JPH11247258A - 洗浄水の供給装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】強力な洗浄能力を有する洗浄水を、使用開始前
に予め高濃度に生成し、一気に流して十分な洗浄効果の
確保と、人体の安全性を確立する。 【解決手段】オゾン水又はイオン水等の強力な洗浄能力
を有する洗浄水の生成装置を組み込み、人体検知センサ
ーで当該生成装置の少なくともＯＮ動作を制御できるよ
うにし、人体を検知したときから洗浄水の生成装置をＯ
Ｎ動作させて洗浄水の濃度を高め、実際の洗浄水の吐出
時には高濃度の洗浄水を吐出する。小便器使用時に、オ
ゾン水又はイオン水等の生成装置を長い時間かけてＯＮ
動作を継続させておく必要がなく、高濃度の洗浄水を短
時間流すだけで十分な洗浄効果を得ることができ、人体
との接触機会を少なくでき、また高濃度の洗浄水と配管
等の使用部材との接触機会を少なくしてその劣化を軽減
できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、強力な洗浄能力を
有するオゾン水又はイオン水等を生成し、このオゾン水
又はイオン水等の洗浄水によって小便器本体の便鉢内面
等の洗浄を行うようにした洗浄水の供給装置に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】通常、小便器本体の便鉢内面を洗浄する
場合は、水道水を利用して洗浄するのが一般的である。
しかしながら、水道水による洗浄だけでは、水道水に含
まれる塩素等が殺菌及び防汚等に寄与するだけであり、
十分な殺菌、防汚等の効果が得られず、尿石が付着成長
し易いという問題があった。そのため、従来では、小便
器本体の殺菌、防臭、防汚等を行うことを目的として電
気分解により生成した酸性水（イオン水）を利用したも
のやオゾン水を利用したものが公知である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、酸性水やオ
ゾン水を利用するものでは、その濃度が一定であるため
に、洗浄水の供給を長い時間をかけて行う必要があっ
た。そのため、小便器本体の配管類やシャワートイレ等
の付属機器の配管類等が酸性水やオゾン水と接触する時
間が長くなり、その影響を受けて劣化し易いという問題
があった。また人体の安全面を考えると、オゾン水を生
成する場合のオゾンガスの発生は、できるだけ短い方が
よく、その接触機会は少ない方がよいことは当然であ
る。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は従来の前記課題
に鑑みてこれを改良除去したものであって、強力な洗浄
能力を有する洗浄水を、使用開始前に予め高濃度に生成
しておき、一気に流して十分な洗浄効果の確保と、人体
の安全性を確立せんとするものである。

【０００５】而して、前記課題を解決するために本発明
が採用した手段は、洗浄水の供給系路の途中に、オゾン
水又はイオン水等の強力な洗浄能力を有する洗浄水の生
成装置を組み込み、人体検知センサーで当該生成装置の
少なくともＯＮ動作を制御できるようにし、人体を検知
したときから洗浄水の生成装置をＯＮ動作させて洗浄水
の濃度を高め、実際の洗浄水の吐出時には高濃度の洗浄
水を吐出するようにしている。従って、オゾン水又はイ
オン水等の生成装置を長い時間かけてＯＮ動作を継続さ
せておく必要がなく、高濃度の洗浄水を短時間流すだけ
でも十分な洗浄効果を得ることができ、また人体との接
触機会を少なくすることができる。更には、強力な洗浄
能力を有する高濃度の洗浄水と配管等の使用部材との接
触機会を少なくしてその劣化を軽減することも可能であ
る。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下に、本発明の構成を図面に示
す発明の実施の形態に基づいて説明すると次の通りであ
る。図１〜図３は本発明の一実施の形態に係るオゾン水
洗浄小便器１を示すものであり、図１はその機器室２の
縦断面正面図、図２は同機器室２の横断平面図、図３は
全体構成を示す概略図である。同図に示す如く、このオ
ゾン水洗浄小便器１では、小便器本体１ａの上部側にカ
バー３を取り付けてその内部に機器室２を形成してい
る。

【０００７】そして、機器室２に、フラッシュバルブ４
とオゾン水生成装置５と自動洗浄装置の人体検知センサ
ー６とを組み込んでいる。フラッシュバルブ４とオゾン
水生成装置５とは、共通のベース板７を介して小便器本
体１ａの上面側へビス８により固定されている。人体検
知センサー６は、カバー３の前面側の内面中央に取り付
けられており、人体検知のための赤外線等が出入りでき
る窓９が設けられている。フラッシュバルブ４は、水道
管等へ連通する給水管１０の途中に組み込まれており、
給水管１０は小便器本体１ａのスプレーダ室１１へ連通
接続されている。また給水管１０のフラッシュバルブ４
よりも下流の位置で小便器本体１ａとの間には、分岐水
栓１２が取り付けられている。

【０００８】なお、前記カバー３は、ボルト１５を介し
て小便器本体１ａの上部に固定されたベース板７に取り
付けられている。そのため、このボルト１５を取り外す
ことにより、カバー３を小便器本体１ａから分離するこ
とができ、ベース板７上に組み込まれたフラッシュバル
ブ４及びオゾン水生成装置５、自動洗浄装置の機器類等
を露出させて、これをメンテナンスすることが容易であ
る。

【０００９】一方、オゾン水生成装置５は、オゾン発生
器１３とオゾン混合器１４とから成る。オゾン発生器１
３は、放電している電極間に空気を通過させることで放
電による化学作用を得、オゾン化されたガスを発生させ
る従来周知の技術である。またオゾン混合器１４は、前
記オゾン発生器１３で発生したオゾン化されたガスをタ
ンクへ溜めた水の中へ吹き込んで溶解させ、オゾン水を
生成する従来周知の技術である。余剰オゾンはオゾン発
生器１３へ回収され、再利用されるようになっている。
従って、オゾン発生器１３は、オゾン供給管１３ａ及び
余剰オゾンの回収管１３ｂを介してオゾン混合器１４と
連通接続されている。またオゾン供給杆１３ａの途中に
は、洗浄水がオゾン発生器１３へ逆流するのを防止する
ための逆止弁１６が設置されている。尚、余剰オゾンの
回収管１３ｂとオゾン混合器１４との間には、図示は省
略するが、余剰オゾンガスと、洗浄水とを分離して余剰
オゾンガスのみをオゾン発生器１３へ回収するための気
液分離装置等が取り付けられている。更に、オゾン混合
器１４の流入口側は、分岐管１４ａを介して分岐水栓１
２と連通接続されており、吐出側は分岐管１４ｂを介し
て小便器本体１ａ側の給水管１０へ連通接続されてい
る。

【００１０】上述の如くして生成されたオゾン水に含ま
れるオゾンは、容易に第３原子を分離するため自然界で
はフッ素に次ぐ強い酸化力を持った活性酸素種であり、
この化学的に活性な性質を利用して殺菌、脱臭、防汚、
有機化合物の分解等の効果が得られる。この活性な性質
は、最近の細胞壁、細胞膜、染色体、ＤＮＡ、ＲＮＡ等
を酸化させ、菌の増殖を抑える抗菌効果が得られるだけ
でなく、これを死滅させる殺菌効果がある。また、この
活性な性質は、水道水中に含まれる鉄、マンガン、カル
シウム、マグネシウム、ケイ素等の水垢を形成する成分
を酸化させ、凝集させるため、便鉢内壁に付着すること
なく、排出、除去させるという効果も得られる。更に、
オゾンは、自己分解するので、残留性が少なく、二次公
害等の問題も発生しないという利点がある。

【００１１】次に、このように構成されたオゾン水を小
便器１へ供給する装置の動作態様を説明する。使用に際
し、例えば、トイレ室へ入ると、カバー３の前面側上部
に取り付けられた人体検知センサー６がこれを検知して
オゾン発生器１３をＯＮ動作させる。これにより、オゾ
ン発生器１３は、オゾンガスを発生させると共に、発生
したオゾンガスを循環させる等してそのオゾン濃度を予
め高くする。このような状態から使用者が小便器本体１
ａの前に所定時間以上連続して立つと、人体検知センサ
ー６が小用であると判断する。そして、使用者が小便器
本体１ａから離れると、フラッシュバルブ４とオゾン発
生器１３とオゾン混合器１４とへこれを動作させるべく
信号を出力する。これにより、フラッシュバルブ４がフ
ラッシュ動作を開始し、所定時間の間、その主弁を開い
て水道水を小便器本体１ａのスプレーダ室１１と分岐水
栓１２を介してオゾンの混合器１４とへ供給を始める。
これと同時に、オゾン発生器１３では予め高濃度に生成
しておいたオゾンガスを混合器１４へ供給する。

【００１２】高濃度のオゾンガスは、オゾン供給管１３
ａからオゾン混合器１４へエゼクター方式等により供給
され、前記水道水と混合する。この混合により、ガス化
されたオゾンは水道水の中へ溶解し、高濃度のオゾン水
となる。オゾン水は、分岐管１４ｂを介して給水管１０
へ戻され、スプレーダー室１１へ供給される。そして、
小便器本体１ａの便鉢洗浄に用いられる。オゾン混合器
１４において、水の中へ溶解し得なかった余剰オゾン
は、図示しない気液分離装置及び回収管１３ｂを介して
オゾン発生器１３へ回収され、再利用に供される。

【００１３】このようにして高濃度のオゾン水による小
便器本体１ａの洗浄が行われるので、オゾンが本来的に
有する優れた殺菌、防臭、防汚、尿石を含む有機化合物
の分解等が得られる。しかも、オゾンガスの濃度が高濃
度であるため、オゾン水の洗浄能力は、通常のオゾン水
の場合よりも高く、トータル的なオゾン水による洗浄時
間を短くした場合であっても、十分な殺菌、防臭、防
汚、尿石を含む有機化合物の分解を得ることができる。
従って、小便器１の洗浄開始後、直ぐにオゾン発生器１
３及びオゾン混合器１４をＯＦＦ動作させた場合であっ
ても、十分なオゾン水による洗浄効果を得ることができ
る。しかも、この場合、オゾン水を供給する配管類等の
使用部材がオゾン水と接触する時間を少なくでき、その
劣化を著しく軽減することが可能である。またオゾン発
生器１３は、使用者がトイレ室に入室したことを検知し
てオゾンガスを生成するので、小便器本体１ａの前へ使
用者が立った状態でのオゾンガスを生成している時間が
短く、仮にオゾンガスが漏れ出たとしてもその影響を小
さくでき、人体に対する安全性を確立することが可能で
ある。

【００１４】所定時間のフラッシュ動作が終了すると、
フラッシュバルブ４はその主弁を閉塞し、小便器本体１
ａ側への洗浄水の供給を停止する。なお、この実施の形
態の装置の場合、既に、オゾン発生器１３及びオゾン混
合器１４はＯＦＦ動作をしており、小便器洗浄の開始直
後に高濃度のオゾン水を供給した後は、通常の水道水に
よる洗浄のみが行われる。

【００１５】ところで、オゾン発生器１３は、図１の鎖
線で示すように、オゾン混合器１４よりも高い位置に設
置することが可能である。この場合は、オゾン混合器１
４からの供給水が逆流しなくなるという利点がある。ま
た本発明は上述した実施の形態に限定されるものではな
く、強力な洗浄能力を有する洗浄水としてオゾン水以外
にも、電気分解装置により分解した酸性水（イオン水）
やその他の市販されているトイレ洗浄剤を溶かした洗浄
水等を用いることが可能である。

【００１６】

【発明の効果】以上説明したように本発明にあっては、
洗浄水の供給系路の途中に、オゾン水又はイオン水等の
強力な洗浄能力を有する洗浄水の生成装置を組み込み、
人体検知センサーで当該生成装置の少なくともＯＮ動作
を制御できるようにし、人体を検知したときから洗浄水
の生成装置をＯＮ動作させて洗浄水の濃度を高め、実際
の洗浄水の吐出時には高濃度の洗浄水を吐出するように
したから、小便器使用時に、オゾン水又はイオン水等の
生成装置を長い時間かけてＯＮ動作を継続させておく必
要がなく、高濃度の洗浄水を短時間流すだけでも十分な
洗浄効果を得た上で、人体との接触機会を少なくするこ
とができ、人体に対する安全性を確立することができ
る。また強力な洗浄能力を有する高濃度の洗浄水と配管
等の使用部材との接触機会を少なくしてその劣化を軽減
することが可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態に係る小便器の機器室を
示す縦断面図である。

【図２】本発明の一実施の形態に係る小便器の機器室を
示す横断平面図である。

【図３】本発明の一実施の形態に係る小便器の全体構成
を示す概略図である。

【符号の説明】

１…小便器 １ａ…小便器本体 ４…フラッシュバルブ ５…オゾン水生成
装置 ６…人体検知センサー １０…給水管 １２…分岐水栓 １３…オゾン発生
器 １４…オゾン混合器

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】洗浄水の供給系路の途中に、オゾン水又は
   イオン水等の強力な洗浄能力を有する洗浄水の生成装置
   を組み込み、人体検知センサーで当該生成装置の少なく
   ともＯＮ動作を制御できるようにし、人体を検知したと
   きから洗浄水の生成装置をＯＮ動作させて洗浄水の濃度
   を高め、実際の洗浄水の吐出時には高濃度の洗浄水を吐
   出するようにしたことを特徴とする洗浄水の供給装置。