JPH11251090A - プラズマ発生装置 - Google Patents

プラズマ発生装置

Info

Publication number
JPH11251090A
JPH11251090A JP10066136A JP6613698A JPH11251090A JP H11251090 A JPH11251090 A JP H11251090A JP 10066136 A JP10066136 A JP 10066136A JP 6613698 A JP6613698 A JP 6613698A JP H11251090 A JPH11251090 A JP H11251090A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plasma
space
plasma generation
generation space
plasma processing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10066136A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4001355B2 (ja
Inventor
Yutaka Okumura
裕 奥村
Toshihisa Nozawa
俊久 野沢
Kiyotaka Ishibashi
清隆 石橋
Tetsuo Tokumura
哲夫 徳村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
FOI KK
Kobe Steel Ltd
FOI Corp
Original Assignee
FOI KK
Kobe Steel Ltd
FOI Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by FOI KK, Kobe Steel Ltd, FOI Corp filed Critical FOI KK
Priority to JP06613698A priority Critical patent/JP4001355B2/ja
Publication of JPH11251090A publication Critical patent/JPH11251090A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4001355B2 publication Critical patent/JP4001355B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Plasma Technology (AREA)
  • Chemical Vapour Deposition (AREA)
  • ing And Chemical Polishing (AREA)
  • Drying Of Semiconductors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】良質のプラズマを効率よく供給するとともに均
一に処理する。 【解決手段】プラズマ発生空間22がプラズマ処理空間
13に隣接し且つ連通しているプラズマ発生装置におい
て、プラズマ発生空間22がプラズマ処理空間13との
隣接面に沿って線状に延びているとともに、プラズマ発
生空間22と並んで走る磁性部材25が傾斜している。
また、プラズマ発生空間22がプラズマ処理空間13へ
向けて拡幅している。これにより、磁性部材の加工性を
損なうことなく磁性部材の磁力に基づくプラズマ流が方
向性を持たせられるとともに、プラズマ発生空間からプ
ラズマ処理空間への流出に際してプラズマが扇状・ラッ
パ状に拡がる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ICやLCDな
ど高精度の製造工程においてエッチング・成膜・アッシ
ング等のプラズマ処理を効率よく行うときに好適なプラ
ズマ発生装置に関し、詳しくは、均質なプラズマを効率
良く発生させるプラズマ発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、CVDやエッチング,アッシング
等のプラズマ処理に用いられるプラズマ発生装置とし
て、電界印加だけのプラズマ発生ではプラズマ密度が不
足するので磁界も加えてプラズマを封じることで高密度
プラズマ(HDP)を発生させるようにしたMRIE
(マグネトロンリアクティブイオンエッチャー)等が知
られている。また、特開平3−79025号公報に記載
の如く平面状コイルを用いた磁場の一様化によってダメ
ージを防止しようとした装置も知られている。
【0003】さらに、イオンによる被処理物へのダメー
ジを低減させるとともに発生中の高密度プラズマに被処
理物が直接曝されないようにするためにプラズマ空間を
互いに連通したプラズマ処理空間とプラズマ発生空間と
に分離したECR(電子サイクロトロン共鳴)や特開平
4−81324号公報記載のもの等のように両空間を距
離的に引き離したもの、ICP(インダクティブカップ
ルプラズマ)等のように強力な磁場で高密度プラズマを
プラズマ処理空間に隣接したプラズマ発生空間へ閉じこ
めるもの、さらにプラズマ処理空間にプラズマ発生空間
が隣接している点では同じであるが特開平4−2904
28号公報記載のもの等のようにリングアンテナからの
円偏波電磁波を利用して高密度プラズマを閉じこめるも
のなども知られている。
【0004】一方、液晶基板等の処理対象物の大形化そ
してプラズマ処理空間の拡張に伴い単一のプラズマ発生
空間ではプラズマの均一な供給が難しいことから、特開
平8−222399号公報に記載の如く、プラズマ発生
空間を複数個配設するとともに、それぞれに制御弁を設
けて反応ガス・処理ガスを供給するものもある。この場
合、プラズマ発生空間は、複数化しても開口面積が減少
しないように縦の円筒状空間に分けられ、それぞれの側
面が励起用の高周波コイルで囲まれるとともに、プラズ
マを封じるための磁気が円筒の上下端面のところから送
り込まれるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、これら従来
のプラズマ発生装置では、プラズマ空間をプラズマ発生
空間とプラズマ処理空間とに分離してプラズマダメージ
やチャージアップ低減が図られているが、プラズマ発生
空間とプラズマ処理空間との距離があまり離れていると
イオン種が必要以上に抑制されてしまう一方、両空間が
隣接しているとプラズマ処理空間からプラズマ発生空間
へ逆流するガスが多くなる。このような逆流ガスには被
処理物の処理によって発生等した早急に排出すべき成分
も含まれており、これがプラズマ発生空間に入ると高密
度プラズマによって激しく分解・電離させられて汚染物
等の不所望なものに変質してしまうことも多いので、不
都合である。
【0006】このことは、プラズマ発生空間を複数化し
ても、プラズマ発生空間からプラズマ処理空間への開口
面積が同じままでは、解消されない。また、プラズマを
封じるための静的な磁気バイアスをプラズマ発生空間の
上下から印加するために磁石等をプラズマ発生空間とプ
ラズマ処理空間との間に介在させるのでは、高密度プラ
ズマに対して十分な磁力を確保しようとすると、磁性部
材の加工や実装などが面倒となる。
【0007】これに対し、同一出願人は、プラズマ処理
空間からプラズマ発生空間への不所望なガス流入を有効
に阻止するとともに、磁性部材の実装等も容易に行うこ
とができるように、プラズマ発生空間や磁性部材の構造
等にも工夫を凝らしてきた(特願平9−159190
号、特願平9−250111号など)。具体的には、図
10〜図12にプラズマ発生空間周りの縦断面図を示し
たが、プラズマ発生空間22をプラズマ処理空間13と
の隣接面に沿って線状に分散させるとともにプラズマ発
生空間13を挟むように磁性部材25を配設したのであ
る。
【0008】しかしながら、脆い磁性部材を任意の形状
に加工するのは厄介であり、特に断面形状が凸多角形で
無くて凹部を持った形状には小片であっても加工し難い
ことから(図10の磁石25を参照)、断面形状が単純
な矩形をした複数のものに分割するとともにこれらをプ
ラズマ処理空間から遠近のところに分離して設けるよう
にもしたのであるが(図11,図12における上下の磁
石25,25を参照)、その場合、高密度プラズマ20
を効率よく閉じこめることはできても、プラズマ処理に
供されるプラズマ量は期待したほど増えないという不都
合がある。そこで、磁性部材の形状が加工し難い形状に
ならないようにしながら、プラズマ発生空間に高密度プ
ラズマを効率よく閉じこめるとともに、その高密度プラ
ズマを効率よくプラズマ処理空間へ供給するということ
が課題となる。
【0009】また、分散したプラズマ発生空間から高密
度プラズマがプラズマ処理空間へ勢い良く送り込まれる
と、プラズマの吹き込んだところとそうでないところで
斑が発生しやすくなるが、これはプラズマ処理の均一性
を損なう要因となるので好ましくない。そこで、分散し
たプラズマ発生空間からプラズマ処理空間へプラズマ供
給を高効率に行ってもプラズマ処理の均一性が損なわれ
ないようにすることも課題となる。
【0010】この発明は、このような課題を解決するた
めになされたものであり、良質のプラズマを効率よくプ
ラズマ処理空間へ供給するプラズマ発生装置を実現する
ことを目的とする。また、本発明は、良質のプラズマ処
理が均一に行われるプラズマ発生装置を実現することも
目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために発明された第1乃至第2の解決手段について、
その構成および作用効果を以下に説明する。
【0012】[第1の解決手段]第1の解決手段のプラ
ズマ発生装置は(、出願当初の請求項1に記載の如
く)、プラズマ処理空間が形成された第1機構と、前記
第1機構に取着して又はそれと一体的に設けられプラズ
マ発生空間が形成された第2機構とを具え、前記プラズ
マ発生空間が前記プラズマ処理空間に隣接し且つ連通し
ているプラズマ発生装置において、前記プラズマ発生空
間が前記プラズマ処理空間との隣接面に沿って線状に延
びており、かつ、前記プラズマ発生空間と並んで走る磁
性部材が傾斜していることを特徴とする。
【0013】ここで、上記の「磁性部材」には、永久磁
石の他、直流励磁コイルによって形成されたものも該当
する。また、その「傾斜」するものとしては、形状およ
び磁化方向の何れか一方または双方が想定される。さら
に、傾斜しているか否かの基準になるものとしては、プ
ラズマ発生空間の断面における対象軸や中心軸、プラズ
マ発生空間の側壁面、プラズマ発生空間とプラズマ処理
空間との隣接面あるいはそれとの直交面や直交軸などが
挙げられる。なお、水平な平行平板形の場合は、水平面
や鉛直線が基準に一致する。
【0014】このような第1の解決手段のプラズマ発生
装置にあっては、プラズマ空間の分離および隣接連通と
いう条件を維持することにより、プラズマダメージやチ
ャージアップの低減、及びプラズマにおけるラジカル種
の成分とイオン種の成分との比率適正化という基本的要
請に応えている。しかも、プラズマ発生空間と並んで走
る磁性部材は必然的にプラズマ発生空間と同じ第2機構
側で共にプラズマ処理空間との隣接面に沿って設けられ
ることから、磁力の強化が可能になるとともに、プラズ
マ処理空間との連通隣接面さらにはその面に沿ったプラ
ズマ発生空間自身の断面積も、少なくとも磁性部材によ
って占められた分だけは必然的に、プラズマ処理空間の
それより小さくなる。このように双方空間の面積に差が
あると、連通隣接面の面積とこれに沿ったプラズマ処理
空間の断面積との比を第1比とし連通隣接面の面積とこ
れに沿ったプラズマ発生空間の断面積との比を第2比と
して、第1比が1未満で且つ第2比よりも小さいことに
なる。
【0015】そして、第1比が1未満の場合、プラズマ
処理空間からプラズマ発生空間へ流入するガス量が減少
する。一方、第2比が1の場合、プラズマ発生空間から
プラズマ処理空間へ流出するガス量は減少しない。ま
た、第2比が1未満で流出ガス量が減少する場合であっ
ても、第2比が第1比より大きければ、減少の程度が小
さくて済む。何れにしても、相対的には、プラズマ処理
空間からプラズマ発生空間へ流入するガスの割合よりも
プラズマ発生空間からプラズマ処理空間へ流出するガス
の割合の方が高くなる。これにより、不所望なガスのプ
ラズマ発生空間への流入が抑制されるばかりか、ガスが
プラズマ発生空間へ入ってしまったときでもそのガスは
プラズマ流とともに速やかにプラズマ処理空間へ出され
てしまうので、高密度プラズマによるガス変質を防止・
抑制することができる。
【0016】また、こうして生成された良質のプラズマ
は、プラズマ発生空間と並んで走る磁性部材の磁力によ
ってプラズマ発生空間に長時間閉じこめられて密度が高
まるが、その際、磁性部材の傾斜に基づいてやはり分布
状態等が傾斜する磁束密度や磁力線によってその磁界強
さの弱い方へ良く流される。そこで、その方向がプラズ
マ発生空間からプラズマ処理空間へ向くように予め磁性
部材の傾斜を適合させて磁性部材を設置しておくだけ
で、プラズマ発生空間からプラズマ処理空間へ流れる高
密度プラズマの量を増加させることができる。
【0017】さらに、磁性部材は、線状のプラズマ発生
空間に沿って小片のものを並べることで足りることか
ら、予め比較的製造容易な棒状の物を作っておいて小片
に切断するといったことで加工作業が済むので、磁性部
材等の製造が容易となる。しかも、磁性部材は形状や磁
化方向が傾斜していればよいので断面形状に凹部の無い
凸多角形状のもので間に合うことから、その製造は一段
と容易である。また、磁性部材が、プラズマ発生空間と
同じ第2機構側に設けられることから、プラズマ発生空
間とプラズマ処理空間とに介挿する必要が無くなるの
で、配置設計や、実装作業、さらには後の部品交換等の
保守作業も、楽になる。
【0018】したがって、この発明によれば、良質のプ
ラズマを効率よくプラズマ処理空間へ供給するプラズマ
発生装置を実現することができる。
【0019】[第2の解決手段]第2の解決手段のプラ
ズマ発生装置は(、出願当初の請求項2に記載の如
く)、プラズマ処理空間が形成された第1機構と、前記
第1機構に取着して又はそれと一体的に設けられプラズ
マ発生空間が形成された第2機構とを具え、前記プラズ
マ発生空間が前記プラズマ処理空間に隣接し且つ連通し
ているプラズマ発生装置において、前記プラズマ発生空
間が、前記プラズマ処理空間との隣接面に沿って線状に
延びるとともに前記プラズマ処理空間へ向けて拡幅して
いることを特徴とする。
【0020】ここでも「磁性部材」には、永久磁石の
他、直流励磁コイルによって形成されたものも該当す
る。また、プラズマ処理空間からプラズマ発生空間への
不所望なガス流入を有効に阻止することで良質のプラズ
マを供給するという基本的な作用効果も上述したのと同
様である。
【0021】さらに、このような第2の解決手段のプラ
ズマ発生装置にあっては、プラズマ処理空間との隣接面
に沿って線状に延びたプラズマ発生空間がプラズマ処理
空間へ向けて拡幅していることことから、プラズマ発生
空間で生成されたプラズマは、プラズマ処理空間へ向け
て流れ出る際に、絞られた噴流状態になるので無く、扇
状・ラッパ状に拡がることとなる。
【0022】これにより、プラズマ発生空間からプラズ
マ処理空間へプラズマ供給を高効率に行っても、その高
密度プラズマはプラズマ処理空間内で直ちに拡散して速
やかに均質になるので、プラズマ処理空間におけるプラ
ズマ状態は斑無く均一に保たれる。したがって、この発
明によれば、良質のプラズマ処理が均一に行われるプラ
ズマ発生装置を実現することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】このような解決手段で達成された
本発明のプラズマ発生装置は、一般に適宜の真空チャン
バに装着して使用される。そのために、プラズマ処理空
間が形成される第1機構やプラズマ発生空間が形成され
る第2機構などの各機構部は、真空チャンバ内への組み
込み等の容易性と真空度の必要性とのバランスを図る等
の観点から、別個に形成してから取着されることが多い
が、例えば密着して固設されることが多いが、一部又は
全部が同一・単一の部材たとえばクラッド材を加工等す
ることで一体的に形成されてもよい。
【0024】以下、かかるプラズマ発生装置を実施する
ための具体的形態を第1実施例〜第6実施例により説明
するが、第1実施例〜第5実施例は、第1解決手段を具
体化したものであり、第6実施例は、第1解決手段に加
えて第2解決手段も具体化したものである。
【0025】
【第1実施例】本発明のプラズマ発生装置の第1実施例
について、その具体的な構成を、図面を引用して説明す
る。図2は、プラズマ発生空間周りの縦断面斜視図であ
り、図1は、その中の一のプラズマ発生空間についての
拡大図である。また、図3は、プラズマ処理空間も含め
た状態での縦断面図である。
【0026】このプラズマ発生装置は、概ね、プラズマ
処理空間を確保するための第1機構と、プラズマ発生空
間を確保するための第2機構およびその付加部と、各プ
ラズマに電界又は磁界を印加するための印加回路部とで
構成されている。第1機構,第2機構は、共に、液晶基
板等の角形の被処理物を処理する場合には主要部がほぼ
長方形状に形成されるが、ここではIC用シリコンウエ
ハ等の丸形の被処理物を処理するために主要部がほぼ丸
形状・円筒状・環状に形成される場合について説明する
(図2参照)。
【0027】第1機構は、金属製のアノード部11が上
方に配置され、ウエハ等の被処理物1を乗載するために
上面の絶縁処理された金属製カソード部12が下方に配
置されて、これらに挟まれたところに低温プラズマ10
用のプラズマ処理空間13が形成されるものとなってい
る(図3参照)。また、アノード部11は、予め、多数
の連通口14が貫通して穿孔されるとともに、プラズマ
処理空間13へ向けて開口した処理ガス供給口15も形
成されたものとなっている(図1〜図3参照)。この例
では、連通口14の横断面積とプラズマ処理空間13の
有効な横断面積との比すなわち第1比が0.05になっ
ている。なお、処理ガス供給口15を介してプラズマ処
理空間13へ供給される処理ガスBとしては、CF系ガ
スやシランガス等の反応ガスに適量の希釈ガスを混合さ
せたもの等が供給されるようにもなっている。
【0028】第2機構は、セラミック等の絶縁物製のプ
ラズマ発生チャンバ21が主体となっており、このプラ
ズマ発生チャンバ21には、プラズマ発生空間22とな
る複数の(図2では2個、図3では4個の)環状溝が同
心に彫り込まれて形成されている。これにより、プラズ
マ発生空間22が線状のものとなって分散されている。
そして、プラズマ発生チャンバ21は、プラズマ発生空
間22の開口側(縦断面図では下面)をアノード部11
の上面に密着した状態で固設される。その際、プラズマ
発生空間22の開口がアノード部11の連通口14に重
なるように位置合わせがなされる。これにより、プラズ
マ発生空間22とプラズマ処理空間13とが互いに隣接
し且つ連通したものとなり、さらに、プラズマ発生空間
22がプラズマ処理空間13との隣接面に沿って線状に
延びたものとなる。この例では、連通口14の横断面積
とプラズマ発生空間22の横断面積との比すなわち第2
比が0.5になっている。なお、これらの比の値は大小
関係が逆転しない限り自由に変えてよいものである。
【0029】また、プラズマ発生チャンバ21は、プラ
ズマ発生空22のさらに奥(縦断面図では上方)に取着
されたガス配給部材21aによってプラズマ用ガス送給
路23がやはり環状・線状に形成され、両者が多数の小
穴で連通されていて、プラズマ発生空間22は底部(縦
断面図では上方)からプラズマ発生用ガスAの供給を受
けて高密度プラズマ20を発生させ連通口14を介して
プラズマ処理空間13へそれを送り込むものとなってい
る。プラズマ発生用ガスAにはアルゴン等の不活性で化
学反応しないものが用いられるようにもなっている。
【0030】さらに、プラズマ発生チャンバ21は、プ
ラズマ発生空間22を囲む側壁と底部とを残すようにし
てプラズマ発生空間22開口側の裏の面(縦断面図では
上面)が削り取られる。そして、そこに、一方の永久磁
石25b(図1等の縦断面図中下方)とコイル24と他
方の永久磁石25a(図1等の縦断面図中上方)とが順
に重ねて詰め込まれる。これらの磁性部材25すなわち
一対の永久磁石25a,25bは、同心環状のプラズマ
発生空間22間に詰め込まれてやはり環状となるが、環
状の不所望な誘起電流を断つために小片に分けて形成さ
れている。そして、多数の永久磁石片25がプラズマ発
生空間22側壁に沿って列設されることで、プラズマ発
生空間22に対応した環状の磁気回路が構成される。こ
れにより、磁性部材25は、第2機構側に設けられてプ
ラズマ発生空間22に付され、プラズマ発生空間22と
共にプラズマ発生空間22とプラズマ処理空間13との
隣接面に沿って線状に延び、プラズマ発生空間と交互に
並んで走るものとなっている。
【0031】永久磁石25は、その一対25a,25b
にコイル24を加えた高さがプラズマ発生空間22のそ
れにほぼ等しくされ、且つ横のプラズマ発生空間22方
向へ磁極が向くようにされる(図1参照)。下部磁石2
5bは、断面矩形の単純な形状のものであり、アノード
部11やプラズマ発生チャンバ21の削り込んだ上面等
と平行になるよう水平に置かれている。その磁化方向
も、断面における上下対称軸と同じ水平方向となってい
る。なお、この下部磁石25bは小さめに作られてい
る。
【0032】上部磁石25aは、それより大きい。これ
も同様の単純な矩形形状で水平方向に磁化されたものか
ら作られるが、その両側面が斜めにそぎ落とされて断面
が逆さの台形状にされている。そして、その下辺が短い
のに対しその上辺は下部磁石25bの幅よりも長くされ
る。これにより、この磁性部材25aは、プラズマ発生
空間22に向けたその側面が、プラズマ発生空間の側壁
面と平行で無く、プラズマ発生空間とプラズマ処理空間
との隣接面に直交しているものでも無くて、傾斜した形
状のものとなっている。なお、磁化方向は傾斜していな
いが、その傾斜した形状に基づいて、上辺付近からの磁
束線26は強く広く張り出すのに対し、下辺付近からの
磁束線26および下部磁石25bからの磁束線26は相
対的に弱くて狭くなっている。
【0033】それらの磁力状態について詳述すると、上
部磁石25aのほぼ下半分から図中横に出た磁束線26
はコイル24の近くを通って図中反対側の横に戻ること
から、図中上方の永久磁石25aのほぼ下端を頂上とす
る磁気の山ができる。また、下部磁石25bの上端のと
ころにもほぼ同様の磁気の山ができる。永久磁石25は
プラズマ発生空間22を挟んで両側に付設されているの
で、プラズマ発生空間22の周りには磁気の山が4つで
きる。そこで、プラズマ発生空間22には、磁気の山に
囲まれた言わば磁気の盆地(磁界強さの極小点)ができ
る。そして、ここに電子が捕捉されることとなる。な
お、ポテンシャル場風に説明したが実際はベクトル場な
ので正確に述べると複雑になるが、要するに全体として
は柱状・梁状のプラズマ発生空間22の中で環状に電子
が封じられるようになっているのである。
【0034】そして、上部磁石25aのほぼ上半分から
図中横に出た磁束線26はプラズマ発生空間22の奥
(図では上方)やプラズマ用ガス送給路23のところで
密になりながら反対側の横に戻り、さらに上部磁石25
aの磁束のうち一部は下方へ延びて下部磁石25bをも
包むことから、縦断面における全体的な磁力分布の状態
としては、徳利を逆さにしたようなイメージに近いもの
となり、プラズマ発生空間22の奥のところで強く締め
られて閉じプラズマ発生空間22の中間のところで緩め
られて膨らみプラズマ発生空間22とプラズマ処理空間
13との隣接面のところで少し絞られて狭まり最後にプ
ラズマ処理空間13のところで解放されるような状態と
なっている。
【0035】なお、上下の磁石25a,25bからの磁
束の重なり具合によっては上記の磁気の盆地の他に局所
的に小さな磁気の盆地が複数生じることも有り、これら
は電子やプラズマを不所望に封じ込めたりプラズマ発生
空間22の内壁へ衝突させたりする要因となるが、それ
らもプラズマ発生空間22の外側に位置することとな
る。そして、プラズマ発生空間22中央の大きな磁気の
盆地を取り巻く磁気の山について上方の磁界がより強く
下方の磁界がより弱く傾斜していることにより、この磁
気回路は、質量の小さい電子がプラズマ発生空間22内
に封じられるのに対し、イオン化していないものやイオ
ン化していても質量の大きい成分からなる高密度プラズ
マ20はプラズマ発生空間22からプラズマ処理空間1
3へ流出しやすいようになっている。
【0036】印加回路部は、RF電源31を中心とする
第1印加回路と、RF電源32を中心とする第2印加回
路とに分かれる。RF電源31は、その出力パワーが可
変のものであり、接地されたアノード部との間に交番電
界を印加するとともにバイアス電圧も発生させるため
に、その出力はブロッキングキャパシタを介してカソー
ド部12へ送給される(図3参照)。また、これには、
周波数500KHz〜2MHzのものがよく用いられ
る。これにより、第1印加回路は、低温プラズマ10の
強化に或る程度寄与する電界をプラズマ処理空間13に
印加するものとなっている。
【0037】RF電源32は、やはり出力パワーが可変
のものであり、プラズマ発生空間22を挟む両コイル2
4を駆動してプラズマ発生空間22に交番磁界を印加す
るようになっている(図2参照)。その最大出力パワー
は大きく、その周波数は13MHz〜100MHzとさ
れることが多い。これにより、第2印加回路は、高密度
プラズマ20の発生および強化に寄与する磁界をプラズ
マ発生空間22に印加するものとなっている。
【0038】この第1実施例のプラズマ発生装置につい
て、その使用態様及び動作を、図面を引用して説明す
る。図4は、真空チャンバへの装着状態を示す縦断面図
である。
【0039】使用に先だって、プラズマ発生装置のカソ
ード部12は、上が解放した箱状の真空チャンバ本体部
2の中央に設置され支持脚12aによって支持される。
真空チャンバ本体部2は、上部に真空チャンバ蓋部3が
開閉可能に取着され、底部または側部には真空圧制御用
の可変バルブ4を介在させてターボポンプ等の真空ポン
プ5が接続されている。真空チャンバ本体部2は、プラ
ズマ発生チャンバ21やアノード部11が取着され、水
冷も可能であり、これを閉めると、真空チャンバ本体部
2の内部さらにはプラズマ処理空間13及びプラズマ発
生空間22も密閉される。そして、真空ポンプ5を作動
させるとともに、プラズマ用ガス送給路23を介するプ
ラズマ用ガスAの供給,さらに処理ガス供給口15を介
する処理ガスBの供給などを適宜に開始すると、カソー
ド部12上に乗載された被処理物1に対するプラズマ処
理の準備が調う。
【0040】次に、RF電源32を作動させると、プラ
ズマ発生空間22内にコイル24を介してRF電磁界が
印加され、プラズマ用ガスAの電子が激しく運動させら
れる。このとき、電子は、永久磁石片25による磁気回
路の働きによってプラズマ発生空間22に長く留まり、
環状空間内を螺旋運動しながら飛び回ってプラズマ用ガ
スAを励起させる。こうして、高密度プラズマ20が発
生するが、プラズマ発生空間22に封じられた電子には
イオン種生成に大きく寄与する10〜15eV以上の高
いエネルギーのものが多く含まれているので、高密度プ
ラズマ20はイオン種成分の比率が高い。
【0041】そして、プラズマ発生空間22で膨張した
高密度プラズマ20は、特にそのラジカル種およびイオ
ン種成分は、膨張圧力によってプラズマ発生空間22か
ら飛び出そうとするが、永久磁石25の磁力によってプ
ラズマ発生空間22の中央部へ押し戻され、膨張圧力が
高まると、相対的に磁力の弱い連通口14のところから
流れ出る。さらに膨張圧力が高まると連通口14のとこ
ろからプラズマ処理空間13へ速やかに流れ出る。その
際、相対的に磁力の強いプラズマ発生空間22の側壁内
面や底面に対しては押し戻されて衝突が抑制されるの
で、壁面との衝突によるエネルギー損失が少なくなり、
プラズマの発生効率が高まるとともにそのほとんどが連
通口14経由で流出する。こうして、プラズマ発生空間
22内で発生した高密度プラズマ20は、その膨張圧力
および磁力分布の傾きに基づいて効率良くプラズマ処理
空間13へ運ばれる。
【0042】また、RF電源31を作動させると、プラ
ズマ処理空間13にもアノード部11及びカソード部1
2を介してRF電界が印加される。こちらには電子を封
じ込める磁気回路等がないので、処理ガスB等が励起さ
れても高密度プラズマができないで、低温プラズマ10
となる。RF電源31からのパワーだけの場合、低温プ
ラズマ10は、10〜15eV以上のエネルギーを持っ
た電子が少ないので、ラジカル種成分の比率が高くな
る。もっとも、この装置における低温プラズマ10の場
合は、上述の高密度プラズマ20が混合されるので、実
際のラジカル種成分とイオン種成分との比率は、両者の
中間における何れかの比率となる。
【0043】そして、RF電源32の出力をアップさせ
ると、プラズマ発生空間22内における10〜15eV
以上の電子が増える。そして、高密度プラズマ20の生
成量が増加する。その混合の結果、低温プラズマ10
は、イオン種成分の割合が引き上げられる。一方、RF
電源32の出力をダウンさせると、プラズマ発生空間2
2内における10〜15eV以上の電子が減ってくる。
そして、高密度プラズマ20の生成量が減少する。その
混合の結果、低温プラズマ10は、イオン種成分の割合
が引き下げられる。
【0044】さらに、RF電源31の出力をアップさせ
る一方でRF電源32の出力を少しダウンさせると、次
のようになる。先ずRF電源31の出力アップによって
プラズマ処理空間13における電子密度が高密度および
高エネルギー側に移行し、プラズマ処理空間13内の低
温プラズマが増える。これによってそこのラジカル濃度
が上がるのだが、同時にイオン比率も少し上がる。次
に、RF電源32の出力ダウンによってプラズマ発生空
間22における電子密度が低密度および低エネルギー側
に移行し、プラズマ発生空間22内の高密度プラズマが
少し減る。これによってそこのラジカル濃度およびイオ
ン比率が下がるが、こちらは高エネルギー成分が元々大
きいので少しの出力ダウンであってもイオン比率が大き
く下がる。そして、このような高密度プラズマ20がプ
ラズマ処理空間13内の低温プラズマ10に混合される
と、イオン比率の増減が概ね相殺される一方ラジカル濃
度は増加する。すなわち、低温プラズマ10は、ラジカ
ル種成分とイオン種成分との比率があまり変わらずにプ
ラズマ濃度が引き上げられる。同様にして、RF電源3
1,32の出力を逆方向にアップ・ダウンさせると、低
温プラズマ10のプラズマ濃度が引き下げられる。
【0045】こうして、低温プラズマ10は、容易にラ
ジカル種成分とイオン種成分との比率が広範囲に亘って
可変制御される。また、この装置では、プラズマ発生空
間22の断面積がプラズマ処理空間13の断面積よりも
遥かに小さくなっていて、第1比が第2比より桁違いに
小さいことから、高密度プラズマ20がプラズマ発生空
間22からプラズマ処理空間13へ速やかに送り出され
るうえに、そもそもプラズマ処理空間13からプラズマ
発生空間22へ逆流して入り込むガス量が少ないので、
処理ガスBが高密度プラズマ20で直接に励起されて不
所望なまで分解・電離するということはほとんど無くな
る。さらに、断面台形の上部磁石25aや断面矩形の下
部磁石25bは、単純な凸多角形をしているので、加工
して容易に形成することができる。
【0046】
【第2実施例】本発明のプラズマ発生装置の第2実施例
について説明する。図5は、その要部の縦断面図であ
り、上述した図1に対応するものである。このプラズマ
発生装置が上記第1実施例のものと相違するのは、上部
磁石25aに代えて一対の上部磁石25c,25dが設
けられている点である。下部磁石25bやコイル24は
上述したのと同様である。
【0047】上部磁石25cは、縦長の単純な矩形形状
のものであり、真っ直ぐに立てた状態で磁化方向が水平
になるよう磁化されている。上部磁石25dも同様であ
るが、これらは、同心環状のプラズマ発生空間22間へ
の設置に際し、横に並べられるとともに、V字状に下方
が狭くて上方が広くなるように、互いに逆向きで斜めに
セットされる。これにより、これらの磁性部材25c,
25dは、プラズマ発生空間22に向けたその側面が、
プラズマ発生空間の側壁面と平行で無く、プラズマ発生
空間とプラズマ処理空間との隣接面に直交しているもの
でも無く、さらに磁化方向も水平で無くて、形状および
磁化方向が共に傾斜したものとなっている。
【0048】この場合、プラズマ発生空間22を中心に
据えてそれを両側から挟む上部磁石25c,25dにつ
いて見れば、ハの字状に上方が狭くて下方が広いので、
プラズマ発生空間22の奥すなわち上方では磁束線が強
くて密になるのに対し、アノード部11側の下方では磁
束線が相対的に弱くて粗になる。そして、そのような磁
力の傾斜状態は、上部磁石25c,25dから磁束線が
斜めに出ることによって一層強調される。
【0049】こうして、この場合も、プラズマ発生空間
22内で発生した高密度プラズマは、その膨張圧力およ
び磁力分布の傾きに基づいて効率良くプラズマ処理空間
13へ運ばれる。しかも、下部磁石25bばかりか上部
磁石25c,25dも断面矩形の単純な形状をしている
ので、容易に製造することができる。
【0050】
【第3実施例】本発明のプラズマ発生装置の第3実施例
について説明する。図6は、その要部の縦断面図であ
り、上述した図5に対応するものである。このプラズマ
発生装置が上記第2実施例のものと相違するのは、上部
磁石25c,25dの間に磁性体25eが介挿されてい
る点である。磁性体25eは、磁力強化の点からは磁石
であるのが望ましいが加工性や原価低減の観点から軟鉄
等の磁化率の高いものが用いられ、V字状に開いた上部
磁石25c,25dの間を隙間なく埋めるように楔状に
形成される。
【0051】この場合、磁性体25eによって上部磁石
25c,25dの間における磁気抵抗が弱められて、そ
こでの磁力の損失が抑えられるので、磁性部材の製造容
易性を損なうこと無く磁力強化を達成することができ
る。
【0052】
【第4実施例】本発明のプラズマ発生装置の第4実施例
について説明する。図7(a)は、その要部の縦断面図
であり、上述した図5に対応するものである。このプラ
ズマ発生装置が上記第2実施例のものと相違するのは、
断面矩形の上部磁石25c,25dが断面三角形の上部
磁石25f,25gによって置換されている点である。
【0053】一対の上部磁石25f,25gは、断面矩
形の磁石から作られるが(図7(b)参照)、断面矩形
の磁石を対角線に沿って分割してから一方を裏返し(図
7(c)参照)、直角のところが斜め上に来るようにそ
れぞれの分割片を適宜回転させ(図7(d)参照)、最
後に斜辺同士を対向密着させるとともに鉛直にさせるこ
とで(図7(e)参照)、容易に製造される。なお、分
割した磁石片の鋭角部分は欠けやすいので適宜の面取り
を施しておくと良い。
【0054】この場合、その姿勢を保ったまま上部磁石
25f,25gをプラズマ発生空間22の間に設置する
だけで、対角線の傾斜角に対応した角度だけ側面が鉛直
から傾斜するとともに磁化の方向も水平から傾斜する。
こうして、磁性部材の磁力および製造容易性の双方を損
なうこと無く、形状および磁化方向が共に傾斜した磁性
部材が具現化される。しかも、その磁化作業は分割前の
矩形磁石に対して傾斜しない状態で済ませておけるので
容易である。
【0055】
【第5実施例】本発明のプラズマ発生装置の第5実施例
について説明する。図8は、その要部の縦断面図であ
り、上述した図5に対応するものである。このプラズマ
発生装置が上記第2実施例のものと相違するのは、プラ
ズマ発生空間22の奥すなわち図中上方のところの側壁
21bが斜めに形成されプラズマ発生空間22が途中か
ら奥に行くほど狭くなっている点である。
【0056】この場合、並置された上部磁石25c,2
5dを中心に据えて見れば、互いに離れる上方ほど広く
なるようそこがプラズマ発生空間22の傾斜外側面21
bによって開けられることから、その分だけ上部磁石2
5c,25dの傾斜を大きくすることが可能になるの
で、磁性部材の傾斜によるプラズマ発生空間22からプ
ラズマ処理空間13へのプラズマ供給についてその効率
を向上させることができる。
【0057】
【第6実施例】本発明のプラズマ発生装置の第6実施例
について説明する。図9は、その要部の縦断面図であ
り、上述した図8に対応するものである。このプラズマ
発生装置が上記第5実施例のものと相違するのは、傾斜
外側面21bがプラズマ発生空間22の全側面に拡大さ
れている点と、これに対応してプラズマ発生空間22の
側壁内側も全体が傾斜内側面21cになっている点と、
連通口14が大きく拡げられてその傾斜内側面11bが
傾斜内側面21cの延長面となっている点である。これ
により、プラズマ発生空間が隣接部や連通部も含めてプ
ラズマ処理空間へ向けて拡幅しているものとなってい
る。
【0058】この場合、上部磁石25c,25dの傾斜
が更に大きくなって磁性部材の傾斜によるプラズマ発生
空間22からプラズマ処理空間13へのプラズマ供給効
率が一層強化されることに加え、プラズマがプラズマ発
生空間22からプラズマ処理空間13へ流れ出る際に、
連通口14によって絞られること無く、傾斜内側面21
cや傾斜内側面11bの拡がりに沿うように当初から広
がって運ばれる(図9の二点差線を参照)。
【0059】こうして、プラズマ密度の薄い処理ガス供
給口15直下のところへも高密度プラズマが斜めに流れ
込んで速やかに混合・拡散されるので、プラズマ処理空
間13内の低温プラズマ10は、アノード部11付近で
も斑が少なく、被処理物1の置かれるカソード部12付
近では更に均一な状態となる。その結果、良質のプラズ
マが効率良く供給されてもプラズマの分布状態が均一に
保たれるので、良質のプラズマ処理が効率良く行われる
こととなる。
【0060】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の第1の解決手段のプラズマ発生装置にあっては、プラ
ズマ発生空間と磁性部材との形状や配置を工夫してプラ
ズマ発生空間とプラズマ処理空間との断面積比が変わる
とともに磁性部材の加工性を損なうことなく磁性部材の
磁力に基づくプラズマ流に方向性を持たせるようにした
ことにより、プラズマ処理空間からプラズマ発生空間へ
のガスの流入を阻止して良質のプラズマを供給するとと
もにプラズマ発生空間からプラズマ処理空間へのプラズ
マ供給を効率良く行うプラズマ発生装置を実現すること
ができたという有利な効果が有る。
【0061】また、本発明の第2の解決手段のプラズマ
発生装置にあっては、プラズマ発生空間の形状等を工夫
してプラズマ発生空間とプラズマ処理空間との断面積比
が変わるとともにプラズマ発生空間からプラズマ処理空
間への流出に際してプラズマが扇状・ラッパ状に拡がる
ようにしたことにより、プラズマ供給を高効率に行って
も良質のプラズマ処理が均一に行われるプラズマ発生装
置を実現することができたという有利な効果を奏する。
【0062】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のプラズマ発生装置の第1実施例につ
いて、一のプラズマ発生空間の縦断面拡大図である。
【図2】 分散したプラズマ発生空間周りの縦断面斜
視図である。
【図3】 プラズマ処理空間も含めた縦断面図であ
る。
【図4】 真空チャンバも含めた全体の縦断面図であ
る。
【図5】 本発明のプラズマ発生装置の第2実施例につ
いて、そのプラズマ発生空間の縦断面拡大図である。
【図6】 本発明のプラズマ発生装置の第3実施例につ
いて、そのプラズマ発生空間の縦断面拡大図である。
【図7】 本発明のプラズマ発生装置の第4実施例につ
いて、そのプラズマ発生空間の縦断面拡大図である。
【図8】 本発明のプラズマ発生装置の第5実施例につ
いて、そのプラズマ発生空間の縦断面拡大図である。
【図9】 本発明のプラズマ発生装置の第6実施例につ
いて、そのプラズマ発生空間の縦断面拡大図である。
【図10】 磁性部材の断面形状に凹みが有るものの例
である。
【図11】 磁性部材を分割し更に上下に分離させたも
のの例である。
【図12】 磁性部材を分割し更に上下に分離させた他
の例である。
【符号の説明】
1 被処理物 2 真空チャンバ本体部 3 真空チャンバ蓋部 4 可変バルブ 5 真空ポンプ 10 低温プラズマ 11 アノード部(第1機構;第1印加回路) 11b 傾斜内側面 12 カソード部(第1機構;第1印加回路) 13 プラズマ処理空間 14 連通口 15 処理ガス供給口 20 高密度プラズマ 21 プラズマ発生チャンバ(第2機構) 21a ガス配給部材(第2機構) 21b 傾斜外側面 21c 傾斜内側面 22 プラズマ発生空間 23 プラズマ用ガス送給路 24 コイル(第2印加回路) 25 永久磁石(磁気回路用の磁性部材) 25a 上部磁石(側面が傾斜した形状の磁性部材) 25b 下部磁石 25c 上部磁石(傾斜して設置された磁性部材) 25d 上部磁石(傾斜して設置された磁性部材) 25e 磁性体 25f 上部磁石(形状および磁化方向が共に傾斜した
磁性部材) 25g 上部磁石(形状および磁化方向が共に傾斜した
磁性部材) 26 磁束線(磁気回路) 31 RF電源(第1印加回路) 32 RF電源(第2印加回路) A アルゴンガス(非反応性ガス、プラズマ生成用ガ
ス) B CF系ガス(反応性ガス、処理ガス)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 21/31 H01L 21/302 B (72)発明者 野沢 俊久 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5−5 株 式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 石橋 清隆 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5−5 株 式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 徳村 哲夫 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目3−1 株 式会社神戸製鋼所高砂製作所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラズマ処理空間が形成された第1機構
    と、前記第1機構に取着して又はそれと一体的に設けら
    れプラズマ発生空間が形成された第2機構とを具え、前
    記プラズマ発生空間が前記プラズマ処理空間に隣接し且
    つ連通しているプラズマ発生装置において、 前記プラズマ発生空間が前記プラズマ処理空間との隣接
    面に沿って線状に延びており、かつ、前記プラズマ発生
    空間と並んで走る磁性部材が傾斜していることを特徴と
    するプラズマ発生装置。
  2. 【請求項2】プラズマ処理空間が形成された第1機構
    と、前記第1機構に取着して又はそれと一体的に設けら
    れプラズマ発生空間が形成された第2機構とを具え、前
    記プラズマ発生空間が前記プラズマ処理空間に隣接し且
    つ連通しているプラズマ発生装置において、 前記プラズマ発生空間が、前記プラズマ処理空間との隣
    接面に沿って線状に延びるとともに前記プラズマ処理空
    間へ向けて拡幅していることを特徴とするプラズマ発生
    装置。
JP06613698A 1998-03-02 1998-03-02 プラズマ発生装置 Expired - Lifetime JP4001355B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06613698A JP4001355B2 (ja) 1998-03-02 1998-03-02 プラズマ発生装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06613698A JP4001355B2 (ja) 1998-03-02 1998-03-02 プラズマ発生装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11251090A true JPH11251090A (ja) 1999-09-17
JP4001355B2 JP4001355B2 (ja) 2007-10-31

Family

ID=13307157

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP06613698A Expired - Lifetime JP4001355B2 (ja) 1998-03-02 1998-03-02 プラズマ発生装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4001355B2 (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004002201A1 (en) * 2002-06-19 2003-12-31 The Australian National University A plasma beam generator
WO2013069739A1 (ja) * 2011-11-11 2013-05-16 東京エレクトロン株式会社 プラズマ処理装置用誘電体窓、およびプラズマ処理装置
JP2013120685A (ja) * 2011-12-07 2013-06-17 Panasonic Corp プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法
JP2013120684A (ja) * 2011-12-07 2013-06-17 Panasonic Corp プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法
WO2014045547A1 (ja) * 2012-09-18 2014-03-27 パナソニック株式会社 プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法
WO2014045565A1 (ja) * 2012-09-18 2014-03-27 パナソニック株式会社 プラズマ処理装置及び方法
EP2543443A4 (en) * 2010-03-04 2017-07-05 Imagineering, Inc. Coating forming device, and method for producing coating forming material
US10115565B2 (en) 2012-03-02 2018-10-30 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Plasma processing apparatus and plasma processing method
US10147585B2 (en) 2011-10-27 2018-12-04 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Plasma processing apparatus

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06196446A (ja) * 1992-12-24 1994-07-15 Nec Corp 高周波磁場励起処理装置
JPH09106778A (ja) * 1995-10-12 1997-04-22 Nissin Electric Co Ltd 粒子線照射装置
JPH09237698A (ja) * 1996-02-22 1997-09-09 Motorola Inc 誘導結合プラズマ・リアクタとその方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06196446A (ja) * 1992-12-24 1994-07-15 Nec Corp 高周波磁場励起処理装置
JPH09106778A (ja) * 1995-10-12 1997-04-22 Nissin Electric Co Ltd 粒子線照射装置
JPH09237698A (ja) * 1996-02-22 1997-09-09 Motorola Inc 誘導結合プラズマ・リアクタとその方法

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004002201A1 (en) * 2002-06-19 2003-12-31 The Australian National University A plasma beam generator
EP2543443A4 (en) * 2010-03-04 2017-07-05 Imagineering, Inc. Coating forming device, and method for producing coating forming material
US10229814B2 (en) 2011-10-27 2019-03-12 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Plasma processing apparatus
US10147585B2 (en) 2011-10-27 2018-12-04 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Plasma processing apparatus
WO2013069739A1 (ja) * 2011-11-11 2013-05-16 東京エレクトロン株式会社 プラズマ処理装置用誘電体窓、およびプラズマ処理装置
JP5527490B2 (ja) * 2011-11-11 2014-06-18 東京エレクトロン株式会社 プラズマ処理装置用誘電体窓、およびプラズマ処理装置
US9048070B2 (en) 2011-11-11 2015-06-02 Tokyo Electron Limited Dielectric window for plasma treatment device, and plasma treatment device
JP2013120685A (ja) * 2011-12-07 2013-06-17 Panasonic Corp プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法
JP2013120684A (ja) * 2011-12-07 2013-06-17 Panasonic Corp プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法
US10115565B2 (en) 2012-03-02 2018-10-30 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Plasma processing apparatus and plasma processing method
JP2014060036A (ja) * 2012-09-18 2014-04-03 Panasonic Corp 誘導結合型プラズマ処理装置及び方法
US9601330B2 (en) 2012-09-18 2017-03-21 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Plasma processing device, and plasma processing method
JPWO2014045547A1 (ja) * 2012-09-18 2016-08-18 パナソニックIpマネジメント株式会社 プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法
WO2014045565A1 (ja) * 2012-09-18 2014-03-27 パナソニック株式会社 プラズマ処理装置及び方法
WO2014045547A1 (ja) * 2012-09-18 2014-03-27 パナソニック株式会社 プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4001355B2 (ja) 2007-10-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR0159197B1 (ko) 플라스마 처리장치
US5312778A (en) Method for plasma processing using magnetically enhanced plasma chemical vapor deposition
US20040219737A1 (en) Method and apparatus for processing a workpiece with a plasma
US5308417A (en) Uniformity for magnetically enhanced plasma chambers
US7374636B2 (en) Method and apparatus for providing uniform plasma in a magnetic field enhanced plasma reactor
US20040168771A1 (en) Plasma reactor coil magnet
KR100390540B1 (ko) 마그네트론 플라즈마 에칭장치
JPH10270423A (ja) エッチング装置
JP2003514386A (ja) プラズマの体積を制御する方法及び装置
JP2000269196A (ja) プラズマ処理方法及びプラズマ処理装置
KR910005733B1 (ko) 플라즈마 처리방법 및 장치
KR20020027604A (ko) 마그네트론 플라즈마 처리 장치
JPH11251090A (ja) プラズマ発生装置
JPH11149998A (ja) プラズマ処理装置
KR100455350B1 (ko) 유도 결합형 플라즈마 발생 장치 및 방법
JP4094040B2 (ja) プラズマ発生装置
US4906347A (en) Dry-etching apparatus
JP3814813B2 (ja) プラズマ発生装置
JPH11251091A (ja) プラズマ発生装置
JPH02312231A (ja) ドライエッチング装置
JPH1187096A (ja) プラズマ発生装置
JPH1187093A (ja) プラズマ発生装置
JP2004349717A (ja) プラズマエッチング処理装置
JP3887605B2 (ja) スパッタリング方法及びスパッタリング装置
JPH0620794A (ja) プラズマ発生装置およびプラズマ発生方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050107

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20060209

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060828

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060905

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20061031

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061106

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070426

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070625

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070810

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070813

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100824

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100824

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100824

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100824

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110824

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110824

Year of fee payment: 4

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110824

Year of fee payment: 4

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110824

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120824

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120824

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130824

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term