JPH11247488A - ブレースダンパ - Google Patents

ブレースダンパ

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JPH11247488A
JPH11247488A JP4816998A JP4816998A JPH11247488A JP H11247488 A JPH11247488 A JP H11247488A JP 4816998 A JP4816998 A JP 4816998A JP 4816998 A JP4816998 A JP 4816998A JP H11247488 A JPH11247488 A JP H11247488A
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JP
Japan
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damper
damping force
vibration
brace
damping
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Pending
Application number
JP4816998A
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English (en)
Inventor
Koji Fukui
宏治 福井
Akira Matsuno
亮 松野
Yohei Katayama
洋平 片山
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Tokico Ltd
Original Assignee
Tokico Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は大地震のときの大きな振動だけでな
く比較的小さな交通振動も減衰できることを課題とす
る。 【解決手段】 ブレースダンパ19は、油圧ダンパ27
と粘弾性ダンパ28とが並列に配置された構成であり、
1階骨組み12の対角方向に延在する向きに操作された
第1ブレース25と第2ブレース26との間に取り付け
られている。そして、総重量40tonのモデルの場
合、地震の振動から交通振動等に小さい振動まで減衰す
るには、粘弾性ダンパ28と油圧ダンパ27の各々の総
減衰力の比を「1:1305」に設定する。また、モデ
ル50の場合「1:1599」、モデル70の場合
「1:1594」、モデル100の場合「1:123
1」となる。この比率は、粘弾性ダンパ28および油圧
ダンパ27からなるブレースダンパ19を1階に6本,
2階に2本,3階に2本配置した際に成立する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はブレースダンパに係
り、特に構造物の地震による振動を吸収できると共に交
通振動も吸収できるよう構成されたブレースダンパに関
する。
【0002】
【従来の技術】ビルや住宅等の構造物の耐震性を高める
手段として、柱や梁等の骨組み間に骨組を塑性変形させ
ようとするエネルギを吸収するため、骨組みの対角位置
に装架されるブレースにダンパを取り付けて大地震の振
動エネルギを吸収して骨組みを制振させる制振構造の開
発が進められている。
【0003】このような制振構造に用いられる従来のブ
レースダンパとしては、例えば実開平7−23108号
公報に開示された構成のものがある。この公報に記載さ
れたものは、骨組みの対角位置に形成されたブレースに
シリンダ,ピス卜ン,逆止弁等からなる油圧ダンパが設
けられた構成されている。そして、このように構成され
たブレースダンパでは、大地震等の振動エネルギを油圧
ダンパのピストンとシリンダとの相対変位に伴う減衰力
によって吸収する構造となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように建物のブレース部に油圧ダンパを用いたブレース
ダンパでは、大地震などの大きな揺れに対しては油圧ダ
ンパにより発生される減衰力によって制震することがで
きるので有効であるが、一般住宅における振幅の小さな
揺れに対しては油の圧縮性やオイルシールの摺動抵抗、
静摩擦の影響が大きいため減衰手段として作用せず、単
なる弾性体となってしまって振動を低減できないといっ
た問題があった。
【0005】そのため、従来のブレースダンパでは、油
圧ダンパで発生される減衰力が大地震のときの振動エネ
ルギを吸収できるように設定されているので、比較的小
さい地震あるいは自動車等の車両の通行による交通振動
が発生した場合、油圧ダンパが振幅の小さい振動を効果
的に吸収できなかった。そこで、本発明は上記問題を解
決したブレースダンパを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は以下のような特徴を有する。上記請求項1
記載の発明は、柱と梁とにより形成された空間内に所定
角度傾斜させて取り付けられるブレースに減衰特性の異
なる第1、第2の減衰力発生手段を設け、該第1、第2
の減衰力発生手段の夫々の減衰力の比率を構造物の重量
に応じて任意の比率に設定したことを特徴とするもので
ある。
【0007】従って、請求項1記載の発明によれば、ブ
レースに減衰特性の異なる第1、第2の減衰力発生手段
を設けて夫々の減衰力の比率を構造物の重量に応じて任
意の比率に設定したため、第1の減衰力発生手段で小地
震や交通振動の振動エネルギを効果的に吸収して地震の
大きさに係わらず構造物の振動を制振することができる
と共に、第2の減衰力発生手段で地震による振動を吸収
することができる。
【0008】また、上記請求項2記載の発明は、前記請
求項1記載のブレースダンパであって、前記第1、第2
の減衰力発生手段の減衰力F1,F2の比を、 構造物の総重量Wが40≦W≦50tonの場合、F
1:F2=m:n (但し、m≧100N,n≧1599N)に設定し、 構造物の総重量Wが50≦W≦70tonの場合、F
1:F2=m:n (但し、m≧140N,n≧1599N)に設定し、 構造物の総重量Wが70≦W≦100tonの場合、F
1:F2=m:n (但し、m≧255N,n≧1594N)に設定したこ
とを特徴とするものである。
【0009】従って、請求項2記載の発明によれば、第
1、第2の減衰力発生手段の減衰力F1,F2の比を構
造物の総重量Wに応じて上記の比率に設定したため、第
2の減衰力発生手段により地震による振動を吸収し、第
1の減衰力発生手段により小地震や交通振動による振幅
の小さい振動エネルギを効果的に吸収して振動の大きさ
に係わらず構造物の振動を制振することができる。
【0010】また、上記請求項3記載の発明は、前記請
求項1及び請求項2記載のブレースダンパであって、前
記減衰力発生手段は、1階にq本(但し、q≧6)、2
階に1/3q本、3階に1/3q本配設されたことを特
徴とするものである。
【0011】従って、請求項3記載の発明によれば、1
階にq本(但し、q≧6)、2階に1/3q本、3階に
1/3q本配設したため、少ないダンパ数で各階の振動
を効果的に減衰することができ、地震による振動及び小
地震や交通振動の振動エネルギを効果的に吸収して振動
の大きさに係わらず構造物の振動を制振することができ
る。
【0012】また、上記請求項4記載の発明は、前記請
求項1乃至請求項3記載のブレースダンパであって、前
記第1、第2の減衰力発生手段は、前記ブレースに対し
並列に配設されたことを特徴とするものである。従っ
て、請求項4記載の発明によれば、第1、第2の減衰力
発生手段が並列に配設されたため、各階の振動を効果的
の吸収することができ、地震による振動及び小地震や交
通振動の振動エネルギを効果的に吸収して地震の大きさ
に係わらず構造物の振動を制振することができる。
【0013】また、上記請求項5記載の発明は、前記請
求項1乃至請求項4記載のブレースダンパであって、前
記第1、第2の減衰力発生手段のうち前記減衰力の大き
い方の減衰力発生手段は、微小変位に対する不感帯を有
する構成であることを特徴とするものである。
【0014】従って、請求項5記載の発明によれば、第
1、第2の減衰力発生手段のうち減衰力の大きい方の減
衰力発生手段が微小変位に対する不感帯を有するため、
微小変位による振動を減衰力の小さい方の減衰力発生手
段により効果的に減衰させることができ、地震による振
動及び小地震や交通振動の振動エネルギを効果的に吸収
して振動の大きさに係わらず構造物の振動を制振するこ
とができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面と共に本発明の実施の
形態について説明する。図1は本発明になるブレースダ
ンパの一実施例が取り付けられた構造物の概略構成図で
ある。構造物11は、鉄骨を組み合わせた1階骨組み1
2の上に鉄骨を組み合わせた2階骨組み13を積み重ね
た鉄骨構造であり、1階骨組み12の柱14(141
142 )は基礎15(151 〜152 )に固定され、1
階骨組み12の梁16は柱14(141 ,142 )の上
端間を横架するように締結されている。そして、2階骨
組み13の柱17(171 ,172 )は梁16に締結さ
れ、2階骨組み3の梁18は柱17(171 ,172
の上端間を横架するように締結されている。尚、図1に
おいて、外壁パネルや内壁パネルや天井板等は省略して
ある。
【0016】1階骨組み12の対角線上には、ブレース
ダンパ19が取り付けられている。このブレースダンパ
19は、1階骨組み12の柱141 と基礎151 とによ
り形成された第1の角部20と、柱142 と梁16とに
より形成された第2の角部21との間に装架されてい
る。ブレースダンパ19は、1階骨組み12の対角方向
に傾斜した状態に取り付けられているので、例えばA方
向の変位が1階骨組み12に加えられると、ブレースダ
ンパ19には引っ張り荷重が作用する。そして、B方向
の変位が1階骨組み12に加えられると、ブレースダン
パ19には圧縮荷重が作用する。
【0017】このように、構造物11にA,B方向の振
動が入力された場合、ブレースダンパ19には、圧縮荷
重、引っ張り荷重が交互に作用する。そのため、ブレー
スダンパ19は、吸収して1階骨組み12の振動を減衰
して1階骨組み12の上部に設けられた2階骨組み3に
伝搬した振動が増幅することを防止する。ここで、上記
ブレースダンパ19の構成について説明する。
【0018】図2はブレースダンパ19が1階骨組み1
2に取り付けられた状態を拡大して示す正面図である。
また、図3はブレースダンパ19の取付状態を示す拡大
図である。図2、図3に示されるように、ブレースダン
パ19は、油圧ダンパ(第1の減衰力発生手段)27と
粘弾性ダンパ(第2の減衰力発生手段)28とが並列に
配置された構成であり、1階骨組み12の対角方向に延
在する向きに操作された第1ブレース25と第2ブレー
ス26との間に取り付けられている。
【0019】第1ブレース25は、一端に1階骨組み1
2の第1の角部20にボルト等により締結されたブラケ
ット25aを有し、他端にダンパ支持板25bを有す
る。また、第2ブレース26は、一端に1階骨組み12
の第2の角部21にボルト等により締結されたブラケッ
ト26aを有し、他端にダンパ支持板26bを有する。
そして、上記ダンパ支持板25bとダンパ支持板26b
との間には、油圧ダンパ27と粘弾性ダンパ28が並列
に取り付けられている。すなわち、一対の油圧ダンパ2
7と粘弾性ダンパ28は、第1ブレース25及び第2ブ
レース26の延在方向(C,D方向)に作用する圧縮荷
重、引っ張り荷重を緩衝する方向に取り付けられてい
る。また、油圧ダンパ27と粘弾性ダンパ28は、両端
の取付板29a,29b,30a,30bが夫々ボルト
31,32を介してダンパ支持板25b、ダンパ支持板
26bに締結されている。
【0020】また、油圧ダンパ27と粘弾性ダンパ28
は、第1ブレース25及び第2ブレース26の中心線に
対して対称となるように平行に設けられているので、第
1ブレース25及び第2ブレース26に作用する振動の
振幅の大きさに応じた減衰力を発生させることができ
る。すなわち、油圧ダンパ27と粘弾性ダンパ28がブ
レース25,26の軸線に対して左右対称に設置してい
るため地震時、及び交通振動時とも安定した減衰力をブ
レース25,26に伝達できる。
【0021】さらに、ブレース25,26や構造物11
にも不要なモーメントが発生しないため構成部材の破損
を免れるのみでなく減衰力の良好な伝達が可能となり、
制振効果も向上する。図4は油圧ダンパ27の取付状態
を拡大して示す正面図である。また、図5は油圧ダンパ
27の取付状態を拡大して示す側面図である。尚、図4
及び図5では、粘弾性ダンパ28が省略されている。
【0022】図4、図5に示されるように、油圧ダンパ
27は、シリンダ35内にピストン36、ピストンロッ
ド37が摺動可能に挿入されている。また、ピストン3
6により画成された上室38及び下室39には、粘性流
体(オイル)が充填されており、ピストン36には各軸
方向(C,D方向)の逆止弁40,41が設けられてい
る。
【0023】一方の逆止弁40は、ピストン36がC方
向に摺動する際、下室39の粘性流体が上室38へ移動
するときの流路となり、他方の逆止弁41は、ピストン
36がD方向に摺動する際、上室38の粘性流体が下室
39へ移動するときの流路となる。そして、逆止弁4
0,41は、流路面積が絞られているので、ピストン3
6の移動距離に応じて粘性流体が通過することにより粘
性抵抗による減衰力を発生させることができる。
【0024】このように、油圧ダンパ27では、逆止弁
40,41を通過する粘性流体の流量に応じた減衰力が
得られる構成であるので、例えば粘性流体の粘性、ある
いは逆止弁40,41の最小流路面積を段階的に変更す
ることによりピストン36のストロークに対する減衰力
を変更することができる。また、逆止弁40,41は、
環状に形成された薄い金属板からなる減衰力調整用ディ
スクが弁体を閉弁位置に保持する構成であり、減衰力調
整用ディスクを複数枚重ね合わせることにより減衰力の
大きさを調整することができる。例えば、減衰力調整用
ディスクの枚数が増えると、ピストン36のストローク
に対する減衰力が増大し、逆に減衰力調整用ディスクの
枚数が減ると、ピストン36のストロークに対する減衰
力が減少する。このように、油圧ダンパ27では、減衰
特性を段階的に任意の特性に設定することが可能な構成
となっている。
【0025】また、油圧ダンパ27は、両端の夫々に連
結部42,43が設けられている。この連結部42,4
3は、同一構成であるので、一方の連結部42の構成に
ついて説明し、他方の連結部43の説明を省略する。連
結部42は、取付板29aと一体に設けられた円筒状の
軸受部44と、軸受部44に挿通される軸45と、軸4
5の外周に嵌合されたチューブ状の弾性体46と、ピス
トンロッド37の端部に一体に設けられ軸45の両端を
支持する支持部47とからなる。
【0026】そのため、連結部42は、軸45を中心と
する回動動作が可能な構成であると共に、弾性体46が
介在することにより振幅及び加速度の小さい振動が吸収
されるようになっている。よって、油圧ダンパ27は、
交通振動などの小さい振動が伝播されても弾性体46の
弾性変形により振動エネルギが吸収されてピストン36
が摺動せず、減衰力を発生させない不感帯を有する構成
である。
【0027】図6は粘弾性ダンパ28の構成を示す縦断
面図である。図6に示されるように、粘弾性ダンパ28
は、大略、シリンダ51と、シリンダ51内に設けられ
たシリンダ側筒状部材52,53と、シリンダ51内に
挿入されるロッド54と、ロッド54の端部に結合され
たロッド側筒状部材55,56と、シリンダ51の内壁
とロッド54との間に介在するシール部材57とからな
る。尚、シリンダ51内には、粘性流体(オイル)が充
填されている。
【0028】上記シリンダ51側に一体に設けられたシ
リンダ側筒状部材52,53と、ロッド54側に一体に
設けられたロッド側筒状部材55,56とは、夫々横断
面形状が同心円状となるように配設され、且つシリンダ
51とシリンダ側筒状部材52との間にロッド側筒状部
材55が挿通され、シリンダ側筒状部材52,53間に
ロッド側筒状部材56が挿通される。
【0029】そのため、シリンダ側筒状部材52,53
とロッド側筒状部材55,56とは、交互に隣接するよ
うに組み合わされており、各筒状部材52,53,5
5,56との間には、粘性流体が充填されている。よっ
て、粘弾性ダンパ28は、シリンダ51とロッド54と
の間で軸方向の相対変位が生ずると、各筒状部材52,
53,55,56間に充填された粘性流体に剪断力が働
き、これにより減衰力を発生させる構成となっている。
【0030】また、シール部材57は、半径方向に伸縮
可能な構成となっている。そのため、シリンダ51とロ
ッド54との間で軸方向の相対変位が生じた場合、粘性
流体の液位が変動するが、この液位の変化は上記シール
部材57の伸縮動作により吸収される。従って、上記の
ように構成された粘弾性ダンパ28においては、軸方向
の相対変位が生じると、各筒状部材52,53,55,
56間に充填された粘性流体に剪断力が作用して減衰力
が得られるため、振幅及び加速度の小さい振動が入力さ
れた場合のようにシリンダ51とロッド54との間の軸
方向の相対変位が小さい場合でも変位量に応じた減衰力
を発生させることができる。
【0031】そのため、例えば粘性流体の粘性、あるい
は各筒状部材52,53,55,56間の半径方向の間
隔、あるいはシリンダ51内の総剪断面積を段階的に変
更することにより各筒状部材52,53,55,56の
軸方向の変位に対する減衰力を変更することができる。
例えば、粘弾性ダンパ28の減衰力を大きく設定するに
は、高粘度の粘性流体に変更するか、あるいは各筒状部
材52,53,55,56間の半径方向の間隔を狭くす
るか、あるいはシリンダ51内の総剪断面積を大きくす
る。
【0032】また、粘弾性ダンパ28の減衰力を小さく
設定するには、低粘度の粘性流体に変更するか、あるい
は各筒状部材52,53,55,56間の半径方向の間
隔を広くするか、あるいはシリンダ51内の総剪断面積
を小さくする。よって、粘弾性ダンパ28では、減衰特
性を段階的に任意の特性に設定することが可能な構成と
なっている。
【0033】このようにブレースダンパ19は、油圧ダ
ンパ27と粘弾性ダンパ28とが並列に設けられた構成
であるので、例えば交通振動などのように振幅及び加速
度の小さい振動がブレース25,26を介して伝達され
た場合、弾性体46が変形することにより振動を吸収し
油圧ダンバ27のピストン36に振動が伝達されない。
【0034】一方、粘弾性ダンパ28には、軸方向
(C,D方向)への振動が伝達され、上記筒状部材5
2,53,55,56間に充填された粘性流体に剪断力
が作用して減衰力が発生して構造物11を制振する。こ
のように、ブレースダンパ19は、交通振動などの振幅
及び加速度の小さい振動に対しては、粘弾性ダンパ14
の粘性減衰力のみにより構造物11を制振する。
【0035】次に、地震のような比較的振幅の大きな振
動が構造物11に伝播された場合には、弾性体46が許
容しうる弾性変形量以上の変位がブレース25,26に
伝達される。そのため、振動が油圧ダンパ27にも伝達
される。よって、油圧ダンパ27は、前述したピストン
36の変位により減衰力を発生して構造物11を制振す
る。
【0036】この際、粘弾性ダンパ28にも振動が伝達
され粘性減衰力を発生するが、粘弾性ダンパ28の粘性
減衰力が振幅及び加速度の小さい振動を制震するように
設定されているので、油圧ダンパ28が発生する減衰力
と比較すると十分に小さい。このように、ブレースダン
パ19は、地震などの大きな振動に対しては主に油圧ダ
ンパ28の減衰力により構造物11を制振する。
【0037】次に、ブレースダンパ19を3階建て住宅
に装着した場合の制振効果について解析する。図7は解
析に用いる数値モデル61を模式的に示す図である。ま
た、図8は図7に示す数値モデル61の仕様を各モデル
別に示す図である。図7及び図8に示すように、各モデ
ルは総重量別に4種(モデル40、50、70、10
0)用意してある。また、各モデルのそれぞれが有する
振動特性は同一とした。
【0038】ここでは、上記4種のモデルのうち総重量
が40tonのモデル40について説明する。尚、図9
はモデル40における各ダンパの仕様及び配置本数の設
定例を示す図である。尚、ブレースダンパ装着時の目標
とする制振効果は、次の通りである。 神戸NS地震波レベル2(最大速度0.5m/s)
入力時に建物の最大層間変形量が天井高さの1/200
(0.014m)以下であること。
【0039】 交通振動レベルの加速度0.002m
/s2 (0.2Gal)の正弦共振波入力時に建物3階
床部の絶対加速度のVAL値が60dBより小さいこ
と。 ここに、VAL=20log(A/10-5) … (1) A:3階床部の絶対加速度(m/s2 )である。以上の
仕様を満足するように、油圧ダンパ27、粘弾性ダンパ
28の夫々の減衰係数および各階への配置本数を図9に
示すように設定する。すなわち、油圧ダンパ27及び粘
弾性ダンパ28は、1階に6本、2階に2本、3階に2
本配設された場合、すなわち1階にq本(但し、q≧
6)、2階に1/3q本、3階に1/3q本配設すると
上記仕様を満足する。このように減衰係数および各階へ
の配置本数が設定された油圧ダンパ27、粘弾性ダンパ
28を数値モデル61に装着する。
【0040】図10は神戸NS地震波レベル2の加速度
の波形図である。また、図11はモデル40における各
階の層間変位量の波形図である。上記のように設定され
たモデル40において、図10に示す神戸NS地震波レ
ベル2を入力した場合、各階の層間変位時刻歴応答は図
11に示すような波形となる。
【0041】図12は神戸NS地震波レベル2の地震波
入力時におけるモデル40の解析結果を示す図である。
また、解析から得られた各階の最大層間変位量および最
大減衰力は、図12に示すような数値となる。この図1
2に示す解析結果より、前記したの目標仕様を満足し
ており、油圧ダンパ27の制振効果の有効性が確認でき
る。
【0042】図13は正弦共振波入力時におけるモデル
40の解析結果を示す図である。上記図7に示す数値モ
デル61に交通振動と同等な加速度である0.002m
/s2 (0.2Gal)の正弦共振波を入力した場合に
ついて解析した結果は、図13に示すとおりである。こ
の図13の解析結果より、モデル40が前記したの目
標仕様を満足しており、粘弾性ダンパ28の制振効果の
有効性を確認できる。
【0043】以上の解析結果より、次のことが言える。 (a)交通振動程度の小さい振動から神戸NS地震波レ
ベル2までの入力に対して、総重量40tonのモデル
の前記制振目標値を満足させるには、粘弾性ダンパ28
と油圧ダンパ27の各々の総減衰力F1,F2の比F
1:F2を次式のように設定する必要がある。
【0044】 98.1:128020≒1:1305 … (2) ここに、粘弾性ダンパ28の総減衰力F1は少な<とも
98.1N以上である。 (b) (a)の比率は、図9に示した粘弾性ダンパ2
8および油圧ダンパ27からなるブレースダンパ19を
1階に6本,2階に2本,3階に2本配置した際に成立
する。
【0045】図14は各モデルの粘弾性総減衰力と油圧
総減衰力との比の解析結果を示す図である。上記モデル
40について行った上記解析をモデル50、モデル7
0、モデル100についても同様に行った解析結果は、
図14に示すとおりである。すなわち、粘弾性ダンパ2
8と油圧ダンパ27との総減衰力F1,F2の比F1:
F2は、モデル50の場合「100:1599」、モデ
ル70の場合「100:1594」、モデル100の場
合「100:1231」となる。
【0046】尚、各モデル50、モデル70、モデル1
00についてもダンパ配置および制振目標は、上記モデ
ル40の場合と同一とした。従って、上記解析結果より
粘弾性ダンパ28と油圧ダンパ27との総減衰力F1,
F2の比を、構造物11の総重量Wが40≦W≦50t
onの場合、F1:F2=m:n(但し、m≧100.
1N≒100N,n≧1599N)に設定し、構造物1
1の総重量Wが50≦W≦70tonの場合、F1:F
2=m:n(但し、m≧140.3N≒140N,n≧
1599N)に設定し、構造物11の総重量Wが70≦
W≦100tonの場合、F1:F2=m:n(但し、
m≧255.1N≒255N,n≧1594N)に設定
する。
【0047】このように、粘弾性ダンパ28と油圧ダン
パ27との総減衰力の比を構造物11の総重量に応じて
上記のように設定することにより、交通振動などの振幅
及び加速度の小さい振動に対しては粘弾性ダンパ28の
粘性減衰力のみにより構造物11を制振する。そして、
地震のような振幅及び加速度の大きな振動の場合には、
油圧ダンパ27が油圧による減衰力を発生して構造物1
1を制振する。
【0048】この際、粘弾性ダンパ28にも振動が伝達
され粘性減衰力を発生するが油圧ダンパ27が発生する
減衰力と比較すると、上記減衰力比の設定値からわかる
ように十分に小さい。このように、地震などの大きな振
動に対しては主に油圧ダンパ27の減衰力により効果的
に構造物11を制振することができる。従って、粘弾性
ダンパ28と油圧ダンパ27との総減衰力の比を構造物
11の総重量に応じた最適値に設定することにより、交
通振動などの小さな振動には粘弾性ダンパ27が機能
し、地震等の大きい振動には油圧ダンパ27が機能して
制振効果を発揮する。また、目標とする制振効果に応じ
て、2つのダンパの総減衰力の比率を任意に設定するこ
とにより最小限のダンパ本数で十分な制振効果が得ら
れ、間取りによってダンパ取付部が拘束されやすい一般
住宅の制振に有効である。そして、ダンパ本数を適性に
抑えることにより構造物11への負担も軽減できる。
【0049】次に、変形例として八戸地震波レベル2、
及びエルセントロ地震波レベル2についても上記神戸N
S地震波レベル2と同様に解析した。図15は八戸地震
波レベル2の加速度の波形図である。また、図16は八
戸地震波レベル2の振動が入力された場合の粘弾性総減
衰力と油圧総減衰力との比の解析結果を示す図である。
【0050】すなわち、八戸地震波レベル2の地震に対
して粘弾性ダンパ28と油圧ダンパ27との総減衰力の
比は、モデル40の場合「100:606」、モデル5
0の場合「100:771」、モデル70の場合「10
0:797」、モデル100の場合「100:604」
となる。また、図17はエルセントロ地震波レベル2の
加速度の波形図である。また、図18はエルセントロ地
震波レベル2の振動が入力された場合の粘弾性総減衰力
と油圧総減衰力との比の解析結果を示す図である。
【0051】すなわち、エルセントロ地震波レベル2の
地震に対して粘弾性ダンパ28と油圧ダンパ27との総
減衰力の比は、モデル40の場合「100:819」、
モデル50の場合「100:1003」、モデル70の
場合「100:951」、モデル100の場合「10
0:788」となる。また、上記粘弾性ダンパ28の代
わりに図19又は図20に示すような摩擦ダンパを用い
ても良い。
【0052】図19は摩擦ダンパの変形例1を説明する
ための縦断面図である。図19に示されるように、摩擦
ダンパ63は、摩擦力により減衰力を発生させる構成で
あり、シリンダ64の内壁に固定された支持部65の傾
斜した支持面65a,65bに環状に形成された摩擦部
材66a〜66dが嵌合されている。この摩擦部材66
a〜66dの内周には、ロッド67が摺動可能に挿通さ
れている。そして、シリンダ64の下端より突出するお
ねじ64aが第1ブレース25側に結合され、シリンダ
64より上方に突出するロッド67の上端のおねじ67
aが第2ブレース26に結合される。
【0053】従って、ロッド67がシリンダ64に対し
て軸方向(C,D方向)に摺動すると、その変位量に応
じた摩擦抵抗により減衰力が発生する。この摩擦式の摩
擦ダンパ63では、摩擦部材66a〜66dを摩擦係数
の異なる材質のものと交換することにより摩擦抵抗によ
る減衰力の大きさを変更することができる。また、同じ
材質の摩擦部材66a〜66dであっても、ロッド67
が摺動する軸方向に長さを任意の寸法とすることによっ
てもロッド67に対する摩擦抵抗を変更することができ
る。
【0054】そのため、上記ブレースダンパ19が油圧
ダンパ27と摩擦ダンパ63とを並列に配置した構成と
された場合でも、上記のように減衰力比を任意の値に設
定して交通振動のような小さな振動も減衰させることが
できる。図20は摩擦ダンパの変形例2を説明するため
の縦断面図である。図20に示されるように、摩擦ダン
パ70は、摩擦力により減衰力を発生させる構成であ
り、大略、第1ブレース25側に結合される第1摺動板
71と、第2ブレース26に結合される第2摺動板72
と、第1摺動板71の上部と第2摺動板72の下部を挟
持する摩擦板73,74とからなる。
【0055】摩擦板73,74は、第1摺動板71の上
部にボルト75、ナット76により締結され、第2摺動
板72に対しては押圧機構77により挟持方向に押圧さ
れている。押圧機構77は、例えばボルトとナットのよ
うにねじの締め付けにより挟持する構成としても良い
し、あるいはバネ部材の弾撥力により摩擦板73,74
を挟持方向に押圧する構成としても良い。
【0056】そのため、摩擦ダンパ70では、押圧機構
77による押圧力を調整することにより摩擦板73,7
4と第2摺動板72との間で発生する摩擦力を任意の大
きさに設定することができる。従って、上記ブレースダ
ンパ19が油圧ダンパ27と摩擦ダンパ70とを並列に
配置した構成とされた場合でも、上記のように減衰力比
を任意の値に設定して交通振動のような小さな振動も減
衰させることができる。
【0057】図21は粘弾性ダンパと油圧ダンパとの配
置の変形例を説明するための正面図である。図21に示
されるように、第1ブレース25と第2ブレース26と
の間には、1本の油圧ダンパ27と2本の粘弾性ダンパ
28とは並列に取り付けられている。この場合、第1ブ
レース25及び第2ブレース26の軸線上に油圧ダンパ
27が位置するように取り付けられ、油圧ダンパ27の
左右両側には油圧ダンパ27と平行となるように一対の
粘弾性ダンパ28が取り付けられている。
【0058】1本の油圧ダンパ27と2本の粘弾性ダン
パ28は、軸線に対して左右対称に設置しているため地
震時、及び交通振動時とも安定した減衰力をブレース2
5,26に伝達できる。図22は粘弾性ダンパと油圧ダ
ンパとの配置の別の変形例を説明するための正面図であ
る。
【0059】図22に示されるように、第1ブレース2
5と第2ブレース26との間には、2本の油圧ダンパ2
7と1本の粘弾性ダンパ28とは並列に取り付けられて
いる。この場合、第1ブレース25及び第2ブレース2
6の軸線上に粘弾性ダンパ28が位置するように取り付
けられ、粘弾性ダンパ28の左右両側には油圧ダンパ2
7と平行となるように一対の油圧ダンパ27が取り付け
られている。
【0060】2本の油圧ダンパ27と1本の粘弾性ダン
パ28は、軸線に対して左右対称に設置しているため地
震時、及び交通振動時とも安定した減衰力をブレース2
5,26に伝達できる。また、上記図21及び図22に
おいて、粘弾性ダンパ28の代わりに前述した摩擦ダン
パ63,70を取り付ける構成としても良いのは勿論で
ある。
【0061】また、上記実施例では、地震による振動を
油圧ダンパ27により減衰するよう構成されたブレース
ダンパを一例として説明したが、これに限らず、油圧ダ
ンパ27の代わりに鋼材を塑性変形させて地震による振
動を減衰する鋼棒ダンパ、あるいは鉛により形成された
ダンパ部材を変形させて地震による振動を減衰する鉛ダ
ンパ、あるいは摩擦部材による摩擦抵抗により地震によ
る振動を減衰する摩擦ダンパ等を用いることもできる。
【0062】
【発明の効果】上述の如く、請求項1記載の発明によれ
ば、ブレースに減衰特性の異なる第1、第2の減衰力発
生手段を設けて夫々の減衰力の比率を構造物の重量に応
じて任意の比率に設定したため、第1の減衰力発生手段
で小地震や交通振動の振動エネルギを効果的に吸収して
振動の大きさに係わらず構造物の振動を制振することが
できると共に、第2の減衰力発生手段で地震による振動
を制振することができる。
【0063】また、請求項2記載の発明によれば、第
1、第2の減衰力発生手段の減衰力F1,F2の比を構
造物の総重量Wに応じて、 構造物の総重量Wが40≦W≦50tonの場合、F
1:F2=m:n (但し、m≧100N,n≧1599N)に設定し、 構造物の総重量Wが50≦W≦70tonの場合、F
1:F2=m:n (但し、m≧140N,n≧1599N)に設定し、 構造物の総重量Wが70≦W≦100tonの場合、F
1:F2=m:n (但し、m≧255N,n≧1594N)に設定したた
め、第2の減衰力発生手段により地震による振動を吸収
し、第1の減衰力発生手段により小地震や交通振動によ
る振幅の小さい振動エネルギを効果的に吸収して振動の
大きさに係わらず構造物の振動を制振することができ
る。そのため、最小限のダンパ本数で十分な制振効果が
得られ、住宅の間取りによってダンパ取付部が拘束され
やすい一般住宅の制振に有効である。
【0064】また、請求項3記載の発明によれば、1階
にq本(但し、q≧6)、2階に1/3q本、3階に1
/3q本配設したため、各階の振動を効果的に減衰する
ことができ、地震による振動及び小地震や交通振動の振
動エネルギを効果的に吸収して振動の大きさに係わらず
構造物の振動を制振することができる。そのため、最小
限のダンパ本数で十分な制振効果が得られ、住宅の間取
りによってダンパ取付部が拘束されやすい一般住宅の制
振に有効である。さらに、ダンパ本数を適性に抑えるこ
とにより建物への負担も軽減できる。
【0065】また、請求項4記載の発明によれば、第
1、第2の減衰力発生手段が並列に配設されたため、各
階の振動を効果的の吸収することができ、地震による振
動及び小地震や交通振動の振動エネルギを効果的に吸収
して地震の大きさに係わらず構造物の振動を制振するこ
とができる。また、請求項5記載の発明によれば、第
1、第2の減衰力発生手段のうち減衰力の大きい方の減
衰力発生手段が微小変位に対する不感帯を有するため、
微小変位による振動を減衰力の小さい方の減衰力発生手
段により効果的に減衰させることができ、地震による振
動及び小地震や交通振動の振動エネルギを効果的に吸収
して振動の大きさに係わらず構造物の振動を制振するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になるブレースダンパの一実施例が取り
付けられた構造物の概略構成図である。
【図2】ブレースダンパ19が1階骨組み12に取り付
けられた状態を拡大して示す正面図である。
【図3】ブレースダンパ19の取付状態を示す拡大図で
ある。
【図4】油圧ダンパ27の取付状態を拡大して示す正面
図である。
【図5】油圧ダンパ27の取付状態を拡大して示す側面
図である。
【図6】粘弾性ダンパ28の構成を示す縦断面図であ
る。
【図7】解析に用いる数値モデル61を模式的に示す図
である。
【図8】図7に示す数値モデル61の仕様を各モデル別
に示す図である。
【図9】モデル40における各ダンパの仕様及び配置本
数の設定例を示す図である。
【図10】神戸NS地震波レベル2の加速度の波形図で
ある。
【図11】モデル40における各階の層間変位量の波形
図である。
【図12】神戸NS地震波レベル2の地震波入力時にお
けるモデル40の解析結果を示す図である。
【図13】正弦共振波入力時におけるモデル40の解析
結果を示す図である。
【図14】各モデルの粘弾性総減衰力と油圧総減衰力と
の比の解析結果を示す図である。
【図15】八戸地震波レベル2の加速度の波形図であ
る。
【図16】八戸地震波レベル2の振動が入力された場合
の粘弾性総減衰力と油圧総減衰力との比の解析結果を示
す図である。
【図17】エルセントロ地震波レベル2の加速度の波形
図である。
【図18】エルセントロ地震波レベル2の振動が入力さ
れた場合の粘弾性総減衰力と油圧総減衰力との比の解析
結果を示す図である。
【図19】摩擦ダンパの変形例1を説明するための縦断
面図である。
【図20】摩擦ダンパの変形例2を説明するための縦断
面図である。
【図21】粘弾性ダンパと油圧ダンパとの配置の変形例
を説明するための正面図である。
【図22】粘弾性ダンパと油圧ダンパとの配置の別の変
形例を説明するための正面図である。
【符号の説明】
11 構造物 12 1階骨組み 13 2階骨組み 14(141 ,142 ),17(171 ,172 ) 柱 15(151 〜152 ) 基礎 16,18 梁 19 ブレースダンパ 25 第1ブレース 26 第2ブレース 27 油圧ダンパ 28 粘弾性ダンパ 35 シリンダ 36 ピストン 37 ピストンロッド 40,41 逆止弁 42,43 連結部 46 弾性体 51 シリンダ 52,53 シリンダ側筒状部材 54 ロッド 55,56 ロッド側筒状部材 57 シール部材 61 数値モデル 63 粘弾性ダンパ 64 シリンダ 66a〜66d 摩擦部材 67 ロッド 70 粘弾性ダンパ 71 第1摺動板 72 第2摺動板 73,74 摩擦板 77 押圧機構

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 柱と梁とにより形成された空間内に所定
    角度傾斜させて取り付けられるブレースに減衰特性の異
    なる第1、第2の減衰力発生手段を設け、 該第1、第2の減衰力発生手段の夫々の減衰力の比率を
    構造物の重量に応じて任意の比率に設定したことを特徴
    とするブレースダンパ。
  2. 【請求項2】 前記請求項1記載のブレースダンパであ
    って、 前記第1、第2の減衰力発生手段の減衰力F1,F2の
    比を、 構造物の総重量Wが40≦W≦50tonの場合、F
    1:F2=m:n (但し、m≧100N,n≧1599N)に設定し、 構造物の総重量Wが50≦W≦70tonの場合、F
    1:F2=m:n (但し、m≧140N,n≧1599N)に設定し、 構造物の総重量Wが70≦W≦100tonの場合、F
    1:F2=m:n (但し、m≧255N,n≧1594N)に設定したこ
    とを特徴とするブレースダンパ。
  3. 【請求項3】 前記請求項1及び請求項2記載のブレー
    スダンパであって、前記複数の減衰力発生手段は、 1階にq本(但し、q≧6)、2階に1/3q本、3階
    に1/3q本配設されたことを特徴とするブレースダン
    パ。
  4. 【請求項4】 前記請求項1乃至請求項3記載のブレー
    スダンパであって、 前記第1、第2の減衰力発生手段は、 前記ブレースに対し並列に配設されたことを特徴とする
    ブレースダンパ。
  5. 【請求項5】 前記請求項1乃至請求項4記載のブレー
    スダンパであって、 前記第1、第2の減衰力発生手段のうち前記減衰力の大
    きい方の減衰力発生手段は、微小変位に対する不感帯を
    有する構成であることを特徴とするブレースダンパ。
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