JPH11251146A - 積層インダクタ及びその製造方法 - Google Patents

積層インダクタ及びその製造方法

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JPH11251146A
JPH11251146A JP6192798A JP6192798A JPH11251146A JP H11251146 A JPH11251146 A JP H11251146A JP 6192798 A JP6192798 A JP 6192798A JP 6192798 A JP6192798 A JP 6192798A JP H11251146 A JPH11251146 A JP H11251146A
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JP
Japan
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spiral coil
chip
conductor pattern
pattern
forming
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Application number
JP6192798A
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English (en)
Inventor
Yasuo Suzuki
靖生 鈴木
Tetsuya Suzuki
徹也 鈴木
Noboru Kojima
暢 小島
Yoshinari Noyori
佳成 野寄
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FDK Corp
Original Assignee
FDK Corp
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  • Coils Or Transformers For Communication (AREA)
  • Coils Of Transformers For General Uses (AREA)
  • Manufacturing Cores, Coils, And Magnets (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 螺旋状コイルのターン数を可及的に増加し
て、L値をできるだけ大きくした積層インダクタ及びそ
の製造方法を提供すること 【解決手段】 誘電体チップ25の内部に螺旋状コイル
27が形成され、誘電体チップ25の長手方向の両端面
に外部電極26が形成されている。螺旋状コイルは、そ
の中心軸が両外部電極を結ぶ軸に平行となるように形成
されている。よって、螺旋状コイルの中心軸は、誘電体
チップの長手方向に平行となるので、係る螺旋状コイル
は、従来の製造方法により製造された積層インダクタに
おける螺旋状コイルよりも、中心軸方向に長く形成する
ことができる。よって、螺旋状コイルのターン数を多く
することができ、積層インダクタのL値は大きくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導体パターンと誘
電体層とを交互に印刷形成して順次積層することで、誘
電体チップの内部に前記導体パターンがつながった螺旋
状コイルを埋め込んだ状態とする積層インダクタ及びそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図12は従来の積層インダクタの製造方
法を示している。同図に示すように、下部誘電体基板1
の上に誘電体ペーストを薄く塗って誘電体層2を形成
し、その上にL字型の導体パターン3を印刷形成する。
係る導体パターン3は一部が誘電体層2の一辺に接する
ように形成される。次に、導体パターン3の一部分を覆
うように、誘電体層2の上に誘電体層4を印刷形成す
る。次に誘電体層2と誘電体層4にまたがって、これら
の表面にL字型の導体パターン5を印刷形成する。この
導体パターン5の一端部分は誘電体層2の表面に露出し
ていた導体パターン3の一端部分とつながる。
【0003】同様の積層手順を繰り返し、誘電体層と導
体パターンを積層形成する。そして、最上層となる誘電
体層6の上面及び誘電体層6の前に形成された誘電体層
7の上面に略コ字型の導体パターン8を形成する。係る
導体パターン8は、端部を含む一部が誘電体層6,誘電
体層7の一辺に接するように形成される。そして、上部
誘電体基板9を積層することにより、図13に示すよう
な、誘電体チップ10の内部に前記導体パターンがつな
がった所定ターン数の螺旋状コイル11を埋め込んだも
のを形成し、最終的に全体を焼成する。
【0004】また、誘電体チップ10の長手方向の両端
面に外部電極12を印刷形成する。この時、螺旋状コイ
ル11の中心軸は、誘電体チップ10の長手方向に垂直
な方向に配置され、螺旋状コイル11を構成する巻き始
めの導体パターン3と巻き終わりの導体パターン8は、
それぞれ対向配置された各外部電極12の形成面に接す
るように形成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、積層インダ
クタの寸法は、規格により定められており、外部電極1
2が形成されている方向が、誘電体チップ10の長手方
向となっている。よって、上記した従来の積層インダク
タの製造方法で製造された製品では、螺旋状コイル11
は誘電体チップ10の厚さ方向(短手方向)が中心軸と
なるように形成されるので、螺旋状コイル11の長さは
短くなり、螺旋状コイル11のターン数が少なくなって
しまう。そのため、積層インダクタのL値は低くなって
しまう。
【0006】また、導体パターンは、誘電体層の表面に
導体ペースを印刷することにより形成されるため、その
縦断面形状は偏平な矩形状となり、それを焼成すること
により図14に示すように螺旋状コイル11の縦断面形
状は、上方が収縮した偏平な台形状となっている。よっ
て、面積も小さいとともに、形状も台形状であることか
ら直流電気抵抗が大きくなり、また積層インダクタのQ
値も低下してしまうという問題も有する。さらに、上記
L値の低下をできるだけ抑制するためにコイルのターン
数を多くとるために誘電体層・導体パターンの膜厚を薄
くすると、コイルの断面形状がより薄くなるので、Q値
がより低下してしまう。
【0007】本発明は、上記した背景に鑑みてなされた
もので、その目的とするところは、上記した問題を解決
し、螺旋状コイルのターン数を可及的に増加して、L値
をできるだけ大きくした積層インダクタ及びその製造方
法を提供することにある。また、コイルの直流抵抗を低
減し、Q値の増大を図ることも別の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ため、本発明に係る積層インダクタでは、電気絶縁体か
らなるチップの内部に導体パターンがつながった螺旋状
コイルが埋め込まれており、前記チップの長手方向両側
面にそれぞれ外部電極が形成され、前記外部電極は、直
接または電極接続用パターンを介して、前記螺旋状コイ
ルと電気的に接続され、前記螺旋状コイルの中心軸は、
両方の前記外部電極を結ぶ方向と平行にした(請求項
1)。ここで電気絶縁体は、例えば誘電体や磁性体によ
り実現できる。より具体的な材質としては、ガラス系セ
ラミックやフェライトなどを用いることができる。これ
は、以下の請求項についても同様である。
【0009】積層インダクタの寸法の規格では、チップ
の長手方向両側に外部電極が形成されるようになってい
る。そして、従来から行われている製造方法では、電気
絶縁層と導体パターンを交互に積層していき、その積層
方向を厚み方向(外部電極を結ぶ方向と直交する方向)
とするプロセスしか考えられていなかったため、必然的
にターン数を増やすことに限界があった。しかし、本発
明では、チップの両側に形成された外部電極を結ぶ方向
と、螺旋状コイルの中心軸とを一致させたため、螺旋状
コイルの巻き方向の長さを長くとれるので、たとえチッ
プを小型化したとしてもターン数を多くとることがで
き、コイルのL値が大きくなる。
【0010】請求項1に記載の積層インダクタを製造す
るのに適した本発明に係る積層インダクタの製造方法と
しては、例えば、複数の下部帯状導体パターンを形成し
た電気絶縁層の上に、前記各下部帯状導体パターンの両
端に対向する位置に孔部が形成された電気絶縁層を印刷
形成する工程と、前記各下部帯状導体パターンの両端に
対向する位置に柱状導体パターンを印刷形成する工程を
所定の順で繰り返し行う。そして、前記2つの工程を所
定回数繰り返すことにより前記孔部内に前記柱状導体パ
ターンが挿入された電気絶縁層を複数枚積層するととも
に、その複数枚の電気絶縁層のうち最上層の電気絶縁層
の上面に、所定の前記柱状導体パターン同士を接続する
ように上部帯状導体パターンの印刷形成工程を実行する
ことにより、上記した上部・下部帯状導体パターンと柱
状導体パターンを連続させて螺旋状コイルを形成する。
さらに、前記上部帯状導体パターンの形成された前記電
気絶縁層の表面に絶縁部材を積層して、チップの内部に
前記螺旋状コイルを埋め込んだものを形成する。次い
で、前記螺旋状コイルの中心軸方向が前記チップの長手
方向に一致するように形成するとともに、そのチップの
長手方向の両端部に、前記上部帯状導体パターンと導通
する外部電極を形成するようにした。(請求項2)。つ
まり、上記下部帯状導体パターンと下部帯状導体パター
ンと柱状導体パターンが、請求項1に記載の導体パター
ンを構成することになる。
【0011】好ましくは、前記孔部の内部に形成される
柱状導体パターンの横断面形状を円形にすることである
(請求項3)。螺旋状コイルの少なくとも一部の断面形
状が、直流抵抗の小さい円形となるので、製造された積
層インダクタのQ値が増大する。なお、円形とは、真円
とするのがもっとも好ましいが、楕円形及びそれに類す
る形状のものも本発明で言うところの円形に含まれる。
【0012】また、別の製造方法としては、導体パター
ンと電気絶縁層を交互に印刷形成して順次積層すること
で、内部に前記導体パターンがつながった螺旋状コイル
を埋め込んだ中間生成物を形成し、前記中間形成物の所
定位置で切断して、内部に前記螺旋状コイルを有するチ
ップを形成するに際し、前記チップの長手方向が前記螺
旋状コイルの中心軸の方向となるようにし、前記誘電体
チップの長手方向の両端面に、外部電極を形成し、か
つ、螺旋状コイルを形成後の所定のタイミングで前記螺
旋状コイルの両端と前記外部導体を接続するための電極
接続用パターンを形成することもできる(請求項4)。
ここで、電極接続用パターンとしては、実施の形態のよ
うにチップの外側に形成するのが簡単で好ましい。そし
てその場合には、上記所定のタイミングは切断してチッ
プを形成した後、外部電極を形成する前あるいは外部電
極を形成した後となる。そして、必然的に螺旋状コイル
の両端はチップの外面に露出するような位置で切断する
ことになる。また、チップの内部に電極接続用パターン
を形成する場合には、外部電極に向かう方向は、電気絶
縁層の積層方向となるので、例えば請求項2に記載した
柱状導体パターンを形成する工程を利用することにより
形成することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1,図2は、本発明に係る積層
インダクタの製造方法の第1の実施の形態を示してい
る。そして、図1は平面図であり、図2は対応する図1
の左側半分を示す断面図である。
【0014】本形態では、まず、電気絶縁層たる誘電体
層を形成するセラミック材料としては、フェライトやガ
ラスを添加し低温焼結化した誘電体材料を用いている。
そして、一例を示すと、例えばホウケイ酸ガラスとアル
ミナを体積比で70:30で混合した誘電体材料(ガラ
ス系セラミック材料)を用いており、これにビヒクルと
して、エチルセルロース,テレピネール,分散剤,可塑
剤を混合したものを配合し混合して印刷用ペーストを形
成する。また、導体パターン(パターン要素)を印刷形
成する際に用いる導体ペーストは、銀を使用し、それを
上記誘電体材料と同様のビヒクルに混合したものを用い
ている。そして、使用するバインダーは、エチルセルロ
ース以外で、PVBやメチルセルロースなどを用いる。
なお、銀ではなく銀パラジウムを用いることもできる。
さらに、分散剤や可塑剤は印刷性の向上や生産時の取り
扱いを考慮して入れることになる。
【0015】上記した各種ペーストを所定のパターンで
順次印刷することにより、積層インダクタを製造する。
具体的には、まず図1(A),図2(A)に示すよう
に、所定の厚さまで上記セラミック(誘電体材料)のペ
ーストを印刷し、電気絶縁層たる誘電体層15を形成す
る。
【0016】そして、図1(B),図2(B)に示すよ
うに、係る誘電体層15の上面に下部帯状導体パターン
16a〜16dを印刷形成する。本形態では、係る下部
帯状導体パターン16a〜16dを、それぞれ細長な1
本の矩形状のパターンとなるように形成しており、係る
各下部帯状導体パターン16a〜16dを、誘電体層1
5の短辺と平行でかつ等間隔になるように形成する。ま
た、この時、複数回にわたって下部帯状導体パターン1
6a〜16dを印刷することにより、膜厚が厚くなり、
直流抵抗を小さくすることができる。
【0017】次いで、下部帯状導体パターン16a〜1
6dが形成された誘電体層15の上面にセラミック材料
を印刷し、誘電体層17を形成する(図1(C),図2
(C))。この時、係る誘電体層17には、下部帯状導
体パターン16a〜16dの両端部に対応する位置に、
厚さ方向に貫通する円筒状の孔部18a〜18hを設け
る。そして、係る孔部18a〜18hの内部に導体ペー
ストを印刷し、柱状導体パターン(ビア)19a〜19
hを形成する。係る柱状導体パターン19a〜19h
は、孔部18a〜18hの形状に沿って形成されるの
で、円柱状となる(図1(D),図2(D))。これに
より、下部帯状導体パターン16aの両端に柱状導体パ
ターン19a,19bが電気的に接続され、下部帯状導
体パターン16bの両端に柱状導体パターン19c,1
9dが電気的に接続され、下部帯状導体パターン16c
の両端に柱状導体パターン19e,19fが電気的に接
続され、下部帯状導体パターン16dの両端に柱状導体
パターン19g,19hが電気的に接続される。
【0018】そして、上記した孔部を有する誘電体層を
印刷する工程(図1(C),図2(C))と、係る孔部
内に柱状導体パターンを印刷形成する工程(図1
(D),図2(D))を繰り返し行う。これにより、図
2(C′),図2(D′)に示すように、既設の柱状導
体パターン19bの上に順次円柱状の柱状導体パターン
19b′が積層形成されていく。これにより、積層方向
(厚さ方向)に円柱状の導体が延びることになる。
【0019】このようにして、上記の孔部を有する誘電
体層を印刷する工程と、孔部内に柱状導体パターンを印
刷形成する工程を所定回数繰り返すことにより最上層の
誘電体層(これも孔部を有している)20に至る(図1
(E))。その誘電体層20の表面に露出するように形
成された柱状導体パターン19″a〜19″hは、下部
帯状導体パターン16a〜16hの上面に接続形成した
柱状導体パターン19a〜19hとそれぞれ同一直線状
に位置し、図示省略する中間層に形成される各柱状導体
パターンを介して導通状態にある。
【0020】次いで、誘電体層20の上面に、斜め位置
に形成されている柱状導体パターン同士を接続するよう
に、上部帯状導体パターン22b〜22dを形成する。
つまり、柱状導体パターン19″b,19″cを接続す
るようにして上部帯状導体パターン22bを印刷形成
し、柱状導体パターン19″d,19″eを接続するよ
うにして上部帯状導体パターン22cを印刷形成し、柱
状導体パターン19″f,19″gを接続するように上
部帯状導体パターン22dを印刷形成する。さらに、柱
状導体パターン19″aと誘電体層20の短辺の中点を
結ぶように上部帯状導体パターン22aを印刷形成する
とともに、柱状導体パターン19″hと誘電体層20の
短辺の中点を結ぶように上部帯状導体パターン22eを
印刷形成する。なお、この上部帯状導体パターン22a
〜22eを印刷形成するに際し、複数回印刷することに
より厚みを増すことができ、これにより直流抵抗を低減
することができる。
【0021】これにより、誘電体層20の長手方向両側
に位置する上部帯状導体パターン22a,22eは、各
柱状導体パターン,下部帯状導体パターン並びに上部帯
状導体パターンによって、1本の連続した螺旋状コイル
により導通接続されることになり、その螺旋状コイルの
中心軸は誘電体層20の長辺に平行な方向となる。
【0022】そして、誘電体層20の上面にペースト状
の誘電体材料(セラミック)を複数回印刷することによ
り、所定厚さの上部誘電体層(基板)24を積層形成す
る(図1(F))。なお、実際には、上記した各工程は
大きな基板上で同時に複数個を形成するため、チップ単
位で切断後、脱脂・焼成する。
【0023】そして、図3に示すように、誘電体チップ
25の長手方向の両端面に外部導体を焼き付けるととも
に、メッキを施すことにより、それぞれ外部電極26を
形成する。この時、両端に位置する上部帯状導体パター
ン22a,22eは外部電極26に接続される。以上の
方法によって、誘電体チップ25の内部に螺旋状コイル
27が配置された積層インダクタを製造する。
【0024】本形態における製造方法によって製造され
た積層インダクタでは、螺旋状コイルの中心軸は、外部
電極26を結ぶ軸に平行な方向となる。すなわち、螺旋
状コイルの中心軸の方向は、誘電体チップ25の長手方
向となるので、係る螺旋状コイルは、従来の製造方法に
より製造された積層インダクタにおける螺旋状コイルよ
りも、中心軸方向で長く形成することができる。よっ
て、本形態における製造方法によって製造された螺旋状
コイルのターン数を多くすることができるので、積層イ
ンダクタのL値を大きくすることができる。
【0025】また、本形態では、螺旋状コイルを構成す
る柱状導体パターンを円柱状としたため、螺旋状コイル
の各部の断面形状が円形となり、直流抵抗を低くすると
ともに積層インダクタのQ値を大きくすることができ
る。
【0026】なお、上記した説明では、最初に孔部付き
の誘電体層17を形成する工程(図1(C),図2
(C))を実行後、その孔部内に導体ペーストを充填し
て柱状導体パターンを形成する工程(図1(D),図2
(D))を実行するようにしたが、本発明はこれに限る
ことはなく、先に所定パターンに導体ペーストを印刷し
て柱状導体パターンを形成する工程を実行し、次いでそ
の柱状導体パターンの未形成領域に誘電体ペーストを印
刷することにより誘電体層を形成する工程を実行するよ
うにしてもよい。つまり、誘電体層の印刷工程と、柱状
導体パターンの印刷工程はどちらを先に行ってもよい。
【0027】図4は本発明に係る積層インダクタの製造
方法の第2の実施の形態の要部を示している。本形態に
おける製造方法により製造される積層インダクタでは、
第1の実施の形態におけるそれと比較して、螺旋状コイ
ルのターン数を多くしており、製品のL値をさらに高く
することができるようにしている。
【0028】すなわち、同図(A)に示す下部誘電体層
30の上面に、下部帯状導体パターン31a〜31gを
形成する。係る下部帯状導体パターン31a〜31g
を、下部誘電体層30の短辺に平行となるように形成す
る。そして、下部帯状導体パターン31a〜31gは、
長いパターン(31a,31c,31e,31g)と、
短いパターン(31b,31d,31f)を交互に配置
するように形成する(同図(B))。
【0029】次に、下部誘電体層30の上面に誘電体層
32を形成する。この時、誘電体層32には、下部帯状
導体パターン31a〜31gの両端と同位置に孔部33
a〜33nが設けられている(同図(C))。そして、
係る孔部33a〜33nの内部に導体ペーストを充填し
て柱状導体パターン34a〜34nを設ける(同図
(D))。
【0030】そして、同様の工程(同図(C),同図
(D)に示す工程)を所定回数繰り返すことにより最上
層の誘電体層35まで形成し、その誘電体層35に形成
された各柱状導体パターン34′b〜34′mを斜めの
位置同士で接続する上部帯状導体パターン36b〜36
mと、両端の柱状導体パターン34′a,34′nと、
誘電体層35の短辺の中点とを接続する上部帯状導体パ
ターン36a,36hを形成する(同図(E))。これ
により、螺旋状コイルが構成される。
【0031】そして、誘電体層35の上面に誘電体セラ
ミックを複数回印刷することにより、上部誘電体層37
を形成し、最終的に全体を焼成して誘電体チップを形成
し、係る誘電体チップの長手方向両端面に外部電極を形
成して、積層インダクタを完成させる。
【0032】本形態で形成される螺旋状コイルは、ター
ン数が、第1の実施の形態で形成される螺旋状コイルの
ターン数よりも多くなる。よって、積層インダクタのL
値を、第1の実施の形態におけるそれよりも大きくする
ことができる。
【0033】図5は本発明に係る積層インダクタの製造
方法の第3の実施の形態を示している。本形態により製
造される製品では、螺旋状コイルを構成する柱状導体パ
ターンの断面形状を円形状とし、さらに、係る導体パタ
ーンの断面積を、第1の実施の形態のそれよりも大きく
している。
【0034】同図(A)に示す誘電体層40の上面に、
広幅な帯状の下部帯状導体パターン41a,41bを2
本平行に複数回印刷形成し、所定厚さにする(同図
(B))。次いで、下部帯状導体パターン41a,41
bの両端に対応する位置に孔部43a〜43dが位置す
るようなパターン形状で誘電体ペーストを印刷し、誘電
体層40を形成する(同図(C))。この時形成する孔
部43a〜43dの径は、上記した各実施の形態におけ
る孔部の径よりも大きくする。そして、係る孔部43a
〜43d内に導体ペーストを充填することにより、大き
な径からなる円柱状の柱状導体パターン44a〜44d
を形成する(同図(D))。
【0035】そして、上記した誘電体層形成工程と柱状
導体パターン形成工程を繰り返し行うことにより得られ
た最上層の誘電体層45の上面に上部帯状導体パターン
46a〜46cを印刷形成することにより、上部・下部
帯状導体パターンと柱状導体パターンで1本の連続した
螺旋状コイルを形成する(同図(E))。その後、図示
省略するが誘電体チップを焼成し、外部電極を形成する
ことにより、積層インダクタを製造する。
【0036】図5と図1とを比較すると明らかなよう
に、基本的な各工程は同じであるが、本実施の形態では
各パターンを幅広としたり径を大きくすることにより、
製造されるコイルの各部の断面積を大きくすることがで
きるので、直流抵抗がさらに低減し、大きなQ値を得る
ことができる。
【0037】図6〜図9は、本発明に係る積層インダク
タの製造方法の第4の実施の形態を示している。本形態
では、従来の積層インダクタの製造方法と同様に、誘電
体層と導体パターンを交互に印刷形成することにより、
誘電体チップの内部に螺旋状コイルを配置するようにし
ている点では共通するが、切り出し時に従来と発想の転
換を行うことにより、最終的な積層インダクタにおいて
は螺旋状コイルの中心軸を、外部電極間を結ぶ方向にな
るようにしている。
【0038】すなわち、図6に示すように、下部誘電体
基板50の表面に誘電体層51を印刷形成し(同図
(A))、係る誘電体層51の表面に略C字型の導体パ
ターン52を形成する(同図(B))。係る導体パター
ン52は、誘電体層51の一辺に一端が接するように印
刷形成される。
【0039】次に、同図(C)の工程を行い、螺旋状の
コイルを形成していく。つまり、係る導体パターン52
の一部が露出するように誘電体層53を形成する(C−
)。そして、露出された導体パターン52の端部に接
続するように、略L字型の導体パターン54を形成する
(C−)。次いで、導体パターン54の先端側を露出
するようにして誘電体層55を印刷形成し(C−)、
導体パターン54の露出した先端部に接続する導体パタ
ーン56を誘電体層55の上面に印刷形成する。この工
程を行うことにより、1ターン分のコイルが形成され
る。
【0040】以後は、上記した同図(C)の工程を所定
回数繰り返し行い、所定のターン数を得たならば、最後
は同図(C′)に示すように、上記した図(C)におけ
る〜と同様の工程を行った後、同図(D)に示すよ
うに露出した導体パターン54″の先端に接続する導体
パターン57を形成する。この導体パターン57は、誘
電体層55″の上に形成され、その先端部は誘電体層5
5″の短辺側に接している。そして、最後に誘電体ペー
ストを所定回数印刷することにより、上部誘電体基板5
8を積層形成する(同図(E))。なお、ここまでの工
程は、具体的なパターン形状は異なるものの、図12に
示す従来のものと同様の工程により実現できる。
【0041】そして、実際には、螺旋状コイルを内部に
配置された誘電体チップを、一度に多数形成するため
に、誘電体チップを構成する誘電体層の面積よりも大き
な面積である誘電体基板の上の各位置にて上記処理を行
い、図6(E)の工程を終えて形成される中間形成物6
0は、図7に示すように、内部に複数の螺旋状コイル6
1が配置された状態となる(図示の例では便宜上3個の
螺旋状コイルを示したが、実際にはもちろん格子状に多
数形成することになる)。
【0042】そして、中間形成物60を所定位置で切断
することにより、図8(A)に示すように、内部に1つ
の螺旋状コイル61が配置された誘電体チップ62を形
成する。この時、本形態では、形成された誘電体チップ
62の長手方向が、内部に配置された螺旋状コイル61
の中心軸の方向と一致するように切断する。つまり、従
来であれば、製造工程における誘電体層等の積層方向
が、そのまま積層インダクタの厚さ方向であったが、本
形態では切断後90度倒すことにより、積層方向と厚さ
方向とが直交するようにしている。この切断方法と、切
断後に回転させるところにポイントがある。
【0043】また、積層インダクタの寸法形状の規格に
より、係る誘電体チップ62の長手方向の両端面に螺旋
状コイル61と電気的に接続する外部電極が形成される
が、螺旋状コイル61を構成する導体パターン52,5
7は、誘電体チップ62の長手方向の面に接していな
い。そこで、誘電体チップ62の表面に、両導体パター
ン52,57の端部と誘電体チップ62の長手方向両端
縁を結ぶ電極接続用パターン65を形成する(同図
(B))。このように、表面に形成したのは、製造工程
の簡略化のためであり、例えばビアホールのように誘電
体チップ62内に係る接続用パターンを形成してももち
ろんよい。
【0044】その後、誘電体チップ62の長手方向の両
端面に外部電極66を焼き付け形成し(図9(A))、
その露出した導体部分(65,66)にメッキを施すこ
とにより、図9(B)に示すような積層インダクタ68
が製造される。
【0045】また、上記のように積層方向と厚さ方向を
異ならせる方法を利用すると、例えば図10に示すよう
な誘電体チップ70の内部に1本の棒状の内部導体71
を配置し、その内部導体71が誘電体チップ62の両端
に形成された外部電極72に接続されたタイプのインダ
クタンス素子を製造することができる。
【0046】つまり、図11に示すように、中央に孔部
76を設けた誘電体層75を印刷形成するとともに、そ
の孔部76内に導体ペースト77を充填する工程を所定
回数繰り返すことにより、導体ペースト77が連続した
所定長さの棒状の内部導体71が形成される。そして、
この内部導体71の両端はチップ70の両端に露出する
ため、チップ70の両端面を含む周囲に外部電極72を
形成して、その外部電極72と内部導体71とを導通さ
せることにより、図10に示すような積層インダクタを
製造することができる。
【0047】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る積層インダ
クタでは、誘電体チップの内部に配置された螺旋状コイ
ルを、誘電体チップの両端面に形成された外部電極を結
ぶ軸と平行となるように配置しているので、従来の積層
インダクタにおける螺旋状コイルよりも長く形成するこ
とができる。よって、螺旋状コイルのターン数を多くす
ることができるので、積層インダクタのL値を大きくす
ることができる。
【0048】そして、螺旋状コイルの大部分(第1〜第
3の実施の形態における柱状導体パターンにより構成さ
れる部分)の断面形状を円形或いはそれに近い形状とす
ることが容易に行え、係る場合に、直流抵抗を低減する
とともに、数百MHz以上の高周波領域においてもQ値
の大きな高性能な積層インダクタを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る積層インダクタの製造方法の第1
の実施の形態を説明する図である。
【図2】本発明に係る積層インダクタの製造方法の第1
の実施の形態を説明する図である。
【図3】本発明に係る積層インダクタの一実施の形態を
示す透視図である。
【図4】本発明に係る積層インダクタの製造方法の第2
の実施の形態を説明する図である。
【図5】本発明に係る積層インダクタの製造方法の第3
の実施の形態を説明する図である。
【図6】本発明に係る積層インダクタの製造方法の第4
の実施の形態を説明する図である。
【図7】本発明に係る積層インダクタの製造方法の第4
の実施の形態を説明する図である。
【図8】本発明に係る積層インダクタの製造方法の第4
の実施の形態を説明する図である。
【図9】本発明に係る積層インダクタの製造方法の第4
の実施の形態を説明する図である。
【図10】第4の実施の形態を適用した変形例を示す図
である。
【図11】第4の実施の形態を適用した変形例を示す図
である。
【図12】従来の積層インダクタの製造方法を説明する
図である。
【図13】従来の積層インダクタの製造方法により完成
した積層インダクタの姿形及び内部構造を示す図であ
る。
【図14】従来の積層インダクタにおける螺旋状コイル
の断面形状を説明する図である。
【符号の説明】
16a〜16d,31a〜31g,41a,41b 下
部帯状導体パターン 18a〜18h,33a〜33n,43a〜43d 孔
部 19a〜19h,19″a〜19″h 柱状導体パター
ン 34a〜34n,34′a〜34′n 柱状導体パター
ン 44a〜44d,44′a〜44′d 柱状導体パター
ン 22a〜22e,36a〜36h,46a〜46e 上
部帯状導体パターン 17,20,32,35,42,45,51 誘電体層 53,53′,55,55′,55″ 誘電体層 25,62 誘電体チップ 26,66 外部電極 27,61 螺旋状コイル 52,52′,54,54′,54″56 導体パター
ン 65 電極接続用パターン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01F 41/04 H01F 15/10 C (72)発明者 野寄 佳成 東京都港区新橋5丁目36番11号 富士電気 化学株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気絶縁体からなるチップの内部に導体
    パターンがつながった螺旋状コイルが埋め込まれてお
    り、 前記チップの長手方向両側面にそれぞれ外部電極が形成
    され、 前記外部電極は、直接または電極接続用パターンを介し
    て、前記螺旋状コイルと電気的に接続され、 前記螺旋状コイルの中心軸は、両方の前記外部電極を結
    ぶ方向と平行にしたことを特徴とする積層インダクタ。
  2. 【請求項2】 複数の下部帯状導体パターンを形成した
    電気絶縁層の上に、 前記各下部帯状導体パターンの両端に対向する位置に孔
    部が形成された電気絶縁層を印刷形成する工程と、 前記各下部帯状導体パターンの両端に対向する位置に柱
    状導体パターンを印刷形成する工程を所定の順で繰り返
    し行い、 前記2つの工程を所定回数繰り返すことにより前記孔部
    内に前記柱状導体パターンが挿入された電気絶縁層を複
    数枚積層するとともに、その複数枚の電気絶縁層のうち
    最上層の電気絶縁層の上面に、所定の前記柱状導体パタ
    ーン同士を接続するように上部帯状導体パターンの印刷
    形成工程を実行することにより、上記した上部・下部帯
    状導体パターンと柱状導体パターンを連続させて螺旋状
    コイルを形成し、 前記上部帯状導体パターンの形成された前記電気絶縁層
    の表面に絶縁部材を積層して、チップの内部に前記螺旋
    状コイルを埋め込んだものを形成し、 前記螺旋状コイルの中心軸方向が前記チップの長手方向
    に一致するように形成するとともに、そのチップの長手
    方向の両端部に、前記上部帯状導体パターンと導通する
    外部電極を形成することを特徴とする積層インダクタの
    製造方法。
  3. 【請求項3】 前記孔部の内部に形成される柱状導体パ
    ターンの横断面形状を円形にしたことを特徴とする請求
    項2に記載の積層インダクタの製造方法。
  4. 【請求項4】 導体パターンと電気絶縁層を交互に印刷
    形成して順次積層することで、内部に前記導体パターン
    がつながった螺旋状コイルを埋め込んだ中間生成物を形
    成し、 前記中間形成物の所定位置を切断して、内部に前記螺旋
    状コイルを有するチップを形成するに際し、前記チップ
    の長手方向が前記螺旋状コイルの中心軸の方向となるよ
    うにし、 前記誘電体チップの長手方向の両端面に、外部電極を形
    成し、 かつ、螺旋状コイルを形成後の所定のタイミングで前記
    螺旋状コイルの両端と前記外部導体を接続するための電
    極接続用パターンを形成することを特徴とする積層イン
    ダクタの製造方法。
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