JPH11255566A - 金属部材内蔵セラミックス部材の製造方法及び金属部材内蔵セラミックス部材 - Google Patents
金属部材内蔵セラミックス部材の製造方法及び金属部材内蔵セラミックス部材Info
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Abstract
膨張差に起因するクラックなどの発生しないセラミック
ス部材の製造方法を提供する。 【解決手段】気孔率が20〜60体積%の多孔質金属部
材と、基材となるセラミックス材料とを一軸加圧成形法
によって成形して成形体を得た後、この成形体をホット
プレス焼成することを特徴とする、セラミックス部材の
製造方法である。
Description
ミックス部材及びその製造方法に関し、さらに詳しく
は、静電チャックなどの半導体製造装置の基材、あるい
はセラミックヒータの基材などとして有効な金属部材内
蔵セラミックス及びその製造方法に関する。
セラミックス部材は、セラミックス基材中に金属電極を
埋設するとともに、この金属電極に電流を導入するため
の高融点金属からなる端子を、前記金属電極に接触させ
た状態で埋設している。例えば、窒化シリコンのセラミ
ックス基材中に、タングステンのバルク体からなる端子
を、あるいは窒化アルミニウムのセラミックス基材中
に、モリブデンのバルク体からなる端子を埋め込んで形
成された静電チャックやセラミックスヒータがよく知ら
れている。
セラミックス粉末を予め予備成形した後、この予備成形
体中に金属電極及び金属端子を埋設し、これら全体を一
軸加圧成形法などによって成形し、次いで、金属電極に
対して実質的に垂直な方向に圧力が加わるようにホット
プレス焼成し、さらに、得られた焼成体に研磨加工など
を施すことにより、最終的に金属電極と端子とが埋設さ
れたセラミックス部材を得ていた。
方法においては、端子として高融点金属のバルク体を使
用しているため、端子自らの塑性変形が小さく、セラミ
ックスとの収縮率が合わない。あるいは、セラミックス
原料粉末中のカーボン、酸素とバルク体が結合し、Mo
Ox M0 C1-x 、Mo2 Cと変化するために、熱膨張が
大きくなることにより、基材及び端子双方にクラックが
発生したり、空孔が発生したりするという問題があっ
た。したがって、セラミックス基材と端子との密着性に
劣り、セラミックス部材中にふくれや、ハクリが生じる
という問題があった。
は、原料となるセラミックス粉末の粒度、粒径、及び成
形時の圧力、添加するバインダの種類を適宜選択して、
セラミックス部材を製造する方法を試みたが、ホットプ
レス時において、成形体よりガスが発生し、セラミック
ス部材中にクラックなどが発生するという新たな問題を
生じてしまっていた。また、バインダの多量添加に伴う
ホットプレス時の保形性の劣化という問題も生じてい
た。
などの金属部材との熱膨張差に起因するクラックなどの
発生しないセラミックス部材及びその製造方法を提供す
ることである。
〜60体積%の多孔質金属部材と、基材となるセラミッ
クス材料とを一軸加圧成形法によって成形して成形体を
得た後、この成形体をホットプレス焼成することを特徴
とする、セラミックス部材の製造方法である。
に、相対密度が95〜97%の高融点金属部材が埋設さ
れたことを特徴とするセラミックス部材である。
製造方法では、気孔率が20〜60体積%の多孔質金属
部材を予め製造し、この多孔質金属部材とセラミックス
材料とを一軸加圧成形して成形体を得た後、この成形体
をホットプレス焼成するようにしているので、前述のよ
うにセラミックス基材と金属部材との熱膨張差が発生し
ても、この多孔質金属部材自身が、この熱膨張に起因し
た歪みを吸収してしまうため、クラックなどの発生を防
止することができる。
融点金属部材を用い、これをセラミックス材料とともに
一軸加圧成形及びホットプレス焼成することにより、セ
ラミックス焼成体中に、相対密度95〜97%の高融点
金属部材を埋設した、上記セラミックス部材を得ること
ができる。
に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の金属部材
内蔵セラミックス部材の一例として、静電チャックの場
合を示す断面図である。この静電チャック1は、所定平
面に沿って内蔵された平面状金属電極4によって、第1
の部分2と第2の部分3とに区分されており、端子5
は、第2の部分3において、平面状金属電極4と接触す
るように埋設されている。
体焼成を行うという観点から、金属バルク材であること
が好ましい。具体的には、平板状の金属バルク材、エッ
チングメタル及びパンチングメタルなどの平板状の金属
バルク材中に、多数の小空間が形成されているもの、並
びに多数の小孔を有する板状体からなる金属バルク材
や、網状の金属バルク材などを例示することができる。
点から、融点がセラミックスの焼結温度以上の高融点金
属からなることが好ましい。具体例としては、タングス
テン(W)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、
白金(Pt)、レニウム(Re)、及びハフニウム(H
f)などを例示できるが、熱膨張系の観点より、W、M
o、及びW/Mo合金から選ばれる少なくとも1種の金
属からなることがことが好ましい。
ニウム(AlNx )、窒化シリコン(SiNx )、炭化
シリコン(SiCx )、窒化ホウ素(BNx )、及びア
ルミナ(AlOx )などを例示することができる。
は、以下のようにして製造する。図3は、本発明の金属
部材内蔵セラミックス部材の製造方法における、一軸加
圧成形法の各工程を説明するための断面図である。図4
は、本発明の金属部材内蔵セラミックス部材の製造方法
における、ホットプレス工程を説明するための断面図で
ある。
クス粉末とバインダとを、予めトロンメルなどの方法に
よって混合し、得られた混合物を噴霧造粒装置によって
造粒する。
すように型9、下パンチ10、及び上パンチ11の中に
充填し、一軸加圧成型することにより第1の予備成形部
分12Aを得る。このときの成形圧力は、第2の予備成
形部分を成形する際に、成形圧力が平面状金属電極4及
び多孔質金属部材7を介して第1の予備成形部分12A
に加わったときに、変形することのない密度と強度とを
得るべく、好ましくは50〜200kg/cm2 の範囲
で実施する。
備成形部分12Aの表面上に、図2に示す形状の平面状
金属電極4を配置し、次いで、多孔質金属部材7を、平
面状金属電極4に接触するように配置し、さらに平面状
金属電極4の周囲を埋めるように前記造粒顆粒13を充
填する。
軸加圧成形することにより、第1の予備成形部分12及
び平面状金属電極4の上に、この平面状金属電極4と接
触した多孔質金属部材7が埋設された、第2の予備成形
部分14を新たに形成する。
図4に示すホットプレス装置に収容する。図4に示すホ
ットプレス装置は、型27の内側面27aに接するよう
に、略半円筒形状のスリーブ28A、28Bが収容され
ている。また、スリーブ28A、28Bの内側面28a
に沿って、上パンチ26を、一軸方向(図4においては
上下方向)へと向かって移動させることができるように
なっている。さらに、スリーブ28A、28Bの下側に
は、受け台25が設置、固定されており、上パンチ26
の加圧面26aと、受け台25の加圧面25aとが互い
に対向し、ホットプレス用の空間を形成している。上パ
ンチ26の加圧面26aの内側には、スペーサ24Aが
設置されており、受け台25の加圧面25aの内側に
は、スペーサ24Bが設置されている。
に収容した後、型27内において上パンチ26を受け台
25に向かって移動させることにより、成形体17をス
ペーサ24A及び24Bを介して加圧すると同時に、黒
鉛ヒータ29により加熱して非酸化性雰囲気下でホット
プレス焼成を行う。
℃において、50〜200kg/cm 2 の圧力下、1〜
8時間保持して行う。その後、得られた焼結体の表面を
研磨仕上げして、最終的な静電チャック1を得る。
顆粒中に、予めバインダを含有させているが、このバイ
ンダの含有は必ずしも必要とされるものではない。しか
しながら、造粒顆粒の流動性を向上させて均一な予備成
形体を容易に製造するためには、造粒顆粒に対してバイ
ンダを0.4〜5重量%含有させることが好ましく、さ
らには、1〜3重量%含有させることが好ましい。本発
明で使用することのできるバインダとしては、アクリル
系バインダー及びブチラール系バインダーなどの熱可塑
性樹脂、あるいはフェノールなどの熱硬化性樹脂などを
例示することができる。
製造方法においては、セラミックス焼結後の多孔質金属
部材の保形性の観点から、多孔質金属部材7の気孔率の
上限は、60体積%であることが必要であり、好ましく
は55体積%、さらに好ましくは53体積%である。一
方、多孔質金属部材7の気孔率の下限は、20体積%で
あることが必要であり、好ましくは40体積%、さらに
好ましくは45体積%である。気孔率の下限が20体積
%よりも小さいと、本発明の目的を達成することができ
ない。
うに、平面状金属電極4と接触するようにして、上記気
孔率の金属部材7を配置し、一軸加圧成形及びホットプ
レス焼成を行うことにより、以下の利点がある。すなわ
ち、図3及び図4に示すように、平面状金属電極4に接
触させて多孔質金属部材7を配置した場合、従来のよう
に、金属部材として金属のバルク体を用いた場合におい
ては、成形時の圧力付加によって金属部材自身が変形す
ることができない。そのため、最終的な静電チャック1
を製造した場合において、図5に示すように、端子5が
平面状金属電極4を圧迫して変形させてしまったり、平
面状金属電極4を破壊してしまうという問題があった。
のような金属部材として、気孔率が20〜60体積%で
ある多孔質金属部材7を用いることにより、成形時に圧
力が付加された場合においても、多孔質金属部材7自身
が容易に変形することができるため、平面状金属電極4
への圧迫を著しく低減することができ、その結果、平面
状金属電極4の変形や破壊を防止することができる。そ
の結果、図1に示す半導体ウエハ設置面1aでの吸着力
を一定化することができる。
に示す厚さtは約0.4mmであり、そのバラツキは±
0.1mmの範囲に抑える必要がある。さらに、ワイド
レンジ用静電チャックの場合、厚さtは約0.6mmで
あり、そのバラツキは±0.25mmの範囲に抑える必
要がある。したがって、上述のような、平面状金属電極
4の変形及び破壊の防止は、本発明のセラミックス部材
として、本発明の実施の形態に示すような静電チャック
に使用する場合においては、極めて重要な要素となる。
静電チャック1における平面状金属電極4の端子5とし
て、相対密度95%の金属部材を使用する場合、図7に
示す厚さH/直径Dの比が、好ましくは2以下、さらに
好ましくは1.5以下となるように、多孔質金属部材7
を予め製造しておくことにより、原料となるセラミック
ス粉末がSD顆粒でなく、また適切な量のバインダをも
含有しておらず、セラミックス粉末の流動性が低い場合
においても、図6に示すように、端子5の法線方向から
の傾きθを極めて小さくすることができる。その結果、
端子5と平面状金属電極4とが離間して、非接触状態と
なることがない。実際には、上記θの値は、15度以下
であることが好ましく、さらには10度以下であること
が好ましい。
ラミックス部材として静電チャックの場合について詳述
したが、形状、材質、及び構成を変化させることによ
り、セラミックスヒータ、高周波発生用電極などの各種
能動型装置に使用することができる。
する。 実施例1〜7及び比較例1及び2 原料となるセラミックス粉末として、窒化アルミニウム
粉末(平均粒径70μm)を用い、イットリアを0.1
重量%添加して、トロンメルによりこれらの混合物を製
造した。続いて、この混合物を噴霧造粒装置(スプレー
ドライヤー)によって造粒した。
粒顆粒を所定量投入して、200kg/cm2 にて1軸
加圧成形し、第1の予備成形体を得た。その後、第1の
予備成形体上に、図2に示すようなMo電極(細径0.
12mm、外形200mm、50メッシュ)を配置し、
さらに、このMo電極に、表1に示す気孔率の多孔質M
o端子(直径3mm、厚さ1.5mm)を有機性接着剤
で接着して、配置した。その後、再び所定量の上記窒化
アルミニウム造粒顆粒を投入し、200kg/cm2 に
て1軸加圧成形して、直径215mm、厚さ30mmの
成形体を得た。
cm2 Gの雰囲気下で、1700℃、200kg/cm
2 で4時間のホットプレス焼成を実施した。得られた焼
成体をダイヤモンド砥石によって粗加工して、図1に示
すようなセラミックス部材を得た。
た後、この端子周辺部のメッシュから表面までの厚み
(図1のtに相当)を超音波膜厚計にて測定後、この厚
さが0.6mmになるように平面研削した。その後、こ
のセラミックス部材を切断して断面観察し、メッシュの
変形量を測定するとともに、端子周辺のマイクロクラッ
クの有無を調べた。結果を表1に示す。
子の相対密度が本発明の範囲内にある場合は、端子周辺
のセラミックス基材にマイクロクラックが発生しないこ
とが分かる。また、成形前のMo端子の気孔率が、40
〜60体積%の場合、セラミックス部材を成形した後の
Moメッシュの変形量が、極めて小さいことが分かる。
ておき、その直径及び厚さを表2に示すように変化さ
せ、上記同様に、一軸加圧成形及びホットプレス焼成し
た場合における、図6に示す、焼成後の端子の法線方向
からの傾きθの大きさを調べた。結果を表2に示す。
子の厚さHと直径Dとの比が2以下の場合は、上述した
ように、端子の傾きθは著しく小さくなり、上記比が1
以下になると、傾きθは0になることが分かる。
蔵のセラミックス部材及びその製造方法によれば、セラ
ミックス基材と端子などの金属部材との熱膨張差に起因
するクラックなどの発生しないセラミックス部材及びそ
の製造方法を、制御性よく、簡易に提供することができ
る。
を示す断面図である。
面状金属電極の一例を示す図である。
加圧成形工程を説明するための図である。
トプレス焼成工程を説明するための図である。
の、平面状金属電極の変形量を説明するための図であ
る。
の、金属部材(端子)の傾きを説明するための図であ
る。
る、成形前の金属部材(端子)の寸法を説明するための
図である。
裏面、2 第1の部分、3 第2の部分、4 平面状
金属電極、5 端子、6 セラミックス基材、7 多孔
質金属部材、9 型、10 下パンチ、11 上パン
チ、12 第1の予備成形部分、12A 第1の予備成
形部分(第2の部分成形前)、13 造粒顆粒、14
第2の予備成形部分、17 成形体、24A、24Bス
ペーサ、25 受け台、25a、26a 加圧面、26
上パンチ、27型、27a、28a 内側面、28
A、28B スリーブ、29 黒鉛ヒータ、t 第1の
部分の厚さ、h 平面状金属電極の変形量、H 成形前
の金属部材(端子)の厚さ、D 成形前の金属部材(端
子)の直径
Claims (7)
- 【請求項1】気孔率が20〜60体積%の多孔質金属部
材と、基材となるセラミックス材料とを一軸加圧成形法
によって成形して成形体を得た後、この成形体をホット
プレス焼成することを特徴とする、セラミックス部材の
製造方法。 - 【請求項2】基材となるセラミックス材料を一軸加圧成
形法によって成形して第1の予備成形部分を形成した
後、この第1の予備成形部分の表面に金属製平面部材を
配置し、次いで、この金属製平面部材上に気孔率が20
〜60体積%の多孔質金属部材を配置し、次いで前記セ
ラミックス材料を、前記第1の予備成形部分及び前記金
属製平面部材上において、前記多孔質金属部材の周囲を
埋めるように配置し、一軸加圧成形法によって成形して
第2の予備成形部分を形成した後、得られた成形体をホ
ットプレス焼成することを特徴とする、セラミックス部
材の製造方法。 - 【請求項3】前記多孔質金属部材の気孔率は、40〜6
0体積%であることを特徴とする、請求項1又は2に記
載のセラミックス部材の製造方法。 - 【請求項4】前記多孔質金属部材は、W、Mo、及びW
/Mo合金から選ばれる少なくとも1種の金属からなる
ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一に記載の
セラミックス部材の製造方法。 - 【請求項5】セラミックス焼成体中に、相対密度が95
〜97%の高融点金属部材が埋設されたことを特徴とす
るセラミックス部材。 - 【請求項6】前記セラミックス部材は、所定平面に沿っ
て内蔵された金属製平面部材によって、第1の部分と第
2の部分とに区分されており、前記高融点金属部材は、
前記第2の部分において、前記金属製平面部材と接触す
るように埋設されていることを特徴とする、請求項5に
記載のセラミックス部材。 - 【請求項7】前記金属部材は、W、Mo、及びW/Mo
合金から選ばれる少なくとも1種の金属からなることを
特徴とする、請求項1又は2に記載のセラミックス部
材。
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JP06147498A JP3268263B2 (ja) | 1998-03-12 | 1998-03-12 | 金属部材内蔵セラミックス部材の製造方法 |
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JPH11255566A true JPH11255566A (ja) | 1999-09-21 |
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JP06147498A Expired - Lifetime JP3268263B2 (ja) | 1998-03-12 | 1998-03-12 | 金属部材内蔵セラミックス部材の製造方法 |
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- 1998-03-12 JP JP06147498A patent/JP3268263B2/ja not_active Expired - Lifetime
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