JPH11247460A - 加圧成形コンクリート部材の補修方法 - Google Patents

加圧成形コンクリート部材の補修方法

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JPH11247460A
JPH11247460A JP7128998A JP7128998A JPH11247460A JP H11247460 A JPH11247460 A JP H11247460A JP 7128998 A JP7128998 A JP 7128998A JP 7128998 A JP7128998 A JP 7128998A JP H11247460 A JPH11247460 A JP H11247460A
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JP
Japan
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concrete
hoop
neutralization
condition
repair
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JP7128998A
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Takeshi Mochizuki
武 望月
Mitsunori Kuriyama
実則 栗山
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加圧成形コンクリート部材の中性化速度と鉄
筋腐食速度の算定が可能であり、寿命予測とともに補修
・更新に関する最適設計が可能である補修方法を提供す
る。 【解決手段】 フープ筋までのかぶり厚をt(mm)、
フープ筋の直径をd(mm),コンクリートの中性化速
度をn(mm/y)、フープ筋の腐食速度をc ( mm/
y)、新設からの経年をYとしたとき、t/n<Y<t/
n+d/cの条件に該当する部材を補修対象とし、Y<
t/nの条件に該当する部材を無補修とし、Y>t/n
+d/cの条件に該当する部材を更新する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】 本発明は高炉の鋳床などに
使用される水セメント比の小さい加圧成形コンクリート
部材の補修と更新に関するものである。
【0002】
【従来の技術】 工期短縮の観点から、プレキャストで
高強度(σck=600kg/cm2)を期待できる加
圧成形コンクリートは、今後とも多用が予想される。加
圧成形コンクリートにおいても一般コンクリートと同様
に中性劣化は不可避の現象であり、新設からある年数経
過した時点で補修・更新の要否を点検し、適時に実行す
る必要がある。
【0003】従来のコンクリートの中性化速度に関する
算定方法としては、次のものが挙げられる。岸谷博士の
中性化速度式
【数1】 y:暴露期間 R:中性化比率(0.2〜2.2) x:水セメント比 c:中性化深さ 依田彰彦の中性化算定式( 普通ポルトランドセメント使
用、屋外暴露)
【数2】 y:暴露期間 αβγ:コンクリート品質、仕上材、環境を代表する係数 x:水セメント比 c:中性化深さ
【0004】中性劣化したコンクリートの補修ないしは
更新の判定については、一般には目視調査の結果をより
どころに、劣化度合いに応じて行っている。また、一部
「鉄筋コンクリート造建築物の耐久性向上技術」(国土
開発技術研究センター)で報告されているように、中性
化深さおよび中性化速度を実測し、それらと鉄筋かぶり
や中性化速度計算式を総合検討して補修要否を算定する
方法もあるが、前述の[数1]をもとに検討を行うもの
である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、上記
岸谷の中性化速度式によれば、x=38.26の場合、
算定される中性化深さ(c)は零となり、また依田の中
性化速度式によれば、x=38.44の場合、算定され
る中性化深さ(c)は零となるのであるが、実際にはこ
れよりも水セメント比が小さいコンクリートであって
も、徐々にではあるが中性化は進行している。このこと
は、実測結果から確認されている。そのため、低水セメ
ント比の鉄筋コンクリートである加圧成形コンクリート
部材に対してこれらの算定式を信頼性高く使用すること
はできない。また、目視によって把握された現状の劣化
状況をもとに補修・更新の要否判定を行う従来の手法で
は、将来の寿命予測および最適な補修・更新のタイミン
グ設定が不可能である。
【0006】したがって本発明の目的は、加圧成形コン
クリート部材の中性化速度と鉄筋腐食速度の算定が可能
であり、加圧成形コンクリート部材の寿命予測とともに
補修・更新に関する最適設計が可能である補修方法を提
供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】 請求項1の発明の加圧
成形コンクリート部材の補修方法では、経年劣化した加
圧コンクリート部材を補修するに当たり、該部材のフー
プ筋までのかぶり厚をt(mm)、フープ筋の直径をd
(mm),コンクリートの中性化速度をn(mm/y)、
フープ筋の腐食速度をc ( mm/y)、該部材の新設から
の経年をYとしたとき、t/n<Y<t/n+d/cの
条件に該当する部材についてのみ補修することとし、Y
<t/nの条件に該当する部材については無補修とし、
Y>t/n+d/cの条件に該当する部材については更
新するものとする。
【0008】請求項2の発明では、高炉の鋳床を形成し
ている加圧成形コンクリート部材の補修方法において、
腐食環境の程度により一般環境エリアと特殊環境エリア
とに鋳床をゾーニングし、各エリアに対応するコンクリ
ートの中性化速度n(mm/y)とフープ筋の腐食速度
c(mm/y)をそれぞれ使用する。
【0009】本発明の加圧成形コンクリート部材は、水
セメント比が40%以下、通常は25〜30%のフレッ
シュコンクリートを型枠に投入して、鉄筋を内包した状
態で所要形状にプレス成形し、加圧蒸気養生したもので
ある。この部材は、高炉の鋳床の床版部材や梁部材など
の構造部材として使用される。加圧成形コンクリート部
材の補修・更新の要否判定に当たって、コンクリートの
中性化速度n(1年間当たりの中性化進行深さ)(mm
/y)と、フープ筋の腐食速度c(1年間当たりの腐食
の進行深さ)(mm/y)は、対象とする加圧成形コン
クリート部材と同様な中性化促進環境に置かれている同
種の加圧成形コンクリート構造物における中性化深さの
実測値を考慮して設定される。そして、部材表面からフ
ープ筋までのコンクリートのかぶり厚tが実測され、フ
ープ筋の直径dが部材の当初設計のデータ記録から読み
出され、部材の新規設置時点からの経過年数が計算され
る。これらの数値を上記した補修・更新の要否判定式に
代入し、補修・無補修・更新を床版の構成部材ごとに判
断し、補修工事や更新工事を実行する。
【0010】図1のグラフは、中性化と鉄筋腐食が進行
している加圧成形コンクリート部材の梁について補修又
は更新の判定を行なう場合を示している。同グラフにお
いて横軸は梁部材の新設時点からの経過時間を示し、縦
軸は梁部材の耐力低下の度合いを示している。同グラフ
の付属表に示した通り、コンクリートの中性化は初期段
階では緩慢に進行し( 第一期) 、コンクリートの中性化
がフープ筋のかぶり部分にまで進行すると、フープ筋の
腐食が開始される。第一期では、Y<t/nの条件を満
足し、補修の必要性はない。この時点を過ぎると、ある
時点でフープ筋が破断し( 第二期) 、この過程で主筋も
腐食を開始する。かぶりコンクリートにはクラックない
し剥離が発生し、フープ筋と主筋は減肉状態にある。第
二期では、t/n<Y<t/n+d/cの条件を満足
し、耐力低下は約2割程度であるため補修によって復元
可能である。腐食が更に進行したある時点では、フープ
筋が破断し、耐力が急激に低下する。引き続いて主筋も
破断するに至り、じん性が大幅に低下し、耐力は復元不
可能な状態となる( 第三期) 。この第三期では、Y>t
/n+d/cの条件を満足し、当該部材は更新の対象と
なる。
【0011】同一プラントにおいても腐食環境の条件如
何によって腐食の進行状況には大きな差異があるから、
コンクリートの中性化速度nとフープ筋の腐食速度cを
プラント全域の各部材に一律に適用することは、避ける
べきである。なぜならば、中性化速度や鉄筋腐食速度の
設定値が、比較的緩い方の腐食環境に準じて設定されて
いるときには、厳しい腐食環境にある部材は、実際には
大きく中性化と腐食が進行しているにもかかわらず、中
性化と鉄筋腐食のレベルが小さく算定される危険がある
からである。逆に厳しい方の腐食環境に準じて中性化速
度や鉄筋腐食速度速度が設定されたときには、緩い方の
腐食環境にある部材は、実際にはそれほど中性化と鉄筋
腐食が進行していないのにもかかわらず、補修や更新の
対象となり、不経済だからである。
【0012】そのため、本発明では、腐食環境の程度に
応じてコンクリートの中性化速度nとフープ筋の腐食速
度cを個別に設定して使用する。図2は腐食環境に応じ
て中性化速度と腐食速度を設定するときの作業の流れを
モデル化して示したものである。まず最初に腐食条件調
査がなされる。その大きな項目は、加圧成形コンクリー
ト部材が中性化ガス雰囲気に曝されているか否か、曝さ
れている場合にはその時間である。次に腐食環境別のゾ
ーニングがなされ、特殊部として腐食条件が厳しいエリ
アが規定され、一般部として腐食条件の緩いエリアが規
定される。その後、各ゾーンの劣化速度の設定を行うの
であるが、これには同様な環境条件に置かれている同種
部材について実測されたデータの集積が現地調査の結果
とともに参考に使用される。このモデルでは、特殊部の
コンクリートの中性化速度は1.8mm/y、フープ筋
腐食速度は0.3mm/yと設定し、一般部については
中性化速度を0.65mm/y、腐食速度を0.06m
m/yと設定してある。加圧成形コンクリート部材の履
歴調査がなされ、該部材の新設時期、前回の補修時期、
前回の更新時期が調べられ、当初のコンクリートのかぶ
り厚とフープ筋の直径が記録データから確認される。こ
のような準備過程を経てから、残存耐力・耐力寿命が算
定され、各ゾーンの部材ごとに補修の要否、補修ないし
更新の時期が決定される。
【0013】
【発明の実施の形態】 図3はある製鉄所の高炉の稼動
と休止サイクルを示したものであり、この高炉の改修に
付随して鋳床の補修・更新が検討された。腐食環境ゾー
ニングとしては、高炉稼動期間中を特殊部と規定し、高
炉休止中を一般部と規定した。鋳床に使用されている加
圧成形コンクリート部材の履歴としては、高炉稼動当初
に新設され、その後、補修や更新は一切行われていなか
った。この部材1におけるコンクリート2のかぶり厚と
フープ筋3および主筋4の直径は図4に示した通りであ
った。このような事例において前記算定評価式を使用し
て、残存耐力と耐力寿命予測がなされ、 フープ筋まで中性化が到達する期間:10mm/1.8
mm/y=5.6y フープ筋が腐食破断するまでの期間:6mm/0.6m
m/y=10.0y となった。布設累積期間(25.3y)>フープ筋破断
までの期間(15.6y)となったため、現段階で既に
大幅な耐力低下とじん性低下が生じているものと判断さ
れた。実際に何箇所かの部分についてフープ筋と主筋の
ところまで破壊して検証したところ、現状と予測結果は
よく合致していた。そのため、当該鋳床は更新によって
対応することになった。
【0014】
【発明の効果】 以上のように請求項1の発明の補修方
法では、コンクリートのフープ筋までのかぶり厚t、フ
ープ筋の直径d、コンクリートの中性化速度n、フープ
筋の腐食速度cをパラメータとして選択し、それまでの
実測データの集積を解析して設定した中性化速度および
腐食速度、ならびに当初設計値として記録から確認され
るかぶり厚および鉄筋直径( 状況と必要に応じて現在の
実測値がサンプリングされる) を補修要否判定式にイン
プットするものであるから、加圧成形コンクリート部材
の寿命予測を当該部材の現状と大きな狂いなく確実に行
うことができ、必要な箇所のみの補修・更新をタイムリ
ーに実行することができる。
【0015】請求項2の発明では、腐食環境条件の程度
によって一般部の環境エリアと特殊部の環境エリアに対
象部材をゾーニングし、コンクリートの中性化速度とフ
ープ筋の腐食速度を各エリアの環境条件に対応して設定
するので、各エリアのコンクリート部材の寿命予測を環
境条件に見合ったかたちで個別に行うことができ、タイ
ミング遅れのない補修・更新を最適設計のもとに実行で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の補修方法の一実施例における加圧成
形コンクリート部材の耐力低下とフープ筋の腐食状況と
の相関関係を示すグラフである。
【図2】 環境条件に応じてゾーニングして補修の要否
判断を行う一例を示すフローチャートである。
【図3】 鋳床のコンクリート部材が補修要否の検討対
象になっている高炉の稼動と休止サイクルを示す図であ
る。
【図4】 図3の鋳床のコンクリート部材におけるかぶ
り厚と鉄筋直径を示す一部断面図である。
【符号の説明】
1 加圧成形コンクリート部材 2 コンクリート 3 フープ筋 4 主筋

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 経年劣化した加圧コンクリート部材を補
    修するに当たり、該部材のフープ筋までのかぶり厚をt
    (mm)、フープ筋の直径をd(mm),コンクリート
    の中性化速度をn(mm/y)、フープ筋の腐食速度をc
    ( mm/y)、該部材の新設からの経年をYとしたとき、 t/n<Y<t/n+d/c の条件に該当する部材についてのみ補修することとし、 Y<t/n の条件に該当する部材については無補修とし、 Y>t/n+d/c の条件に該当する部材については更新することを特徴と
    する加圧成形コンクリート部材の補修方法。
  2. 【請求項2】 高炉の鋳床を形成している加圧成形コン
    クリート部材の補修方法において、腐食環境の程度によ
    り一般環境エリアと特殊環境エリアとに鋳床をゾーニン
    グし、各エリアに対応するコンクリートの中性化速度n
    (mm/y)とフープ筋の腐食速度c(mm/y)をそ
    れぞれ用いることを特徴とする請求項1に記載の加圧成
    形コンクリート部材の補修方法。
JP7128998A 1998-03-05 1998-03-05 加圧成形コンクリート部材の補修方法 Withdrawn JPH11247460A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005049192A (ja) * 2003-07-28 2005-02-24 Okumura Corp コンクリート構造物の中性化深さの予測方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005049192A (ja) * 2003-07-28 2005-02-24 Okumura Corp コンクリート構造物の中性化深さの予測方法

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