JPH11246586A - 放射標識化オリゴ糖 - Google Patents

放射標識化オリゴ糖

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JPH11246586A
JPH11246586A JP10052216A JP5221698A JPH11246586A JP H11246586 A JPH11246586 A JP H11246586A JP 10052216 A JP10052216 A JP 10052216A JP 5221698 A JP5221698 A JP 5221698A JP H11246586 A JPH11246586 A JP H11246586A
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JP
Japan
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radiolabeled
glycolipid
sugar chain
hexaose
neo
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JP10052216A
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English (en)
Inventor
Yoshihiro Ikeuchi
義弘 池内
Norinobu Matsubara
範宜 松原
Shuichi Yanagidaira
修一 柳平
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Snow Brand Milk Products Co Ltd
Original Assignee
Snow Brand Milk Products Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放射標識化オリゴ糖及び製造法を提供する。 【解決手段】 糖鎖部分が放射標識化された糖脂質に、
糖脂質の脂質部分と糖鎖部分との結合を特異的に切断す
る性質を有する酵素を作用させて、糖脂質の脂質部分と
糖鎖部分との結合を切断した後、糖鎖部分を分離回収し
て、放射標識化オリゴ糖を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放射標識化オリゴ
糖及びその製造法に関する。本発明の方法によると安全
かつ簡便に放射標識化オリゴ糖を製造することができ
る。また、本発明の放射標識化オリゴ糖を使用すること
により、オリゴ糖の体内動態追跡実験等を容易に行うこ
とができる。
【0002】
【従来の技術】糖質研究の最近の進歩に伴って、糖質
は、単なるエネルギー源としての役割の他に、生体内で
の情報伝達物質として非常に重要な役割を担っているこ
とが徐々に明らかになってきた。そして、複合糖質やオ
リゴ糖が与える情報(シグナル)が、生体内に劇的な変
化をもたらす例が数多く知られており、その意味で複合
糖質糖鎖やオリゴ糖は、機能性糖質と呼ばれることがあ
る。
【0003】ところで、オリゴ糖の機能は、現在では、
様々な分野で注目されているが、栄養学者や医学者の間
では、比較的古くから食餌性の機能性栄養因子として注
目されていた。すなわち、新生児にとっての唯一の栄養
源である母乳中には、大部分を占める乳糖の他に、現在
知られているだけでも20種類以上のオリゴ糖が含まれて
おり、これらのオリゴ糖が新生児に必要不可欠な役割を
担っているということが類推されていた。事実、その後
の研究により、オリゴ糖には、ウイルス等に対する感染
防御能や腸内菌叢の改善効果、便性の改善効果等、様々
な機能が見出されている。しかしながら、経口投与後に
消化吸収されたオリゴ糖の生理機能については、あまり
明らかになっていないばかりか、消化吸収された既知の
オリゴ糖の形態や体内動態すらも殆ど明らかになってい
ない現状にある。
【0004】このような状況にある原因の一つとして
は、実験可能な量のオリゴ糖を確保することが非常に困
難であるということが挙げられる。乳中から分離精製す
るにしても、有機化学的に合成するにしても、オリゴ糖
を調製するに際しては、多くの工程や労力が必要となる
からである。
【0005】一方、種々の物質の体内動態を研究するに
際しての最も有効な方法の一つとして、放射標識化物質
を使用する方法が挙げられる。この放射標識化物質を使
用する方法は、検出感度が非常に高く、また、投与した
放射標識化物質と生体内に元々存在する物質との区別が
容易に行えることから、細胞を使った実験や体内動態の
追跡実験に非常に有効である。さらに、放射能の検出技
術も年々進歩しており、より複雑な系で、より感度良
く、より簡便に種々の実験が行えるようになってきてい
る。
【0006】しかしながら、放射標識化物質を使用する
方法においても、必須条件である放射標識化物質の入手
が必ずしも容易ではないという問題がある。すなわち、
目的の放射標識化物質が既に市販されており、入手が可
能であれば問題はないが、放射標識化物質の入手が不可
能な場合には、予め放射標識化物質を調製しておく必要
が生じる。例えば、放射標識化オリゴ糖を調製する方法
としては、(1) オリゴ糖自体に放射線を照射して直接放
射標識化オリゴ糖を得る方法、(2) 糖受容体と放射標識
化糖ヌクレオチドとを基質として、糖転移酵素を作用さ
せることにより放射標識化オリゴ糖を調製する方法、
(3) 放射標識化糖質を原料として、有機合成化学的に放
射標識化オリゴ糖を調製する方法等が考えられるが、
(1) の方法で放射標識化オリゴ糖を調製する場合、放射
標識化されている部位や分子当たりの放射能量が特定で
きないという欠点を有している。また、(2) の方法で放
射標識化オリゴ糖を調製する場合、基質とする放射標識
化糖ヌクレオチドの調製が困難であったり、糖転移酵素
の基質特異性が高いために、調製が可能なオリゴ糖の種
類が非常に限定されるという欠点を有している。さら
に、(3) の方法で放射標識化オリゴ糖を調製する場合、
多様なオリゴ糖を調製する技術が既に確立されている
が、放射標識化オリゴ糖を調製するに際しては、合成段
階や収量、精製等の面で困難が生じる。すなわち、多官
能性である糖質をある特定の部位に特定の結合様式で結
合させるには、糖受容体と糖供与体のそれぞれに計画的
に保護基を導入して立体選択的な反応により両者を結合
させ、必要に応じて副反応物を除去した後、保護基を除
去する必要が生じるが、合成に放射標識化物質を使用し
ているので、反応系に使用した試薬、溶媒の他、抽出や
クロマトグラフィーに使用した溶媒等も、全てが放射能
汚染物質になる。したがって、合成のステップ数に応じ
て放射能汚染物質が増加し、作業者が被曝する危険性も
増大するという欠点を有している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、体内動
態の追跡実験等に使用することができる放射標識化オリ
ゴ糖を安全かつ簡便に製造する方法を確立するべく、鋭
意研究を進めてきたところ、糖鎖部分が放射標識化され
た糖脂質に、糖脂質の脂質部分と糖鎖部分との結合を特
異的に切断する性質を有する酵素を作用させて、糖脂質
の脂質部分と糖鎖部分との結合を切断した後、糖鎖部分
を分離回収することにより、放射標識化オリゴ糖を安全
かつ簡便に製造することができることを見出し、本発明
を完成するに至った。
【0008】したがって、本発明は、糖鎖部分が放射標
識化された糖脂質に、糖脂質の脂質部分と糖鎖部分との
結合を特異的に切断する性質を有する酵素を作用させ
て、糖脂質の脂質部分と糖鎖部分との結合を切断した
後、糖鎖部分を分離回収することにより得ることができ
る放射標識化オリゴ糖を提供することを課題とする。ま
た、本発明は、糖鎖部分が放射標識化された糖脂質に、
糖脂質の脂質部分と糖鎖部分との結合を特異的に切断す
る性質を有する酵素を作用させて、糖脂質の脂質部分と
糖鎖部分との結合を切断した後、糖鎖部分を分離回収し
て放射標識化オリゴ糖を製造する方法を提供することを
課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明では、糖鎖部分が
放射標識化された糖脂質に、糖脂質の脂質部分と糖鎖部
分との結合を特異的に切断する性質を有する酵素を作用
させて、糖脂質の脂質部分と糖鎖部分との結合を切断し
た後、糖鎖部分を分離回収することにより、放射標識化
オリゴ糖を得る。
【0010】人乳中や牛乳中等に含まれている糖脂質
は、主にセラミドと呼ばれる脂質部分とオリゴ糖鎖部分
とが結合したスフィンゴ糖脂質であるが、この糖脂質の
糖鎖部分の還元末端は、糖蛋白質のようにN−アセチル
グルコサミンやN−アセチルガラクトサミン等ではな
く、グルコースやガラクトース等であり、セラミド部分
を除いて考えると人乳中や牛乳中等に含まれているオリ
ゴ糖と同一の構造を有している。
【0011】本発明者らは、この糖脂質の糖鎖部分とオ
リゴ糖との相同性に着目し、糖脂質のことをオリゴ糖の
中で最も反応性に富む還元末端がセラミド等の脂質部分
により保護された化合物であると考えた。そこで、糖脂
質の糖鎖部分のオリゴ糖を放射標識化した後、エンドグ
リコセラミダーゼ等の酵素を作用させて、糖脂質の脂質
部分と糖鎖部分の放射標識化オリゴ糖との結合の切断を
試みたところ、容易に脂質部分と放射標識化オリゴ糖と
の結合を切断することができた。そして、フォルチの分
配液等で抽出処理し、有機溶媒層に糖脂質及び脂質部分
を抽出して除去することにより、水層に放射標識化オリ
ゴ糖を容易に回収することができた。なお、有機溶媒の
除去も窒素気流等を使用することにより、安全かつ簡便
に行うことができた。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明では、糖鎖部分が放射標識
化された糖脂質に、糖脂質の脂質部分と糖鎖部分との結
合を特異的に切断する性質を有する酵素を作用させて、
糖脂質の脂質部分と糖鎖部分との結合を切断した後、糖
鎖部分を分離回収して放射標識化オリゴ糖を得る。
【0013】本発明で使用する糖鎖部分が放射標識化さ
れた糖脂質においては、放射標識化される原子に特に制
限はなく、炭素、水素、窒素等いずれの原子が放射標識
化されていても構わない。また、複数種の放射標識化が
なされているものでも構わない。いずれにしても、放射
標識化オリゴ糖の使用目的により、適宜、選択すれば良
い。
【0014】そして、この放射標識化糖脂質は、例え
ば、糖脂質に直接放射線を照射するという方法により調
製することができる。なお、この方法では、放射標識化
されている部位や放射能量を特定できないという欠点が
ある。しかし、放射標識化オリゴ糖の使用目的によって
は、簡便で有効な方法であるといえる。
【0015】また、放射標識化糖ヌクレオシドを基質と
し、糖転移酵素を作用させて放射標識化糖脂質を調製す
ることができる。糖脂質の場合、様々な生物種で詳細な
生合成経路が明らかになっており、その生合成経路で作
用する合成酵素の遺伝子がクローニングされているもの
もある。これらのことから、放射標識化糖ヌクレオシド
を基質として使用することにより、特定の糖脂質の特定
の部位に放射標識化することができる。
【0016】さらに、特定の糖脂質を多く産生する酵母
等の微生物や動物細胞を利用して放射標識化糖脂質を調
製することができる。すなわち、これらの微生物や細胞
を放射標識化炭素や放射標識化窒素等の原子を含む培地
で培養し、目的とする原子を放射標識化したり、また、
これらの微生物や細胞を放射標識化糖ヌクレオシドを含
む培地で培養し、目的とする部位を放射標識化した糖脂
質を得ることができる。
【0017】また、糖脂質の化学修飾も簡便で有効な方
法である。例えば、分子内にN−アセチル基を有する糖
脂質においては、N−アセチル基を一時的に除去した
後、放射標識化物質でアセチル化してN−アセチル基を
導入することにより、放射標識化糖脂質を得ることがで
き、また、分子内にガラクトースオキシダーゼの基質と
なり得るガラクトース残基を有する糖脂質においては、
ガラクトース残基を一時的に酸化した後、放射標識化物
質で還元することにより、放射標識化糖脂質を得ること
ができる。
【0018】なお、放射標識化物質を原料とし、有機合
成により放射標識化糖脂質を合成することもできるが、
合成のステップ数が多くなると放射能汚染の危険性が増
大するので、この方法を採用することは避けた方が良
い。
【0019】本発明では、このようにして得られた放射
標識化糖脂質に、糖脂質の脂質部分と糖鎖部分との結合
を特異的に切断する性質を有する酵素を作用させて、糖
脂質の脂質部分と糖鎖部分との結合を切断する。この糖
脂質の脂質部分と糖鎖部分との結合を特異的に切断する
性質を有する酵素は、エンド型糖脂質分解酵素、エンド
グリコセラミダーゼ、あるいは、セラミドグリカナーゼ
等と称されており、系統名はオリゴグリコシルセラミド
グリコハイドロラーゼ(Oligoglycosylceramideglycohyd
rolase) 、酵素番号は 3.2.1.123である。このような性
質を有する酵素は、1986年に放線菌から分離されてお
り、その後、蛭等からも分離されている(J. Biol. Che
m., vol.261, p.14278, 1986)。そして、現在では、研
究用試薬としてこれらの酵素を入手することができ、例
えば、リコンビナント型エンドグリコセラミダーゼIIや
アクチベーターII含有エンドグリコセラミダーゼII等が
市販されている。
【0020】本発明においては、糖脂質の脂質部分と糖
鎖部分との結合を特異的に切断する性質を有する酵素で
あれば、特に使用に制限はないが、それぞれの酵素で基
質特異性が異なるので、非放射の系で、予め酵素の基質
特異性を確認し、使用することが好ましい。また、本発
明においては、糖脂質の脂質部分と糖鎖部分の放射標識
化オリゴ糖との結合を切断するに際しては、基質である
放射標識化糖脂質を含む反応液のpHを調整した後、酵素
を添加して、好ましくは温度を37℃前後に保持して反応
を行う。なお、反応液のpH調整は、原則として使用する
酵素の至適pHに基づいて行う。また、反応液のpH調整
は、酸やアルカリを添加することにより行えば良いが、
pHの微調整が必要な場合には、酢酸やリン酸等の緩衝液
により行えば良い。さらに、基質である放射標識化糖脂
質を含む反応液には、必要に応じてトリトンX-100やコ
ール酸ナトリウム、タウロデオキシコール酸ナトリウム
等の界面活性剤を0.01〜2%の範囲で添加しても構わな
い。そして、基質である放射標識化糖脂質を含む反応液
に添加する酵素量は、放射標識化糖脂質 100nMに対して
5〜30mUとすれば良い。 (酵素1Uとは、10μM のアシア
ロGM1から、酢酸緩衝液中で37℃において1分間に1
μM のグルコースに相当する還元糖を生成する酵素活性
をいう。)
【0021】本発明では、糖脂質の脂質部分と糖鎖部分
との結合を酵素で切断した後、糖鎖部分を分離回収す
る。この糖鎖部分を分離回収するに際しては、一般的な
糖脂質の抽出法であるフォルチの分配法(J. Biol. Che
m., vol.226, p.497, 1957)やブライ−ダイエル法(Can.
J. Biochem. Physiol., vol.37, p.911, 1959)等に従
って、クロロホルム−メタノール混液中で振とうした
後、静置又は遠心分離して、糖脂質の脂質部分と糖鎖部
分とを分離し、メタノール層に糖鎖部分を回収すること
ができる。なお、クロロホルム−メタノール混液のクロ
ロホルム:メタノール体積比については2:1〜1:2
とすれば良いが、水を5〜25%程度添加しても構わな
い。
【0022】この操作により、糖鎖部分は上層の水−メ
タノール層に抽出され、また、出発物質の糖脂質及び副
生成物の脂質部分は下層のクロロホルム層に抽出され、
除去することができる。なお、使用した酵素についても
極性の低いものであれば下層のクロロホルム層に抽出さ
れ、除去することができる。そして、糖鎖部分を含む上
層のメタノール層については、 0.1〜0.5 倍量のクロロ
ホルムで3回程度洗浄することにより、出発物質の糖脂
質及び副生成物の脂質部分、使用した酵素を完全に除去
することができる。なお、上層に残存するクロロホルム
は、窒素気流で乾燥することにより速やかに除去するこ
とができる。このようにして回収した糖鎖部分について
は、主に緩衝液に使用した塩類を含んでいるが、そのま
ま体内動態の追跡実験に使用することができる。しか
し、これらの塩類や混入している酵素等を除去したい場
合は、さらに、回収した糖鎖部分を精製すれば良い。
【0023】回収した糖鎖部分の精製は、例えば、限外
濾過、シリカゲルカラム担体による吸着クロマトグラフ
ィー、ゲル濾過クロマトグラフィー等の処理により、行
うことができる。また、回収した糖鎖部分が微量である
場合等においては、薄層クロマトグラフィー(TLC)
や高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により精製
すれば良い。
【0024】このようにして、種々の放射標識化オリゴ
糖を安全かつ簡便に製造することができる。なお、本発
明の技術は、全ての糖脂質に応用でき、極めて有用であ
る。
【0025】次に、実施例を示し、本発明をさらに詳し
く説明する。
【0026】
【参考例1】ガングリオシドGM3 500mgに1M/l濃度の
メタノール性水酸化カリウム20mlを加えて、80℃で12時
間加水分解した。反応後、反応液を中和し、メタノール
を留去して回収した残渣について、クロロホルム:メタ
ノール:水の組成比が30:60:8の溶液でシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーを行った。そして、溶出された
2種のニンヒドリン陽性画分の中、クロロホルム:メタ
ノール: 0.2%塩化カルシウムの組成比が55:45:10の
溶液による薄層クロマトグラフィーで、より大きな移動
度(RF値 0.3〜0.6)を示す画分を回収し、乾燥して、
乾燥物 469mgを得た。
【0027】この乾燥物 5.0mgを 0.6%トリエチルアミ
ン含有メタノール 5.0mlに懸濁し、14C放射標識化無水
酢酸 (比放射活性 248MBq/mM、室町化学工業製)3.5μM
(868kBq)を加え、室温で5時間反応させた後、非放射性
の無水酢酸 2.0μM を加えて、さらに室温で5時間反応
させた。そして、メタノールを留去して回収した残渣に
ついて、クロロホルム:メタノール:水の組成比が30:
60:8の溶液によるシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーでガングリオシドGM3を回収した。 このガングリ
オシドGM3は、糖鎖部分を構成するシアリルラクトー
ス中のN−アセチル基が14C放射標識化されたガングリ
オシドGM3であって、液体シンチレーションカウンタ
ーで測定した比放射活性は 105MBq/mMであり、また、薄
層クロマトグラフィーにより確認した化学純度は99.7%
であった。
【0028】
【実施例1】参考例1で得られた糖鎖部分を構成するシ
アリルラクトース中のN−アセチル基が14C放射標識化
されたガングリオシドGM3(比放射活性 105MBq/mM)
を糖脂質として、この14C放射標識化ガングリオシドG
M3 30.0mg を 0.4%Triton-Xを含む10mM酢酸緩衝液(p
H5.0) 30mlに溶解して反応液を調製した。そして、糖脂
質の脂質部分と糖鎖部分との結合を特異的に切断する性
質を有するリコンビナント型エンドグリコセラミダーゼ
(宝酒造製) 溶液1.0ml(100mU)を加えて37℃で10時間保
持し、ガングリオシドGM3の脂質部分を構成するセラ
ミドと糖鎖部分を構成する14C放射標識化シアリルラク
トースとの結合を切断した。この反応については、キー
ゼルゲル60HPTLCプレート (Art. 13749、メルク社
製) 及び展開溶媒としてクロロホルム:メタノール:
0.2%塩化カルシウムの組成比が55:45:10の溶液によ
る薄層クロマトグラフィーで経時的に追跡したところ、
反応開始後8時間でガングリオシドGM3のスポットが
消失しており、反応が完結していることを確認した。
【0029】この反応後の溶液については、クロロホル
ム:メタノールの組成比が2:1の混液を5倍量加えて
振とうした後、遠心分離して、上層に14C放射標識化シ
アリルラクトースを抽出し、下層に14C放射標識化ガン
グリオシドGM3及びセラミドを抽出した。そして、14
C放射標識化シアリルラクトースを含む上層にクロロホ
ルムを 0.2倍量加えて3回洗浄した後、窒素気流でクロ
ロホルムを除去し、脱イオン水で正確に50.0mlとなるよ
う希釈して、N−アセチル基が14C放射標識化されたシ
アリルラクトース溶液とした。なお、この溶液中に含ま
れるN−アセチル基が14C放射標識化されたシアリルラ
クトースの液体シンチレーションカウンターで測定した
収率は91%であった。また、薄層クロマトグラフィーで
14C放射標識化ガングリオシドGM3及びセラミドが残
存していないことを確認した。さらに、この14C放射標
識化シアリルラクトースの化学純度は98%であり、放射
純度は99%であった。
【0030】
【参考例2】ヒト白血病由来の細胞である HL-60細胞を
RPMI1640培地 (10%不活性化ウシ胎児血清及び 100国際
単位/ml 濃度のペニシリン 100μg/ml含有、ギブコ社
製) 10mlにおいて、5%二酸化炭素雰囲気下、37℃で48
時間培養した。培養後、この培地から 1.5×105 個の細
胞を取り出し、この細胞を14C放射標識化ウリジン二リ
ン酸グルコース (比放射活性 370kBq/ml) を加えた上記
のRPMI1640培地で10mlに希釈した。そして、これを5%
二酸化炭素雰囲気下、37℃で12時間培養した後、培養液
を除去し、リン酸緩衝化食塩水(pH 7.4)で2回洗浄し
た。さらに、この細胞を水2mlに懸濁し、クロロホル
ム:メタノールの組成比が1:1の混液10mlで4回抽出
した。そして、この抽出液については、クロロホルム:
メタノール:水の組成比が30:60:8となるよう調整
し、DEAE−セファデックスA-25カラムに通液した
後、クロロホルム:メタノール:0.8M酢酸ナトリウム水
溶液の組成比が30:60:8の溶液で溶出し、これを弱ア
ルカリ分解した後、クロロホルム:メタノール:水の組
成比が30:45:3の溶液によるシリカゲルカラムクロマ
トグラフィーで糖鎖部分を構成するグルコースが14C放
射標識化されたガングリオシドGM3 (比放射活性 49k
Bq/ml) 140μM を得た。なお、糖鎖部分を構成するグル
コース残基が14C放射標識化されたガングリオシドGM
3の化学純度は99.9%であり、放射純度は99.8%であっ
た。
【0031】
【実施例2】参考例2で得られた糖鎖部分を構成するグ
ルコース残基が14C放射標識化されたガングリオシドG
M3 (比放射活性 49kBq/ml)を糖脂質として、この14
放射標識化ガングリオシドGM3を 0.4%Triton-Xを含
む10mM酢酸緩衝液(pH5.0) 10mlに溶解して反応液を調製
した。そして、糖脂質の脂質部分と糖鎖部分との結合を
特異的に切断する性質を有するリコンビナント型エンド
グリコセラミダーゼ (宝酒造製) 溶液 0.2ml(20mU)を加
えて37℃で10時間保持し、ガングリオシドGM3の脂質
部分を構成するセラミドと糖鎖部分を構成する14C放射
標識化シアリルラクトースとの結合を切断した。この反
応についても、実施例1と同様にして経時的に追跡した
ところ、反応開始後6時間で反応が完結していることを
確認した。
【0032】この反応後の溶液については、クロロホル
ム:メタノールの組成比が2:1の混液を5倍量加えて
振とうした後、遠心分離して、上層に14C放射標識化シ
アリルラクトースを抽出し、下層に14C放射標識化ガン
グリオシドGM3及びセラミドを抽出した。そして、14
C放射標識化シアリルラクトースを含む上層にクロロホ
ルムを 0.2倍量加えて3回洗浄した後、窒素気流でクロ
ロホルムを除去し、脱イオン水で正確に20.0mlとなるよ
う希釈して、グルコース残基が14C放射標識化されたシ
アリルラクトース溶液とした。
【0033】なお、この溶液中に含まれるグルコース残
基が14C放射標識化されたシアリルラクトースの液体シ
ンチレーションカウンターで測定した収率は95%であっ
た。また、薄層クロマトグラフィーで14C放射標識化ガ
ングリオシドGM3及びセラミドが残存していないこと
を確認した。さらに、このグルコース残基が14C放射標
識化されたシアリルラクトースの化学純度は98%であ
り、放射純度は99%であった。
【0034】
【参考例3】バターミルク粉 5.0kgに4倍容量のアセト
ンを加えて3時間撹拌した後、その残渣にクロロホル
ム:メタノール:水の組成比が55:45:10の溶液、30:
60:8の溶液及び1:1:0の溶液を3段階に分けて順
次10倍容量加え、それぞれ37℃で1時間の抽出を行っ
た。次に、この抽出液を濃縮乾固して得られた残渣をク
ロロホルム:メタノールの組成比が1:1の溶液に溶解
した後、フォルチの分配を行い、減圧濃縮により上層か
ら有機溶媒を除去した後、脱イオン水で透析した。そし
て、この溶液をメタノールで飽和させた酢酸型DEAE
セファデックスカラム 5 lに通液し、クロロホルム:メ
タノール:水の組成比が30:60:8の溶液でカラムを洗
浄した後、クロロホルム:メタノール:0.8M酢酸ナトリ
ウム水溶液の組成比が30:60:8の溶液で溶出し、粗糖
脂質画分を得た。
【0035】この粗糖脂質画分を酢酸型DEAEセファ
デックスカラムに通液し、クロロホルム:メタノール:
酢酸ナトリウム水溶液の組成比が30:60:8の溶液で酢
酸ナトリウム水溶液の濃度が0〜 0.8%の範囲の濃度勾
配で溶出した。この溶出した糖脂質を乾燥した後、 0.0
5M塩酸50mlに懸濁し、80℃で30分加水分解した。そし
て、水酸化ナトリウムにより中和した後、脱イオン水で
透析し凍結乾燥して、ラクト−N−ネオ−ヘキサオース
型糖脂質 361mgを得た。このラクト−N−ネオ−ヘキサ
オース型糖脂質の化学純度は99.8%であった。なお、こ
こでいうラクト−N−ネオ−ヘキサオース型糖脂質と
は、示性式がII6(Galβ1→4GlcNAc)β−n
Lc4 Cerで表される物質である。
【0036】
【参考例4】参考例3で得られたラクト−N−ネオ−ヘ
キサオース型糖脂質 100mgに1M/l濃度のメタノール性水
酸化カリウム20mlを加えて、80℃で12時間加水分解し
た。反応後、反応液を中和し、メタノールを留去して回
収した残渣について、クロロホルム:メタノール:水の
組成比が30:60:8の溶液でシリカゲルカラムクロマト
グラフィーを行った。そして、溶出された2種のニンヒ
ドリン陽性画分の中、クロロホルム:メタノール: 0.2
%塩化カルシウムの組成比が55:45:10の溶液による薄
層クロマトグラフィー (3回展開) で、より大きな移動
度(RF値 0.2〜0.45)を示す画分を回収し、乾燥し
て、乾燥物81mgを得た。
【0037】この乾燥物 5.0mgを 0.6%トリエチルアミ
ン含有メタノール 5.0mlに懸濁し、14C放射標識化無水
酢酸 (比放射活性 248MBq/mM、室町化学工業製)3.5μM
(868kBq)を加え、室温で5時間反応させた後、非放射性
の無水酢酸 2.0μM を加えて、さらに室温で5時間反応
させた。そして、メタノールを留去して回収した残渣に
ついて、クロロホルム:メタノール:水の組成比が55:
45:10の溶液によるシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーでラクト−N−ネオ−ヘキサオース型糖脂質を回収し
た。
【0038】このラクト−N−ネオ−ヘキサオース型糖
脂質は、糖鎖部分を構成するラクト−N−ネオ−ヘキサ
オース中のN−アセチル基が14C放射標識化されたラク
ト−N−ネオ−ヘキサオース型糖脂質であって、液体シ
ンチレーションカウンターで測定した比放射活性は99MB
q/mMであり、また、薄層クロマトグラフィーにより確認
した化学純度は97%であった。
【0039】
【実施例3】参考例4で得られた糖鎖部分を構成するラ
クト−N−ネオ−ヘキサオース中のN−アセチル基が14
C放射標識化されたラクト−N−ネオ−ヘキサオース型
糖脂質 (比放射活性 99MBq/mM)を糖脂質として、この14
C放射標識化ラクト−N−ネオ−ヘキサオース型糖脂質
28mgを 0.4%Triton-Xを含む10mM酢酸緩衝液(pH5.0)30m
lに溶解して反応液を調製した。そして、糖脂質の脂質
部分と糖鎖部分との結合を特異的に切断する性質を有す
るリコンビナント型エンドグリコセラミダーゼ(宝酒造
製) 溶液1.0ml(100mU)を加えて37℃で15時間保持し、ラ
クト−N−ネオ−ヘキサオース型糖脂質の脂質部分を構
成するセラミドと糖鎖部分を構成する14C放射標識化ラ
クト−N−ネオ−ヘキサオースとの結合を切断した。こ
の反応についても、実施例1と同様にして経時的に追跡
したところ、反応開始後12時間で反応が完結しているこ
とを確認した。
【0040】この反応後の溶液については、クロロホル
ム:メタノールの組成比が2:1の混液を5倍量加えて
振とうした後、遠心分離して、上層に14C放射標識化ラ
クト−N−ネオ−ヘキサオースを抽出し、下層に14C放
射標識化ラクト−N−ネオ−ヘキサオース型糖脂質及び
セラミドを抽出した。そして、14C放射標識化ラクト−
N−ネオ−ヘキサオースを含む上層にクロロホルムを
0.2倍量加えて3回洗浄した後、窒素気流でクロロホル
ムを除去し、脱イオン水で正確に50.0mlとなるよう希釈
して、N−アセチル基が14C放射標識化されたラクト−
N−ネオ−ヘキサオース溶液とした。
【0041】なお、この溶液中に含まれるN−アセチル
基が14C放射標識化されたラクト−N−ネオ−ヘキサオ
ースの液体シンチレーションカウンターで測定した収率
は89%であった。また、薄層クロマトグラフィーで14
放射標識化ラクト−N−ネオ−ヘキサオース型糖脂質及
びセラミドが残存していないことを確認した。さらに、
このN−アセチル基が14C放射標識化されたラクト−N
−ネオ−ヘキサオースの化学純度は97%であり、放射純
度は99%であった。
【0042】
【参考例5】参考例3で得られたラクト−N−ネオ−ヘ
キサオース型糖脂質50mgをタウロデオキシコール酸ナト
リウム20mgを含む50mMリン酸緩衝液(pH7.0) 10mlに溶解
し、ガラクトースオキシダーゼ (シグマ社製) 40mg(256
U)を加えて37℃で4時間保持した後、IV型ペルオキシダ
ーゼ (シグマ社製) 2mg(約2,000U) 及びガラクトースオ
キシダーゼ (シグマ社製) 80mg(512U)を加えて一晩保持
し、さらに、ガラクトースオキシダーゼ (シグマ社製)
40mg(256U)を加えて8時間保持して反応を完結した。こ
の反応液を凍結乾燥した後、クロロホルム:メタノー
ル:水の組成比が55:45:10の溶液、30:60:8の溶液
及び1:1:0の溶液を3段階に分けて順次10倍容量加
え、それぞれ37℃で1時間の抽出を行った。次に、この
抽出液を濃縮乾固して得られた残査をクロロホルム:メ
タノール:水の組成比が55:45:10の溶液によるシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィーで糖脂質を回収し、乾燥
して酸化したラクト−N−ネオ−ヘキサオース型糖脂質
46.9mgを得た。
【0043】この酸化したラクト−N−ネオ−ヘキサオ
ース型糖脂質40.0mgを精留したテトラヒドロフラン 3ml
と 0.05M水酸化ナトリウム溶液 0.6mlとの混合液に溶解
し、3H放射標識化水素化ホウ素ナトリウム (比放射活
性 27GBq/mM 、第一化学薬品製) 925MBqを加え、室温で
一晩反応させた後、非放射性の水素化ホウ素ナトリウム
15mgを加えて、さらに室温で3時間反応させた。そし
て、反応液に注意深く酢酸を加えて酸性にした後、減圧
乾固して得た残渣をクロロホルム:メタノールの組成比
が1:1の溶液に溶解し、クロロホルム:メタノール:
水の組成比が55:45:10の溶液によるシリカゲルカラム
クロマトグラフィーでラクト−N−ネオ−ヘキサオース
型糖脂質を回収した。
【0044】このラクト−N−ネオ−ヘキサオース型糖
脂質は、糖鎖部分を構成するラクト−N−ネオ−ヘキサ
オース中のグルコース残基6位炭素に結合する水素が 3
H放射標識化されたラクト−N−ネオ−ヘキサオース型
糖脂質であって、液体シンチレーションで測定した比放
射活性は 138MBq/mMであり、また、薄層クロマトグラフ
ィーにより確認した化学純度は98%であった。
【0045】
【実施例4】参考例5で得られた糖鎖部分を構成するラ
クト−N−ネオ−ヘキサオース中のグルコース残基6位
炭素に結合する水素が 3H放射標識化されたラクト−N
−ネオ−ヘキサオース型糖脂質 (比放射活性 138MBq/m
M) を糖脂質として、この 3H放射標識化ラクト−N−
ネオ−ヘキサオース型糖脂質27mgを 0.4%Triton-Xを含
む10mM酢酸緩衝液(pH5.0) 30mlに溶解して反応液を調製
した。そして、糖脂質の脂質部分と糖鎖部分との結合を
特異的に切断する性質を有するリコンビナント型エンド
グリコセラミダーゼ (宝酒造製) 溶液1.0ml(100mU)を加
えて37℃で15時間保持し、ラクト−N−ネオ−ヘキサオ
ース型糖脂質の脂質部分を構成するセラミドと糖鎖部分
を構成する 3H放射標識化ラクト−N−ネオ−ヘキサオ
ースとの結合を切断した。この反応についても、実施例
1と同様にして経時的に追跡したところ、反応開始後12
時間で反応が完結していることを確認した。
【0046】この反応後の溶液については、クロロホル
ム:メタノールの組成比が2:1の混液を5倍量加えて
振とうした後、遠心分離して、上層に 3H放射標識化ラ
クト−N−ネオ−ヘキサオースを抽出し、下層に 3H放
射標識化ラクト−N−ネオ−ヘキサオース型糖脂質及び
セラミドを抽出した。そして、 3H放射標識化ラクト−
N−ネオ−ヘキサオースを含む上層にクロロホルムを
0.2倍量加えて3回洗浄した後、窒素気流でクロロホル
ムを除去し、脱イオン水で正確に50.0mlとなるよう希釈
して、グルコース残基が 3H放射標識化されたラクト−
N−ネオ−ヘキサオース溶液とした。
【0047】なお、この溶液中に含まれるグルコース残
基が 3H放射標識化されたラクト−N−ネオ−ヘキサオ
ースの液体シンチレーションカウンターで測定した収率
は86%であった。また、薄層クロマトグラフィーで 3
放射標識化ラクト−N−ネオ−ヘキサオース型糖脂質及
びセラミドが残存していないことを確認した。さらに、
このグルコース残基が 3H放射標識化されたラクト−N
−ネオ−ヘキサオースの化学純度は98%であり、放射純
度は98%であった。
【0048】
【発明の効果】本発明の方法によると、構造が明らかに
なっている糖脂質の糖鎖部分を放射標識化することによ
り、安全かつ簡便に種々の放射標識化オリゴ糖を製造す
ることができる。この放射標識化オリゴ糖は、オリゴ糖
の体内動態追跡実験等に使用することができ、極めて有
用な物質である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 糖鎖部分が放射標識化された糖脂質に、
    糖脂質の脂質部分と糖鎖部分との結合を特異的に切断す
    る性質を有する酵素を作用させて、糖脂質の脂質部分と
    糖鎖部分との結合を切断した後、糖鎖部分を分離回収す
    ることにより得ることができる放射標識化オリゴ糖。
  2. 【請求項2】 糖鎖部分が放射標識化された糖脂質に、
    糖脂質の脂質部分と糖鎖部分との結合を特異的に切断す
    る性質を有する酵素を作用させて、糖脂質の脂質部分と
    糖鎖部分との結合を切断した後、糖鎖部分を分離回収す
    ることを特徴とする放射標識化オリゴ糖の製造法。
  3. 【請求項3】 糖鎖部分を構成するシアリルラクトース
    のシアル酸残基中に存在するN−アセチル基が放射標識
    化された糖脂質のガングリオシドGM3に、糖脂質の脂
    質部分と糖鎖部分との結合を特異的に切断する性質を有
    する酵素を作用させて、ガングリオシドGM3のセラミ
    ドとシアリルラクトースとの結合を切断した後、シアリ
    ルラクトースを分離回収することにより得ることができ
    るN−アセチル基が放射標識化されたシアリルラクトー
    ス。
  4. 【請求項4】 糖鎖部分を構成するシアリルラクトース
    中のグルコース残基が放射標識化された糖脂質のガング
    リオシドGM3に、糖脂質の脂質部分と糖鎖部分との結
    合を特異的に切断する性質を有する酵素を作用させて、
    ガングリオシドGM3のセラミドとシアリルラクトース
    との結合を切断した後、シアリルラクトースを分離回収
    することにより得ることができるグルコース残基が放射
    標識化されたシアリルラクトース。
  5. 【請求項5】 糖鎖部分を構成するラクト−N−ネオ−
    ヘキサオースのグルコサミン残基中に存在するN−アセ
    チル基が放射標識化されたラクト−N−ネオ−ヘキサオ
    ース型糖脂質に、糖脂質の脂質部分と糖鎖部分との結合
    を特異的に切断する性質を有する酵素を作用させて、ラ
    クト−N−ネオ−ヘキサオース型糖脂質のセラミドとラ
    クト−N−ネオ−ヘキサオースとの結合を切断した後、
    ラクト−N−ネオ−ヘキサオースを分離回収することに
    より得ることができるN−アセチル基が放射標識化され
    たラクト−N−ネオ−ヘキサオース。
  6. 【請求項6】 糖鎖部分を構成するラクト−N−ネオ−
    ヘキサオース中のガラクトース残基が放射標識化された
    ラクト−N−ネオ−ヘキサオース型糖脂質に、糖脂質の
    脂質部分と糖鎖部分との結合を特異的に切断する性質を
    有する酵素を作用させて、ラクト−N−ネオ−ヘキサオ
    ース型糖脂質のセラミドとラクト−N−ネオ−ヘキサオ
    ースとの結合を切断した後、ラクト−N−ネオ−ヘキサ
    オースを分離回収することにより得ることができるガラ
    クトース残基が放射標識化されたラクト−N−ネオ−ヘ
    キサオース。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016521299A (ja) * 2013-04-03 2016-07-21 アソシアシオン・セントロ・デ・インベスティガシオン・コオペラティバ・エン・バイオマテリアレス 同位体標識されたグリカンの合成および使用
US9645154B2 (en) 2010-12-24 2017-05-09 Arkray, Inc. Method for detecting cancer cell

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