 21 左前輪 22 右ドライブ軸(右輪側出力軸) 23 右前輪 32 左右駆動力配分制御装置 34 後輪側油圧制御装置 35 前輪側油圧制御装置 44 差動機構部 45 歯車機構部 46 クラッチ機構部 56 第1の歯車 57 第2の歯車 59 第3の歯車 60 第4の歯車 61 第5の歯車(第1の回転部材) 62 第6の歯車(第2の回転部材) 63 第7の歯車(第3の回転部材) 64 第8の歯車(第4の回転部材) 67 第3の歯車軸(第1の回転部材) 68 第4の歯車軸(第4の回転部材) 71 第1の油圧多板クラッチ(第1のクラッチ) 72 第5の歯車軸(第2の回転部材) 73 第6の歯車軸(第3の回転部材) 76 第2の油圧多板クラッチ(第2のクラッチ)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力した駆動力を左輪側出力軸と右輪側
    出力軸とに差動機能を有して出力する差動機構部を備
    え、上記両出力軸のどちらか一方に、第1の回転部材に
    対し第1の回転速度を発生させる第1の歯車と、第2の
    回転部材に対し上記第1の回転速度とは異なる第2の回
    転速度を発生させる第2の歯車とを固設し、他方の出力
    軸に、第3の回転部材に対し上記第1の回転速度を発生
    させる第3の歯車と、第4の回転部材に対し上記第2の
    回転速度を発生させる第4の歯車とを固設し、上記第1
    ないし第4の回転部材を上記両出力軸の回転軸芯と平行
    な同一回転軸芯上に配設すると共に、上記第1の回転部
    材と上記第4の回転部材との間の伝達容量を可変とする
    第1のクラッチと、上記第2の回転部材と上記第3の回
    転部材との間の伝達容量を可変とする第2のクラッチを
    上記各回転部材の回転軸芯上に配設したことを特徴とす
    る車両用左右駆動力配分装置。
  2. 【請求項2】 上記各クラッチは、油圧多板クラッチ、
    電磁クラッチ、及び、伝達容量可変型カップリングの少
    なくとも一つから構成されることを特徴とする請求項1
    記載の車両用左右駆動力配分装置。
  3. 【請求項3】 上記各クラッチの伝達容量は、車両の走
    行状態及び路面状況に応じて可変に設定されることを特
    徴とする請求項1又は請求項2記載の車両用左右駆動力
    配分装置。
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